JPH11140177A - 超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方法 - Google Patents

超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方法

Info

Publication number
JPH11140177A
JPH11140177A JP30740897A JP30740897A JPH11140177A JP H11140177 A JPH11140177 A JP H11140177A JP 30740897 A JP30740897 A JP 30740897A JP 30740897 A JP30740897 A JP 30740897A JP H11140177 A JPH11140177 A JP H11140177A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
embedded image
carbon atoms
aromatic polycarbonate
image embedded
aryl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30740897A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Sugiyama
順一 杉山
Ritsuko Nagahata
律子 長畑
Goyaru Minakushi
ゴヤル ミナクシ
Kazuhiko Takeuchi
和彦 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP30740897A priority Critical patent/JPH11140177A/ja
Publication of JPH11140177A publication Critical patent/JPH11140177A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族
ポリカーボナートの製造方法を提供すること 【解決手段】分子量が3×105 以上である超高分子量
芳香族ポリカーボナート、及び環状芳香族ポリカーボナ
ートオリゴマ−(n=2〜5)の単一成分又は混合物を
原料として固相熱重合することにより、芳香族ポリカー
ボナートを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超高分子量芳香族
ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボナートは、機械的強度
及び耐衝撃性がきわめて高く、ポリメタクリル酸メチル
に匹敵する程度に高い透明性を有しており、成形体とし
たときに良好な寸法安定性を示し、又難燃性であるなど
の材料として好ましい特性を有している。これらの好ま
しい特性に着目して、代表的なエンジニアリングプラス
チックスとして、各方面で用いられている。具体的に
は、各種機械部品、各種電気絶縁材料、自動車部品、光
デイスクなどの情報機器材料、ヘルメットなどの安全防
護用材料などがあり、極めて多岐にわたっている。この
芳香族ポリカーボナートは、従来、次の二つの製造方法
により、製造されてきた。一つは、ビスフエノールとジ
フエニルカーボナートなどの炭酸誘導体を、無溶媒条件
下に反応させるエステル交換法であり、他の一つは、ビ
スフエノールとホスゲンを、溶媒及び脱酸剤の存在下に
脱塩重縮合反応させるホスゲン法である。前者のエステ
ル交換法はプロセスが簡単であるものの、高分子量のポ
リカーボナートが得にくく、製品に着色がみられ、ま
た、成形加工時に加水分解し易いなどの材料として好ま
しくない問題点が指摘されている。一方、後者のホスゲ
ン法では、エステル交換法と比べて、高分子量のポリカ
ーボナートが得られれ、また、製品は無色であるなどの
利点を有するものの、製造に猛毒であるホスゲンを用い
るために、プロセスとしての危険性が指摘されていた。
そして、ホスゲン法により製造する場合であっても、得
られるポリカーボナートの分子量は数万が限度で、それ
より分子量が大きいものは得られていなかった。近年、
より高度の材料の開発が要求され、より分子量の大きい
超高分子量芳香族ポリカーボナートが強く要望されてい
る。そして、その際に、ホスゲンなどの危険性の高い物
質を用いることなく製造することを前提とした新規な製
造方法の研究が、積極的に進められている。この新しい
製法として、環状オリゴカーボナートを用いる方法が提
案された(D.J.Brunelle and T.
G.Shannon,Macromolecules,
vol.25、p,3035(1991))。これは、
2量体から20量体のビスフエノールAカーボナートの
環状オリゴマーからなる混合物を、塩基性触媒の存在下
に加熱開環重合させる方法である。この方法により得ら
れる生成物の重量平均分子量は、50000〜3000
00未満程度であり、従来得られたポリカーボナートと
比較して、より高分子量のものであるということができ
る。しかしながら、この程度の分子量ではまだ十分でな
いという指摘があり、又この方法では比較的多量に塩基
性触媒を使用するものであり、製造終了後荷、この触媒
を最終製品である生成物から除去することが必要であ
り、除去操作が煩雑であることが問題点として指摘され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、超高
分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナ
ートを製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意検討し、特定の環状芳香族ポリカーボナー
トオリゴマ−(2量体から5量体の単品又は混合物)を
用いて重合反応を行うと、従来知られている芳香族ポリ
カーボナートより分子量が大きい超高分子量芳香族ポリ
カーボナートが得られることを見いだし、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明によれば、以下の発明
が提供される。
【0005】下記一般式(I)
【化1】 〔式中、R1、R2は、ハロゲン原子、もしくは炭素数
1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は
置換されているアリール基を示す。R1とR2は、同一
であっても、又異なっていても差し支えない。l、m
は、0、1又は2の数を表す。また、Xは、以下の基を
表す。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 (ここで、R3,R4は、ハロゲン原子、もしくは炭素
数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又
は置換されているアリール基を示す。R3,R4は、同
一であっても、又異なっていても差し支えない。また、
R5は、炭素数3〜8のアルキレン基を表す。)〕で示
される分子量が3×105 以上の超高分子量芳香族ポリ
カーボナート、及び下記一般式(II)
【化2】 〔式中、R1、R2は、ハロゲン原子、もしくは炭素数
1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は
置換されているアリール基を示す。R1とR2は、同一
であっても、又異なっていても差し支えない。l、m
は、0、1又は2の数、nは、2以上5以下の範囲の数
を表す。また、Xは、以下の基を表す。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 (ここで、R3,R4は、ハロゲン原子、もしくは炭素
数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又
は置換されているアリール基を示す。R3,R4は、同
一であっても、又異なっていても差し支えない。また、
R5は、炭素数3〜8のアルキレン基を表す。)〕で示
される環状芳香族カーボナートオリゴマ−を、固相熱重
合させることにより、下記一般式(I)
【化1】 〔式中、R1、R2は、ハロゲン原子、もしくは炭素数
1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は
置換されているアリール基を示す。R1とR2は、同一
であっても、又異なっていても差し支えない。l、m
は、0、1又は2の数を表す。また、Xは、以下の基を
表す。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 (ここで、R3,R4は、ハロゲン原子、もしくは炭素
数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又
は置換されているアリール基を示す。R3,R4は、同
一であっても、又異なっていても差し支えない。また、
R5は、炭素数3〜8のアルキレン基を表す。)〕で示
される芳香族ポリカーボナートの製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の超分子量芳香族ポリカー
ボナートを製造するためには、下記一般式(II)
【化2】 〔式中、R1、R2は、ハロゲン原子、もしくは炭素数
1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は
置換されているアリール基を示す。R1とR2は、同一
であっても、又異なっていても差し支えない。l、m
は、0、1又は2の数、nは、2以上5以下の範囲の数
を表す。また、Xは、以下の基を表す。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 (ここで、R3,R4は、ハロゲン原子、もしくは炭素
数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又
は置換されているアリール基を示す。R3,R4は、同
一であっても、又異なっていても差し支えない。また、
R5は、炭素数3〜8のアルキレン基を表す。)〕で示
される環状芳香族カーボナートオリゴマ−を用いる。こ
の環状芳香族カーボナートは、次式で表される基
【化9】 からなる芳香族カーボナートオリゴマ−(2量体乃至5
量体)により構成される環状芳香族カーボナートであ
る。
【0007】環状芳香族カーボナートには次のものが含
まれる。 (1)ビス(ヒドロキシアリール)アルカンカーボナー
トの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナ
ート。 (2)ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカンカー
ボナートの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カ
ーボナート。 (3)ジヒドロキシアリールエーテルカーボナートの
2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナー
ト。 (4)ジヒドロキシジアリールスルフイドカーボナート
の2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナー
ト。 (5)ジヒドロキシジアリールスルホキシドカーボナー
トの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナ
ート。 (6)ジヒドロキシアリールスルホンの2、3、4及び
5量体からなる環状芳香族カーボナート。 具体的な環状芳香族カーボナートとしては、以下のもの
を挙げることができる。(1)ビス(ヒドロキシアリー
ル)アルカンカーボナートの2、3、4及び5量体から
なる環状芳香族カーボナート。ビス(4ーヒドロキシフ
エニル)メタンカーボナートの2、3、4及び5量体か
らなる環状芳香族カーボナート。1、1ービス(4ーヒ
ドロキシフエニル)エタンカーボナートの2、3、4及
び5量体からなる環状芳香族カーボナート。2、2ービ
ス(4ーヒドロキシフエニル)プロパンカーボナートの
2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナー
ト。2、2ービス(4ーヒドロキシフエニル)ブタンカ
ーボナートの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族
カーボナート。2、2ービス(4ーヒドロキシフエニ
ル)オクタンカーボナートの2、3、4及び5量体から
なる環状芳香族カーボナート。ビス(4ーヒドロキシフ
エニル)フエニルメタンカーボナートの2、3、4及び
5量体からなる環状芳香族カーボナート。2、2ービス
(4ーヒドロキシー3ーメチルフエニル)プロパンカー
ボナートの2、3、4および5量体からなる環状芳香族
カーボナート。1、1ービス(4ーヒドロキシーt−ブ
チルフエニル)プロパンカーボナートの2、3、4及び
5量体からなる環状芳香族カーボナート。2、2ービス
(4ーヒドロキシー3ーブロモフエニル)プロパンカー
ボナートの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カ
ーボナート。 (2)ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカンカー
ボナートの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カ
ーボナート。1、1ービス(4ーヒドロキシフエニル)
シクロペンタンカーボナートの2、3、4及び5量体か
らなる環状芳香族カーボナート。1、1ービス(4ーヒ
ドロキシフエニル)シクロヘキサンカーボナートの2、
3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナート。 (3)ジヒドロキシアリールエーテルカーボナートの
2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナー
ト。4、4’ージヒドロキシジフエニルエーテルカーボ
ナートの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カー
ボナート。4、4’ージヒドロキシー3、3’ージメチ
ルフエニルエーテルカーボナートの2、3、4及び5量
体からなる環状芳香族カーボナート。 (4)ジヒドロキシジアリールスルフイドカーボナート
の2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナー
ト。4、4’ージヒドロキシジフエニルスルフイドカー
ボナートの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カ
ーボナート。4、4’ージヒドロキシー3、3’ージメ
チルジフエニルスルフイドカーボナートの2、3、4及
び5量体からなる環状芳香族カーボナート。 (5)ジヒドロキシジアリールスルホキシドカーボナー
トの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナ
ート。4、4’ーヒドロキシジフエニルスルホキシドカ
ーボナートの2、3、4及び5量体からなる環状芳香族
カーボナート。4、4’ージヒドロキシー3、3’ージ
メチルジフエニルスルホキシドカーボナートの2、3、
4及び5量体からなる環状芳香族カーボナート。 (6)ジヒドロキシアリールスルホンの2、3、4及び
5量体からなる環状芳香族カーボナート。4、4’ージ
ヒドロキシジフエニルスルホンの2、3、4及び5量体
からなる環状芳香族カーボナート。4、4’ージヒドロ
キシー3、3’ージメチルジフエニルスルホンの2、
3、4及び5量体からなる環状芳香族カーボナート。こ
れらの原料は、一種類の原料のみを用いることもできる
が、二種類以上の原料を用いることもできる。これらの
中では、2、2’ービス(4ーヒドロキシフエニル)プ
ロパンカーボナートの2、3、4及び5量体からなる環
状芳香族カーボナートを、原料に用いると、目的生成物
である芳香族ポリカーボナートを、高収率で得られるの
で、最も好ましい。また、4量体を用いた場合には、2
量体、3量体の原料を用いた場合と比較すると、分子量
の大きな芳香族ポリカーボナートが得られる。
【0008】これらの原料を製造するためには、次の製
法により製造することができる。ビス(ヒドロキシアリ
ール)アルカンカーボナートの2、3、4及び5量体か
らなる環状芳香族カーボナートの製法は、以下の方法に
より製造される。ビス(ヒドロキシアリ−ル)アルカン
のビスクロロホルメ−トと、トリホスゲンを原料とし
て、加水分解反応と縮合反応をさせて、2量体から20
量体程度のビス(ヒドロキシアリ−ル)アルカンカ−ボ
ナ−トのオリゴマ−が得られる。これらの混合物を分別
精製し、2から5量体の混合物又は2から5量体の単一
成分を得る。同様にして、ビス(ヒドロキシアリール)
シクロアルカンを原料とすることにより、ビス(ヒドロ
キシアリ−ル)シクロアルカンカ−ボナ−トのオリゴマ
−が得られる。又、ジヒドロキシアリールエーテルカー
ボナート、ジヒドロキシアリールスルフイドカーボナー
ト、ジヒドロキシジアリールスルホキシドカーボナート
及びジヒドロキシアリールスルホンの2、3、4、及び
5量体からなる環状芳香族カーボナートを得ることがで
きる。
【0009】本発明の重合反応は、以下のようにして行
う。重合反応の原料となる前記一般式(II)で表され
る環状芳香族カーボナートを、重合反応器に供給する。
環状芳香族カーボナートは、できるだけ不純物を含んで
いないことが必要である。精製には、適当なクロロホル
ムなどの単一溶媒、或いは混合溶媒を用いる分別沈澱
法、分取ゲルパーミエーションクロマトグラフイーによ
る分別法、再結晶法などが用いられる。これらの手段を
用いることにより、原料の環状芳香族カーボナートの純
度は、少なくとも95重量%以上とすることが必要であ
る。これ未満の純度の場合には、目的生成物である高分
子物の重合度に関し、目的とするような高いものが得ら
れない結果となる。重合反応の原料は、前記一般式(I
I)で表される環状芳香族カーボナートを、処理して2
量体のみ、3量体のみ、4量体のみというように、それ
ぞれの単一成分を分別、分離して、原料とするか、又
は、2〜5量体の混合物として分別、分離して原料とす
る。この場合の、原料の純度の確認は、マトリックス支
援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置などで
行う。重合反応器は、加熱手段を有するものであり、管
型、槽型または塔型いづれでも用いることができる。攪
拌手段は有していてもよいが、必ず攪拌が必要というも
のではない。反応器材質は原料である環状芳香族カーボ
ナートと反応しないもの、または副反応を起こさないも
のであれば、どのような材質のものでも用いることがで
きる。本発明の重合反応の反応器の材質としては、アル
ミニウム、ステンレスなどが、通常用いられる。重合反
応の温度は、200〜350℃、好ましくは、280〜
320℃の範囲である。200℃未満の場合には重合反
応が進行しない場合があり、350℃を超える場合に
は、目的生成物中に分岐構造が高度に進行し、所望のも
のが得られない或いは着色の原因となるなどの好ましく
ないことが、生起する。反応圧力は大気圧から5気圧程
度の範囲であり、大気圧下で進めることができる。反応
時間は、1〜240分、好ましくは10〜40分の範囲
である。反応触媒は、あえて使用しなくても加熱するこ
とにより反応を進行させることができる。触媒を使用す
る場合には、目的とする芳香族ポリカーボナートから除
去することが必要であり、煩雑な操作を必要とする事と
なる。重合反応は、終始、窒素、不活性ガスなどの存在
下に行うことが好ましい。
【0010】重合反応終了後に、目的生成物を反応器よ
り取り出す。初めに、クロロホルム、塩化メチレンなど
の溶剤に溶解させ、次に、ケトン類などにより再沈澱さ
せる。必要に応じてこの操作を繰り返し、未反応原料及
び副反応生成物を除去し、減圧下に乾燥させると、白色
の純粋な目的生成物のポリマーを得る。
【0011】前記重合反応生成物を精製処理し、下記一
般式(I)で表される繰り返し単位を有する目的生成物
を得ることができる。下記一般式
【化1】 〔式中、R1、R2は、ハロゲン原子、もしくは炭素数
1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は
置換されているアリール基を示す。R1とR2は、同一
であっても、又異なっていても差し支えない。l、m
は、0、1又は2の数を表す。また、Xは、以下の基を
表す。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 (ここで、R3,R4は、ハロゲン原子、もしくは炭素
数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又
は置換されているアリール基を示す。R3,R4は、同
一であっても、又異なっていても差し支えない。また、
R5は、炭素数3〜8のアルキレン基を表す。)〕で示
される芳香族ポリカーボナート。
【0012】前記重合方法により、分子量が3×105
以上(重量平均分子量)の超高分子量芳香族ポリカーボ
ナートを得ることができる。分子量の上限は、必ずしも
明確ではないが、前記重合方法によって、8.79×1
5 の超高分子量芳香族ポリカーボナートが得られるこ
とを確認している。反応条件などをさらに検討すること
によりさらに高分子量のものが得られるものと考えられ
る。この超高分子量ポリカーボナートについて、TG−
DTA分析を行い、高温における重量の減少を測定し
た。前記8.79×105 の分子量のTG−DTA分析
の結果は、5%重量減少温度は457℃であった。従来
の製法により製造した分子量1.03×105 (重量平
均分子量)の場合には、5%重量減少温度は426℃で
あった。これらの結果から高温耐熱性がさらに向上でき
るものであることが分かった。この結果から見ると、各
種の機械部品、電気絶縁材料などのエンジニアリングプ
ラスチックとしてより一層有効に使用することができる
ものであることが分かる。
【0013】
【実施例】次に、実施例により本発明について更に詳細
に説明する。本発明は、これらの内容により限定される
というものではない。目的生成物の確認は、以下の方法
により行う。 (1)高分子物の基本単位の構造の確認 得られる芳香族ポリカーボナートを構成する基本単位の
構造については、赤外線分光分析及びNMR分析のスペ
クトルを解析することにより行う。 (2)分子量の測定 得られる芳香族ポリカーボナートをクロロホルムに溶解
後、ポリスチレンで校正したゲルパーミエーションクロ
マトグラフイーで分析し、重量平均分子量を算出する。
【0014】実施例1 環状芳香族ポリカーボナートとして、ビスフエノールA
カーボナートの環状オリゴマーを合成した。このオリゴ
マーは、2量体〜20量体からなる混合物であることを
確認した。次に、分別沈澱により、2量体のみを分別し
た。得られた成分を更に再結晶処理し、98%以上の純
度に精製した。純度は、マトリックス支援レーザー脱離
イオン化飛行時間型質量分析装置((株)島津製作所
製)にて行った。このようにして調製したビスフエノー
ルAカーボナートの環状2量体0.1gを、アルミニウ
ム製反応器に充填した。窒素気流下に、300℃で20
分間加熱した。反応終了後、反応生成物をジクロロメタ
ンに溶解し、アセトンにより再沈させ、不溶物を濾別
し、得られた固体生成物を更にアセトンにより十分洗浄
した。次に、50℃で12時間、油回転真空ポンプによ
り減圧乾燥させた。その結果、白色のポリマー0.09
6gを得た。このポリマーを赤外分光分析及び1HーN
MRによるスペクトル測定を行い、ビスフエノールAカ
ーボナートを基本単位とするポリマーであることを確認
した。 このポリマーをクロロホルムに溶解させて、ポ
リスチレンで校正したゲルパーミエーションクロマトグ
ラフイーにより分析し、重量平均分子量を算出した結
果、 348,000であった。
【0015】実施例2 実施例1と同様にして、環状ビスフエノールAカーボナ
ート3量体を分別精製し、その0.1gをアルミニウム
製の反応器に充填した。窒素気流下に、300℃、20
分間加熱した。反応後、アセトン洗浄を行い、減圧乾燥
させ、白色のポリマー0.047gを得た。このポリマ
ーをクロロホルムに溶解させて、ポリスチレンで校正し
たゲルパーミエーションクロマトグラフイーで分析し、
重量平均分子量を算出した結果、879,000であっ
た。このポリマ−を用い、不活性気流中でTG−DTA
分析を行ったところ、5重量%減少温度は457℃であ
った。
【0016】実施例3 実施例1と同様にして、環状ビスフエノールAカーボナ
ート4量体を分別精製し、その0.1gをアルミニウム
製の反応器に充填した。窒素気流下に、300℃、40
分間加熱した。反応後、アセトン洗浄を行い、減圧乾燥
させ、白色のポリマー0.045gを得た。このポリマ
ーをクロロホルムに溶解させて、ポリスチレンで校正し
たゲルパーミエーションクロマトグラフイーで分析し、
重量平均分子量を算出した結果、848,000であっ
た。
【0017】実施例4 実施例1と同様にして、環状ビスフエノールAカーボナ
ート5量体を分別精製し、その0.1gをアルミニウム
製の反応器に充填した。窒素気流下に、300℃、12
0分間加熱した。反応後、アセトン洗浄を行い、減圧乾
燥させ、白色のポリマー0,073gを得た。このポリ
マーをクロロホルムに溶解させて、ポリスチレンで校正
したゲルパーミエーションクロマトグラフイーで分析
し、重量平均分子量を算出した結果、524,000で
あった。
【0018】比較例1 環状ビスフエノールAカーボナート2〜20量体からな
る混合物0.1gをアルミニウム製の反応器に充填し
た。窒素気流下に、300℃、40分間加熱した。反応
後、アセトン洗浄を行ない、減圧乾燥させ、白色のポリ
マー0.095gを得た。このポリマーをクロロホルム
に溶解させて、ポリスチレンで校正したゲルパーミエー
ションクロマトグラフイーで分析し、重量平均分子量を
算出した結果、103,000であった。このポリマ−
を用い、実施例2と同様にしてTG−DTA分析を行な
った結果、5%重量減少温度は426℃であった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、新規な分子量3×10
5 以上の超高分子量のポリカーボナートを得ることがで
きる。このポリカーボナートは、従来知られている低分
子量のポリカーボナートと比較して、耐熱性などの点で
一層優れた特性を有するものである。又、本発明の方法
によれば、触媒を用いることなく、活性塩素を含まない
状態で分子量3×105 以上のポリカーボナートを製造
することができ、不純物の分離の必要性がない。したが
って、分離精製の点から見て簡便で、効率が良い方法で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 和彦 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 〔式中、R1、R2は、ハロゲン原子、もしくは炭素数
    1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は
    置換されているアリール基を示す。R1とR2は、同一
    であっても、又異なっていても差し支えない。l、m
    は、0、1又は2の数を表す。また、Xは、以下の基を
    表す。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 (ここで、R3,R4は、ハロゲン原子、もしくは炭素
    数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又
    は置換されているアリール基を示す。R3,R4は、同
    一であっても、又異なっていても差し支えない。また、
    R5は、炭素数3〜8のアルキレン基を表す。)〕で示
    される繰り返し単位を有する分子量が3×105 以上の
    超高分子量芳香族ポリカーボナート。
  2. 【請求項2】下記一般式(II) 【化2】 〔式中、R1、R2は、ハロゲン原子、もしくは炭素数
    1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は
    置換されているアリール基を示す。R1とR2は、同一
    であっても、又異なっていても差し支えない。l、m
    は、0、1又は2の数、nは、2以上5以下の範囲の数
    を表す。また、Xは、以下の基を表す。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 (ここで、R3,R4は、ハロゲン原子、もしくは炭素
    数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又
    は置換されているアリール基を示す。R3,R4は、同
    一であっても、又異なっていても差し支えない。また、
    R5は、炭素数3〜8のアルキレン基を表す。)〕で示
    される環状芳香族カーボナートオリゴマ−を、固相熱重
    合させることにより、下記一般式(I) 【化1】 〔式中、R1、R2は、ハロゲン原子、もしくは炭素数
    1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は
    置換されているアリール基を示す。R1とR2は、同一
    であっても、又異なっていても差し支えない。l、m
    は、0、1又は2の数を表す。また、Xは、以下の基を
    表す。 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 (ここで、R3,R4は、ハロゲン原子、もしくは炭素
    数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又
    は置換されているアリール基を示す。R3,R4は、同
    一であっても、又異なっていても差し支えない。また、
    R5は、炭素数3〜8のアルキレン基を表す。)〕で表
    される繰り返し単位を有する芳香族ポリカーボナートを
    製造することを特徴とする芳香族ポリカーボナートの製
    造方法。
  3. 【請求項3】環状芳香族ポリカーボナートオリゴマ−が
    単一成分からなるものであり、純度が95重量%以上で
    あるものを原料として固相熱重合することを特徴とする
    請求項2記載の芳香族ポリカーボナートの製造方法。
  4. 【請求項4】環状芳香族ポリカ−ボナ−トオリゴマ−の
    混合物を原料として固相熱重合することを特徴とする請
    求項2記載の芳香族ポリカ−ボナ−トの製造方法。
  5. 【請求項5】環状芳香族ポリカーボナートオリゴマ−
    を、温度200〜350℃で、不活性気体の雰囲気下に
    固相熱重合するものであることを特徴とする請求項2乃
    至4記載のいずれかである芳香族ポリカーボナートの製
    造方法。
  6. 【請求項6】得られる芳香族ポリカーボナートが、重量
    平均分子量3×105 以上である芳香族ポリカーボナー
    トであることを特徴とする請求項2乃至5記載のいずれ
    かである芳香族ポリカーボナートの製造方法。
JP30740897A 1997-11-10 1997-11-10 超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方法 Pending JPH11140177A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30740897A JPH11140177A (ja) 1997-11-10 1997-11-10 超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30740897A JPH11140177A (ja) 1997-11-10 1997-11-10 超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11140177A true JPH11140177A (ja) 1999-05-25

Family

ID=17968702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30740897A Pending JPH11140177A (ja) 1997-11-10 1997-11-10 超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11140177A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011154035A (ja) * 2000-03-07 2011-08-11 Solvay (Sa) ヒドロフルオロアルカンの分析方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011154035A (ja) * 2000-03-07 2011-08-11 Solvay (Sa) ヒドロフルオロアルカンの分析方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2551370C2 (ru) Способ производства высокополимеризованной ароматической поликарбонатной смолы
EP1358246B1 (en) Melt polycarbonate catalyst systems
KR100561337B1 (ko) 고분자량의 폴리카보네이트 수지의 제조방법
JPH0149730B2 (ja)
US9371431B2 (en) Poly(ether sulfone)s and poly(ether amide sulfone)s and methods of their preparation
KR20140009441A (ko) 2개의 알킬 카보네이트 작용기를 보유하는 디안하이드로헥시톨의 유도체로부터 폴리카보네이트를 제조하는 방법
JPH0662753B2 (ja) ハイドロキノン―ビスフエノール環式コポリカーボネート及びその製造法
JP2556517B2 (ja) スピロビインダンビスフェノ−ル類からの環状ポリカ−ボネ−トオリゴマ−
EP2987817B1 (en) Polycarbonate manufacturing method and polycarbonate
EP0205012B1 (en) Method for preparing siloxane-carbonate block copolymers
KR100799034B1 (ko) 올리고카르보네이트의 제조 방법
JPH11140177A (ja) 超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方法
US4767840A (en) Cyclic monocarbonate bishaloformates, method for their preparation, and uses thereof
US6288202B1 (en) Synthesis of polycarbonates using Co2
JP2011157465A (ja) 環状オリゴマーおよびそれを用いた熱可塑性樹脂の製造方法
EP1360221A1 (en) Melt polycarbonate catalyst systems
JP2001139675A (ja) 超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造法
JP3682536B2 (ja) 芳香族ポリカーボネートの製造方法
JP3318608B2 (ja) 高分子量芳香族ポリカーボナートの製造方法
JPH03190924A (ja) 特定のジヒドロキシジフエニルアルカンに基づくポリカーボネートの2段階製造方法
US4921975A (en) Cyclic monocarbonate bishaloformates
Brunelle Recent advances in the chemistry of aromatic cyclic oligomers
JP2527191B2 (ja) ポリカ−ボネ−トの製法
US4767877A (en) Nitrogen-containing bisphenol compositions
JPH01151574A (ja) 環状ポリカーボネートオリゴマーの線状ポリカーボネートへの重合の抑制法