JPH11139147A - 車両用暖房装置 - Google Patents

車両用暖房装置

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JPH11139147A
JPH11139147A JP9307523A JP30752397A JPH11139147A JP H11139147 A JPH11139147 A JP H11139147A JP 9307523 A JP9307523 A JP 9307523A JP 30752397 A JP30752397 A JP 30752397A JP H11139147 A JPH11139147 A JP H11139147A
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JP
Japan
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rotor
cooling water
plate
temperature
housing
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Application number
JP9307523A
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English (en)
Inventor
Takayuki Hotta
田 貴 之 堀
Masaki Nakajo
條 雅 樹 中
Shizuo Shimanuki
貫 静 雄 島
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/02Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant
    • B60H1/03Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant and from a source other than the propulsion plant
    • B60H1/038Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant and from a source other than the propulsion plant from the cooling liquid of the propulsion plant and from a viscous fluid heater
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24VCOLLECTION, PRODUCTION OR USE OF HEAT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F24V40/00Production or use of heat resulting from internal friction of moving fluids or from friction between fluids and moving bodies

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両重量の増大を招くことなく、安価な構造
で剪断熱による加熱を制御可能な熱発生器を備えた車両
用暖房装置を提供すること。 【解決手段】 エンジン11により回転されるロータ2
7に対向して配され、ロータ27との間で粘性流体を剪
断するプレート32を、発熱量制御手段36、44によ
り冷却水温度に応じて軸方向に移動させてプレート32
とロータ27との間の剪断面積或いは剪断隙間を増減す
ることによって、剪断熱による発熱量を制御するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用暖房装置に
関し、更に詳細には車両の暖房用冷却水回路中に、粘性
流体の剪断熱による熱発生器を介装した車両用暖房装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の車両用暖房装置として、
例えば、特開平2−246823号公報に開示されるも
のがある。この装置においては、車両のエンジンを冷却
して加熱された冷却水を、車室近傍に配設されるヒータ
ーコアにて空気と熱交換しウオーターポンプ入口へ戻す
暖房用冷却水回路中に、該冷却水回路を開閉可能なヒー
ターバルブと、粘性流体の剪断熱により熱を発生する熱
発生器がヒーターコアよりも上流側に介装されている。
熱発生器は、外層部及び内層部の2層構造を有するハウ
ジングと、該内層部内に配設されてエンジンにより電磁
クラッチを介して断続可能に回転駆動されると共にその
両側面に複数の環状の溝部を有し、内層部内壁の対向面
に形成された複数の環状突部と僅かな隙間を保ちながら
係合してラビリンス機構を形成するロータとを有し、内
層内に粘性流体が封入されると共に、外層部内に冷却水
が流動するように流入口及び流出口がハウジングに設け
られている。この装置において、冷間始動時や寒冷地通
常走行時等には、ヒーターバルブが開放されると共に、
電磁クラッチが接続されてロータが回転されラビリンス
機構により粘性流体に剪断熱が発生し、該剪断熱により
外層部内を流動する冷却水がエンジンの燃焼熱とは別に
加熱される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記した
従来の装置は、エンジンの燃焼熱により十分に冷却水の
温度が上昇されないときであっても、該燃焼熱とは別に
粘性流体の剪断熱により冷却水の温度を上昇させて、暖
房能力を向上させようとするものである。しかしなが
ら、この従来の装置は、剪断熱による発熱量の制御を電
磁クラッチの接続又は解放によってロータを回転又は停
止により行うものであるため、この電磁クラッチの利用
により当該暖房装置の製造コストが増大するばかりでな
く、暖房装置の重量が増大して車両重量の増大を招く。
また、更に電磁クラッチの駆動のために発電機やバッテ
リの容量増加をも招く。
【0004】本発明は、上記した実情に鑑みなされたも
ので、車両重量の増大を招くことなく、安価な構造で剪
断熱による発熱量を制御可能な熱発生器を備えた車両用
暖房装置を提供することを、その課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明の技術的手段は、当該車両用暖房装置
を、車両のエンジンを冷却する冷却水をヒーターコアを
介して循環させる暖房用冷却水回路と、その内部に粘性
流体が封入された作動室を有すると共に該作動室に隣接
して形成され前記暖房用冷却水回路の冷却水が導かれる
冷却水通路を有するハウジング、該ハウジングの作動室
内に前記エンジンにより回転可能に収容されるロータ及
び、前記作動室内に前記ロータの少なくとも一側面に対
向して回転不能に収容されると共に前記ハウジングに軸
方向に移動可能に支承される少なくとも一つのプレート
からなり、前記エンジンと前記ヒーターコアとの間の前
記暖房用冷却水回路中に介装されて、前記プレートと前
記ロータ間の粘性流体を前記ロータの回転により剪断し
て前記作動室内に発生する熱を前記冷却水通路内の冷却
水に伝導させる熱発生器と、該熱発生器の前記プレート
を冷却水温度に応じて軸方向に移動せしめて前記プレー
トと前記ロータ間の剪断面積或いは剪断隙間を増減し、
剪断による発熱量を制御する発熱量制御手段とを、備え
てなる構成としたことである。
【0006】上記した構成からなる車両用暖房装置は、
冷却水温に係らず、前記エンジンの負荷に応じて前記プ
レートを前記ロータから離間させて前記熱発生器による
発熱を規制する発熱量規制手段を更に備えていても良
い。
【0007】また、上記した構成からなる車両用暖房装
置において、前記発熱量制御手段は、前記ハウジングに
軸方向に移動可能に支承され、その一端を前記プレート
に固定されると共にその他端が前記ハウジング外部に突
出される移動軸と、前記プレートを前記ロータに向けて
付勢するスプリングと、その一端を前記ハウジングに回
転可能に支持されると共にその他端を前記移動軸の他端
にその長手方向に所定量移動可能に支持されて、前記移
動軸の軸方向の移動に応じてその一端を中心にして揺動
する揺動部材と、前記冷却水通路内の冷却水温度に応じ
て前記揺動部材を前記スプリングの付勢力に抗して前記
移動軸が軸方向に移動するように揺動させ温度感応手段
とから構成されても良い。この場合には、前記発熱量規
制手段は、アクセルペダルの踏込み量もしくは前記エン
ジンのスロットルバルブの開度または、前記エンジンの
吸入負圧に応じて前記移動軸を移動させて前記熱発生器
のプレートを前記ロータから離間させることが望まし
い。
【0008】また、更に上記した構成からなる車両用暖
房装置において、前記発熱器は、前記作動室内に前記ロ
ータの両側面に対向して回転不能に収容されると共に前
記ハウジングに軸方向に移動可能に支承される二つのプ
レートを有していても良い。上記した手段によれば、エ
ンジンにより回転されるロータに対向して配され、ロー
タとの間で粘性流体を剪断するプレートを、発熱量制御
手段により冷却水温度に応じて軸方向に移動させてプレ
ートとロータとの間の剪断面積或いは剪断隙間を増減す
ることによって、電磁クラッチを用いてロータの回転を
断続制御することなく、安価な構造で剪断熱による発熱
量を制御することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従った車両用暖房
装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本
発明に従った車両用暖房装置の熱発生器20、120、
220が介装される暖房用冷却水回路10を含む車両の
エンジン11の冷却水回路を示す。図1において、エン
ジン11を冷却する冷却水は、エンジン11により駆動
されるウオーターポンプ12によりエンジン11のウオ
ータージャケット、流路13及びラジエータ14を経て
循環するようになっている。流路13には周知のサーモ
スタット15が介装されており、該サーモスタット15
によりエンジン11のウオータージャケットからの冷却
水温が所定温度(例えば、80°)以下の時にはラジエ
ータ14をバイパスするバイパス流路16を介してエン
ジン11のウオータージャケットからの冷却水がラジエ
ータ14を介さずにウオーターポンプ12の吸入口に戻
されて循環し、同冷却水温が所定温度以上の時にはエン
ジン11のウオータージャケットからの冷却水がラジエ
ータ14を介してウオーターポンプ12の吸入口に戻さ
れて循環する。ラジエータ14の後面側には、エンジン
11により図示しない粘性流体継手を介して回転駆動さ
れる冷却ファン17が配設されている。
【0010】ウオーターポンプ12によりエンジン11
のウオータージャケットへ送られる冷却水は、上記した
ように流路13→ラジエータ14→ウオーターポンプ1
2の吸入口へと循環される一方、暖房用冷却水回路10
を循環する。この暖房用冷却水回路10は、ウオーター
ポンプ12によりエンジン11のウオータージャケット
へ送られた冷却水を、流路19、熱発生器20(12
0、220)及びヒーターコア50を順次介してウオー
ターポンプ12の吸入口へと戻し、循環する。ヒーター
コア50には、図示しないブロワモータにより駆動され
る送風ファン51が並設されており、ヒーターコア50
にて暖房用冷却水回路の冷却水により送風ファン51か
らの空気が加熱され、暖気となって車室へ供給される。
【0011】図2乃至図6に本発明の第1実施形態を示
す。図2において、熱発生器20は、その一端側に開口
して形成される円柱状の第1凹部21aと、その他端側
に開口して形成されて第1凹部21aと隔壁部により軸
方向に仕切られた円筒状の第2凹部21bと、その一端
側に開口して且つ第1凹部21aを包囲するように形成
された円筒状の第3凹部21cとを有するアルミ製の第
1ハウジング21、該第1ハウジング21の一端にボル
トにより液密的に固定されるアルミ製の第2ハウジング
22及び、第1ハウジング21の他端にボルトにより液
密的に固定されるアルミ製の第3ハウジング23からな
るハウジングを有する。尚、第3凹部21cはその一部
分にて第2凹部21bと連通されている。これにより、
第1凹部21aと第2ハウジング22によりシリコンオ
イル等の粘性流体が所定量封入される作動室29が区画
形成されると共に、第2凹部21b、第3凹部21c、
第2ハウジング22及び第3ハウジング23により冷却
水通路が区画形成されている。また、第1ハウジング2
1には、第2凹部21bと第2凹部21cの連通部分と
対称な位置にて第3凹部21cを外部に開口させる孔が
形成されており、該孔に図1に示すエンジン11からの
冷却水の流路19に接続される入口管30が圧入固定さ
れていると共に、第2凹部21bと第2凹部21cの連
通部分と対称な位置にて第2凹部21bを外部に開口さ
せる孔が形成されており、該孔に図1に示すヒーターコ
ア50の入口への流路に接続される出口管31が圧入固
定されている。これにより、入口管30より第3凹部2
1c内に流入する冷却水が、作動室29の外周に沿って
第3凹部21cを流れ、第2凹部21b及び出口管31
よりヒーターコア50へ送られるようになっている。
尚、本実施形態においては、第1凹部21aと第2凹部
21bを仕切る隔壁部の第2凹部21b側側面(第2凹
部21bの底部)には、複数の環状のフィン21dが突
設されており、第2凹部21b内を流れる冷却水のハウ
ジングとの接触面積を大きくしている。
【0012】第2ハウジング22は軸孔を有し、該軸孔
には軸受25を介してシャフト24が回転可能且つ軸方
向及び径方向に移動不能に支承されている。シャフト2
4の第2ハウジング22外部に突出される一端には、図
1に示すようにエンジン11の回転動力をベルト18を
介してシャフト24に伝達するためのプーリ26が固定
されている。シャフト24の他端は、作動室29内に突
出しており、該他端にはスペーサ28を介してロータ2
7がシャフト24と一体回転するように移動不能に固定
されている。ロータ27の第1凹部21aの底部に対向
する側の一側面には、複数の環状の溝部(又は突部)2
7aが形成されている。
【0013】第1ハウジング21には、円筒状の第2凹
部21bの径方向内方の中実部分に第2ハウジング22
の軸孔と同軸の軸孔が形成されており、該軸孔にはシー
ル部材を介してロッド33が軸方向に摺動可能に嵌合さ
れている。作動室29内に突出するロッド33の一端に
は、ロータ27とほぼ同じ径を有し、ロータ27の一側
面に対向するプレート32がロッド33と一体的に軸方
向移動可能にナットにより固定されている。ロータ27
の一側面に対向するプレート32の側面には、ロータ2
7の複数の環状の溝部(又は突部)27aと僅かな隙間
を保ちながら噛合してラビリンス機構を形成する複数の
環状突部(又は溝部)32aが形成されている。これに
より、ロータ27の複数の環状の溝部(又は突部)27
aとプレート32の複数の環状突部(又は溝部)32a
がその間に粘性流体を介在させて噛合した状態でロータ
27が回転することにより、効果的に粘性流体が剪断さ
れて剪断熱が発生し、該剪断熱によりハウジング内の冷
却水通路中の冷却水が加熱されるようになっている。第
1ハウジング21の円筒状の第2凹部21bの径方向内
方の中実部分の第1凹部21a側には、軸孔を中心にし
て凹所が設けられていると共に、該凹所に対向するプレ
ート32の部分には凹所に向けて突出した円筒状の凸部
が形成されていて、これら凹所と凸部間にプレート32
及びロッド33を常時ロータ27に向けて付勢するリタ
ーンスプリング34が配設されている。尚、プレート3
2の凸部は、図3に示すようにロッド33が第3ハウジ
ング23外方に向けて摺動した時に、凹所内に侵入する
ようになっている。
【0014】また、第1ハウジング21には、第1凹部
21aと第2凹部21bを仕切る隔壁部の第1凹部21
a側側面(第1凹部21aの底部)に複数のガイド軸3
5が作動室29内に向けて突設されており、それらガイ
ド軸35の突端はプレート32に形成されたガイド孔内
に摺動可能に嵌合されている。これにより、プレート3
2の回転が的確に阻止されると共に、軸方向の移動が良
好になされる。
【0015】第3ハウジング23には、アーム部材36
の一端37が回転可能に支持されている。該アーム部材
36の他端には、その長手方向に延びる長孔36aが形
成されており、該長孔36a内には第3ハウジング23
の外方に突出するロッド33の他端が移動可能に支持さ
れている。これにより、アーム部材36は一端37を中
心にして揺動可能とされ、このアーム部材36の揺動に
よってロッド33が軸方向に摺動される。
【0016】本実施形態においては、出口管31の直前
に位置する第2凹部21bの部分に面する第3ハウジン
グ23の部分に孔が形成されており、該孔に温度感応部
材44がその感温部45が出口管31の直前の第2凹部
21bの部分に位置されるように、第3ハウジング23
の外部より嵌合固定されている。温度感応部材44は、
図5及び図6に示すように、内部に任意に設定可能な所
定の温度変化により体積変化をするサーモワックス等の
温度感応材47が充填された熱伝導性の高い有底筒状の
ボデー49と、その一端閉塞側を温度感応材47内に収
容されて他端開口側をカバーと共にボデー49の開口端
により液密的に固定される被覆部材48と、該被覆部材
48内にその一端円錐状部側を摺動可能に嵌挿されて、
その他端がカバーをとおして外部へ突出されて、アーム
部材36の両端間の側部に当接される押動ロッド46と
から成る。この温度感応部材44は、温度感応材47の
温度が設定温度以上になると、温度感応材47が膨張し
て被覆部材48を押しつぶして該被覆部材48内よりそ
の開口端側へ押動ロッド46を押し出すもので、本実施
形態では、感温部45の外周を流れる冷却水温が10〜
20°のときにアーム部材36をリターンスプリング3
3の付勢力に抗して揺動させ始めるように設定されてい
る。
【0017】また、本実施形態においては、ロッド33
の他端に、エンジン11又は車体に固定される回動軸3
9に回転可能に支承されるプレート40にその一端を固
定されたケーブル38の他端が固定されている。また、
回動軸39にはプレート41が回転可能に支承されてお
り、該プレート41には一端をアクセルペダル43に固
定されたケーブル42の他端が固定されている。両プレ
ート40、41の外周には、アクセルペダル43が踏込
まれてケーブル42を介してプレート41が図2におい
て反時計方向に回転されると係合してプレート41とプ
レート40を一体回転させる突片40a、41a が夫々
形成されている。尚、プレート40はケーブル38の弛
みを防ぐために小さな付勢力をもつ図示しないスプリン
グにより常時図2において反時計方向に付勢されてお
り、またプレート41は同様にケーブル42の弛みを防
ぐために小さな付勢力をもつ図示しないスプリングによ
り常時図2において時計方向に付勢されている。
【0018】以上の構成において、サーモスタット15
の周囲の冷却水温が所定温度(例えば、80°)以下の
時に、エンジン11が始動されると、ウオーターポンプ
12により冷却水はウオーターポンプ12→エンジン1
1のウオータージャケット→バイパス回路16→ウオー
ターポンプ12へと循環されると共に、ウオーターポン
プ12→エンジン11のウオータージャケット→流路1
9→熱発生器20、ヒーターコア50→ウオーターポン
プ12へと暖房用冷却水回路10を循環する。これと同
時にロータ32が作動室29内で回転を開始する。この
時、熱発生器20内の冷却水通路を流れる冷却水が設定
温度(10〜20°)以下であると、温度感応材47は
収縮しており、押動ロッド46は図5の状態にあり、ア
クセルペダル43が踏込まれていない場合には、アーム
部材36はリターンスプリング33に抗して反時計方向
に揺動していないため、プレート32はリターンスプリ
ング33により、複数の環状突部(又は溝部)32aが
ロータ27の複数の環状の溝部(又は突部)27aに最
も深く噛合した図2に示す位置に保持される。これによ
り、プレート32の複数の環状突部(又は溝部)32a
とロータ27の複数の環状の溝部(又は突部)27aと
がそのの間に介在する粘性流体を剪断する剪断面積が最
大となった状態で、ロータ27の回転により粘性流体が
効果的に剪断されて剪断熱が発生し、該剪断熱により第
1乃至第2ハウジング21、22が加熱されて両ハウジ
ング21、22に接触しながら流動する冷却水が加熱さ
れる。よって、この加熱された冷却水をヒーターコア5
0にて空気と熱交換することにより、エンジン11の温
度上昇に係らず、早期に暖気を車室内へ供給することが
できる。
【0019】温度感応部材44の感温部45の周囲を流
れる冷却水の温度が上記した剪断熱により上昇し、設定
温度(10〜20°)以上になると、アクセルペダル4
3が踏込まれていない場合には、温度感応材47の膨張
により押動ロッド46が押出されることにより、アーム
部材36がリターンスプリング34に抗して図2におい
て反時計方向に揺動される。これにより、ロッド33及
びプレート32が図示右方向に移動し、プレート32の
複数の環状突部(又は溝部)32aとロータ27の複数
の環状の溝部(又は突部)27aとの噛合深さが浅くな
る。このため、ロータ27とプレート32間の剪断面積
が減少し、粘性流体の剪断による熱発生器20の発熱量
が図7に示すように減少される。アクセルペダル43が
踏込まれていない場合に、温度感応部材44の感温部4
5の周囲を流れる冷却水の温度が更に上昇し、50°以
上になると、温度感応材47が更に膨張して押動ロッド
46を更に押出し、アーム部材36を介してロッド33
及びプレート32を図示右方に更に移動させ、図3に示
すようにプレート32がロータ27より最大量離間され
る。この状態では、もはやロータ27の回転により粘性
流体を剪断して効果的に熱は発生されず、図7に示すよ
うに熱発生器20の発熱量はゼロになる。
【0020】以上のように、本実施形態においては、エ
ンジン11により回転されるロータ27に対向して配さ
れ、ロータ27との間で粘性流体を剪断するプレート3
2を、ロッド33及びアーム部材36を介して温度感応
部材44により冷却水温度に応じて軸方向に移動させて
プレート32とロータ27との間の剪断面積を増減する
ことによって、高価な電磁クラッチを用いてロータ27
の回転を断続制御することなく、安価な構造で剪断熱に
よる発熱量を制御することができる。
【0021】また、本実施形態では、ロータ27とプレ
ート32との間で効果的に粘性流体を剪断する上記した
冷却水の低温時であっても、運転者によりアクセルペダ
ル43が踏込まれると、温度感応部材44の作動によら
ずに、ケーブル42及び38を介してロッド33が図示
右方向に強制的に移動され、図4に示すようにプレート
32がロータ27より最大量離間される。これにより、
ロータ27の回転により粘性流体の剪断によるエンジン
11の駆動損失を低減し、車両のドライバビリテイが向
上される。
【0022】図8乃至図10は、本発明の第2実施形態
を示す。この第2実施形態では、上記した第1実施形態
が車両のドライバビリテイ向上のためにアクセルペダル
43の踏込みに応じてロータ27の回転による粘性流体
の剪断を冷却水温に係らず、強制的に規制するようにし
たのに対し、エンジン11の吸入負圧に応じてロータ2
7の回転による粘性流体の剪断を冷却水温に係らず、強
制的に規制するようにしている。図8乃至図10におい
て、60はエンジン11に接続された吸気マニホルド、
61は該吸気マニホルド60の外部開口に取り付けられ
るエアフィルタ、62は吸気マニホルド60内に介装さ
れるスロットルバルブである。熱発生器20のロッド3
3の他端は、負圧式アクチュエータ63の図示しないダ
イアフラムにリンクを介して接続されている。負圧式ア
クチュエータ63は、そのボデー内を図示しないダイア
フラムにより負圧室と大気室とに気密的に区画されてお
り、該負圧室内にはダイアフラムをロッド33が図8に
おいて図示右方向に移動するように常時付勢する図示し
ないスプリングが配設されており、負圧室は管路を介し
てスロットルバルブ62の下流側の吸気マニホルド60
に連通されている。これにより、エンジン11が始動さ
れてアクセルペダルが踏込まれておらず、スロットルバ
ルブ62がアイドル位置にある時には、ダイアフラムが
スプリングに抗して負圧室側に吸引されて、ロッド33
は負圧式アクチュエータ63により図示右方に移動され
ない。尚、ダイアフラムとロッド33の他端を接続する
リンクには、ロッド33が負圧式アクチュエータ63の
ダイアフラムの移動に係らず、図示右方向へ移動可能で
あるような上記した第1実施形態におけるプレート4
0、41の突片40a、41aに相当する機構が図示は
されていないが設けられている。この第2実施形態にお
いて、熱発生器20は上記した第1実施形態と同じ構成
であり、アクセルペダルが踏込まれておらず、スロット
ルバルブ62がアイドル位置にある時の発熱量制御作用
は、上記した第1実施形態におけるアクセルペダル43
が踏込まれていない状態での作用と図8及び図9に示す
ように同じであるので、同じ番号符号を付して、その説
明は省略する。
【0023】この第2実施形態において、ロータ27と
プレート32との間で効果的に粘性流体を剪断する上記
した冷却水の低温時であっても、運転者によりアクセル
ペダルが踏込まれてスロットルバルブ62が開かれ、ス
ロットルバルブ62の下流側の吸気負圧が低下すると、
温度感応部材44の作動によらずに、負圧式アクチュエ
ータ63の図示しないダイアフラムが図示しないスプリ
ングにより大気室側に押動され、リンクを介してロッド
33が図示右方向に強制的に移動され、図10に示すよ
うにプレート32がロータ27より最大量離間される。
これにより、ロータ27の回転により粘性流体の剪断に
よるエンジン11の駆動損失を低減し、車両のドライバ
ビリテイが向上される。尚、この第2実施形態は、過給
機付エンジンやデイーゼルエンジン以外のエンジンに適
しており、上記した第1実施形態は、過給機付エンジン
やデイーゼルエンジンに適している。
【0024】上記した第1及び第2実施形態では、熱発
生器20による過加熱を防止するために熱発生器20内
の冷却水通路の下流部(出口管の近傍)に温度感応部材
44の感温部45を設けたが、感温部45を熱発生器2
0内の冷却水通路の上流部(入口管の近傍)に設けて実
施することも可能である。
【0025】図11乃至図13は本発明の第3実施形態
を示す。この第3実施形態では、熱発生器120がエン
ジン11により回転されるロータ133の両側面に対向
して軸方向に移動可能に配される2つのプレート13
5、136を有している。
【0026】図11において、熱発生器120は、アル
ミ製の円筒状の第1ハウジング121と、該第1ハウジ
ング121と同じ軸長を有し第1ハウジング121より
も小径のアルミ製の円筒状の第2ハウジング122と、
第1及び第2ハウジング121、122の一端に液密的
に固定されるアルミ製の第3ハウジング123と、第1
及び第2ハウジング121、122の他端に液密的に固
定されるアルミ製の第4ハウジング124とを備えてい
る。これにより、第2ハウジング122内にシリコンオ
イル等からなる粘性流体が封入される作動室143が区
画形成されると共に、第1及び第2ハウジング121、
122間に環状の冷却水通路125が区画形成される。
冷却水通路125には、エンジン11からの冷却水を流
路19より導くために入口管126、127が開口して
おり、これら入口管126、127が開口される側と対
称な側には、ヒーターコア50への流路が接続される出
口管128、129が開口されている。
【0027】第3ハウジング123はその中心に軸孔を
有し、該軸孔には軸受130を介してシャフト131が
回転可能に支承されている。第3ハウジング123外部
に突出するシャフト131の一端には、エンジン11か
らの動力をシャフト131に伝達するための図示しない
プーリが固定されるプーリシート132が固定されてお
り、作動室143の中央まで延びるシャフト131の他
端には、シャフト131と一体回転するようにロータ1
33が固定されている。ロータ133の両側面には、複
数の環状の溝部(又は突部)133aが形成されてい
る。
【0028】作動室143内に延在するシャフト131
の外周には、その一端を第3ハウジング123に固定さ
れた円筒状のガイド134が配設されている。ガイド1
34の外周にはロータ133よりも大径の円環状のプレ
ート135が軸方向へ移動可能にスプライン嵌合されて
いる。プレート135のロータ133の対向面には、ロ
ータ133の複数の環状の溝部(又は突部)133aと
僅かな隙間を保ちながら噛合してラビリンス機構を形成
する複数の環状突部(又は溝部)135aが形成されて
いる。プレート135と第3ハウジング123間には、
プレート135を常時ロータ133に向けて付勢するリ
ターンスプリング137が配設されている。
【0029】また、第4ハウジング124の作動室14
3側側面には、シャフト131と同軸にガイド144が
固定されており、該ガイド144の外周にはプレート1
35と同径のプレート136が軸方向へ移動可能にスプ
ライン嵌合されている。プレート136のロータ133
の対向面には、ロータ133の複数の環状の溝部(又は
突部)133aと僅かな隙間を保ちながら噛合してラビ
リンス機構を形成する複数の環状突部(又は溝部)13
6aが形成されている。プレート136と第4ハウジン
グ124間には、プレート136を常時ロータ133に
向けて付勢するリターンスプリング138が配設されて
いる。
【0030】ロータ133の径方向外方のプレート13
5、136間には、複数個の温度感応部材139が周方
向に等間隔に設けられている。温度感応部材139は、
第2ハウジング122の内周面に固定される筒状のケー
ス140と、該ケース140の軸孔の両端に摺動可能に
嵌挿されそれらの突出端がプレート135、136に当
接される一対の押動ピストン142と、ケース140の
軸孔内にて両押動ピストン142間に充填されるサーモ
ワックス等からなる温度感応材141とから成る。温度
感応材141は、弾性材からなる被覆部材により被覆さ
れており、任意に設定可能な温度変化に応じて体積変化
をする。ケース140には、第2ハウジング122に形
成される貫通孔を介して冷却水通路125に軸孔を連通
する貫通孔が形成されている。第2ハウジング122の
貫通孔には温度感応部材139の感温部を構成するアル
ミ材等の熱伝導性の高い材料からなる有底筒状の図示し
ないカバーの開口端が液密的に固定されており、被覆部
材により被覆された温度感応材141の一部がカバー内
に収容される。尚、本第3実施形態では、温度感応部材
139の感温部周囲の冷却水温度が10〜20°以上に
なると、温度感応材141の膨張により押動ピストン1
42がケース140より押し出され、プレート135、
136をリターンスプリング137、138に抗してロ
ータ133から離間する側に移動させ始めるように設定
されている。
【0031】上記した構成から成る第3実施形態におい
て、サーモスタット15の周囲の冷却水温が所定温度
(例えば、80°)以下の時に、エンジン11が始動さ
れると、ウオーターポンプ12により冷却水はウオータ
ーポンプ12→エンジン11のウオータージャケット→
流路19→熱発生器120、ヒーターコア50→ウオー
ターポンプ12へと暖房用冷却水回路10を循環する。
これと同時にロータ133が作動室143内で回転を開
始する。この時、熱発生器120内の冷却水通路(温度
感応部材139の感温部周囲)を流れる冷却水が設定温
度(10〜20°)以下であると、温度感応材141は
収縮しており、図13に示すように、押動ピストン14
2はリターンスプリング137、138により付勢され
るプレート135、136によりケース140内に押し
込まれ、プレート135、136は、その複数の環状突
部(又は溝部)135a、136aがロータ133の複
数の環状の溝部(又は突部)133aに最も深く噛合し
た位置に保持される。これにより、プレート135、1
36の複数の環状突部(又は溝部)135a、136a
とロータ133の複数の環状の溝部(又は突部)133
aとがその間に介在する粘性流体を剪断する剪断面積が
最大となった状態で、ロータ133の回転により粘性流
体が効果的に剪断されて剪断熱が発生し、該剪断熱によ
り第2乃至第4ハウジング122、123、124が加
熱されて、これらハウジングに接触しながら流動する冷
却水が加熱される。よって、この加熱された冷却水をヒ
ーターコア50にて空気と熱交換することにより、エン
ジン11の温度上昇に係らず、早期に暖気を車室内へ供
給することができる。
【0032】温度感応部材139の感温部の周囲を流れ
る冷却水の温度が上記した剪断熱により上昇し、設定温
度(10〜20°)以上になると、温度感応材141の
膨張により押動ピストン142が押出されることによ
り、プレート135、136がリターンスプリング13
7、138に抗してロータ133から離間する側に移動
し、プレート135、136の複数の環状突部(又は溝
部)135a、136aとロータ133の複数の環状の
溝部(又は突部)133aとの噛合深さが浅くなる。こ
のため、ロータ133とプレート135、136間の剪
断面積が減少し、粘性流体の剪断による熱発生器120
の発熱量が減少される。温度感応部材139の感温部の
周囲を流れる冷却水の温度が更に上昇し、例えば、50
°以上になると、温度感応材141が更に膨張して押動
ピストン142を更に押出し、プレート135、136
更にロータ133から離間する側に移動させ、図12に
示すようにプレート135、136がロータ133より
最大量離間される。この状態では、もはやロータ133
の回転により粘性流体を剪断して効果的に熱は発生され
ず、熱発生器120の発熱量はゼロになる。
【0033】以上のように、第3実施形態においても上
記した第1及び第2実施形態と同様に、温度感応部材1
39により冷却水温度に応じてプレート125、136
を軸方向に移動させてプレート135、136とロータ
133との間の剪断面積を増減することによって、高価
な電磁クラッチを用いてロータ133の回転を断続制御
することなく、安価な構造で剪断熱による発熱量を制御
することができる。
【0034】図14乃至図19は、本発明の第4実施形
態を示す。上記した第3実施形態ではロータの両側面に
形成される複数の環状の溝部(又は突部)と僅かな隙間
を保ちながら噛合してラビリンス機構を形成する複数の
環状突部(又は溝部)をロータ側面との対向面に形成さ
れるプレートを冷却水温度に応じて軸方向に移動させ、
ロータの複数の環状の溝部(又は突部)とプレートの複
数の環状突部(又は溝部)との噛合深さを変化させるこ
とにより剪断面積を変化させ発熱量を制御したが、本第
4実施形態においては、ロータ233の両側面に形成さ
れる複数の環状の溝部(又は突部)233aと僅かな隙
間を保ちながら噛合してラビリンス機構を形成する複数
の環状突部(又は溝部)235a、236aを有する円
環状部材235A、236Aをロータ側面との対向面側
に固定される板状部材235、236を第3及び第4ハ
ウジング223、224の作動室側側面に固定してい
る。これら円環状部材235A、236Aの複数の環状
突部(又は溝部)235a、236aは、周方向に等間
隔に4個所形成される脚部を残して、ロータ233と噛
合する部分と板状部材235、236側端部との間の円
弧部分を切り欠かれている。即ち、図15及び図16の
夫々B1及びB2矢視図である図18及び図19に円環
状部材236Aを代表して示すように、複数の環状突部
(又は溝部)236aは脚部236bを残して板状部材
236の基部側の円弧部分が切り欠かれており、径方向
に隣合う各脚部236bが板状部材236側端にて互い
に結合されている。板状部材235、236と円環状部
材235A、236Aの間には、脚部が嵌挿される4つ
の放射状の孔を有するプレート251、252が上記し
た切り欠き内を軸方向へ移動可能に配設されている。図
17にプレート252を代表して示すように、孔252
a内に複数の環状突部(又は溝部)236aの脚部が嵌
挿されていて、またプレート252の内周は軸方向に移
動可能に板状部材236の突部外周にスプライン嵌合さ
れる。尚、プレート251は図示されていないが、第2
ハウジング222の内周面にその外周をスプライン嵌合
されている。これらプレート251及び252は、夫々
リターンスプリング237、238により常時ロータ2
33側に付勢されていると共に、温度感応部材239の
押動ピストン242と常時当接している。本第4実施形
態の熱発生器220の他の構成は、上記した第3実施形
態の熱発生器120と同じであるので、同じ構成には1
00を加えた番号符号を付し、その説明は省略する。
尚、図14中、250は円環状部材235Aとシャフト
231間の環状空間に配設される周知のシール部材であ
る。
【0035】以上の構成からなる第4実施形態におい
て、サーモスタット15の周囲の冷却水温が所定温度
(例えば、80°)以下の時に、エンジン11が始動さ
れると、ウオーターポンプ12により冷却水はウオータ
ーポンプ12→エンジン11のウオータージャケット→
流路19→熱発生器220、ヒーターコア50→ウオー
ターポンプ12へと暖房用冷却水回路10を循環する。
これと同時にロータ233が作動室243内で回転を開
始する。この時、熱発生器220内の冷却水通路(温度
感応部材239の感温部周囲)を流れる冷却水が設定温
度(10〜20°)以下であると、温度感応材241は
収縮しており、図15に示すように、押動ピストン24
2はリターンスプリング237、238により付勢され
るプレート251、252によりケース240内に押し
込まれ、プレート251、252は、円環状部材235
A、236Aの複数の環状突部(又は溝部)235a、
236aがロータ233の複数の環状の溝部(又は突
部)233aに噛合される空間の体積を小さくした位置
に保持される。これにより、複数の環状突部(又は溝
部)235a、236aとロータ233の複数の環状の
溝部(又は突部)233aとがその間に介在する粘性流
体を剪断する剪断面積が最大となった状態で、ロータ2
33の回転により粘性流体が効果的に剪断されて剪断熱
が発生し、該剪断熱により第2乃至第4ハウジング22
2、223、224が加熱されて、これらハウジングに
接触しながら流動する冷却水が加熱される。よって、こ
の加熱された冷却水をヒーターコア50にて空気と熱交
換することにより、エンジン11の温度上昇に係らず、
早期に暖気を車室内へ供給することができる。
【0036】温度感応部材239の感温部の周囲を流れ
る冷却水の温度が上記した剪断熱により上昇し、設定温
度(10〜20°)以上になると、温度感応材241の
膨張により押動ピストン242が押出されることによ
り、プレート251、252がリターンスプリング23
7、238に抗してロータ233から離間する側に移動
し、円環状部材235A、236Aの複数の環状突部
(又は溝部)235a、236aがロータ233の複数
の環状の溝部(又は突部)233aに噛合される空間の
体積が大きくなる。このため、複数の環状突部(又は溝
部)235a、236aと複数の環状の溝部(又は突
部)233a間に介在する粘性流体の量が減少してロー
タ233とプレート251、252間の剪断面積が減少
し、粘性流体の剪断による熱発生器220の発熱量が減
少される。温度感応部材239の感温部の周囲を流れる
冷却水の温度が更に上昇し、例えば、50°以上になる
と、温度感応材241が更に膨張して押動ピストン24
2を更に押出し、プレート251、252を更にロータ
233から離間する側に移動させ、図16に示すように
プレート251、252がロータ233より最大量離間
される。この状態では、複数の環状突部(又は溝部)2
35a、236aが複数の環状の溝部(又は突部)23
3aに噛合される空間の体積が最大となり、該空間内で
占める粘性流体量(剪断面積)が最大限減少し、もはや
ロータ233の回転により粘性流体を剪断して効果的に
熱は発生されず、熱発生器220の発熱量はゼロにな
る。
【0037】以上のように、この第4実施形態において
も上記した第1乃至第3実施形態と同様に、温度感応部
材239により冷却水温度に応じてプレート251、2
52を軸方向に移動させて円環状部材235A、236
Aの複数の環状突部(又は溝部)235a、236aと
ロータ233の複数の環状の溝部(又は突部)233a
間に介在する粘性流体量を増減し、両者間の剪断面積を
増減することによって、高価な電磁クラッチを用いてロ
ータ133の回転を断続制御することなく、安価な構造
で剪断熱による発熱量を制御することができる。
【0038】上記した第1乃至第4実施形態では、温度
感応部材の温度感応材としてサーモワックスを用いた
が、例えば、形状記憶スプリングを温度感応材として用
いて本発明を実施することもできる。また、温度感応部
材を冷却水温を検出する水温センサからの信号を受けて
作動する電気式又は流体式アクチュエータにより構成し
て本発明を実施することもできる。
【0039】また、上記した第1乃至第3実施形態で
は、プレートの複数の環状突部(又は溝部)とロータの
複数の環状の溝部(又は突部)の噛合深さを増減し、両
者間の剪断面積を増減して熱発生器の発熱量を制御する
構成としたが、プレート及びロータの夫々の対向面を平
面として両者間の剪断隙間を増減して熱発生器の発熱量
を制御する構成として本発明を実施することも可能であ
る。
【0040】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、エンジン
により回転されるロータに対向して配され、ロータとの
間で粘性流体を剪断するプレートを、発熱量制御手段に
より冷却水温度に応じて軸方向に移動させてプレートと
ロータとの間の剪断面積或いは剪断隙間を増減すること
によって、高価な電磁クラッチを用いてロータの回転を
断続制御することなく、安価な構造で剪断熱による発熱
量を制御することができると共に、当該暖房装置の重量
を減少することができる。
【0041】更に冷却水温に係らず、前記エンジンの負
荷に応じて前記プレートを前記ロータから離間させて前
記熱発生器による発熱を規制する発熱量規制手段を設け
てやれば、上記した効果を奏しつつ、車両のドライバビ
リテイを向上することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った車両用暖房装置が装着されたエ
ンジンの冷却回路図である。
【図2】本発明に従った車両用暖房装置の第1実施形態
における、冷却水温が設定温度以下でアクセルペダル踏
込まれていない状態を示す構成図である。
【図3】本発明に従った車両用暖房装置の第1実施形態
における、冷却水温が設定温度以上でアクセルペダル踏
込まれていない状態を示す図である。
【図4】本発明に従った車両用暖房装置の第1実施形態
における、冷却水温が設定温度以下でアクセルペダル踏
込まれている状態を示す図である。
【図5】本発明に従った車両用暖房装置の第1実施形態
及び第2実施形態における、温度感応部材の設定温度以
下の状態を示す断面図である。
【図6】本発明に従った車両用暖房装置の第1実施形態
及び第2実施形態における、温度感応部材の設定温度以
上の状態を示す断面図である。
【図7】本発明に従った車両用暖房装置における熱発生
器の冷却水温と発熱量の関係を示す図である。
【図8】本発明に従った車両用暖房装置の第2実施形態
における、冷却水温が設定温度以下でスロットルバルブ
がアイドル位置である状態を示す図である。
【図9】本発明に従った車両用暖房装置の第2実施形態
における、冷却水温が設定温度以上でスロットルバルブ
がアイドル位置である状態を示す図である。
【図10】本発明に従った車両用暖房装置の第2実施形
態における、冷却水温が設定温度以下でスロットルバル
ブが開かれた状態を示す図である。
【図11】本発明に従った車両用暖房装置の第3実施形
態の熱発生器の断面図である。
【図12】図11の熱発生器の冷却水温が設定温度以上
である時の状態を示す部分断面図である。
【図13】図11の熱発生器の冷却水温が設定温度以下
である時の状態を示す部分断面図である。
【図14】本発明に従った車両用暖房装置の第4実施形
態の熱発生器の断面図である。
【図15】図14の熱発生器の冷却水温が設定温度以下
である時の状態を示す部分断面図である。
【図16】図14の熱発生器の冷却水温が設定温度以上
である時の状態を示す部分断面図である。
【図17】図14のA矢視図である。
【図18】図15のB1矢視図である。
【図19】図15のB2矢視図である。
【符号の説明】
11 エンジン 15 ヒーターコア 16 暖房用冷却水回路 21 熱発生器 21a ハウジング 21b ロータ 21c トルク伝達板 21d インペラ 24 第1切換弁(弁手段) 28 第2切換弁(弁手段) 29 バイパス管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジンを冷却する冷却水をヒー
    ターコアを介して循環させる暖房用冷却水回路と、 その内部に粘性流体が封入された作動室を有すると共に
    該作動室に隣接して形成され前記暖房用冷却水回路の冷
    却水が導かれる冷却水通路を有するハウジング、該ハウ
    ジングの作動室内に前記エンジンにより回転可能に収容
    されるロータ及び、前記作動室内に前記ロータの少なく
    とも一側面に対向して回転不能に収容されると共に前記
    ハウジングに軸方向に移動可能に支承される少なくとも
    一つのプレートからなり、前記エンジンと前記ヒーター
    コアとの間の前記暖房用冷却水回路中に介装されて、前
    記プレートと前記ロータ間の粘性流体を前記ロータの回
    転により剪断して前記作動室内に発生する熱を前記冷却
    水通路内の冷却水に伝導させる熱発生器と、 該熱発生器の前記プレートを冷却水温度に応じて軸方向
    に移動せしめて前記プレートと前記ロータ間の剪断面積
    或いは剪断隙間を増減し、剪断による発熱量を制御する
    発熱量制御手段とを備えていることを特徴とする車両用
    暖房装置。
  2. 【請求項2】 冷却水温に係らず、前記エンジンの負荷
    に応じて前記プレートを前記ロータから離間させて前記
    熱発生器による発熱を規制する発熱量規制手段を備えて
    いることを特徴とする請求項1に記載の車両用暖房装
    置。
  3. 【請求項3】 前記発熱量制御手段は、前記ハウジング
    に軸方向に移動可能に支承され、その一端を前記プレー
    トに固定されると共にその他端が前記ハウジング外部に
    突出される移動軸と、前記プレートを前記ロータに向け
    て付勢するスプリングと、その一端を前記ハウジングに
    回転可能に支持されると共にその他端を前記移動軸の他
    端にその長手方向に所定量移動可能に支持されて、前記
    移動軸の軸方向の移動に応じてその一端を中心にして揺
    動する揺動部材と、前記冷却水通路内の冷却水温度に応
    じて前記揺動部材を前記スプリングの付勢力に抗して前
    記移動軸が軸方向に移動するように揺動させる温度感応
    手段とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の車両用暖房装置。
  4. 【請求項4】 前記発熱量規制手段は、アクセルペダル
    の踏込み量もしくは前記エンジンのスロットルバルブの
    開度に応じて前記移動軸を移動させて前記熱発生器のプ
    レートを前記ロータから離間させることを特徴とする請
    求項3に記載の車両用暖房装置。
  5. 【請求項5】 前記発熱量規制手段は、前記エンジンの
    吸入負圧に応じて前記移動軸を移動させて前記熱発生器
    のプレートを前記ロータから離間させることを特徴とす
    る請求項3に記載の車両用暖房装置。
  6. 【請求項6】 前記発熱器は、前記作動室内に前記ロー
    タの両側面に対向して回転不能に収容されると共に前記
    ハウジングに軸方向に移動可能に支承される二つのプレ
    ートを有することを請求項1又は2に記載の車両用暖房
    装置。
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