JPH11129389A - 成形加工性に優れたプレコート鋼板およびその製造方法 - Google Patents

成形加工性に優れたプレコート鋼板およびその製造方法

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JPH11129389A
JPH11129389A JP30966197A JP30966197A JPH11129389A JP H11129389 A JPH11129389 A JP H11129389A JP 30966197 A JP30966197 A JP 30966197A JP 30966197 A JP30966197 A JP 30966197A JP H11129389 A JPH11129389 A JP H11129389A
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wax
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solid content
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JP30966197A
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English (en)
Inventor
Takashi Ioriyashiki
孝思 庵屋敷
Keiji Yoshida
啓二 吉田
Masaaki Yamashita
正明 山下
Yasuyuki Kajita
保之 梶田
Hiroyuki Kato
博之 加藤
Katsuyoshi Tanaka
勝祥 田中
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JFE Engineering Corp
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐傷付き性、成形加工性、塗膜硬度に優れ、
且つワックスの凝集による塗膜表面の曇り等も生じない
プレコート鋼板を得る。 【解決手段】 化成処理が施された亜鉛系めっき鋼板の
表面に下塗り塗膜および上塗り塗膜を有するプレコート
鋼板であって、前記上塗り塗膜が下記イ)〜ハ)を主成
分とし、且つワックスが塗料組成物100重量部に対し
て0.3〜30重量部配合された塗料組成物を塗布して
形成した塗膜であることを特徴とする。 イ)一般式(1) 【化1】 を主たる繰り返し単位とするポリエステル化合物:1〜
15重量% ロ)上記イ)を除くポリオール:40〜90重量% ハ)硬化剤:9〜50重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、高硬度で且つ成形
加工性に優れたプレコート鋼板に関するものである。本
発明のプレコート鋼板は、例えば家電製品や建材用途等
に好適であり、また自動車用としても使用することがで
きる。
【0002】
【従来の技術】従来、プレコート鋼板用塗料としては、
外面下塗り塗料および裏面塗料にはポリエステル樹脂や
エポキシ樹脂が主として使用され、また外面上塗り塗料
にはポリエステル系、アクリル系、ビニル系の塗料等が
使用されている。外面上塗り塗料として最も一般的であ
るのが、ポリエステル樹脂(主剤)とメラミン化合物
(硬化剤)との組み合わせからなるポリエステル樹脂塗
料であり、この塗料ではポリエステル樹脂により加工性
を、またメラミン化合物により硬度を得ている。しか
し、この外面上塗り塗料は要求性能の厳しいプレコート
鋼板、特に家電用途などのプレコート鋼板においては、
その性能は十分なものとは言えない。
【0003】また、プレコート鋼板に要求される重要な
性能の一つとして、成形加工時の成形機との摩擦による
傷付きや成形加工後の搬送による傷付き等を生じにくい
こと(耐傷付き性)が挙げられるが、従来のプレコート
鋼板用塗料は、このような要求特性を十分に満足させる
ものではなかった。
【0004】従来、加工性と塗膜硬度を高度に満足させ
得る塗膜用の塗料組成物に関しては、例えば特開平7−
233349号において、ポリオールを主剤とし、イソ
シアネート化合物および/またはアミノ樹脂を硬化剤と
する塗料組成物に、主としてナフタレン−2,6−ジカ
ルボン酸および/またはその低級アルキルエステルをア
ルコール成分と反応させて得られるポリエステル化合物
を加えたプレコート鋼板用塗料組成物が提案されてい
る。しかし、この特開平7−233349号の塗料組成
物では、良好な加工性(例えば、折り曲げ加工性)と硬
度を有する塗膜は得られるものの、上述したような成形
加工時等の耐傷付き性については十分満足できる性能は
得られない。
【0005】従来一般に、成形加工時の耐傷付き性の改
善には塗膜中にワックス(潤滑剤)を添加することが行
われており、このワックスとしてはカルナバワックス、
パーム油等のような天然ワックスや合成ワックスが用い
られている。しかしながら、これらの潤滑剤を添加した
従来の塗膜は、塗膜表面に浮き出ているワックス類が
他の物質との接触により脱落し、被接触面を汚す、水
等との接触によりワックス類が塗膜表面で凝集し、塗膜
を曇らせる、塗装面にハジキ、アイホール等を発生さ
せる、等の問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような問題に対
し、例えば、特開平1−81865号には、カルボキシ
ル基若しくは水酸基を有するポリオレフィン系ワックス
若しくは天然ワックスと、カルボキシル基若しくは水酸
基と反応し得る官能基を有する塗料用樹脂との反応生成
物を含む潤滑性塗料組成物が提案されているが、この技
術は上記の点ではそれなりの効果は得られるものの、
上記、の点や成形加工時の耐傷付き性の面では十分
な性能は得られない。
【0007】したがって本発明の目的は、上記のような
従来技術の課題を解決し、厳しい成形加工においても優
れた耐傷付き性と高度の成形加工性を有し、しかも塗膜
硬度にも優れ、且つワックスの凝集による塗膜表面の曇
り等も生じることがないプレコート鋼板およびその製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決し、優れた性能のプレコート鋼板を得るために検
討を重ねた結果、化成処理を施した亜鉛系めっき鋼板の
表面に下塗り塗膜と上塗り塗膜を形成するとともに、上
塗り塗膜として、ポリオールを主剤とし、これに硬化剤
と、主としてナフタレン−2,6−ジカルボン酸および
/またはその低級アルキルエステルをアルコール成分と
反応させて得られるポリエステル化合物を加えた塗料配
合系であって、これにさらに適量のワックスを添加した
塗膜を形成することにより、耐傷付き性、塗膜硬度、成
形加工性および成形加工後の仕上り外観がともに優れた
プレコート鋼板が得られることを見い出した。
【0009】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴とする構成は以下の通りである。 [1] 化成処理が施された亜鉛系めっき鋼板の表面に下塗
り塗膜および上塗り塗膜を有するプレコート鋼板であっ
て、前記上塗り塗膜が下記イ)〜ハ)を主成分とし、且
つワックスが固形分の割合で塗料組成物100重量部
(但し、ワックスを除く塗料組成物の重量)に対して
0.3〜30重量部配合された塗料組成物を塗布して形
成した塗膜であることを特徴とする成形加工性に優れた
プレコート鋼板。 イ)一般式(1)
【化3】 を主たる繰り返し単位とするポリエステル化合物:樹脂
固形分中の割合で1〜15重量% ロ)上記イ)を除くポリオール:樹脂固形分中の割合で
40〜90重量% ハ)硬化剤:樹脂固形分中の割合で9〜50重量%
【0010】[2] 上記[1]のプレコート鋼板において、
上塗り塗膜を形成する塗料組成物中の硬化剤がブロック
化ポリイソシアネート化合物であることを特徴とする成
形加工性に優れたプレコート鋼板。 [3] 上記[1]または[2]のプレコート鋼板において、上塗
り塗膜中に含まれるワックスの融点が100℃以上であ
ることを特徴とする成形加工性に優れたプレコート鋼
板。 [4] 上記[1]〜[3]のいずれかのプレコート鋼板におい
て、上塗り塗膜中に含まれるワックスが、ポリエチレン
ワックスとポリテトラフルオロエチレンの混合物である
ことを特徴とする成形加工性に優れたプレコート鋼板。
【0011】[5] 化成処理が施された亜鉛系めっき鋼板
の表面に下塗り塗膜用の塗料組成物を塗布した後、18
0〜260℃の到達板温で焼付処理し、次いで、下記
イ)〜ハ)を主成分とし、且つワックスが固形分の割合
で塗料組成物100重量部(但し、ワックスを除く塗料
組成物の重量)に対して0.3〜30重量部配合された
上塗り塗膜用の塗料組成物を塗布した後、 イ)一般式(1)
【化4】 を主たる繰り返し単位とするポリエステル化合物:樹脂
固形分中の割合で1〜15重量% ロ)上記イ)を除くポリオール:樹脂固形分中の割合で
40〜90重量% ハ)硬化剤:樹脂固形分中の割合で9〜50重量% 180〜260℃の到達板温で焼付処理することを特徴
とする成形加工性に優れたプレコート鋼板の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細とその限定理
由を説明する。本発明のプレコート鋼板は、化成処理が
施された亜鉛めっき鋼板の表面に下塗り塗膜および上塗
り塗膜を形成した塗装鋼板である。
【0013】下地鋼板となる亜鉛系めっき鋼板として
は、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、
電気亜鉛めっき鋼板、溶融Zn−55%Al合金めっき
鋼板、溶融Zn−5%Al合金めっき鋼板、Zn−Ni
合金めっき鋼板、Zn−Co金めっき鋼板、Zn−Cr
合金めっき鋼板、複合亜鉛系めっき鋼板(例えば、電気
Zn−SiO2分散めっき鋼板)等の各種亜鉛系めっき
鋼板を用いることができる。また、特に耐食性が要求さ
れる用途には、溶融Zn−55%Al合金めっき鋼板や
溶融Zn−5%Al合金めっき鋼板を用いることが好ま
しい。
【0014】このような亜鉛系めっき鋼板の表面にはリ
ン酸塩処理、クロメート処理等の化成処理が施され、そ
の上に下塗り塗膜および上塗り塗膜が順次形成される。
このように化成処理を行っためっき鋼板面に塗膜を形成
することにより、塗膜の鋼板面への密着性が向上すると
ともに、耐食性も向上する。
【0015】本発明のプレコート鋼板の上塗り塗膜は、
イ)特定のポリエステル化合物と、ロ)上記イ)を除く
ポリオールと、ハ)硬化剤とを主成分とし、これにワッ
クスを特定の割合で配合した塗料組成物を塗布し、焼付
処理して形成させたものである。
【0016】まず、上記イ)のポリエステル化合物は下
記一般式(1)を主たる繰り返し単位とするポリエステル
化合物である。
【化5】 上記イ)のポリエステル化合物は、酸成分であるナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸および/またはその低級ア
ルキルエステルをアルコール成分と反応させることによ
り得ることができる。
【0017】上記イ)のポリエステル化合物を得るため
の酸成分としては、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸
および/またはその低級アルキルエステルが主として用
いられるが、それらの一部をテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸等のジカルボン酸、またはこれらジカルボン
酸の低級アルキルエステル等で置き換えることもでき
る。この低級アルキルエステルとしては、炭素数が1〜
2個のメチルエステル、エチルエステル等が挙げられ
る。但しこの場合でも、主体となるナフタレン−2,6
−ジカルボン酸は酸成分全体のうち85モル%以上と
し、置き換えられる他の化合物の割合は15モル%未満
に抑えることが望ましい。
【0018】また、上記イ)のポリエステル化合物を得
るためのアルコール成分としては、主としてジオールを
用いる。このジオールとしては脂肪族ジオール、脂環族
ジオール等を用いることができ、例えば、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ
る。また、ポリオキシアルキレングリコール、特に、数
平均分子量が1000以下のポリエチレングリコール
(以下、PEGと略す)、或いは数平均分子量が100
0以下のポリテトラエチレングリコール(以下、PTG
と略す)を使用することもできる。また、これらを混合
して使用してもよい。
【0019】また、アルコール成分としては、上述した
ジオールの他に3価以上の多価アルコールを用いてもよ
い。多価アルコールとしては、トリエチレングリコー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールエタン等が挙げられる。
【0020】以上のような酸成分とアルコール成分とが
反応し、上記イ)のポリエステル化合物が生成される。
また特に、平均分子量が1000以下のPEGまたは平
均分子量が1000以下のPTGを用いた場合には、エ
ーテル結合を有するポリエステル化合物が生成される。
【0021】本発明で用いる上記イ)のポリエステル化
合物は、エステル交換法や直接エステル化法等の通常の
ポリエステル製造法によって得ることができる。通常、
酸成分とアルコール成分はモル比1:2で反応するの
で、効率良く反応を行うためには、酸成分とアルコール
成分をできるだけモル比1:2に近い割合で配合するの
が望ましい。また、ポリエステル化合物は、単独または
2種類以上の組み合わせのいずれでも使用することがで
きる。
【0022】上述したような酸成分とアルコール成分の
組み合わせで生成したポリエステル化合物は、偏光顕微
鏡で観察した場合に異方性を示す。このようなポリエス
テル化合物を含む塗膜は、焼付後においても液晶化合物
の特徴である配向等の作用により塗膜の強靭化が図ら
れ、これが塗膜硬度と加工性の改善に寄与するものと考
えられる。
【0023】上記PEGまたはPTGをアルコール成分
として用いた場合、これが酸成分と反応し、エーテル結
合を有するポリエステル化合物が生成する。このエーテ
ル結合を有するポリエステル化合物は還元粘度が0.2
0dl/g以下であることが望ましい。還元粘度が0.
20dl/gを超えると溶剤への溶解性やポリオール、
硬化剤等との相溶性が著しく低下し、塗膜性能も不十分
なものとなる。なお、還元粘度は、試料をフェノール/
テトラクロロエタン(重量比:60/40)の溶液に溶
解し、ウベローデ型粘度計を用いて25℃で測定した値
である。このエーテル結合を有するポリエステル化合物
を用いた場合は、フレキシブルなエーテル鎖と剛直なナ
フタレン骨格との組み合わせにより架橋構造に強靭性が
付与され、これが塗膜硬度と加工性の改善に寄与してい
るものと考えられる。
【0024】上記イ)のポリエステル化合物の配合量
は、樹脂固形分中の割合で1〜15重量%、好ましくは
2〜12重量%、さらに好ましくは3〜10重量%とす
る。上記ポリエステル化合物の配合量が1重量%未満で
は、塗膜性能の向上効果が顕著でなく、一方、配合量が
15重量%を超えると塗膜の可撓性が低下する。
【0025】次に、上記ロ)のポリオールとしては、ア
クリル樹脂またはポリエステル樹脂を用いることができ
る。上記ロ)のポリオールであるアクリル樹脂は、1分
子中に少なくとも2個の水酸基を有し、且つ数平均分子
量が1500〜12000の化合物であれば特に限定さ
れるものではないが、その数平均分子量の好ましい範囲
は1700〜10000である。アクリル樹脂の分子中
にある水酸基はアクリル樹脂主鎖に無秩序に配列されて
おり、数平均分子量が1500未満では加工性が著しく
低下する。一方、数平均分子量が12000を超えると
高粘度になるため過剰の稀釈溶剤が必要となり、塗料中
に占める樹脂の割合が減少するため適切な塗膜を得るこ
とができなくなる。さらに、他の配合成分との相溶性も
著しく低下する。なお、アクリル樹脂の数平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、
GPCという)により測定したポリエステル換算分子量
である。
【0026】アクリル樹脂は、水酸基を持つアクリル単
量体またはメタクリル単量体とアクリル酸エステルまた
はメタアクリル酸エステル等を周知の方法で加熱反応さ
せて得られる共重合体である。水酸基を持つアクリル単
量体、メタクリル単量体としては、例えば、メタクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル
酸ヒドロキシプロピル等を用いることができる。また、
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルとして
は、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、
メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸イソプロピル、
メタアクリル酸−n−ブチル、メタアクリル酸−2−エ
チルヘキシル等を用いることができる。市販されている
アクリル樹脂としては、“アルマテックス”(三井東圧
化学(株)製)、“デスモフェン”(住友バイエルウレ
タン(株)製)、“ダイヤナール”(三菱レイヨン
(株)製)等がある。
【0027】上記ロ)のポリオールであるポリエステル
樹脂は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、且
つ数平均分子量が1000〜8000の化合物であれば
特に限定されるものではないが、その好ましい数平均分
子量の範囲は1200〜7000、より好ましくは15
00〜6000である。ポリエステル樹脂の分子中にあ
る水酸基は、分子中の末端または側鎖のいずれにあって
もよい。ポリエステル樹脂の数平均分子量が1000未
満では加工性が著しく低下する。一方、数平均分子量が
8000を超えると高粘度になるため過剰の稀釈溶剤が
必要となり、塗料中に占める樹脂の割合が減少するため
適切な塗膜を得ることができなくなる。さらに、他の配
合成分との相溶性も著しく低下する。なお、ポリエステ
ル樹脂の数平均分子量は、GPCにより測定したポリス
チレン換算分子量である。
【0028】ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価
アルコールを周知の方法で加熱反応させて得られる共重
合体である。多塩基酸成分としては、例えば、無水フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット
酸、マレイン酸、アジピン酸、フマル酸等を用いること
ができる。また、多価アルコールとしては、例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ペン
タエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールエタン等を用いることができる。市販されている
ポリエステル樹脂としては、“アルマテックス”(三井
東圧化学(株)製)、“アルキノール”(住友バイエル
ウレタン(株)製)、“デスモフェン”(住友バイエル
ウレタン(株)製)、バイロン(東洋紡績(株)製)等
がある。
【0029】上記ロ)のポリオールの配合量は、樹脂固
形分の割合で40〜90重量%とする。このポリオール
の配合量が40重量%未満では塗膜の加工性が十分に確
保できず、一方、90重量%を超えると塗膜硬度が不十
分となる。
【0030】上記ハ)の硬化剤としては、ブロック化ポ
リイソシアネート化合物および/またはアミノ樹脂を用
いることができる。ポリイソシアネート化合物として
は、一般的製法で得られるポリイソシアネート化合物を
用いることができるが、その中でも特に、1液型塗料と
しての使用が可能である、フェノール、クレゾール、芳
香族第二アミン、第三級アルコール、ラクタム、オキシ
ムなどのブロック剤でブロック化されたポリイソシアネ
ート化合物が好ましい。このブロック化ポリイソシアネ
ート化合物を用いることにより1液での保存が可能とな
り、プレコート鋼板用塗料としての使用が容易となる。
また、さらに好ましいポリイソシアネート化合物として
は、非黄変性のヘキサメチレンジイソシアネート(以
下、HDIと略す)およびその誘導体、トリレンジイソ
シアネート(以下、TDIと略す)およびその誘導体、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、
MDIと略す)およびその誘導体、キシリレンジイソシ
アネート(以下、XDIと略す)およびその誘導体、イ
ソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)お
よびその誘導体、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート(以下、TMDIと略す)およびその誘導体、水
添TDIおよびその誘導体、水添MDIおよびその誘導
体、水添XDIおよびその誘導体等を挙げることができ
る。
【0031】さらに、“スミジュール”(住友バイエル
ウレタン(株)製)、“デスモジュール”(住友バイエ
ルウレタン(株)製)、“コロネート”(日本ポリウレ
タン(株)製)等の市販のイソシアネート化合物も使用
できる。硬化剤としてイソシアネート化合物を用いる場
合、イソシアネート化合物のイソシアネート基と上記
イ)のポリエステル化合物及び上記ロ)のポリオールの
水酸基との配合比[NCO/OH]はモル比で0.8〜
1.2、より好ましくは0.90〜1.10の範囲とす
ることが望ましい。[NCO/OH]のモル比が0.8
未満では塗膜の硬化が不十分であり、所望の塗膜硬度及
び強度が得られない。一方、[NCO/OH]のモル比
が1.2を超えると、過剰のイソシアネート基同士のあ
るいはイソシアネート基とウレタン配合との副反応が生
じて、塗膜の加工性が低下する。
【0032】硬化剤であるアミノ樹脂としては、尿素、
ベンゾグアナミン、メラミン等とホルムアルデヒドとの
反応で得られる樹脂、およびこれらをメタノール、ブタ
ノール等のアルコールによりアルキルエーテル化したも
のが使用できる。具体的には、メチル化尿素樹脂、n−
ブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチル化メラミン樹
脂、n−ブチル化メラミン樹脂、iso−ブチル化メラ
ミン樹脂などを挙げることができる。
【0033】さらに、“サイメル”(三井サイアナミッ
ド(株)製)、“ユーバン”(三井東圧化学(株)製、
“スミマール”(住友化学工業(株)製)、“メラン”
(日立化成工業(株)製)などの市販のアミノ樹脂も使
用できる。アミノ樹脂と上記イ)のポリエステル化合物
および上記ロ)のポリオールとの配合比(固形分の重量
比)は[ポリエステル化合物]+[ポリオール]/[ア
ミノ樹脂]:95〜65/5〜35、望ましくは90〜
75/10〜25の割合とするのが好ましい。
【0034】上記ハ)の硬化剤の配合量は、樹脂固形分
の割合で9〜50重量%とする。この硬化剤の配合量が
9重量%未満では塗膜硬度が不十分であり、一方、50
重量%を超えると加工性が不十分となる。
【0035】塗料組成物中にはワックスを適量配合す
る。このワックスとしては、天然ワックスまたは合成ワ
ックスを用いることができる。天然ワックスとしては、
例えば、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス等を使用することができ、市
販品として、スリップエイドSL−506(サンノプコ
社製)、スリップエイドSL−523(サンノプコ社
製)、リオフラットW−7467(東洋インキ製造社
製)、ハイデスパー−6413(岐阜セラック社製)等
が挙げられる。
【0036】また、合成ワックスとしてはポリエチレン
ワックス等を使用することができ、市販品として、デス
パロン510−10X(楠本化成社製)、ペイントアデ
ィティブ371FP(松下産業社製)等が挙げられる。
また、合成ワックスとしては混合ワックスを用いること
ができ、その中でも特に、ポリエチレンワックスとポリ
テトラフルオロエチレン(樹脂微粒子)を混合したもの
が好ましい。この混合ワックスの市販品として、ハイデ
スパー4252(岐阜セラック社製)、SHAMROC
K S600(SHAMROCK社製)等が挙げられ
る。これらワックスは単独または2種類以上を混合して
使用され、塗膜に潤滑性を付与する。
【0037】塗料組成物中でのワックスの配合量は、固
形分の割合で塗料組成物100重量部(但し、ワックス
を除く塗料組成物の重量)に対して0.3〜30重量
部、好ましくは0.3〜20重量部、さらに好ましくは
0.5〜10重量部とする。ワックスの配合量が0.3
重量部未満では塗膜の潤滑性が十分に向上せず、成形加
工性が劣る。一方、ワックスの配合量が30重量部を超
えると低温貯蔵時(冬期)における塗料組成物中でのワ
ックスの析出が著しく、析出したワックスの凝集物が塗
膜成形時のハジキ、ヘコミの原因となり、プレコート鋼
板として重大な欠陥を生じる。
【0038】上記のように塗膜に潤滑性を付与するとい
う観点からは、ワックスの塗料組成物中での配合量が重
要であるが、塗膜の曇りを防ぐという観点からはワック
スの融点の影響が大きく、曇りの少ない塗膜を得るため
には融点が100℃以上のワックスを用いることが好ま
しい。すなわち、使用するワックスの融点が100℃未
満であると塗膜表面に曇りを生じて塗膜外観を悪化させ
る。また、ワックスの融点が100℃未満では耐傷付き
性も劣化する傾向にある。
【0039】また、上塗り塗膜用の塗料組成物には目的
や用途に応じて、p−トルエンスルホン酸、オクトエ酸
錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソエート
鉛等の硬化触媒;炭酸カルシウム、カオリン、クレー、
酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、マイカ、弁柄、マ
ンガンブルー、カーボンブラック、アルミニウム粉、パ
ールマイカ等の顔料;その他、消泡剤、流れ止め剤等の
各種添加剤を適宜配合することができる。上塗り塗膜の
膜厚は10〜20μmとすることが好ましい。膜厚が1
0μm未満では上塗り塗膜としての総合的な塗膜性能が
十分に得られない恐れがあり、一方、膜厚が20μmを
超えると塗膜硬度が低下する。
【0040】次に、本発明のプレコート鋼板の下塗り塗
膜について説明する。下塗り塗膜を形成するための塗料
組成物の主剤に特別な制約はないが、加工性と上塗り塗
膜および化成処理皮膜との密着性の観点からは、ポリエ
ステル系樹脂、エポキシ系樹脂またはウレタン系樹脂を
主剤とする塗料組成物を用いることが好ましい。また、
これらの樹脂を2種以上混合して用いてもよい。下塗り
塗膜用の塗料組成物に用いられる硬化剤としては、ポリ
イソシアネート化合物またはアミノ樹脂が使用できる。
また、これらを2種以上混合して用いてもよい。
【0041】硬化剤として用いられるポリイソシアネー
ト化合物としては、例えば、キシリレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネー
ト;またはこれらジイソシアネートの多量体若しくは多
価アルコールとの付加物等が挙げられ、これらをブロッ
ク剤(例えば、フェノール系、ラクタム系、アルコール
系、メルカプタン系、イミン系、アミン系、イミダゾー
ル系またはオキシム系ブロック剤)等を用いてブロック
化した化合物として使用できる。また、これらブロック
化ポリイソシアネート化合物の解離触媒としては、オク
トエ酸錫、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキソ
エート鉛等を用いることができる。
【0042】硬化剤として用いられるアミノ樹脂として
は、例えば、低級アルコールでアルキルエーテル化され
たホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒド等と尿
素、ジシアンジアミド、アミノトリアジン等との縮合物
があり、具体的には、メトキシ化メチロール尿素、メト
キシ化メチロールジシアンジアミド、メトキシ化メチロ
ールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミ
ン、ブトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロ
ールベンゾグアナミン等が挙げられる。また、硬化触媒
としては、塩酸、リン酸モノアルキルエステル、P−ト
ルエンスルホン酸等の酸またはこれら酸と3級アミン若
しくは2級アミン化合物との塩が使用できる。
【0043】下塗り塗膜の膜厚は2〜12μmとするこ
とが好ましい。膜厚が2μm未満では加工性および耐食
性の向上効果が十分に得られず、一方、膜厚が12μm
を超えると加工性、塗膜硬度ともに低下する。
【0044】上塗り塗膜および下塗り塗膜を形成するた
めの塗料組成物を実際に使用するに当っては、これらを
有機溶剤に溶解して使用する。使用する有機溶剤として
は、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、ソルベッソ100(エクソン
化学社製)、ソルベッソ150(エクソン化学社製)、
ソルベッソ200(エクソン化学社製)、トルエン、キ
シレン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソ
ルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビ
トール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、酢
酸エチル、酢酸ブチル、石油エーテル、石油ナフサ等が
挙げられる。塗料組成物を調整するに当っては、サンド
グラインドミル、ボールミル、ブレンダー等の通常の分
散機や混練機を選択して使用し、各成分を配合すること
ができる。
【0045】本発明のプレコート鋼板を製造する際の塗
料組成物(下塗り塗膜用および上塗り塗膜用の各塗料組
成物)の塗装方法に特に制約はないが、好ましくはロー
ルコーター塗装、カーテンフロー塗装などの方法で塗布
するのがよい。下塗り塗膜、上塗り塗膜ともに、塗料組
成物を塗装後、熱風加熱、赤外線加熱、誘導加熱などの
加熱手段により塗膜を焼き付け、樹脂を架橋させて硬化
塗膜を得る。下塗り塗膜を加熱硬化させる際の焼付処理
は、通常、180〜260℃程度の到達板温で約30秒
〜1分行う。また、上塗り塗膜を加熱硬化させる際の焼
付処理は、通常、180〜260℃程度の到達板温で約
30秒〜3分行う。なお、本発明のプレコート鋼板は、
上塗り塗膜の上にさらに塗膜(例えば、クリアー塗膜)
を形成し、3コート・3ベークで使用してもよい。
【0046】
【実施例】下地鋼板である板厚0.5mmの溶融亜鉛め
っき鋼板(片面当りのめっき付着量:30g/m2)を
脱脂後、塗布型クロメート処理(金属クロム換算でのク
ロム付着量:30mg/m2)を施し、その上にポリエ
ステル系プライマーを乾燥膜厚が5μmになるように塗
布した後、到達板温215℃、焼付時間60秒の焼付け
処理を行なって下塗り塗膜を形成し、さらにその上に、
表1に示す上塗り塗膜用の塗料組成物に対して表2に示
すワックスを添加したものを塗布した後、到達板温23
0℃、焼付時間60秒の焼付け処理を行なって上塗り塗
膜を形成し、本発明例および比較例のプレコート鋼板を
得た。これらプレコート鋼板の性能を、その製造条件と
ともに表3〜表6に示す。表1に示す上塗り塗膜用の塗
料組成物A〜Cは、以下のようにして調整した。
【0047】[上塗り塗膜用の塗料組成物] (1) ポリエステル化合物f-1の調整 加熱装置、撹拌機、精留塔および温度計を備えた反応容
器に、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチルエー
テル(以下、“2,6−NDCM”という)を0.5m
ol、ジエチレングリコールを1.05mol入れ、2
00℃で加熱溶融した。その後、触媒としてチタニウム
テトラ−n−ブトキシドを2,6−NDCMに対して
0.10mol%添加し、反応温度を段階的に240℃
まで上げていき、理論量のメタノール32g(1.0m
ol)が留出したところで反応を終了した。これにより
ポリエステル化合物f-1を得た。このポリエステル化合
物の還元粘度は0.05dl/gであった。
【0048】このポリエステル化合物f-1の化学構造式
を以下に示す。
【化6】
【0049】(2) ポリエステル化合物f-2の調整 加熱装置、撹拌機、精留塔および温度計を備えた反応容
器に、2,6−NDCMを0.5mol、1,4−ブタ
ンジオールを1.02mol入れ、200℃で加熱溶融
した。その後、触媒としてチタニウムテトラ−n−ブト
キシドを2,6−NDCMに対して0.06mol%添
加し、反応温度を段階的に240℃まで上げていき、理
論量のメタノール32g(1.0mol)が留出したと
ころで反応を終了した。これによりポリエステル化合物
f-2を得た。このポリエステル化合物の還元粘度は0.
04dl/gであった。
【0050】このポリエステル化合物f-2の化学構造式
を以下に示す。
【化7】
【0051】(3) 上塗り塗膜用の塗料組成物の製造 上記(1)、(2)で得られたポリエステル化合物f-1,f-2に
表1に示すような配合割合でポリエステル樹脂、硬化
剤、顔料、硬化触媒および添加剤を配合した後、直径約
1mmのガラスビーズを入れたサンドミルを用い約30
分間分散させた。さらに、シクロヘキサノンを加えて不
揮発分が60%になるように調製し、塗料組成物A,B
を製造した。また、比較例のための上塗り塗膜用塗料組
成物として、表1に示すような配合割合でポリエステル
樹脂、硬化剤、顔料、硬化触媒および添加剤を配合した
後、直径約1mmのガラスビーズを入れたサンドミルを
用い約30分間分散させた。さらに、シクロヘキサノン
を加えて不揮発分が60%になるように調製し、塗料組
成物Cを製造した。
【0052】以下に、プレコート鋼板の性能試験の試験
方法と評価方法について示す。 (1) 外観 焼付後の塗膜表面性状の良否を目視により判定した。 (2) 鉛筆硬度 三菱鉛筆“ユニ”を使用してJIS K5400の8.
4に基づいて試験を行い、塗膜に傷が付かない硬度限界
を示した。
【0053】(3) 成形ロール摩耗性 ロール成形機(ロール材質:スチール−クロムメッキ)
を用い、サイズ10cm×30cmの試験片に対して、
加工速度:2m/min、加工段数:8段のロールフォ
ーミング条件で成形加工を行い、成形後の塗膜表面を観
察し、下記により評価した。 ○:全く異常なし △:わずかに傷が発生 ×:異常あり
【0054】(4) 円筒絞り加工性 円筒絞り加工機を用い、サイズ10cm×10cmの試
験片に対して、試料サイズ:90φ、ダイス:42.4
φ5R、プランジャー:40.4φ4R、ホールド圧:
2.0tonの円筒絞り加工条件で成形加工を行い、成
形加工後の塗膜表面を観察し、下記により評価した。 ○:全く異常なし △:わずかに傷が発生 ×:異常あり (5) 繰り返し摩耗性 繰り返し摩耗機を使用し、塗膜に傷がつくまでの回数を
測定し、評価した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【発明の効果】以上述べたように本発明のプレコート鋼
板は、耐傷付き性、塗膜硬度、成形加工性および塗膜外
観のいずれにも優れており、このため家電製品、建材、
自動車等の用途において高度の耐傷付き性、塗膜硬度、
成形加工性および塗膜外観が求められる部位に用いられ
るプレコート鋼板として極めて有用である。また、本発
明のプレコート鋼板は従来よりも簡易な方法で製造でき
るという点でも、工業的に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 梶田 保之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 加藤 博之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田中 勝祥 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化成処理が施された亜鉛系めっき鋼板の
    表面に下塗り塗膜および上塗り塗膜を有するプレコート
    鋼板であって、 前記上塗り塗膜が下記イ)〜ハ)を主成分とし、且つワ
    ックスが固形分の割合で塗料組成物100重量部(但
    し、ワックスを除く塗料組成物の重量)に対して0.3
    〜30重量部配合された塗料組成物を塗布して形成した
    塗膜であることを特徴とする成形加工性に優れたプレコ
    ート鋼板。 イ)一般式(1) 【化1】 を主たる繰り返し単位とするポリエステル化合物:樹脂
    固形分中の割合で1〜15重量% ロ)上記イ)を除くポリオール:樹脂固形分中の割合で
    40〜90重量% ハ)硬化剤:樹脂固形分中の割合で9〜50重量%
  2. 【請求項2】 上塗り塗膜を形成する塗料組成物中の硬
    化剤がブロック化ポリイソシアネート化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載の成形加工性に優れたプレ
    コート鋼板。
  3. 【請求項3】 上塗り塗膜中に含まれるワックスの融点
    が100℃以上であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の成形加工性に優れたプレコート鋼板。
  4. 【請求項4】 上塗り塗膜中に含まれるワックスが、ポ
    リエチレンワックスとポリテトラフルオロエチレンの混
    合物であることを特徴とする請求項1、2または3に記
    載の成形加工性に優れたプレコート鋼板。
  5. 【請求項5】 化成処理が施された亜鉛系めっき鋼板の
    表面に下塗り塗膜用の塗料組成物を塗布した後、180
    〜260℃の到達板温で焼付処理し、次いで、下記イ)
    〜ハ)を主成分とし、且つワックスが固形分の割合で塗
    料組成物100重量部(但し、ワックスを除く塗料組成
    物の重量)に対して0.3〜30重量部配合された上塗
    り塗膜用の塗料組成物を塗布した後、 イ)一般式(1) 【化2】 を主たる繰り返し単位とするポリエステル化合物:樹脂
    固形分中の割合で1〜15重量% ロ)上記イ)を除くポリオール:樹脂固形分中の割合で
    40〜90重量% ハ)硬化剤:樹脂固形分中の割合で9〜50重量% 180〜260℃の到達板温で焼付処理することを特徴
    とする成形加工性に優れたプレコート鋼板の製造方法。
JP30966197A 1997-10-24 1997-10-24 成形加工性に優れたプレコート鋼板およびその製造方法 Pending JPH11129389A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019167563A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 日鉄鋼板株式会社 塗装めっき鋼板及び建材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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