JPH11132092A - 自動車エンジン用燃料性状判定装置及び方法並びに自動車エンジン用燃料性状判定制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

自動車エンジン用燃料性状判定装置及び方法並びに自動車エンジン用燃料性状判定制御プログラムを記録した記録媒体

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JPH11132092A
JPH11132092A JP29905297A JP29905297A JPH11132092A JP H11132092 A JPH11132092 A JP H11132092A JP 29905297 A JP29905297 A JP 29905297A JP 29905297 A JP29905297 A JP 29905297A JP H11132092 A JPH11132092 A JP H11132092A
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engine
fuel
volatility
ratio
intake air
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JP29905297A
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Inventor
Yoshihiko Miyaji
好彦 宮地
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸気通路面積の経時変化や組立部品の個体差
によって影響を受けず、使用する燃料の燃料性状である
揮発性の高低を正確に判定することができる自動車エン
ジン用燃料性状判定装置を得ること。 【解決手段】 自動車エンジン用燃料性状判定装置は、
エンジン動作開始時から所定時間積算した吸入空気量積
算値を同様に積算したエンジン回転数積算値により除算
することにより積算比率を算出する。そして、予め実験
により求められ設定されている基準比率と比較し、積算
比率が基準比率よりも大きい場合は揮発性が低い燃料で
あると判断し、基準比率以下の値である場合は揮発性が
高い燃料であると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジン用
の燃料性状判定装置に関し、特に自動車のエンジンに使
用される燃料の揮発性が高いか否かの燃料性状を判定す
る自動車用エンジンの燃料性状判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンに使用されるガソリン
は、冬期等の外気温が低い環境にてエンジンの始動性を
良好に保つために用いられる揮発性が高い通常ガソリン
と、夏季等の外気温が高い環境にてガソリンの揮発を抑
制するために用いられる揮発性が低い重質ガソリンの2
種類の燃料性状に分類することができる。
【0003】例えば、春期から夏季にかけての明け方等
の気温が低い場合において、燃料タンク内のガソリンが
重質ガソリンである場合は、ガソリンが気化しにくい。
したがって、インジェクタより噴射された燃料の吸気ポ
ートの壁面への付着量が多くなり、燃焼室内に供給され
るガソリンが不足気味となり、燃焼室内の空燃比がリー
ン化する。これにより、エンジンの始動性やエンジン出
力の変化による走行性の悪化が問題となっていた。
【0004】従来、このような不具合を防止して燃料性
状にあったエンジン制御を行うべく、ガソリンの揮発性
の高低を判定する技術が種々の提案がなされている。
【0005】例えば、特開平7−27010号公報に
は、エンジン動作開始直後のエンジン回転数の変化率に
基づいて使用燃料の燃料性状を検出する旨が示されてい
る。該公報によれば、エンジンの動作開始後におけるエ
ンジン回転数の上昇が遅い場合には、空燃比がリーン化
しているとして重質ガソリンと判定している。
【0006】また、特開平4−194348号公報に
は、エンジン動作開始時に一度エンジン回転数が所定回
転数以上に吹き上がってからアイドル回転数に落ち着く
際の、エンジン回転数の落ち込み度合に基づいて使用燃
料が重質ガソリンであるか否かを判定している。該公報
によれば、重質ガソリンは、気化が悪いことから回転数
吹き上がり後に回転数の落ち込みが生じやすいことか
ら、エンジン回転数の落ち込み度合が急激に落ち込んだ
り、若しくは大きく落ち込んだ場合には、重質ガソリン
と判定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来例は、どちらもエンジン回転数の挙動に基づいて燃
料性状を判断している。
【0008】したがって、例えば、長期間の使用により
アイドル回転数を調整するISCバルブに汚れが堆積し
た場合に、吸気通過面積が狭くなり、これを通過する吸
入空気量は徐々に減少する。これにより、使用している
燃料が、通常ガソリンであって揮発性が高い場合にもか
かわらず、経時変化によりエンジン回転数の上昇は徐々
に遅くなり、揮発性が悪い重質ガソリンであるとの誤判
定をする可能性がある。
【0009】また、ISCバルブ等の組立部品には、そ
れぞれ個体差があるため、吸入空気量は個々のエンジン
毎に異なり、エンジン回転数の変化率や回転の落ち込み
度合だけでは、揮発性の高低を正確に判定することはで
きない。このように、従来の方法では、燃料性状の判定
を精度良く実行することができなかった。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、吸気通路面積の経時変化や組立部
品の個体差によって影響を受けず、使用する燃料の燃料
性状である揮発性の高低を正確に判定することができる
自動車エンジン用燃料性状判定装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記不具合を解決するた
めに、本発明の請求項1にかかる自動車エンジン用燃料
性状判定装置は、エンジン動作開始時から所定時間積算
した吸入空気量積算値を同様に積算したエンジン回転数
積算値により除算することにより積算比率を算出し、予
め設定されている基準比率と比較する。そして、積算比
率が基準比率よりも大きい場合は燃料の揮発性が低いと
判定し、積算比率が基準比率以下の場合は燃料の揮発性
が高いと判定する。
【0012】したがって、積算比率に基づいて揮発性の
高低を判定することから、他の要因によって吸入空気量
が変化した場合には、それに応じてエンジン回転数も変
化するので、積算比率としては殆ど変化せず、揮発性の
誤判定を防止することができる。
【0013】例えば、もし、経時変化によるカーボン等
の堆積等により吸気通路面積が減少した場合には、吸入
空気量が減少し、これに起因してエンジンの動作開始時
におけるエンジン回転数の上昇が不十分となりエンジン
回転数積算値も小さくなる。しかし、吸入空気量積算値
も同様に小さくなるため、積算比率は殆ど変化せず、揮
発性の高低を誤判定することがない。したがって、経時
変化による吸入空気量の減少等の要因によって影響を受
けず、燃料の揮発性を精度良く判定することができる。
【0014】請求項2に記載の自動車エンジン用燃料性
状判定装置は、エンジン動作状態がエンジン動作開始か
ら予め設定されている揮発性判定実行条件を満たす状態
となったか否かを判定する条件判定手段を有している。
そして、条件判定手段が揮発性判定実行条件を満たす状
態であると判定した場合に、燃料揮発性判定手段は燃料
の揮発性の高低を判定する。
【0015】また、請求項3に記載の自動車エンジン用
燃料性状判定装置は、エンジン回転数がエンジンの動作
開始時から予め設定されている基準回転数に到達したか
否かを判定する回転数到達判定手段を有し、回転数到達
判定手段によりエンジン回転数が基準回転数に到達した
と判定した場合に、条件判定手段はエンジン動作状態が
揮発性判定実行条件を満たす状態となったと判定する。
【0016】更に、請求項4に記載の自動車エンジン用
燃料性状判定装置は、エンジンの動作開始時からの経過
時間を計測し、経過時間が予め設定されている基準時間
に到達したか否かを判定する経過時間判定手段を有し、
エンジン回転数が回転数到達判定手段により設定された
基準回転数に到達する前に経過時間判定手段により経過
時間が基準時間に到達したと判定した場合に、条件判定
手段はエンジン動作状態が揮発性判定実行条件を満たす
状態となったと判定する。
【0017】これにより、吸入空気量積算値及びエンジ
ン回転数積算値が一定の基準以上のデータを得るまで
は、信頼できる判定結果を得ることができないとして、
燃料の揮発性の判定を実行しないこととすることができ
る。そして、例えば、請求項3又は請求項4に記載の条
件を満たした場合に、信頼できる判定結果を得ることが
できるとして燃料の揮発性の判定を実行する。
【0018】請求項5に記載の自動車エンジン用燃料性
状判定装置は、エンジンの動作開始時から吸入空気量及
びエンジン回転数を所定間隔毎に検出し積算する所定時
間は、エンジンの動作開始時から条件判定手段が揮発性
判定実行条件を満たす状態となったと判定する時点とす
る。これにより、常に正確で信頼できる積算値データを
得ることができ、燃料の揮発性を正確に判定することが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明にかかる自動車エンジン用
燃料性状判定装置が適用された自動車用エンジン装置の
概略構成図である。まず、例えば、水平対向型のエンジ
ン本体10には吸気通路12及び排気通路14が連通し
ている。吸気通路12の上流側は吸気チャンバ16とな
っており図示していない車体前方に開口し、吸気通路1
2の下流側は水平対向型に配設された複数のシリンダ1
8に各々対応するようにサージタンク20から分岐した
吸気管22と、これら各吸気管22の下流端は吸気ポー
ト24を介して各燃焼室26に連通している。
【0021】一方、排気通路14の下流側は車体後部に
取付けられたマフラ28に接続され、排気通路14の上
流側は各排気ポート30を介して各燃焼室26に連通す
る排気管32となっている。
【0022】そして、吸気通路12には、その上流側か
ら順番に、空気中の塵埃を除去するエアクリーナ34、
吸入空気量Qを検出するエアフローメータ36、図示し
ていないアクセルペダルの踏込量に応じて吸入空気量を
制御するスロットルバルブ38が設けられている。この
スロットルバルブ38をバイパスして設けられたアイド
ルスピードコントロール(以下、単に「ISC」とい
う)通路40の途中には、主としてアイドリング時の吸
入空気量を制御するISCバルブ42が取付けられてい
る。
【0023】このISCバルブ42は、デューティ比に
よってその開度を開閉調整するデューティソレノイドバ
ルブが用いられている。また、各吸気管22の下流側に
はインジェクタ44が吸気ポート24に向けて設けられ
ており、これら各インジェクタ44は、燃料ポンプ46
から燃料配管48を介して圧送供給された燃料を微粒子
化して噴射するものである。
【0024】一方、排気通路14のエンジン本体10側
寄りには、例えば、三元触媒等の触媒50が介装され、
この触媒50の上流側には排気ガス中の空燃比を検出す
る空燃比センサとしてのO2 センサ52が設けられてい
る。
【0025】そして、吸気管22及び排気管32よりも
小径の流路面積をもって形成されたEGR通路54は、
排気管32と吸気管22の集合部との間を連通して設け
られており、このEGR通路54の途中には例えばステ
ッピングモータを駆動源として開閉制御されるEGRバ
ルブ56が取付けられている。
【0026】また、シリンダヘッド58には燃焼室26
内に臨んで点火プラグ60が設けられており、点火プラ
グ60は、イグナイタ62及びイグニッションコイル6
4を介して給電された高電圧によって、燃焼室26内の
混合気を所定の点火時期に強制着火するようになってい
る。
【0027】また、エンジン本体10には、エンジン回
転数Neを検出するクランク角センサ66と、ノッキン
グを検出するノックセンサ68、冷却水の温度を検出す
る水温センサ70が設けられており、スロットルバルブ
38には、スロットル開度Thを検出するスロットル開
度センサ76が設けられている。更に、シリンダヘッド
58には、カムシャフト74の回転角度を検出するカム
角センサ72が設けられている。
【0028】上記構成をなすエンジンの動作について簡
単に説明すると、まず最初に、吸入空気は、エアクリー
ナ34、スロットルバルブ38、吸気管22を介してエ
ンジン10の燃焼室26内に流入する。このとき、吸入
空気の空気重量は、エアフローメータ36により計測さ
れ、計測した値を電気信号に変換して電子制御装置(以
下、単にECUという)78に出力する。
【0029】そして、燃料は、燃料ポンプ46により燃
料通路48を介してインジェクタ44に圧送される。イ
ンジェクタ44は、ECU78からの電気信号により開
弁時間が制御され、所定量の燃料を吸気ポート24内に
所定のタイミングで噴射する。
【0030】点火プラグ60は、ECU78からの電気
信号を受けたイグナイタ62がイグニッションコイル6
4に所定の電流を供給することにより所定のタイミング
で点火火花を飛ばす。
【0031】これにより、燃焼室26内に存し吸入空気
と燃料とからなる混合気は着火し、混合気の燃焼による
爆発膨張がピストンを押し下げ、コンロッドを介してク
ランクシャフト(図示せず)を回転させる。燃焼後の排
気ガスは排気管32を介して触媒50を通過し、排気通
路14を経てマフラ28より外部に排出される。
【0032】次に、上記各部材の駆動制御並びに各セン
サからの出力信号を入力するECU78について図2を
用いて説明する。図示したように、各センサからの信号
を入力する入力インタフェース78a、各部材への駆動
制御信号を出力する出力インターフェース78b、主演
算装置としてのCPU78c、制御プログラムや予め設
定された固定値データ、及び燃料性状判定制御プログラ
ムを記憶するROM78d、各センサからの入力信号
や、演算処理を行う上で各種データ等を格納するRAM
78e、さらに学習データなどを格納するバックアップ
RAM78f、タイマ78g等をバスライン78hで相
互に接続してなるマイクロコンピュータシステムとして
構成されている。
【0033】図3は、図2のECU78が燃料性状判定
に関して実現する各機能を示すブロック図である。まず
最初に、クランク角センサ66により検出された検出値
は、エンジン回転数演算手段81に入力され、単位時間
当たりのエンジン回転数Ne(rpm)が演算される。
そして、エンジン回転数積算手段82は、エンジン動作
開始時からエンジン回転数Neを所定時間毎に検出し、
これら検出したエンジン回転数Neを逐次積算してエン
ジン回転数積算値ΣNを算出し、積算比率演算手段85
に出力する。
【0034】また、エアフローメータ36により検出さ
れた検出値は、吸入空気量演算手段83に入力され、吸
入空気量Qが演算される。そして、吸入空気量積算手段
84は、エンジンの動作開始時からエンジンに吸入され
る吸入空気量Qを所定時間毎に検出し、これら検出した
吸入空気量Qを逐次積算して吸入空気量積算値ΣQを算
出し、積算比率演算手段85に出力する。
【0035】積算比率演算手段85は、エンジンが動作
を開始してから所定時間積算した吸入空気量積算値ΣQ
とエンジン回転数積算値ΣNとを用いて積算比率(ΣQ
/ΣN)を算出し、燃料揮発性判定手段88に出力す
る。燃料揮発性判定手段88は、積算比率と、予め実験
的に求められECU78のROM78d内に記憶されて
いる基準値とを比較して、燃料の揮発性の高低を判定す
る。
【0036】エンジン回転数判定手段86は、エンジン
回転数演算手段81の出力側と接続されており、エンジ
ン回転数演算手段81から入力したエンジン回転数Ne
が、エンジン動作開始から最初に予め設定されている基
準回転数Nbを超えたか否かを判定する。
【0037】さらに、経過時間計測手段80は、エンジ
ンが動作を開始すると同時に時間計測を開始し、計測し
た動作開始後からの経過時間Tを動作開始後経過時間判
定手段87に出力する。動作開始後経過時間判定手段8
7は、所定条件下において経過時間TがROM78d内
に予め設定され記憶されている基準時間Tbを超えたか
否かを判定する。
【0038】また、補正手段89は、燃料揮発性判定手
段88より入力した燃料揮発性の高低の判定に基づいて
燃料噴射量や点火時期等を補正制御する。これにより、
エンジンは、燃料の揮発性の高低に応じて適切に制御さ
れる。
【0039】次に、上記構成のエンジン装置を用いて本
発明の一実施形態により燃料の揮発性の高低を判定する
動作について図4に基づいて説明する。図4は、エンジ
ンの動作開始時からの吸入空気量積算値とエンジン回転
数積算値を用いて燃料の揮発性の高低を判定し、その判
定結果に基づいて燃料噴射量や点火時期等を補正する制
御ルーチンを示すフローチャートである。
【0040】尚、本ルーチンによる判定動作は、エンジ
ン動作開始と同時にスタートする。ここで、エンジン動
作開始とは、エンジンがシリンダ内における燃料混合気
の爆発燃焼により自転を開始した時点をいうが、実際に
はエアフローメータ66により吸入空気量の検出が可能
となった時点をいう。
【0041】まず、ステップ(以下、単に「S」とい
う)101では、クランク角センサ66により検出され
た検出値を用いてエンジン回転数演算手段81により、
単位時間当たりのエンジン回転数Ne(rpm)が算出
され、S102では、エンジンの動作開始から10ms
ec毎に算出したエンジン回転数Neを、逐次積算し
て、エンジン回転数積算値ΣNを算出する。
【0042】そして、S103では、エアフローメータ
36により検出された検出値を用いて吸入空気量Qが算
出され、S104では、エンジンの動作開始から10m
sec毎に算出した吸入空気量Qを逐次積算して、吸入
空気量積算値ΣQを算出する。
【0043】S105では、S101にて算出したエン
ジン回転数Neと予め設定されROM78d内に記憶さ
れている基準回転数Nbとの比較が行われる。ここで
は、現在のエンジン動作状態が、揮発性の判定を行う条
件を満たす状態となっているか否かを判断する。ここ
で、エンジン回転数Neが基準回転数Nbよりも大きい
値である場合(YES)は、揮発性の判定を行うべくS
106以降へ移行する。
【0044】また、エンジン回転数Neが基準回転数N
b以下の値である場合(NO)は、エンジン動作状態が
S105にて判断された条件の他に、更に別に設けられ
た揮発性の判定を行うための条件を満たす状態か否かを
判定すべくS111以降へ移行する。
【0045】S106では、エンジン動作開始からS1
05にてYESと判定されるまで積算した吸入空気量積
算値ΣQとエンジン回転数積算値ΣNとを用いて、吸入
空気量積算値ΣQをエンジン回転数積算値ΣNで除算
し、積算比率(ΣQ/ΣN)を算出する。
【0046】ここで、使用している燃料の揮発性が低い
場合には、吸入空気量に応じた燃料を噴射した際に吸気
ポート壁面に付着する量が多く、シリンダ内の空燃比は
リーン化する。したがって、燃焼が悪化してエンジン回
転数Neの上昇が遅くなり、その結果、吸入空気量積算
値ΣQに対してエンジン回転数積算値ΣNが相対的に小
さくなるので、積算比率(ΣQ/ΣN)は大きな値とな
る。
【0047】また、燃料の揮発性が高い場合には、エン
ジン回転数Neの上昇が速く、吸入空気量積算値ΣQに
対してエンジン回転数積算値ΣNが相対的に大きくなる
ので、積算比率(ΣQ/ΣN)は小さな値となる。
【0048】そして、S107ではS106にて算出し
た積算比率(ΣQ/ΣN)と予め実験的に求められRO
M78d内に記憶設定されている第1基準判定値との比
較が行われる。ここで、積算比率(ΣQ/ΣN)の方が
大きい場合(YES)には、S108へ移行し、S10
8にて使用されている燃料は揮発性が低いガソリン、す
なわち重質ガソリンであると判定される。
【0049】そして、S108からS109に移行し、
S109にて、燃料噴射量や点火時期等を重質ガソリン
に応じた設定に変更して、適正なエンジン出力を得るこ
とができる補正がなされ、本ルーチンを抜ける(リター
ン)。
【0050】また、積算比率(ΣQ/ΣN)が第1基準
判定値以下の場合(NO)には、S110へ移行し、S
110にて使用されている燃料は、揮発性が高いガソリ
ン、すなわち通常ガソリンであると判定され、本ルーチ
ンを抜ける。
【0051】一方、前述したようにエンジン回転数Ne
が基準回転数Nb以下でS105からS111へ移行し
た場合には、S111では、エンジン動作開始後経過時
間Tと予め実験的に求められ設定されている基準時間T
bとの比較が行われる。ここでは、エンジン動作開始後
に所定時間が経過してもエンジン回転数Neが基準回転
数Nbに到達しない場合には、強制的に揮発性の判定が
行われる。
【0052】ここで、エンジン動作開始後経過時間Tが
基準時間Tbを超えている場合(YES)は、揮発性の
判定を実行すべくS112へ移行し、基準時間Tb以下
である場合(NO)は、吸入空気量積算値ΣQ及びエン
ジン回転数積算値ΣNが揮発性を正確に判定し得るほど
積算されていない状態、すなわち、揮発性の判定を正確
に行うことができるほどのデータが蓄積されていないと
判断して、スタートに戻り、S105若しくはS111
の条件を満たす(YES)まで、上記動作を繰り返す。
【0053】S112では、S106と同様に吸入空気
量積算値ΣQがエンジン回転数積算値ΣNにて除算さ
れ、積算比率(ΣQ/ΣN)が算出される。S113で
は、S112にて算出した積算比率(ΣQ/ΣN)と予
め設定されROM78d内に記憶されている第2基準判
定値との比較が行われる。
【0054】そして、積算比率(ΣQ/ΣN)の方が大
きい場合(YES)には、S108へ移行し、S108
にて揮発性が低い重質ガソリンであると判定される。そ
して、S109に移行し、S109にて適正なエンジン
出力を得ることができる補正がなされ、本ルーチンを抜
ける(リターン)。
【0055】また、積算比率(ΣQ/ΣN)が第2基準
判定値以下の場合(NO)には、S110へ移行し、S
110にて揮発性が高い通常ガソリンであると判定さ
れ、本ルーチンを抜ける(リターン)。
【0056】図5は、燃料の揮発性が高い場合におけ
る、エンジン回転数Ne、吸入空気量Q、及び積算比率
(ΣQ/ΣN)のデータを時間経過に応じて示したグラ
フ、図6は、燃料の揮発性が低い場合におけるグラフで
ある。図示したように、これらのグラフは、縦軸にエン
ジン回転数Ne、吸入空気量Q、積算比率(ΣQ/Σ
N)を、横軸にエンジン動作開始後からの時間tをとっ
ている。
【0057】燃料の揮発性が高い場合は、図5に示した
ように、エンジン動作開始後におけるエンジン回転数N
eの上昇が速く、吸入空気量積算値ΣQの増大に応じて
エンジン回転数積算値ΣNも増大する。
【0058】これに比して、燃料の揮発性が低い場合
は、図6に示したように、エンジン回転数Neの上昇が
遅く、吸入空気量積算値ΣQの増大に対してエンジン回
転数積算値ΣNの増大は相対的に小さくなる。
【0059】したがって、揮発性の高い場合と比較して
揮発性が低い場合の方が、積算比率(ΣQ/ΣN)が大
きな値となるため、積算比率(ΣQ/ΣN)が所定値よ
りも大きい場合には、揮発性が低い重質ガソリンである
と判定することができる。
【0060】ここで、もしエンジン動作開始時における
空気流量が、吸気通路を構成する組立部品の生産時にお
ける寸法バラツキ等の個体差や、長期間の使用によって
ISCバルブ等にカーボン等の堆積物が付着したことに
よる吸気通路面積の減少等によって、エンジン動作開始
時におけるエンジン回転数Neの上昇が不十分であると
すれば、吸入空気量積算値ΣQも小さくなる。したがっ
て、積算比率(ΣQ/ΣN)は空気流量に影響を受け
ず、揮発性の高低を誤判定することなく、正確に判定す
ることができる。
【0061】尚、上述の実施の形態では、第1基準判定
値及び第2基準判定値をECU78内のROM78d内
に予め記憶した固定値としていたが、他の実施の形態と
して、ROM78d内にエンジン水温をパラメータとし
たデータテーブルを設定して、エンジン水温に応じたテ
ーブル値を用いて可変的に設定してもよい。
【0062】これにより、エンジン温度を考慮して、揮
発性の高低を判定することができ、適切な判定を行うこ
とができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
車エンジン用燃料性状判定装置によれば、燃料の揮発性
の高低を容易に判定することができ、また、吸入空気量
の変化等に影響を受けることなく、揮発性の高低を常に
正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる自動車エンジン用燃料性状判定
装置が適用された自動車用エンジン装置の概略構成図で
ある。
【図2】図1中のECUの内部構成を示す構成説明図で
ある。
【図3】図2のECUが燃料性状判定に関して実現する
各機能を示すブロック図である。
【図4】図4は、燃料性状として揮発性の高低を判定
し、その判定結果に基づいて燃料噴射量や点火時期等を
補正する制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】燃料の揮発性が高い場合における、エンジン回
転数Ne、吸入空気量Q、及び積算比率(ΣQ/ΣN)
のデータを時間経過に応じて示したグラフである。
【図6】燃料の揮発性が低い場合における、エンジン回
転数Ne、吸入空気量Q、及び積算比率(ΣQ/ΣN)
のデータを時間経過に応じて示したグラフである。
【符号の説明】
10 エンジン本体 36 エアフローメータ(吸入空気量検出手段) 66 クランク角センサ(エンジン回転数検出手段) 80 経過時間計測手段 82 エンジン回転数積算手段 84 吸入空気量積算手段 86 エンジン回転数判定手段(実行条件判定手段) 88 燃料揮発性判定手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車エンジンの燃料の揮発性を判定す
    る自動車エンジン用燃料性状判定装置において、 前記エンジンの動作開始時から所定時間検出したエンジ
    ン回転数を積算してエンジン回転数積算値を算出するエ
    ンジン回転数積算手段と、 前記エンジンの動作開始時から前記所定時間検出した吸
    入空気量を積算して吸入空気量積算値を算出する吸入空
    気量積算手段と、 前記吸入空気量積算値を前記エンジン回転数積算値で除
    算することにより積算比率を算出する積算比率算出手段
    と、 前記積算比率と予め設定されている基準比率とを比較
    し、前記積算比率が前記基準比率よりも大きい場合は前
    記燃料の揮発性が低いと判定し、前記積算比率が前記基
    準比率以下の場合は前記燃料の揮発性が高いと判定する
    燃料揮発性判定手段と、 を有することを特徴とする自動車エンジン用燃料性状判
    定装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジン動作状態がエンジン動作開
    始から予め設定されている揮発性判定実行条件を満たす
    状態となったか否かを判定する条件判定手段を有し、 前記条件判定手段が前記揮発性判定実行条件を満たす状
    態であると判定した場合に、前記燃料揮発性判定手段は
    前記燃料の揮発性の高低を判定することを特徴とする請
    求項1に記載の自動車エンジン用燃料性状判定装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジン回転数が前記エンジンの動
    作開始時から予め設定されている基準回転数に到達した
    か否かを判定する回転数到達判定手段を有し、 前記回転数到達判定手段により前記エンジン回転数が前
    記基準回転数に到達したと判定した場合に、前記条件判
    定手段は前記エンジン動作状態が前記揮発性判定実行条
    件を満たす状態となったと判定することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の自動車エンジン用燃料性状判定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記エンジンの動作開始時からの経過時
    間を計測し、該経過時間が予め設定されている基準時間
    に到達したか否かを判定する経過時間判定手段を有し、 前記エンジン回転数が前記回転数到達判定手段により設
    定された前記基準回転数に到達する前に前記経過時間判
    定手段により前記経過時間が前記基準時間に到達したと
    判定した場合に、前記条件判定手段は前記エンジン動作
    状態が前記揮発性判定実行条件を満たす状態となったと
    判定することを特徴とする請求項3に記載の自動車エン
    ジン用燃料性状判定装置。
  5. 【請求項5】 前記所定時間は、 前記エンジンの動作開始時から前記条件判定手段が前記
    揮発性判定実行条件を満たす状態となったと判定する時
    点であることを特徴とする請求項1〜4に記載の自動車
    エンジン用燃料性状判定装置。
  6. 【請求項6】 自動車エンジンの燃料の揮発性を判定す
    る自動車エンジン用燃料性状判定方法において、 前記エンジンの動作開始時から所定間隔毎に所定時間検
    出した単位時間当たりのエンジン回転数を総和してエン
    ジン回転数積算値を算出するエンジン回転数積算手順
    と、 前記エンジンの動作開始時から所定間隔毎に所定時間検
    出した単位時間当たりの吸入空気量を総和して吸入空気
    量積算値を算出する吸入空気量積算工程と、 前記算出した吸入空気量積算値をエンジン回転数積算値
    で除算することにより積算比率を算出する積算比率算出
    手段と、 前記算出した積算比率と予め設定されている基準比率と
    を比較して前記積算比率が前記基準比率よりも大きい場
    合は前記燃料の揮発性が低いと判定し、前記積算比率が
    前記基準比率以下の場合は前記燃料の揮発性が高いと判
    定する燃料揮発性判定手順と、 を含むことを特徴とする自動車エンジン用燃料性状判定
    方法。
  7. 【請求項7】 プログラムされたコンピュータによって
    自動車エンジンの燃料の燃料性状を判定するための判定
    制御プログラムを記録した記録媒体であって、 該判定制御プログラムは、前記コンピュータに、 前記エンジンの動作開始時から所定間隔毎に所定時間検
    出した単位時間当たりのエンジン回転数を総和させエン
    ジン回転数積算値を算出させ、 前記エンジンの動作開始時から所定間隔毎に所定時間検
    出した単位時間当たりの吸入空気量を総和させ吸入空気
    量積算値を算出させ、 前記算出した吸入空気量積算値を前記エンジン回転数積
    算値で除算することにより積算比率を算出させ、 前記積算比率と予め設定されている基準比率とを比較さ
    せ、前記積算比率が前記基準比率よりも大きい場合は前
    記燃料の揮発性が低いと判定させ、前記積算比率が前記
    基準比率以下の場合は前記燃料の揮発性が高いと判定さ
    せることを特徴とする自動車エンジン用燃料性状判定制
    御プログラムを記録した記録媒体。
JP29905297A 1997-10-30 1997-10-30 自動車エンジン用燃料性状判定装置及び方法並びに自動車エンジン用燃料性状判定制御プログラムを記録した記録媒体 Pending JPH11132092A (ja)

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