JPH11140084A - イソキサゾール誘導体およびそれを用いた除草剤 - Google Patents

イソキサゾール誘導体およびそれを用いた除草剤

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JPH11140084A
JPH11140084A JP30675097A JP30675097A JPH11140084A JP H11140084 A JPH11140084 A JP H11140084A JP 30675097 A JP30675097 A JP 30675097A JP 30675097 A JP30675097 A JP 30675097A JP H11140084 A JPH11140084 A JP H11140084A
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isoxazole derivative
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hydrogen atom
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JP30675097A
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English (en)
Inventor
Yoriyuki Takashima
頼由 高嶋
Hideki Kamano
秀樹 鎌野
Masashi Sakamoto
雅司 坂本
Mineyuki Kubota
峰行 窪田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 トウモロコシ、ソルゴー、棉、小麦、大麦等
の有用作物に薬害がなく、イネ科雑草および広葉雑草等
の広範な畑地雑草を低薬量で選択的に防除し得るイソキ
サゾール誘導体およびそれを含有する除草剤を提供す
る。 【解決手段】 一般式(I) [式中、RはC〜Cアルキル基またはC〜C
シクロアルキル基、Rは水素原子またはC〜C
ルコキシカルボニル基であり、R〜Rは各々独立し
て水素原子またはC〜Cアルキル基であり、さらに
とRが結合して二重結合を形成していてもよく、
はC〜Cアルキル基またはC〜Cハロアル
キル基、Xはハロゲン原子、C〜Cアルコキシ基ま
たはC〜Cハロアルコキシ基、Yは水素原子、C
〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基またはハロ
ゲン原子であり、nは0、1または2である。]で表さ
れるイソキサゾール誘導体およびこれを有効成分として
含有する除草剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なイソキサゾ
ール誘導体及びそれを含有する除草剤に関する。さらに
詳しくは、本発明は、トウモロコシ、ソルゴー、棉、小
麦、大麦等の有用作物に薬害がなく、イネ科雑草および
広葉雑草等の広範な畑地雑草を低薬量で選択的に防除で
きる新規イソキサゾール誘導体、およびこれを有効成分
とする除草剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トウモロコシの栽培時には、トリ
アジン系除草剤であるアトラジン(atrazine)や、クロロ
アセトアニリド系除草剤であるアラクロール(alachlor)
およびメトラクロール(metolachlor)が使用されてきた
が、アトラジンはイネ科雑草に対する活性が低く、アラ
クロール、メトラクロールは逆に広葉雑草に対する活性
が低い。従って、現在のところ単一の薬剤でイネ科およ
び広葉雑草を一度に防除することは困難である。またこ
れらの薬剤を混合しても十分な除草効果は得られない。
さらにこれらの除草剤は高薬量を必要とし、環境上好ま
しくない。
【0003】一方、棉の栽培時には、ジニトロアニリン
系除草剤であるトリフルラリン(trifluralin)、ウレア
系除草剤であるフルオメチュロン(fluometuron)および
ピリダジン系除草剤であるノルフルラゾン(noriflurazo
n)等が土壌処理剤として使用されてきた。また、麦の栽
培時には、特に、イネ科雑草を防除する目的で、ウレア
系除草剤であるイソプロチュロン(isoproturon)、クロ
ロトルロン(chlorotoruron)等が使用されてきた。しか
し、これらの薬剤は、十分な除草効果を得る為には、い
ずれも高薬量を要し、これらもまた、環境上好ましくな
い。
【0004】特定のイソキサゾール誘導体が除草活性を
有することはすでに公知である(特開平5−25528
4号公報、WO94/18179号公報)。
【0005】これらの公報に記載のイソキサゾール誘導
体の代表例であるWO94/18179号公報記載の化
合物2の構造式を以下に示す。
【0006】
【化4】 また、チオクロマン環を有し、除草活性を有する化合物
としては、チオクロマン環とピラゾール環が結合した化
合物がピラゾール誘導体として既に公知であり、本願出
願人による国際特許出願に係る国際公開WO93/18
031号公報には、例えば式
【化5】 で示される化合物(化合物No.68)が開示されてい
る。
【0007】更に、本発明のイソキサゾール誘導体と、
より近接した構造を有する除草剤組成物を含む、以下に
示す特許公報が最近公開されている。すなわち、ヨーロ
ッパ特許EP95/0636622A1号公報(特開平
7−149742号公報)にはイソキサゾールとベンゾ
縮合型二環式基が結合した構造を有し、除草活性を有す
るイソキサゾール誘導体が開示されており、本発明化合
物群の部分骨格であるチオクロマン環について記載され
ている。しかし、これら公報中にはチオクロマン環を有
する化合物に関する具体的実施例は存在していない。公
報中において、チオクロマン環に類似した構造のベンゾ
縮合型二環式基を有する実施例化合物としては、例えば
【化6】 で示される化合物(化合物No.25)が開示されてい
る。しかし、これら化合物は除草剤として実用的には効
果不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、トウモロコシ、ソルゴー、棉、小麦、大麦等
の有用作物に対しては薬害を及ぼさず、一方、イネ科雑
草および広葉雑草を単一の薬剤で、一度にかつ低薬量で
選択的に防除できる新規なイソキサゾール誘導体を提供
することをその第一の目的とする。また、本発明は、上
記新規なイソキサゾール誘導体を有効成分として含有す
る除草剤を提供することを第二の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、チオクロマン
環を有する特定構造のイソキサゾール誘導体が、トウモ
ロコシ、ソルゴー、棉、小麦、大麦の有用作物に対して
は薬害を及ぼさず、一方、イネ科雑草及び広葉雑草を単
一の薬剤で、一度にかつ低薬量で選択的に防除できるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0010】すなわち、本発明の第一の目的は、下記一
般式(I)で表されるイソキサゾール誘導体(以下、
「本発明のイソキサゾール誘導体(I)」ということが
ある。)、一般式(Ia)で表されるイソキサゾール誘
導体(以下、「本発明のイソキサゾール誘導体(I
a)」ということがある。)および一般式(Ib)で表
されるイソキサゾール誘導体(以下、「本発明のイソキ
サゾール誘導体(Ib)」ということがある。)によっ
て達成される。
【0011】一般式(I)
【化7】 [式中、R1はC1〜C6アルキル基またはC3〜C6シク
ロアルキル基、R2は水素原子またはC1〜C4アルコキ
シカルボニル基であり、R3〜R6は各々独立して水素原
子またはC1〜C4アルキル基であり、さらにR3とR5
結合して二重結合を形成していてもよく、R7はC1〜C
4アルキル基またはC1〜C4ハロアルキル基、Xはハロ
ゲン原子、C1〜C4アルコキシ基またはC1〜C4ハロア
ルコキシ基、Yは水素原子、C1〜C4アルキル基、C1
〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子であり、nは
0、1または2である。] 一般式(Ia)
【化8】 [式中、R1〜R7、n及びYは上記一般式(I)で定義
したとおりであり、R8はC1〜C4ハロアルキル基であ
る。] 一般式(Ib)
【化9】 [式中、R1〜R7、n及びYは上記一般式(I)で定義
したとおりである。]また、本発明の第二の目的は、前
記一般式(I)表されるイソキサゾール誘導体を有効成
分として含有する除草剤(以下、「本発明の除草剤
(I)」ということがある。)、一般式(Ia)で表さ
れるイソキサゾール誘導体を有効成分として含有する除
草剤(以下、「本発明の除草剤(Ia)」ということが
ある。)および一般式(Ib)で表されるイソキサゾー
ル誘導体を有効成分として含有する除草剤(以下、「本
発明の除草剤(Ib)」ということがある。)によって
達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明のイソキサゾール誘
導体(I)について説明する。本発明のイソキサゾール
誘導体(I)は、一般式(I)
【化10】 で示される化合物である。
【0013】本発明のイソキサゾール誘導体(I)を示
す一般式(I)において、R1はC1〜C6アルキル基ま
たはC3〜C6シクロアルキル基である。C1〜C6アルキ
ル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基は、
直鎖のものでも分岐を有するものでも良い。好ましくは
1〜C4アルキル基であり、さらに好ましくはメチル
基、エチル基またはi−プロピル基であり、特に好まし
くはメチル基である。C3〜C6シクロアルキル基として
は、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、好ましく
はシクロプロピル基である。
【0014】R2は水素原子またはC1〜C4アルコキシ
カルボニル基であり、C1〜C4アルコキシカルボニル基
としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル基が挙げられ、プロポキシカルボニル基およびブトキ
シカルボニル基中のアルキル鎖は直鎖のものでも分岐を
有するものでも良い。R2として好ましくは水素原子で
ある。
【0015】R3、R4、R5、R6は各々独立して水素原
子またはC1〜C4アルキル基であり、C1〜C4アルキル
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基が挙げられ、プロピル基、ブチル基は直鎖のものでも
分岐を有するものでもよい。好ましくは水素原子または
メチル基である。さらに、R3とR5が互いに結合し、チ
オクロマン環の2−3位炭素が二重結合を形成している
チオクロメン環となってもよい。
【0016】R7はC1〜C4アルキル基またはC1〜C4
ハロアルキル基であり、R7がC1〜C4アルキル基の場
合には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が
挙げられ、プロピル基、ブチル基は直鎖のものでも分岐
を有するものでもよい。またR7がC2〜C4アルキル基
である場合には、基内の隣接する炭素原子同士が、不飽
和結合すなわち二重結合又は三重結合を形成してもよ
い。
【0017】
【化11】 7はC1〜C4ハロアルキル基の場合には、例えば−C
2CH2F基、−CH2CH2Cl基、−CH2CH2Br
基、−CH2CH2I基、−CH2CF3基、−CH2CC
3基、−CF(CH32基、−CH(CF3)CH
3基、−CH(CF32基、−CH(CCl32基、−
CH2CH2CH2F基、−CH2CH2CF3基、−CH2
CF2CF3基、−CH2CH2CH2Cl基、−CH2CH
2CH2CH2F基、−CH2CH2CH2CH2Cl基、−
CH(CF3)C25基などが挙げられる。好ましくは
−CH2CH2F基、−CH2CH2Cl基、−CH2CF3
基、−CF(CH32基、−CH(CF3)CH3基であ
る。
【0018】Xはハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基
またはC1〜C4ハロアルコキシ基であり、ハロゲン原子
としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。C1〜C4
ルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基が挙げられ、プロポキシ基およびブ
トキシ基中のアルキル鎖は直鎖のものでも分岐を有する
ものでもよい。好ましくはメトキシ基である。また、C
1〜C4ハロアルコキシ基としては、例えば−OCH2
基、−OCHF2基、−OCF3基、−OCH2Cl基、
−OCCl3基、−OCH2Br基、−OCH2I基、−
OCH2CH2F基、−OCH2CF3基、−OCF2CH3
基、−OC25基、−OCH2CH2Cl基、−OCH2
CCl3基、−OCCl2CH3基、−OC2Cl5基、−
OCF(CH32基、−OCH(CF3)CH3基、−O
CH(CF32基、−OCCl(CH32基、−OCH
(CCl32基、−OCH2CH2CH2F基、−OCH2
CH2CF3基、−OC37基、−OCH2CH2CH2
l基、−OCHClCH2CH3基、−OCH2CH2CH
2CH2F基、−OCH2CH2CH2CH2Cl基、−OC
H(CH3)CH2CH2Cl基、−OCH(CF3)C2
5基、−OCF(CH3)C25基、−OC49基など
が挙げられる。好ましくは−OCHF2基または−OC
3基である。
【0019】Yは水素原子、C1〜C4アルキル基、C1
〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子であり、C1〜C
4アルキル基としては、R3〜R6において例示したもの
が挙げられ、C1〜C4アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げら
れ、プロポキシ基およびブトキシ基中のアルキル鎖は直
鎖のものでも分岐を有するものでもよい。ハロゲン原子
としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子が挙げられる。このYとしては、好ましくは水素原
子、メチル基、フッ素原子または塩素原子であり、特に
好ましくはメチル基または水素原子である。
【0020】nは硫黄原子に結合した酸素原子の数を示
し、0、1または2である。ここでn=0の場合スルフ
ィド、n=1の場合スルホキシド、n=2の場合はスル
ホンである。好ましくはn=2(スルホン)またはn=
0(スルフィド)である。
【0021】一般式(I)において、イソキサゾール−
4−イルカルボニル基の結合位置は、チオクロマン環の
6位、7位および8位のいずれであってもよいが、好ま
しくは6位または8位である。また、Yの置換位置も、
チオクロマン環の6位、7位および8位のいずれであっ
てもよいが、好ましくは8位である。さらに、イソキサ
ゾール−4−イルカルボニル基がチオクロマン環の8位
に結合する場合、Yの置換位置は6位または7位である
が、この場合、Yとしては水素原子が好ましい。
【0022】次に本発明のイソキサゾール誘導体(I
a)について説明する。本発明のイソキサゾール誘導体
(Ia)は、一般式(Ia)
【化12】 で示される化合物である。
【0023】この一般式(Ia)で示される化合物は、
前記一般式(I)で示されるイソキサゾール誘導体の一
様態であり、一般式(Ia)におけるR1〜R7、n、及
びYは、一般式(I)において説明したとおりである。
【0024】R8はC1〜C4ハロアルキル基であり、O
8としては、前記一般式(I)のXおけるC1〜C4
ロアルコキシ基の説明において例示したものを挙げるこ
とができ、好ましくは−OCHF2基または−OCF3
であり、特に好ましくは−OCHF2基である。
【0025】次に本発明のイソキサゾール誘導体(I
b)について説明する。本発明のイソキサゾール誘導体
(Ib)は、一般式(Ib)
【化13】 で示される化合物である。
【0026】この一般式(Ib)で示される化合物は、
前記一般式(I)で示されるイソキサゾール誘導体の一
様態であり、イソキサゾール−4−イルカルボニル基が
チオクロマン環の8位に結合したものであるが、一般式
(Ib)におけるR1〜R7、n、及びXは、一般式
(I)において説明したとおりである。この一般式(I
b)におけるXとしては、−OCHF2基、−OCH3
または−Cl基が好ましい。
【0027】次に一般式(I)で表される本発明のイソ
キサゾール誘導体(I)の異性体及び製造方法について
説明する。なお、本発明のイソキサゾール誘導体(I
a)及び(Ib)は、上記イソキサゾール誘導体(I)
の一様態であるので、この説明に包含される。
【0028】一般式(I)
【化14】 で示されるイソキサゾール誘導体には、置換基R3
4、R5、R6の種類に応じて各々不斉炭素が存在し、
種々の異性体が存在し得るが、本発明のイソキサゾール
誘導体は全ての異性体およびそれらの混合物を包含する
ものである。
【0029】また、本発明のイソキサゾール誘導体に
は、一般式(I−1)および(I−2)で表される幾何
異性体が存在するが、本発明のイソキサゾール誘導体は
これらのいずれかまたはこれらの混合物を包含するもの
である。
【0030】
【化15】 本発明の新規イソキサゾール誘導体は、特開平3−11
8374号公報および特開平6−271554号公報に
記載されるような公知の方法を適用することにより製造
することができる。一例として、下記に示す反応式を挙
げる。
【0031】まずR2が水素原子である一般式(Ic)
の化合物の製造法を以下に詳述する。
【0032】反応式1
【化16】 (式中、R1、R3〜R7、X、Yおよびnは、前記一般
式(I)において定義したとおりであり、QはC1〜C4
アルコキシ基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基であ
る。) 反応式1は、一般式(II)で示される2−ジアルキルア
ミノメチリデン誘導体(Qがジアルキルアミノ基である
場合)または2−アルコキシメチリデン誘導体(Qがア
ルコキシ基である場合)を、例えばエタノールやアセト
ニトリル等の溶媒中、必要に応じてトリエチルアミンや
酢酸ナトリウム等の塩基の存在下、室温から用いる溶媒
の還流温度の範囲の温度でヒドロキシルアミンの塩と反
応させることにより一般式(Ic)で示される本発明の
イソキサゾール誘導体を製造する方法を示す。ここで、
一般式(Ic)で示されるイソキサゾール誘導体は、一
般式(I)においてR2が水素であるイソキサゾール誘
導体に限定される。
【0033】このようにして合成された本発明のイソキ
サゾール誘導体は、反応終了後常法に従い、溶媒を留去
し、残留物を塩化メチレン等の溶媒に溶解させ、得られ
た溶液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウム等の
脱水剤で乾燥し、減圧下溶媒を留去することによって単
離される。さらに、得られた残留物を、例えばシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ワコーゲル
C300(商品名);ヘキサン/酢酸エチル=2:1)
等の精製手段により精製することができる。
【0034】反応式1の出発物質である一般式(II)の
2−ジアルキルアミノメチリデン誘導体または2−アル
コキシメチリデン誘導体は、反応式2に従って製造する
ことができる。
【0035】反応式2
【化17】 (式中、R1、R3〜R7、X、Yおよびnは、前記一般
式(I)において定義したとおりであり、QはC1〜C4
アルコキシ基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基であ
る。) 反応式2は、一般式(VII)の1,3−ジケトン誘導体
を、例えば無水酢酸等の酸触媒の存在下、反応混合物の
還流温度にて、例えばオルト蟻酸トリエチル等のオルト
エステルと反応させることにより、2−アルコキシメチ
リデン誘導体(II)(Qがアルコキシ基の場合)を製造
する方法、あるいは、一般式(VII)の1,3−ジケト
ン誘導体を、例えばN,N−ジメチルホルムアミドジメ
チルアセタール等のアミドアセタールと、例えばジオキ
サン等の不活性溶媒中にて室温から用いる溶媒の還流温
度の範囲で反応させて、2−ジメチルアミノメチリデン
誘導体(II)(Qがジアルキルアミノ基の場合)を製造
する方法である。得られた2−アルコキシメチリデン誘
導体(II)または2−ジメチルアミノメチリデン誘導体
(II)は精製することなく、イソキサゾール誘導体の合
成に使用できる。
【0036】次に、一般式(I)において、R2がC1
4アルコキシカルボニル基であるイソキサゾール誘導
体、すなわち一般式(Id)のイソキサゾール誘導体の
製造方法を以下に説明する。
【0037】反応式3
【化18】 (式中、R1、R3〜R7、X、Yおよびnは、前記一般
式(I)において定義したとおりであり、RはC1〜C4
アルキル基、Halはハロゲン原子である。) 反応式3は、一般式(VII)の1,3−ジケトン誘導体
を、ジクロロメタンやアセトニトリル等の不活性溶媒
中、例えばトリエチルアミン等の塩基の存在下、室温か
ら混合物の還流温度の範囲の温度で、RO2CC(Ha
l)=NOHで示される化合物と反応させることによっ
て一般式(Id)で示される本発明のイソキサゾール誘
導体を製造する方法である。ここで、一般式(Id)で
示されるイソキサゾール誘導体は一般式(I)におい
て、R2がC1〜C4アルコキシカルボニル基であるイソ
キサゾール誘導体に限定される。
【0038】反応式3の出発物質である一般式(VII)
の1,3−ジケトン誘導体は反応式4または反応式5に
従って製造することができる。
【0039】反応式4
【化19】 (式中、R1、R3〜R7、X、Yおよびnは、前記一般
式(I)において定義したとおりであり、Halはハロ
ゲン原子である。) 反応式4は、第一段階として、一般式(III)で示され
るカルボン酸を、例えば塩化チオニル、オキサリルクロ
リド、オキシ塩化リン等のハロゲン化剤と反応させるこ
とにより、一般式(IV)に示すアシルハライドとし、第
二段階として一般式(IV)の化合物を、例えばナトリウ
ムメトキシド、マグネシウムエトキシド等の塩基の存在
下、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の
不活性溶媒中、室温から用いる溶媒の還流温度の範囲の
温度にて、一般式(VI)の第3ブチルアシルアセテート
と反応させて、一般式(V)で示される第3ブチルジケ
トアセテートとし、第三段階で一般式(V)の化合物
を、例えば4−トルエンスルホン酸等の酸触媒を用いて
脱カルボキシル化することにより、一般式(VII)の
1,3−ジケトン誘導体を製造する方法である。
【0040】反応式5
【化20】 (式中、R1、R3〜R7、X、Yおよびnは、前記一般
式(I)において定義したとおりであり、RはC1〜C4
アルキル基である。) 反応式5は、一般式(III')のカルボン酸エステル誘導
体を、水素化ナトリウムまたはナトリウムターシャリー
ブトキシド等の塩基の存在下、テトラヒドロフランやジ
エチルエーテル等のエーテル系溶媒中、0℃〜混合物の
還流温度の範囲の温度で、R1COCH3と反応させるこ
とにより、一般式(VII)の1,3−ジケトン誘導体を
製造する方法である。
【0041】一般式(III')で示されるカルボン酸エス
テル誘導体は、例えば下記に示す反応式6に従って、対
応する一般式(III)で示されるカルボン酸をROH
(RはC1〜C4アルキル基である)で示されるアルコー
ルと、例えば硫酸等の脱水剤の存在下、室温から混合物
の還流温度の範囲で反応させることにより製造できる。
【0042】反応式6
【化21】 (式中、R3〜R7、X、Yおよびnは、前記一般式
(I)において定義したとおりであり、RはC1〜C4
ルキル基である。)なお、一般式(III)で示されるカ
ルボン酸誘導体(および一般式(III')で示されるカル
ボン酸エステル誘導体)は、種々の方法により製造する
ことができる。例えば国際公開WO96/25413号
公報記載の方法により製造することができる。
【0043】本発明の除草剤(I)は、一般式(I)で
表される本発明のイソキサゾール誘導体(I)を必須成
分として、また本発明の除草剤(Ia)は、一般式(I
a)で表される本発明のイソキサゾール誘導体(Ia)
を必須成分として、さらに本発明の除草剤(Ib)は、
一般式(Ib)で表される本発明のイソキサゾール誘導
体(Ib)を必須成分として含むものであって、これら
の化合物を溶媒などの液状担体又は鉱物質微粉などの固
体担体と混合し、水和剤、乳剤、粉剤、粒剤などの形態
に製剤化して使用することができる。製剤化に際して乳
化性、分散性、展着性などを付与するためには界面活性
剤を添加すればよい。
【0044】本発明の除草剤(本発明の除草剤(I),
(Ia),(Ib)を総称する。以下同様)を水和剤の
形態で用いる場合、通常は本発明のイソキサゾール誘導
体(イソキサゾール誘導体(I),(Ia),(Ib)
を総称する。以下同様)10〜55重量%、固体担体4
0〜88重量%及び界面活性剤2〜5重量%の割合で配
合して組成物を調製し、これを用いればよい。また、乳
剤の形態で用いる場合、通常は本発明のイソキサゾール
誘導体20〜50重量%、溶剤35〜75重量%及び界
面活性剤5〜15重量%の割合で配合して調製すればよ
い。
【0045】一方、粉剤の形態で用いる場合、通常は本
発明のイソキサゾール誘導体1〜15重量%、固体担体
80〜97重量%及び界面活性剤2〜5重量%の割合で
配合して調製すればよい。さらに、粒剤の形態で用いる
場合は、本発明のイソキサゾール誘導体1〜15重量
%、固体担体80〜97重量%及び界面活性剤2〜5重
量%の割合で配合して調製すればよい。ここで固体担体
としては鉱物質の微粉が用いられ、この鉱物質の微粉と
しては、例えばケイソウ土、消石灰などの酸化物、リン
灰石などのリン酸塩、セッコウなどの硫酸塩、タルク、
パイロフェライト、クレー、カオリン、ベントナイト、
酸性白土、ホワイトカーボン、石英粉末、ケイ石粉など
のケイ酸塩などを挙げることができる。
【0046】また溶剤としては有機溶媒が用いられ、具
体的にはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素、o−クロロトルエン、トリクロロエタン、トリ
クロロエチレンなどの塩素化炭化水素、シクロヘキサノ
ール、アミルアルコール、エチレングリコールなどのア
ルコール、イソホロン、シクロヘキサノン、シクロヘキ
セニル−シクロヘキサノンなどのケトン、ブチルセロソ
ルブ、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなどの
エーテル、酢酸イソプロピル、酢酸ベンジル、フタル酸
メチルなどのエステル、ジメチルホルムアミドなどのア
ミドあるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0047】さらに、界面活性剤としては、アニオン
型、ノニオン型、カチオン型あるいは両性イオン型(ア
ミノ酸、ベタインなど)のいずれも用いることもでき
る。
【0048】本発明の除草剤には、有効成分として前記
一般式(I)、(Ia)、(Ib)で表されるイソキサ
ゾール誘導体(I)、(Ia)、(Ib)と共に、必要
に応じ他の除草活性成分を含有させることができる。こ
のような他の除草活性成分としては、従来公知の除草
剤、例えばフェノキシ系、ジフェニルエーテル系、トリ
アジン系、尿素系、カーバメート系、チオカーバメート
系、酸アニリド系、ピラゾール系、リン酸系、スルホニ
ルウレア系、オキサジアゾン系などを挙げることがで
き、これらの除草剤の中から適宜選択して用いることが
できる。
【0049】さらに、本発明の除草剤は必要に応じて殺
虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤、肥料などと混用するこ
とができる。
【0050】本発明の除草剤は、畑地用の除草剤とし
て、土壌処理、土壌混和処理、茎葉処理のいずれの処理
方法においても使用できる。本発明化合物の対象とする
畑地雑草(Cropland weeds)としては、例えば、イヌホ
ウズキ(Solanum nigrum)、チョウセンアサガオ(Datu
ra stramonium)等に代表されるナス科(Solanaceae)
雑草、イチビ(Abutilon theophrasti)、アメリカキン
ゴジカ(Sida spinosa)等に代表されるアオイ科(Malv
aceae)雑草、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)等
のアサガオ類(Ipomoea spps.)やヒルガオ類(Calyste
gia spps.)に代表されるヒルガオ科(Convolvulacea
e)雑草、イヌビユ(Amaranthus lividus)等に代表さ
れるヒユ科(Amaranthaceae)雑草、オナモミ(Xanthiu
m strumarium)、ブタクサ(Ambrosia artemisiifoli
a)、ヒマワリ(Helianthus annus)、ハキダメギク(G
alinsoga ciliata)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium ar
vense)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、ヒメジョ
ン(Erigeron annus)等に代表されるキク科(Composit
ae)雑草、イヌガラシ(Rorippa indica)、ノハラガラ
シ(Sinapis arvensis)、ナズナ(Capsella bursa-pas
toris)等に代表されるアブラナ科(Brassicaceae)雑
草、イヌタデ(Polygonum blumei)、ソバカズラ(Poly
gonum convolvulus)等に代表されるタデ科(Polygonac
eae)雑草、スベリヒユ(Portulaca oleracea)等に代
表されるスベリヒユ科(Portulacaceae)雑草、シロザ
(Chenopodium album)、コアカザ(Chenopodium ficio
lium)、ホウキギ(Kochia scoparia)等に代表される
アカザ科(Chenopodiaceae)雑草、ハコベ(Stellaria
media)等に代表されるナデシコ科(Caryophyllaceae)
雑草、オオイヌノフグリ(Veronica persica)等に代表
されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑草、ツユ
クサ(Commelina communis)等に代表されるツユクサ科
(Commelinaceae)雑草、ホトケノザ(Lamium amplexic
aule)、ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)等に代
表されるシソ科(Labiatae)雑草、コニシキソウ(Euphor
bia supina)、オオニシキソウ(Euphorbia maculata)
等に代表されるトウダイグサ科(Euphorbiaceae)雑
草、トゲナシヤエムグラ(Galium spurium)、ヤエムグ
ラ(Galium aparine)、アカネ(Rubia akane)等に代
表されるアカネ科(Rubiaceae)雑草、スミレ(Viola a
rvensis)等に代表されるスミレ科(Violaceae)雑草、
アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、エビス
グサ(Cassia obtusifolia)等に代表されるマメ科(Le
guminosae)雑草などの広葉雑草(Broad-leaved weed
s)、野生ソルガム(Sorgham bicolor)、オオクサキビ
(Panicum dichotomiflorum)、ジョンソングラス(Sor
ghum halepense)、イヌビエ(Echinochloa crus-gall
i)、メヒシバ(Digitaria adscendens)、カラスムギ
(Avena fatua)、オヒシバ(Eleusine indica)、エノ
コログサ(Setaria viridis)、スズメノテッポウ(Alo
pecurus aequalis)等に代表されるイネ科雑草(Gramin
aceous weeds)、ハマスゲ(Cyperus rotundus, Cyperu
s esculentus)等に代表されるカヤツリグサ科雑草(Cy
peraceous weeds)等が挙げられる。
【0051】また、本発明の除草剤は、水田用の除草剤
として、湛水下の土壌処理及び茎葉処理のいずれの処理
方法においても使用できる。水田雑草(Paddy weeds)
としては、例えばヘラオモダカ(Alisma canaliculatu
m)、オモダカ(Sagittaria trifolia)、ウリカワ(Sa
gittaria pygmaea)等に代表されるオモダカ科(Alisma
taceae)雑草、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、
ミズカヤツリ(Cyperusserotinus)、ホタルイ(Scirpu
s juncoides)、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)
等に代表されるカヤツリグサ科(Cyperaceae)雑草、ア
ゼナ(Linderniapyxidaria)等に代表されるゴマノハグ
サ科(Scrothulariaceae)雑草、コナギ(Monochoria V
aginalis)等に代表されるミズアオイ科(Pontenderiac
eae)雑草、ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)等
に代表されるヒルムシロ科(Potamogetonaceae)雑草、
キカシグサ(Rotala indica)等に代表されるミソハギ
科(Lythraceae)雑草、タイヌビエ(Echinochloa crus
-galli)等に代表されるイネ科(Gramineae)雑草等が挙
げられる。
【0052】また、本発明の除草剤は畑地、水田、果樹
園などの農園芸分野以外に運動場、空き地、線路端等、
非農耕地における各種雑草の防除にも適用することがで
きる。
【0053】
【実施例】次に製造実施例及び除草剤実施例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によ
ってなんら限定されるものではない。
【0054】製造参考例1 3−シクロプロピル−2−(ジメチルアミノ)メチリデ
ン−1−(4−メトキシイミノ−5−ジフルオロメトキ
シチオクロマン−1,1−ジオキシド−6−イル)カル
ボニルプロパン−1,3−ジオンの合成1−1) 3−シクロプロピル−2−(4−メトキシイ
ミノ−5−ジフルオロメトキシチオクロマン−1,1−
ジオキシド−6−イル)カルボニル−3−オキソプロピ
オン酸t−ブチル 表1において化合物No.III−1として示した6−カルボ
キシ−4−メトキシイミノ−5−ジフルオロメトキシチ
オクロマン−1,1−ジオキシド1.83g(4.5m
mol)をジクロロエタン10mlに溶解させ、塩化チ
オニル1.3g(10.9mmol)を加えて、3時間
加熱還流した。反応終了後、過剰の塩化チオニルとジク
ロロエタンを減圧下留去し、残留オイルをテトラヒドロ
フラン(THF)10mlに溶解させることにより、カ
ルボン酸ハライドのTHF溶液を調製した。一方、3−
シクロプロピル−3−オキソプロピオン酸t−ブチル
1.61g(8.7mmol)、及びマグネシウムジエ
トキシド1.0g(8.8mmol)をTHF5mlに
溶解させ、室温にて2時間攪拌した。次に、この混合物
に予め調製しておいたアシルハライドのTHF溶液を加
え、更に室温にて3時間攪拌した。反応終了後、溶媒を
減圧下留去し、残留オイルを酢酸エチルに溶解させ、5
%塩酸水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ム上で乾燥させた。溶媒を減圧下留去し、3−シクロプ
ロピル−2−(4−メトキシイミノ−5−ジフルオロメ
トキシチオクロマン−1,1−ジオキシド−6−イル)
カルボニル−3−オキソプロピオン酸t−ブチルの粗生
成物(化合物No.V−1)2.73gを得た。
【0055】1−2) 3−シクロプロピル−1−(4
−メトキシイミノ−5−ジフルオロメトキシチオクロマ
ン−1,1−ジオキシド−6−イル)プロパン−1,3
−ジオン 上で得られた化合物No.V−1である3−シクロプロピ
ル−2−(4−メトキシイミノ−5−ジフルオロメトキ
シチオクロマン−1,1−ジオキシド−6−カルボニ
ル)−3−オキソプロピオン酸t−ブチル2.73g
(4.5mmol)と4−トルエンスルホン酸43mg
(0.23mmol)をトルエン10mlに加え、10
0℃で1時間反応させた後、放冷し飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥させた。溶媒を減圧下留去し、得られた残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロ
ロホルム)により精製し、3−シクロプロピル−1−
(4−メトキシイミノ−5−ジフルオロメトキシチオク
ロマン−1,1−ジオキシド−6−イル)プロパン−
1,3−ジオン(化合物No.VII−1)1.45gを得
た。(収率66%)1−3) 3−シクロプロピル−2−(ジメチルアミ
ノ)メチリデン−1−(4−メトキシイミノ−5−ジフ
ルオロメトキシチオクロマン−1,1−ジオキシド−6
−イル)プロパン−1,3−ジオン 上で得られた化合物No.VII−1である3−シクロプロピ
ル−1−(4−メトキシイミノ−5−ジフルオロメトキ
シチオクロマン−1,1−ジオキシド−6−イル)プロ
パン−1,3−ジオン1.45g(3.6mmol)を
ジオキサン4.5mlに溶解させ、N,N−ジメチルホ
ルムアミドジメチルアセタ−ル0.9g(7.6mmo
l)を加え、室温にて一晩放置した。反応終了後、溶媒
を減圧下留去し、3−シクロプロピル−2−(ジメチル
アミノ)メチリデン−1−(4−メトキシイミノ−5−
ジフルオロメトキシチオクロマン−1,1−ジオキシド
−6−イル)プロパン−1,3−ジオン(化合物No.II
−1)1.64gを粗生成物として得た。本化合物No.I
I−1をさらに精製することなく、製造実施例1の出発
物質として用いた。
【0056】製造参考例2〜5 3−シクロプロピル−2−(ジメチルアミノ)メチリデ
ン−1−(チオクロマン−6−イル)プロパン−1,3
−ジオン誘導体の合成2−1)〜5−1) 3−シクロプロピル−2−(チオ
クロマン−6−イル)カルボニル−3−オキソプロピオ
ン酸t−ブチル誘導体 製造参考例1−1における6−カルボキシ−4−メトキ
シイミノ−5−ジフルオロメトキシチオクロマン−1,
1−ジオキシド(化合物No.III−1)の代わりに、表1
に示した出発物質のカルボン酸誘導体(化合物No.III−
2〜5)を用いた以外は、製造参考例1−1で用いたの
と同様の操作を行い、表1に記載の構造式を有する3−
シクロプロピル−2−(チオクロマン−6−イル)カル
ボニル−3−オキソプロピオン酸t−ブチル誘導体(化
合物No.V−2〜5)を粗生成物として得た。全ての化
合物No.V−2〜5はさらに精製することなく、製造参
考例2−2)〜5−2)の出発原料として用いた。
【0057】2−2)〜5−2) 3−シクロプロピル
−1−(チオクロマン−6−イル)プロパン−1,3−
ジオン誘導体 製造参考例1−2における3−シクロプロピル−2−
(4−メトキシイミノ−5−ジフルオロメトキシチオク
ロマン−1,1−ジオキシド−6−イル)カルボニル−
3−オキソプロピオン酸t−ブチル(化合物No. V−
1)の代わりに、表1に記載のプロピオン酸t−ブチル
誘導体(化合物No. V−2〜5)を用いた以外は、製造
参考例1−2で用いたのと同様の操作を行い、表2に記
載の構造式を有する3−シクロプロピル−1−(チオク
ロマン−6−イル)プロパン−1,3−ジオン誘導体
(化合物No. VII−1〜5)を合成した。各々の反応の
最初の出発物質であるカルボン酸誘導体からの収率を表
2に示す。また、化合物VII−1〜5のNMRデータを
表2に示す。
【0058】2−3)〜5−3) 3−シクロプロピル
−2−(ジメチルアミノ)メチリデン−1−(チオクロ
マン−6−イル)プロパン−1,3−ジオン誘導体 製造参考例1−3における3−シクロプロピル−1−
(4−メトキシイミノ−5−ジフルオロメトキシチオク
ロマン−1,1−ジオキシド−6−イル)プロパン−
1,3−ジオン(化合物No. VII−1)の代わりに、表
2における目的物である3−シクロプロピル−1−(チ
オクロマン−6−イル)プロパン−1,3−ジオン誘導
体(化合物No. VII−2〜5)を用いた以外は、製造参
考例1−3で用いたのと同様の操作を行い、表3に記載
の構造式を有する3−シクロプロピル−2−(ジメチル
アミノ)メチリデン−1−(チオクロマン−6−イル)
プロパン−1,3−ジオン誘導体(化合物No. II−2〜
5)を粗生成物として得た。本化合物No. VII−2〜5
はさらに精製することなく、製造実施例2〜5の出発原
料として用いた。
【0059】製造実施例1 製造参考例1で得られた3−シクロプロピル−2−(ジ
メチルアミノ)メチリデン−1−(4−メトキシイミノ
−5−ジフルオロメトキシチオクロマン−1,1−ジオ
キシド−6−イル)プロパン−1,3−ジオン(化合物
No.II−1)1.64g(3.6mmol)をエタノー
ル5mlに溶解し、次に塩酸ヒドロキシルアミン0.3
g(4.3mmol)を加えて、室温にて8時間攪拌し
た。反応終了後、溶媒を減圧下留去し、残留物を塩化メ
チレンに溶解させた。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られ
た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、
5−シクロプロピル−4−(4−メトキシイミノ−5−
ジフルオロメトキシチオクロマン−1,1−ジオキシド
−6−イル)カルボニルイソキサゾール(化合物No.
1)0.97g(収率63%)を得た。
【0060】化合物No.1の構造式を表4に、また、N
MRおよびIRの測定結果を表5に示す。
【0061】製造実施例2〜5 製造実施例1における3−シクロプロピル−2−(ジメ
チルアミノ)メチリデン−1−(4−メトキシイミノ−
5−ジフルオロメトキシチオクロマン−1,1−ジオキ
シド−6−イル)プロパン−1,3−ジオン(化合物N
o.II−1)の代わりに、表3に記載の化合物、3−シク
ロプロピル−2−(ジメチルアミノ)メチリデン−1−
(チオクロマン−6−イル)プロパン−1,3−ジオン
誘導体(化合物No.II−2〜5)を用いた以外は、製造
実施例1で用いたと同様の操作を行い、表4に記載の構
造式を有する5−シクロプロピル−4−(チオクロマン
−6−イル)カルボニルイソキサゾール誘導体(化合物
No.2〜5)を合成した。各目的物までの化合物No.VII
−2〜5からの収率を表4に示す。各化合物のNMRお
よびIRの測定結果を表5に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】(除草剤実施例)(1)除草剤の調製 担体としてタルク(商品名:ジークライト、ジークライ
ト工業(株)社製)97重量部、界面活性剤としてアル
キルアリールスルホン酸塩(商品名:ネオペレックス、
花王アトラス(株)社製)1.5重量部およびノニオン
型とアニオン型の界面活性剤(商品名:ソルポール80
0A、東邦化学工業(株)社製)1.5重量部を均一に
粉砕混合して水和剤用担体を得た。
【0068】この水和剤用担体90重量部と本発明化合
物各10重量部を均一に粉砕混合してそれぞれ除草剤を
得た。除草剤比較例については下記化合物(A)および
(B)を同様の方法で調製した。
【0069】化合物(A):WO93/18031号記
載の化合物
【化22】
【0070】化合物(B):EP95/0636622
号記載の化合物
【化23】
【0071】(2)除草効果および作物薬害の判定基準 除草効果および作物薬害の基準は、 残草重無処理比=(処理区の残草重/無処理区の残草
重)×100 で求め、以下の生物試験で適用した。 基準 除草効果 残草重無処理比(%) 0 81〜100 1 61〜80 2 41〜60 3 21〜40 4 1〜20 5 0 作物薬害 残草重無処理比(%) − 100 ± 95〜99 + 90〜94 ++ 80〜89 +++ 0〜79
【0072】(3)生物試験(畑地土壌処理試験) 畑地土壌を充填した1/5000アールのワグネルポッ
トにオナモミ、イチビ、シロザ、アメリカアサガオ、メ
ヒシバ、エノコログザの雑草種子およびトウモロコシ、
ワタの種子を播種し、覆土後、上記(1)で得た所定量
の除草剤を水に懸濁し2000リットル/ヘクタール相
当の液量で土壌表面に均一にスプレー散布した。その
後、温室内で育成し、処理後20日目に除草効果および
作物への薬害を(2)の基準に従い判定した。結果を表
6に示す。
【0073】
【表6】
【0074】表6の結果から、本発明除草剤は、トウモ
ロコシおよびワタに薬害を及ぼさず、且つ重要な畑地雑
草を低薬量で選択的に防除できることが確認された。こ
れに対して化合物(A)は、ワタに対する安全性に劣
り、且つアメリカアサガオに対する効果が劣る。また、
化合物(B)は明らかに全般的な除草効果が劣ることが
わかる。
【0075】
【発明の効果】本発明のイソキサゾール誘導体は、トウ
モロコシ、ソルゴー、棉、小麦、大麦等の有用作物に薬
害がなく、イネ科雑草および広葉雑草等の広範な畑地雑
草を低薬量で選択的に防除することができる。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 [式中、R1はC1〜C6アルキル基またはC3〜C6シク
    ロアルキル基、R2は水素原子またはC1〜C4アルコキ
    シカルボニル基であり、R3〜R6は各々独立して水素原
    子またはC1〜C4アルキル基であり、さらにR3とR5
    結合して二重結合を形成していてもよく、R7はC1〜C
    4アルキル基またはC1〜C4ハロアルキル基、Xはハロ
    ゲン原子、C1〜C4アルコキシ基またはC1〜C4ハロア
    ルコキシ基、Yは水素原子、C1〜C4アルキル基、C1
    〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子であり、nは
    0、1または2である。]で表されるイソキサゾール誘
    導体。
  2. 【請求項2】 一般式(Ia) 【化2】 [式中、R1はC1〜C6アルキル基またはC3〜C6シク
    ロアルキル基、R2は水素原子またはC1〜C4アルコキ
    シカルボニル基であり、R3〜R6は各々独立して水素原
    子またはC1〜C4アルキル基であり、さらにR3とR5
    結合して二重結合を形成していてもよく、R7はC1〜C
    4アルキル基またはC1〜C4ハロアルキル基、R8はC1
    〜C4ハロアルキル基、Yは水素原子、C1〜C4アルキ
    ル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子であ
    り、nは0、1または2である。]で表される請求項1
    に記載のイソキサゾール誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(Ib) 【化3】 [式中、R1はC1〜C6アルキル基またはC3〜C6シク
    ロアルキル基、R2は水素原子またはC1〜C4アルコキ
    シカルボニル基であり、R3〜R6は各々独立して水素原
    子またはC1〜C4アルキル基であり、さらにR3とR5
    結合して二重結合を形成していてもよく、R7はC1〜C
    4アルキル基またはC1〜C4ハロアルキル基、Xはハロ
    ゲン原子、C1〜C4アルコキシ基またはC1〜C4ハロア
    ルコキシ基であり、nは0、1または2である。]で表
    される請求項1に記載のイソキサゾール誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、R1がシクロプ
    ロピル基であり、かつR2が水素原子である請求項1に
    記載のイソキサゾール誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(I)において、R3〜R6が各々
    水素原子またはメチル基である請求項1または4に記載
    のイソキサゾール誘導体。
  6. 【請求項6】 一般式(I)において、Yが水素原子ま
    たはメチル基である請求項1、4または5に記載のイソ
    キサゾール誘導体。
  7. 【請求項7】 一般式(I)において、nが0または2
    である請求項1、4、5または6に記載のイソキサゾー
    ル誘導体。
  8. 【請求項8】 一般式(Ia)において、R1がシクロ
    プロピル基であり、かつR2が水素原子である請求項2
    に記載のイソキサゾール誘導体。
  9. 【請求項9】 一般式(Ia)において、R3〜R6が各
    々水素原子またはメチル基である請求項2または8に記
    載のイソキサゾール誘導体。
  10. 【請求項10】 一般式(Ia)において、R8が−C
    HF2基または−CH3基である請求項2、8または9に
    記載のイソキサゾール誘導体。
  11. 【請求項11】 一般式(Ia)において、Yが水素原
    子またはメチル基である請求項2、8、9または10に
    記載のイソキサゾール誘導体。
  12. 【請求項12】 一般式(Ia)において、nが0また
    は2である請求項2、8、9、10または11に記載の
    イソキサゾール誘導体。
  13. 【請求項13】 一般式(Ib)において、R1がシク
    ロプロピル基であり、かつR2が水素原子である請求項
    3に記載のイソキサゾール誘導体。
  14. 【請求項14】 一般式(Ib)において、R3〜R6
    各々水素原子またはメチル基である請求項3または13
    に記載のイソキサゾール誘導体。
  15. 【請求項15】 一般式(Ib)において、Xが−OC
    HF2基、−OCH3基または−Cl基である請求項3、
    13または14に記載のイソキサゾール誘導体。
  16. 【請求項16】 一般式(Ib)において、nが0また
    は2である請求項3、13〜15のいずれかに記載のイ
    ソキサゾール誘導体。
  17. 【請求項17】 請求項1、4〜7のいずれかに記載の
    一般式(I)で表されるイソキサゾール誘導体を有効成
    分として含有する除草剤。
  18. 【請求項18】 請求項2、8〜12のいずれかに記載
    の一般式(Ia)で表されるイソキサゾール誘導体を有
    効成分として含有する除草剤。
  19. 【請求項19】 請求項3、13〜16のいずれかに記
    載の一般式(Ib)で表されるイソキサゾール誘導体を
    有効成分として含有する除草剤。
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