JPH11136943A - スイッチング電源 - Google Patents

スイッチング電源

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JPH11136943A
JPH11136943A JP29603797A JP29603797A JPH11136943A JP H11136943 A JPH11136943 A JP H11136943A JP 29603797 A JP29603797 A JP 29603797A JP 29603797 A JP29603797 A JP 29603797A JP H11136943 A JPH11136943 A JP H11136943A
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circuit
winding
power supply
switching
voltage
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JP29603797A
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Katsuhiko Shimizu
克彦 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数が少なく、小型で、バックアップ動
作開始時に不安定動作をしないバックアップ型スイッチ
ング電源を提供する。 【解決手段】 第1のコンバータ3は、第1の巻線32
1を通して供給される直流電圧Vinを、スイッチ素子
33でスイッチングし、スイッチ出力を出力回路4で直
流出力電圧Voに変換して出力する。第2のコンバータ
5は、切替回路51により、充電回路CHに切り替えら
れたときは、第3の巻線323によって蓄電素子52を
充電する。放電回路DHに切り替えられたときは、蓄電
素子52のエネルギをスイッチングして第3の巻線32
3に供給する。ダイオード34は、平滑コンデンサ12
の一端から、第1の巻線321及びスイッチ素子33を
経て、平滑コンデンサ12の他端に至る回路ループ内に
設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング電源
に関し、更に詳しくは、バッテリー等の蓄電素子によっ
てバックアップする機能を有するスイッチング電源に係
る。
【0002】
【従来の技術】この種のスイッチング電源としては、従
来より種々のタイプのものが知られている。例えば、特
開平9ー56085号公報は、第1のコンバータに備え
られた変換トランスの二次側にバッテリーでなるバック
アップ素子を有する充放電回路を接続しておき、変換ト
ランスの二次巻線に生じる誘起電圧を利用してバックア
ップ素子を充電し、交流電源電圧の供給が停止したとき
は、バックアップ素子に蓄積されたエネルギを、変換ト
ランスを介することなく、充電回路に備えられたコンバ
ータ回路によって変換し、変換された電力を負荷に供給
する電源装置を開示している。
【0003】特開平8ー275521号公報は、第1の
コンバータを構成する変換トランスの二次巻線に定電流
回路を接続し、定電流回路によりバッテリを充電し、停
電時にはバッテリの充電電圧を、インバータに供給し、
インバータから負荷に電力を供給する電源装置を開示し
ている。
【0004】特開昭64ー8836号公報は、交流電源
を整流する整流回路の出力側に、蓄電池を接続し、停電
時に蓄電池を電力供給源として用いる無停電電源装置を
開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術文献
に見られるように、従来のこの種のスイッチング電源
は、交流電源電圧を入力として動作するメインの第1の
コンバータとは別に、バックアップバッテリの電力を変
換するコンバータを備える必要があった。このため、部
品点数が増大し、小型化を図ることが困難であった。
【0006】また、従来の回路構成において、多出力を
必要とする場合、各出力回路毎に第2のコンバータを接
続するか、または、1つの出力回路に対してのみ第2の
コンバータを接続し、他の出力回路はバックアップされ
た出力回路から得られた電力をDC/DCコンバータで
電力変換を行なっていた。このため、出力回路数が増え
るにつれて、回路構成が一層複雑になり、部品点数が増
大し、小型化が困難になっていた。
【0007】特開昭64ー8836号公報に開示された
無停電電源装置は、交流電源を整流する整流回路の出力
側に、蓄電池を接続する回路構成を取るので、交流電源
の整流電圧に適合した起電力、及び、耐圧等を持つ蓄電
池を用いなければならない。
【0008】本発明の課題は、部品点数が少なくて、小
型化の容易なバックアップ型スイッチング電源を提供す
ることである。
【0009】本発明のもう一つの課題は、多出力とした
場合にも、部品点数の増加を抑え、小型化し得るバック
アップ型スイッチング電源を提供することである。
【0010】本発明のもう一つの課題は、蓄電素子を、
交流電源の整流電圧による制限を受けることなく、任意
に選定し得るバックアップ型スイッチング電源を提供す
ることである。
【0011】本発明の更にもう一つの課題は、バックア
ップ動作の開始時に不安定動作を生じないバックアップ
型スイッチング電源を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係るスイッチング電源は、入力回路と、第
1のコンバータと、第2のコンバータと、ダイオードと
を含む前記入力回路は、整流回路と、平滑用コンデンサ
とを含み、交流入力端子に供給される交流電源電圧を整
流回路によって整流し、整流出力を前記平滑用コンデン
サで平滑して、直流電圧に変換する。
【0013】前記第1のコンバータは、変換トランス
と、スイッチ素子と、出力回路とを含む。前記変換トラ
ンスは、第1の巻線及び第2の巻線を含み、前記第1の
巻線は前記入力回路から直流電圧の供給を受ける。前記
スイッチ素子は、前記第1の巻線を通して供給される前
記直流電圧をスイッチングする。前記出力回路は、前記
第2の巻線に接続され、前記第2の巻線に現れるスイッ
チ出力を直流電圧に変換して出力する。
【0014】前記第2のコンバータは、切替回路と、蓄
電素子を含む。前記切替回路は交流電源が停電したとき
は前記蓄電素子から供給されるエネルギを前記変換トラ
ンスに供給する放電回路を構成し、前記交流電源が復電
したときは前記入力回路を通して供給される前記交流電
源によって前記蓄電素子を充電する充電回路を構成す
る。
【0015】前記ダイオードは、前記平滑コンデンサの
一端から、前記変換トランスの前記第1の巻線及び前記
スイッチ素子を経て、前記平滑コンデンサの他端に至る
回路ループ内に設けられている。
【0016】交流電源が供給されている定常動作におい
て、交流入力端子に供給される交流電源電圧を、入力回
路の整流回路によって整流し、平滑コンデンサで平滑し
て直流に変換する。交流電源は、一般には、商用交流電
源である。入力回路から変換トランスの第1の巻線を通
して供給される直流電圧は、スイッチ素子でスイッチン
グされる。変換トランスの第2の巻線には出力回路が接
続されている。出力回路は、第1の巻線(一次巻線)と
第2の巻線(二次巻線)との電磁誘導結合によって第2
の巻線に現れたスイッチ出力を直流に変換して出力す
る。この直流出力電圧が負荷に供給される。
【0017】第2のコンバータは、切替回路の働きによ
り、入力回路を通して供給される交流電源によって蓄電
素子が充電される。
【0018】次に、交流電源が停電した場合、第2のコ
ンバータが放電回路に切り替えられ、蓄電素子から供給
されるエネルギがイッチングされ、変換トランスに供給
される。そして、変換トランス第2の巻線に現れる第2
のコンバータのスイッチング出力が出力回路によって直
流に変換され、負荷に供給される。
【0019】上記説明から明らかなように、本発明にお
いて、第2のコンバータは、その大部分を、第1のコン
バータに備えられる各構成部分を共用しているから、部
品点数を減少させ、小型化を達成することができる。バ
ックアップ動作は、切替回路による充放電回路の選択及
びスイッチ素子の動作選択によって容易に選択すること
ができる。
【0020】しかも、変換トランスに、充電回路または
放電回路を構成する蓄電素子を接続するので、特開昭6
4ー8836号公報に開示された電源装置と異なって、
蓄電素子は、交流電源の整流電圧による制限を受けるこ
となく、任意に選定し得る。
【0021】また、第2の巻線は複数備えられ、第2の
巻線のそれぞれに、出力回路が個別的に備えられている
多出力タイプのスイッチング電源において、一個の第2
のコンバータを備えるだけでよい。このため、多出力と
した場合にも、部品点数を増大させる必要のない小型の
スイッチング電源が得られる。
【0022】更に、本発明に係るスイッチング電源は、
平滑コンデンサと変換トランスの第1の巻線とを含む回
路ループ内に、ダイオードが設けられている。この構成
によれば、交流電源側が第2のコンバータの負荷になる
ことも、過電流制限動作が加わることもない。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るスイッチング
電源の電気回路図である。図示するように、本発明に係
るスイッチング電源は、入力回路1と、第1のコンバー
タ3と、第2のコンバータ5と、ダイオード34とを含
む。6は制御回路である。
【0024】入力回路1は、交流入力端子71、72に
供給される交流電源電圧Einを直流電圧Vinに変換
して出力する。図示された入力回路1はダイオードブリ
ッジ等でなる整流回路11と平滑コンデンサ12とを備
えている。
【0025】第1のコンバータ3は、変換トランス32
と、スイッチ素子33と、出力回路4とを含んでいる。
変換トランス32は、第1の巻線321、第2の巻線3
22及び第3の巻線323を含み、第1の巻線321は
一次巻線を構成し、入力回路1から直流電圧Vinの供
給を受ける。
【0026】スイッチ素子33は、第1の巻線321を
通して供給される直流電圧Vinをスイッチングする。
スイッチ素子33は代表的には電界効果トランジスタ
(FET)で構成されるが、バイポーラトランジスタ
等、他の三端子スイッチ素子であってもよい。スイッチ
素子33の主電極回路は、変換トランス32の第1の巻
線321に直列に接続されている。
【0027】出力回路4は、第2の巻線322に接続さ
れ、第2の巻線322に現れるスイッチ出力を直流出力
電圧Voに変換して出力する。図示された出力回路4
は、いわゆるフォワードコンバータ回路を構成してお
り、スイッチ素子33がオンしているときに導通するダ
イオード41と、スイッチ素子33がオフしている期間
に、チョークコイル43に蓄積されたエネルギを放出す
るダイオード42とでなる整流回路と、出力平滑用コン
デンサ44とを備える。但し、このような回路構成に限
定するものではないことはいうまでもない。
【0028】第2のコンバータ5は、切替回路51と、
第3の巻線323と、蓄電素子52とを含んでいる。切
替回路51は、第2のコンバータ5が充電回路CHとな
り、または放電回路DHとなるような切替を行なう。充
電回路CHに切り替えられたときは、第3の巻線323
から供給される電力によって蓄電素子52を充電する。
放電回路DHに切り替えられたときは、蓄電素子52か
ら供給されるエネルギをスイッチングして第3の巻線3
23に供給する。
【0029】図示された切替回路51は、一個の電界効
果トランジスタ(FET)で構成されている。切替回路
51を構成するFETは、ドレイン及びソースによって
構成される主電極回路が第3の巻線323及び蓄電素子
52を含む回路に対して直列に入るように接続されてい
る。FETを駆動した場合に、その主電極回路が放電回
路DHを構成し、FETが駆動されていない場合に、F
ETのソース.ドレイン間ダイオード53が充電回路C
Hを構成する。ダイオード53は、メインのスイッチ素
子33がオンになったときに、図示極性(図中黒丸表
示)の第3の巻線323に現れる誘起電圧VFに対し
て、順方向となる方向性を有している。切替回路51と
しては、FET以外のスイッチ素子を用いることもでき
る。この場合、スイッチ素子と並列にダイオード53を
接続すればよい。但し、切替回路51をFETで構成し
た場合は、上述したように、FETのソース.ドレイン
間ダイオード53を利用して充電回路CHを構成できる
ので、回路構成を簡素化できる。蓄電素子52は、代表
的には、二次電池で構成される。または、コンデンサで
構成してもよい。
【0030】充電モードと、放電モードの切替は、蓄電
素子52の端子電圧Vcを一次側に換算した電圧値と、
入力回路1から出力される直流電圧Vinの値とを対比
して行なう。実施例において、切替回路51を構成する
スイッチ素子を、第1のコンバータ3に含まれるメイン
のスイッチ素子33と同期して動作させるとすると、蓄
電素子52の端子電圧Vcを一次側に換算した電圧値
が、入力回路1から出力される直流電圧Vinの値より
も高いとき、放電モードに切り替えられ、蓄電素子52
が電力供給源となる。定常動作時のように、蓄電素子5
2の端子電圧Vcを一次側に換算した電圧値が、入力回
路から出力される直流電圧Vinの値よりも低いとき
は、充電モードに切り替えられ、交流電源eが電力供給
源となる。
【0031】端子電圧Vcの一次側換算値は、第3の巻
線323と第2の巻線322との巻き数比によって定ま
るので、充電モード及び放電モードの切替に関係する端
子電圧Vcを持つ蓄電素子52を、任意に選定すること
ができる。
【0032】メインのスイッチ素子33及び切替回路5
1を構成するスイッチ素子は、制御回路6から供給され
る制御信号S1、S2によってそれぞれ駆動され、制御
される。制御回路6は、蓄電素子52の端子電圧Vcの
検出信号S3及び入力回路1から出力される直流電圧V
inの検出信号S4に基づいて、メインのスイッチ素子
33及び切替回路51のスイッチ素子に対し、切替のた
めの制御信号S1、S2を生成する。制御回路6には、
更に、直流出力電圧Voまたは出力電流I0の検出信号
S5が入力され、この種のスイッチング電源において一
般的な出力安定化制御及び過電流保護等が行なわれる。
【0033】ダイオード34は、平滑コンデンサ12の
一端から、変換トランス32の第1の巻線321及びス
イッチ素子33を経て、平滑コンデンサ12の他端に至
る回路ループ内に設けられている。ダイオード34は、
入力回路1を含めた交流電源側が、第2のコンバータ5
の負荷とならないようにするために設けられたものであ
る。その作用については、後で詳説する。
【0034】交流電源eによる電力供給が行なわれてい
る定常動作において、入力回路1は、交流入力端子7
1、72に供給される商用の交流電源電圧Einを直流
電圧Vinに変換する。入力回路1から変換トランス3
2の第1の巻線321を通して供給される直流電圧Vi
nは、スイッチ素子33でスイッチングされる。変換ト
ランス32の第2の巻線322には出力回路4が接続さ
れているので、第1の巻線321(一次巻線)と第2の
巻線322(二次巻線)との電磁誘導結合によって、第
2の巻線322に伝送されたスイッチ出力は、出力回路
4によって、直流出力電圧Voに変換され、出力され
る。この直流出力電圧Voが負荷Lに供給される。
【0035】定常動作時は、蓄電素子52の端子電圧V
cを一次側に換算した電圧値が、入力回路から出力され
る直流電圧Vinの値よりも低いから、第2のコンバー
タ5は、切替回路51により、充電回路CHとなるよう
に切り替えられる。充電回路CHに切り替えられたとき
は、変換トランス32の第3の巻線323から供給され
る電力によって蓄電素子52が充電される。従って、定
常動作時は、第1のコンバータ3のスイッチング動作に
よって、変換トランス32の第3の巻線323に誘起す
る電圧により、蓄電素子52が充電される。実施例に示
す回路構成においては、ダイオード53は、メインのス
イッチ素子33がオンになったときに、図示極性(図中
黒丸表示)の第3の巻線323に現れる誘起電圧に対し
て、順方向となるように方向付けられているから、ダイ
オード53を通した蓄電素子52に対する充電は、メイ
ンのスイッチ素子33のオン期間に行なわれる。
【0036】次に、蓄電素子52の端子電圧Vcを一次
側に換算した電圧値が、入力回路1から出力される直流
電圧Vinの値よりも高いときは、切替回路51によ
り、第2のコンバータ5が放電回路DHに切り替えられ
る。放電モードに切り替えられると、蓄電素子52が電
力供給源となる。第2のコンバータ5は、蓄電素子52
から供給されるエネルギをスイッチングして第3の巻線
323に供給する。第3の巻線323は、変換トランス
32の巻線であり、変換トランス32の第2の巻線32
2と誘導結合されているから、蓄電素子52から供給さ
れるエネルギをスイッチングして得られた電流によっ
て、第3の巻線323の巻線が励磁された場合、そのエ
ネルギは第3の巻線323から第2の巻線322に伝送
される。変換トランス32の第2の巻線322には出力
回路4が接続されているから、第2の巻線322に現れ
る第2のコンバータ5のスイッチング出力が出力回路4
によって直流出力電圧Voに変換され、負荷Lに供給さ
れる。
【0037】実施例において、制御回路6には、蓄電素
子52の端子電圧Vcの検出信号S3及び入力回路1か
ら出力される直流電圧Vinの検出信号S4が入力され
ているから、これらの検出信号S3、S4から、蓄電素
子52の端子電圧Vc及び入力回路1から出力される直
流電圧Vinの情報を得ることができ、それに基づい
て、上述したような切替タイミングを満たす制御信号S
1、S2を生成することができる。
【0038】上記説明から明らかなように、本発明にお
いて、第2のコンバータ5は、その大部分を、本来、ス
イッチング電源に備えられるべき各構成部分、すなわ
ち、変換トランス32及び出力回路4を共用して、蓄電
素子52のエネルギを負荷Lに供給するようになってい
るから、部品点数を減少させ、小型化を達成することが
できる。
【0039】しかも、第2のコンバータ5によるバック
アップ動作は、切替回路51を構成するスイッチ素子及
びメインのスイッチ素子33の選択によって、容易に実
現することができる。
【0040】次に、ダイオード34の作用について説明
する。このダイオード34がない場合を想定すると、バ
ックアップ動作において、蓄電素子52から供給される
エネルギをスイッチングして、変換トランス32に供給
した場合、第1のコンバータ3の前段の交流電源入力側
が第2のコンバータ5に対する負荷になり、本来の負荷
Lに供給されるべきエネルギーが、交流電源入力側で消
費されてしまうロスを生じる。
【0041】また、バックアップ動作開始時に、入力回
路1を構成する平滑コンデンサ12に充電電流が流れ
る。バックアップ動作開始時(停電時)は、平滑コンデ
ンサ12の端子電圧は低下しており、充電電流は無視で
きない大きさになる。この充電電流に対応して、第2の
コンバータ5の切替回路51を構成するスイッチ素子
に、第1の巻線321と第3の巻線323との巻き数比
によって換算した過大な電流が流れるから、切替回路5
1を構成するスイッチ素子を保護するため、過電流制御
動作が加わる。このため、直流出力電圧Voが低下して
しまう。本発明に係るスイッチング電源は、平滑コンデ
ンサ12と変換トランス32の第1の巻線321を含む
回路ループ内に、ダイオード34が設けられているの
で、交流電源側が第2のコンバータ5の負荷になること
も、過電流制限動作が加わることもない。
【0042】図1の実施例では、ダイオード34は、平
滑コンデンサ12の正極端子と、変換トランス32の第
1の巻線32の一端との間に接続されているが、その挿
入位置は、平滑コンデンサ12の正極端子から、変換ト
ランス32の第1の巻線321及びスイッチ素子33を
経て、平滑コンデンサ12の負極端子に至る回路ループ
内であればよい。例えば、図2に示すように、変換トラ
ンス32の第1の巻線321の一端と、スイッチ素子3
3のアノード電極との間に接続してもよいし、あるい
は、図3に示すように、スイッチ素子33のカソード電
極に接続してもよい。ダイオード34は、当然、入力回
路1から第1のコンバータ3に対して電流が得る方向に
挿入される。
【0043】図4は本発明に係るスイッチング電源の更
に別の実施例を示す電気回路図である。図において、図
1〜図3に示された構成部分と同一の構成部分には同一
の参照符号を付してある。この実施例は、回路内の寄生
容量に起因するスイッチングロスの低減及びノイズ抑制
に有効な回路構成を示している。この実施例の特徴は、
ダイオード34と並列に抵抗35を接続したことであ
る。ダイオード34は図1〜図3において説明した機能
を有する。
【0044】まず、抵抗35を持たない場合について説
明する。この種のスイッチング電源では、スイッチ素子
33の出力容量や変換トランス32の線間容量等に起因
する寄生容量Csが発生する。このため、スイッチ素子
33がオフになった場合のフライバック電圧により、寄
生容量Csと変換トランス32の第1の巻線321のイ
ンダクタンスとによる共振回路の共振特性に従って、寄
生容量Csが充電され、その端子電圧が、フライバック
電圧のピーク値まで上昇する。説明の簡単化のため、寄
生容量Csをスイッチ素子33の出力容量によって代表
させると、寄生容量Csの端子間電圧の上昇により、ス
イッチ素子33の主電極間電圧Vdsが、フライバック
電圧のピーク値Vpまで上昇する。
【0045】この場合、バックアップ動作の開始時に不
安定動作を生じさせないための手段として、ダイオード
34を挿入してあり、寄生容量Csの端子に現れる充電
電圧がダイオード34に対して逆極性になるので、寄生
容量Csに蓄積された電荷を放電するための経路がな
い。このため寄生容量Csの両端電圧は、スイッチ素子
33がオフしている間、ほぼフライバック電圧のピーク
値を維持する。従って、スイッチ素子33がこの高いフ
ライバック電圧のピーク値の印加された状態でオン動作
をすることになるから、スイッチング損失が増える。ま
た、スイッチングノイズも発生する。
【0046】この実施例では、このような問題を解決す
る手段として、ダイオード34と並列に抵抗35を接続
してある。このような抵抗35があると、スイッチ素子
33のオフ期間に、寄生容量Csに蓄積された電荷を、
抵抗35を通して放電できるので、スイッチ素子33が
オンする時の主電極間電圧Vdsを低下させ、スイッチ
ング損失を低減すると共に、ノイズの発生を抑制するこ
とができる。
【0047】図5は本発明に係るスイッチング電源の更
に別の実施例を示している。図において、図1〜図4に
図示された構成部分と同一の構成部分には、同一の参照
符号を付してある。この実施例の特徴は、ダイオード3
4に並列に接続された抵抗35を、電流検出素子として
用いた例を示している。この実施例によれば、寄生容量
によるスイッチング損失低減及びノイズ抑制に挿入され
た抵抗35を電流検出素子として兼用しているので、専
用の電流検出素子が不要であり、回路部品が少なくて住
む利点が得られる。
【0048】図6は本発明に係るスイッチング電源の更
に別の実施例を示す回路図である。この実施例の特徴
は、ダイオード36、コンデンサ37及び抵抗38によ
るスナバ回路を付加したことである。スナバ回路は、第
1の巻線321の一端にカソードを接続したダイオード
34のアノードと、第1の巻線321の他端との間に接
続されている。ダイオード34のアノードに対しては、
コンデンサ37及び抵抗38の並列回路の一端bに接続
してある。第1の巻線321の他端に対してはダイオー
ド36のアノードを接続してある。ダイオード36のカ
ソードはコンデンサ37及び抵抗38の並列回路の他端
aを接続してある。
【0049】図7は図6に示したスナバ回路の動作特性
を示す波形図である。図において、横軸に時間軸をと
り、スイッチ素子33のON、OFFのタイミングを示
してある。縦軸にスイッチ素子33の主電極間に現れる
電圧Vdsをとってある。実線はスナバ回路を有する場
合の電圧特性、破線がスナバ回路を持たない場合の電圧
特性を示している。
【0050】スイッチ素子33がオフとなった時、第1
の巻線321にフライバック電圧VFが発生する。この
フライバック電圧VFにより、スイッチ素子33の端子
電圧Vdsは、寄生容量Csと第1の巻線321のイン
ダクタンスによる共振回路の共振特性(図7のc1)に
従って上昇する。
【0051】ここで、コンデンサ37及び抵抗38の並
列回路の他端aの電位は、直流電圧Vinにコンデンサ
37の端子電圧を加算した電圧Vaにクランプされてい
る。従って、フライバック電圧VFがクランプされた電
圧Vaよりも高くなる領域では、ダイオード36が導通
し、スイッチ素子33の端子電圧Vdsは、直流電圧V
inと、コンデンサ37の端子電圧とを加算した電圧V
aにクランプされる(図7のc2)。
【0052】フライバック電圧VFがクランプ電圧Va
よりも小さくなると、寄生容量Csに蓄積された電荷及
びコンデンサ37に蓄積された電荷が抵抗38を通して
放電されるので、スイッチ素子33の端子電圧Vds
は、抵抗38による放電特性に従って放電(図7のc
3)され、直流電圧Vinで安定(図7のc4)する。
ここで、フライバック電圧VFの電圧・時間積はスナバ
回路の有無によらず一定であるから、電圧がクランプさ
れると、フライバック期間が長くなる。
【0053】スイッチ素子33は直流電圧Vinが印加
された状態でオンとなる。このため、スイッチ素子33
がオンする時の主電極間電圧Vdsを低下させ、スイッ
チング損失を低減すると共に、ノイズの発生を抑制する
ことができる。スナバ回路がない場合は、フライバック
電圧VFのピーク値VFpでスイッチ素子33がオンす
ることになるので、スイッチング損失が増大すると共
に、ノイズの発生を招く。
【0054】図8は本発明に係るスイッチング電源の別
の実施例を示す電気回路図である。この実施例は多出力
タイプのスイッチング電源に本発明を適用した例を示し
ている。第2の巻線322は複数n個備えられ、第2の
巻線322のそれぞれに、出力回路401〜40nが個
別的に備えられている。図示された多出力タイプスイッ
チング電源において、蓄電素子52に対する充電は、図
1の実施例の場合と全く同様に行なわれる。
【0055】次に、切替回路51により、第2のコンバ
ータ5が放電回路DHに切り替えられたときは、第2の
コンバータ5は、蓄電素子52から供給されるエネルギ
をスイッチングして第3の巻線323に供給する。第3
の巻線323は、変換トランス32の第2の巻線322
と誘導結合されているから、蓄電素子52から供給され
るエネルギをスイッチングして得られた電流によって、
第3の巻線323の巻線が励磁された場合、そのエネル
ギは第3の巻線323から、n個備えられた第2の巻線
322のそれぞれに伝送される。n個の第2の巻線32
2のそれぞれには、それと同数nの出力回路401〜4
0nが接続されているから、n個の第2の巻線322の
それぞれに現れる第2のコンバータ5のスイッチング出
力が、出力回路401〜40nによって、それぞれ直流
電圧Vo1〜Vonに変換され、負荷に供給される。
【0056】上記説明から明らかであるように、多出力
タイプのスイッチング電源においても、一個の第2のコ
ンバータ5を備えるだけでよい。このため、多出力とし
た場合にも、部品点数を増大させる必要のない小型のバ
ックアップ型スイッチング電源が得られる。
【0057】図示は省略するが、図2〜図6に示した回
路構成を用いて、図8に示した他出力タイプのスイッチ
ング電源を構成することができることは自明である。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)部品点数が少なくて、小型化の容易なバックアッ
プ型スイッチング電源を提供することができる。 (b)多出力とした場合にも、部品点数の増加を抑え、
小型化し得るバックアップ型スイッチング電源を提供す
ることができる。 (c)蓄電素子を、交流電源の整流電圧による制限を受
けることなく、任意に選定し得るバックアップ型スイッ
チング電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源の実施例を示す
電気回路図である。
【図2】本発明に係るスイッチング電源の別の実施例を
示す電気回路図である。
【図3】本発明に係るスイッチング電源の更に別の実施
例を示す電気回路図である。
【図4】本発明に係るスイッチング電源の更に別の実施
例を示す電気回路図である。
【図5】本発明に係るスイッチング電源の更に別の実施
例を示す電気回路図である。
【図6】本発明に係るスイッチング電源の更に別の実施
例を示す電気回路図である。
【図7】図6に示したスナバ回路の動作特性を示す波形
図である。
【図8】本発明に係るスイッチング電源の更に別の実施
例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1、2 交流入力端子 3 第1のコンバータ 31 入力回路 32 変換トランス 321 第1の巻線 322 第2の巻線 323 第3の巻線 4 出力回路 5 第2のコンバータ 51 切替回路 52 蓄電素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力回路と、第1のコンバータと、第2の
    コンバータと、ダイオードとを含むスイッチング電源で
    あって、 前記入力回路は、整流回路と、平滑用コンデンサとを含
    み、交流入力端子に供給される交流電源電圧を整流回路
    によって整流し、整流出力を前記平滑用コンデンサで平
    滑して、直流電圧に変換し、 前記第1のコンバータは、変換トランスと、スイッチ素
    子と、出力回路とを含んでおり、 前記変換トランスは、第1の巻線及び第2の巻線を含
    み、前記第1の巻線は前記入力回路から直流電圧の供給
    を受け、 前記スイッチ素子は、前記第1の巻線を通して供給され
    る前記直流電圧をスイッチングし、 前記出力回路は、前記第2の巻線に接続され、前記第2
    の巻線に現れるスイッチ出力を直流電圧に変換して出力
    し、 前記第2のコンバータは、切替回路と、蓄電素子を含
    み、前記切替回路は交流電源が停電したときは前記蓄電
    素子から供給されるエネルギを前記変換トランスに供給
    する放電回路を構成し、前記交流電源が復電したときは
    前記入力回路を通して供給される前記交流電源によって
    前記蓄電素子を充電する回路を構成し、 前記ダイオードは、前記平滑コンデンサの一端から、前
    記変換トランスの前記第1の巻線及び前記スイッチ素子
    を経て、前記平滑コンデンサの他端に至る回路ループ内
    に設けられているスイッチング電源。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたスイッチング電源
    であって、 前記ダイオードと並列に接続された抵抗を含むスイッチ
    ング電源。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたスイッチング電源
    であって、 前記抵抗は、電流検出素子として用いられているスイッ
    チング電源。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載されたスイ
    ッチング電源であって、 更に、スナバ回路を含んでおり、前記スナバ回路は、前
    記入力回路と前記変換トランスの前記第1の巻線との間
    に挿入されているスイッチング電源。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6191965B1 (en) 1999-07-07 2001-02-20 Nagano Japan Radio Co., Ltd. Switching power supply
JP2002152993A (ja) * 2000-11-14 2002-05-24 Toshiba Battery Co Ltd 無停電電源装置
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