JPH111332A - 曲げ強化ガラス板の製造方法および製造装置 - Google Patents

曲げ強化ガラス板の製造方法および製造装置

Info

Publication number
JPH111332A
JPH111332A JP15486697A JP15486697A JPH111332A JP H111332 A JPH111332 A JP H111332A JP 15486697 A JP15486697 A JP 15486697A JP 15486697 A JP15486697 A JP 15486697A JP H111332 A JPH111332 A JP H111332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass sheet
glass plate
glass
static pressure
bent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15486697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3898283B2 (ja
Inventor
Hideo Yoshizawa
英夫 吉沢
Toru Futagami
亨 二神
Kazushi Shinozaki
一資 篠崎
Mamoru Takimura
守 瀧村
Takeshi Yabuno
猛 薮野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP15486697A priority Critical patent/JP3898283B2/ja
Priority to US09/088,858 priority patent/US6079227A/en
Priority to EP98304486A priority patent/EP0882681B1/en
Priority to DE69812478T priority patent/DE69812478T2/de
Publication of JPH111332A publication Critical patent/JPH111332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3898283B2 publication Critical patent/JP3898283B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱炉内において成形された形状を急冷装置
内で急冷強化しながら変更することにより、ガラス板の
自重を利用して成形する曲げ強化ガラス板の成形自由度
を向上する。 【解決手段】 急冷装置2内においてガラス板3に吹き
つけられる冷却気体31が排出される排気路を部分的に
絞ることにより、ガラス板表面への気体の静圧に不均一
な分布を与え、この静圧の分布を利用することにより、
高温のガラス板を冷却しながらその形状を変更する。排
気路の絞りは、急冷装置内の所定の区画5において行な
われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲げ強化ガラス板
の製造方法および製造装置に関するものであり、さらに
詳しくは、建築用、自動車用ガラス等として有用な曲げ
強化ガラス板の製造方法および製造装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】建築物、自動車の窓ガラス等として、い
わゆる安全ガラスである強化ガラスが幅広く使用されて
いる。このような強化ガラスの製造方法としては、軟化
温度付近にまで加熱したガラス板に冷却エアを吹きつけ
て急冷し、ガラス板表面に残留圧縮応力層を形成する風
冷強化法が広く実施されている。
【0003】特に自動車用窓ガラスの分野では、自動車
のデザイン、空力特性等の要求から所定の形状に曲げ成
形された曲げガラスへの需要が多い。したがって、風冷
強化法において、加熱され軟化したガラス板には、冷却
エアを吹き付ける前に必要に応じて曲げ成形が施される
ことが多い。ガラス板の曲げ成形の方法としては、トン
グ(吊り具)により吊り下げ加熱軟化したガラス板を一
対の凸型、凹型のプレス型により挟み込んで成形する方
法、加熱炉中を水平搬送してきた軟化したガラス板を水
平姿勢を保持したまま上下プレス型により挟み込んで成
形する方法等が提案され実施されている。
【0004】このような型によるプレスを伴う成形法に
おいては、ガラス板を加熱軟化する工程とガラス板を曲
げ成形する工程とが基本的には別工程とされているが、
これら両工程を同一の工程として実施する方法が提案さ
れている。この方法は、加熱炉中のロール、ベッドなど
のガラス板搬送手段に所定の曲率を付与し、加熱された
ガラス板が自重により徐々に垂れ下がり最終的には前記
曲率を有する曲面を構成するようにしたものである。こ
の曲げガラスは、加熱炉に隣接配置された急冷装置内で
急冷され強化ガラスとされる。この方法は、個々のガラ
ス板についてプレス成形を実施する必要がないという点
では優れた製造方法であり、この特長を活かすべく、従
来から種々の改良が行われ、実用に供されてきた(特公
昭44−14832号公報、特公昭48−5242号公
報、特開平7−237928号公報等)。
【0005】例えば、特開平7−237928号公報に
は、加熱炉から搬出され急冷装置に至るまでのガラス板
の一方の表面に気体を吹きつけて、ガラス板の表面にそ
の軟化点以上の温度域で温度差を与えることにより、意
図的にガラス板両面の収縮率に相違を生じさせる方法が
開示されている。この方法は、ガラス搬送手段の形状に
限られることなくガラス板成形の自由度を向上すること
を目的としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−237928号公報に記載の方法によれば、ガラス
板の急冷装置とは別に、加熱炉と急冷装置との間に新た
に気体吹きつけ手段を備えつけることが必要とされる。
また、気体吹きつけ手段から、基本的には冷却気体より
も高い圧力で気体を吐出させることが必要とされる。し
たがって、従来の装置により簡便に実施し得るとは必ず
しも言い難いものであった。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑み、簡便にガラ
ス板成形の自由度を向上させ得る曲げ強化ガラス板の製
造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の曲げ強化ガラス板の製造方法は、ガラス板
を、加熱炉内を略水平方向に通過させながら加熱すると
ともに前記ガラス板の自重を利用して曲げ成形し、前記
加熱炉に連続して配置した急冷装置内で前記ガラス板の
両面に吹きつける冷却気体により搬送しながら急冷する
曲げ強化ガラス板の製造方法であって、前記急冷装置内
の少なくとも一部の区画において、この区画を通過する
ガラス板の表面の少なくとも一方に、不均一な分布を有
する静圧を付与することにより、曲げ成形されたガラス
板の形状を変更することを特徴とする。
【0009】このような方法とすることにより、ガラス
板の自重を利用して成形を行なう曲げ強化方法における
ガラス板の成形自由度を簡便に向上させることができ
る。本発明の方法は、ガラス板に与えられる気体の「静
圧」に分布を付与するという従来とは異なる方法によ
り、加熱工程においてガラス板搬送手段の形状に沿うよ
うに曲げ成形されたガラス板を、急冷・強化工程におい
て前記搬送手段の形状から部分的または全体的に変更、
調整し得るようにしたという側面を有するものである。
【0010】前記曲げ強化ガラス板の製造方法において
は、前記冷却気体の排気量を部分的に調整することによ
り、前記静圧に前記分布を付与することが好ましい。こ
の好ましい例によれば、冷却気体の供給量、供給圧力等
設備上煩雑な供給側の調整を要することなくガラス板成
形の自由度を向上させることができる。
【0011】前記排気量の部分的な調整は、前記冷却気
体の排気路に設置した排気路絞り手段により実施するこ
とが好ましい。この好ましい例によれば、冷却気体の排
気量の部分的な調整を容易かつ確実に行なうことができ
る。
【0012】また、前記曲げ強化ガラス板の製造方法に
おいては、前記静圧の分布を、ガラス板上下両面のうち
いずれか一方の面にのみ付与してもよく、両面に付与す
ることとしてもよい。そして、ガラス板の両面に付与す
る場合には、ガラス板のいずれか一方の面の静圧の分布
によるガラス板の変形を助長するような分布を有する静
圧を、前記ガラス板の他方の面に付与することが好まし
い。この好ましい例によれば、両面に付与される静圧の
協働作用によりガラス板が変形するから、成形自由度を
さらに向上させることができる。
【0013】一方、前記静圧の分布をいずれか一方の面
にのみ付与する場合には、前記ガラス板の下面に与えら
れる静圧のみに不均一な分布を付与することが好まし
い。ガラス板下方の空間は、通常、ガラス板の自重の影
響によりガラス板上方の空間よりも狭小となるため、ガ
ラス板形状変更に有効な静圧分布を付与しやすいからで
ある。
【0014】また、前記曲げ強化ガラス板の製造方法に
おいては、前記区画の少なくとも一つを前記急冷装置の
ガラス板搬入口近傍に設けることが好ましい。ガラス板
が相対的に高温である区画において静圧の分布を付与す
るほうが、ガラス板の形状を容易に変更できるからであ
る。
【0015】さらに、本発明の曲げ強化ガラス板の製造
方法においては、ガラス板搬送方向についてもガラス板
に曲率を付与することが可能であって、その好ましい例
は、前記曲げ強化ガラス板の製造方法において、1枚の
ガラス板が前記区画を通過する間に前記静圧の分布を変
化させる方法である。この静圧分布の変化は、例えば、
前記排気路絞り手段の遠隔操作により実施することがで
きる。
【0016】また、本発明の曲げ強化ガラス板の製造装
置は、ガラス板を加熱する加熱炉と、前記加熱炉のガラ
ス板搬出口と隣接するガラス板搬入口、ガラス板搬送路
に向けて冷却気体を吐出する冷却気体吹き付け手段、お
よび前記冷却気体を排出する排気路を具備する急冷装置
と、前記加熱炉を通過して前記急冷装置にまでガラス板
を搬送する、ガラス板搬送方向と略垂直方向に曲率を有
するガラス板搬送手段とを備えた曲げ強化ガラス板の製
造装置であって、前記排気路の少なくとも一部に排気路
絞り手段を備えたことを特徴とする。この製造装置によ
れば、冷却気体の排気量を部分的に調整することによ
り、ガラス板の表面に付与される静圧に分布を与えるこ
とができるから、本発明の方法を容易かつ確実に実施す
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照しながら説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の装置の一例を示し
た断面図である。加熱炉1内には、ガラス板の搬送手段
としてエアテーブル11が備えられている。このエアテ
ーブル11は、多数のノズル孔を有し、このノズル孔か
ら吹き出す加熱された空気がガラス板下面に噴出し、ガ
ラス板を支持しながら搬送する。このホットエア12
は、ガラス板を浮上させながら搬送する役割とガラス板
を加熱して軟化させる役割を担っている。曲げ成形され
るガラス板は、軟化点付近(好ましくは歪点以上軟化点
以下)の温度域にまで加熱され、自重によってエアテー
ブルの表面形状に沿い、一定の曲率を有するようにな
る。
【0018】エアテーブル11は、典型的には、ガラス
板搬送方向と垂直方向に曲率を有し、上方に凸となる形
状を有しているが、下方に凸となる形状を有していても
よい。また、ガラス板の搬送手段として、エアテーブル
11に代えてロール等を用いても構わない。
【0019】加熱炉1に隣接して搬送下流側に設置され
ている急冷装置2の内部には、複数のクエンチモジュー
ル21、22が上下からガラス板搬送路に向けて配設さ
れている。これらクエンチモジュール21、22から供
給される冷却気体(典型的には冷却空気)31、32に
より、ガラス板は搬送されながら急冷され強化される。
クエンチモジュール21、22は、図1に示した形状に
限られることなくチューブ状等であってもよい。
【0020】なお、ガラス板の強度を向上させるという
観点から、加熱炉1と急冷装置2とは出来るだけ近接し
て設置されることが好ましい。
【0021】クエンチモジュール21、22から供給さ
れた冷却気体は、主として冷却気体排出路23、24か
ら排出される。冷却気体排出路23、24は、通常は冷
却気体を排出するに十分な容量を備えているが、図1に
示した製造装置においては、冷却気体排出路の一部に排
気路絞り装置4が配置され、この絞り装置4が配置され
た区画5においては冷却気体31の排出が部分的に制限
されるようになっている。冷却気体31の排出が制限さ
れた部分におけるガラス板表面への気体の静圧は増加す
る。
【0022】図2は、排気路絞り装置4が配置された区
画5のガラス搬送路下方側クエンチモジュール21近傍
の断面を部分的に拡大して示す斜視図である。図2に示
したように、冷却気体排出路23への排気導入口とし
て、クエンチモジュール21の間には、ガラス搬送路幅
方向(ガラス搬送方向に対して垂直な水平面方向)に伸
長するスリット状空間が設けられている。排気路絞り装
置4は、排気導入口25下方に近接して配置され、クエ
ンチモジュール21から吐出した冷却気体31の排出を
制限している。なお、絞り装置4は、排気路23のさら
に下流側に設けてもよいが、ガラス板の形状に有効な影
響を与える静圧分布を得るためには、排気導入口25近
傍に配置することが好ましい。
【0023】図3は、排気路絞り装置4が配置された区
画5近傍のガラス搬送路下方側の平面図である(ガラス
板3は図示の容易のため図1よりも搬送上流側に移動さ
せている。図4において同様。)。図3に示したよう
に、排気路絞り装置4は、ガラス搬送路幅方向全幅にわ
たってではなく、その一部(図3の例では中央部)に設
置されており、その部分における冷却気体の排出を制限
している。したがって、この絞り装置4が設置された区
画5を通過するガラス板の下面には、ガラス搬送路幅方
向に不均一な分布を有する(図3の例では、搬送路中央
部近傍で高く同端部で低い分布を有する)静圧が付与さ
れることになる。
【0024】このように、急冷装置内における冷却気体
の排出を部分的に制限することにより、ガラス板の表面
に不均一な分布を有する静圧が付与され、この静圧によ
り、ガラス板の形状を変更することが可能となる。すな
わち、図3に示した絞り装置4の配置例によれば、搬送
路中央部においてガラス板下面への静圧が高くなってこ
の部分のガラス板が上方に持ち上げられるため、上方に
凸となるように曲げ成形されたガラス板であれば、中央
部の曲率が小さくなるように調整することができる。
【0025】排気路絞り装置4の配置は、図3に示した
例に限られることなく、例えば図4に示したように、搬
送されてくるガラス板の端部近傍に設置してもよい。こ
の場合は、ガラス板端部下面の静圧が高くなるため、上
方に凸となるように曲げ成形されたガラス板であれば、
端部の曲率が大きくなるように変形する。
【0026】排気路絞り装置4は、冷却気体の排気路2
3、24中における排気障害物として機能するものであ
れば、材料、形状ともに制限されるものではない。材料
としては、金属材料、樹脂材料、無機材料等各種材料を
適宜用いることができる。形状としても、図1、図2に
示したような断面形状が円形のものに限られず、また棒
状体に限られるものでもなく、板状、塊状、パイプ状等
各種形状を採用することができる。
【0027】なお、絞り装置4は、急冷装置2の搬送路
全長にわたって設置してもよく、搬送路を長さ方向に分
割して設定される区画の少なくとも一つに配置すること
としてもよい。ただし、前述の理由から、図1に示した
如く、少なくとも急冷装置2のガラス板搬入口近傍には
絞り装置4を配置することが好ましい。
【0028】次に、排気路絞り装置4の具体例について
説明する。図5は、ガラス搬送上流側から同下流側を見
たときの急冷装置内ガラス搬送路近傍の断面図であっ
て、排気路絞り装置4の一態様である排気弁41がガラ
ス搬送路の中央部分に設置されている。この排気弁41
は、2つの棒状体42が軸部43を介して接続された構
成を有している。軸部43から両側に翼状に広がる棒状
体42は、軸部43を中心とした回転動作が遠隔操作に
より可能とされていて、この棒状体42の回動により排
気路23の絞りが調節されるようになっている。
【0029】この排気弁41は、軸部43を、図5に示
すようにクエンチモジュール21下部にほぼ当接する位
置に設置することにより、棒状体42の回動による排気
路の絞りが軸部43近傍において最大であり、かつ軸部
43から遠ざかるにつれて徐々に開放されるように作用
させることが可能となる。したがって、軸部43を搬送
路中央部に設置すれば、搬送路両端部へ進むに従って徐
々に絞りが開放されることになる。このような排気弁4
1は、なだらかな静圧分布をガラス板を付与することが
できる点で優れている。また、遠隔操作により棒状体4
2の角度を調整して1枚のガラス板が通過する間に静圧
分布を変化させれば、ガラス板の搬送方向前端部と後端
部において曲率を変化させること、さらには搬送方向に
曲率を付与することが可能となる。
【0030】なお、排気弁41は、図5に示した形状に
限られるものではなく、例えば、棒状体42がクエンチ
モジュール21に沿うように湾曲しながら搬送路幅方向
全幅またはそれ以上に伸長する形状としてもよい。ま
た、棒状体42ではなく、板状体その他の形状を採用し
ても構わない。
【0031】このように、排気路絞り装置4としては、
アーム部と、このアーム部の一端に接続し、アーム部を
回動させて排気路の絞りを調節するための軸部とを備え
た排気弁を好適に用いることができる。
【0032】排気路の絞りは、例えば、排気路導入口2
5の一部に冷却気体の流出を阻害する「詰め物」をする
ことによっても実施できる。すなわち、搬送路幅方向の
一部の排気口に「詰め物」をすることにより、前述の排
気弁41と同様に、ガラス板に不均一な静圧分布を付与
することができる。この方法は、特に排気路の絞りを変
化させる必要がない場合に簡便で好ましい。この場合の
詰め物としては、特に限定されるものではないが、ゴム
チューブ、ロール状のガラスクロス等を好適に用いるこ
とができる。
【0033】(第2の実施形態)次に、ガラス板の両面
に静圧分布を付与する場合の実施形態について説明す
る。
【0034】図6は、図5と同様、搬送路上流側から同
下流側に向かって見た急冷装置2のガラス搬送路近傍の
断面図である。搬送路は幅方向に3つの領域に区分され
(図6における左端部61a,62a、中央部62a,
62b、右端部61c,62c)、これらの領域におけ
る静圧は、前述の排気路絞り装置により、各々の領域に
おいて、また、ガラス板の各々の面において個別に調整
することができるようになっている。
【0035】ガラス板両面の静圧に分布を付与する場合
には、両面における静圧分布の関係を適切に調整するこ
とが好ましい。具体的には、例えば、上方に凸となるよ
うに成形したガラス板をさらに深く曲げたい場合には、
ガラス中央部下面61b、ガラス両端部上面62a,6
2cに相当する部分の静圧を高くすると、上面、下面の
静圧分布の作用が相俟って、効果的に所望の形状を得る
ことができる。一方、上方に凸となるように成形したガ
ラス板の曲率を緩和して曲げを浅くしたい場合には、中
央部上面62b、ガラス両端部下面61a,61cに相
当する部分の静圧を高くすればよい。
【0036】ガラス板両面の静圧に分布を付与する方法
は、ガラス板の一方の表面のみへの静圧付与による場合
よりも成形自由度が高く、また、大きく形状を変更する
場合のガラス板の搬送安定性の点でも優れていて好まし
い。
【0037】以上説明した本発明の実施形態において注
意すべき点は、静圧の部分的な上昇によるガラス板急冷
の緩和である。したがって、ガラス板の厚さ、予定の強
度等により定まる必要な冷却の熱伝達率を満たすよう
に、静圧のコントロールを行なうことが好ましい。
【0038】
【実施例】次に、本発明の方法により曲げ強化ガラス板
の形状を変更した具体例について説明する。
【0039】(実施例1)厚さ3.1mmで500mm
×600mmの長方形の緑色のガラス板を、長さ500
mmの短辺がガラス搬送路幅方向となるように、図10
に示したような、従来から用いられてきたガラス板曲げ
強化装置に供給したところ、1300mmの均一な曲率
を有する上方に凸となった曲げ強化ガラス板が得られ
た。この曲率は、加熱炉のガラス搬出口近傍のエアテー
ブル、および急冷装置内のガラス搬送路に付与された曲
率と同じである。
【0040】次に、ガラス板の曲率を部分的に変更する
べく、図5に示したと同様に、急冷装置内に搬送路下方
中央に排気弁41を設置した。この排気弁41の搬送路
幅方向の長さ(図5における41a)は、ガラス板幅長
さ(図5における3a)の20%に相当する100mm
とし、中央部から両端部へと進むにつれて排気の絞りが
緩和されるように棒状体42の位置を定めた。また、排
気弁は、図3に示したと同様に、急冷装置の排気導入口
25の搬送最上流側1列から4列までに配置した。
【0041】このようにして、上記と同じガラス板を装
置に供給したところ、エッジ部の曲率が1300mmで
あって、中央部の曲率が1100mmの曲げ強化ガラス
板を得ることができた。得られたガラスは、図8に示す
ように、排気量をコントロールした部分(中央部)のみ
の曲率が変化しているのではなく、全体になだらかに曲
率が変化しているものであった。
【0042】(実施例2)図7に示したように、排気弁
41を、搬送路下部両端部に、排気弁のほぼ半分の長さ
(約50mm)がガラス板3の通過範囲と重なるように
配置した。また、排気弁41は、図4に示したと同様
に、急冷装置の排気導入口25搬送最上流側1列から6
列までには設置した。それ以外は実施例1と同様にして
ガラス板を装置に供給したところ、エッジ部の曲率が1
500mmであって、中央部の曲率が1300mmの曲
げ強化ガラス板を得ることができた。このガラス板も、
図9に示したように曲率がなだらかに変化しているもの
であった。
【0043】(実施例3)実施例1と同様に排気弁41
を配置し、遠隔操作により、この排気弁41の絞りを1
枚のガラス板が通過する間に変化させたところ、排気路
を絞ったところではガラス中央部の曲率が小さくなり、
排気路を開放したところではガラス板の曲率がほぼ均一
となった3次元的に曲げられたガラス板を得ることがで
きた。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の曲げ強化
ガラス板の製造方法によると、ガラス自重を利用して曲
げ成形する曲げ強化ガラス板の製造方法における成形自
由度を簡便な手段により容易に向上させることができ
る。また、本発明の曲げ強化ガラス板の製造装置は、本
発明の方法の実施に好適な装置である。特に、本発明の
製造方法および製造装置は、形状は基本的に類似してい
るが部分的に曲率が相違する曲げ強化ガラス板の連続的
生産に極めて適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造装置の一例を示す断面図であ
る。
【図2】 本発明の製造装置に用いるクエンチモジュー
ル部分の一例を示す断面斜視図である。
【図3】 本発明の製造装置に用いられるエアテーブル
およびクエンチモジュール部分の一例を示す平面図であ
る。
【図4】 本発明の製造装置に用いられるエアテーブル
およびクエンチモジュール部分の別の一例を示す平面図
である。
【図5】 本発明の製造装置に用いられる急冷装置内の
ガラス搬送路部分の一例を示す断面図である。
【図6】 本発明の製造装置に用いられる急冷装置内の
ガラス搬送路部分の一例を搬送路の区分とともに断面図
である。
【図7】 本発明の製造装置に用いられる急冷装置内の
ガラス搬送路部分の別の一例を示す断面図である。
【図8】 実施例1により製造した曲げ強化ガラス板の
斜視図である。
【図9】 実施例2により製造した曲げ強化ガラス板の
斜視図である。
【図10】 従来用いられてきた曲げ強化装置の断面図
である。
【符号の説明】
1 加熱炉 2 急冷装置 3 ガラス板 4 排気路絞り装置 5 排気路絞り装置配置区画 11 エアテーブル 12 ホットエア 21、22 クエンチモジュール 23、24 冷却気体排出路 25 排気導入口 31、32 冷却気体 41 排気弁 42 棒状体 43 軸部 61a,61b,61c ガラス板下面の各領域 62a,62b,62c ガラス板上面の各領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧村 守 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 薮野 猛 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板を、加熱炉内を略水平方向に通
    過させながら加熱するとともに前記ガラス板の自重を利
    用して曲げ成形し、前記加熱炉に連続して配置した急冷
    装置内で前記ガラス板の両面に吹きつける冷却気体によ
    り搬送しながら急冷する曲げ強化ガラス板の製造方法で
    あって、前記急冷装置内の少なくとも一部の区画におい
    て、この区画を通過するガラス板の表面の少なくとも一
    方に、不均一な分布を有する静圧を付与することによ
    り、曲げ成形されたガラス板の形状を変更することを特
    徴とする曲げ強化ガラス板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却気体の排気量を部分的に調整す
    ることにより、前記静圧に前記分布を付与する請求項1
    に記載の曲げ強化ガラス板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却気体の排気路に設置した排気路
    絞り手段により、前記排気量を部分的に調整する請求項
    2に記載の曲げ強化ガラス板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ガラス板のいずれか一方の面の静圧
    の分布によるガラス板の変形を助長するような分布を有
    する静圧を、前記ガラス板の他方の面に付与する請求項
    1〜3のいずれかに記載の曲げ強化ガラス板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記ガラス板の下面に与えられる静圧の
    みに不均一な分布を付与する請求項1〜3のいずれかに
    記載の曲げ強化ガラス板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記区画の少なくとも一つを前記急冷装
    置のガラス板搬入口近傍に設ける請求項1〜5のいずれ
    かに記載の曲げ強化ガラス板の製造方法。
  7. 【請求項7】 1枚のガラス板が前記区画を通過する間
    に前記静圧の分布を変化させる請求項1〜6のいずれか
    に記載の曲げ強化ガラス板の製造方法。
  8. 【請求項8】 ガラス板を加熱する加熱炉と、 前記加熱炉のガラス板搬出口と隣接するガラス板搬入
    口、ガラス板搬送路に向けて冷却気体を吐出する冷却気
    体吹き付け手段、および前記冷却気体を排出する排気路
    を具備する急冷装置と、 前記加熱炉を通過して前記急冷装置にまでガラス板を搬
    送する、ガラス板搬送方向と略垂直方向に曲率を有する
    ガラス板搬送手段とを備えた曲げ強化ガラス板の製造装
    置であって、 前記排気路の少なくとも一部に排気路絞り手段を配置し
    たことを特徴とする曲げ強化ガラス板の製造装置。
JP15486697A 1997-06-05 1997-06-12 曲げ強化ガラス板の製造方法および製造装置 Expired - Fee Related JP3898283B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15486697A JP3898283B2 (ja) 1997-06-12 1997-06-12 曲げ強化ガラス板の製造方法および製造装置
US09/088,858 US6079227A (en) 1997-06-05 1998-06-02 Method for manufacturing bent and tempered glass sheet and apparatus for manufacturing the same
EP98304486A EP0882681B1 (en) 1997-06-05 1998-06-05 Method for manufacturing bent and tempered glass sheets and apparatus for manufacturing the same
DE69812478T DE69812478T2 (de) 1997-06-05 1998-06-05 Verfahren zum herstellen von gebogenen und gehärteten Glassscheiben und Vorrichtung zu Ihrer Herstellung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15486697A JP3898283B2 (ja) 1997-06-12 1997-06-12 曲げ強化ガラス板の製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH111332A true JPH111332A (ja) 1999-01-06
JP3898283B2 JP3898283B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=15593640

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15486697A Expired - Fee Related JP3898283B2 (ja) 1997-06-05 1997-06-12 曲げ強化ガラス板の製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3898283B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005343719A (ja) * 2004-06-01 2005-12-15 Nippon Sheet Glass Co Ltd 彎曲ガラス板
JP2014511822A (ja) * 2011-04-18 2014-05-19 リゼツク・オーストリア・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング ガラスを焼き戻すための方法と装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005343719A (ja) * 2004-06-01 2005-12-15 Nippon Sheet Glass Co Ltd 彎曲ガラス板
JP4557606B2 (ja) * 2004-06-01 2010-10-06 日本板硝子株式会社 彎曲ガラス板
JP2014511822A (ja) * 2011-04-18 2014-05-19 リゼツク・オーストリア・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング ガラスを焼き戻すための方法と装置
US9221708B2 (en) 2011-04-18 2015-12-29 Lisec Austria Gmbh Method and device for tempering glass

Also Published As

Publication number Publication date
JP3898283B2 (ja) 2007-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0882681B1 (en) Method for manufacturing bent and tempered glass sheets and apparatus for manufacturing the same
US11130698B2 (en) Glass sheet forming and annealing system providing edge stress control
JP3718532B2 (ja) 板ガラスを曲げる方法及び装置
CN101535192B (zh) 用于淬火成形的玻璃板的方法和装置
US3342573A (en) Method of heat treating glass sheets on a gaseous support bed
US3293015A (en) Method and apparatus for tempering glass sheets on a gas support bed
JP3427357B2 (ja) 板ガラスの曲げ加工方法及び装置
US10590021B2 (en) Apparatus and method for shaping or forming heated glass sheets
JP2003523916A (ja) ガラス移送システム
JP3253312B2 (ja) 板ガラスを複雑な形状に曲げ成形する方法とその装置
CA1326136C (en) Apparatus and method for tempering glass sheets
US5951734A (en) Semi-convective forced air system for tempering low E coated glass
JPS61106432A (ja) 水平位置でガラスプレ−トを湾曲する方法と装置
US6513348B2 (en) Quench station and method for quenching formed glass sheets
US4871385A (en) Process and device for cooling of sheets of bent glass so as to produce edge stresses
US4711655A (en) Adjustable quench for tempering a glass sheet
JPS59232926A (ja) 真空ホルダ
JPH10338532A (ja) 強化ガラス板の製造方法および製造装置
JPH111332A (ja) 曲げ強化ガラス板の製造方法および製造装置
US3341313A (en) Method and apparatus for bending and tempering glass sheets vertically supported with fluid pressure
JP2002316828A (ja) 複合曲げガラス板の成形方法及び成形装置
CN207159284U (zh) 改善硅钢板形的水喷淋冷却装置
US4311507A (en) Special entrance slit module and method for quenching glass sheets
CN112876048B (zh) 一种半钢化玻璃成型方法及成型辅助机构
JPH10338533A (ja) 曲げ強化ガラス板の製造方法および製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040423

A977 Report on retrieval

Effective date: 20061023

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20061218

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20061221

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees