JPH11131181A - 耐久性に優れたダイヤモンドソー用基板及びダイヤモン ドソーの製造方法 - Google Patents

耐久性に優れたダイヤモンドソー用基板及びダイヤモン ドソーの製造方法

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JPH11131181A
JPH11131181A JP31109697A JP31109697A JPH11131181A JP H11131181 A JPH11131181 A JP H11131181A JP 31109697 A JP31109697 A JP 31109697A JP 31109697 A JP31109697 A JP 31109697A JP H11131181 A JPH11131181 A JP H11131181A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】強度、靱性、耐久性に優れたダイヤモンドソー
用基板及びダイヤモンドソーの製造方法の提供。 【解決手段】C:0.4〜0.8重量%、Si:0.1
〜1.5重量%、Mn:0.5重量%以下、Ni:0.
5重量%以下、Cr:1.0〜3.0重量%、Mo:
0.1〜1.5重量%、V:0.01〜1.0重量%、
P:0.015重量%以下、S:0.010重量%以
下、N:0.002〜0.010重量%、O:0.01
0重量%以下、酸可溶Al:0.01〜0.10重量
%、残部が実質的にFeの組成を持ち、AC1変態点が7
40℃以上であり、金属組織が焼戻しマルテンサイト組
織であり、ビッカース硬さが280〜400HVである
鋼基板。該鋼基板にダイヤモンド砥粒層を配置した後、
650℃〜鋼基板のAC1変態点の温度域に3〜180分
保持することにより砥粒層を焼結すると共に鋼基板に拡
散接合させてダイヤモンドソーを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性に優れたダイヤ
モンドソー用基板及びダイヤモンドソーの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】道路工事、建材等として使用される石
材、コンクリート、アスファルト、レンガ、ガラス、鋳
鉄管の切断や、半導体、磁性材料、セラミックス等の精
密部材の切断にダイヤモンドソーが使用されている。ダ
イヤモンドソーは、金属基板に砥粒層を接合することに
より製造される。金属基板としては、JISに規定され
ているSK5等の炭素工具鋼、SKS5等の合金工具
鋼、SCM435等の機械構造用合金鋼が多用されてお
り、また特殊用途や高級品用途にはステンレス鋼が一部
用いられている。砥粒層は、ダイヤモンド砥粒とCu、
Ni、Co等の非鉄金属系粉末結合剤を混合した圧粉成
形体を焼結することにより製造される。砥粒層と金属基
板との接合には、ろう付けやレーザ溶接による方法、金
属基板と砥粒層とを同時に加熱(焼結)して拡散接合す
る方法等が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ろう付け、レーザ溶接
等で金属基板に砥粒層を接合するとき、金属基板に焼入
れ・焼戻し等の熱処理を施して硬さを上げることによ
り、金属基板の強度を確保している。しかし、金属基板
と砥粒層との接合界面近傍では、ろう付けレーザ溶接時
の熱影響で金属基板が軟質化又は脆化するため、ダイヤ
モンドソーの耐久性が劣化する傾向がある。他方、金属
基板に砥粒層を拡散接合する方法では、砥粒層を含めて
ダイヤモンドソー全体が焼結炉内で加熱されるため、金
属基板の全体が熱影響を受ける。たとえば、焼結時の加
熱温度がAC1変態点に近くなると金属基板の軟質化が促
進され、硬さレベルが大幅に低下する。また、 AC1
態点を超える温度に金属基板が加熱されると、加熱状態
から冷却される段階で冷却速度によっては焼結前の金属
基板よりも硬さレベルが低下し、或いは組織変化によっ
て硬さレベルが部分的に増加することがある。本発明
は、このような問題を解消すべく案出されたものであ
り、 鋼基板と砥粒層とを同時に焼結して拡散接合する
ダイヤモンドソーの製造において、鋼基板のAC1変態点
以下の昇温による硬さの低下が小さくなる成分設計及び
金属組織を採用することにより、強度、靱性、耐久性等
が高レベルに安定維持されるダイヤモンドソーを提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、ダイヤモンド砥粒層が接合されるダイヤモ
ンドソーの基板として使用される鋼基板であって、C:
0.4〜0.8重量%、Si:0.1〜1.5重量%、
Mn:0.5重量%以下、Ni:0.5重量%以下、C
r:1.0〜3.0重量%、Mo:0.1〜1.5重量
%、V:0.01〜1.0重量%、P:0.015重量
%以下、S:0.010重量%以下、N:0.002〜
0.010重量%、O:0.010重量%以下、酸可溶
Al:0.01〜0.10重量%、残部が実質的にFe
の組成をもち、 AC1変態点が740℃以上であり、金
属組織が焼戻しマルテンサイト組織であり、ビッカース
硬さが280〜400HVであることを特長とする。鋼
基板は、更にCu:0.05〜0.3重量%、Nb:
0.01〜0.3重量%、Ti:0.01〜0.3重量
%の1種又は2種以上を含むことができる。鋼基板にダ
イヤモンド砥粒層を配置した後、650℃〜鋼基板のA
C1変態点の温度域に3〜180分保持することによりダ
イヤモンド砥粒層を焼結すると共にダイヤモンド砥粒層
を鋼基板に拡散接合し、室温まで放冷することによりダ
イヤモンドソーが製造される。使用される鋼基板として
は、焼結前の反り量が300mm長さ当り1.0mm以
下のものが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用される鋼基板は、焼
結時の加熱温度が鋼基板のAC1変態点以下の場合に加熱
による硬さの低下が少ない成分設計及び金属組織を採用
している。すなわち、 AC1変態点を従来の鋼基板より
上昇させて焼結温度範囲を広く設定できるようにし、鋼
基板の金属組織を特殊炭化物を析出させた焼戻しマルテ
ンサイト組織として焼結時の焼戻し軟化を抑制するよう
に、各合金成分を定量的に定めている。以下、本発明に
従った鋼基板に含まれる合金成分、含有量、金属組織等
を説明する。
【0006】C:0.4〜0.8重量% 硬さを確保する上で有効な合金成分であり、焼結時に加
熱される鋼基板の強度を確保する。このような作用は、
0.4重量%以上のC含有量で顕著になる。 しかし、
0.8重量%を超える多量のCが含まれると、靱性が劣
化し易い。 Si:0.1〜1.5重量% 焼結時に加熱される鋼基板の強度を確保する作用を呈
し、鋼基板のAC1変態点を上昇させて焼結温度範囲を広
く設定できるように0.1重量%以上添加する。Si
は、脱酸剤としても有効な成分である。しかし、1.5
重量%を超える多量のSiが含まれると、鋼基板の内部
酸化や脱炭が生じ易くなり、熱間圧延、熱処理等の基板
製造過程で黒鉛化の問題が生じる。
【0007】Mn:0.5重量%以下 鋼の焼入れ性を向上させる合金成分であり、焼結に供す
る鋼基板の熱処理を容易にする。しかし、鋼基板のAC1
変態点を下げて焼結温度範囲を狭くし、MnS等の非金
属介在物や縞状組織を形成して鋼基板の靱性を低下させ
るので上限を0.5重量%とする。 Mnは、脱酸剤と
しても働くが、Si,Al等の元素が使用できるのでM
nは無添加でもよい。 Ni:0.5重量%以下 フェライトに固溶して鋼の靱性を高める働きがある。し
かし、 AC1変態点を下げて焼結温度範囲を狭くするの
で上限を0.5重量%とする。靱性の確保はMo、Vの
ほかP、S、Oの添加量を規定することにより達成でき
るので無添加でもかまわない。 Cr:1.0〜3.0重量% Si添加に起因する黒鉛化や内部酸化を抑制すると共
に、Mnと同様に鋼基板の焼入れ性を向上させる。ま
た、焼結時に加熱される鋼基板の強度を確保する作用を
呈し、鋼基板のAC1変態点を上昇させて焼結温度範囲を
広く設定できるように1.0重量%以上添加する。しか
し、3.0重量%を超える多量のCrを含ませてもこの
ような効果は飽和し、鋼基板の靱性が低下する。
【0008】Mo:0.1〜1.5重量% Mn,Cr等の添加により焼入れ性は向上するものの、
靱性が劣化し易い。そこで、本発明にあっては、0.1
重量%以上のMoを添加することにより靱性の劣化を抑
制している。しかし、1.5重量%を超える多量のMo
が含まれると、却って靱性が低下する。 V:0.01〜1.0% 炭化物を形成しオーステナイト結晶粒を微細化すること
で鋼基板の強度、靱性を向上させるために0.01%以
上添加する。1.0重量%を超えて添加してもこのよう
な効果は飽和し、却って強度、靱性が劣化し易くなる。
【0009】P:0.015重量%以下 鋼基板の結晶粒界に偏析して靱性が劣化し易いので、で
きるだけ少ない方が望ましいが、製造コストを上昇させ
る原因となるので上限を0.015重量%とした。 S:0.010%以下 MnS等の非金属介在物を形成して鋼基板の強度、靱
性、打抜き加工性が劣化し易くなる。また、MnSは基
板用の熱延鋼板圧延中に圧延方向に展伸するため鋼基板
の強度や靱性に異方性が生じ易くなる。以上のことから
上限を0.010重量%とした。
【0010】N:0.002〜0.010重量% V,Al,Ti,Nb等と窒化物や炭窒化物を形成しオ
ーステナイト結晶を微細化させ鋼基板の強度、靱性を向
上させるために0.002重量%以上添加する。0.0
10重量%を超えて添加してもこのような効果は飽和
し、却って強度、靱性が劣化し易くなる。 O:0.010重量%以下 酸化物系の非金属介在物を形成し鋼基板の靱性を低下さ
せるので上限を0.010重量%とする。 酸可溶Al:0.01〜0.10重量% 鋼の脱酸剤として添加される成分であり、鋼中のNと結
合してAlNを形成する。AlNは、鋼基板の熱処理時
にオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制する作用を呈
し、鋼基板の靱性劣化を防止する。このような効果は
0.01重量%以上のAl添加で顕著になる。しかし、
0.10重量%を超える多量のAlを添加すると、製造
コストが上昇するばかりでなく、圧延時、加工時等に表
面疵が発生し易くなる。
【0011】Cu:0.05〜0.3重量% Si,Mn,Cr,Mo等と同様に鋼基板の焼入れ性を
向上させるために0. 05重量%以上添加するが、
0.3重量%を超えるとこのような効果は飽和し、 製
造コストも上昇する。 Nb:0.01〜0.3重量%、Ti:0.01〜0.
3重量% Nb,Tiは炭化物を形成しオーステナイト結晶粒を微
細化することで鋼基板の強度、靱性を向上させるために
0.01%以上添加する。0.3重量%を超えて添加し
てもこのような効果は飽和し、却って強度、靱性が劣化
し易くなる。
【0012】鋼基板のAC1変態点:740℃以上 従来使用されている鋼基板のAC1変態点720〜730
℃に対し、740℃以上になるように成分設計するので
焼結時の加熱温度範囲が広くなり適正な焼結条件を設定
することができる。 鋼基板の金属組織:焼戻しマルテンサイト組織 焼結時の鋼基板の軟化を抑制して強度と靱性を確保する
のに有効な組織であり、フェライト、パーライト、ベイ
ナイト等の組織を含むと強度が低下したり、 靱性が劣
化し易くなる。 鋼基板の硬さ:ビッカース硬さで280〜400HV 従来使用されている鋼基板の硬さ水準は、ビッカース硬
さで250HV程度である。 AC1変態点以下の焼結で
強度、靱性を確保するために加熱温度に応じてビッカー
ス硬さを280〜400HVに設定する。しかし、鋼基
板の硬さが400HVを超えると靱性が劣化し易くな
る。
【0013】このように成分設計された鋼は、鋳片を熱
間圧延した後、酸洗、冷間圧延、焼鈍工程を経て、打抜
き等の加工により所定寸法をもつ鋼基板に製造される。
鋼基板に砥粒層を接合するに際しては、鋼基板に対する
砥粒層の接合強度を高めるため、予め鋼基板の外周部に
機械加工を施し、或いはCuめっき等を施すことができ
る。
【0014】焼結条件:650℃〜鋼基板のAC1変態点
で3〜180分 本発明に従ったダイヤモンドソーは、鋼基板と砥粒層と
を拡散接合することにより製造される。砥粒には、ダイ
ヤモンドの他にCBN(立方晶窒化硼素)等を使用する
こともできる。結合剤には、青銅,Co,Fe,W等の
金属を主成分としたメタルボンドやフェノール,ポリイ
ミド等の樹脂を主成分としたレジンボンドがある。これ
らの砥粒と結合剤との混合粉末は圧粉されると共に、鋼
基板の外周部に接触した状態で治具により固定される。
砥粒層が設けられた鋼基板は、AC1変態点以下の温度域
で加熱されても十分な強度、靱性をもつダイヤモンドソ
ーとなるように成分及び組織設計がされているので、拡
散接合で十分な接合強度が得られるように焼結温度を6
50℃〜AC1変態点の範囲に設定できる。焼結時の加熱
温度が650℃に達しないと、或いは3分に満たない短
時間加熱では、鋼基板と砥粒層との間の接合強度が十分
でない。また、AC1変態点を超える加熱では、鋼基板の
焼戻しマルテンサイト組織に軟質なフェライト組織やパ
ーライト組織が生成して強度、靱性が低下し、180分
を超える長時間加熱では、接合強度の上昇が飽和する。 焼結前の鋼基板の反り量:300mm長さ当り1.0m
m以下 焼結前の基板反り量は、砥粒層との接合強度に影響を及
ぼし、300mm長さ当り1.0mm以下(好ましくは
300mm長さ当り0.6mm以下)の反り量にすると
鋼基板と砥粒層との接合強度が上昇し、ダイヤモンドソ
ーの耐久性が更に向上する。反り量が大きくなると砥粒
層を接合できないこともあり、300mm長さ当り1.
0mmを超える反り量があると接合強度の低下が顕著に
なる。
【0015】
【実施例】
実施例1:表1に示した成分・組成の鋼鋳片を熱間圧延
して板厚3.5mmの熱延板にした後、冷間圧延、焼鈍
工程を経て板厚1.0mmの焼きなまし鋼板を製造し
た。各焼きなまし鋼板を打抜き加工し、ダイヤモンドソ
ー用の鋼基板を用意し、900℃に加熱し、油中へ焼入
れした後、400℃で焼戻しを行った。熱処理を施した
鋼基板には、ダイヤモンド砥粒層と鋼基板との接合強度
を高めるために、基板外周部を機械加工してCuめっき
を施した。ダイヤモンド砥粒としては粒径40μm以下
の人造ダイヤモンドを、結合剤にはメタルボンドを用い
た。
【0016】
【表1】
【0017】鋼基板の外周部にダイヤモンド砥粒層を配
置した状態で、基板のAC1変態点以下の温度である70
0℃に加熱して20分間保持した後、室温まで放冷し
た。冷却された鋼基板の硬さをビッカース硬さ試験(荷
重10kg)で測定し、ダイヤモンドソーの強度を調査
した。また、JIS Z2202の4号サブサイズ試験
片(Vノッチ)を用いてシャルピー衝撃試験で衝撃値を
測定した。表2の測定結果にみられるように、試験鋼種
Gでは、C、Si量が本発明で規程した範囲より低いた
め、本発明例に従った鋼基板A〜Fと同等以上の衝撃値
(靱性)が得られているが、硬さ(強度)が低い値を示
した。
【0018】試験鋼種Hでは、Cr、Mo、V量が本発
明で規程した範囲より低いため、本発明例に従った鋼基
板A〜Fと同等以上の衝撃値が得られているが、硬さが
低い値を示した。試験鋼種Iでは、C、Si量が本発明
で規程した範囲内にあるが、Cr、Mo、V量が本発明
で規程した範囲を超えるため、本発明例に従った鋼基板
A〜Fと同等以上の硬さが得られるが、P、S、O量が
本発明で規程した範囲を超えるため、衝撃値が低下して
いた。試験鋼種Jでは、 Si、Cr量が本発明で規程
した範囲より低く、Mn、Niが本発明で規程した範囲
を超えるため、鋼基板のAC1変態点が加熱温度700℃
より低い683℃となり、フェライトやパーライトを含
む金属組織となったために本発明例に従った鋼基板A〜
Fに比較して硬さ及び衝撃値が低下していた。
【0019】試験鋼種Kでは、Mn、Cr、Mo、V量
は本発明で規程した範囲内であるが、C、Si量が本発
明で規程した範囲を超えるため、本発明例に従った鋼基
板A〜Fと同等以上の硬さが得られているが、衝撃値が
低い値を示した。試験鋼種Lでは、成分は本発明で規程
した範囲内であるが、鋼基板の金属組織がフェライトと
球状化炭化物からなる焼きなまし組織であるために本発
明例に従った鋼基板A〜Fに比較して硬さ及び衝撃値が
低下していた。これに対し、各合金成分の含有量、変態
点、金属組織が本発明で規程した条件を満足する鋼基板
A〜Fでは、鋼基板の硬さは300HV以上に確保され
ており、衝撃値も47J/cm2以上で耐久性に優れる
ことが判る。
【0020】
【表2】
【0021】実施例2:表1の試験鋼種Eを鋼基板と
し、反り量がそれぞれ異なった基板の外周部にダイヤモ
ンド砥粒層を配置して焼結した。焼結後、鋼基板と砥粒
層との接合部に曲げ応力を加え、破断に至ったときのト
ルクの値で鋼基板に対する砥粒層の接合強度を測定し
た。表3の測定結果にみられるように、焼結前の鋼基板
の反り量を300mm長さ当り1.0mm以下にした本
発明例1〜3では、何れもトルク値が1.8kN・cm
以上と高い接合強度を示した。接合強度は、反り量が
0.6mm以下の本発明例2,3にみられるように、反
り量の低下に応じて大きくなっていることが判る。これ
に対し、焼結前に鋼基板に300mm長さ当りあたり
1.58mmの反りがある比較例4では低いトルク値を
示し、反り量3.21mmの比較例5では更に低いトル
ク値0.5kN・cmを示した。また、4mmを超える
大きな反り量の比較例6では、砥粒層が鋼基板に密着せ
ず、焼結による接合ができなかった。
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明で使用さ
れるダイヤモンドソー用鋼基板は、AC1変態点以下の温
度域で硬さの低下が小さくなる成分設計及び金属組織を
採用している。そのため、砥粒層を焼結して鋼基板に拡
散接合する際に、強度及び靱性に優れたダイヤモンドソ
ーが得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド砥粒層が接合されるダイヤ
    モンドソーの基板として使用される鋼基板であって、
    C:0.4〜0.8重量%、Si:0.1〜1.5重量
    %、Mn:0.5重量%以下、Ni:0.5重量%以
    下、Cr:1.0〜3.0重量%、Mo:0.1〜1.
    5重量%、V:0.01〜1.0重量%、P:0.01
    5重量%以下、S:0.010重量%以下、N:0.0
    02〜0.010重量%、O:0.010重量%以下、
    酸可溶Al:0.01〜0.10重量%、残部が実質的
    にFeの組成をもち、AC1変態点が740℃以上であ
    り、金属組織が焼戻しマルテンサイト組織であり、ビッ
    カース硬さが280〜400HVである耐久性に優れた
    ダイヤモンドソー用基板。
  2. 【請求項2】 鋼基板が更にCu:0.05〜0.3重
    量%、Nb:0.01〜0.3重量%、Ti:0.01
    〜0.3重量%の1種又は2種以上を含む請求項1記載
    の耐久性に優れたダイヤモンドソー用基板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の鋼基板にダイヤモ
    ンド砥粒層を配置した後、650℃〜鋼基板のAC1変態
    点の温度域に3〜180分保持することによりダイヤモ
    ンド砥粒層を焼結すると共にダイヤモンド砥粒層を鋼基
    板に拡散接合し、室温まで放冷することを特徴とするダ
    イヤモンドソーの製造方法。
  4. 【請求項4】 焼結前の反り量が300mm長さ当り
    1.0mm以下である鋼基板を使用する請求項3記載の
    ダイヤモンドソーの製造方法。
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