JP2001139675A - 超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造法 - Google Patents

超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造法

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JP2001139675A
JP2001139675A JP31946999A JP31946999A JP2001139675A JP 2001139675 A JP2001139675 A JP 2001139675A JP 31946999 A JP31946999 A JP 31946999A JP 31946999 A JP31946999 A JP 31946999A JP 2001139675 A JP2001139675 A JP 2001139675A
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Junichi Sugiyama
順一 杉山
Ritsuko Nagahata
律子 長畑
Goyaru Minakushi
ミナクシ・ゴヤル
Kazuhiko Takeuchi
和彦 竹内
Michihiko Asai
道彦 浅井
Mitsuru Ueda
充 上田
Kazunori Seki
和範 関
Tadashi Narita
正 成田
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【課題】超高分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族
ポリカーボナートの製造方法の提供 【解決手段】下記一般式(I)で示される繰り返し単位
を有する分子量が3×10以上の超高分子量芳香族ポ
リカーボナート及びその製法。 【化1】 (I)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
または置換されているアリール基を示す。R1とR2
は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
l、mは、0、1、2、3又は4の数を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超高分子量芳香族
ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナートの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】 芳香族ポリカーボナートは機械的強度
及び耐衝撃性がきわめて高く、ポリメタクリル酸メチル
に匹敵する程度に高い透明性を有しており、成形体とし
たときに良好な寸法安定性を示し、又難燃性であるなど
の材料として好ましい特性を示している。これらの好ま
しい特性に着目して、代表的なエンジニアリングプラス
チックとして、各方面で用いられている。具体的には、
各種機械部品、各種電気絶縁材料、自動車部品、光ディ
スクなどの情報機器材料、ヘルメットなどの安全防護材
料、コピー機などの感光体用バインダーなどがあり、き
わめて多岐にわたっている。この芳香族ポリカーボナー
トは、従来二つの製造方法により製造されてきた。一つ
はビスフェノールとジフェニルカーボナートなどの炭酸
誘導体を、無溶媒条件下に反応させるエステル交換法で
あり、他の一つは、ビスフェノールとホスゲンを、溶媒
及び脱酸剤の存在下に脱塩重縮合反応させるホスゲン法
である。前者のエステル交換法はプロセスが簡単である
ものの、高分子量のポリカーボナートが得にくく、製品
に着色が見られ、また、成形加工時に加水分解し易いな
どの材料として好ましくない問題点が指摘されている。
一方、後者のホスゲン法では、エステル交換法と比べ
て、高分子量のポリカーボナートが得られ、また、製品
は無色であるなどの利点を有するものの、製造に猛毒で
あるホスゲンを用いるために、プロセスとしての危険性
が指摘されていた。そして、ホスゲン法により製造する
場合であっても、得られるポリカーボナートの分子量は
数万が限度で、それより分子量が大きいものは得られて
いなかった。 近年、より高度の材料の開発が要求さ
れ、より分子量の大きい超高分子量芳香族ポリカーボナ
ートが強く要望されている。そして、その際に、ホスゲ
ンなどの危険性の高い物質を用いることなく製造するこ
とを前提とした新規な製造方法の研究が、積極的に進め
られている。この新しい製法として、環状オリゴカーボ
ナートを用いる方法が提案された(D.J.Brunelle, Macr
omol. Chem., Macromol. Symp.,64,65 (1992))。これ
は、2量体から20量体程度のビスフェノールZカーボ
ナートの環状オリゴマーからなる混合物を、塩基性触媒
の存在下に加熱開環重合させる方法である。この方法に
より得られる生成物の重量平均分子量は87,000未
満程度であり、従来得られたポリカーボナートと比較し
てより高分子量のものであると言うことができる。しか
しながら、この程度の分子量ではまだ十分でないという
指摘があり、又この方法では比較的多量に塩基性触媒を
使用するののであり、製造終了後に、この触媒を最終製
品である生成物から除去することが必要であり、除去操
作が煩雑であることが問題点として指摘されている。本
発明者らは、環状芳香族カーボナートオリゴマーを固相
重合して、分子量が3×10 以上の超高分子量芳香
族ポリカーボナートを製造することに成功した(特開平
11−140177号公報)。このような超高分子量の
芳香族ポリカーボネートが得られることは大変驚くべき
結果であった。さらに、原料物質を種々変化させて超高
分子量ポリカーボネートの製造が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、超高
分子量芳香族ポリカーボナート及び芳香族ポリカーボナ
ートの製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、前記課
題について鋭意検討し、特定の環状芳香族ポリカーボナ
ートオリゴマー(2量体から4量体の単品または混合
物)を用いて重合反応を行うと、従来知られている芳香
族ポリカーボナートより分子量が大きい超高分子量芳香
族ポリカーボナートが得られることを見いだし、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下
の発明が提供される。
【0005】下記一般式(I)で示される分子量が3×
10以上の超高分子量芳香族ポリカーボナート。
【化4】 (I)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
または置換されているアリール基を示す。R1とR2
は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
l、mは、0、1、2、3又は4の数を表す。] 下記一般式(II)で示される環状カーボナートオリゴマ
ーを、固相熱重合させることにより、下記一般式(I)
で示される高分子量芳香族ポリカーボナートの製造方
法。
【化5】 (II)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
または置換されているアリール基を示す。R1とR2
は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
l、mは、0、1、2、3又は4の数、nは、2以上4
以下の範囲の数を表す。]
【化6】 (I)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
または置換されているアリール基を示す。R1とR2
は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
l、mは、0、1、2、3又は4の数を表す。]
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の超高分子量芳香族ポリカ
ーボナートを製造するためには、下記一般式(II)
【化7】 (II)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
または置換されているアリール基を示す。R1とR2
は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
l、mは、0、1、2、3又は4の数、nは、2以上4
以下の範囲の数を表す。] で示される環状カーボナー
トオリゴマーを用いる。この環状芳香族カーボナートは
次式で表される基
【化8】 からなる芳香族カーボナートオリゴマー(2量体乃至4
量体)により構成される環状芳香族カーボナートであ
る。
【0007】環状芳香族カーボナートには次のものが含
まれる。 (1)ビス(ヒドロキシアリール)シクロヘキサンカー
ボナートの2、3及び4量体からなる環状芳香族カーボ
ナート。具体的な環状芳香族カーボナートとしては、以
下のものを挙げることができる。 (1)ビス(ヒドロキシアリール)シクロヘキサンカー
ボナートの2、3及び4量体からなる環状芳香族カーボ
ナート。1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンカーボナートの2、3及び4量体からなる環
状芳香族カーボナート。1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−3−クロロフェニル)シクロヘキサンカーボナートの
2、3及び4量体からなる環状芳香族カーボナート。
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)シクロヘキサンカーボナートの2、3及び4量体
からなる環状芳香族カーボナート。1,1−ビス(4−
ヒドロキシ−2,3,5−トリクロロフェニル)シクロ
ヘキサンカーボナートの2、3及び4量体からなる環状
芳香族カーボナート。1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
2,3,5,6−テトラクロロフェニル)シクロヘキサ
ンカーボナートの2、3及び4量体からなる環状芳香族
カーボナート。1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)シクロヘキサンカーボナートの2、3及
び4量体からなる環状芳香族カーボナート。1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキ
サンカーボナートの2、3及び4量体からなる環状芳香
族カーボナート。1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−
プロピルフェニル)シクロヘキサンカーボナートの2、
3及び4量体からなる環状芳香族カーボナート。1,1
−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブチルフェニル)シクロ
ヘキサンカーボナートの2、3及び4量体からなる環状
芳香族カーボナート。1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
3−ペンチルフェニル)シクロヘキサンカーボナートの
2、3及び4量体からなる環状芳香族カーボナート。
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニ
ル)シクロヘキサンカーボナートの2、3及び4量体か
らなる環状芳香族カーボナート。1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−(α−ナフチル)フェニル)シクロヘキ
サンカーボナートの2、3及び4量体からなる環状芳香
族カーボナート。これらの原料は一種類の原料のみを用
いることもできるが、二種類以上の原料を用いることも
できる。これらの中では、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサンカーボナートの2、3及び
4量体からなる環状芳香族カーボナートを原料に用いる
と、目的生成物である芳香族ポリカーボナートを、高収
率で得られるので最も好ましい。また、2量体を用いた
場合には、3量体、4量体の原料を用いた場合と比較す
ると、分子量の大きなポリカーボナートが得られる。
【0008】これらの原料を製造するためには、次の製
法により製造することができる。ビス(ヒドロキシアリ
ール)シクロヘキサンカーボナートの2、3及び4量体
からなる環状芳香族カーボナートの製法は、以下の方法
により製造される。ビス(ヒドロキシアリール)シクロ
ヘキサンのビスクロロホルメートを原料として、加水分
解反応と縮合反応をさせて、2量体から20量体のビス
(ヒドロキシアリール)シクロヘキサンカーボナートの
オリゴマーが得られる。これらの混合物を分別精製し、
2から4量体の混合物として、あるいは2から4量体の
内の各単一成分を得ことができる。
【0009】本発明の重合反応は、以下のようにして行
う。重合反応の原料となる前記一般式(II)で表される
環状芳香族カーボナートを、重合反応器に供給する。環
状芳香族カーボナートは、できるだけ不純物を含んでい
ない事が必要である。精製には、適当なクロロホルムな
どの単一溶媒、或いは混合溶媒を用いる分別沈殿法、分
取ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分別
法、再結晶法などが用いられる。これらの手段を用いる
ことにより、原料の環状芳香族カーボナートの純度は、
少なくとも95重量%以上とすることが必要である。こ
れ未満の純度の場合には、目的生成物である高分子物の
重合度に関し、目的とするような高いものが得られない
結果となる。重合反応の原料は、前記一般式(II)で表
される環状芳香族カーボナートを、処理して2量体の
み、3量体のみ、4量体のみというように、それぞれの
各単一成分を分別、分離して、原料とするか、又は、2
〜4量体の混合物として分別、分離して原料とする。こ
の場合の、原料の純度の確認は、マトリックス支援レー
ザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置などで行う。
重合反応器は、加熱手段を有するものであり、管型、槽
型または塔型いづれでも用いることができる。攪拌手段
は有していてもよいが、必ず攪拌が必要というものでは
ない反応器材質は原料である環状芳香族カーボナートと
反応しないもの、または副反応を起こさないものであれ
ば、どのような材質のものでも用いることができる。本
発明の重合反応の反応器の材質としては、アルミニウ
ム、ステンレスなどが、通常用いられる。重合反応の温
度は、200〜350℃、好ましくは300〜340℃
の範囲である。200℃未満の場合には重合反応が進行
しない場合があり、350℃を越える場合には、目的生
成物中に分岐構造が高度に進行し、所定の物が得られな
い或いは着色の原因となるなどの好ましくないことが、
生起する。反応圧力は大気圧から5気圧程度の範囲であ
り、大気圧下で進めることができる。反応時間は、1〜
240分、好ましくは5〜60分の範囲である。反応触
媒は、あえて使用しなくても加熱することにより反応を
進行させることができる。触媒を使用する場合には、目
的とする芳香族カーボナートから除去する事が必要であ
り、煩雑な操作を必要とする事となる。重合反応は、終
始、窒素、不活性ガスなどの存在下で行うことが好まし
い。
【0010】重合反応終了後に、目的生成物を反応器よ
り取り出す。初めに、クロロホルム、塩化メチレンなど
の溶剤に溶解させ、次に、ケトン類などにより再沈殿さ
せる。必要に応じてこの操作を繰り返し、未反応原料及
び副生成物を除去し、減圧下に乾燥させると、白色の純
粋な目的生成物のポリマーを得る。
【0011】前記重合反応生成物を精製処理し、下記一
般式(I)で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリ
カーボナートを目的生成物として得ることができる。
【化9】 (I)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
または置換されているアリール基を示す。R1とR2
は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
l、mは、0、1、2、3又は4の数を表す。]
【0012】前記重合方法によれば、前記芳香族ポリカ
ーバナートとして、分子量が3×10以上(重量平均
分子量)の超高分子量芳香族ポリカーボナートを得るこ
とができる。分子量の上限は必ずしも明確ではないが、
前記重合方法によって、6.7×10の超高分子量芳
香族ポリカーボナートが得られる事を確認した。本発明
の方法で示される反応条件により、さらに高分子量のも
のが得られるものと考えられる。このようにして得られ
た生成物を、溶解試験の結果、特開平11−14017
7号公報の生成物と比較して、溶剤(具体例としてはク
ロロホルム)に溶け難くいものであり、溶剤などの影響
を受け難い物質であることを確認した。
【0013】
【実施例】次に、実施例により本発明について更に詳細
に説明する。本発明は、これらの内容により限定される
というものではない。目的生成物の確認は、以下の方法
により行う。 (1)高分子物の基本単位の構造の確認 得られる芳香族ポリカーボナートを構成する基本単位の
構造については、赤外線分光分析及びNMR分析のスペ
クトルを解析することにより行う。 (2)分子量の測定 得られる芳香族ポリカーボナートをクロロホルムに溶解
後、ポリスチレンで校正したゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーで分析し、重量平均分子量を算出する。 (3)溶解度の試験 クロロホルム溶剤を用いて、溶解度試験を行った。比較
対象物質としては、本発明者らによる特開平11−14
0177号公報記載のもである。
【0014】実施例1 環状芳香族ポリカーボナートとして、ビスフェノールZ
カーボナート(1,1−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)シクロヘキサンカーボナート)の環状オリゴマーを
合成した。このオリゴマーは、2量体〜20量体からな
る混合物であることを確認した。次に、分別沈殿によ
り、2量体のみを分別した。得られた成分を更に再結晶
処理し、98%以上の純度に精製した。純度は、マトリ
ックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装
置((株)島津製作所製)にて行った。このようにして
調整したビスフェノールZカーボナートの環状2量体
0.1gをアルミニウム製反応器に充填した。窒素気流
下に300℃で30分加熱した。反応終了後、反応生成
物を塩化メチレンに溶解し、アセトンにより再沈殿さ
せ、不溶物を濾別し、得られた固体生成物を更にアセト
ンで十分洗浄した。次に、50℃で12時間、油回転真
空ポンプにより減圧乾燥させた。その結果、白色ポリマ
ー0.091gを得た。このポリマーを赤外分光分析及
び1H−NMRによるスペクトル解析を行い、ビスフェ
ノールZカーボナートを基本単位とするポリマーである
ことを確認した。このポリマーをクロロホルムに溶解さ
せて、ポリスチレンで校正したゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーにより分析し、重量平均分子量を算出
した結果、340,000であった。
【0015】実施例2 実施例1と同様にして、環状ビスフェノールZカーボナ
ート3量体を分別精製し、その0.1gをアルミニウム
製反応器に充填した。窒素気流下に300℃で60分加
熱した。反応後、洗浄を行い、減圧乾燥させ、白色ポリ
マー0.041gを得た。このポリマーを赤外分光分析
及び1H−NMRによるスペクトル解析を行い、ビスフ
ェノールZカーボナートを基本単位とするポリマーであ
ることを確認した。このポリマーをクロロホルムに溶解
させて、ポリスチレンで校正したゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにより分析し、重量平均分子量を算
出した結果、670,000であった。生成直後のこの
ポリマーを用い、クロロホルムに含浸したところ、溶解
に3時間以上を必要とした。
【0016】実施例3 実施例1と同様にして、環状ビスフェノールZカーボナ
ート4量体を分別精製し、その0.1gをアルミニウム
製反応器に充填した。窒素気流下に300℃で40分加
熱した。反応後、洗浄を行い、減圧乾燥させ、白色ポリ
マー0.044gを得た。このポリマーを赤外分光分析
及び1H−NMRによるスペクトル解析を行い、ビスフ
ェノールZカーボナートを基本単位とするポリマーであ
ることを確認した。このポリマーをクロロホルムに溶解
させて、ポリスチレンで校正したゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにより分析し、重量平均分子量を算
出した結果、440,000であった。
【0017】比較例1 環状ビスフェノールZカーボナート2〜20量体からな
る混合物0.1gをアルミニウム製反応器に充填した。
窒素気流下に300℃で40分加熱した。反応後、洗浄
を行い、減圧乾燥させ、白色ポリマー0.080gを得
た。このポリマーを赤外分光分析及び1H−NMRによ
るスペクトル解析を行い、ビスフェノールZカーボナー
トを基本単位とするポリマーであることを確認した。こ
のポリマーをクロロホルムに溶解させて、ポリスチレン
で校正したゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より分析し、重量平均分子量を算出した結果、100,
000以下であった。生成直後のこのポリマーを用い、
クロロホルムに含浸したところ、溶解は2時間以内で終
了した。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、新規な分子量3×10
以上の超高分子量芳香族ポリカーボナートを得ること
ができる。そして、上記超高分子量芳香族ポリカーボナ
ートは本発明者らの発明(特開平11−140177号
公報)により得られる超高分子量芳香族ポリカーボナー
トと比較して、一層溶剤に溶けにくいものである。本発
明の方法によれば、触媒を用いることなく、活性塩素を
含まない状態で分子量3×10以上のポリカーボナー
トを製造することができ、不純物の分離の必要性がな
い。したがって、分離精製の面から見て簡便で、効率が
よい方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 和彦 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 浅井 道彦 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 上田 充 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 関 和範 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 成田 正 埼玉県大里郡岡部町普済寺1690番地 埼玉 工業大学内 Fターム(参考) 4J029 AA09 AB01 AB04 AC01 AD01 AE01 HE04 KD02 KD09 KE12 KF07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される繰り返し単
    位を有し、分子量が3×10以上であることを特徴と
    する超高分子量芳香族ポリカーボナート。 【化1】 (I)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
    素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
    または置換されているアリール基を示す。R1とR2
    は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
    l、mは、0、1、2、3又は4の数を表す。]
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で示される環状カーボ
    ナートオリゴマーを、固相熱重合させることにより、下
    記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する芳香族
    ポリカーボナートを製造することを特徴とする芳香族ポ
    リカーボナートの製造方法。 【化2】 (II)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
    素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
    または置換されているアリール基を示す。R1とR2
    は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
    l、mは、0、1、2、3又は4の数、nは、2以上4
    以下の範囲の数を表す。] 【化3】 (I)[式中、R1、R2は、ハロゲン原子もしくは炭
    素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
    または置換されているアリール基を示す。R1とR2
    は、同一であっても、又異なっていても差し支えない。
    l、mは、0、1、2、3又は4の数を表す。]
  3. 【請求項3】環状芳香族ポリカーボナートオリゴマーが
    単一成分からなるものであり、純度が95重量%以上で
    あるものを原料として固相熱重合することを特徴とする
    請求項2記載の芳香族ポリカーボナートの製造方法。
  4. 【請求項4】環状芳香族ポリカーボナートオリゴマーの
    混合物を原料として固相熱重合することを特徴とする請
    求項2記載の芳香族ポリカーボナートの製造方法。
  5. 【請求項5】環状芳香族ポリカーボナートオリゴマー
    を、温度250〜350℃で、不活性気体の雰囲気下に
    固相熱重合することを特徴とする請求項2乃至4記載の
    いずれかである芳香族ポリカーボナートの製造方法。
  6. 【請求項6】得られる芳香族ポリカーボナートが、重量
    平均分子量3×10 以上である芳香族ポリカーボナー
    トであることを特徴とする請求項2乃至4記載のいずれ
    かである芳香族ポリカーボナートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113087890A (zh) * 2021-03-10 2021-07-09 武汉大学 一种催化剂零添加的脂肪族聚碳酸酯绿色高产制备方法

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