JPH10100648A - 車両用暖房装置 - Google Patents

車両用暖房装置

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JPH10100648A
JPH10100648A JP8260941A JP26094196A JPH10100648A JP H10100648 A JPH10100648 A JP H10100648A JP 8260941 A JP8260941 A JP 8260941A JP 26094196 A JP26094196 A JP 26094196A JP H10100648 A JPH10100648 A JP H10100648A
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cooling water
viscous
heating
vehicle
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    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/02Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant
    • B60H1/03Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant and from a source other than the propulsion plant
    • B60H1/038Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant and from a source other than the propulsion plant from the cooling liquid of the propulsion plant and from a viscous fluid heater
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P3/00Liquid cooling
    • F01P3/20Cooling circuits not specific to a single part of engine or machine
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンEに大きな負荷が加わってもエンジ
ンストールに至ることがない車両用空気調和装置1を提
供する。 【解決手段】 エンジンEとフロント側ヒータコア15
との間の冷却水回路Wの途中に、冷却水を加熱するビス
カスヒータ9を設けた。そして、ビスカスECUによる
コンピュータ制御によって、ビスカスヒータ9による車
室内の暖房を希望するビスカススイッチが投入されてい
ても、エンジンEのアイドリング時は、先ず冷却水温が
高ければ高い程、通常のアイドル回転速度よりも高い目
標回転速度を低く設定し、それから遅動制御時間が経過
した後に、初めてビスカスクラッチ7をオンするように
した。これにより、エンジンEのアイドリング時に、ビ
スカスヒータ9を作動させることによりエンジンEに大
きな負荷が加わってもエンジンストールに至ることはな
く、燃料経済性も向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水冷式のエンジン
を冷却する冷却水を昇温させる剪断発熱器を冷却水回路
中に備えた車両用暖房装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用暖房装置としては、水
冷式のエンジンを冷却した冷却水をダクト内のヒータコ
アに供給し、このヒータコアを通過することにより加熱
された空気を車室内に送り込んで、車室内の暖房を行う
ようにした車両用温水式暖房装置が一般的である。
【0003】ところが、例えばディーゼルエンジン車や
リーンバーンエンジン車のように、エンジンの発熱量が
少なくてエンジンを冷却する冷却水を充分に加熱するこ
とができない車両の場合には、ヒータコアに供給される
冷却水の温度を所定冷却水温(例えば80℃)に維持す
ることができないので、車室内の暖房能力が不足すると
いう不具合があった。
【0004】また、近年、燃料消費率を低下して燃料経
済性を向上させるために、エンジンのアイドル回転速度
を低く設定する方法が一般的となっている。このため、
エンジンの発熱量の低下によるヒータコアの放熱量の低
下、すなわち、ヒータ効き不良という問題が発生する場
合が多くなってきている。上記のような不具合を解消す
る目的で、従来より、特開平6−92134号公報にお
いて、エンジンからヒータコアに供給される冷却水を加
熱する剪断発熱器を冷却水回路中に設けるようにした車
両用暖房装置が提案されている。
【0005】ここで、剪断発熱器は、エンジンの回転動
力をベルト伝動機構および電磁クラッチを介してシャフ
トに伝達し、ケース内に発熱室を設けて、その発熱室の
外周に冷却水路を形成し、更に発熱室内にシャフトと一
体的に回転するロータを配置すると共に、ロータの回転
によりその発熱室内に封入されたシリコンオイル等の粘
性流体に剪断力を作用させて熱を発生させ、その発生熱
により冷却水路内を還流する冷却水を加熱するようにし
たものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
な剪断発熱器を備えた車両用暖房装置は、エンジンがア
イドリング状態であっても、冷却水温が設定冷却水温よ
りも低ければ電磁クラッチがオンする。このため、エン
ジンの回転動力(駆動トルク)がシャフトおよびロータ
に伝達されて剪断発熱器が作動を開始するので、その駆
動トルクによりエンジンに大きな負荷が加わり、エンジ
ンのアイドリングが不安定な状態となってエンジンスト
ール(エンジンの停止)に至るという問題が生じてい
る。特に、低温時には剪断発熱器のシリコンオイル等の
粘性流体の粘性が非常に高くなり、起動トルクも非常に
大きなものとなる。
【0007】
【発明の目的】本発明は、剪断発熱器を利用して冷却水
を加熱する際にエンジンに大きな負荷が加わってもエン
ジンが停止することを防止できる車両用暖房装置を得る
ことを目的とする。また、エンジンのアイドリング時の
目標回転速度を低く設定することにより燃料消費率を低
下して燃料経済性を向上させることのできる車両用暖房
装置を得ることを目的とする。さらに、エンジンのアイ
ドリング時のヒータ効き不良を防止することのできる車
両用暖房装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、加熱指示手段によって剪断発熱器により冷却水
を加熱するよう指示がなされた場合には、先ずエンジン
のアイドル回転速度を高く設定し、その後にクラッチ手
段を制御してエンジンの回転動力を剪断発熱器のロータ
に伝えるようにする。
【0009】それによって、剪断発熱器のロータの回転
により発熱室内の粘性流体に剪断力が作用し粘性流体が
熱を発生するので、エンジンから暖房用熱交換器に供給
される冷却水が加熱されることにより、暖房用熱交換器
の放熱量が増加することによりエンジンのアイドリング
時であっても充分な暖房能力が得られる。また、エンジ
ンのアイドル回転速度を高く設定した後に、エンジンの
回転動力を剪断発熱器のロータに伝えるようにしている
ので、エンジンのアイドリング時にエンジンに大きな負
荷が加わってもエンジンが停止することはない。
【0010】請求項2に記載の発明によれば、運転状態
検出手段で検出したエンジンの運転状態がアイドリング
状態の時に、エンジンのアイドル回転速度を高く設定し
てから所定時間が経過した後に、クラッチ手段を制御し
てエンジンの回転動力を剪断発熱器のロータに伝えるよ
うにする。それによって、請求項1に記載の発明と同様
な効果が得られる。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、物理量検
出手段で検出した、エンジンを冷却した冷却水の温度に
関連する物理量が上昇すればする程、アイドリング時の
通常のアイドル回転速度よりも高い目標回転速度を低く
設定することにより、エンジンの燃料消費率を向上させ
て燃料経済性を向上することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕図1ないし図9は本発明の第1
実施形態を示したもので、図1は車両用空気調和装置の
全体構造を示した図で、図2はエンジンとベルト伝動機
構を示した図である。
【0013】車両用空気調和装置1は、車両のエンジン
ルームに設置された水冷式のディーゼルエンジン(以下
エンジンと略す)E、車室内を空調する空気調和装置
(室内空調ユニット、以下エアコンと呼ぶ)2、車室内
のリヤ側を暖房するリヤヒータ装置3、エンジンEを冷
却する冷却水を加熱する剪断発熱装置4、エアコン2と
リヤヒータ装置3を制御するエアコンECU100、剪
断発熱装置4を制御するビスカスECU200、および
エンジンEを制御するエンジンECU300等を備えて
いる。
【0014】エンジンEは、シリンダブロックとシリン
ダヘッドの回りにウォータジャケット13を設けてい
る。また、エンジンEの出力軸(クランク軸)11に
は、後記するVベルト6に連結するクランクプーリ12
が取り付けられている。そして、そのウォータジャケッ
ト13は、エンジンEを冷却する冷却水を循環させる冷
却水回路W中に設けられている。
【0015】冷却水回路Wには、冷却水を強制循環させ
るウォータポンプ14、冷却水と空気とを熱交換して冷
却水を空冷するラジエータ(図示せず)、冷却水と空気
とを熱交換して空気を加熱するフロント側ヒータコア1
5、冷却水と空気とを熱交換して空気を加熱するリヤ側
ヒータコア16、およびこのリヤ側ヒータコア16への
冷却水の供給および遮断を司るウォータバルブ17等が
取り付けられている。ウォータポンプ14は、エンジン
Eのウォータジャケット13よりも上流側に設置され、
エンジンEの出力軸11に回転駆動される。
【0016】エアコン2は、フロント側ダクト21、フ
ロント側ブロワ22、冷凍サイクル、およびフロント側
ヒータコア15等から構成されている。フロント側ダク
ト21の風上側には、外気吸込口24aおよび内気吸込
口24bを選択的に開閉して吸込口モードを切り替える
内外気切替ダンパ24が回動自在に取り付けられてい
る。フロント側ダクト21の風下側には、デフロスタ吹
出口25a、フェイス吹出口25bおよびフット吹出口
25cを選択的に開閉して吹出口モードを切り替えるモ
ード切替ダンパ25が回動自在に取り付けられている。
【0017】フロント側ブロワ22は、ブロワモータ2
3により回転駆動されて、フロント側ダクト21内に車
室内へ向かう空気流を発生する送風手段である。冷凍サ
イクルは、コンプレッサ(エンジン補機、冷媒圧縮
機)、コンデンサ(冷媒凝縮器)、レシーバ(気液分離
器)、エキスパンション・バルブ(膨張弁、減圧装
置)、エバポレータ(冷媒蒸発器)26およびこれらを
環状に接続する冷媒配管等からなる。
【0018】コンプレッサは、電磁クラッチ(以下エア
コンクラッチと呼ぶ)27を備え、エバポレータ26よ
り吸入した冷媒を圧縮してコンデンサへ吐出する。エア
コンクラッチ27のVプーリ28は、Vベルト6を介し
てエンジンEの出力軸11に取り付けられたクランクプ
ーリ12(図2参照)に駆動連結され、電磁コイルへの
通電により入力部(ロータ)に出力部(アーマチャ、イ
ンナーハブ)が吸着することによりエンジンEの回転動
力をコンプレッサの回転軸29に伝達する。エバポレー
タ26は、フロント側ダクト21内に設置され、フロン
ト側ダクト21内を流れる空気を冷却する冷却手段であ
る。
【0019】フロント側ヒータコア15は、本発明の暖
房用熱交換器であって、フロント側ダクト21内におい
てエバポレータ26よりも空気の流れ方向の下流側(風
下側)に設置され、且つ冷却水回路Wにおいて剪断発熱
装置4よりも冷却水の流れ方向の下流側に接続されてい
る。このフロント側ヒータコア15は、エバポレータ2
6を通過した空気と冷却水とを熱交換して空気を加熱す
る加熱手段である。
【0020】なお、フロント側ヒータコア15の風上側
には、エアミックスダンパ30が回動自在に取り付けら
れている。このエアミックスダンパ30は、フロント側
ヒータコア15を通過する空気量(温風量)とフロント
側ヒータコア15を迂回する空気量(冷風量)との風量
調節を行って車室内に吹き出す空気の温度を調節する吹
出温度調節手段である。
【0021】リヤヒータ装置3は、リヤ側ダクト31、
リヤ側ブロワ32およびリヤ側ヒータコア16等から構
成されている。リヤ側ダクト31の風下側には、フット
吹出口(図示せず)が開口している。リヤ側ブロワ32
は、ブロワモータ33により回転駆動されて、リヤ側ダ
クト31内に車室内へ向かう空気流を発生する送風手段
である。
【0022】リヤ側ヒータコア16は、本発明の暖房用
熱交換器であって、リヤ側ダクト31内に設置されてい
る。そして、リヤ側ヒータコア16は、冷却水回路Wに
おいて剪断発熱装置4よりも冷却水の流れ方向の下流側
にウォータバルブ17を介して接続されている。このリ
ヤ側ヒータコア16は、リヤ側ダクト31内を流れる空
気と冷却水とを熱交換して空気を加熱する加熱手段であ
る。
【0023】次に、剪断発熱装置4を図1ないし図4に
基づいて簡単に説明する。ここで、図3はビスカスクラ
ッチとビスカスヒータを示した図で、図4はビスカスヒ
ータを示した図である。剪断発熱装置4は、エンジンE
の出力軸11に駆動連結されたベルト伝動機構5、およ
びシャフト8を有する剪断発熱器(以下ビスカスヒータ
と呼ぶ)9とからなる。
【0024】ベルト伝動機構5は、図1および図2に示
したように、エンジンEの出力軸11に取り付けられた
クランクプーリ12に掛け渡された多段式のVベルト
6、およびこのVベルト6を介して出力軸11(クラン
クプーリ12)に駆動連結された電磁クラッチ(以下ビ
スカスクラッチと呼ぶ)7を有する動力伝達機構であ
る。
【0025】Vベルト6は、ビスカスクラッチ7を介し
てエンジンEの回転動力(駆動力)をビスカスヒータ9
のシャフト8に伝えるベルト伝動手段である。なお、本
実施形態のVベルト6は、エアコンクラッチ27とビス
カスクラッチ7とに共掛けされている。
【0026】ビスカスクラッチ7は、図3に示したよう
に、通電されると起磁力を発生する電磁コイル41、エ
ンジンEによって回転駆動されるロータ42、電磁コイ
ル41の起磁力によってロータ42に吸着するアーマチ
ャ43、このアーマチャ43に板ばね44を介して連結
され、ビスカスヒータ9のシャフト8に回転動力を与え
るインナーハブ45等から構成されたクラッチ手段であ
る。
【0027】電磁コイル41は、絶縁皮膜を施した導電
線を巻回したもので、鉄等の磁性材料で形成されたステ
ータ46内に収容され、エポキシ系樹脂によってステー
タ46内にモールド固定されている。なお、ステータ4
6は、ビスカスヒータ9のハウジング10の前面に固定
されている。
【0028】ロータ42は、外周にVベルト6(図1お
よび図2参照)が掛け渡されるVプーリ47が溶接等の
接合手段により接合され、Vベルト6を介して伝達され
たエンジンEの回転動力によって常時回転する回転体
(ビスカスクラッチ7の入力部)である。また、ロータ
42は、鉄等の磁性材料により断面コの字形状に形成さ
れた第1摩擦部材であって、内周側に設けたベアリング
48を介してビスカスヒータ9のハウジング10の外周
に回転自在に支持されている。
【0029】アーマチャ43は、ロータ42の円環板形
状の摩擦面に軸方向のエアギャップ(例えば0.5mm
の隙間)を隔てて対向する円環板形状の摩擦面を有し、
鉄等の磁性材料で円環板形状に形成された第2摩擦部材
である。なお、アーマチャ43は、電磁コイル41の起
磁力によりロータ42の摩擦面に吸着(係合)されると
ロータ42からエンジンEの回転動力が伝達される。
【0030】板ばね44は、外周側がアーマチャ43に
リベット等の固定手段により固定され、内周側がインナ
ーハブ45にリベット等の固定手段により固定されてい
る。この板ばね44は、電磁コイル41の通電停止時に
アーマチャ43をロータ42の摩擦面から離脱(解放)
させる方向(図示左方向)へ変位させて初期位置に戻す
弾性部材である。インナーハブ45は、入力側が板ばね
44を介してアーマチャ43に駆動連結し、出力側がビ
スカスヒータ9のシャフト8にスプライン嵌合により駆
動連結したビスカスクラッチ7の出力部である。
【0031】ビスカスヒータ9は、暖房用熱源であるエ
ンジンEに対して暖房用補助熱源を構成するもので、V
ベルト6およびビスカスクラッチ7を介してエンジンE
の回転動力が与えられるシャフト8、このシャフト8を
回転自在に支持するハウジング10、このハウジング1
0の内部空間を発熱室50と冷却水路51とに2分割す
るセパレータ52、およびハウジング10内に回転可能
に配されたロータ53等から構成されている。
【0032】シャフト8は、ビスカスクラッチ7のイン
ナーハブ45にボルト等の締結部材54により締め付け
固定され、アーマチャ43と一体的に回転する入力軸で
ある。このシャフト8は、ベアリング55およびシール
材56を介してハウジング10の内周に回転自在に支持
されている。なお、シール材56には高粘性流体の漏れ
を防ぐオイルシールが利用されている。
【0033】ハウジング10は、アルミニウム合金等の
金属部材よりなり、後端部に円環板形状のカバー57を
ボルトやナット等の締結部材58により締め付け固定し
ている。なお、ハウジング10とカバー57との接合面
には、セパレータ52およびシール材59が装着されて
いる。そのシール材59には高粘性流体の漏れを防ぐO
リングが利用されている。
【0034】セパレータ52は、アルミニウム合金等の
熱伝導性に優れた金属部材よりなり、外周部がハウジン
グ10の円筒状部とカバー57の円筒状部とに挟み込ま
れた仕切り部材である。仕切り壁52bの前端面とハウ
ジング10の後端面との間には、剪断力が作用すると発
熱する高粘性流体(例えばシリコンオイル等)が封入さ
れた発熱室50が形成されている。
【0035】そして、仕切り壁52bの後端面とカバー
57の内部には、外部と液密的に区画され、エンジンE
を冷却する冷却水が還流する冷却水路51が形成されて
いる。さらに、セパレータ52の下方側の後端面には、
高粘性流体の熱を冷却水に効率良く伝達するための略円
弧形状のフィン部52aが多数一体成形されている。
【0036】なお、フィン部52aの代わりにセパレー
タ52の後端面を凸凹にしたり、コルゲートフィンや微
細ピンフィン等の熱伝達促進部材をカバー57の外壁面
に設けたりしても良い。また、セパレータ52とロータ
53との間でラビリンスシールを形成して、そのラビリ
ンスシールを発熱室50としても良い。
【0037】セパレータ52の後端面からは、冷却水路
51を上流側水路51aと下流側水路51bとに区画す
るように仕切り壁52bが膨出形成されている。そし
て、カバー57の仕切り壁52b付近の外壁部には、冷
却水路51内に冷却水を流入させる入口側冷却水配管5
7a、および冷却水路51より冷却水を流出させる出口
側冷却水配管57bが接続されている。
【0038】ロータ53は、発熱室50内に回転可能に
配され、シャフト8の後端部の外周に固定されている。
このロータ53の外周面または両側壁面には、複数の溝
部(図示せず)が形成され、隣設する溝部間に突起部が
形成されている。そして、ロータ53は、シャフト8に
エンジンEの回転動力が与えられるとシャフト8と一体
的に回転して発熱室50内に封入されている高粘性流体
に剪断力を作用させる。
【0039】次に、エアコンECU100を図1および
図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図5は車両用
空気調和装置1の電子回路を示した図である。エアコン
ECU100は、エアコン2のコンプレッサおよびビス
カスヒータ9等の冷暖房機器をコンピュータ制御するエ
アコン制御システム用の電子回路である。このエアコン
ECU100は、それ自体はCPU、ROM、RAMを
内蔵したマイクロコンピュータである。
【0040】エアコンECU100は、図示しない各種
センサおよびエンジンECU300より入力する入力信
号と予め記憶された制御プログラム(図示せず)等に基
づいて、エアコンクラッチ27のエアコンクラッチリレ
ー71、フロント側ブロワ22およびリヤ側ブロワ32
等の冷暖房機器を制御して車室内の空調制御を行う。エ
アコンクラッチリレー71は、リレーコイル71aおよ
びリレースイッチ71bよりなり、リレーコイル71a
が通電されるとリレースイッチ71bが閉じる。これに
より、エアコンクラッチ27が通電される。
【0041】ここで、エアコンECU100は、エアコ
ン2の運転時に、車室内の温度を所望の温度に設定する
温度設定手段や、車室内の空調状態に影響を及ぼす環境
条件(例えば内気温、外気温、冷却水温、エバ後温度、
日射量または吹出温度等)を検出する環境条件検出手段
を利用して目標吹出温度TAOを算出し、その目標吹出
温度TAOに基づいてエアミックスダンパ30の開度を
変更することにより車室内の空調状態を制御するように
している。
【0042】次に、ビスカスECU200を図1および
図5に基づいて簡単に説明する。ビスカスECU200
は、本発明の暖房制御手段、加熱指示手段であって、ビ
スカスヒータ9等の冷暖房機器をコンピュータ制御する
エアコン制御システム用の電子回路である。このビスカ
スECU200は、それ自体はCPU、ROM、RAM
を内蔵したマイクロコンピュータである。なお、ビスカ
スECU200とエアコンECU100とを1つのマイ
クロコンピュータで構成しても良い。
【0043】ビスカスECU200は、エアコンクラッ
チリレー71のリレーコイル71a、イグニッションス
イッチ72、ビスカススイッチ73およびエンジンEC
U300より入力する入力信号と予め記憶された制御プ
ログラム(図6参照)等に基づいて、ビスカスクラッチ
7の電磁コイル41等の冷暖房機器を制御して車室内の
空調制御を行う。
【0044】イグニッションスイッチ72は、OFF、
ACC、STおよびIGの各端子を有する。STはスタ
ータへの通電を行うスタータ通電端子で、ビスカスEC
U200にスタータ通電信号を出力する。ビスカススイ
ッチ73は、本発明の加熱指示手段であって、ビスカス
ヒータ9を用いた車室内暖房を希望する暖房優先スイッ
チであって、投入(オン)されるとエアコンECU10
0に暖房優先信号を出力する。また、ビスカススイッチ
73は、エンジンEの燃料消費率(燃料経済性)の向上
を優先させる燃費優先スイッチであって、オフされると
ビスカスECU200に燃費優先信号を出力する。
【0045】次に、本実施形態のビスカスECU200
のビスカスヒータ制御を図1、図5および図6に基づい
て簡単に説明する。ここで、図6はビスカスECU20
0の制御プログラムの一例を示したフローチャートであ
る。
【0046】先ず、各種センサ信号やスイッチ信号等の
入力信号を読み込む(物理量検出手段、冷却水温検出手
段:ステップS1)。次に、ビスカススイッチ73が投
入(ON)されているか否かを判定する。すなわち、暖
房優先信号を入力しているか燃費優先信号を入力してい
るか否かを判定する(加熱指示手段、ビスカススイッチ
判定手段:ステップS2)。この判定結果がNOの場合
には、車室内の暖房が不要でエンジンEの燃料消費率の
向上を優先させるため、ビスカスクラッチ7をオフ(O
FF)、つまりビスカスクラッチ7の通電を停止するこ
とによりビスカスヒータ9のロータ53の回転を停止さ
せる(ステップS3)。次に、ステップS1の処理に移
行する。
【0047】また、ステップS2の判定結果がYESの
場合には、エンジンECU300との通信(送信および
受信)を行う(ステップS4)。次に、ビスカスクラッ
チ7をONすることを許可する許可信号をエンジンEC
U300より受信しているか否かを判定する(許可信号
判定手段:ステップS5)。この判定結果がNOの場合
には、ステップS3の処理に移行し、ビスカスクラッチ
7をOFFする。
【0048】また、ステップS5の判定結果がYESの
場合には、最大暖房時の暖房能力の不足を補うため、ビ
スカスクラッチ7をオン(ON)、つまりビスカスクラ
ッチ7を通電することによりビスカスヒータ9のロータ
53を回転させる(ビスカスヒータ駆動手段:ステップ
S6)。次に、ステップS1の処理に移行する。
【0049】次に、エンジンECU300を図1および
図5に基づいて簡単に説明する。エンジンECU300
は、本発明の暖房制御手段、目標回転速度設定手段であ
って、エンジンEをコンピュータ制御するエンジン制御
システム用の電子回路で、それ自体はCPU、ROM、
RAMを内蔵したマイクロコンピュータである。なお、
エンジンECU300とビスカスECU200またはエ
アコンECU100とを1つのマイクロコンピュータで
構成しても良い。
【0050】このエンジンECU300は、エンジン回
転速度センサ81、車速センサ82、スロットル開度セ
ンサ83、冷却水温センサ84、レバー位置センサ85
およびエアコンECU100より入力した入力信号と予
め記憶された制御プログラム(図7参照)に基づいて、
ビスカスヒータ制御、エンジンEのアイドル回転速度制
御(アイドルアップ制御)、燃料噴射量制御、燃料噴射
時期制御、吸気絞り制御、グロープラグ通電制御等のエ
ンジン制御を行うと共に、エアコンECU100または
ビスカスECU200の処理に必要な信号をエアコンE
CU100またはビスカスECU200に送る。
【0051】エンジン回転速度センサ81は、エンジン
Eの出力軸11の回転速度を検出するエンジン回転速度
検出手段で、エンジン回転速度信号をエンジンECU3
00に出力する。車速センサ82は、本発明の運転状態
検出手段であって、例えばリードスイッチ式車速セン
サ、光電式車速センサ、MRE(磁気抵抗素子)式車速
センサ等が用いられ、車両の速度を検出する車速検出手
段で、車速信号をエンジンECU300に出力する。
【0052】スロットル開度センサ83は、エンジンE
の吸気管内に設けられたスロットルバルブの開度を検出
するスロットル開度検出手段で、スロットル開度信号を
エンジンECU300に出力する。冷却水温センサ84
は、本発明の物理量検出手段、加熱指示手段であって、
例えばサーミスタが使用され、冷却水回路W中の冷却水
の温度(本実施形態ではエンジンEのウォータジャケッ
ト13より流出した冷却水温、エンジン出口温度)を検
出する冷却水温検出手段で、エンジンECU300に冷
却水温検出信号を出力する。
【0053】レバー位置センサ85は、本発明の運転状
態検出手段であって、車両の運転席付近に設けられたセ
レクトレバー(シフトレバー)80の設定位置を検出す
るレバー位置検出手段で、レバー位置信号をエンジンE
CU300に出力する。なお、本実施形態のセレクトレ
バー80は、パーキング(P)位置、リバース(R)位
置、ニュートラル(N)位置、ドライブ(D)位置、セ
カンド(S)位置およびロー(L)位置を有している。
そして、ドライブ位置、セカンド位置およびロー位置は
車両前進走行用の位置で、リバース位置は車両後退走行
用の位置である。
【0054】次に、エンジンECU300のビスカスヒ
ータ制御およびアイドルアップ制御を図1、図5、図7
ないし図9に基づいて簡単に説明する。ここで、図7は
エンジンECU300の制御プログラムの一例を示した
フローチャートである。
【0055】先ず、車速センサ82で検出した車速信
号、冷却水温センサ84で検出した冷却水温信号、レバ
ー位置センサ85で検出したレバー位置信号等の各種セ
ンサ信号を読み込む(車速検出手段、冷却水温検出手
段、レバー位置検出手段:ステップS11)。
【0056】次に、記憶回路(例えばROM)に予め記
憶された冷却水温に基づくビスカスヒータ制御の特性図
(図8参照)に応じてビスカスクラッチ7のオン、オフ
を判定する。すなわち、冷却水温センサ84で検出した
冷却水温が設定冷却水温(設定値)以上の高温であるか
低温であるかを判定する(加熱指示手段、冷却水温判定
手段:ステップS12)。
【0057】具体的には、設定冷却水温としては、図8
の特性図に示したように、設定冷却水温(A:例えば8
0℃)と設定冷却水温(B:例えば70℃)とでヒステ
リシスを持たせており、この設定冷却水温以上の高温の
ときにビスカスクラッチ7をOFFし、この設定冷却水
温以下の低温のときにビスカスクラッチ7をONする。
なお、図8の特性図にはヒステリシスを設けたが、ヒス
テリシスを設けなくても良い。
【0058】このステップS12の判定結果が高温の場
合には、ビスカスクラッチ7をONすることを許可しな
い不許可信号をビスカスECU200に送信する(不許
可信号送信手段:ステップS13)。なお、ステップS
13の処理は無くても良い。次に、ステップS11の処
理に移行する。
【0059】また、ステップS12の判定結果が低温の
場合には、エンジンEの運転状態がアイドリング状態で
あるか否かを判定する(エンジンEの運転状態判定手
段、アイドリング判定手段:ステップS14)。この判
定結果がNOの場合には、ステップS18の処理に移行
する。
【0060】具体的には、レバー位置センサ85で検出
したセレクトレバー80の設定位置がパーキング(P)
位置またはニュートラル(N)位置に設定されているか
否かを判定する。あるいは、レバー位置センサ85で検
出したセレクトレバー80の設定位置がドライブレバー
(D)位置等の車両走行用の位置に設定され、且つ車速
センサ82で検出した車両の速度が所定速度(例えば0
km/h)以下であるか否かを判定する。
【0061】また、ステップS14の判定結果がYES
の場合には、記憶回路(例えばROM)に予め記憶され
た冷却水温に基づくアイドルアップ制御の特性図(図9
参照)に応じて、エンジンEのアイドリング時の目標回
転速度を決定する(目標回転速度設定手段:ステップS
15)。
【0062】具体的には、通常のアイドル回転速度が例
えば600rpm〜1033rpmの場合、冷却水温セ
ンサ84で検出した冷却水温が下限値(例えば30℃)
以下の時には、図9の特性図に示したように、アイドリ
ング時の目標回転速度を例えば1200rpmに設定す
る。また、冷却水温センサ84で検出した冷却水温が上
限値(例えば80℃)以上の時には、図9の特性図に示
したように、アイドリング時の目標回転速度を通常のア
イドル回転速度(例えば600rpm)に設定する。そ
して、冷却水温センサ84で検出した冷却水温が下限値
以上で、且つ上限値以下の時には、図9の特性図に示し
たように、冷却水温センサ84で検出した冷却水温が上
昇すればする程、目標回転速度が低くなるように設定す
る。
【0063】次に、ステップS15で決定した目標回転
速度となるように、吸入空気量を増加してアイドル回転
速度をステップ的に上げる制御、所謂アイドルアップ制
御を行う(アイドルアップ制御手段:ステップS1
6)。次に、アイドルアップ制御を行ってから遅動制御
時間(遅延制御時間、所定時間:例えば0.5秒間〜
1.0秒間)Tが経過しているか否かを判定する(遅延
制御手段:ステップS17)。この判定結果がNOの場
合には、ステップS17の処理を繰り返す。
【0064】また、ステップS17の判定結果がYES
の場合には、ビスカスクラッチ7をONすることを許可
する許可信号をビスカスECU200に送信する(許可
信号送信手段:ステップS18)。次に、ステップS1
1の処理に移行する。
【0065】次に、本実施形態の車両用空気調和装置1
の作動を図1ないし図9に基づいて簡単に説明する。
【0066】エンジンEが始動することにより出力軸1
1が回転し、ベルト伝動機構5のVベルト6を介してロ
ータ42にエンジンEの回転動力が伝達される。そし
て、ビスカススイッチ73が投入され、冷却水温が設定
冷却水温よりも低温で、エンジンEの運転状態がアイド
リング状態の場合には、冷却水温に基づくアイドルアッ
プ制御の特性図(図9参照)に応じて、エンジンEのア
イドリング時の目標回転速度が設定される。
【0067】そして、エンジンEのアイドル回転速度を
高く設定する。所謂アイドルアップ制御を行ってから遅
動制御時間が経過した後に、ビスカスクラッチ7の電磁
コイル41がオンされる。エンジンEの運転状態がアイ
ドル状態ではない場合には、ビスカススイッチ73の投
入と冷却水温が設定冷却水温以下の時にアイドルアップ
制御を行うことなく、ビスカスクラッチ7の電磁コイル
41がオンされる。したがって電磁コイル41がオンさ
れるので、電磁コイル41の起磁力によってアーマチャ
43がロータ42の摩擦面に吸着し、エンジンEの回転
動力がインナーハブ45およびシャフト8に伝達され
る。
【0068】これにより、シャフト8と一体的にロータ
53が回転するので、発熱室50内の高粘性流体に剪断
力が作用することにより、高粘性流体が発熱する。した
がって、エンジンEのウォータジャケット13内で加熱
された冷却水は、ビスカスヒータ9の冷却水路51を通
過する際に、セパレータ52に一体成形された多数のフ
ィン部52aを介して高粘性流体の発生熱を吸熱するこ
とにより加熱される。そして、このビスカスヒータ9で
加熱された冷却水がフロント側ヒータコア15に供給さ
れることにより、大きい暖房能力で車室内の暖房が行わ
れる。
【0069】なお、ビスカスヒータ9の発熱能力は発熱
室50内に封入された高粘性流体の粘性係数により予め
任意に設定することができる。すなわち、粘性係数の高
い粘性流体程、ロータ53の回転により作用する剪断力
が大きくなるため、ビスカスヒータ9の発熱能力が高く
なり、エンジンEの負荷および燃料消費率が大きくな
る。一方、粘性係数の低い粘性流体程、ロータ53の回
転により作用する剪断力が小さくなるため、ビスカスヒ
ータ9の発熱能力が低くなり、エンジンEの負荷および
燃料消費率が小さくなる。
【0070】〔第1実施形態の効果〕以上のように、本
実施形態の車両用空気調和装置1は、ビスカススイッチ
73が投入されていても、あるいは冷却水温センサ84
で検出した冷却水温が設定冷却水温(設定値)以下に低
下していても、エンジンEの運転状態がアイドリング状
態のときには、アイドルアップ制御を行ってから遅動制
御時間が経過するまで、ビスカスクラッチ7がオフされ
る。これにより、エンジンEの通常のアイドル回転速度
時には、ビスカスヒータ9のシャフト8およびロータ5
3にVベルト6を介して回転動力を与えるエンジンEに
大きな駆動トルクが加わらなくなる。
【0071】したがって、エンジンEのアイドリング時
に、アイドル回転速度を高く設定して遅動制御時間が経
過した後に、エンジンEの回転動力をビスカスヒータ9
のシャフト8およびロータ53にVベルト6を介して伝
えるようにしているので、エンジンEのアイドリング時
にエンジンEに大きな負荷が加わっても、アイドリング
が不安定な状態に陥らず、これによりエンジンストール
に至ることを回避できる。また、フロント側ヒータコア
15またはリヤ側ヒータコア16の放熱量が増加するこ
とによりエンジンEのアイドリング時であっても充分な
暖房能力を得ることができる。
【0072】さらに、エンジンEの冷却水温が下限値と
上限値との間にある時は、エンジンEの冷却水温が上昇
すればする程、アイドリング時の通常のアイドル回転速
度よりも高い目標回転速度を低く設定することにより、
エンジンEの燃料消費率を向上させて燃料経済性を向上
することができる。
【0073】〔第2実施形態〕図10は本発明の第2実
施形態を示したもので、車両用空気調和装置の電気回路
を示した図である。
【0074】本実施形態の車両用空気調和装置1の電気
回路には、第1実施形態のエアコンECU100および
ビスカスECU200の代わりに、エアコン2をアナロ
グ制御するエアコンアナログ回路(暖房制御手段)10
1およびビスカスクラッチ7をアナログ制御するビスカ
スアナログ回路(暖房制御手段)201が設けられてい
る。
【0075】エアコンアナログ回路101の入力部に
は、エンジンECU300等が接続されている。エアコ
ンアナログ回路101の出力部には、エアコンクラッチ
27のエアコンクラッチリレー71、フロント側ブロワ
22およびリヤ側ブロワ32等の冷暖房機器、さらにエ
ンジンECU300等が接続されている。
【0076】ビスカスアナログ回路201の入力部に
は、エアコンクラッチリレー71のリレーコイル71
a、イグニッションスイッチ72のST端子およびIG
端子、ビスカススイッチ73、冷却水温スイッチ74お
よびエンジンECU300が接続されている。また、ビ
スカスアナログ回路201の出力部には、エンジンEC
U300およびビスカスクラッチ7の電磁コイル41が
接続されている。
【0077】冷却水温スイッチ74は、冷却水回路W中
の冷却水温(本実施形態ではビスカスヒータ9の冷却水
路51の出口側冷却水配管57bの冷却水温)が所定温
度A(例えば80℃)よりも高温の時に開き、冷却水温
が所定温度Aまたは所定温度B(例えば70℃〜75
℃)よりも低温の時に閉じる冷却水温検出手段である。
【0078】本実施形態では、ビスカススイッチ73、
冷却水温スイッチ74がオン(閉成)されていても、エ
ンジンEの運転状態がアイドリング状態であると判定さ
れると、エンジンEのアイドル回転速度を高く設定し、
その後に遅動制御時間(例えば0.5秒間〜1.0秒
間)が経過してエンジンECU300より許可信号を受
信するまでビスカスクラッチ7がオフされる。これによ
り、エンジンEのアイドリング時に、ビスカスヒータ9
を作動させることによりエンジンEに大きな負荷が加わ
ってもエンジンストールに至る不具合を回避できる。
【0079】〔他の実施形態〕上記各実施形態では、エ
ンジンEの出力軸11にベルト伝動機構5およびビスカ
スクラッチ7を駆動連結してビスカスヒータ9のシャフ
ト8を駆動したが、エンジンEの出力軸11とビスカス
クラッチ7との間、あるいはビスカスクラッチ7とビス
カスヒータ9のシャフト8との間に一段以上の歯車変速
機やVベルト式無段変速機等の伝動機構(動力伝達手
段)を連結しても良い。
【0080】そして、ビスカスクラッチ7を廃止してエ
ンジンEの出力軸11にVベルト式無段変速機を駆動連
結してビスカスヒータ9のシャフト8を駆動しても良
く、この場合にはVベルト式無段変速機の入力プーリと
出力プーリとのプーリ比を最適とすることによりビスカ
スヒータ9を作動させた状態でVベルト式無段変速機等
の伝動機構(動力伝達手段)の負荷が最小となるように
制御できる。
【0081】上記各実施形態では、ビスカスクラッチ7
とエアコンクラッチ27とをベルト伝動機構5のVベル
ト6に共掛けしたが、ウォータポンプ14、パワーステ
アリングの油圧ポンプ、自動変速機に作動油を供給する
油圧ポンプ、エンジンEや変速機に潤滑油を供給する油
圧ポンプ、または車載バッテリを充電するオルタネータ
(交流発電機)等のエンジン補機とビスカスクラッチ7
とをベルト伝動機構5のVベルト6に共掛けしても良
い。
【0082】上記各実施形態では、エンジンとして水冷
式のディーゼルエンジンを用いたが、エンジンとしてガ
ソリンエンジン等の他の水冷式内燃機関(水冷式エンジ
ン)を用いても良い。上記各実施形態では、本発明を車
室内の暖房と冷房とを行うことが可能な車両用空気調和
装置に適用したが、本発明を車室内の暖房のみを行うこ
とが可能な車両用温水式暖房装置に適用しても良い。
【0083】上記各実施形態では、物理量検出手段(冷
却水温検出手段)としてエンジンEのウォータジャケッ
ト13より流出した冷却水温を検出する冷却水温センサ
84を用いたが、フロント側ヒータコア15またはリヤ
側ヒータコア16の入口側の冷却水温、ビスカスヒータ
9の冷却水路51の出口側冷却水配管57bの冷却水温
を検出する冷却水温センサや冷却水温スイッチを用いて
も良い。また、エンジンEの出口側の冷却水温を検出す
る冷却水温スイッチを用いても良い。さらに、物理量検
出手段として発熱室50内の高粘性流体の油温を検出し
て油温信号を出力する油温センサ、あるいはフロント側
ヒータコア15より吹き出す空気の吹出温度を検出して
吹出温度信号を出力する吹出温度センサ等を利用しても
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置の全体構造を示した概略図
である(第1実施形態)。
【図2】エンジンとベルト伝動機構を示した概略図であ
る(第1実施形態)。
【図3】ビスカスクラッチとビスカスヒータを示した断
面図である(第1実施形態)。
【図4】ビスカスヒータを示した断面図である(第1実
施形態)。
【図5】車両用空気調和装置の電子回路を示したブロッ
ク図である(第1実施形態)。
【図6】ビスカスECUの制御プログラムの一例を示し
たフローチャートである(第1実施形態)。
【図7】エンジンECUの制御プログラムの一例を示し
たフローチャートである(第1実施形態)。
【図8】エンジンECUの冷却水温に基づくビスカスヒ
ータ制御を示した特性図である(第1実施形態)。
【図9】エンジンECUの冷却水温に基づくアイドルア
ップ制御を示した特性図である(第1実施形態)。
【図10】車両用空気調和装置の電気回路を示したブロ
ック図である(第2実施形態)。
【符号の説明】
E エンジン 1 車両用空気調和装置(車両用暖房装置) 2 エアコン 3 リヤヒータ装置 4 剪断発熱装置 7 ビスカスクラッチ(クラッチ手段) 8 シャフト 9 ビスカスヒータ(剪断発熱器) 15 フロント側ヒータコア(暖房用熱交換器) 16 リヤ側ヒータコア(暖房用熱交換器) 50 発熱室 53 ロータ 73 ビスカススイッチ(加熱指示手段) 82 車速センサ(運転状態検出手段) 84 冷却水温センサ(物理量検出手段、加熱指示手
段、冷却水温検出手段) 85 レバー位置センサ(運転状態検出手段) 200 ビスカスECU(暖房制御手段、加熱指示手
段) 201 ビスカスアナログ回路(暖房制御手段) 300 エンジンECU(暖房制御手段、目標回転速度
設定手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)水冷式のエンジンを冷却した冷却水
    と空気とを熱交換して車室内の暖房を行う暖房用熱交換
    器と、 (b)前記エンジンの回転動力が加わると回転するロー
    タ、およびこのロータに回転動力が加わると剪断力が作
    用されて熱を発生する粘性流体を内部に収納した発熱室
    を有し、この発熱室内の粘性流体の発生熱により前記暖
    房用熱交換器に供給される冷却水を加熱する剪断発熱器
    と、 (c)前記エンジンから前記ロータへの回転動力の伝達
    を断続するクラッチ手段と、 (d)前記剪断発熱器による冷却水の加熱を指示する加
    熱指示手段を有し、 この加熱指示手段により前記指示がなされた時、前記エ
    ンジンのアイドル回転速度を高く設定した後に、前記ク
    ラッチ手段を制御して前記エンジンの回転動力を前記ロ
    ータに伝達させる暖房制御手段とを備えた車両用暖房装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用暖房装置におい
    て、 前記暖房制御手段は、前記エンジンの運転状態を検出す
    る運転状態検出手段を有し、 この運転状態検出手段で検出した前記エンジンの運転状
    態がアイドリング状態の時に、前記エンジンのアイドル
    回転速度を高く設定してから所定時間が経過した後に、
    前記クラッチ手段を制御して前記エンジンの回転動力を
    前記ロータに伝達させることを特徴とする車両用暖房装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用暖
    房装置において、 前記暖房制御手段は、前記エンジンを冷却した冷却水の
    温度に関連する物理量を検出する物理量検出手段を有
    し、 この物理量検出手段で検出した物理量が上昇すればする
    程、前記エンジンのアイドリング時の通常のアイドル回
    転速度よりも高い目標回転速度を低く設定することを特
    徴とする車両用暖房装置。
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