JPH11131487A - 自然景観を保全した斜面安定化工法及び構造 - Google Patents

自然景観を保全した斜面安定化工法及び構造

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JPH11131487A
JPH11131487A JP29378297A JP29378297A JPH11131487A JP H11131487 A JPH11131487 A JP H11131487A JP 29378297 A JP29378297 A JP 29378297A JP 29378297 A JP29378297 A JP 29378297A JP H11131487 A JPH11131487 A JP H11131487A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然景観の保全を図るとともに斜面安定化の
信頼性を高めしかも施工性や安全性を高めた斜面安定化
工法およびその構造を提供する。 【解決手段】 自然景観を保全すべき斜面2上の複数の
位置に、所定深さの凹所8を掘削して形成し、各凹所8
から地盤1,3内に、引張り材5を、その頭部を凹所内
に露出させて貫入し、前記引張り材頭部を挿通させて各
凹所内に、受圧板7をほぼ全体が該凹所8内に没入する
ように設置または打設し、前記引張り材5をその頭部を
介して前記受圧板7に定着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地山等の法面を保
護するための斜面安定化工法に関し、特に自然景観を損
わない斜面安定化工法および構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地山の自然斜面や切土法面を補強して地
すべりや崩壊等を防止し、斜面を安定化させるための工
法として、斜面全体に格子状のコンクリート製の枠を敷
設する法枠工法や安定地盤に達するアンカー体と斜面の
受圧板とを引張り材で連結するグラウンドアンカー工法
およびロックボルト工法、あるいは斜面に鉄筋等の補強
材を挿入し土と補強材の相互作用により地山を補強する
鉄筋挿入工法等が用いられている。また、このような工
法を応用してさらに各種の斜面安定化工法が提案されて
いる(例えば特公平2−13097,特公昭54−
26801,特開平9−111761,特公平8−
14109等)。
【0003】の特公平2−13097号公報は、法面
に中空の法枠を格子状に配設してアンカーで固定し、こ
の法枠にモルタル類を流入するための流入孔を所定間隔
で形成することにより、施工性の向上を図った工法を開
示する。
【0004】の特公昭54−26801号公報は、ア
ンカーにより地山斜面に固定された鉄筋籠を型枠に組込
み、コンクリートの流出を防止し現場でのコンクリート
打ち作業の容易化を図った工法を開示する。
【0005】の特開平9−111761号公報は、法
面に設けた接地板上に鋼製の短管および補強脚板からな
る鋼製支圧金物を法面から突出させて設け、この支圧金
物にアンカーまたはロックボルトを緊張定着させること
により、部材の軽量化および作業性の向上を図った工法
を開示する。
【0006】の特公平8−14109号公報は、安定
地盤に達する深いグラウンドアンカーとその上部の土中
に挿入する複数の補強棒部材とを組合わせて受圧板に固
定することにより、樹木を保全したまま斜面の安定化を
図った工法を開示する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の斜面安定化工法においては、斜面の自然景観の保全
については充分に考慮されていなかった。すなわち、上
記の特公平2−13097号公報等の法枠工法におい
ては、法枠を格子状に設置する際にある程度樹木を伐採
する必要があり、また、人工的な配置形態のコンクリー
ト法枠が斜面に露出するため自然景観が損われ人工的な
景観となる。
【0008】このような斜面全体に連続する法枠に代え
て、上記、の特公昭54−26801号公報や特開
平9−111761号公報では、緊張させたアンカー等
に定着した受圧板等を斜面の適当な位置に点在させて設
置し、この受圧板により斜面に対し安定力を付与するグ
ラウンドアンカー工法やロックボルト工法あるいは鉄筋
挿入工法を開示している。しかしながら、このような公
報記載技術を含み従来のグラウンドアンカー工法等にお
いては、いずれも斜面上の受圧板が斜面から突出して露
出するため、人工物が景観内に散在して視覚で認識され
ることになり、これらの場合も自然景観を損っていた。
【0009】また、上記の特公平8−14109号公
報記載の工法では、樹木を伐採せずに残したまま斜面の
安定化を図っているが、この公知技術においても受圧板
(キャッピングプレート)が斜面から露出するため、樹
木は保全されるが斜面上に散在する受圧板により斜面の
景観は損われる。
【0010】このように、従来の斜面安定化工法におい
ては、いずれも法枠や受圧板が斜面から突出して設置さ
れていたため、法枠や受圧板自体が、樹木等により緑化
された周囲環境に対し人工的な異物となって調和がとれ
ず違和感を生じ、景観上好ましくなかった。
【0011】一方近年、地山等の自然斜面での地滑りや
崩壊を防止して斜面の安定化を図る場合に、斜面上に植
生する樹木等の自然草木、特に木本類をなるべく伐採し
ないで保護するばかりでなく、人工構造物を目立たせな
いでその斜面の自然のままの景観を損うことなく補強安
定化して区域全体の景観を保全することが要請されてい
る。また、このような場合においても従来よりもさらに
斜面安定化の信頼性を高め、地震や豪雨時等での樹木の
倒壊防止あるいは施工中等の大重量受圧板の斜面ずれ落
ち等の防止に充分対処することが必要である。
【0012】本発明は上記の点に鑑み、従来技術では充
分考慮されなかった自然景観の保全を図るとともに斜面
安定化の信頼性を高めしかも施工性や安全性を高めた斜
面安定化工法およびその構造の提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明においては、自然景観を保全すべき斜面上の
複数の位置に、所定深さの凹所を掘削して形成し、各凹
所から地盤内に、引張り材を、その頭部を凹所内に露出
させて貫入し、前記引張り材頭部を挿通させて各凹所内
に、受圧板をほぼ全体が該凹所内に没入するように設置
または打設し、前記引張り材をその頭部を介して前記受
圧板に定着させることを特徴とする自然景観を保全した
斜面安定化工法を提供する。
【0014】この斜面安定化工法によれば、斜面上に設
置する受圧板は、斜面に設けた凹所内に埋設されてその
上面が斜面から突出せず目立たなくなるため、周囲の自
然環境に対し人工的な違和感が生じなくなり、斜面が安
定化され樹木等が保全されるとともにその区域の景観が
保全される。
【0015】また、受圧板が斜面の凹所内に埋設される
ため、受圧板の上側の側面が斜面上側の地盤を受けてそ
の滑りや崩壊を抑止し、さらに受圧板の下側の側面が凹
所の下側内壁面に当接して受け止められるため、施工時
等に受圧板が斜面上をずれ落ちることが防止される。
【0016】すなわち、凹所内に埋設された受圧板は、
その底面が引張り材の緊張力を地盤側に伝達して又は自
重により地盤を強化するという受圧板本来の機能を有す
るとともに、その上側および下側の両側面が、それぞれ
地盤表層部の安定化および施工性や安全性を高めるとい
う機能を有し、しかも受圧板は斜面から突出せず全体が
斜面内部に隠れるため周辺の自然植物等との違和感が生
じなくなり自然景観を損わずその保全が図られる。
【0017】なお、本発明はグラウンドアンカー工法、
ロックボルト工法あるいは鉄筋挿入工法のいずれにも適
用可能であり、受圧板に定着される引張り材は、その先
端部分を地盤に定着してアンカー機能を与えるグラウン
ドアンカー構造又は、引張り材全長にわたって地盤に定
着されるロックボルト構造のいずれの構造であってもよ
い。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明工法の実施の形態に
係る斜面安定化構造の断面図である。樹木が植生する地
山1の斜面2に、グラウンドアンカー構造(又はロック
ボルト構造)4を貫入形成する。このグラウンドアンカ
ー構造(又はロックボルト構造)4は、引張り材5を挿
入後注入材6を充填し、張力を付与して緊張させた引張
り材5の頭部をコンクリート等からなる受圧板7に定着
させたものである。
【0019】この受圧板7は、後述のように引張り材5
の緊張力を地盤側に伝達して地盤を押えることにより、
又は自重により地盤の滑りや崩壊に対し抑止力を付与し
て地盤を安定化させるものである。受圧板7は、図示し
たように、その周縁部から引張り材5に対し地質や緊張
力等に対応した角度α(通常約45度)の角度範囲内の
地盤を強化する。これにより、このほぼ円錐状の地盤範
囲内が一塊の安定強化された地盤となって滑りや崩壊を
防止する。
【0020】受圧板7の形状は、矩形、円形、三角形、
ひし形、十字形、星形およびこれらを組合わせた形状な
どを現場条件等に合わせて適宜選定することができる。
この受圧板7は、後述の実施例のように、コンクリート
またはモルタルの現場打ちで形成してもよいし、あるい
は工場製品を現場に搬送したものでもよい。また、コン
クリートやモルタルに限らず、樹脂材料やスチロールあ
るいは繊維混入複合材等を用いることができ、さらに鉄
板や形鋼材あるいはこれらの組合わせにより形成するこ
ともできる。
【0021】引張り材5は、グラウンドアンカー構造の
場合は、PC鋼線、PC鋼より線、PC鋼棒、異形PC
鋼棒等のプレストレストコンクリートの緊張材として用
いるPC鋼材で構成される。長さの異なる複数本のPC
鋼材をまとめて用いてそれぞれ地盤に対する定着部の位
置を変えることにより、地盤に対応して最適位置に定着
させ確実な緊張力を得るようにしてもよい。
【0022】この引張り材5は、1個の受圧板7に対し
1本あるいはそれ以上設けて地盤に対する支圧力を高め
るとともに安定化範囲を広げ、また受圧板に対する定着
の信頼性や長期使用における緊張力維持等に対する信頼
性を高めてもよい。また、受圧板中央部に1本の(また
は複数本の)グラウンドアンカーを設けてこれを安定地
盤まで挿入し、さらにこの受圧板周縁部にロックボルト
あるいは鉄筋等の補強材を設けて、これらをグラウンド
アンカーにより安定力が付与された地盤に挿入してもよ
い。このようにグラウンドアンカーに加えてさらにその
周囲に複数の補強材を貫入させる構成により、グラウン
ドアンカー工法の地盤強化作用とロックボルトあるいは
補強鉄筋挿入工法の地盤強化作用の複合作用が得られ、
これにより1個の受圧板によって広い範囲で地盤の安定
化作用が高められる。
【0023】引張り材5の緊張定着方式は、受圧板から
突出する引張り材頭部をジャッキにより引張り荷重を付
与して緊張させた後くさびで受圧板に定着させるくさび
方式や、引張り材頭部に螺合するナットを締め付けて緊
張力を付与するとともに受圧板に定着させるナット方
式、あるいはくさびで定着後さらにナットで締め付ける
併用方式等が採用できる。
【0024】また、ロックボルト構造の場合の引張り材
5は、異形鉄筋、ねじ節鉄筋、中空全ねじボルト、炭素
繊維ボルト、FRPロックボルト等を用い、特に大きな
緊張力を付与することなく、引張り材を地山に定着し、
受圧板とにより斜面を補強してその安定化を図ってもよ
い。
【0025】このように引張り材5により定着された受
圧板7は、斜面2に形成した凹所8内に埋設される。即
ち、受圧板7の上面は斜面2とほぼ同一又はそれよりも
下側に引込んだ位置に配設される。このように受圧板7
を斜面2上に突出させず地山表面から内部に埋設した状
態でグラウンドアンカー構造(又はロックボルト構造)
4を設けることにより、受圧板7が凹所内に隠れさらに
地山の凸部や草木類に隠されて目立たなくなる。これに
より、樹木等を伐採することなく斜面が安定化されると
ともに、人工構造物である受圧板が周囲自然環境に対し
調和を損うことがなくなり、自然景観が保全される。
【0026】この場合、受圧板7の上面を土で覆っても
よいし覆わなくてもよい。受圧板7の上面を土で覆い隠
せば受圧板が完全に埋設され景観保全が確実に達成でき
るとともにこの受圧板上の土壌に草本類の植生が可能と
なるため、緑化が促進され自然景観がさらに高められ
る。
【0027】受圧板のメンテナンスや点検検査等のため
に、受圧板自体又は受圧板表面に突出する引張り材端部
あるいはこれを覆うオイルキャップを露出させて埋設位
置の目印標示としてもよい。このように受圧板自体又は
その表面部材を露出させて埋設位置の目印とすることに
代えて、受圧板周辺の同一種類の統一された中低木樹木
や標高を示す標識あるいは樹木名を表示した標識等を受
圧板埋設位置の目印標示として利用してもよい。
【0028】このように受圧板7を凹所8内に埋設する
ことにより、この受圧板7の斜面上側の側面部が凹所8
の斜面上側からの地山表層部の地盤の重量を受けてこれ
を支えるため、地滑りや崩壊に対する抵抗抑止力とな
り、グラウンドアンカー構造(又はロックボルト構造)
4自体による地盤強化作用が補助されさらに斜面安定化
の効果が高められる。この場合、受圧板7を樹木の下側
に近接して設けることにより、樹木下側の地盤が受圧板
により強固に安定化されるため、地震や豪雨時等に崩壊
や地滑りを起こすことはなく、樹木の倒壊が防止され
る。さらに、木本植物の根系がそれ自体でもつ土壌崩壊
を抑制するネット効果と相まって斜面安定化の効果がさ
らに高められる。
【0029】さらに、このように受圧板7を凹所8内に
埋設することにより、受圧板7の斜面下側の側面部が凹
所8の内壁面に当接して受け止められるため、受圧板が
斜面に沿ってずれ落ちることはなく確実にその位置に保
持される。したがって、特に工場製品をクレーン等で現
場に設置する場合に、設置中あるいは設置後にコンクリ
ート製の重量物である受圧板は斜面の所定位置に確実に
保持され、斜面をずれ落ちて位置ずれする等の不具合が
防止され施工性が向上するとともに、施工の安全性が高
められる。
【0030】斜面上に設置する受圧板7は、それぞれ独
立状態でもよいしあるいはワイヤロープ等で接続しても
よい。この場合、接続用のワイヤロープ等は、受圧板の
上面に突出するロックボルト等の上部その他適当な位置
につなぎ、周囲景観を損わないように地山面に沿って又
は浅い溝を掘って埋め込んで配設することが望ましい。
【0031】次に本発明に係る斜面安定化工法の実施例
についての施工手順を説明する。この例は、矩形の受圧
板を斜面に沿って縦長に形成した例である。まず図2に
示すように、地山1の斜面2に受圧板形状に対応した矩
形の凹所8を掘削して形成する。
【0032】次に図3に一例として示すように、凹所8
の中央部を削孔しグラウンドアンカー構造を形成するた
めのシース9で被覆された引張り材5を挿入する。この
引張り材5を地盤に確実に定着させるためセメントペー
ストからなる注入材6(グラウト)を孔内に注入する。
引張り材5の頭部5aにはネジが形成されシース9から
露出している。シース9はステンレスあるいはポリエチ
レン管等からなり、緊張力が定着地盤にロスなく伝達さ
れるようにシース内は防錆オイルを含む注入材6aを充
填してもよい。また前述のように引張り材5としては各
種材料が採用でき、グラウンドアンカー構造の場合には
先端の地盤に対する定着部にアンカー体を備えてもよ
い。
【0033】次に図4に一例として示すように、凹所8
内に鉄筋枠10を設置してこの凹所8を型枠としてコン
クリート11またはモルタルを流し込んで受圧板7を形
成する。なお、この図4は、引張り材5としてロックボ
ルトを用いた構造を示す。その後、この受圧板7の上面
に突出する引張り材5の頭部5aに角座金12を介して
ナット13を装着する。このナット13を締め付けるこ
とにより、引張り材5に緊張力を付与する。この後、引
張り材頭部にオイルキャップを被せてもよい。図5は、
上記現場打ちコンクリートによる受圧板7を凹所8を型
枠として形成する場合に使用する上面型枠の構成説明図
であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。この
上面型枠14は、中央部のロックボルト等の引張り材挿
通孔15と上下2箇所のコンクリート注入用の窓16
a,16bを有する。下側の窓16bの内面側には、上
端をヒンジ結合されて自由に回動可能な蓋17が設けら
れる。
【0034】使用時には、凹所8内に鉄筋枠10(図
4)をセットし,その上に引張り材の頭部を挿通孔15
に通した状態でこの上面型枠14を固定する。この状態
で、最初下側の窓16bからコンクリートを注入しその
後上側の窓16aからコンクリートを注入して凹所8内
にコンクリートを充填する。上側の窓16aからコンク
リートを注入するときに下側の窓16bの蓋17はコン
クリートに押されて自然に閉じる。このように、凹所8
を型枠としてさらに上面型枠14を用いて受圧板を現場
打ちにより形成する。なお、斜面の傾斜角度によっては
上面型枠14を用いないでコンクリート打ちしてもよ
い。また、コンクリート注入用の窓は受圧板の大きさ等
に応じて上部の1箇所だけでもよく、あるいは3箇所ま
たはそれ以上でもよい。
【0035】図6は、受圧板の別の構成例を示す。この
例は、2本の形鋼18をボルト19で連結して受圧板2
0を構成したものである。形鋼18の下面側には凹所底
面の凹凸吸収等のためにコンクリート11を打つことが
望ましい。その他の構成は前述の図4の例と同様であ
る。なお、コンクリート11を形鋼18の上面まで打っ
て図4の例と同様に受圧板をコンクリートで構成し、形
鋼18を補強用の鉄筋と同様の作用をさせてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、斜面上に設置する受圧板は、斜面に設けた凹所内に
埋設されその上面が斜面から突出せず目立たなくなるた
め、周囲の自然環境に対し人工的な違和感が生じなくな
り、斜面が安定化され樹木等が保全されるとともにその
区域の景観が保全される。また、斜面から突出していな
いため、人が歩いたときにつまずくこともなく安全であ
る。
【0037】また、受圧板が斜面の凹所内に埋設される
ため、受圧板の上側の側面が斜面上側の地盤を受けてそ
の滑りや崩壊を抑止し斜面の安定化の信頼性が高まり、
さらに受圧板の下側の側面が凹所の下側内壁面に当接し
て受け止められるため、施工時等に受圧板が斜面上をず
れ落ちることが防止され施工性が向上するとともに安全
性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る斜面安定化構造の断面図。
【図2】 (A)(B)はそれぞれ本発明に係る斜面安
定化工法の最初の手順を説明する正面図および断面図。
【図3】 (A)(B)はそれぞれ図2の手順に続く手
順を説明する正面図および断面図。
【図4】 (A)(B)はそれぞれ図3の手順に続く手
順を説明する正面図および断面図。
【図5】 (A)(B)はそれぞれ図4のコンクリート
打ちで用いる上面型枠の正面図および断面図。
【図6】 (A)(B)はそれぞれ本発明の別の実施例
に係る受圧板の正面図および断面図。
【符号の説明】
1:地山、2:斜面、4:グラウンドアンカー構造、
5:引張り材、6:注入材、7:受圧板、8:凹所、
9:シース、10:鉄筋枠、11:コンクリート、1
2:角座金、13:ナット、14:上面型枠、15:挿
通孔、16a,16b:窓、17:蓋、18:形鋼、1
9:ボルト、20:受圧板。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自然景観を保全すべき斜面上の複数の位置
    に、所定深さの凹所を掘削して形成し、 各凹所から地盤内に、引張り材を、その頭部を凹所内に
    露出させて貫入し、 前記引張り材頭部を挿通させて各凹所内に、受圧板をほ
    ぼ全体が該凹所内に没入するように設置または打設し、 前記引張り材をその頭部を介して前記受圧板に定着させ
    ることを特徴とする自然景観を保全した斜面安定化工
    法。
  2. 【請求項2】前記受圧板上面を土で覆うことを特徴とす
    る請求項1に記載の自然景観を保全した斜面安定化工
    法。
  3. 【請求項3】斜面上の複数位置に個別に設けた受圧板に
    引張り材を固定した斜面安定化構造において、 前記受圧板は、その上面が斜面とほぼ同一面またはそれ
    以下の位置にあることを特徴とする自然景観を保全した
    斜面安定化構造。
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