JPH11139878A - 窒化ケイ素系セラミックス部材及びその製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素系セラミックス部材及びその製造方法

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JPH11139878A
JPH11139878A JP9304376A JP30437697A JPH11139878A JP H11139878 A JPH11139878 A JP H11139878A JP 9304376 A JP9304376 A JP 9304376A JP 30437697 A JP30437697 A JP 30437697A JP H11139878 A JPH11139878 A JP H11139878A
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JP
Japan
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silicon nitride
ceramic member
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working
strength
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JP9304376A
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Takashi Matsuura
尚 松浦
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に実用可能なプロセスにより大きな変
形量で塑性加工することができ、加工後の機械加工コス
トを大幅に低減することができるSi34系セラミック
ス部材の製造方法を提供する。 【解決手段】 平均粒径が100nm以下のSi34
子からなる焼結体プリフォームを作製し、該焼結体プリ
フォームを成形型に入れ、1300℃以上1500℃未
満の温度にて30%以上85%未満の変形量で熱間塑性
加工する。得られるSi34系セラミックス部材は、S
34の平均粒径が100nm以下で、加工後の部材の
強度が加工前の部材の強度の80%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス部材
の加工方法、更には窒化ケイ素系焼結体を強度を維持し
ながら高温下において所望の形状に塑性加工する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、窒化ケイ素焼結体等のセラミ
ックスについては、その優れた諸特性を利用して構造材
料や機能材料として広く使用されている。しかしなが
ら、セラミックスは硬度が高く、僅かな塑性変形能しか
得られないことから、塑性加工を施すことは困難であっ
た。
【0003】そこで、所定の形状を有するセラミックス
部材の製造には、一旦焼結して得られた焼結体をダイヤ
砥石等を用いて所定の形状に機械加工することが一般に
行われており、この機械加工がコスト上昇の大きな要因
となっていた。
【0004】この機械加工によるセラミックス部材の加
工コストを低減させるため、焼結体の寸法精度を向上さ
せて機械加工量を減らす試みとして、高精度の粉末成形
体の製造方法が種々検討されている。しかし、粉末成形
体の精度を向上させる方法によっても、その成形体から
得られる焼結体の寸法精度並びに形状精度は未だ十分な
ものとは言えなかった。
【0005】この様な現状に対して、セラミックスを塑
性加工する方法、例えば平均粒径が0.2〜0.5ミクロ
ンの窒化ケイ素系セラミックスを高温下で加圧すること
により塑性加工する方法が提案されている。しかしなが
ら、この方法では変形量が20%を越えると加工体中に
亀裂が発生し、強度が急激に低下するという問題が生じ
ていた。
【0006】そのため、上記の塑性加工を施した加工体
に更に機械加工を行う必要があり、例えば円柱材からバ
ルブのような複雑形状の部材を加工する場合には、10
%程度の変形量まで塑性加工を行った後、更に研削等の
機械加工による後加工を行っている。従って、機械加工
量が若干減ったとはいっても、加工コストの大幅な低下
に結びつかないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情に鑑み、窒化ケイ素系焼結体を工業的に実用可能
なプロセスにより大きな変形量で塑性加工することがで
き、塑性加工後の機械加工のコストを大幅に低減するこ
とができる窒化ケイ素系セラミックス部材の製造方法、
及びその方法により得られる寸法精度及び強度に優れた
窒化ケイ素系セラミックス部材を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明が提供する窒化ケイ素系セラミックス部材の
製造方法は、平均粒径が100nm以下の窒化ケイ素粒
子からなる焼結体プリフォームを作製し、該焼結体プリ
フォームを成形型に入れ、1300℃以上1500℃未
満の温度にて30%以上85%未満の変形量で熱間塑性
加工を行うことを特徴とする。
【0009】また、上記本発明方法により得られる窒化
ケイ素系セラミックス部材は、1300℃以上1500
℃未満の温度での熱間塑性加工により30%以上85%
未満の変形量で加工された窒化ケイ素系セラミックス部
材であって、窒化ケイ素粒子の平均粒径が100nm以
下であり、加工後の部材の強度が加工前の部材の強度の
80%以上であることを特徴とする。
【0010】尚、本発明において変形量とは、加工前の
試料の長さに対する、試料が加圧方向に圧縮された長さ
(圧縮された長さとは、加工前の試料の長さ−加工後の
試料の長さ)の割合を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、窒化ケイ
素系焼結体プリフォームを1300℃以上1500℃未
満の温度にて30%以上の変形量で熱間塑性加工を行う
ことができ、しかも塑性加工後のセラミックス部材は加
工前の焼結体強度の80%以上の強度を維持することが
できる。その結果、塑性加工のみで複雑な形状を有する
部材の大部分を加工することが可能となり、塑性加工後
の機械加工コストを大幅に低減することができる。
【0012】30%以上の変形量で熱間塑性加工し、且
つ加工後の強度を加工前の80%以上に維持するために
は、加工前の窒化ケイ素系焼結体プリフォーム中及び加
工後のセラミックス部材中の窒化ケイ素の平均粒径を1
00nm(0.1μm)以下に制御することが必要であ
る。窒化ケイ素の平均粒径を100nm以下にすること
によって、粒界での微小な変形が組織全体での変形につ
ながるため、粒界での拡散定数が小さい1300℃以上
1500℃未満の温度領域でも、低い応力で短時間に大
きな熱間塑性加工が可能となるからである。
【0013】また、熱間塑性加工の温度については、1
300℃未満では塑性変形が起こりにくいため、塑性加
工に伴い試料内部に亀裂が発生し、加工後のセラミック
ス部材の強度が低下する。逆に1500℃以上の温度で
塑性加工を行うと、試料表面が成形型との反応や分解に
より変質するため、やはり加工後のセラミックス部材の
強度が低下する。このため、熱間塑性加工の温度は13
00℃以上1500℃未満とする。
【0014】更に、本発明において塑性加工の変形量を
30%以上とするのは、30%未満の変形量ではバルブ
等の複雑形状の部品を塑性加工のみで作ることが難し
く、後加工である機械加工量が多くなるため、加工コス
トの増加が大きいからである。しかし、変形量が85%
以上になると、内部に亀裂が発生して強度が大きく劣化
するので、30%以上85%未満の変形量とする。
【0015】
【実施例】平均粒径が0.5μmのSi34粉末に、焼
結助剤として平均粒径が0.2μmであってSi34
末に対する重量%で2重量%のAl23粉末、1重量%
のMgO粉末及び5重量%のY23粉末を添加し、Zr
2製ボールとSUS304製で内径100mmのポッ
トを用いた遊星ボールミルにより、Arガス中において
室温で1時間の混合粉砕を行った。尚、ミルの自転回転
数は500rpm、公転回転数は200rpmとした。
【0016】得られた混合粉末を透過型電子顕微鏡で評
価したところ、粉末径は1μm、粉末中のSi34粒子
の平均短軸径は10nmであった。次に、この混合粉末
をプレス成形し、成形体を窒素雰囲気中において140
0℃で5分間焼結して、本発明の試料1のSi34系焼
結体を得た。
【0017】得られたSi34系焼結体の任意の一断面
をラッピング加工した後、80℃のHF:HNO3
2:1のエッチング液により30分エッチング加工し、
倍率80000倍の走査型電子顕微鏡で観察して結晶粒
径を評価したところ、Si34の平均粒径は50nmで
あった。また、同じ焼結体から試験片を切り出して3点
曲げ強度を測定したところ、1000MPaであった。
【0018】この試料1のSi34系焼結体より、直径
6mm及び長さ20mmの円柱部を有する試験片を切り
出し、これを焼結体プリフォームとして1気圧の窒素雰
囲気の高温炉中において、下記表1の試料1a〜1fに
示す条件でSiC製の加工治具を用いて長さ方向に圧縮
し、変形量(圧縮長)を8〜18mm(加工後長さで1
2〜2mm)の範囲で変えて熱間塑性加工した。
【0019】一方、試料2として、上記と同じ混合粉末
を同様に成形し、窒素雰囲気中において1600℃で5
分間焼結した。この試料2のSi34系焼結体について
も、上記と同様な方法で焼結体の結晶粒径及び強度を評
価したところ、Si34の平均粒径は180nm、強度
は1000MPaであった。また、この試料2の焼結体
をプリフォームとして、上記と同様に長さ方向に下記表
1の試料2aに示す条件で圧縮し、変形量(圧縮長)が
12mm(加工後の長さで8mm)となるまで熱間塑性
加工を行った。
【0020】上記の熱間塑性加工によって得られた各試
料のセラミックス部材について、それぞれ試験片を切り
出し、上記と同様にしてSi34の結晶粒径及び焼結体
の3点曲げ強度を測定した。得られた結果を下記表1に
併せて示した。
【0021】
【表1】 加工温度 Si3N4粒径(nm) 長さ方向の変形量 焼結体強度(MPa) 試料 (℃) 加工前 加工後 圧縮長(mm) 加工前 加工後 1a 1400 50 55 8 40 1000 900 1b 1400 50 65 14 70 1000 850 1c 1400 50 75 16 80 1000 800 1d* 1400 50 80 18 90 1000 400 1e* 1250 50 50 12 60 1000 500 1f* 1550 50 90 12 60 1000 600 2a* 1400 180 250 12 60 1000 400 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0022】上記表1の結果から、本発明の試料1a〜
1cは、熱間塑性加工の温度及び変形量が適性であるた
め、加工前に比べて強度劣化が少ないことが分かる。こ
れに対して比較例の試料1d〜f及び2aでは、熱間塑
性加工後の強度が大幅に低下していることが分かる。
【0023】この強度の大幅な低下は、試料1dは変形
量が大き過ぎ、及び試料1eでは塑性加工の温度が低過
ぎるため、それぞれ加工に伴い試料内部に亀裂が発生し
たことによる。また、試料1fは塑性加工の温度が高過
ぎるため試料表面が劣化し、また試料2aではSi34
の平均粒径が大きいため加工に伴い試料内部に亀裂が発
生したことによる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、窒化ケイ素系焼結体に
工業的に実用化が可能なプロセスで熱間塑性加工を加
え、例えば鍛造やプレス加工等により所定の形状に塑性
加工することができ、塑性加工後の機械加工を省略し又
は大幅に簡略化できるので、セラミックス部材の加工コ
ストを大幅に低減させることができる。
【0025】しかも、加工後の窒化ケイ素系セラミック
ス部材は、所定の寸法精度及び形状精度を有すると共
に、加工前の強度に近い強度を維持することができるの
で、そのまま又は若干の機械加工を施すだけで、安価な
機械構造部品等として提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1300℃以上1500℃未満の温度で
    の熱間塑性加工により30%以上85%未満の変形量で
    加工された窒化ケイ素系セラミックス部材であって、窒
    化ケイ素粒子の平均粒径が100nm以下であり、加工
    後の部材の強度が加工前の部材の強度の80%以上であ
    ることを特徴とする窒化ケイ素系セラミックス部材。
  2. 【請求項2】 平均粒径が100nm以下の窒化ケイ素
    粒子からなる焼結体プリフォームを作製し、該焼結体プ
    リフォームを成形型に入れ、1300℃以上1500℃
    未満の温度にて30%以上85%未満の変形量で熱間塑
    性加工を行うことを特徴とする窒化ケイ素系セラミック
    ス部材の製造方法。
JP9304376A 1997-11-06 1997-11-06 窒化ケイ素系セラミックス部材及びその製造方法 Pending JPH11139878A (ja)

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