JPH11132125A - 燃料ポンプ装置 - Google Patents

燃料ポンプ装置

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JPH11132125A
JPH11132125A JP31002497A JP31002497A JPH11132125A JP H11132125 A JPH11132125 A JP H11132125A JP 31002497 A JP31002497 A JP 31002497A JP 31002497 A JP31002497 A JP 31002497A JP H11132125 A JPH11132125 A JP H11132125A
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strainer
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chamber
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Kaoru Isomura
薫 磯村
Masahiko Kikuchi
政彦 菊地
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂製の燃料ストレーナを備えた燃料ポ
ンプ装置において、雰囲気温度の上昇時にあっても安定
した濾過性能を得る。 【構成】 燃料ストレーナ20は、合成樹脂材料によっ
て形成され、円筒挿入部20Cとストレーナ部20Dと
を備える。円筒挿入部20Cの下端に、係合突部20G
を備えた係合腕部20Eが一体的に設けられ、係合腕部
20Eの係合突部20Gを、燃料ポンプ本体1に穿設さ
れた係合孔C内に係合配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンク内の燃料を
気化器等の消費部に向けて給送する燃料ポンプ装置に関
するもので、その内、ポンプ装置内に燃料ストレーナを
備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】内部に燃料ストレーナを備えた燃料ポン
プ装置は特願平8−283261号に示される。かかる
燃料ポンプ装置において、燃料ストレーナは、上方に底
部を有し、下方が開口する有底円筒形状をなし、下方に
円筒部を有し、円筒部に連設する上方の側部に開口部を
有し、該開口部に濾過部材としての網が張設される。こ
の燃料ストレーナは、合成樹脂材料を射出成形すること
によって形成されるもので、これは材料費の低減、製作
費の低減及び燃料に対する耐触性の向上、更に燃料ポン
プ装置の重量軽減の点より選択される。
【0003】一方、燃料ポンプ本体には、燃料流入室凹
部が穿設されるもので、この燃料流入室凹部の上方の開
口部は燃料ポンプ本体の対向面に開口し、下方は、小径
筒状凹部を介して燃料流入路に連絡される。
【0004】そして、前記燃料ストレーナは、上方の開
口部を介して燃料流入室凹部内に配置されるもので、こ
のときその下方の円筒部が前記燃料流入室凹部の小径筒
状凹部に軽圧入状態で挿入される。この軽圧入状態と
は、燃料ストレーナに対して開口部に向かう上方向の引
上げ力を加えた際、燃料ストレーナを小径筒状凹部より
容易に引抜くことのできる状態であって、これによって
燃料ストレーナの交換あるいは清掃を容易に行なう為で
ある。
【0005】又、他の方法としては、燃料ストレーナの
円筒部の外周にオネジを形成するとともに小径筒状凹部
の内壁にメネジを形成し、燃料ストレーナを回転するこ
とによって燃料ストレーナを燃料ポンプ本体に螺着して
固定するものがある。これによれば燃料ストレーナを逆
回転することによって燃料ストレーナを燃料ポンプ本体
より取り外すことができ、前記ストレーナの交換及び清
掃を可能としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の燃料スト
レーナを備えた燃料ポンプ装置を、雰囲気温度の高温度
状態に配置した場合、振動の加わる環境下に配置した場
合、燃料ストレーナによる良好な燃料の濾過性能を発揮
できないことがある。これは、燃料フィルターが合成樹
脂材料によって形成され、合成樹脂材料のクリープによ
って燃料フィルターの円筒部と小径筒状凹部の適正な圧
入代を確保することが困難となり、燃料フィルターの、
円筒部が小径筒状凹部より脱落する恐れがあること。
【0007】又、燃料ストレーナを燃料ポンプ本体に螺
着する方法を用いた場合にあっても、前記と同様にネジ
の掛り代が減少し、ネジのユルミによる燃料ストレーナ
の脱落を完全に抑止することは困難である。尚、ネジに
よる螺着方法を用いた場合、オネジ及びメネジの形成に
費用がかかり、安価な燃料ポンプを提供する上で好まし
いものでない。
【0008】本発明になる燃料ポンプ装置は、前記不具
合に鑑み成されたもので、内部に合成樹脂製の燃料スト
レーナを備えた燃料ポンプ装置において、特に雰囲気温
度の高い状態、振動の加わる状態、に前記燃料ポンプ装
置を配置した際において、燃料ストレーナを確実に燃料
ポンプ本体に固定配置することができて、安定した濾過
性能を長期間に渡って保証することのできる燃料ポンプ
装置を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明になる燃料ポンプ装
置は前記課題を達成する為に、燃料ポンプの内部に配置
され、燃料ポンプ内を流れる燃料中に含まれる異物を除
去する燃料ストレーナであって、該燃料ストレーナは、
合成樹脂材料にて形成されるとともに燃料ポンプ本体に
穿設されるストレーナ支持孔内に挿入される円筒挿入部
と、円筒挿入部に連なるストレーナ部とを備え、該円筒
挿入部に、燃料ポンプ本体に穿設される係合孔に弾性的
に係合される係合腕部を一体的に設け、前記係合腕部を
係合孔に係合することによって燃料ストレーナを燃料ポ
ンプに係止したことを第1の特徴とする。
【0010】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前
記係合孔を、燃料ポンプ本体に形成される燃料流路とし
たことを第2の特徴とする。
【0011】又、本発明は、前記第1の特徴に加え、前
記、円筒挿入部に位置決め突部を設けるとともにストレ
ーナ支持孔に位置決め突部を挿入しうる位置決め溝を設
け、燃料ストレーナの位置決め突部を、燃料ポンプ本体
の位置決め溝内へ挿入することによって燃料ストレーナ
をストレーナ支持孔内の一定位置に配置したことを第3
の特徴とする。
【0012】更に、本発明は前記第1の特徴に加え、前
記位置決め突部は円筒挿入部の上方に形成されるととも
に前記係合腕部は円筒挿入部の下方に形成され、さらに
円筒挿入部の中間に環状弾性部材が配置され、ストレー
ナ支持孔と円筒挿入部とを環状弾性部材にてシールした
ことを第4の特徴とする。
【0013】
【作用】第1の特徴によると、燃料ストレーナを燃料ポ
ンプ本体のストレーナ支持孔内へ挿入すると、円筒挿入
部に一体的に形成された係合腕部が係合孔に弾性的に係
合される。而して、温度上昇時、振動発生時において、
燃料ストレーナがストレーナ支持孔より脱落することが
なく、燃料ストレーナを安定して燃料ポンプ内に固定配
置できる。
【0014】第2の特徴によると、係合孔を格別に設け
ることなく、燃料ポンプ内に形成される燃料流入路、燃
料リターン通路等を利用したので、燃料ポンプ装置の製
造コストの低減を達成できる。
【0015】第3の特徴によると、円筒挿入部に設けた
位置決め突部を燃料ポンプ本体に設けた位置決め溝内へ
挿入することによって、燃料ストレーナのストレーナ支
持孔内における回転を抑止できて一定位置に配置できる
とともに係合腕部の係合孔に対する装着性を向上でき
る。
【0016】更に、第4の特徴によると、円筒挿入部が
クリープすることによって、円筒挿入部とストレーナ支
持孔との間に微少なる間隙が存在した場合にあっても、
当該間隙におけるシール性を確保できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明になる燃料ポンプ装置の一実施
例について説明する。図1は、燃料ポンプ装置の縦断面
図、図2は燃料ポンプ本体に燃料ストレーナを装着した
状態を示す要部拡大図、図3は図2の上部平面図であ
る。1は燃料ポンプ本体であって、図において上方に平
坦面をなす対向面1Aが形成され、この燃料ポンプ本体
1には、以下に述べる凹部及び流路が形成される。2は
ポンプ本体1の略中央に凹設される有底凹部をなすポン
プ室凹部であって、燃料ポンプ本体1の対向面1Aに開
口する。3は燃料ポンプ本体1の図において右方に凹設
される燃料流入室凹部であって、その上方の開口部3A
は燃料ポンプ本体1の対向面1Aに開口する。そして、
この燃料流入室凹部3の底部より、下方に向かって横断
面が円形状をなすストレーナ支持孔4が連設される。こ
のストレーナ支持孔4は燃料流入室凹部3より小径をな
す。
【0018】Aは図示せぬ燃料タンクと接続される燃料
流入ジョイントであり、この燃料流入ジョイントAとポ
ンプ室凹部2とは、ストレーナ支持孔4、燃料流入室凹
部3を含む燃料流入路5によって連絡される。この燃料
流入路5は、燃料の流れ方向において、もっとも上流側
に第1燃料流入路5Aが形成され、中間に第2燃料流入
路5Bが形成され、もっとも下流側に第3燃料流入路5
Cが形成される。前記、第1燃料流入路5Aの上流は燃
料流入ジョイントAに連なり、下流は燃料流入室凹部3
に連なるストレーナ支持孔4の底部に開口して連絡され
る。第2燃料流入路5Bの上流は燃料流入室凹部3に開
口し、下流はポンプ本体1の対向面1Aに開口する。
又、第3燃料流入路5Cの上流は、ポンプ本体1の対向
面1Aに開口し、下流はポンプ室凹部2に開口する。す
なわち、燃料流入ジョイントAとポンプ室凹部2とは、
第1燃料流入路5A−ストレーナ支持孔4−燃料流入室
凹部3−第2燃料流入路5B−ポンプ本体1の対向面1
A−第3燃料流入路5Cを介して連絡される。
【0019】Bは図示せぬ気化器と接続される燃料吐出
ジョイントであり、この燃料吐出ジョイントBとポンプ
室凹部2とは、燃料ポンプ本体1の対向面1Aにその上
方の開口部7Aが開口する燃料吐出室凹部7を介して燃
料吐出路8にて連絡される。この燃料吐出路8は、燃料
の流れ方向において、もっとも上流側に第1燃料吐出路
8Aが形成され、中間に第2燃料吐出路8Bが形成さ
れ、もっとも下流側に第3燃料吐出路8Cが形成され
る。第1燃料吐出路8Aの上流はポンプ室凹部2に開口
し、下流は燃料ポンプ本体1の対向面1Aに開口する。
第2燃料吐出路8Bの上流は、燃料ポンプ本体1の対向
面1Aに開口し、下流は燃料吐出室凹部7に開口する。
そして第3燃料吐出路8Cの上流は、燃料吐出室凹部7
に開口し、下流は燃料吐出ジョイントBに連なる。すな
わち、ポンプ室凹部2と燃料吐出ジョイントBとは、第
1燃料吐出路8A−燃料ポンプ本体1の対向面1A−第
2燃料吐出路8B−燃料吐出室凹部7−第3燃料吐出路
8Cを介して連絡される。
【0020】9は、例えばゴム材料よりなる平板状の第
1パッキンであり、燃料ポンプ本体1の対向面1A上に
配置される。この第1パッキン9は、燃料流入室凹部3
の開口部3Aを閉塞する第1閉塞部9Aと、燃料ポンプ
本体1の対向面1Aに開口する第2燃料流入路5Bの下
流の開口に臨む開口9Bと、燃料ポンプ本体1の対向面
1Aに開口する第1燃料吐出路8Aの下流の開口に臨む
開口9Cと、燃料吐出室凹部7の開口部7Aを閉塞する
第2閉塞部9Dとを備える。この第1パッキン9は、燃
料ポンプ本体1の対向面1Aに開口する第3燃料流入路
5Cの上流の開口、ポンプ室凹部2の燃料ポンプ本体1
の対向面1Aへの開口、燃料ポンプ本体1の対向面1A
に開口する第2燃料吐出路8Bの上流の開口を閉塞する
ものでない。
【0021】10は、第1パッキン9上に配置される薄
板合成樹脂材料、薄板金属材料等によって形成されるダ
イヤフラムである。このダイヤフラム10は、第1パッ
キン9の開口9Bを開閉制御する吸入側逆止弁10A
と、燃料ポンプ本体1の対向面1Aに開口するポンプ室
凹部2を閉塞するポンプダイヤフラム10Bと、第1パ
ッキン9の開口9Cを開閉制御する吐出側逆止弁10C
とを備える。前記吸入側逆止弁10A、吐出側逆止弁1
0Cは舌片状をなし、その基部が挟持されて固定され、
先端が自由に移動し前記開口9B,9Cを開閉する。
【0022】11はダイヤフラム10上に配置される例
えばゴム材料よりなる平板状の第2パッキンである。こ
の第2パッキン11は、燃料ポンプ本体1の対向面1A
に開口する、燃料流入室凹部3の開口部3A、第2燃料
流入路5Bの下流の開口、第3燃料流入路5Cの上流の
開口、ポンプ室凹部2の開口、第1燃料吐出路8Aの下
流の開口、第2燃料吐出路8Bの上流の開口、及び燃料
吐出室凹部7の開口部7Aをその投影面において閉塞す
ることのないよう配置される。
【0023】12は、その下方にポンプ本体1の対向面
1Aに対接する対向面12Aが形成されたカバーであ
り、対向面12Aには以下が凹設される。すなわち13
は、燃料ポンプ本体1の燃料流入室凹部3の開口部3A
に臨んで凹設された第1レギュレータ凹部である。14
は、吸入側逆止弁10A及びポンプ本体1の対向面1A
に開口する第3燃料流入路5Cの上流の開口に臨んで凹
設された第1燃料凹部である。吸入側逆止弁10Aは、
この第1燃料凹部14内において、基部が固定され、先
端の移動が許容される。15は、ポンプ本体1のポンプ
室凹部2に臨んで凹設された、脈動圧室凹部であり、こ
の脈動圧室凹部15には脈動圧導入路15Aが開口す
る。16は吐出側逆止弁10C及びポンプ本体1の対向
面1Aに開口する第2燃料吐出路8Bの上流の開口に臨
んで凹設された第2燃料凹部である。吐出側逆止弁10
Cは、この第2燃料凹部16内において基部が固定さ
れ、先端の移動が許容される。17は、ポンプ本体1の
燃料吐出室凹部7の開口部7Aに臨んで凹設された第2
レギュレータ凹部である。上記、第1レギュレータ凹部
13、第1燃料凹部14、脈動圧室凹部15、第2燃料
凹部16、第2レギュレータ室凹部17は、カバー12
の対向面12Aにてそれぞれ区分される。
【0024】20は燃料ストレーナであって以下により
形成される。燃料ストレーナ20は合成樹脂材料によっ
て形成され、その上方に底部20Aを有し、下方が開口
20Bを介して開口する筒状をなす。前記燃料ストレー
ナ20は、下方にストレーナ支持孔4内に挿入される円
筒状をなす円筒挿入部20Cと、円筒挿入部20Cから
上方の底部20Aに向かう開口部に張設された網等の濾
過部材よりなるストレーナ部20Dと、を備える。
(尚、前記挿入とは軽圧入状態を含む) そして、この燃料ストレーナ20には、係合腕部20E
が一体的に形成される。前記係合腕部20Eは、円筒挿
入部20Cの下端より、下方に向かって脚部20Fが延
び、更に脚部20Fの下端より外側方に向かって係止突
部20Gが突出して形成される。この脚部20F、係合
突部20Gよりなる係合腕部20Eは、燃料ストレーナ
20を合成樹脂材料にて射出成形する際、一体的に形成
される。以上によれば、係合腕部20Eは、円筒挿入部
20Cの下端を固定端として弾性力を有する。
【0025】以上の構成よりなる各部材は、以下の如く
組みつけられて燃料ポンプ装置を形成する。燃料ポンプ
本体1の対向面1Aに開口する燃料流入室凹部3の開口
部3Aを介して燃料ストレーナ20が燃料流入室凹部3
内へ配置される。具体的には、燃料ストレーナ20の円
筒挿入部20Cがストレーナ支持孔4内に挿入して配置
される。かかる挿入時において、係合腕部20Eの係合
突部20Gはストレーナ支持孔4に沿って内方に向かっ
て弾性的に押圧変形されつつ挿入され、係合腕部20E
の係合突部20Gが第1燃料流入路5Aに臨むと、開口
すると、係合腕部20Eに対するストレーナ支持孔4の
弾性押圧力が解除されるので、係合腕部20Eの係合突
部20Gは、脚部20Fの有する弾性力によって、再び
外側方に向かって復帰し、この係合突部20Gは係合孔
Cとしての第1燃料流入路5Aの側壁に係合される。
【0026】一方、ストレーナ部20Dは燃料流入室凹
部3内に臨んで配置されるもので、ストレーナ部20D
と燃料流入室凹部3との間に環状の間隙が形成され、燃
料ストレーナ20の開口20Bは第1燃料流入路5Aの
下方に臨んで開口配置される。
【0027】次いで燃料ポンプ本体1の対向面1A上に
第1パッキン9、ダイヤフラム10、第2パッキン1
1、カバー12の対向面12Aを積層して配置し、この
状態において、カバー12の対向面12Aをポンプ本体
1の対向面1A上にビス21によって螺着する。以上に
よると、燃料ポンプ本体1の対向面1Aとカバー12の
対向面12Aとの間には、第1パッキン9、ダイヤフラ
ム10、第2パッキン11が挟持され、以下の室及び流
路が形成される。
【0028】すなわち、燃料流入室凹部3の燃料ポンプ
本体1の対向面1Aへの開口部3Aは、第1パッキン9
の第1閉塞部9Aによって閉塞され、閉塞された燃料流
入室Fが形成され、この燃料流入室Fに燃料ストレーナ
20が配置される。一方、カバー12の第1レギュレー
タ凹部13は第1パッキン9の第1閉塞部9Aによって
閉塞され、閉塞された第1レギュレータ室R1が形成さ
れる。上記燃料流入室Fと第1レギュレータ室R1とは
第1パッキン9の第1閉塞部9Aの表裏に対向して形成
される。
【0029】第1燃料凹部14のカバー12の対向面1
2Aへの開口は、燃料ポンプ本体1の対向面1Aによっ
て閉塞され、第2燃料流入路5Bの下流は、第1パッキ
ン9の開口9Bを介して第1燃料凹部14内に開口し、
この開口9Bは、ダイヤフラム10に形成された吸入側
逆止弁10Aによって開閉される。又、第3燃料流入路
5Cの上流は、燃料ポンプ本体1の対向面1Aを介して
第1燃料凹部14内に開口する。
【0030】ポンプ室凹部2の燃料ポンプ本体1の対向
面1Aへの開口は、ダイヤフラム10のポンプダイヤフ
ラム10Bによって閉塞され、ポンプ室Pを形成し、一
方脈動圧室凹部15のカバー12の対向面12Aへの開
口は、ポンプダイヤフラム10Bによって閉塞され、脈
動圧室Dを形成する。このポンプ室Pと脈動圧室Dとは
ダイヤフラム10のポンプダイヤフラム10Bの表裏に
対向して形成される。
【0031】第2燃料凹部16のカバー12の対向面1
2Aへの開口は、ポンプ本体1の対向面1Aによって閉
塞され、第1燃料吐出路8Aの下流は、第1パッキン9
の開口9Cを介して第2燃料凹部16内に開口し、この
開口9Cは、ダイヤフラム10に形成された吐出側逆止
弁10Cによって開閉される。又、第2燃料吐出路8B
の上流は、ポンプ本体1の対向面1Aを介して第2燃料
凹部16内に開口する。
【0032】更に、燃料吐出室凹部7のポンプ本体1の
対向面1Aへの開口部7Aは、第1パッキン9の第2閉
塞部9Dによって閉塞され、閉塞された燃料吐出室Gが
形成され、一方カバー12の第2レギュレータ凹部17
は第1パッキン9の第2閉塞部9Dによって閉塞され、
閉塞された第2レギュレータ室R2が形成される。上記
燃料吐出室Gと第2レギュレータ室R2とは第1パッキ
ン9の第2閉塞部9Dの表裏に対向して形成される。
【0033】以上からすると、燃料流入ジョイントA内
に流入する燃料は以下の経路を通って燃料吐出ジョイン
トBに達する。すなわち、燃料流入ジョイントA−第1
燃料流入路5A−燃料ストレーナ20−燃料流入室F−
第2燃料流入路5B−吸入側逆止弁10A−第1燃料凹
部14−第3燃料流入路5C−ポンプ室P−第1燃料吐
出路8A−吐出側逆止弁10C−第2燃料凹部16−第
2燃料吐出路8B−燃料吐出室G−第3燃料吐出路8C
−燃料吐出ジョイントBの経路を通る。
【0034】以上の燃料ポンプは、車輌等に搭載される
もので、燃料流入ジョイントAは図示せぬ第1燃料配管
を介して燃料タンクに接続され、燃料吐出ジョイントB
は図示されぬ第2燃料配管を介して機関に装着された気
化器の燃料流路に接続される。又、脈動圧導入路15A
は図示されぬ機関の吸気管に接続され、機関に生起する
脈動圧が脈動圧室D内に導入される。
【0035】そして、ダイヤフラム式燃料ポンプは以下
の如く駆動されてポンプ作用をなす。機関が運転されて
吸気管内に脈動圧が生起すると、この脈動圧は脈動圧導
入路15Aを介して脈動圧室D内へ作用し、ポンプダイ
ヤフラム10Bを脈動圧に応じて往復動させる。これに
よると、ポンプ室P内にあってはポンプ室P内の室容積
が増減するもので、ポンプ室Pの容積増加時においてポ
ンプ室P内の圧力は低下し、ポンプ室Pの容積減少時に
おいてポンプ室P内の圧力は上昇する。そして、前記ポ
ンプ室P内の圧力変化は、脈動圧室D内に脈動圧が作用
する間において、継続して行なわれる。
【0036】そして、脈動圧室D内に導入された脈動圧
によってポンプダイヤフラム10Bが図において上動
し、ポンプ室P内の圧力が低下すると、この低下した圧
力は第1燃料吐出路8Aを介して吐出側逆止弁10Cに
作用し、吐出側逆止弁10Cは開口9Cを閉塞して第1
燃料吐出路8Aを閉塞状態に保持する。一方、ポンプ室
P内の低下した圧力は、第3燃料流入路5Cを介して第
1燃料凹部14内へ導入され、吸入側逆止弁10Aは、
第2燃料流入路5Bに連なる開口9Bを開放する。以上
によると、ポンプ室P内の低下した圧力は、第3燃料流
入路5C−第1燃料凹部14−第2燃料流入路5B−燃
料流入室F−第1燃料流入路5A−燃料流入ジョイント
−図示されない第1燃料配管を介して燃料タンクへ作用
する。従って、燃料タンク内に貯溜される燃料は、図示
されぬ第1燃料配管−燃料ジョイント−第1燃料流入路
5A−燃料ストレーナ20を備えた燃料流入室F−第2
燃料流入路5B−開口9B−第1燃料凹部14−第3燃
料流入路5Cを介してポンプ室P内に吸入される。
【0037】次いで、脈動圧室D内に導入された脈動圧
によってポンプダイヤフラム10Bが図において下動す
ると、前記においてポンプ室P内に吸入された燃料は加
圧されるもので、ポンプ室P内の加圧された燃料の圧力
は、第3燃料流入路5Cを介して第1燃料凹部14内へ
作用し、吸入側逆止弁10Aは、この上昇した燃料圧力
を受けて第2燃料流入路5Aに連なる開口9Bを閉塞す
る。一方、ポンプ室P内の加圧された燃料は、第1燃料
吐出路8Aを介して開口9Cに作用するもので、吐出側
逆止弁10Cは開口9Cを開放する。以上によると、ポ
ンプ室P内の加圧された燃料は、第1燃料吐出路8A−
開口9C−第2燃料凹部16−第2燃料吐出路8B−燃
料吐出室G−第3燃料吐出路8C−燃料吐出ジョイント
Bに達し、図示されぬ第2燃料配管を介して気化器へ供
給される。そして、機関の運転時において継続して脈動
圧が脈動圧室D内へ導入されることによると、前記ポン
プの吸入、吐出作用は連続して行なわれるもので、これ
によってダイヤフラム式燃料ポンプは燃料タンク内の燃
料を気化器に連続的に供給するものである。
【0038】そして、燃料流入ジョイントAからポンプ
室P内へ向かって流れる燃料は、燃料ポンプ装置内に内
蔵される燃料ストレーナ20によって燃料中に含まれる
異物が除去される。すなわち、第1燃料流入路5Aを流
下する燃料は、燃料ストレーナ20の下方の開口20B
を介して燃料ストレーナ20の内方に流入し、次いで燃
料ストレーナ20の側方の開口に張設された網等のスト
レーナ部20Dを介して燃料流入室F内に流入する。従
って、燃料中に含まれる異物は燃料ストレーナ20によ
って完全に除去され、清浄なる燃料が燃料流入室F内へ
供給され、この燃料が上記作用によって燃料吐出ジョイ
ントBより気化器に向けて吐出される。
【0039】尚、第1レギュレータ室R1は、燃料流入
路5内において生起する燃料の脈動を減衰する作用をな
し、第2レギュレータ室R2は燃料吐出路8内を流れる
燃料の脈動を減衰させる作用をなす。
【0040】そして、本発明になる燃料ポンプ装置によ
ると、燃料ポンプ装置内を流れる燃料中に含まれる異物
を燃料ストレーナによって完全に除去し、燃料吐出ジョ
イントより清浄な燃料の供給を行なうことができる。す
なわち、燃料ポンプ装置が機関等に装着され、その雰囲
気温度が上昇した際、円筒挿入部20Cを含む燃料スト
レーナ20が合成樹脂材料によって形成されることによ
りクリープ現象が生じ、円筒挿入部20Cと燃料ポンプ
本体1のストレーナ支持孔4との間の挿入代(いいかえ
ると圧縮代)が減少する傾向にある。そして、かかる状
態において、機関等の振動が燃料ポンプ装置に加わる
と、円筒挿入部20Cがストレーナ支持孔4より脱出す
る恐れがある。ここで本発明になる燃料ポンプ装置によ
ると、燃料ストレーナ20の円筒挿入部20Cの下端
に、下方に向けて係合突部20Gを備えた係合腕部20
Eを一体的に設け、この係合突部20Gを係合孔Cに係
合配置したものである。
【0041】以上によると、前記クリープ現象によっ
て、円筒挿入部20Cとストレーナ支持孔4との挿入代
が減少して、円筒挿入部20Cがストレーナ支持孔4よ
り脱出せんと、上方向への力が加わったとしても、係合
突部20Gが係合孔Cに係合されることによって、円筒
挿入部20Cがストレーナ支持孔4より脱出することが
完全に抑止され、もって燃料中の異物を燃料ストレーナ
20のストレーナ部20Dにて完全に濾過できるもので
ある。
【0042】又、前記係合孔Cとして燃料ポンプ装置内
に本来設けられる燃料流入路5を利用したことによる
と、係合孔Cの形成あるいはその配置について格別に配
慮する必要がなく、製造コストの上昇を抑止でき、更に
は設計的自由度が阻害されない。尚、本実施例における
係合孔Cは、燃料流入路5を利用したが、燃料吐出路と
燃料流入路とを連絡するリリーフ通路(図示されない)
を係合孔Cとして用いてもよいもので、要は燃料ポンプ
装置内に本来備えられる室、凹部、流路を用いれば前記
効果を同様に達成できる。
【0043】再び、図2に戻って説明すると、20H
は、円筒挿入部20Cの上方に設けた位置決め突部であ
り、この位置決め突部20Hは、円筒挿入部20Cの上
方にあって、且つ円筒挿入部20Cの外周の一部より外
側方に向かって突出する。一方、前記ストレーナ支持孔
4の上方には、前記位置決め突部20Hを位置決めして
挿入しうる位置決め溝4Aが穿設される。この位置決め
溝4Aは、ストレーナ支持孔4の上方に設けられるとと
もにストレーナ支持孔4の側方に向かって穿設され、更
に燃料流入室凹部3の底部3Bに開口する。
【0044】以上によれば、燃料ストレーナ20の円筒
挿入部20Cにおいて、係合腕部20Eと、位置決め突
部20Hとは、一定位置関係にあるもので、これによる
と、燃料流入室凹部3の開口部3Aより燃料ストレーナ
20を燃料流入室凹部3内に向けて挿入する際、開口部
3Aより目視することのできる位置決め突部20Hを位
置決め溝4A内に向けて挿入することによって、係合腕
部20Eの係合突部20Gを極めて容易にして且つ確実
に係合孔C内に係合できる。而して、燃料ストレーナ2
0の燃料ポンプ本体1に対する組付け作業性を大きく向
上できたものである。
【0045】又、前記によれば、位置決め突部20Hと
位置決め溝4Aとによって燃料ストレーナ20の回転が
阻止されるもので、これによると、特に係合腕部20E
の係合突部20Gと係合孔Cとの耐摩耗性を向上でき
る。
【0046】更に又、燃料ストレーナ20の円筒挿入部
20Cの中間、いいかえると、位置決め突部20Hと係
合腕部20Eとの間、の外周に環状溝20Jを設け、該
環状溝内にゴム製のOリング、角リング等の環状弾性部
材30を配置し、ストレーナ支持孔4内に円筒挿入部2
0Cを挿入配置する際、ストレーナ支持孔4と円筒挿入
部20Cとの間を前記環状弾性部材30によって弾性的
にシールすると、燃料ストレーナ20にクリープ現象が
発生した際にあってもストレーナ支持孔4と円筒挿入部
20Cとの間の燃料洩れを完全に抑止できる。而して、
第1燃料流入路5A内の燃料が燃料ストレーナ20を介
することなく燃料流入室F内へ流入することがなく、良
好な燃料の濾過を行なうことができる。尚、前記環状弾
性部材は、燃料ストレーナ20の円筒挿入部20Cがス
トレーナ支持孔4より脱出することに抑止効果を有する
とともに回転に対する抑止効果も備える。
【0047】
【発明の効果】以上の如く、本発明の燃料ポンプ装置に
よると、燃料ストレーナの円筒挿入部に係合腕部を一体
的に設けるとともにこの係合腕部を燃料ポンプ本体の係
合孔に係合配置したので、燃料ストレーナにクリープ現
象が発生した際にあっても、ストレーナ支持孔から円筒
挿入部が脱出することが抑止でき、常に燃料ストレーナ
を所期のセット状態に保持できる。而して、燃料ストレ
ーナの濾過作用を安定して保持できて常に清浄なる燃料
の供給を行なうことができる。又、この係合腕部は燃料
ストレーナと一体的に合成樹脂材料によって形成される
ので、燃料ポンプ本体に対する燃料ストレーナの装着及
び取外しを容易に行なうことができて、組付性、メンテ
ナンス性が阻害されない。
【0048】又、係合孔として燃料ポンプ本体に本来設
けられる燃料流路を用いたことによると製造コストの上
昇を抑止できるとともに設計的自由を阻害することがな
い。
【0049】更に、燃料ストレーナの円筒挿入部に位置
決め突部を設け、この位置決め突部を、ストレーナ支持
孔の位置決め溝内に挿入配置することによると、特に、
燃料ストレーナを燃料ポンプ本体へ装着する際におい
て、係合腕部を係合孔に係合配置する作業の効率向上を
達成できる。
【0050】更に又、円筒挿入部とストレーナ支持孔と
の間に環状弾性部材を配置したことによると、円筒挿入
部とストレーナ支持孔との間の燃料洩れを抑止でき、濾
過性能の向上を達成でき、更には燃料ストレーナの脱出
及び回転に対する阻止力を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料ポンプ装置の一実施例を示す縦断
面図。
【図2】図1の燃料ポンプ本体と燃料ストレーナの要部
拡大縦断面図。
【図3】図1の上部平面図。
【符号の説明】
1 燃料ポンプ本体 3 燃料流入室凹部 4 ストレーナ支持孔 4A 位置決め溝 5 燃料流入路 5A 第1燃料流入路 20 燃料ストレーナ 20C 円筒挿入部 20E 係合腕部 20F 脚部 20G 係合突部 20H 位置決め突部 30 環状弾性部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ポンプの内部に配置され、燃料ポン
    プ内を流れる燃料中に含まれる異物を除去する燃料スト
    レーナであって、該燃料ストレーナは、合成樹脂材料に
    て形成されるとともに燃料ポンプ本体に穿設されるスト
    レーナ支持孔内に挿入される円筒挿入部と、円筒挿入部
    に連なるストレーナ部とを備え、該円筒挿入部に、燃料
    ポンプ本体に穿設される係合孔に弾性的に係合される係
    合腕部を一体的に設け、前記係合腕部を係合孔に係合す
    ることによって燃料ストレーナを燃料ポンプに係止した
    ことを特徴とする燃料ポンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記係合孔を、燃料ポンプ本体に形成さ
    れる燃料流路としたことを特徴とする請求項1記載の燃
    料ポンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記、円筒挿入部に位置決め突部を設け
    るとともにストレーナ支持孔に位置決め突部を挿入しう
    る位置決め溝を設け、燃料ストレーナの位置決め突部
    を、燃料ポンプ本体の位置決め溝内へ挿入することによ
    って燃料ストレーナをストレーナ支持孔内の一定位置に
    配置したことを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記、位置決め突部は円筒挿入部の上方
    に形成されるとともに前記係合腕部は円筒挿入部の下方
    に形成され、さらに円筒挿入部の中間に環状弾性部材が
    配置され、ストレーナ支持孔と円筒挿入部とを環状弾性
    部材にてシールしたことを特徴とする請求項1記載の燃
    料ポンプ装置。
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