JPH11134951A - 酸化物超伝導体、高周波用デバイス、および酸化物超伝導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超伝導体、高周波用デバイス、および酸化物超伝導体の製造方法

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JPH11134951A
JPH11134951A JP9309921A JP30992197A JPH11134951A JP H11134951 A JPH11134951 A JP H11134951A JP 9309921 A JP9309921 A JP 9309921A JP 30992197 A JP30992197 A JP 30992197A JP H11134951 A JPH11134951 A JP H11134951A
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JP
Japan
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oxide superconductor
oxide
phase
metal layer
conductor
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JP9309921A
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Akio Ota
田 昭 男 太
Sukehito Kanetaka
高 祐 仁 金
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Toyohashi University of Technology NUC
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Toyohashi University of Technology NUC
Murata Manufacturing Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波用デバイスの導電体に適した表面性状
を有する酸化物超伝導体を提供する。 【解決手段】 マグネシア円板1上のAg層2a上およ
び別体のAg箔2b上に、Bi系2223相超伝導厚膜
がそれぞれ形成される。これらのBi系2223相超伝
導厚膜は重ね合わされ、それに冷間等方圧成形と焼成と
が繰り返される。そして、Ag箔2bが剥離されること
によって、Bi系2223相超伝導厚膜からなる酸化物
超伝導部材3が配向した結晶粒子3cのc軸に略垂直な
方向に破断され、Ag層2a上に、その主表面が破断さ
れた面である酸化物超伝導体4が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は酸化物超伝導体、
高周波用デバイス、および酸化物超伝導体の製造方法に
関し、特にたとえば高周波領域で使用される電磁波フィ
ルタやアンテナなどの高周波用デバイスの導電体として
用いられる酸化物超伝導体などに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超伝導体のマイクロ波領域におけ
る表面抵抗が小さいことを利用した高周波用デバイスの
開発が盛んであり、超伝導体としてY系やTl系の薄膜
がよく用いられている。一方、薄膜に比べて安価なプロ
セスで作製できる厚膜については、Y系(参考文献:
N.McN.Alford et.al.,Natur
e vol.349(1991)680)とBi系22
12相(参考文献:田中実他、第10回高温超電導研究
発表会概要集(1997年)12)とについて、それぞ
れ、その作製と高周波特性の報告がなされている。しか
しながら、110Kと高い臨界温度Tcを有するBi系
2223相についてはあまり報告がなされていない。マ
イクロ波領域では導電体の表面近傍に電流が集中するた
め、高周波用デバイスの導電体としてその表面性状が重
要であるが、Bi系2223相の超伝導体では、焼成時
に表面からのBi揮発により表面付近で異相が生成しや
すいこと、さらに表面が荒れやすいことなどの理由によ
り、良好な高周波特性すなわち低い表面抵抗を示す厚膜
は得られていない。このBi系2223相の超伝導体の
欠点は、厚膜だけでなくバルクについても同様に有す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のようにBi系2
223相の厚膜またはバルクにおける焼成後の自然表面
部分を高周波用デバイスの導電体として用いるのは、上
述のような欠点のため好ましくない。
【0004】それゆえに、この発明の主たる目的は、高
周波用デバイスの導電体に適した表面性状を有する酸化
物超伝導体を提供することである。この発明の他の目的
は、高周波用デバイスの導電体に適した表面性状を有す
る酸化物超伝導体を用いた高周波用デバイスを提供する
ことである。この発明のさらに他の目的は、高周波用デ
バイスの導電体に適した表面性状を有する酸化物超伝導
体を製造することができる酸化物超伝導体の製造方法を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる酸化物
超伝導体は、主表面が結晶粒子のc軸に対して略垂直に
破断された面であり、それぞれの結晶粒子のc軸が互い
に略平行になるように配向されている、酸化物超伝導体
である。なお、本願の明細書中でいう略垂直とは垂直を
含み、また、本願の明細書中でいう略平行とは平行を含
む。この発明にかかる酸化物超伝導体は、たとえば、誘
電体上や貴金属からなる金属層上に形成される。なお、
本願の明細書中でいう金属層とは、金属膜や金属箔を含
む。また、この発明にかかる酸化物超伝導体は、たとえ
ば、雲母状の結晶粒子から構成されることが好ましい。
さらに、この発明にかかる酸化物超伝導体は、たとえ
ば、Bi系2223相などのBi系である。また、この
発明にかかる酸化物超伝導体は、たとえば、高周波用デ
バイスの導電体として用いられる。この発明にかかる高
周波用デバイスは、上述のこの発明にかかる酸化物超伝
導体が導電体として用いられる高周波用デバイスであ
る。この発明にかかる酸化物超伝導体の製造方法は、所
定形状に形成された酸化物超伝導部材を成形と焼成とを
繰り返してそれぞれの結晶粒子のc軸を互いに略平行に
配向し、酸化物超伝導部材をc軸に略垂直な方向に破断
する、酸化物超伝導体の製造方法である。この発明にか
かる酸化物超伝導体の製造方法は、たとえば、誘電体上
に第1の金属層を形成し、第1の金属層と第2の金属層
との間に酸化物超伝導部材を形成する工程をさらに備え
る。また、この発明にかかる酸化物超伝導体の製造方法
では、たとえば、誘電体上に第1の金属層を形成し、第
1の金属層上に第1の酸化物超伝導部材を形成し、第2
の金属層上に第2の酸化物超伝導部材を形成し、第1の
酸化物超伝導部材と第2の酸化物超伝導部材とを重畳し
て酸化物超伝導部材を形成する。
【0006】この発明にかかる酸化物超伝導体では、そ
れを構成する結晶粒子のc軸に対して略垂直に破断され
た面が主表面となるので、主表面部分に異相の出現とい
う問題が起こりにくくなり、主表面部分の表面粗さが小
さくなり、主表面部分の表面抵抗が小さくなる。
【0007】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1に示すように、外径30mmの誘電体
であるマグネシア(MgO)円板1上に形成された厚さ
0.1μmのAg層2a上に、Bi系2223相超伝導
厚膜3aがスクリーン印刷法により形成される。
【0009】また、図2に示すように、外径30mm、
厚さ100μmの円形のAg箔2b上にも、Bi系22
23相超伝導厚膜3bがスクリーン印刷法により形成さ
れる。
【0010】そして、これらのBi系2223相超伝導
厚膜3a,3bが平坦になるようにレベリングされ、乾
燥装置により乾燥されたのち、有機溶媒を除去するため
に500℃、2時間の熱処理が行われる。
【0011】次に、図3に示すように、これら双方の印
刷面すなわちBi系2223相超伝導厚膜3a,3bの
表面が重ね合わされ、100MPaの冷間等方圧成形で
密着され、これらのBi系2223相超伝導厚膜3a,
3bは850℃で50時間焼成される。さらに、200
MPaで冷間等方圧成形され、850℃で50時間焼成
される。この200MPaの冷間等方圧成形と850℃
で50時間の焼成とが繰り返され、全体の焼成時間が2
00時間になるまで繰り返される。それによって、Ag
層2aとAg箔2bとの間では、図4に示すように、B
i系2223相超伝導厚膜3a,3bからなる酸化物超
伝導部材3の結晶粒子3cのc軸が、酸化物超伝導部材
3の厚み方向に略平行に配向される。また、この場合、
Ag箔2bによって、Bi系2223相超伝導厚膜3
a,3bからのBiの揮発や蒸発が防がれる。
【0012】なお、繰り返される冷間等方圧成形の成形
圧力および成形時間は適宜それぞれ条件が異なるように
選択されることもある。また、Bi系2223相超伝導
厚膜の成形を冷間等方圧成形に代えて一軸乾式プレス成
形しても略垂直にc軸を配向させることができる。ま
た、Bi系2223相超伝導厚膜の上下がAg以外のも
のである場合、あるいはなにもない場合でもc軸配向さ
せることは可能である。しかし、Bi系2223相超伝
導厚膜の上下がAgの場合には、特にc軸配向が進むの
で好ましい。
【0013】最後に、図5および図6に示すように、A
g箔2bが剥離され、それによって、酸化物超伝導部材
3が結晶粒子3cのc軸に略垂直な方向に破断され、A
g層2a上に、その主表面が破断された面である酸化物
超伝導体4が得られる。なお、この酸化物超伝導体4
は、図4に示した図解図からも理解できるように雲母状
の結晶粒子3cから構成される。
【0014】酸化物超伝導部材3を結晶粒子3cのc軸
と略垂直に破断するのは以下の理由による。
【0015】すなわち、Bi系2223相超伝導体の結
晶粒子はab面が大きく発達し、c軸方向には薄くなる
板状粒子となる。これがc軸配向している場合、ab面
が大きく成長した板状粒子は、その平面(ab面)が下
地のAgに略平行にして積み重なる。よって、c軸に略
垂直に破断を行うと板状粒子がへき壊しやすいため破断
が行いやすく、また破断面の大部分も大きく成長したa
b面からなるため表面粗さも小さくなる。また、Bi系
2223相超伝導体は電流が結晶粒子のab面方向に流
れやすくc軸方向には流れにくいという電気伝導に異方
性があるため、破断面がc軸配向していることは表面抵
抗の低減の面でも都合がよい。さらに、焼結後の自然表
面部分ではなくもともとは焼結体の内部であった破断面
部分を用いることになるため、焼結中の表面からのBi
揮発による異相の出現という問題が起こらないからであ
る。
【0016】得られた酸化物超伝導体4の破断面部分の
表面抵抗を10.7GHzで測定したところ、図7に示
すように、77Kでは1.5mΩであり、40Kでは
0.4mΩであり、Cuの表面抵抗よりきわめて小さか
った。また、この酸化物超伝導体4の破断面部分は、X
線回析によりBi系2223相のほぼ単相であるととも
に、c軸に強く配向していることが確認された。さら
に、この酸化物超伝導体4の破断面部分の表面粗さRa
は、0.7μmと小さかった。そのため、この酸化物超
伝導体4は、たとえばフィルタ、アンテナ、ディレイラ
インなどの高周波用デバイスの導電体に適した表面性状
を有する。
【0017】(実施例2)150MPaで一軸乾式プレ
ス成形した外径30mm、肉厚20mmの円柱形状を有
するBi系2223相超伝導バルクが、850℃で50
時間焼成される。その後、Bi系2223相超伝導バル
クが、200MPaで冷間等方圧成形され、850℃で
50時間焼成される。この200MPaの冷間等方圧成
形と850℃で50時間の焼成とが繰り返され、全体の
焼成時間が200時間になるまで繰り返される。それに
よって、結晶粒子のc軸が結晶粒子の厚み方向に略平行
に配向されたBi系2223相超伝導バルクの焼結体が
得られる。最後に、得られた焼結体が一軸乾式プレス成
形のプレス方向に略垂直な方向にすなわちc軸に略垂直
な方向に破断され、その主表面が破断された面である酸
化物超伝導体が得られる。
【0018】得られた酸化物超伝導体の破断面部分の表
面抵抗を10.7GHzで測定したところ、77Kでは
5mΩであり、40Kでは1mΩであり、Cuの表面抵
抗よりきわめて小さかった。また、この酸化物超伝導体
の破断面部分は、X線回析によりBi系2223相のほ
ぼ単相であるとともに、c軸に強く配向していることが
確認された。さらに、この酸化物超伝導体の破断面部分
の表面粗さRaは、0.8μmと小さかった。そのた
め、この酸化物超伝導体も、高周波用デバイスの導電体
に適した表面性状を有する。
【0019】(比較例1)上述の実施例2と同様にして
作製されたBi系2223相超伝導バルクの焼成体の自
然表面部分の表面抵抗を10.7GHzで測定したとこ
ろ、77Kでは15mΩであり、40Kでは3.5mΩ
であり、実施例2の酸化物超伝導体の破断面部分の表面
抵抗と比べて大きかった。また、この焼結体の自然表面
部分には、X線回析により異相としてBi2212相が
確認された。さらに、この焼結体の自然表面部分の表面
粗さRaは、1.4μmと実施例2の酸化物超伝導体の
破断面部分の表面粗さと比べて大きかった。
【0020】(実施例3)図8に示すように、外径30
mmのマグネシア(MgO)円板1上に、Bi系222
3相超伝導厚膜3aがスクリーン印刷法により形成され
る。
【0021】また、図9に示すように、外径30mm、
厚さ100μmの円形のAg箔2b上にも、Bi系22
23相超伝導厚膜3bがスクリーン印刷法により形成さ
れる。
【0022】そして、これらのBi系2223相超伝導
厚膜3a,3bが平坦になるようにレベリングされ、乾
燥装置により乾燥されたのち、有機溶媒を除去するため
に500℃、2時間の熱処理が行われる。
【0023】次に、図10に示すように、これら双方の
印刷面すなわちBi系2223相超伝導厚膜3a,3b
の表面が重ね合わされ、100MPaの冷間等方圧成形
で密着され、これらのBi系2223相超伝導厚膜3
a,3bは850℃で50時間焼成される。さらに、2
00MPaで冷間等方圧成形され、850℃で50時間
焼成される。この200MPaの冷間等方圧成形と85
0℃で50時間の焼成とが繰り返され、全体の焼成時間
が200時間になるまで繰り返される。それによって、
マグネシア円板1とAg箔2bとの間では、Bi系22
23相超伝導厚膜3a,3bからなる酸化物超伝導部材
3の結晶粒子のc軸が、酸化物超伝導部材3の厚み方向
に略平行に配向される。
【0024】最後に、Ag箔2bが剥離され、それによ
って、酸化物超伝導部材3がc軸に略垂直な方向に破断
され、マグネシア円板1上に、その主表面が破断された
面である酸化物超伝導体4が得られる。
【0025】得られた酸化物超伝導体4の破断面部分の
表面抵抗を10.7GHzで測定したところ、77Kで
は3.5mΩであり、40Kでは1.5mΩであり、C
uの表面抵抗よりきわめて小さかった。また、この酸化
物超伝導体4の破断面部分は、X線回析によりBi系2
223相のほぼ単相であるとともに、c軸に強く配向し
ていることが確認された。さらに、この酸化物超伝導体
4の破断面部分の表面粗さRaは、0.7μmと小さか
った。そのため、この酸化物超伝導体4も、高周波用デ
バイスの導電体に適した表面性状を有する。
【0026】(比較例2)上述の実施例3と同様にし
て、マグネシア(MgO)円板上に、Bi系2223相
超伝導厚膜がスクリーン印刷法により形成される。そし
て、そのまま、上述の実施例3と同様にして、200M
Paの冷間等方圧成形と850℃で50時間の焼成とが
繰り返される。それによって、マグネシア円板上に、B
i系2223相超伝導厚膜の焼結体が得られる。得られ
たBi系2223相超伝導厚膜の焼成体の自然表面部分
の表面抵抗を10.7GHzで測定したところ、77K
では20mΩであり、40Kでは4mΩであり、実施例
3の酸化物超伝導体の破断面部分の表面抵抗と比べて大
きかった。また、この焼結体の自然表面部分には、X線
回析により異相としてBi2212相が確認された。さ
らに、この焼結体の自然表面部分の表面粗さRaは、
1.3μmと実施例3の酸化物超伝導体の破断面部分の
表面粗さと比べて大きかった。
【0027】なお、上述の各実施例以外のものとして、
図2に示したAg箔2b上に形成した超伝導厚膜3bを
2つ準備し、これら双方の超伝導厚膜3b,3bの表面
を重ね合わせた後、実施例1と同様に焼成後、Ag箔2
bを剥離して、Ag箔2b上の酸化物超伝導体を得るこ
とができる。
【0028】図12はこの発明にかかる高周波用デバイ
スとしての誘電体フィルタの一例を示す斜視図である。
この誘電体フィルタ10は誘電体円柱12を含む。この
誘電体円柱12は、誘電率が大きくQが高いたとえばB
a系酸化物、Mg系酸化物、あるいは、Ti系酸化物の
高周波用誘電体からなる。誘電体円柱12の対向する上
面および底面には、上部導体14aおよび下部導体14
bがそれぞれ配置される。上部導体14aは、誘電体円
柱12の上面に対向し酸化物超伝導体からなる導体層1
6aを含み、この導体層16aはマグネシア(MgO)
からなる基板18aの一方主面に形成される。同様に、
下部導体14bは、誘電体円柱12の底面に対向し酸化
物超伝導体からなる導体層16bを含み、この導体層1
6bはマグネシア(MgO)からなる基板18bの一方
主面に形成される。また、下部導体14bの導体層16
b上には、入出力用の同軸ケーブル20aおよび20b
が、誘電体円柱12の両側にそれぞれ配置される。一方
の同軸ケーブル20aの中心導体の先端部分は、ループ
状に形成され、その同軸ケーブル20aの外部導体に電
気的に接続される。同様に、他方の同軸ケーブル20b
の中心導体の先端部分は、ループ状に形成され、その同
軸ケーブル20bの外部導体に電気的に接続される。
【0029】この誘電体フィルタ10では、特に、導体
層16a,16bおよび基板18a,18bとして、図
11に示す実施例3の酸化物超伝導体4およびマグネシ
ア円板1がそれぞれ用いられる。
【0030】そのため、この誘電体フィルタ10では、
特に導体層16a,16bが高周波用デバイスの導電体
に適した表面性状を有する。なお、この誘電体フィルタ
10の基板18a,18bとしては、マグネシア(Mg
O)以外の誘電体やAgなどの金属など焼成時に酸化物
超伝導体(導体層16a,16b)と反応しない板体で
あればよい。
【0031】図13はこの発明にかかる高周波用デバイ
スとしての超伝導フィルタの一例を示す斜視図である。
この超伝導フィルタ30はマグネシア(MgO)からな
る誘電体基板32を含む。誘電体基板32の下面には、
アース電極34が形成される。アース電極34は、Cr
からなる内層34aとAuからなる外層34bとを含
む。また、誘電体基板32の上面には、多数の電極36
が間隔を隔てて階段状に形成される。これらの電極36
は、それぞれ、Agからなる内層36aと酸化物超伝導
体からなる外層36bとを含む。
【0032】この超伝導フィルタ30では、特に、多数
の電極36の内層36aおよび外層36bとして、実施
例1のAg層2aおよび酸化物超伝導体4がそれぞれ用
いられる。なお、実施例1ではマグネシア円板1の片面
全面にAg層2aおよび酸化物超伝導体4が形成されて
いるが、それらを部分的に削れば、多数の電極36を形
成することができる。
【0033】そのため、この超伝導フィルタ30では、
特に多数の電極36の外層36bが高周波用デバイスの
導電体に適した表面性状を有する。
【0034】なお、上述の各例では、Agが酸化物超伝
導体に接するように用いられているが、この発明では、
Ag以外に、たとえば、Au、Ptなどの貴金属、Ag
−Mg合金、Ag−Pd合金などのAg合金が用いられ
てもよい。実際には、AgまたはAg合金を用いること
が好ましいが、酸化物超伝導体の焼結温度より高い融点
を有する金属または合金であれば、たとえばW、Fe、
Mn、Ta、ステンレスなどが用いられてもよい。
【0035】また、上述の各例では誘電体としてMgO
が用いられているが、これ以外にも、たとえば(Zr,
Sn)TiO4 、Ba(Mg,Ta)O3 などの高周波
帯において誘電体損失が小さい材料、さらにはサファイ
ア、LaAlO3 などの単結晶を用いることができる。
【0036】さらにまた、上述の各例では酸化物超伝導
体としてBi系2223相が用いられているが、他のB
i系2212相などを用いることもでき、Bi系以外の
Y系やTl系の酸化物超伝導体を用いることができる。
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、高周波用デバイスの
導電体に適した表面性状を有する酸化物超伝導体が得ら
れる。また、この発明によれば、高周波用デバイスの導
電体に適した表面性状を有する酸化物超伝導体を用いた
高周波用デバイスが得られる。さらに、この発明によれ
ば、高周波用デバイスの導電体に適した表面性状を有す
る酸化物超伝導体を製造することができる酸化物超伝導
体の製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マグネシア円板上のAg層上にBi系2223
相超伝導厚膜を形成した状態を示す図解図である。
【図2】Ag箔上にBi系2223相超伝導厚膜を形成
した状態を示す図解図である。
【図3】図1に示すBi系2223相超伝導厚膜と図2
に示すBi系2223相超伝導厚膜とを重ね合わせた状
態を示す図解図である。
【図4】図3に示すBi系2223相超伝導厚膜を焼成
した酸化物超伝導部材の微細な結晶粒子、c軸を示す図
解図である。
【図5】図4に示す状態からAg箔を剥がして酸化物超
伝導部材を破断し酸化物超伝導体を形成した状態を示す
図解図である。
【図6】図5に示す酸化物超伝導体の微細な結晶粒子を
示す図解図である。
【図7】Bi系2223相の酸化物超伝導体およびCu
の温度に対する表面抵抗を示すグラフである。
【図8】マグネシア円板上にBi系2223相超伝導厚
膜を形成した状態を示す図解図である。
【図9】Ag箔上にBi系2223相超伝導厚膜を形成
した状態を示す図解図である。
【図10】図8に示すBi系2223相超伝導厚膜と図
9に示すBi系2223相超伝導厚膜とを重ね合わせた
状態を示す図解図である。
【図11】Ag箔を剥がして酸化物超伝導部材を破断し
酸化物超伝導体を形成した状態を示す図解図である。
【図12】この発明にかかる高周波用デバイスとしての
誘電体フィルタの一例を示す斜視図である。
【図13】この発明にかかる高周波用デバイスとしての
超伝導フィルタの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 マグネシア円板 2a Ag層 2b Ag箔 3 酸化物超伝導部材 3a,3b Bi系2223相超伝導厚膜 3c 結晶粒子 4 酸化物超伝導体 10 誘電体フィルタ 12 誘電体円柱 14a 上部導体 14b 下部導体 16a,16b 導体層 18a,18b 基板 20a,20b 同軸ケーブル 30 超伝導フィルタ 32 誘電体基板 34 アース電極 34a 内層 34b 外層 36 電極 36a 内層 36b 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 39/24 ZAA H01L 39/24 ZAAB

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主表面が結晶粒子のc軸に対して略垂直
    に破断された面であり、前記各結晶粒子のc軸が互いに
    略平行になるように配向されている、酸化物超伝導体。
  2. 【請求項2】 誘電体上に形成される、請求項1に記載
    の酸化物超伝導体。
  3. 【請求項3】 誘電体上に金属層が形成され、前記金属
    層上に形成される、請求項1に記載の酸化物超伝導体。
  4. 【請求項4】 金属層上に形成される、請求項1に記載
    の酸化物超伝導体。
  5. 【請求項5】 前記金属層は貴金属からなる、請求項3
    または請求項4に記載の酸化物超伝導体。
  6. 【請求項6】 雲母状の結晶粒子から構成される、請求
    項1ないし請求項5のいずれかに記載の酸化物超伝導
    体。
  7. 【請求項7】 Bi系である、請求項1ないし請求項6
    のいずれかに記載の酸化物超伝導体。
  8. 【請求項8】 Bi系2223相である、請求項7に記
    載の酸化物超伝導体。
  9. 【請求項9】 高周波用デバイスの導電体として用いら
    れる、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の酸化
    物超伝導体。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれかに
    記載の酸化物超伝導体が導電体として用いられる、高周
    波用デバイス。
  11. 【請求項11】 所定形状に形成された酸化物超伝導部
    材を成形と焼成とを繰り返してそれぞれの結晶粒子のc
    軸を互いに略平行に配向し、前記酸化物超伝導部材を前
    記c軸に略垂直な方向に破断する、酸化物超伝導体の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 誘電体上に第1の金属層を形成し、前
    記第1の金属層と第2の金属層との間に前記酸化物超伝
    導部材を形成する工程をさらに備える、請求項11に記
    載の酸化物超伝導体の製造方法。
  13. 【請求項13】 誘電体上に第1の金属層を形成し、前
    記第1の金属層上に第1の酸化物超伝導部材を形成し、
    第2の金属層上に第2の酸化物超伝導部材を形成し、前
    記第1の酸化物超伝導部材と前記第2の酸化物超伝導部
    材とを重畳して前記酸化物超伝導部材を形成する、請求
    項11に記載の酸化物超伝導体の製造方法。
JP9309921A 1997-10-24 1997-10-24 酸化物超伝導体、高周波用デバイス、および酸化物超伝導体の製造方法 Pending JPH11134951A (ja)

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