JPH11138727A - フィルムラミネート不織布及びその製造方法 - Google Patents

フィルムラミネート不織布及びその製造方法

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JPH11138727A
JPH11138727A JP32941997A JP32941997A JPH11138727A JP H11138727 A JPH11138727 A JP H11138727A JP 32941997 A JP32941997 A JP 32941997A JP 32941997 A JP32941997 A JP 32941997A JP H11138727 A JPH11138727 A JP H11138727A
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Japan
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film
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JP32941997A
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English (en)
Inventor
Tetsujiro Tanaka
鉄次郎 田中
Yutaka Tanaka
豊 田中
Tsutomu Tejima
勉 手島
Masashi Maehara
正史 前原
Manabu Miyato
学 宮戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】十分な伸縮性能、耐剥離性能に加えて優れた透
湿防水性能を備えたフィルムラミネート不織布を提供す
る。 【解決手段】テレフタル酸またはその低級アルキルエス
テル(a成分)1モルに対して、炭素数6以下のアルキ
レングリコール(b成分)が1〜2モル、分子量100
0〜2000のポリテトラメチレングリコール(c成
分)が0.1〜0.5モル配合されており、かつ、樹脂
中に占める(c成分)の配合量が60〜80重量%であ
るポリエステル樹脂系弾性フィルムを130〜170℃
に加熱して、分子量500〜6000の低融点ポリオー
ルと分子量500以下の有機ジイソシアネートと分子量
500以下の鎖伸長剤とから合成され、ポリマー硬度が
(JIS−A硬度)77〜97度のポリウレタン弾性体
からなるメルトブロー不織布に、直接溶融接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、クリー
ンルーム用の手袋、マスク、救急絆創膏、紙おむつ、経
皮吸収薬等の種々の物品の素材として使用できるフィル
ムラミネート不織布及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
伸縮性能に優れた不織布が開発されており、こういった
不織布は、クリーンルーム用の手袋、救急絆創膏、紙お
むつ等のように、フィット感、密着性等が要求される製
品の素材として用いられているが、不織布は一般的に防
水性に劣るため、上述したような伸縮性能に加えて防水
性能を付与することが望まれており、従来から、防水性
に優れた合成樹脂フィルムを不織布に積層することによ
り、防水性を付与することが行われている。
【0003】しかし、合成樹脂フィルムを単に接着剤等
のバインダを用いて不織布の表面に積層すると、不織布
が本来有している伸縮性能が損なわれ、上述したような
フィット感、密着性等が要求される絆創膏等の素材とし
ての使用に耐えなくなるといった問題があった。
【0004】また、上述したように伸縮性能に優れた不
織布の場合、不織布自体が伸縮を繰返す間に、積層した
合成樹脂フィルムが不織布から剥離てしまい、耐久性に
劣るといった問題もあった。
【0005】そこで、この発明の第1の課題は、伸縮性
能に優れた不織布本来の物性を損なうことなく十分な防
水性能を付与でき、しかも、十分な耐剥離性能(耐久
性)を備えたフィルムラミネート不織布を提供すること
にある。
【0006】また、上述したようなクリーンルーム用の
手袋、救急絆創膏、紙おむつ等の製品は、身体に装着し
た際にその装着部位が蒸れないように、防水性能以外に
透湿性能を要求されるものが多く、上述した伸縮性能、
耐剥離性能に加えて透湿性能を付与することが望まれて
いる。
【0007】そこで、この発明の第2の課題は、十分な
伸縮性能、耐剥離性能に加えて優れた透湿防水性能を備
えたフィルムラミネート不織布を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、破断伸度200%以上及び伸長回復率
85%以上のポリウレタン弾性繊維不織布と破断伸度2
00%以上及び伸長回復率85%以上のポリエステル樹
脂系弾性フィルムとを相互に溶融接着したフィルムラミ
ネート不織布を提供するものである。
【0009】以上のように構成されたフィルムラミネー
ト不織布は、破断伸度が200%以上、伸長回復率が8
5%以上と、優れた伸縮性能を備えたポリウレタン弾性
繊維不織布とポリエステル樹脂系弾性フィルムとを溶融
接着することにより積層してあるので、ポリウレタン弾
性繊維不織布に防水性能が付与されると共に接着剤等の
バインダを介して接着した場合に比べて、フィルムラミ
ネート不織布全体として優れた伸縮性能が確保される。
【0010】前記ポリエステル樹脂系弾性フィルムとし
て、テレフタル酸またはその低級アルキルエステル(a
成分)1モルに対して、炭素数6以下のアルキレングリ
コール(b成分)が1〜2モル、分子量1000〜20
00のポリテトラメチレングリコール(c成分)が0.
1〜0.5モル配合されており、かつ、樹脂中に占める
(c成分)の配合量が60〜80重量%であるフィルム
を使用することが望ましい。
【0011】前記アルキレングリコールとしては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール等を使用することができるが、1,4−
ブタンジオールが良好な弾性特性を示し特に好ましい。
【0012】このポリエステル樹脂系弾性フィルムは、
破断伸度600〜800%、伸長回復率85〜90%と
極めて優れた伸縮性能を備えていると共に、JIS Z
0208 カップ法により測定した透湿能力が2000
g/m2・24hrs以上と優れた透湿性能を備えているの
で、このポリエステル樹脂系弾性フィルムを使用するこ
とにより、優れた伸縮性能及び透湿防水性能を備えたフ
ィルムラミネート不織布を得ることができる。
【0013】特に、上述した組成を有するポリエステル
樹脂系弾性フィルムを、通気性を有する前記ポリウレタ
ン弾性繊維不織布に積層することにより、ポリエステル
樹脂系弾性フィルムを単体で使用する場合に比べて、そ
の厚さをかなり薄くすることができるので、フィルム厚
さに概ね反比例するこのポリエステル樹脂系フィルムの
透湿性能をほとんど低下させることなく、フィルム単体
で使用する場合に比べて、十分な強度及び良好な取扱性
を確保することができる。
【0014】このポリエステル樹脂系弾性フィルムは、
まず、所定のポリエステルエラストマーを製造した後、
これを周知の方法によって溶融成形してフィルム状に形
成することで得られる。
【0015】まず、所定のポリエステルエラストマーを
得る方法としては、第1のエステル化工程で原料仕込
み、昇温、撹拌開始、触媒添加、エステル化の順に行
い、次に、エステル化物に酸化防止剤や触媒を添加し、
それを昇温、減圧化で縮重合を行う。得られたポリエス
テルエラストマーはペレット加工等の後処理がなされ
る。仕込量は、テレフタル酸またはその低級アルキルエ
ステル、アルキレングリコール及びポリテトラメチレン
グリコールをモル比で、1.0/1〜2/0.1〜0.
5の割合にするのが好ましい。テレフタル酸またはその
低級アルキルエステル1モルに対する触媒の添加量は、
0.0001〜0.1モルが好ましく、特に好ましくは
0.001〜0.01である。触媒の添加方法は、最初
に一括添加しても良いが、エステル反応時と重縮合反応
時に分けて添加したほうが良好であり、その添加量の比
率は、1.0/1.0〜1.0/10.0である。重縮
合時の熱劣化防止剤は、その種類により効果が異なるた
め、一概に限定できないが、ヒンダードフェノール系の
酸化防止剤であるイルガノックス1330(チバガイギ
ー社製)を例に挙げると、仕込み原料の全量に対して
0.1〜2.0重量%が好ましく、特に好ましくは、
0.2〜1.0重量%である。さらに、アルカリ金属化
合物、タルク等の結晶化剤、ガラス繊維、難燃剤、紫外
線吸収剤、着色剤を配合することができるが、これらに
限定されるものではない。
【0016】フィルムの厚みは特に限定されるものでは
なく、数μm〜数100μmに設定することができる。
好ましくは、5〜50μm、特に好ましくは10〜30
μmである。このようにして得られたフィルムは必要に
応じて延伸して使用することができる。
【0017】前記ポリウレタン弾性繊維不織布として
は、分子量500〜6000の低融点ポリオールと分子
量500以下の有機ジイソシアネートと分子量500以
下の鎖伸長剤とから合成され、ポリマー硬度が(JIS
−A硬度)77〜97度のポリウレタン弾性体からなる
メルトブロー不織布を使用することが望ましい。
【0018】このポリウレタン弾性繊維不織布は、上述
した組成を有するポリエステル樹脂系弾性フィルムと同
様に、極めて優れた柔軟性能、伸縮性能を有しているの
で、このポリウレタン弾性繊維不織布に上述した組成を
有するポリエステル樹脂系弾性フィルムを溶融接着する
ことにより、極めて優れた柔軟性及び伸縮性能が確保さ
れると共に、優れた透湿防水性能が付与されたフィルム
ラミネート不織布となる。また、両者の伸縮性能(破断
伸度及び伸長回復率)が非常に近似しているため、両者
が溶融接着によって積層されたフィルムラミネート不織
布は、伸縮の際における双方の追従性が良く、伸縮を繰
返してもほとんど剥離することがない。
【0019】このポリウレタン弾性繊維不織布を構成す
るポリウレタン弾性フィラメントは、公知の溶融紡糸可
能な熱可塑性ポリウレタン弾性体から製造される。この
ようなポリウレタン弾性体は、通常分子量500〜60
00の低融点ポリオール、例えば、ジヒドロキシポリエ
ーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリ
カーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、
分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えば、
P,P’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水
素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプ
ロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子
量500以下の鎖伸長剤、例えば、グリコール、アミノ
アルコールあるいはトリオールとの反応により得られる
ポリマーである。
【0020】これらのポリマーのうち、特に良好なもの
は、ポリオールとしてポリテトラメチレングリコール、
またはポリε−カプロラクトンあるいはポリブチレンア
ジペートを用いたポリウレタンである。
【0021】ポリオールとしてポリエチレングリコール
を用いると親水性が向上するため、特殊な用途に用いら
れる。また、有機ジイソシアネートとしては、P,P’
−ジフェニルメタンジイソシアネートが好適であり、鎖
伸長剤としては、P,P’−ビスヒドロキシエトキシベ
ンゼン及び1,4−ブタンジオールが好適である。
【0022】ポリウレタン弾性体は、上述したように、
ポリオールと有機ジイソシアネートと鎖伸長剤とから合
成されるが、ポリマー硬度は(JIS−A硬度)77〜
97度であることが好ましく、より好ましくは80〜9
5度である。硬度が77度未満の場合は粘着性が増し、
得られる不織布間での膠着が大となり、硬度が97度を
超える場合は得られる不織布の伸度、伸長回復率、柔軟
性が低下するので好ましくない。また、これらのポリウ
レタン弾性体が、可塑剤顔料、安定剤等を含有すること
は差し支えない。
【0023】このポリウレタン弾性繊維不織布は、構成
するポリウレタン弾性フィラメントが実質的に糸条の全
長にわたって接合することなく開繊して積層されたもの
である。モノフィラメントが開繊されずに集束された状
態で接合されていると、不織布の柔軟性が著しく損なわ
れるからである。
【0024】また、このモノフィラメントの直径は、通
常平均30μm以下、好ましくは平均25μm以下、特
に好ましくは20μm以下である。モノフィラメントの
直径についてはバラツキがあることが考えられるが、最
大の場合でも50μm以下が望ましい。モノフィラメン
トの繊経が大きくなると、不織布が粗剛になるからであ
る。
【0025】また、このポリウレタン弾性繊維不織布を
構成するポリウレタン弾性繊維の断面形状は、円形、異
形、中空等の各種形状をとり得るが、不織布としての後
加工性、シート形成性及び伸縮性の面から円形断面のも
のが好ましい。
【0026】上述したように、このポリウレタン弾性繊
維不織布は、ポリウレタン弾性体フィラメントが積層さ
れ、この積層体を構成する繊維相互の接触点が繊維自体
により接合されたものであるが、このような接合状態は
ポリウレタン弾性繊維を熱により相互に融着させること
により達成することができる。溶媒を用いる方法や他の
接着剤を用いる方法は、不織布の通気性、柔軟性を減少
させるため好ましくない。しかしながら、これらの特性
を損なわない範囲で接着剤を併用することは差し支えな
い。
【0027】また、このポリウレタン弾性繊維不織布
は、伸度及び伸長回復率が極めて大きく、優れた伸縮性
能を備えている点に大きな特徴がある。これは、不織布
を構成するポリウレタン弾性繊維の性能をそのまま反映
しているためであり、非弾性重合体からなる不織布やポ
リエステルエーテル弾性体などの弾性的性能の劣る重合
体からなる不織布では得られない性能である。このポリ
ウレタン弾性繊維不織布の伸縮性能を具体的に示すと、
破断伸度が300%以上〜500%以上、100%伸長
時の回復率が85%以上〜90%以上である。
【0028】不織布の強度、伸度、伸長回復率は、不織
布を構成する繊維相互の接触点の接着強度によって変動
するものであるが、このポリウレタン弾性繊維不織布
が、上述したように、優れた強度、伸度、伸長回復率を
示すことは、接触点の接合が十分に行われていることを
示すものである。
【0029】このポリウレタン弾性繊維不織布は、いわ
ゆるメルトブロー法によって製造することができる。具
体的には、まず、上述した熱可塑性ポリウレタン弾性体
を溶融し、これを、例えば、特公昭41−7883号公
報に記載された紡糸装置を用いてその紡糸口金から吐出
させ、例えば、ノズルの両面から噴出する加熱気体流に
よりフィラメントを細化する。細化されたフィラメント
は実質的に集束されることなく、例えば、移動するコン
ベアネット等の捕集装置上で気体流と分離され、そのネ
ット上に積層される。積層されたフィラメントは、自己
の有する熱によって、積層された状態でフィラメント同
士の接触点がフィラメント自体により接合され、不織布
となる。なお、前記捕集装置上にフィラメントが積層さ
れた後、冷却固化する前または後に、ローラ等を用いて
加熱加圧することでフィラメントを相互に接合させるこ
とも可能である。
【0030】フィラメント相互間の接触点の接合を強固
にするためには、紡糸口金から捕集装置上に積層する位
置までの間隔はあまり長くないほうがよく、1m程度、
好ましくは50cm以下に設定すればよい。なお、口金
と捕集装置との間に気体流の誘導通路を設けることもで
きるが、なくても差し支えない。
【0031】また、このポリウレタン弾性繊維不織布
は、上述した熱可塑性ポリウレタン弾性体から製造され
るが、溶融したポリウレタン弾性体にポリイソシアネー
ト化合物を添加して混練した後、紡糸ノズルから吐出さ
せるようにするとさらに好ましい。
【0032】また、上述した組成のポリウレタン弾性体
からなるメルトブロー不織布に、上述した組成のポリエ
ステル樹脂系弾性フィルムを積層する場合は、前記ポリ
エステル樹脂系弾性フィルムを130〜170℃に加熱
して、前記メルトブロー不織布に直接溶融接着すればよ
い。上述した組成のポリウレタン弾性体からなるメルト
ブロー不織布と上述した組成のポリエステル樹脂系弾性
フィルムは、それぞれの軟化温度が130〜170℃の
範囲内である程度近似していると共に両者の相性が良い
ため、かかる温度で両者を溶融接着することにより、極
めて高い接着強度を確保することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】(ポリエステル樹脂系弾性フィルム)撹拌
機、温度計、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた反応器
に窒素ガス雰囲気下でジメチルテレフタレート29.4
kg、1,4−ブタンジオール18.3kg、平均分子
量2000のポリテトラメチレングリコール73.9k
g、触媒としてテトラブチルチタネート4.6gを仕込
み、210℃で窒素ガス中で2時間反応させ、メタノー
ル9.6kgを抽出後、テトラブチルチタネート11g
を添加して210℃から250℃まで90分で昇温し、
同時に反応系の圧力を徐々に減じて真空度0.5Tor
rで2時間反応させた。続いて反応系の温度を220〜
230℃まで冷却後、ペレタイザーにてペレット化して
ポリエステルエラストマーを得た。このペレットをスク
リュー径40mmφ、L/D=28の押出機に取り付け
たリップ開度0.6mm、幅500mmのTダイを用い
て樹脂の融点より50℃高い温度で押出し、内部を25
℃の水が循環する直径350mmφの冷却ロールに接触
せしめ、10m/分で引き取りフィルムを作成した。こ
のポリエステル樹脂系弾性フィルムの成分及び物性を表
1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】(ポリウレタン弾性繊維不織布)分子量2
000のポリヘキサンブチレンアジペートジオールと、
分子量250のP,P’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートと、分子量90の1,4−ブタンジオールをそれ
ぞれ80℃、45℃、60℃に加熱した後、R比=1.
01(イソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)の
条件で230℃に加熱した2軸重合機にて溶融重合し、
JIS−A硬度90度の熱可塑性ポリウレタン弾性体を
得た。
【0037】このようにして得られたポリウレタン弾性
体のペレットを原料とし、1列に配列した直径0.5m
mのノズルの両側に加熱気体の噴射用スリットを有する
溶融ブロー紡糸装置を用いて溶融温度225℃、ノズル
当たり毎分0.5gの割合でポリマーを吐出し、235
℃に加熱した空気を1.5kg/cm2 の圧力でスリッ
トから噴射して細化した。細化したフィラメントをノズ
ル下方25cmに設置した30メッシュの金網からなる
コンベア上で捕集し、ローラで挟んで引取り不織布を得
た。このポリウレタン弾性繊維不織布は、ポリウレタン
弾性繊維のモノフィラメントが開繊された状態で積層さ
れており、フィラメント間の交絡点が互いに融着により
接合されていた。このポリウレタン弾性繊維不織布の物
性を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】(フィルムラミネート不織布)以上のよう
にして製造されたポリエステル樹脂系弾性フィルムを、
誘電加熱ローラによって160℃でニップして、前記ポ
リウレタン弾性繊維不織布に積層することによりフィル
ムラミネート不織布を製造した。このようにして得られ
たフィルムラミネート不織布の物性について表3に示
す。
【0040】
【表3】
【0041】表1ないし表3から分かるように、このフ
ィルムラミネート不織布は、伸縮性能に優れたポリエス
テル樹脂系弾性フィルムとポリウレタン弾性繊維不織布
とを直接溶融接着することで、両者が本来有している伸
縮性能がそのまま維持されており、しかもポリエステル
樹脂系弾性フィルムが有する優れた透湿防水性能がポリ
ウレタン弾性繊維不織布に付与されているといえる。
【0042】また、このフィルムラミネート不織布にお
けるポリエステル樹脂系弾性フィルムとポリウレタン弾
性繊維不織布との接着強度と比較するために、上述した
ポリエステル樹脂系弾性フィルムと他の不織布とを同じ
ようにして溶融接着することでラミネートしたフィルム
ラミネート不織布を製造し、それぞれについて接着強度
を測定し、その結果を表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】表3及び表4から分かるように、ポリエチ
レンテレフタレート不織布に上述したポリエステル樹脂
系弾性フィルムを溶融接着したフィルムラミネート不織
布では、ある程度の接着強度が得られたものの、この発
明のフィルムラミネート不織布の接着強度に比べると劣
っていた。また、ポリエチレンテレフタレート・ポリエ
チレン芯鞘構造の不織布、ポリエチレンテレフタレート
・ナイロン・レーヨン混合の不織布及びセルロース系不
織布に、それぞれ上述したポリエステル樹脂系弾性フィ
ルムをラミネートしたフィルムラミネート不織布では、
繰り返される伸縮に耐えうる十分な接着強度が得られな
かった。以上の結果から、上述したポリエステル樹脂系
弾性フィルムとポリウレタン弾性繊維不織布とは、他の
フィルムと不織布との組み合わせに比べて、溶融接着に
関して極めて相性のよい組み合わせであるといえる。
【0045】以上のように、このフィルムラミネート不
織布は、ポリエステル樹脂系弾性フィルムとポリウレタ
ン弾性繊維不織布とが極めて大きな接着強度でラミネー
トされているので、伸縮を繰り返してもほとんど剥離す
ることがなく、優れた耐久性を備えているといえる。
【0046】従って、このフィルムラミネート不織布
は、クリーンルーム用の手袋、救急絆創膏、紙おむつ等
のように、フィット感、密着性及び伸縮に対する耐久性
等が要求されると共に身体に装着した際にその装着部位
が蒸れないように透湿防水性能が要求される製品の素材
として極めて適している。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明のフィルムラミ
ネート不織布は、極めて高い伸縮性能と耐剥離性能を備
えており、特に、請求項2に記載のポリエステル樹脂系
弾性フィルムと請求項3に記載のポリウレタン弾性繊維
不織布を積層したものは、十分な伸縮性能、耐剥離性能
に加えて優れた透湿防水性能を有しているので、伸縮性
能、透湿防水性能が要求される種々の製品の素材として
使用することができる。
【0048】また、請求項4に記載の製造方法のよう
に、請求項2に記載のポリエステル樹脂系弾性フィルム
と請求項3に記載のポリウレタン弾性繊維不織布とを1
30〜170℃で溶融接着すると、極めて耐薄利性能に
優れたフィルムラミネート不織布が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D04H 3/16 D04H 3/16 // D01F 6/70 D01F 6/70 A (72)発明者 手島 勉 山口県防府市緑町1丁目10番20−807号 (72)発明者 前原 正史 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 日本合 成化学工業株式会社内 (72)発明者 宮戸 学 岐阜県大垣市上屋2丁目80番地 日本合成 化学工業株式会社大垣事業所大垣フィルム 工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 破断伸度200%以上及び伸長回復率8
    5%以上のポリウレタン弾性繊維不織布と破断伸度20
    0%以上及び伸長回復率85%以上のポリエステル樹脂
    系弾性フィルムとを相互に溶融接着したフィルムラミネ
    ート不織布。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステル樹脂系弾性フィルム
    が、 テレフタル酸またはその低級アルキルエステル(a成
    分)1モルに対して、炭素数6以下のアルキレングリコ
    ール(b成分)が1〜2モル、分子量1000〜200
    0のポリテトラメチレングリコール(c成分)が0.1
    〜0.5モル配合されており、かつ、樹脂中に占める
    (c成分)の配合量が60〜80重量%である請求項1
    に記載のフィルムラミネート不織布。
  3. 【請求項3】 前記ポリウレタン弾性繊維不織布が、 分子量500〜6000の低融点ポリオールと分子量5
    00以下の有機ジイソシアネートと分子量500以下の
    鎖伸長剤とから合成され、ポリマー硬度が(JIS−A
    硬度)77〜97度のポリウレタン弾性体からなるメル
    トブロー不織布である請求項1または2に記載のフィル
    ムラミネート不織布。
  4. 【請求項4】 テレフタル酸またはその低級アルキルエ
    ステル(a成分)1モルに対して、炭素数6以下のアル
    キレングリコール(b成分)が1〜2モル、分子量10
    00〜2000のポリテトラメチレングリコール(c成
    分)が0.1〜0.5モル配合されており、かつ、樹脂
    中に占める(c成分)の配合量が60〜80重量%であ
    るポリエステル樹脂系弾性フィルムを130〜170℃
    に加熱して、 分子量500〜6000の低融点ポリオールと分子量5
    00以下の有機ジイソシアネートと分子量500以下の
    鎖伸長剤とから合成され、ポリマー硬度が(JIS−A
    硬度)77〜97度のポリウレタン弾性体からなるメル
    トブロー不織布に、直接溶融接着するフィルムラミネー
    ト不織布の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001012896A1 (en) * 1999-08-13 2001-02-22 Gore Enterprise Holdings, Inc. Fibrous polymeric material and its composites
JP2005205626A (ja) * 2004-01-20 2005-08-04 Yuniseru Kk 伸縮シート材
JP2007503330A (ja) * 2003-08-22 2007-02-22 アドバンスド・デザイン・コンセプト・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 完全に弾性の不織フィルムコンポジット
JP2021095649A (ja) * 2019-12-15 2021-06-24 しづゑ 桑原 マスク

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