JPH11130677A - 細胞内カルシウム誘導性カルシウム放出チャンネル活性調節剤 - Google Patents

細胞内カルシウム誘導性カルシウム放出チャンネル活性調節剤

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JPH11130677A
JPH11130677A JP9293786A JP29378697A JPH11130677A JP H11130677 A JPH11130677 A JP H11130677A JP 9293786 A JP9293786 A JP 9293786A JP 29378697 A JP29378697 A JP 29378697A JP H11130677 A JPH11130677 A JP H11130677A
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JP
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group
substituted
release channel
calcium
intracellular calcium
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Application number
JP9293786A
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English (en)
Inventor
Takeshi Matsumoto
健 松本
Ichiro Koo
一郎 小尾
Noriko Oogiku
典子 大菊
Kazuhiko Saeki
和彦 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、細胞内CICRチャンネル活性を
調節するエリプティシン誘導体を有効成分としてなる細
胞内CICRチャンネル活性調節剤を提供するものであ
る。 【解決手段】 本発明は、一般式[I] 【化1】 で示される骨格を有するエリプティシン誘導体を有効成
分としてなる細胞内CICRチャンネル活性調節剤に関
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞内カルシウム
誘導性カルシウム放出チャンネル(以下、細胞内CIC
Rチャンネルと略)からのカルシウム放出を調節し、細
胞内カルシウム増加によって生じる疾患の治療に有用な
細胞内CICRチャンネル活性調節剤に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞内カルシウムは心筋細胞、平滑筋細
胞、骨格筋細胞、神経細胞、リンパ球細胞などのほとん
どすべての細胞において、その細胞機能(例えば、生理
的収縮や生理活性物質の放出など)に対して重要な役割
を果たしており、一方、細胞内カルシウム濃度に異常を
きたした場合には、種々の機能障害が生じることも知ら
れている[アレン他、アドバンシズ イン エクスペリ
メンタル メディスンアンド バイオロジー、第346
巻、19頁(1993);ラカッタ、カルディオバスキ
ュラー リサーチ、第26巻、193頁(1992);
北風他サーキュレーション、第77巻、685頁(19
88)]。例えば、虚血/再灌流障害[サンドロイエ
ン、サーキュレーション リサーチ、第62巻、306
頁(1988)]、脳虚血疾患による神経細胞の壊死に
よる機能障害[ファーガー他、デメンティア、7(3)
巻、161頁(1996)]、不整脈[ミウラ他、アメ
リカン ジャーナル オブ フィジオロジー、第265
巻、H439(1993);三田村、不整脈95、メジ
カルビュー社(1995)]、心肥大[ゴメス、サイエ
ンス、第268巻、239頁(1995);ベリッジ
ネーチャー、第361巻、315頁(1993)]など
の異常は細胞内のカルシウム調節異常に基づいている可
能性が示唆されている。
【0003】これら細胞内カルシウム濃度の異常にもと
づく機能障害を予防または改善する薬剤として、これま
でに、細胞膜上の電位依存性カルシウムチャンネル、ナ
トリウム−カルシウムエクスチェンジャーを直接抑制あ
るいは制御する薬剤、あるいはカルシウムポンプ、ナト
リウムチャンネル、ナトリウム−プロトンエクスチェン
ジャー等のカルシウム濃度上昇に関与するチャンネルま
たはエクスチェンジャーおよびそれを調節する因子を制
御する薬剤やCICRチャンネルからの細胞質へのカル
シウム放出を抑制することにより細胞内カルシウム濃度
の増加を抑制する薬剤などが提案されている[イシデ、
ジャパニーズ ハート ジャーナル、第37巻、1頁
(1996)]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞内カル
シウム濃度の異常にもとづく各種疾患の治療に有用な新
規CICRチャンネル活性調節剤を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、抗腫瘍剤として知られているエリプティシン誘
導体が、カフェインによる細胞内CICRチャンネルの
開口にもとづく細胞内カルシウム濃度の上昇及びナトリ
ウム−カルシウムエクスチェンジャーの逆転による細胞
内カルシウム濃度の上昇を抑制することを見い出し、本
発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、一般式[I]:
【0007】
【化5】
【0008】で示される骨格を有するエリプティシン誘
導体またはその薬理的に許容し得る塩を有効成分として
なる細胞内CICRチャンネル活性調節剤に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の有効成分である一般式
[I]:で示される骨格を有するエリプティシン誘導体
の例としては、9−ヒドロキシエリプティシンや、米国
特許第3,933,827号、特開平5−310736
号あるいは特開平6−279441号記載の既知エリプ
ティシン誘導体があげられる。より具体的には、本発明
に係る有効成分であるエリプティシン誘導体として、一
般式[II]:
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Rは水素原子、低級アルキル基ま
たは式:R1CO−で示される基、Rは置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい低
級アルコキシ基、脂肪族炭素環式基、置換基を有してい
てもよいフェニル基あるいは複素環式基を表し、R
水素原子または低級アルキル基を表す。)で示されるエ
リプティシン誘導体または一般式[III]:
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R3は水素原子、水酸基、低級ア
ルコキシ基、置換されていてもよい低級アルカノイルオ
キシ基、低級アルコキシカルボニルオキシ基あるいは低
級アルキルアミノカルボニルオキシ基;R4は低級アル
コキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、置換され
ていてもよいアミノ基、環状アルキル基、フェニル基お
よび式:−COR41(式中、R41は置換されていてもよ
いフェニル基、複素環式基、低級アルケニル基、置換さ
れていてもよい低級アルキル基、水酸基、置換されてい
てもよい低級アルコキシ基、環状アルキル基または置換
されていてもよいアミノ基である)で示される基から選
ばれる置換基を有することもあるアルキル基;低級アル
ケニル基;低級アルキニル基あるいは置換されていても
よい複素環式基;R5は水素原子または低級アルキル
基;Xは無機酸または有機酸のアニオンである。)で示
されるエリプティシン誘導体があげられる。
【0014】本発明の有効成分のうち、一般式[II]
で示される化合物において、R1が置換基を有していて
もよいアルキル基である場合の具体例としては、置換ま
たは非置換低級アルコキシ基、保護されていてもよいカ
ルボキシル基、置換または非置換低級アルコキシカルボ
ニル基、置換または非置換フェニル基、保護されていて
もよいアミノカルボニル基、保護されていてもよいアミ
ノ基、保護されていてもよいアミノ基置換低級アルカノ
イルアミノ基および保護されていてもよい水酸基から選
ばれる1〜3個の置換基を有することもあるアルキル基
があげられ、さらに具体的には、低級アルコキシ基、低
級アルコキシ基置換低級アルコキシ基、保護されていて
もよいカルボキシ低級アルコキシ基、保護されていても
よいカルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低
級アルコキシ基置換低級アルコキシカルボニル基、保護
されていてもよいカルボキシ低級アルコキシカルボニル
基、保護されていてもよいアミノカルボニル基、保護さ
れていてもよいアミノ基、保護されていてもよいアミノ
基置換低級アルカノイルアミノ基および保護されていて
もよい水酸基から選ばれる1〜3個の置換基を有してい
てもよいアルキル基があげられる。R1が置換基を有し
ていてもよい低級アルコキシ基である場合の具体例とし
ては、低級アルコキシ基、保護されていてもよいカルボ
キシル基、低級アルコキシカルボニル基、保護されてい
てもよいアミノカルボニル基、保護されていてもよいア
ミノ基、保護されていてもよいアミノ基置換低級アルカ
ノイルアミノ基および保護されていてもよい水酸基から
選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい低級アル
コキシ基があげられる。R1が脂肪族炭素環式基である
場合の具体例としては、例えば、アダマンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロペンチル基等の如き炭素数3〜1
2の単環もしくは縮合環式脂肪族炭素環式基があげられ
る。R1が置換基を有していてもよいフェニル基である
場合の具体例としては、ハロゲン原子、低級アルキル基
および低級アルコキシ基から選ばれる1〜3個の置換基
を有していてもよいフェニル基があげられる。R1が複
素単環式基である場合の具体例としては、例えば、窒素
原子および硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子
を含む5〜8員複素単環式基があげられ、例えば、チア
ゾリル基、イソチアゾリル基またはチアゾリジニル基等
があげられる。
【0015】一般式[II]で示される化合物の好まし
い例としては、R1が置換または非置換低級アルコキシ
基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換または
非置換低級アルコキシカルボニル基、置換または非置換
フェニル基、保護されていてもよいアミノカルボニル
基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていても
よいアミノ基置換低級アルカノイルアミノ基および保護
されていてもよい水酸基から選ばれる1〜3個の置換基
を有することもあるアルキル基;低級アルコキシ基、保
護されていてもよいカルボキシル基、低級アルコキシカ
ルボニル基、保護されていてもよいアミノカルボニル
基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていても
よいアミノ基置換低級アルカノイルアミノ基および保護
されていてもよい水酸基から選ばれる1〜3個の置換基
を有していてもよい低級アルコキシ基;または窒素原子
および硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含
む複素単環式基である化合物があげられ、とりわけ、R
1が保護されていてもよいアミノ基、低級アルコキシ基
及びカルボキシル基から選ばれる1〜2個の基で置換さ
れていてもよい低級アルキル基である化合物が好まし
い。
【0016】本発明の有効成分[II]において、保護
されたカルボキシル基としては、エステル化されたカル
ボキシル基があげられる。かかるエステル残基として
は、低級アルキル基、ハロゲン置換低級アルキル基、フ
ェニル低級アルキル基、フェナシル基等があげられる。
これらのうち、低級アルキル基、フェニル低級アルキル
基が好ましいエステル残基である。保護されたアミノ基
としては、通常用いられるアミノ基の保護基、例えば、
ホルミル基、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニ
ル基、フェニル低級アルコキシカルボニル基で保護され
たアミノ基をあげることができる。このうち、とりわけ
ホルミル基、低級アルキル基で保護されたアミノ基が好
ましい。保護された水酸基としては、通常用いられる水
酸基の保護基、例えば、低級アルコキシカルボニル基、
ハロゲノ低級アルコキシカルボニル基、フェニル低級ア
ルキル基、トリ低級アルキルシリル基、フェニル低級ア
ルコキシカルボニル基等で保護された水酸基をあげるこ
とができる。これらのうち、とりわけフェニル低級アル
キル基で保護された水酸基が好ましい。
【0017】また、本発明の有効成分のうち、一般式
[III]で示される化合物において、R3が置換され
ていてもよい低級アルカノイルオキシ基である場合の具
体例としては、例えば、低級アルカノイルオキシ基、低
級アルコキシ基置換低級アルカノイルオキシ基、低級ア
ルコキシ−低級アルコキシ基置換低級アルカノイルオキ
シ基があげられる。R4が置換されていてもよいアルキ
ル基である場合、該アルキル基上の置換基の具体例とし
ては、例えば、シクロプロピル基等の3〜6員脂肪族炭
素環式基、フッ素等のハロゲン原子、モノ−もしくはジ
低級アルキルアミノ基、低級アルコキシ基、フェニル
基、シアノ基、水酸基、あるいは式:−COR41で示さ
れる基があげられる。R41が置換されていてもよいフェ
ニル基である場合の具体例としては、非置換フェニル
基、4−クロロフェニル基のようなハロゲン置換フェニ
ル基、4−メトキシフェニル基等の低級アルコキシ基置
換フェニル基、4−(メトキシエトキシ)フェニル基の
ような低級アルコキシ−低級アルコキシ基置換フェニル
基、4−ヒドロキシフェニル基のような水酸基置換フェ
ニル基等があげられる。R41が複素環基である場合の具
体例としては、例えば、チエニル基、フリル基、ピリジ
ル基等の含窒素、含酸素または含硫5〜6員複素環式基
があげられる。また、R41が置換されていてもよい低級
アルキル基である場合の具体例としては、例えば、低級
アルキル基、低級アルコキシ基置換低級アルキル基、低
級アルコキシ−低級アルコキシ基置換低級アルキル基、
低級アルカノイルオキシ基置換低級アルキル基、水酸基
置換低級アルキル基があげられ、置換されていてもよい
低級アルコキシ基である場合の具体例としては、例え
ば、非置換低級アルコキシ基、低級アルコキシ基置換低
級アルコキシ基、低級アルコキシ−低級アルコキシ基置
換低級アルコキシ基があげられる。また、R41が脂肪族
炭素環式基である場合の具体例としては、シクロプロピ
ル基等の如き3〜6員脂肪族炭素環式基があげられる。
さらに、R41が置換されていてもいアミノ基である場合
の具体例としては、アミノ基、モノ−もしくはジ低級ア
ルキルアミノ基(当該モノ−もしくはジ低級アルキルア
ミノ基の低級アルキル基は、低級アルコキシ基、低級ア
ルコキシカルボニル基、フェニル基、2−オキソピロリ
ジノ基の如きオキソ基置換含窒素5〜6員複素環式基お
よびフェニル低級アルキルアミノカルボニル基から選ば
れる1〜2個の基で置換されていてもよい)、4−エト
キシカルボニルフェニルアミノ基のような低級アルコキ
シカルボニルフェニル基置換アミノ基があげられる。ま
た、R4が置換されていてもよい複素環式基である場合
の具体例としては、オキソもしくは低級アルキルカルボ
ニルオキシ基で置換されていてもよいテトラヒドロフリ
ル基やテトラヒドロピラニル基の如き含酸素5〜6員複
素環式基(例えば、2−オキソ−テトラヒドロフラン−
3−イルや2’,3’,4’−トリアセチルアラビノシ
ル等)があげられる。Xで示される無機酸または有機酸
アニオンとしては、薬理的に許容しうるものであればい
かなる種類のものであってもよく、例えば、臭化水素、
ヨウ化水素、塩化水素の如きハロゲン化水素酸、酢酸の
如き低級アルカン酸、メチルスルホン酸もしくはノナフ
ルオロ−1−ブタンスルホン酸の如きハロゲン原子で置
換されていてもよい低級アルキルスルホン酸、モノメチ
ル硫酸の如き低級アルコキシスルホン酸、フェニルスル
ホン酸もしくはトルエンスルホン酸の如き低級アルキル
基等で置換されていてもよいフェニルスルホン酸等から
水素原子ひとつを除いてできる基等があげられる。
【0018】一般式[III]で示される化合物の好ま
しい例としては、R3が水酸基または低級アルコキシ基
であり、R4が式−COR41で示される基で置換された
低級アルキル基であって、R41が低級アルコキシカルボ
ニルフェニル基で置換されたアミノ基;低級アルキルア
ミノ基(当該低級アルキルアミノ基のアルキル部分は低
級アルコキシカルボニル基及びフェニル低級アルキル基
で置換されていてもよい);低級アルキル基;またはハ
ロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である化
合物があげられる。
【0019】また、上記本発明の有効成分(一般式
[I]で示される骨格を有するエリプティシン誘導体)
のうち、より好ましい例としては、9−ヒドロキシエリ
プティシンまたは生体内で9−ヒドロキシエリプティシ
ンに変換される化合物があげられる。
【0020】生体内で9−ヒドロキシエリプティシンに
変換される化合物としては、例えば、一般式[IV]:
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R6O−は生体内で水酸基に変換
されるアシルオキシ基を表す。)で示される化合物があ
げられ、このうち、とりわけ、基R6O−が、低級アル
キル基で置換されていてもよいアミノ基、アミノ基置換
低級アルキル基、低級アルコキシ基およびカルボキシル
基からなる群から選ばれる1〜2個の基で置換されてい
てもよい低級アルキルカルボニルオキシ基である化合物
が好ましい。
【0023】本発明の有効成分である一般式[I]で示
される骨格を有するエリプティシン誘導体には、不斉炭
素原子に基づく光学異性体が存在しうるが、本発明はこ
れら光学異性体及びそのラセミ体等それらの混合物のい
ずれをも含むものである。
【0024】一般式[I]で示される骨格を有するエリ
プティシン誘導体は、遊離の形でも、また薬理的に許容
し得る塩の形でも医薬用途に使用することができる。か
かる薬理的に許容し得る塩としては、無機酸の塩(塩酸
塩、硫酸塩など)、有機酸との塩(低級アルキルスルホ
ン酸塩、酢酸塩など)、アルカリ金属塩(ナトリウム
塩、カリウム塩など)あるいはアルカリ土類金属塩(カ
ルシウム塩など)等をあげることができる。
【0025】また、一般式[I]で示される骨格を有す
るエリプティシン誘導体またはその薬理的に許容しうる
塩は、その分子内塩、付加物、錯体、水和物あるいは溶
媒和物をも含む。
【0026】一般式[I]で示される骨格を有するエリ
プティシン誘導体またはその薬理的に許容しうる塩は、
経口的にも非経口的にも投与することができ、また常法
により例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤、注射
剤、吸入剤のような適宜の医薬製剤として用いることが
できる。
【0027】経口投与する場合の剤形は、錠剤、顆粒
剤、カプセル剤、散剤の如き固形剤であってもよく、溶
液、懸濁剤の如き液剤であってもよく、経口投与に適し
た医薬担体と共に医薬製剤として使用することができ
る。かかる医薬担体としては、例えば、結合剤(シロッ
プ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガン
ト、ポリビニルピロリドン等)、賦形剤(乳糖、砂糖、
コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシ
ン等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、
ポリエチレングリコール、シリカ等)、崩壊剤(バレイ
ショデンプン等)又は湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム
等)等慣用のものをいずれも使用できる。
【0028】一方、非経口投与する場合の剤形は、例え
ば、注射用蒸留水、生理的食塩水、ブドウ糖水溶液等を
用いて、注射剤や点滴注射剤とするのが好ましい。
【0029】本発明の有効成分である一般式[I]で示
される骨格を有するエリプティシン誘導体またはその薬
理的に許容しうる塩の投与量は、投与方法、患者の年
令、体重、状態によっても異なるが、通常、1日当り約
0.1〜50mg/kg、とりわけ約1〜10mg/k
g程度とすることができる。また、投与量を適宜選択す
れば、抗腫瘍活性を示すことなく、目的の効果を得るこ
ともできる。
【0030】本発明の細胞内CICRチャンネル活性調
節剤は、カフェインによる細胞内CICRチャンネルの
開口にもとづく細胞内カルシウム濃度の上昇及びナトリ
ウム−カルシウムエクスチェンジャーの逆転による細胞
内カルシウム濃度の上昇に対して優れた抑制作用を有す
る。
【0031】一方、心筋や平滑筋に存在するCICRチ
ャンネルは細胞内の微量のカルシウム濃度が上昇するこ
とにより開口すると考えられている。例えば、心筋の場
合、膜電位依存性のL型カルシウムチャンネルから流入
する少量のカルシウムによりこのチャンネルが開き、生
理的収縮が起こると考えられている。従って、細胞内C
ICRチャンネルは筋肉細胞では必須と考えられてお
り、このチャンネル抑制作用を持つ薬物には、場合によ
って、生理的機能を抑制する作用(例えば骨格筋におけ
る弛緩作用、心筋での陰性変力作用)を示すものもある
と思われる。しかしながら、本発明の細胞内CICRチ
ャンネル活性調節剤は、生理的機能に対する好ましくな
い抑制作用(例えば、心筋細胞に対する陰性変力作用な
ど)をほとんど示さないため、細胞内カルシウムの過剰
負荷により惹起される疾患(例えば、虚血性心疾患、不
整脈、遅発性脳神経細胞壊死等)の予防・治療に好適に
使用することができる。
【0032】本発明の有効成分である一般式[I]で示
される骨格を有する化合物のうち、一般式[II]で示
される化合物は米国特許第3,933,827号又は特
開平6−279441号に従って製造することができ
る。
【0033】例えば、一般式[II]のうち、Rが式:
1CO−で示される基であるエリプティシン誘導体
は、特開平6−279441号に従って、9−ヒドロキ
シエリプティシンまたはその塩を一般式[V]:
【0034】
【化9】
【0035】(式中、R1は水素原子、低級アルキル基
またはアシル基であり、アシル基中にアミノ基、カルボ
キシル基または水酸基を有する場合、これらの基は通常
の保護基で保護されていてもよい。)で示されるカルボ
ン酸化合物、その塩またはその反応性誘導体と、適当な
溶媒(例えば、アセトン、ジメチルホルムアミド等反応
に悪影響を及ぼさないもの)中、縮合剤(例えば、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド等)の存在もしくは非存在
下または脱酸剤(水酸化アルカリ金属等)の存在もしく
は非存在下、冷却〜加温下(例えば20〜50℃)で反
応させ、一般式[VI]:
【0036】
【化10】
【0037】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示されるエリプティシン誘導体を得、R1が保
護されたアミノ基、保護されたカルボキシル基及び/又
は保護された水酸基を有する場合は、所望により、その
エリプティシン誘導体[VI]を通常の脱保護反応に供
して、該保護基を除去することにより製造することがで
きる。
【0038】また、一般式[III]で示されるエリプ
ティシン誘導体は、特開平5−310736号に従っ
て、一般式[VII]:
【0039】
【化11】
【0040】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される原料化合物を一般式[VIII]:
【0041】
【化12】
【0042】(式中、記号は前記と同一意味を有す
る。)で示される化合物と、適当な溶媒(例えば、ジメ
チルホルムアミド等反応に悪影響を及ぼさないもの)
中、冷却〜加温下(例えば、20〜50℃)で反応させ
ることにより製造することができる。
【0043】本明細書中、アルキル基とは炭素数1〜1
2のものを表し、低級アルキル基、低級アルコキシ基、
低級アルケニル基及び低級アルキニル基とは、炭素数が
1から6の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基、アルコ
キシ基、アルケニル基及びアルキニル基を表し、このう
ち、とりわけ炭素数1〜4のものが好ましい。低級アル
カノイル基としては、炭素数が2から7の直鎖もしくは
分枝鎖アルカノイル基、とりわけ炭素数2から4のもの
が好ましい。ハロゲン原子とは、塩素原子、臭素原子、
フッ素原子、ヨウ素原子を表す。
【0044】
【実験例】
実験例1[エリプティシン誘導体の細胞内カルシウム濃
度変化に及ぼす効果] ウサギ心筋型CICRチャンネルを発現細胞(ジャーナ
ル オブ バイオケミストリー、第112巻、508
頁、1992年)に細胞内カルシウム蛍光指示薬Flu
o−3(1−[2−アミノ−5−(2,7−ジクロロ−
6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−
イル)]−2−[2’−アミノ−5’−メチルフェノキ
シ]エタン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸;同仁化
学研究所社製)をアセトキシメチル体として細胞内に導
入したのち、測定用バッファーに懸濁し、当該細胞懸濁
液の蛍光強度の変化を蛍光光度計(CAF−110;日
本分光製)を用いて経時的に測定した。この際、細胞外
液からのカルシウム流入を避けるために、外液に過剰量
のEGTA(エチレングリコール ビス(2−アミノエ
チルエーテル)−N,N,N’,N’−テトラ酢酸)を
添加し、また、蛍光測定開始から1分後に検体溶液(1
0%ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解)を終濃
度が0.1mMとなるように加え、検体添加2分後にカ
フェイン10mMを添加した。また、コントロールとし
て、検体溶液の代わりに10%DMSOのみを添加し
て、上記と同様に蛍光強度の経時変化を測定した。カフ
ェイン惹起性細胞内カルシウム濃度上昇に対する検体の
効果は下式により算出される細胞内カルシウム増加抑制
率(%)で評価した。結果を下記第1表に示す。なお、
検体添加時点からカフェイン添加の間は細胞内カルシウ
ム濃度の変化(蛍光強度の変化)は観察されなかった。
【0045】
【数1】
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】実験例2[エリプティシン誘導体の心筋に
対する変力作用] 7〜11週齢のSD系雄性ラット(一群6〜7例;日本
エスエルシー)から、ペントバルビタール麻酔下で心臓
を摘出し、直ちに氷冷後、95%酸素−5%二酸化炭素
混合ガスを通気したクレブス−ヘンセライト溶液(K−
H溶液)に浸した。摘出心臓の2本の左心室乳頭筋を摘
出し、上記混合ガスを通気したK−H溶液を満たした全
量10mlのマグヌス槽(37℃に保温)に懸垂した。
マグヌス槽内にはフィールド刺激用の白金板電極を設置
し、電気刺激(0.5Hz、5msecの矩型波)を行
った(印加電圧は収縮反応閾値の120%とした)。ナ
イロン系にて乳頭筋組織と張力トランスデューサーを接
続し、乳頭筋組織に約500mgの静止張力をかけ、発
生張力を張力用アンプにて測定した。検体(9−ヒドロ
キシエリプティシン)は、10-2Mとなるように蒸留水
に溶解後、終濃度10-4Mとなるようマグヌス槽に添加
した。検体添加30分後に槽内を検体不含のK−H溶液
に置換してさらに30分間観察した(10分毎に発生張
力を測定した)。対照群は検体水溶液の代わりに蒸留水
を用いて、上記と同様に処置した。検体化合物の陰性変
力作用は下式で示される乳頭筋の発生張力比(%)で評
価した。結果は、下記第2表に記載の通りであり、9−
ヒドロキシエリプティシン10-4Mは、30分の検体に
よる処理時間及び検体除去後の30分間を通じて有意な
陰性変力作用を示さなかった。
【0049】
【数2】
【0050】
【表3】
【0051】実験例3[細胞内カルシウム負荷に対する
作用] (ラット心筋細胞の単離)ペントバルビタール麻酔下で
摘出したSD系ラットの心臓を、氷冷したカルシウム不
含の細胞単離用緩衝液(KRM液;118.5mM塩化
ナトリウム、2.6mM塩化カリウム、1.18mM硫
酸マグネシウム、1.18mMリン酸水素カリウム、
4.5mM炭酸水素ナトリウム、11.1mMグルコー
ス、15mMヘペス−水酸化ナトリウム(pH7.
4))で洗浄した。余分な組織を取り除いた後、大動脈
からカニュレーションし、ランゲルドルフ法にて逆行性
に酵素液を灌流することにより、心筋細胞の消化を行っ
た[灌流圧は80cmの静水圧とし、灌流液はすべて3
7℃に保ち、95%酸素−5%二酸化炭素にて通気した
ものを用いた。カルシウム不含のMKR液を2分間灌流
した後、トリプシンを10分間、タイプIコラーゲナー
ゼを25分間灌流した]。上記のように灌流処理した心
臓から心室のみを切り出して細切後、灌流に用いたタイ
プIコラーゲナーゼ液中で5分間振とう(100ストロ
ーク/分)し、細胞塊を分散させた。ナイロンメッシュ
(250μm)にてろ過し、ろ液中の心筋細胞をカルシ
ウム不含のMKR液で3回洗浄した後、心筋細胞を1%
BSA、1mM塩化カルシウムを含むMKR液に懸濁
し、心筋細胞懸濁液を得た。
【0052】(細胞内カルシウム濃度測定)10μMF
luo−3AM(同仁化学研究所社製)を含むMKR液
に上記心筋細胞を懸濁し、37℃で1時間インキュベー
トすることにより、細胞内にFluo−3を負荷した。
Fluo−3負荷細胞を集めてMKR液で洗浄後、検体
(9−ヒドロキシエリプティシン)を含むMKR液で3
7℃、10分間インキュベートした。その後、検体を含
み、かつ塩化ナトリウムを一部塩化コリンに置換した組
成(108mM塩化コリン、10.5mM塩化ナトリウ
ムを含む)を有するMKR液に心筋細胞を懸濁し、CA
F−110(日本分光)を用いて、蛍光強度(F)の経
時変化を測定した。測定終了時に200μMイオノマイ
シン(シメチルスルホキシド溶液;カルビオケム社製)
を15μl添加して最大蛍光強度(Fmax)を測定し
た後、150mMEGTA−トリス溶液(pH7.4)
を添加して最小蛍光強度(Fmin)を測定した。ま
た、対照として検体を含まないMKR液で心筋細胞を上
記と同様に処理した。細胞内カルシウム濃度([Ca]
cyt)は、下式(1)に従って算出し、検体の細胞内カ
ルシウム濃度上昇抑制作用は下式(2)で示される細胞
内Ca濃度上昇抑制率(%)を指標として評価した。結
果は、下記第3表記載の通りである。
【0053】
【数3】
【0054】
【数4】
【0055】
【表4】
【0056】実験例4[虚血/再灌流モデルでの効果] SD系雄性ラット(一群8匹)にエーテル麻酔下、ヘパ
リンを尾静注し、心臓を摘出後、直ちに氷冷したK−H
溶液に浸した。摘出心臓をランゲルドルフ法により灌流
した[37℃,95%酸素−5%二酸化炭素混合ガスを
通気したK−H溶液を90cmの静水圧で定圧灌流し
た]。摘出心臓の心尖部と右心室にステンレス製針電極
を装着し、生体電極アンプにより心電図を経時的に観察
した。また、ナイロン系にて心尖部と張力トランスデュ
ーサーを接続し、発生張力を張力用アンプにて測定し
た。また、摘出心臓は、15分間のK−H溶液の灌流に
つづき、9−ヒドロキシエリプティシン10-6M水溶液
を5分間灌流した後、流路の完全閉塞を行うことにより
虚血状態とした。閉塞20分後に再びK−H溶液を灌流
し、再灌流後は90分間観察を続け、心電図上の頻脈、
粗動および細動の出現を再灌流障害の指標とした。更
に、心収縮力、心収縮力の微分値(最小値及び最大
値)、心拍数及び灌流量を灌流路閉塞の前後の各測定点
で計測し、経時変化を観察した。その結果、対照群で
は、閉塞開始直後から収縮力の低下および心拍数の低下
を認め、かつ全例で閉塞開始後約2分後に収縮力がほぼ
ゼロとなり、約15分後に拘縮が認められた。また、再
灌流直後にわずかに拍動が回復する期間を認めたのち、
全例で直ちに心室細動が認められた。これに対し、検体
処理群は、下記第4表の通り、対照群と較べて、心室細
動が発現するまでの時間が顕著に延長された。また、実
験開始130分後の最終観察時点では、対照群では8例
中1例のみが、一方、検体処理群では5例が自発的拍動
を回復した。なお、検体処理群の回復例(5例)のうち
4例は再灌流後30分以内に自発的な拍動を回復した。
【0057】
【表5】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I]: 【化1】 で示される骨格を有するエリプティシン誘導体またはそ
    の薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる細胞内カ
    ルシウム誘導性カルシウム放出チャンネル活性調節剤。
  2. 【請求項2】 一般式[I]で示される骨格を有するエ
    リプティシン誘導体が、一般式[II]: 【化2】 (式中、Rは水素原子、低級アルキル基または式:R1
    CO−で示される基、R1は置換基を有していてもよい
    アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ
    基、脂肪族炭素環式基、置換基を有していてもよいフェ
    ニル基あるいは複素環式基を表し、R2は水素原子また
    は低級アルキル基を表す。)で示されるエリプティシン
    誘導体である請求項1記載の細胞内カルシウム誘導性カ
    ルシウム放出チャンネル活性調節剤。
  3. 【請求項3】 R1が、置換または非置換低級アルコキ
    シ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換また
    は非置換アルコキシカルボニル基、置換または非置換フ
    ェニル基、保護されていてもよいアミノカルボニル基、
    保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよい
    アミノ基置換低級アルカノイルアミノ基および保護され
    ていてもよい水酸基から選ばれる1〜3個の置換基を有
    することもあるアルキル基;低級アルコキシ基、保護さ
    れていてもよいカルボキシル基、低級アルコキシカルボ
    ニル基、保護されていてもよいアミノカルボニル基、保
    護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいア
    ミノ基置換低級アルカノイルアミノ基および保護されて
    いてもよい水酸基から選ばれる1〜3個の置換基を有し
    ていてもよい低級アルコキシ基;または窒素原子および
    硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む複素
    単環式基である請求項2記載の細胞内カルシウム誘導性
    カルシウム放出チャンネル活性調節剤。
  4. 【請求項4】 R1が保護されていてもよいアミノ基、
    低級アルコキシ基及びカルボキシル基から選ばれる1〜
    2個の基で置換されていてもよい低級アルキル基である
    請求項2記載の細胞内カルシウム誘導性カルシウム放出
    チャンネル活性調節剤。
  5. 【請求項5】 一般式[I]で示される骨格を有するエ
    リプティシン誘導体が、一般式[III]: 【化3】 (式中、R3は水素原子、水酸基、低級アルコキシ基、
    置換されていてもよい低級アルカノイルオキシ基、低級
    アルコキシカルボニルオキシ基あるいは低級アルキルア
    ミノカルボニルオキシ基;R4は低級アルコキシ基、ハ
    ロゲン原子、シアノ基、水酸基、置換されていてもよい
    アミノ基、環状アルキル基、フェニル基および式:−C
    OR41(式中、R41は置換されていてもよいフェニル
    基、複素環式基、低級アルケニル基、置換されていても
    よい低級アルキル基、水酸基、置換されていてもよい低
    級アルコキシ基、脂肪族炭素環式基または置換されてい
    てもよいアミノ基である)で示される基から選ばれる置
    換基を有することもあるアルキル基;低級アルケニル
    基;低級アルキニル基あるいは置換されていてもよい複
    素環式基;R5は水素原子または低級アルキル基;Xは
    無機酸または有機酸のアニオンである。)で示されるエ
    リプティシン誘導体である請求項1記載の細胞内カルシ
    ウム誘導性カルシウム放出チャンネル活性調節剤。
  6. 【請求項6】 R3が水酸基または低級アルコキシ基で
    あり、R4が式−COR41で示される基で置換された低
    級アルキル基であって、R41が低級アルコキシカルボニ
    ルフェニル基で置換されたアミノ基;低級アルキルアミ
    ノ基(当該低級アルキルアミノ基のアルキル部分は低級
    アルコキシカルボニル基及びフェニル低級アルキル基で
    置換されていてもよい);低級アルキル基;またはハロ
    ゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である請求
    項5記載の細胞内カルシウム誘導性カルシウム放出チャ
    ンネル活性調節剤。
  7. 【請求項7】 一般式[I]で示される骨格を有するエ
    リプティシン誘導体が、9−ヒドロキシエリプティシン
    または生体内で9−ヒドロキシエリプティシンに変換さ
    れる化合物である請求項1記載の細胞内カルシウム誘導
    性カルシウム放出チャンネル活性調節剤。
  8. 【請求項8】 生体内で9−ヒドロキシエリプティシン
    に変換される化合物が、一般式[IV]: 【化4】 (式中、R6O−は生体内で水酸基に変換されるアシル
    オキシ基を表す。)で示される化合物である請求項7記
    載の細胞内カルシウム誘導性カルシウム放出チャンネル
    活性調節剤。
  9. 【請求項9】 基R6O−が、低級アルキル基で置換さ
    れていてもよいアミノ基、アミノ基置換低級アルキル
    基、低級アルコキシ基およびカルボキシル基からなる群
    から選ばれる1〜2個の基で置換されていてもよい低級
    アルキルカルボニルオキシ基である請求項8記載の細胞
    内カルシウム誘導性カルシウム放出チャンネル活性調節
    剤。
  10. 【請求項10】 細胞内カルシウムの過剰負荷により惹
    起される疾患の予防・治療剤である請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8または9記載の細胞内カルシウム誘
    導性カルシウム放出チャンネル活性調節剤。
  11. 【請求項11】 虚血性心疾患の予防・治療剤である請
    求項10記載の細胞内カルシウム誘導性カルシウム放出
    チャンネル活性調節剤。
  12. 【請求項12】 不整脈の予防・治療剤である請求項1
    0記載の細胞内カルシウム誘導性カルシウム放出チャン
    ネル活性調節剤。
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