JPH11138875A - 画像プリンタ - Google Patents

画像プリンタ

Info

Publication number
JPH11138875A
JPH11138875A JP30687497A JP30687497A JPH11138875A JP H11138875 A JPH11138875 A JP H11138875A JP 30687497 A JP30687497 A JP 30687497A JP 30687497 A JP30687497 A JP 30687497A JP H11138875 A JPH11138875 A JP H11138875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
sublimation
image
paper
recording paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30687497A
Other languages
English (en)
Inventor
計行 ▲高▼橋
Kazuyuki Takahashi
Haruo Yamashita
春生 山下
Kazuyoshi Miyazaki
和義 宮▲崎▼
Tomoo Atsumi
智雄 渥美
Hirofumi Iwakawa
浩文 岩川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP30687497A priority Critical patent/JPH11138875A/ja
Publication of JPH11138875A publication Critical patent/JPH11138875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
  • Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メカニズムを大きく変更せず、高画質なフル
カラー画像が記録でき、裏面に宛名書き等の文字情報を
記録出来るプリンタを実現すること。 【解決手段】 昇華型カラーインクフィルムを装着した
インクカセットと、溶融型インクフィルムを装着したイ
ンクカセットと、おもて面に昇華性染料の受容層が塗布
された記録紙と、ライン状に発熱素子が具備されたサー
マルヘッドとを備え、コンピュータからの画像情報を受
信するインターフェースと、サーマルヘッドの発熱素子
を制御するヘッド制御手段と、ヘッド制御手段に与える
印加熱量情報を出力するおもて面制御手段と、記録紙の
裏面に対してインターフェースからの情報に応じてヘッ
ド制御手段に与える印加熱量情報を出力する裏面記録制
御手段と、記録紙両面の記録モードを設定するモード設
定手段とを備えた構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華型熱転写方式
の画像プリンタに関するもので、特に記録紙の裏面に溶
融熱転写記録を行うことにより、葉書への宛名印写を含
む昇華型熱転写方式のカラープリンタの応用範囲を拡大
するものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラープリンタの使用される分野
の記録方式は、文字やグラフ等のドキュメント中心の分
野ではインクジェット方式に、ピクトリアルな自然画像
を記録する分野では高画質な昇華型熱転写方式に記録方
式が収束しつつある。また、カラープリンタには、CR
Tディスプレイ等に映し出される映像信号を入力し、写
真のサービスサイズや葉書サイズにプリントする(パー
ソナルコンピュータの出力機器ではない)ビデオプリン
タというAV分野の商品形態をとるものが存在する。
【0003】ビデオプリンタは現在、ほぼ100%が昇
華型熱転写方式であり、ビデオカメラ等の映像出力の印
刷機器として一般家庭で使われている。また、ビデオプ
リンタは通常、写真のサービスサイズや葉書サイズの記
録用紙(A6相当)にビデオ画面を写真として記録する
のに広く使われ、コンシューマ用途が中心である。
【0004】また、その他用途としては、ビデオカメラ
等から気に入った画面を、葉書に、特に年賀状の作成用
として記録するのに多く利用されている。
【0005】また、近年、パーソナルコンピュータ(以
下PCと称す)やワープロの家庭への普及と共に、家庭
で作る年賀状の宛名を、PCやワープロ等の住所録機能
やデータベース機能を用いて自動的にプリントする利用
形態が増加してきている。
【0006】実際に、ビデオプリンタを用いて年賀状を
作成する場合は、まず画像をフルカラーで葉書タイプの
昇華用の記録紙に数十枚まとめてプリントし、つぎに、
そのプリント済みの記録紙の宛名面に宛名を、手書した
り、PC上の住所録ソフト等からドキュメント出力用の
プリンタを用いて自動的にプリントしたりする。
【0007】宛名を機械で自動的プリントするには、現
在の普及率を考えると、PCではインクジェットプリン
タやレーザープリンタ、ワープロでは内蔵のシリアル熱
転写プリンタ(溶融タイプ)を用いることになる。
【0008】この中で、インクジェットプリンタは、記
録画像が水に弱く雨などの水滴で滲むため宛名書きには
不向きである。特に、昇華の記録紙では高画質な記録を
目的としているため、平滑性ならびに均一性の高い授脂
をベースに用いており、宛名を記録する裏面のインクの
浸透が悪く、極めて水に弱いため、宛名書きとしては実
用性が低い。
【0009】また、レーザープリンタは、高温の定着ロ
ーラで昇華用記録紙の授脂ベースが熱で軟化または溶融
しローラに粘着し巻き込まれる危険性があり、これも宛
名書きには不向きである。また、実際に巻き込まれない
にしても昇華によるおもて面の画像が熱で劣化する恐れ
があり好ましくない。
【0010】また、ワープロ内蔵のシリアルプリンタの
主流である溶融転写方式のプリンタは、昇華用記録紙裏
面への宛名書きに適した数少ない記録方式であるが、P
C用のプリンタとしては、インクジェットプリンタにそ
の座を奪われ、溶融転写方式のプリンタを所有しない多
くのPCユーザにとっては、実用上不便である。
【0011】さらに、PC用のプリンタはほとんどがA
4サイズ以上でありパルプベースの普通紙を給紙するよ
うに作られているため、葉書サイズでしかも静電気の発
生し易い授脂ベースの昇華用記録紙をうまく給紙するこ
とは困難である。給紙できた場合でも、給紙位置がずれ
たり、傾いて給紙されることが多く、特に郵便番号枠の
中に正確に数字を記録することが要求される宛名書きに
は利用し難い。
【0012】以上のように、宛名書きに適したプリンタ
は少なく、ほとんどの場合宛名は手書きされているのが
実情であり、ビデオプリンタの主用途である年賀状市場
が伸び悩む要因の一つになっている。
【0013】また、最近のA4サイズ以上の熱転写プリ
ンタの中には、サーマルヘッドとインクフィルムを使う
機構が概ね共通であることを利用して、昇華方式と溶融
方式を兼用できるタイプのものが現れている。このタイ
プは、染着層が塗布された特殊記録紙が必要で記録に大
きなエネルギーがいるため記録時間が長いが写真に近い
極めて高画質な記録ができるという昇華方式の特徴と、
基本的に2値記録または面積階調記録であるためフルカ
ラーの自然画を高画質に記録することは困難であるが普
通紙に高速記録ができる溶融方式の特徴とを活かした使
い分けを目的としている。
【0014】したがって、このタイプのプリンタは、画
質を問わないレイアウトの確認時や試し打ち等のときに
は低ランニングコストで記録時間の短い溶融方式を用
い、最終画像には画質の良い昇華方式でプリントすると
いう使い分けによりトータルの時間と運用コストの低減
を実現している。このタイプのプリンタはその全てが記
録面積が大きくプリント枚数の多い業務用市場を対象と
したものである。
【0015】また、このために、昇華に用いる濃度階調
の補正回路と溶融に用いる面積階調の補正回路を単一の
回路で共用する方法も提案されている。(特開平6−1
43649号公報)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、印
画面が小さいA6サイズ等の昇華型プリンタの主な用途
である年賀状や葉書のプリント画像に対して宛名書きを
PCで行う場合、宛名書きに適したプリンタはほとんど
無く、唯一この用途に比較的適した溶融型プリンタはP
C市場では少数派であり使用できる機会は少ない。
【0017】また、従来のドキュメント用プリンタで
は、静電気のたまり易い合成紙でできている小さな葉書
サイズの昇華用の記録紙を高精度に安定して給紙するこ
とが困難であるという課題もある。
【0018】さらに、宛名書きに溶融プリンタを用いる
場合でも、溶融プリンタは本来普通紙または普通紙に近
いパルプベースの熱転写用記録紙にプリントすることを
想定しているため、昇華方式で既におもて面に画像を記
録済みの昇華用記録紙の裏面に宛名を書こうとすると、
昇華の画像面をキャプスタンローラ等の紙送りローラの
突起(紙送りを確実にするため、ローラ両端にローレッ
ト加工を施してある)で傷つけてしまい満足な記録は難
しい。
【0019】逆に、先に昇華記録紙の裏面に溶融プリン
タで宛名を記録する場合でも、やはりまだ記録されてい
ない昇華の受像層を傷つけるため、後で昇華プリンタで
おもて面を記録するときに画像が劣化するとともに、昇
華プリンタでの記録時に裏面に書かれた溶融の宛名画像
が昇華プリンタの搬送ローラで傷つけられ剥がれ落ちる
という課題もある。
【0020】上記課題は、昇華と溶融の兼用プリンタで
昇華の記録紙の裏面に宛名を溶融プリントする場合でも
同様に存在する。なぜなら、このタイプの兼用プリンタ
も、昇華用記録紙を用いた昇華記録と、溶融用の普通紙
ライクな用紙とを用いた溶融記録を使い分けすることは
できるが、一枚の昇華記録紙の両面に昇華記録と溶融記
録を併用することは考えられてないからである。
【0021】また、たとえ宛名書きに適したプリンタが
あったとしても、画像のプリントと宛名面のプリントに
2種類のプリンタを使い分けなければならないという課
題は残る。
【0022】また、先に昇華用記録紙の裏面に溶融プリ
ンタで宛名を記録し、つぎに昇華記録をする場合、記録
紙の位置を検出する用紙センサが記録紙の裏側に配置さ
れ、赤外光を記録紙に照射してその反射で検出している
場合は、記録紙の裏側に赤外光を吸収する溶融インクで
記録された宛名があると、記録紙の位置の検出が困難に
なる。
【0023】さらに、定型サイズに切られた記録紙を使
用する場合、キャプスタンローラ・ピンチローラにより
記録紙の搬送を行うプリンタや、記録紙の端を掴んで引
っ張りながら記録紙の記録時の搬送を行うプリンタで
は、機構上用紙のつかみしろとして用紙の記録開始点の
前部に記録できない余白が存在するため、郵便番号の記
録ができないという課題がある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するため、昇華性インクが塗布された昇華性インクフ
ィルムと、溶融性インクが塗布された溶融性インクフィ
ルムと、おもて面に昇華性染料の受容層が塗布された昇
華用記録紙とを用い、ライン状に発熱素子が具備された
サーマルヘッドと、外部から入力された画像情報を、前
記昇華用記録紙のおもて面と前記昇華性インクフィルム
とに対応した印加熱量情報に変換するおもて面制御手段
と、外部から入力された画像情報を、前記昇華用記録紙
の裏面と前記溶融性インクフィルムとに対応した印加熱
量情報に変換する裏面記録制御手段と、前記おもて面制
御手段または裏面制御手段により変換された印加熱量情
報を前記サーマルヘッドの各発熱素子の発熱量のパルス
幅に変調し、発熱量を実質的に連続に制御するヘッド制
御手段と、前記昇華用記録紙のおもて面と裏面の記録モ
ードを設定するモード設定手段とを備え、前記昇華性イ
ンクフィルムを装着し、前記昇華用記録紙をおもて向き
にセットするとともに前記モード設定手段をおもて面記
録モードに設定して前記昇華用記録紙のおもて面に昇華
型熱転写記録を行った後、前記溶融性インクフィルムを
装着し、昇華方式で記録済みの前記昇華用記録紙を裏向
きにセットするとともに前記モード設定手段を裏面記録
モードに設定して溶融型熱転写記録を行う記録順序によ
り、ひとつのヘッドを用いて記録紙の両面に画像を描画
することを特徴とし、また、上記の構成で、赤外光を吸
収する溶融性インクフィルムを使用し、赤外光を吸収す
るインクで昇華であることを示すマークが裏面に印刷さ
れた昇華用記録紙とを使用し、赤外光の反射量を測定す
ることで、記録紙の位置およびその種類を表すマークを
判別する用紙センサと、溶融型熱転写記録を行う際に、
画像プリンタの使用者に、既に昇華用記録紙のおもて面
への昇華記録が済んでいるかを表示し確認する順序確認
手段とを備え、また、溶融型熱転写記録を行う際に、用
紙センサで、昇華用記録紙のマークを検出した場合、溶
融記録をせず、エラーメーッセージを出す誤記録防止手
段を備え、また、外部から入力されたフルカラー画像情
報を昇華インクに対する印加熱量情報に変換するおもて
面制御手段と、コンピュータからの画像情報を受信する
インターフェースと、前記インターフェースから入力さ
れた画像情報を溶融インクに対する印加熱量情報に変換
する裏面記録制御手段とを備え、また、コンピュータか
らの情報を受信するインターフェースと、前記コンピュ
ータのOSを通じてアプリケーションソフトからの印画
情報を前記インターフェースに送出するドライブソフト
と、前記ドライブソフトに対しておもて面の記録か裏面
の記録かを設定するモード設定手段と、前記モード設定
手段がおもて面記録を指示するとき、前記ドライブソフ
トが前記インターフェースを通じて送出するおもて面の
画像情報を昇華インクに対する印加熱量情報に変換する
おもて面制御手段と、前記モード制御手段が裏面記録を
指示するとき、前記プリンタドライバが前記インターフ
ェースを通じて送出する画像情報を溶融インクに対する
印加熱量情報に変換する裏面制御手段とを備え、また、
ピンチローラ・キャプスタンローラ駆動による記録紙搬
送方式を用い、少なくとも裏面への溶融記録時には、ピ
ンチローラ・キャプスタンローラ間の押圧力を、カラー
の3色または4色重ね記録を行う昇華記録時よりも低くす
ることを特徴とし、また、裏面記録制御手段は、おもて
面記録時の紙搬送ピッチより小さいピッチでの文字画像
記録を特徴とし、また、裏面記録制御手段は、黒の文字
画像を溶融インクの概略100%を転写する高濃度モー
ドと転写量を高濃度モードよりも低くに抑える低濃度モ
ードを有することを特徴とし、また、概略官製はがきサ
イズ(約100mm×約148mm)で、それを縦長に置いたとき
の右上部に宛先の郵便番号枠が印刷された記録紙を使用
し、前記記録紙の郵便番号枠が印刷された面に記録する
宛名画像を下から上へ記録することを特徴とする構成で
ある。
【0025】上記構成により、昇華用記録紙のおもて面
にフルカラー画像を記録する際には昇華型のインクカセ
ットを装着し、おもて面制御手段が入力されたフルカラ
ー画像情報を印加熱量情報に変換してヘッド制御手段に
与え、ヘッド制御手段がこの印加熱量情報に応じたパル
ス幅でサーマルヘッドの各発熱素子を駆動し、フルカラ
ー画像を昇華用記録紙のおもて面に印写する。
【0026】おもて面の記録終了後、昇華用記録紙の裏
面に印字する際には、インクカセットを溶融タイプに交
換するとともにフルカラー画像を記録した昇華用記録紙
を裏返しにして装置に投入するとともにモード設定手段
の動作モードを裏面記録モードに変更し、裏面記録制御
手段はパーソナルコンピュータからインターフェースを
通じて送られる文字画像情報を印加熱量情報に変換して
ヘッド制御手段に与え、ヘッド制御手段はこの印加熱量
情報に応じたパルス幅でサーマルヘッドの各発熱素子を
駆動し、昇華用記録紙の裏面に溶融記録する作用をす
る。
【0027】上記作用により、本発明の画像プリンタ
は、ビデオプリンタのメカニズムを変更または追加する
こと無く、高画質なフルカラー画像を昇華用記録紙のお
もて面に記録できる昇華記録と、その記録紙の裏面に
は、その記録紙の裏面への記録に最も適した加熱条件で
文字画像を記録する熱溶融記録とが、一台で実現できる
画像プリンタを提供するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本発明の実施の形態1について図1・
図2・図3・図5(c)により説明する。
【0029】図1は本実施の形態のプリンタの機構構成
図、図2は回路構成のブロック図、図3はシステム制御
の動作シーケンスを表すフローチャート、図5(c)は
記録紙が昇華専用紙であることを示す識別マークの位置
を示した図である。
【0030】本実施例のプリンタは、概略葉書サイズの
用紙(ほぼA6サイズ)に記録するように構成されてお
り、二つの記録モード、昇華型熱転写方式と溶融型熱転
写方式のモードを持っている。
【0031】1)昇華型熱転写方式の記録モードは、ビ
デオプリンタとしての記録モードであり、入力された映
像信号をデジタイズし、記録紙の染料受容層が塗布され
たおもて面にフルカラー画像を昇華記録する。サーマル
ヘッドのライン状の発熱体素子はNTSC等の映像信号
の有効画像範囲(ほぼ4対3のアスペクト)の短辺に対
応し、画素数は464から480画素で解像度は1mmあ
たりほぼ5から6ドットである。
【0032】2)溶融型熱転写方式の記録モードは、宛
名書き等の記録モードであり、インターフェースを用い
てパーソナルコンピュータとプリンタ本体を接続し、パ
ーソナルコンピュータでのアプリケーションソフト(例
えば住所録ソフト等)が出力する文字を中心とした情報
をOS(オペレーティングシステム)の機能やプリンタ
用のドライブソフトの機能によりビットイメージ画像に
展開し、インターフェースを通じて受信して記録紙の裏
面に溶融転写するモードである。
【0033】本実施の形態では、記録紙の両面に印画す
る場合は必ず、おもて面の昇華記録を行った後に裏面へ
溶融画像を描くことを前提としている。この理由は、先
に用紙の裏面に溶融記録を行った後に用紙をおもてに返
して昇華記録を行おうとすると、溶融転写により用紙の
裏面のひょうめんに付着されたワックス状のインクがキ
ャプスタンローラなどの金属ローラーの圧力で、傷つい
たり、剥がれたりする等の画像品質の劣化を防止するた
めである。また、裏面のワックス状のインクが剥がれ落
ちローラーに付着する危険性を防止するためでもある。
【0034】また、もう一つの理由は、溶融記録を先に
行うと、つぎに、昇華記録を行う際に、記録紙の種類と
位置を検出する用紙センサが、それを検出することが難
しくなるためである。つまり、本実施の形態の用紙セン
サは、記録紙に赤外光を当てその反射率で、記録紙の種
類を表すマークや記録紙位置を認識しているため、赤外
光の吸収が大きい溶融インクを用いて画像を記録する
と、記録紙の種類を表すマークや記録紙の位置を認識す
ることが難しくなるからである。
【0035】まず、プリンタの機構構成について説明す
る。図1で、123はおもて面に昇華性染料の受容層が
塗布された昇華記録専用の記録紙である昇華用記録紙で
あり、昇華用記録紙123の裏面には、昇華用記録紙で
あることを示すマーク125(図5(c)参照)が付け
られている。マーク125は、赤外光を吸収するインク
で記録されている。100は昇華用記録紙123を収納
する給紙トレー、105はライン状に発熱素子が具備さ
れたサーマルヘッド、101は昇華用記録紙123をサ
ーマルヘッド105の方へ給紙する給紙ローラ、103
は記録時に一定速度で昇華用記録紙123を図1の左方
向へ搬送するキャプスタンローラ、102はキャプスタ
ンローラへ(図示していない押圧機構により)押圧され
るピンチローラ、120はインクフィルム、106は昇
華性のインクフィルムを装着した昇華型インクカセット
または溶融性のインクフィルムを装着した溶融型インク
カセットであり、溶融性のインクフィルムは、赤外光を
吸収する溶融インクが塗布されている。
【0036】104は記録時にサーマルヘッド105の
発熱素子との間にインクフィルム120と昇華用記録紙
123を挟着するプラテンローラ、108は昇華用記録
紙123をキャプスタンローラ103の搬送により排紙
方向へ案内する排紙ガイド、111は排紙トレー、10
9、110は昇華用記録紙123を排紙トレー111に
排出させる一対の排紙ローラ、112は昇華用記録紙1
23の給紙状態および位置および昇華用記録紙123の
裏面のマーク125を赤外光の反射量で検知する用紙セ
ンサ、114はインクカセット106が昇華型か溶融型
かを判別するインクセンサ、121はインクフィルム1
20を巻き取る巻取ローラ、122はインクフィルム1
20を排出する供給ローラ、124は、昇華用記録紙の
記録基準位置を示す。
【0037】つぎに、プリンタの回路構成について説明
する。図2で、200はNTSC等の映像信号をデコー
ドするアナログ回路、201はA/D変換器、202は
フレームメモリ、203はフレームメモリ202を制御
するメモリ制御手段、204はフレームメモリ202か
ら読み出されたRGB情報を、YMC(イエロー、マゼ
ンタ、シアン)の昇華インクに対する印加熱量情報に、
変換するおもて面制御手段、210はパーソナルコンピ
ュータ240とのインターフェース、211はバッファ
メモリ、212はバッファメモリ211に蓄えられた印
画情報を溶融インクの印加熱量情報に変換する裏面制御
手段、220はおもて面制御手段204と裏面制御手段
212の印加熱量情報とを選択通過させる選択手段、2
21は印加熱量情報を、サーマルヘッド105に与える
パルス幅変調信号に変換するヘッド制御手段、231は
昇華用記録紙123のおもて面にフルカラー画像を記録
するか、その裏面にモノクロ情報を記録するか、を指示
するモード設定手段、232は記録モードを表示する表
示手段、233はモード設定手段231の指示とインク
センサ114と用紙センサ112の出力に従い、選択手
段220およびメカニズム駆動用のモータおよび表示手
段232を制御するシステム制御手段である。
【0038】また、240はパーソナルコンピュータ、
241はパーソナルコンピュータのハードとソフトを管
理するOS、242はOSの上で動作するアプリケーシ
ョンソフト、243はアプリケーションソフト242の
要求によりOSを経由して与えられる画像情報をプリン
タに送り出すプリンタドライバ(ソフト)、244はプ
リンタドライバ243が画像情報をパーソナルコンピュ
ータ240から送り出すインターフェース、245はプ
リンタケーブルである。
【0039】つぎに、本実施の形態の動作について説明
する。まず、おもて面記録モードの動作について説明す
る。このモードは、ビデオ等から与えられる映像信号を
フルカラーで昇華記録するモードである。使用者は昇華
用記録紙123の染料受容層が塗布されたおもて面(印
画面)が上向きになるように給紙トレイ100に必要枚
数装着し、昇華型インクカセット106を第1図に示す
位置に装着し、記録したい画像の映像信号を予めケーブ
ルでプリンタに接続しておく。使用者が、図2のモード
設定手段231のスイッチでおもて面記録モードを指示
し、プリント開始操作をすると、アナログ回路200に
よりRGBにデコードされA/D変換器201でディジ
タルに変換された映像信号は、メモリ制御手段203に
よるアドレスとリード、ライトの制御によりフレームメ
モリ202に取り込まれる。フレームメモリ202に格
納されたRGB情報は、映像信号をCRT等のビデオモ
ニタで見た映像でいうと副操作方向の線順次にメモリ制
御手段203により読み出され、おもて面制御手段20
4に送られる。おもて面制御手段204は、RGBの各
々の逆数の対数演算によりCMY濃度へ補色変換し、さ
らに高度な色再現性が要求される場合にはマスキング処
理等の色修正処理を行ない、そのCMY濃度をその濃度
の再現に必要な印加熱量情報へ変換する。昇華記録で
は、シアン色、マゼンダ色、イエロー色の順に色を重ね
カラーを再現するため、おもて面制御手段204は現在
の記録色に対する印加熱量情報のみを選択出力する。
【0040】システム制御手段233は、そのおもて面
制御手段204の印加熱量情報の出力を、現在の記録モ
ードであるおもて面記録モードを基に選択手段220に
対して、その出力を選択的に通過するように制御する。
ヘッド制御手段221は、選択手段220から与えられ
た印加熱量情報から、パルス幅変調されたヘッド駆動信
号を発生し、それをサーマルヘッド105へ送りす。そ
のヘッド駆動信号により、サーマルヘッド105は、発
熱素子に通電し発熱素子を発熱する。
【0041】つぎに、本実施例のメカニズムの印画動作
について説明する。メカニズムは、映像信号が図2でフ
レームメモリ202に取り込まれた後、サーマルヘッド
105の発熱素子が発熱を開始する直前までに、以下に
示すの印画準備動作を完了する。図1で、給紙トレイ1
00内へおもて面を上にして入れられた昇華用記録紙1
23は、給紙ローラ101の回転によりピンチローラ1
02とキャプスタンローラ103の間隙まで搬送され
る。すると、昇華用記録紙123は、ピンチローラ10
2によりキャプスタンローラ103へ押圧され、キャプ
スタンローラ103の時計方向の回転によりプラテンロ
ーラ104とサーマルヘッド105の間に搬送される。
昇華用記録紙123が、図1に示す記録基準位置124
まで達すると、サーマルヘッド105がプラテンローラ
104の方へ押圧され、サーマルヘッドのライン状の発
熱素子とインクフィルム120と昇華用記録紙123と
プラテンローラ104が互いに圧接され、メカニズムは
印画可能な状態になる。
【0042】次に、メカニズムは、サーマルヘッド10
5の発熱素子の通電が開始すると、これとほぼ同時期
に、キャプスタンローラ103が反時計回りに発熱素子
の通電周期に同期して回転し始め、昇華用記録紙123
が図1左方向へ搬送され、排紙ガイド108の間へ導か
れていく。この間、発熱素子の発熱により、インクフィ
ルム120の下面に塗布された昇華性の染料が、昇華用
記録紙123の印画面(:おもて面)に昇華し転写され
る。また、この間、インクフィルム120は、巻取リー
ル121によりほぼ一定の力で巻取られる。
【0043】一色の印画が終了すると、サーマルヘッド
105のプラテンローラ104への押圧力が解放され、
供給リール122から巻取リール121へインクフィル
ム120を巻回し次の色の頭出しを行うと共に、おもて
制御手段204を次の記録色の印加熱量情報を出力する
ように再設定し、さらにキャプスタンローラ103が時
計方向に回転して昇華用記録紙123を図1に示す記録
基準位置124まで搬送し、サーマルヘッド105が、
1色目と同様にプラテンローラ104の方へ押圧され、
メカニズムは印画可能な状態になる。また、これと同時
に回路も次の色の印画の準備を行う。
【0044】上記動作を計3回または黒を含む4色記録
では計4回、繰り返してフルカラー画像の色重ね記録が
終了すると、昇華用記録紙123は、一対の排紙ローラ
109,110により排紙トレー111上に排出され、
印画動作が完了する。
【0045】同じ画像を複数枚記録する場合は、既にフ
レームメモリー202に格納されている画像情報を利用
して、給紙トレー100に格納されている次の昇華用記
録紙123を用いて同様の印画を複数回行う。
【0046】つぎに、モノクロ溶融記録をする裏面記録
モードでの動作を説明する。このモードは、コンピュー
タ240内のOS241の上で走っている住所録管理ソ
フトやデータベースソフト等のアプリケーションソフト
242が作成する葉書の宛名書き画像等を昇華用記録紙
123の裏面(宛名面)や官製葉書の宛名面にモノクロ
溶融記録するモードである。
【0047】まず、使用者は、モード設定手段231の
スイッチに対して裏面記録モードを指示し、給紙トレイ
100に既におもて面に昇華画像が記録された昇華用記
録紙123を昇華記録面(:おもて面)を下にして装着
し、溶融型インクカセット106を図1に示す位置に装
着する(例えば年賀状の宛名書きのような用途では、一
度に数十枚の宛名書きを行うことが多く、その場合には
既に必要枚数のおもて面画像を昇華記録した記録紙を給
紙トレイ100に装着することになる。)。
【0048】つぎに、使用者は、パーソナルコンピュー
タ240上で動いているアプリケーションソフト242
で印字すべきレコードを検索しOS241に対してプリ
ントアウトの指示をする。OS241はプリンタドライ
バ243を起動し制御をプリンタドライバ243に委ね
る。プリンタドライバ243は、ダイアログボックスを
モニタの画面上に表示し、使用者からプリントアウトの
枚数、画像の濃さ、レイアウト、その他の指示を受け
る。
【0049】このダイアログ表示の中に、確認事項の表
示またはチェック項目(:「既に、おもて面への昇華記
録は済んでいますか」や「記録紙は宛名面を上にして装
着されていますか」など)をマウスでクリックして初め
て実際の印画が行われる。
【0050】最後に、ダイアログ中の印刷ボタンをマウ
スでクリックすると、プリントすべき宛名情報が、OS
241を通じてプリンタドライバ243へ転送され、プ
リントアウトすべき解像度と画素数のビットイメージの
画像に展開される。この展開処理は、システムに寄って
はプリンタドライバ243ではなくOS241が行う場
合もある。プリンタドライバ243はビットイメージの
情報をインターフェース244およびプリンタケーブル
245を通じてプリンタ側のインターフェース210へ
送信する。
【0051】インターフェース210を通じて送られて
きた画像情報は、バッファーメモリ211に格納され、
印画のタイミングに合わせ裏面制御手段212に送られ
る。裏面制御手段212は、モノクロ・ビットイメージ
の印画情報を溶融インクの特性に合った印加熱量情報へ
変換する働きをする。通常溶融記録では印画に必要なエ
ネルギが昇華記録の場合に比べて少なくて良いため、印
画情報を昇華の1/2から1/4程度の印加熱量情報に
変換している。このため印加最大パルス幅も短くなるこ
とから、記録のライン周期を短くすることができ、本実
施例では、ライン周期を昇華記録の半分に設定してい
る。また、裏面制御手段212では、同じ発熱素子が前
ラインで印画した場合には次のラインの印加熱量情報を
少なくする熱履歴制御を行っている。
【0052】システム制御手段233は、モード設定手
段231の指示に従い、選択手段220を、現在の記録
モードである裏面記録モードに設定し、裏面制御手段2
12の出力を選択通過させる。ヘッド制御手段221は
与えられた印加熱量情報を基にパルス幅制御信号を発生
してサーマルヘッド105に送り発熱素子は通電し発熱
する。
【0053】メカニズムの動作としては、以下に記す点
1)2)3)以外はおもて面記録モードの動作と同様で
ある。
【0054】1)溶融型のインクフィルム120がベタ
塗りのモノクロであるためインクフィルム120の頭出
し動作が不要である点、 2)昇華用記録紙123が一往復のみで排紙トレー11
1に排紙される点、 3)システム制御手段233が、プリンタを裏面記録モ
ードで動作させるときには、ピンチローラ102とキャ
プスタンローラ103の間の押圧力を減少させ6kg以
下に制御をする点。
【0055】ここで、押圧力を6kg以下とする理由を
以下に述べる。おもて面の昇華記録ではフルカラー記録
のため3色または4色の色重ねを行う必要がある。この
ため色重ね精度に直接関係する紙搬送による色ずれを数
10ミクロン以下に抑える必要があり、葉書サイズ(A
6サイズ)の記録紙では、ピンチローラ102とキャプ
スタンローラ103の間の押圧力を通常では8kg程度
必要となる。しかし、この押圧力では、裏面の溶融記録
の際に、キャプスタンローラ103表面の凹凸により昇
華用記録紙123のおもて面の記録済みの昇華画像を傷
つけてしまう。
【0056】このため、押圧力を6kg以下にする必要
がある。しかしここで、裏面の溶融記録は単色記録であ
るので紙搬送に上記のような精度は必要でない。よっ
て、裏面の溶融記録では押圧力を6kg以下に下げるこ
とができ、キャプスタンローラ103表面の凹凸による
この傷つきを防止できる。この押圧力の切り替えは、例
えば図示していないピンチローラ102を押圧するカム
の停止位置を、図示していない光学センサーへのシャッ
タの形状により2種類持つことにより実現している。
【0057】つぎに、プリンタ側の主にシステム制御手
段233の動作シーケンスについて説明する。
【0058】図3にこの動作シーケンスのフローチャー
トを示す。工程501は、モード設定手段231で指示
された内容が、おもて面記録モードであるか裏面記録モ
ードであるかを判断する。工程501でモード設定手段
231が昇華記録を行う−おもて面記録モードが指示さ
れた場合は、工程502へ進む。工程502は昇華型イ
ンクカセットが装着されているかを確認する工程であ
り、インクセンサ114によりインクカセット106上
のインクの種類を表すマークを検出した結果、マークが
昇華であると判断された場合は工程503で給紙動作を
実行する。
【0059】この確認により、誤って溶融インクで記録
してしまう事故を防止できる。工程504は給紙中の昇
華用記録紙123の下側の面にマーク125(図5
(c)参照)が検出されたかを判断する工程であり、用
紙センサ112により、マーク125が検出された場合
は、昇華用記録紙の染料受容層の塗布されたおもて面が
上向きにセットされておりおもて面への昇華印画が可能
であると判断し、工程505で表示手段232におもて
面記録モードの表示を行い、選択手段220に対してお
もて面制御手段204の出力を選択通過させるため、制
御信号sel を0とする。この工程504によって、昇華
用記録紙のマーク125の確認により、昇華用記録紙1
23の裏面や昇華用記録紙以外の官製葉書等に誤って昇
華記録するという事故を未然に防ぐことができる。
【0060】つぎに、工程507と工程508により実
際に3色分の印画を行い、工程509で排紙し一連の印
画動作を終了する。
【0061】工程502で、インクカセット106が昇
華でない場合は、工程510で表示手段232にエラー
を表示して終了する。また、工程504で昇華用記録紙
123のマーク125が検出できなかった場合は、印画
を中止して工程510で表示手段232にエラーを表示
し、工程509で記録紙を排出し終了する。
【0062】工程501でモード設定手段231で溶融
の裏面記録モードが指示された場合は、工程520へ進
み、溶融型インクカセットが装着されていることを確認
した後、工程503で給紙を実行し、工程521で給紙
中に用紙センサ112により記録紙123にマーク12
5が検出されなければ、裏返した昇華用記録紙または官
製葉書であると見なして溶融印画が可能であると判断
し、工程522で裏面記録モードの表示を行い、工程5
23で選択手段220に裏面制御手段212の出力を選
択通過させるように制御信号sel を1とする。つぎに、
工程507によりモノクロ印画を行い、工程509で排
紙し印画を終了する。
【0063】この溶融の裏面記録モードにおけるインク
カセットと記録紙の誤挿入対策に関しては、システム制
御手段233がインクセンサ114によりインクカセッ
ト106に貼付された溶融インクを表すマークを確認し
た後、溶融での印画を行うようにしているため、誤って
昇華インクで記録するという事故を防止できる。さらに
システム制御手段233が記録紙のマーク125を用紙
センサ112で検出されないことを確認したときのみ、
溶融による印画動作を行うため、誤って昇華用記録面に
溶融記録するという事故も防ぐことができる。
【0064】(実施の形態2)本発明の画像プリンタの
実施の形態について図1・図3・図4・図5により説明
する。
【0065】図1は本実施の形態のプリンタの機構構成
図、図3はシステム制御の動作シーケンスを表すフロー
チャート、図4は回路構成のブロック図、図5は記録紙
に記録された画像と機構構成との相対位置関係の説明図
である。
【0066】まず、概要から説明する。本実施の形態の
プリンタは、概略葉書サイズの用紙(ほぼA6サイズ)
の両面に記録する機能を持ち、図1に示すようなピンチ
ローラ・キャプスタンローラ方式で記録紙を往復搬送し
色重ね記録を行う構成のメカユニットを用いて、昇華プ
リンタとして記録紙の染料受容層が塗布されたおもて面
への昇華記録とその裏面への溶融記録をどちらもパーソ
ナルコンピュータからインターフェースを用いて行うも
のである。
【0067】また、本実施の形態のプリンタは、ビデオ
プリンタと異なり画素数や解像度は映像信号の走査線数
とは無関係であり、解像度は1mmあたりほぼ12ドット
で、画素数は1024画素×1536画素としている。
【0068】本実施の形態では、昇華と溶融で記録紙の
両面に印画する場合は、おもて面への昇華記録を行った
後に裏面へ溶融画像を描くことを前提としているが、お
もて面に昇華画像のみを印画する使い方や、記録紙の裏
面のみあるいは官製葉書の宛名面に溶融転写による宛名
書きのみを行う使い方や官製葉書の宛名面の裏側に画像
を溶融転写する使い方は可能である。
【0069】つぎに、図5に示す昇華用記録紙123の
おもて面印画と裏面印画と機構構成の相対位置関係につ
いて説明する。
【0070】図5で、(a)は、昇華用記録紙123と
サーマルヘッド105とキャプスタンローラ103との
位置関係を示す。(b)は、(a)の上側(矢印A方
向)から昇華用記録紙123を見たもので、おもて面
(昇華記録面)の印画方向と印画領域(図中の網掛け
部)を示す。(c)は、(a)の上側(矢印A方向)か
ら昇華用記録紙123の裏面がおもてになった状態を見
たもので、裏面(溶融記録面)の印画方向と印画領域を
示している。
【0071】通常、プリンタドライバ243から送られ
てくる印画データは、画像の上から下への順に転送され
てくることから、印画画像は図5(b)に示す矢印の印
画方向に画像の上から下への順に形成されることにな
る。この場合、キャプスタンローラ103とサーマルヘ
ッド105の間は記録することができないため、余白が
これらの間の距離に相当する通常20mm程度は用紙の上部
(:印画開始部)に必要となる。
【0072】溶融記録する場合は、記録紙の裏面に印刷
された宛先の郵便番号枠の部分が印画期間の最後の方に
印画される向きに用紙トレー100にセットする(図5
(c)参照)。これにより前述の20mm程度の余白が宛名
画像の下部に移動するため宛先の郵便番号枠のある方の
余白を非常に少なくすることができ、裏面に溶融転写す
る最大の目的である宛名書きの際の宛先の郵便番号を確
実に宛先の郵便番号枠内に印画することが可能になる
(郵便番号枠には、宛先用と発信側用の2種類あるが、
この方式では、前述の20mm程度の余白が必要なこと
からどちらか一方しか記録できないため、重要度の高い
宛先の郵便番号の記録を優先している。)。
【0073】しかし、この方向に記録紙をセットする
と、画像を下から上へと通常の逆に記録しなければなら
なくなるため、この方向を実施するためには、プリンタ
ドライバ243でイメージの展開の順序およびイメージ
転送順を逆転させる機能、またはプリンタ内のバッファ
メモリ211内で画像の上下を逆転させる機能が必要に
なる。本実施の形態では、前者の方式で構成している。
【0074】宛名の画像を下から上へ記録する方式を必
要とするメカニズムの構成は、本実施の形態では、ピン
チローラ・キャプスタンローラ方式で、はがきサイズの
記録紙を往復搬送し色重ね記録を行う構成で説明した
が、この方式の代わりに、はがきサイズの記録紙の端部
を掴み往復搬送し色重ね記録を行うチャッキング方式で
も、掴み幅の分は記録することができず余白が記録紙の
印画開始側に必要となり、この余白が10mm以上必要とな
る場合は、宛名の画像を下から上へ記録する方式をとる
ことで宛先の郵便番号の記録が可能となる。
【0075】つぎに、昇華用記録紙123が裏面に予め
郵便番号枠等が印刷されており、昇華記録と宛名の溶融
記録を共に行う際に、昇華の画像の上下の向きと裏面の
溶融記録の宛名の上下の向きとを合わせたい場合につい
て、その記録紙の給紙トレー100へのセットの仕方を
説明する。使用者は、まず、昇華用記録紙123の昇華
面を上にしてかつ昇華用記録紙123の印画する向きを
その下面に宛先の方の郵便番号枠がある側の端部が印画
開始側になるように(図1では宛先の方の郵便番号枠が
昇華用記録紙123の下面の左側にくる状態、図5
(b)では点線で裏側の郵便番号枠を示した状態に)、
給紙トレー100にセットし、昇華印画を行う(ここ
で、用紙センサ112により昇華用記録紙123の裏面
のマーク125を記録を開始する前の紙搬送時に確認す
ることで、宛先の方の郵便番号枠がある側の端部が印画
開始側になっていることをシステムで確認して誤方向装
着防止機能をつけることは可能である。)。
【0076】つぎに、昇華用記録紙123を排紙トレー
111から取り出し、裏返して宛名面を上向きにし、さ
らに宛先の方の郵便番号枠がある側の端部が印画終了側
になるように(図1では宛先の方の郵便番号枠が昇華用
記録紙123の上面の右側にくる状態(図5(c)の状
態)に)給紙トレー100にセットし、宛名の溶融印画
を行う。以上のようすれば、昇華の画像の上下と裏面の
溶融記録の宛名の上下の向きとを合わせることができ
る。
【0077】つぎに、官製はがきの宛名面に宛名書きの
溶融印画をする場合について説明する。昇華用記録紙の
裏面記録と同様にして、官製はがきの宛名面を上にし、
さらに宛先の方の郵便番号枠の部分が印画期間の最後の
方に印画される向きに、給紙トレー100にセットするこ
とで宛名記録ができる。
【0078】つぎに、プリンタの機構構成について説明
する。メカ構成に付いては実施の形態1で用いた図1と
同様である。
【0079】つぎに、プリンタの回路構成について説明
する。図4にこの回路構成のブロック図を示す。図4
で、240はパーソナルコンピュータ、342Aは、ペ
イントやドロー等のグラフィックソフト、フォト・レタ
ッチソフト、CGソフト、DTP等のレイアウトソフ
ト、ワードプロソフト等に代表されるフルカラー画像を
印刷する機能を持つ第1のアプリケーションソフトであ
り、342Bは、データベースソフトや住所録ソフトの
様に葉書の宛名書き機能を持つアプリケーションソフ
ト、またはモノクロの文字やグラフィックを印刷する機
能を有する第2のアプリケーションソフト、241はパ
ーソナルコンピュータのハードとソフトを管理するO
S、243はプリンタドライバ(ソフト)で、331
は、プリンタドライバ243内のGUI(グラフィック
・ユーザー・インターフェース)として構成されたモー
ド設定手段、332は、プリンタドライバ243内に設
けられた表示手段、244はプリンタドライバ243が
画像情報をパーソナルコンピュータ240から送り出す
インターフェース、245はプリンタケーブルである。
【0080】また、210はパーソナルコンピュータ2
40とのインターフェース、211はバッファメモリ、
212はバッファメモリ211に蓄えられた印画情報を
溶融インクの印加熱量情報に変換する裏面制御手段、2
04はバッファメモリ211に蓄えられた印画情報を昇
華インクの印加熱量情報に変換するおもて面制御手段、
220はおもて面制御手段204と裏面制御手段212
の印加熱量情報とを選択通過させる選択手段、221は
印加熱量情報を、サーマルヘッド105に与えるパルス
幅変調信号に変換するヘッド制御手段、233はモード
設定手段331の指示とインクセンサ114と用紙セン
サ112の出力に従い、選択手段220およびメカニズ
ム駆動用のモータを制御するシステム制御手段である。
【0081】つぎに、本実施の形態の動作について説明
する。本実施の形態のプリンタも、実施の形態1と同じ
ように、二つの記録モード、昇華型熱転写方式のおもて
面記録モードと溶融型熱転写方式の裏面記録モードを持
っている。
【0082】まず、おもて面記録モードの動作について
説明する。このモードは、昇華で記録紙のおもて面にフ
ルカラー画像を記録するものである。
【0083】このモードを使用する場合、使用者は、ま
ず、給紙トレイ100に昇華記録専用の記録紙を染料受
容層が塗布された印画面を上にして必要枚数装着し、プ
リンタメカ部に昇華用のインクカセット106を装着し
ておく。つぎに、パーソナルコンピュータ240のOS
241に対して本プリンタを選択する指示をする。この
ときプリンタドライバ243も同時に選択されることに
なる。
【0084】つぎに、使用者がパーソナルコンピュータ
240で動いているフルカラーの印刷機能を持った第1
のアプリケーションソフト342AからOS241に対
してプリントアウトの指示をすると、OS241はプリ
ンタドライバ243を起動し制御をプリンタドライバ2
43に委ねる。
【0085】プリンタドライバ243はインターフェー
ス244とプリンタケーブル245を通じプリンタにプ
リンタの状態を問い合わせる。システム制御手段233
は、その問い合わせ要求をインターフェース210を通
じて受け取り、インクセンサ114でインクカセット1
06のマークを読み取り、昇華型インクカセット、溶融
型インクカセット、インクカセットが装着されてない、
等の情報を調べ、インターフェース210を通じてパー
ソナルコンピュータ240へ返信する。プリンタドライ
バ243は、その情報をもとにプリンタに装着されてい
るインクの種類を表示手段332に表示する(システム
制御手段233の動作シーケンスは、図3で、実施の形
態1とほぼ同様である。)。
【0086】プリンタドライバ243は、使用者に、プ
リントアウトの枚数や、おもて面記録モードか裏面記録
モードかの指示を要求し、その指示がプリンタの状態と
一致した場合のみ実際の印画を許し、一致しなければ、
「昇華のインクカセットをいれてください」等のメッセ
ージを表示し実際の印刷は行わない。その指示がプリン
タの状態と一致した場合、ダイアログ中の印刷ボタンを
マウスでクリックすると、実際にプリントすべきフルカ
ラー画像情報が、OS241を通じてプリンタドライバ
243へ転送され、プリントアウトすべき解像度と画素
数のビットイメージ画像に展開される。この展開処理は
システムによっては、プリンタドライバ243ではなく
OS241が行う場合もある。プリンタドライバ243
はフルカラー情報をインターフェース244およびプリ
ンタケーブル245を通じてプリンタ側のインターフェ
ース210へ送信する。インターフェース210で受け
取られたフルカラー情報はバッファメモリ211に格納
され、そのフルカラー情報は、おもて面制御手段204
に送られ、色修正等の画像処理により印加熱量情報へ変
換された後、選択手段220に与えられる。システム制
御手段233は、現在の記録モードがおもて面記録モー
ドに設定されたその情報を基にして選択手段220に対
しておもて面制御手段204の出力を選択通過させる。
ヘッド制御手段221はおもて面制御手段204から与
えられた印加熱量情報からパルス幅変調されたヘッド駆
動信号を発生しサーマルヘッド105に送りだし発熱素
子に通電する。
【0087】メカニズムは、インターフェース210で
受け取られた画像情報がバッファメモリ211に格納さ
れ、サーマルヘッド105の発熱素子が通電を開始する
直前までに、実施の形態1の<メカニズムの印画動作>
の欄に説明した動作と同様の動作をし印画準備を完了
し、つづいて、サーマルヘッド105の発熱素子への通
電が開始すると、これも実施の形態1の<メカニズムの
印画動作>と同様の動作をし、フルカラー画像の色重ね
記録をし、昇華用記録紙123を排出し印画を完了す
る。 また、インクカセットカセットと記録紙の誤挿入
対策に関しては、プリンタドライバ243が、ユーザー
の指示とインクカセット106の種類を判別するインク
センサ114の値とが一致しているときのみ昇華での印
画を行うようにしているため、誤って溶融インクで記録
してしまうのを防止できる。さらにシステム制御手段2
33は、記録紙でマーク125が図1の位置に設置され
た用紙センサ112で検出されない場合は、昇華による
印画動作を行わずに、用紙が不一致というエラーをイン
ターフェース210を通じてプリンタドライバ243に
返すため、誤って昇華用記録紙123の裏面に昇華記録
する事も防ぐことができる。
【0088】つぎに、裏面記録モードでの動作について
説明する。このモードは、コンピュータ240内のOS
241の上で走っている住所録管理ソフト等の第2のア
プリケーションソフト342Bが作成する画像を、昇華
用記録紙123の裏面(葉書の宛名面)にモノクロ溶融
記録をするものである。
【0089】使用者は、給紙トレイ100におもて面に
昇華画像が既に記録された昇華用記録紙123の昇華記
録面を下にして装着し、OS241に対して本プリンタ
とプリンタドライバ243を選択する指示をする。
【0090】使用者が、第2のアプリケーションソフト
342Bからプリントアウトの指示をするとプリンタド
ライバ243が起動される。プリンタドライバ243
は、プリンタの状態を問い合わせ、プリンタから、昇華
型インクカセット、溶融型インクカセット、インクカセ
ットが装着されてない、等の情報を受け取り、ダイアロ
グボックスを用いた表示手段332に表示する。
【0091】プリンタドライバ243のモード設定ダイ
アログボックス331で裏面記録モードを指示すると、
もしプリンタにセットされたインクカセットの種類とこ
のモードが一致していない場合には、「溶融型インクカ
セットを入れてください」という表示をして印刷を中断
し、一致している場合はこのダイアログ表示の中に、
「既に、おもて面への昇華記録は済んでいますか」や
「記録紙は宛名面を上にして装着されていますか」など
を表示しそれらの確認を行った後、ダイアログ中の印刷
ボタンをマウスでクリックすると、実際にプリントすべ
き宛名情報がプリンタに送出され、モノクロ溶融インク
による宛名印画が行われる。
【0092】実際の印画動作は、システム制御手段23
3が裏面制御手段212の出力を選択通過させるように
選択手段220に対して指示する点と、インクフィルム
120がベタ塗りのモノクロであるためインクフィルム
120の頭出し動作が不要である点と、昇華用記録紙1
23が一往復するだけで排紙トレー111に排紙される
点以外は、その動作はおもて面記録モードと同様であ
る。
【0093】また、インクカセットと記録紙の誤挿入対
策に関しては、プリンタドライバ243は、ユーザーの
指示とインクカセット106の種類を判別するインクセ
ンサ114の値とが一致しているときのみ印画を行うよ
うにしているため、誤って昇華インクで記録してしまう
のを防止できる。さらにシステム制御手段233は、記
録紙の裏面の先端に印刷されているマーク125を図1
に示す位置の用紙センサ112で検出した場合は、溶融
による印画動作を行わずインターフェース210を通じ
て用紙が不一致というエラーをプリンタドライバ243
に返すため、誤って昇華用記録紙123のおもて面に溶
融記録する事も防ぐことができる。
【0094】また、本実施の形態では、キャプスタンロ
ーラ103の表面に関して、表面がスパイク状の凹凸形
状になるように、エッチング方式または切削方式で高精
度の加工を施しているため、昇華でのカラー記録で必要
な数10ミクロン以下の色重ね精度をピンチローラ10
2とキャプスタンローラ103の間の押圧力を6kg以
下に設定しても確保できたため、おもて面記録モードと
裏面記録モードとで押圧力を変えることは行っていな
い。この条件は、必要な色重ね精度を得るためにより大
きな押圧力、例えば15kg等の押圧力が必要なA5,
A4等の用紙サイズのプリンタでは実現することは困難
であり、実施の形態1のようにモノクロの印画の時はカ
ラー重ね印画の時より押圧力を小さくする切り替え手段
が必要である。
【0095】(実施の形態3)本発明の画像プリンタの
実施の形態3について図1・図4・図6により説明す
る。
【0096】本実施の形態のメカニズムおよび回路の構
成は、図1、図4で説明した実施の形態2と同様であ
る。
【0097】本実施の形態の動作について説明する。本
実施の形態の特徴である裏面記録モードのモノクロ溶融
記録について説明する。
【0098】図6(a)に、裏面記録モードでモノクロ
溶融記録を行った場合の標準的な画素イメージを示す。
通常の溶融記録では、サーマルヘッド105の発熱素子
に中間的な熱量を与えた場合、転写が不安定になりかす
れた画像が形成されてしまう。したがって、昇華記録の
ように印加熱量に応じてアナログ的に濃度を変えること
は困難であり、通常2値記録として印画を行う。このた
め、図6(a)に示すように、斜めの線は、画素単位の
階段状になってしまい、画素間隔が大きいと印画の輪郭
が滑らかに表現されないという問題が発生する。
【0099】また、本実施の形態のプリンタで溶融記録
を行う場合は、文字画像、特に宛名画像を描くことが多
く、その用途から郵便番号のような比較的小さな文字を
描く必要や、また、例えば喪中葉書の場合のように、用
途によっては通常の印字よりも淡い濃度での宛名文字を
描く必要がある場合がある。
【0100】まず、前記した印画の輪郭が滑らかに表現
されないという問題の対策について説明する。
【0101】図6(b)は溶融記録の印画方向の解像度
を倍にする構成画素イメージを示す。これは記録紙の送
り方向の画素間隔を通常の昇華記録の画素間隔の半分に
なるようにキャプスタンローラ102の送り量を設定す
ることで実現している。この具体動作としては、図4
で、プリンタドライバ243内のダイアログボックスで
裏面記録モードを設定した場合、その情報はインターフ
ェース244,210を通じてシステム制御手段233
に与えられ、システム制御手段233は、紙送り方向の
印画ライン数の設定値を倍に変更すると共に、キャプス
タンローラ103を駆動する図示していないステッピン
グモータで記録紙を1画素間隔搬送するパルス数を4パ
ルスから2パルスへ変更することにより実現している。
【0102】また、プリンタドライバ243は第2のア
プリケーション342Bが印刷しようとする画像情報を
記録紙の送り方向に対応した画像の方向のみを倍の解像
度に展開し、プリンタへ転送し印画を行っている(例え
ば、葉書の縦書きならば、縦方向のみ倍の解像度に展開
する。)。
【0103】この駆動をしてもドットの紙送り方向の長
さ自身は半分になるわけではなく、完全に解像度が倍に
なるわけではないが、ドットの位置は倍の精度で制御で
きるため、文字のなめらかさ等の画質が大幅に向上す
る。図6(b)からも分かるように、画素間がつながり
若干濃度が増加する他、斜めのライン特に日本語の文字
に多い水平に近い角度のラインが非常に滑らかに表現さ
れる効果を持つことが分かる。
【0104】次に、前記した通常の印字よりも淡い濃度
での宛名印字の方法について記す。図6(c)に1/2
に間引いた場合の画素イメージを示す。本実施の形態は
黒画素の密度を1/2または1/4に間引くことにより
平均的な濃度を下げている。1/2に間引く場合には、
プリンタドライバ243から送られてきたイメージデー
タが黒画素でかつ、その画素位置のx座標とy座標が共
に偶数または共に奇数の場合のみ実際に黒画素を印字す
る。
【0105】また、1/4に間引く場合には、その画素
が黒画素でかつ、その画素位置のx座標とy座標が共に
偶数の場合のみ実際に黒画素を印字する。これらの間引
き操作をすることにより淡い濃度での宛名印字を実現し
ている。
【0106】この機能は、紙搬送が高密度でない場合は
1/2間引きが適度な濃度になり、紙搬送が高密度の場
合は紙送り方向のドット並びがオーバーラップすること
によるドットゲインの観点から1/4間引きが好ましい
という結果が得られている。
【0107】使用者が、淡い濃度で印画したいときは、
図4のプリンタドライバ243内のダイアログボックス
で裏面記録モードの濃度設定を淡に設定する。
【0108】なお、本実施の形態では、用紙の裏面に印
画できることのメリットの大きい概略葉書サイズ(A
6)の用紙を用いる構成で説明したが、異なる用紙サイ
ズでも同様に構成することができる。また、裏面の溶融
記録では用途の多いモノクロの場合を例にとって説明し
たが、3回色重ねをするだけで溶融または昇華のカラー
に本実施の形態を適用することは容易である。
【0109】
【発明の効果】従来、フルカラーの画像を昇華で記録し
た昇華用記録紙を、例えば葉書として郵送するため、裏
面に宛名文字などの情報を記録しようとする場合、前述
した種々の理由により宛名書きをするのに適したプリン
タが存在しなかったが、本発明により、プリンタのメカ
ニズムの大きな変更なしに、高画質なフルカラー画像を
記録できる昇華プリンタ自身を用いて、昇華用の記録紙
の特殊な材質でつくられた裏面へ、文字画像を記録する
のに最も適した熱溶融転写方式により、高画質な文字画
像を記録することも可能となる。
【0110】また、昇華画像を傷つけずに美しく宛名書
きができ、しかも雨や水で流れない実用的な宛名書きが
可能になる。
【0111】また、昇華型熱転写記録を行った後、イン
クフィルムを溶融型のインクフィルムに交換し昇華記録
した記録紙を裏向きにセットし、溶融型熱転写記録を行
うようにすることにより、この逆の順序の溶融のつぎに
昇華の順序で記録する場合の以下に記す不具合を防止で
きる。
【0112】1)先に昇華用記録紙の裏面に溶融記録す
る場合は、溶融印画中にまだ記録していない昇華の画像
面をキャプスタンローラ等の紙送りローラの突起で傷つ
けてしまい、つぎに昇華のおもて面を記録するときに画
像を劣化させるとともに、裏面に書かれた溶融の宛名画
像が昇華プリンタの搬送ローラで傷つけられ剥がれ落ち
るという不具合が発生する。
【0113】2)溶融記録を先に行うと、昇華記録を行
う際に、記録紙の種類と位置を検出する用紙センサが赤
外光の反射率で記録紙の種類を表すマークや記録紙位置
を認識しているため、赤外光の吸収が大きい溶融インク
で記録した画像面では、記録紙の種類を表すマークや記
録紙の位置を認識することが難しくなり、昇華記録が困
難になってしまう。以上のことを防止できる。
【0114】また、溶融記録を行う際に、画像プリンタ
の使用者に、既に昇華用記録紙のおもて面への昇華記録
が済んでいるかを確認する表示を行う順序確認手段によ
り、使用者が、誤って、昇華用記録紙の裏面に先に溶融
記録を行ってしまうミスを防止できる。
【0115】また、溶融型熱転写記録を行う際に、用紙
センサで、昇華用記録紙のマークを検出した場合、溶融
記録をせず、エラーメーッセージを出す誤記録防止手段
により、使用者が、誤って、昇華用記録紙の昇華性染料
の受容層が塗布されたおもて面に溶融記録を行ってしま
うミスを防止できる。
【0116】また、溶融記録をする際に、ピンチローラ
102とキャプスタンローラ103の間の押圧力を昇華
のカラー記録より小さくすることで、キャプスタンロー
ラ103表面の凹凸が昇華用記録紙のおもて面の記録済
み昇華画像を傷つけてしまう不具合を防止できる。
【0117】また、溶融記録で、前記した理由により印
画画像の斜めの部分が画素単位の階段状になってしま
い、画素間隔が大きいと印画の輪郭が滑らかに表現され
ない不具合にたいして、裏面記録制御手段が、おもて面
を記録する時の紙搬送ピッチより小さいピッチで文字画
像を記録することで、印画画像の斜めの部分の画素単位
の階段状の段差を目立ち難くでき、印画の輪郭を滑らか
に表現することが可能になる。
【0118】また、裏面記録制御手段が、黒の文字画像
を溶融インクの概略100%を転写する高濃度モードと
転写量を高濃度モードよりも低くに抑える低濃度モード
を有することで、例えば宛名の用途(年賀状・祝い・喪
中葉書など)によって字の濃さを変えることが可能にな
る。
【0119】また、メカニズムがピンチローラ・キャプ
スタンローラ駆動による紙搬送方式の概略葉書サイズの
用紙に記録する構成のプリンタで、記録する宛名画像を
記録紙の宛名面に下から上へ逆順に記録することによっ
て、前述したキャプスタンローラとサーマルヘッドの距
離から必要となる余白を、宛名面上に記録されたに宛名
画像の下側にもっていけるため、宛先の郵便番号枠のあ
る宛名画像の上方は、余白を非常に少なくすることがで
き、宛名面に溶融転写する最大の目的である宛名書きの
際の宛先の郵便番号を確実に宛先の郵便番号枠内に印画
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像プリンタの機構構成図
【図2】本発明における画像プリンタの回路構成を示す
ブロック図
【図3】本発明の画像プリンタの動作シーケンスを表す
フローチャート
【図4】本発明における画像プリンタの回路構成を示す
ブロック図
【図5】本発明の画像プリンタにおける画像と機構構成
の相対関係の説明図
【図6】本発明の画像プリンタにおける裏面記録モード
での画素イメージの説明図
【符号の説明】
100 給紙トレー 101 給紙ローラ 102 ピンチローラ 103 キャプスタンローラ 104 プラテンローラ 105 サーマルヘッド 106 インクカセット 108 排紙ガイド 109、110 排紙ローラ 111 排紙トレー 112 用紙センサ 114 インクセンサ 120 インクフィルム 121 巻取ローラ 122 供給ローラ 123 記録紙 200 アナログ回路 201 A/D変換器 202 フレームメモリ 203 メモリ制御手段 204 おもて面制御手段 210 インターフェース 211 バッファメモリ 212 裏面制御手段 220 選択手段 221 ヘッド制御手段 231 モード設定手段 232 表示手段 233 システム制御手段 240 パーソナルコンピュータ 241 OS 242 アプリケーションソフト 243 プリンタドライバ 244 インターフェース 245 プリンタケーブル 342A 第1のアプリケーションソフト 342B 第2のアプリケーションソフト 331 モード設定手段 332 表示手段 501 おもて面記録モードを確認する工程 502 昇華型インクカセットの装着を確認する工程 503 給紙動作を行なう工程 504 記録紙の下面のマークを確認する工程 505 おもて面モードを表示する工程 506 おもて面モードの制御信号を出力する工程 507 印画を行う工程 508 3色分の印画の終了を判断する工程 509 排紙する工程 510 エラーを表示する工程 520 溶融型インクカセットの装着を確認する工程 521 記録紙の下面にマークが検出されないことを確
認する工程 522 裏面記録モードを表示する工程 523 制御信号sel を1とする工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渥美 智雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岩川 浩文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇華性インクが塗布された昇華性インクフ
    ィルムと、溶融性インクが塗布された溶融性インクフィ
    ルムと、昇華性染料の受容層がおもて面に塗布された昇
    華用記録紙とを使用し、ライン状に発熱素子が具備され
    たサーマルヘッドと、外部から入力された画像情報を、
    前記昇華用記録紙のおもて面と前記昇華性インクフィル
    ムとに対応した印加熱量情報に変換するおもて面制御手
    段と、外部から入力された画像情報を、前記昇華用記録
    紙の裏面と前記溶融性インクフィルムとに対応した印加
    熱量情報に変換する裏面記録制御手段と、前記おもて面
    制御手段または裏面制御手段により変換された印加熱量
    情報を前記サーマルヘッドの各発熱素子の発熱量のパル
    ス幅に変調し、発熱量を実質的に連続に制御するヘッド
    制御手段と、前記昇華用記録紙のおもて面と裏面の記録
    モードを設定するモード設定手段とを備え、前記昇華性
    インクフィルムを装着し、前記昇華用記録紙をおもて面
    が記録される向きにセットするとともに前記モード設定
    手段をおもて面記録モードに設定して前記昇華用記録紙
    のおもて面に昇華型熱転写記録を行った後、前記溶融性
    インクフィルムを装着し、昇華方式で記録済みの前記昇
    華用記録紙を裏向きにセットするとともに前記モード設
    定手段を裏面記録モードに設定して溶融型熱転写記録を
    行う記録順序により、ひとつのヘッドを用いて記録紙の
    両面に画像を描画することを特徴とする画像プリンタ。
  2. 【請求項2】赤外光を吸収する溶融性インクフィルム
    と、赤外光を吸収するインクで昇華であることを示すマ
    ークが裏面に印刷された昇華用記録紙とを使用し、赤外
    光の反射量を測定することで、記録紙の位置およびその
    種類を表すマークを判別する用紙センサと、溶融型熱転
    写記録を行う際に、画像プリンタの使用者に、既に昇華
    用記録紙のおもて面への昇華記録が済んでいるかを表示
    し確認する順序確認手段とを備えた請求項1記載の画像
    プリンタ。
  3. 【請求項3】溶融型熱転写記録を行う際に、用紙センサ
    で、昇華用記録紙のマークを検出した場合、溶融記録を
    せず、エラーメーッセージを出す誤記録防止手段を備え
    た請求項1、2記載の画像プリンタ。
  4. 【請求項4】外部から入力されたフルカラー画像情報を
    昇華インクに対する印加熱量情報に変換するおもて面制
    御手段と、コンピュータからの画像情報を受信するイン
    ターフェースと、前記インターフェースから入力された
    画像情報を溶融インクに対する印加熱量情報に変換する
    裏面記録制御手段とを備えたことを特徴とする請求項
    1、2、3記載の画像プリンタ。
  5. 【請求項5】コンピュータからの情報を受信するインタ
    ーフェースと、前記コンピュータのOSを通じてアプリ
    ケーションソフトからの印画情報を前記インターフェー
    スに送出するドライブソフトと、前記ドライブソフトに
    対しておもて面の記録か裏面の記録かを設定するモード
    設定手段と、前記モード設定手段がおもて面記録を指示
    するとき、前記ドライブソフトが前記インターフェース
    を通じて送出するおもて面の画像情報を昇華インクに対
    する印加熱量情報に変換するおもて面制御手段と、前記
    モード制御手段が裏面記録を指示するとき、前記プリン
    タドライバが前記インターフェースを通じて送出する画
    像情報を溶融インクに対する印加熱量情報に変換する裏
    面制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1、2、
    3、4記載の画像プリンタ。
  6. 【請求項6】ピンチローラ・キャプスタンローラ駆動に
    よる記録紙搬送方式を用い、少なくとも裏面への溶融記
    録時には、ピンチローラ・キャプスタンローラ間の押圧
    力を、カラーの3色または4色重ね記録を行う昇華記録時
    よりも低く設定することを特徴とした請求項1,2,
    3,4,5記載の画像プリンタ。
  7. 【請求項7】裏面記録制御手段は、おもて面を記録する
    時の紙搬送ピッチより小さいピッチで文字画像を記録す
    ることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6記載
    の画像プリンタ。
  8. 【請求項8】裏面記録制御手段は、黒の文字画像を溶融
    インクの概略100%を転写する高濃度モードと転写量
    を前記高濃度モードよりも低くに抑える低濃度モードを
    有することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6,7記載の画像プリンタ。
  9. 【請求項9】概略官製はがきサイズ(約100mm×約148m
    m)で、それを縦長に置いたときの右上部に宛先の郵便
    番号枠が印刷された記録紙を使用し、前記記録紙の郵便
    番号枠が印刷された面に記録する宛名画像を下から上へ
    記録することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6,7,8記載の画像プリンタ。
JP30687497A 1997-11-10 1997-11-10 画像プリンタ Pending JPH11138875A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30687497A JPH11138875A (ja) 1997-11-10 1997-11-10 画像プリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30687497A JPH11138875A (ja) 1997-11-10 1997-11-10 画像プリンタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11138875A true JPH11138875A (ja) 1999-05-25

Family

ID=17962293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30687497A Pending JPH11138875A (ja) 1997-11-10 1997-11-10 画像プリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11138875A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6563525B2 (en) 2000-03-13 2003-05-13 Canon Kabushiki Kaisha Recording apparatus
JP2010228127A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写プリンタ、受像紙、印画方法、及び熱転写プリントシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6563525B2 (en) 2000-03-13 2003-05-13 Canon Kabushiki Kaisha Recording apparatus
JP2010228127A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写プリンタ、受像紙、印画方法、及び熱転写プリントシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6831683B2 (en) Methods and apparatus for print control of moving a position of a non-print area
US6375314B1 (en) Removable cassette having integrated supply of consumables
JP2005130143A (ja) プリントシステム、撮像装置、プリント方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
US6121989A (en) Transparency having printing surface discriminating area method for discriminating printing surface of transparency in thermal printer and device appropriate therefor
JPH11138875A (ja) 画像プリンタ
EP0800925B1 (en) Thermal color printer
US5492061A (en) Thermal printing method
JP2001180019A (ja) 記録方法及び記録装置
JP2672074B2 (ja) 熱転写プリンタ
JP2001096840A (ja) プリンタ
JPH0458391B2 (ja)
KR0141228B1 (ko) 프린터의 인쇄방법
JP2005014434A (ja) インクジェット記録装置の制御方法およびプログラム
CN102407681A (zh) 打印机及其控制方法
JP2013116605A (ja) 印刷制御装置
JP2005144950A (ja) 印刷装置、印刷方法、印刷用プログラム、および印刷媒体
US5813776A (en) Printing method and printing apparatus using split seal paper sheets
JPH0226763A (ja) サーマル記録装置
JP2991844B2 (ja) ビデオプリンタ
JP2021045877A (ja) 記録装置および記録方法
JPH0226764A (ja) サーマル記録装置
JP2017170707A (ja) 熱転写記録装置
JPH09234917A (ja) 印刷装置のレジずれ補正機構
JPS5919177A (ja) 熱転写プリンタ
JP2003165253A (ja) プリントシステム、撮像装置、プリンタ装置、プリンタ装置の制御方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体