JPH11129342A - コンベヤベルト及びそれを作る方法 - Google Patents

コンベヤベルト及びそれを作る方法

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JPH11129342A JP20574598A JP20574598A JPH11129342A JP H11129342 A JPH11129342 A JP H11129342A JP 20574598 A JP20574598 A JP 20574598A JP 20574598 A JP20574598 A JP 20574598A JP H11129342 A JPH11129342 A JP H11129342A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加硫ゴム及び/または合成ゴムで作られ
た細長い本体を有するコンベヤベルトの製造方法を提供
する。 【解決手段】 ポリマー離型材料(60,62)を本体
(33)の上面及び下面に隣接して置き、加熱されたプ
ラテン(40,42)を本体(33)の上面及び下面
(即ちベルト材料)に当てて、ベルトの隣接した上層部
分及び下層部分を軟化させる。これにより、軟化したベ
ルト材料を離型材料(60,62)の隙間開口に流入さ
せる。出来上ったベルトは、より薄い層に押しつぶされ
且つベルトの本体(33)の隣接した表面部分に埋設さ
れた離型材料(60,62)を有する。これにより、実
質的に均一な、そして反射的に柔らかい肌面を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンベヤベルト及び
それを作る方法に関し、更に詳細には、コンベヤベルト
の完成した表面の一部になるポリマー材料を離型材料と
して利用する、かかるコンベヤベルト及び方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】コンベ
ヤベルトを製造する普通の方法は、上面及び下面を有す
る細長いベルト形態の材料の本体を得ることであり、コ
ンベヤベルトの材料は少なくとも大部分がゴム及び/又
は合成ゴムからなる。コンベヤベルト本体は加熱した上
プラテンと下プラテンとの間に位置決めされ、次いで、
プラテンをコンベヤベルト本体に押し付けて、ゴム及び
/又は合成ゴム(以後「ゴム」と称する)の加硫を引き
起させる。ほとんど普通、スチールケーブル、布或いは
その他の材料のような強化材料が、本体を形成すべきゴ
ム材料の層の間に設けられる。更に、ベルト本体の層
は、クッションゴム材料で作られた内層とカバーゴム材
料からなる外層のように組成が異っても良い。
【0003】プラテン間に位置決めされ、プラテンによ
って押し付けられる本体の上面及び下面に、ある種の離
型剤を与えることが通常必要であり、その結果、ゴム材
料の加硫を引き起こす熱及び圧力の付与の完了時、プラ
テンを、形成されたばかりのベルト部分から適確に分離
することができる。これを行う1つの普通の方法は、剥
離を行い且つくっつきを防止するような化学物質或いは
布状材料を使用することである。化学的剥離材は、粉末
(例えばタルク)、液体(例えばシリコンスプレー)、
或いは固体(パラフィンワックス)の形態である。これ
らはベルトの上面及び底面に加えられる。又、離型剤と
して、布材料(例えば細いストランドの平織ポリエステ
ル布)を使用することができる。布は加硫後に除去され
る。又、合成材料又は天然材料(例えばナイロン又は綿
状「天使の髪」)の軽い不揃いな小束が使用される。そ
のような材料の1つの型式が、商標「セレックス(CERE
X)」の下に製造されている。非常に薄いこの材料は、
ベルト表面に加硫処理されて、ベルトの一部になる。
【0004】ベルトの上下面部分の特性に関する数多く
の重要な配慮がある。そのような配慮の1つはこれらの
上下面の外観である。プラテンをベルト部分に当てる加
硫工程中、ベルト表面の色、濃淡或いは肌が不均一にな
り、その結果、ベルトの外観を低下させる異なる濃淡及
び/又は色の「斑点」があることがしばしば起こる。
又、ベルトが非常に反射する表面(即ち鏡状表面)を有
するならば、斑点は、反射的に柔らかい肌表面がある場
合よりも実質的にもっと目立つようになる。ベルト表面
の特性に関する他の配慮は、そのエラストマー特質であ
る。荷重ベルトが支持ローラの上を通るとき、ローラと
接触しているベルト表面部分のへこみがある。ベルトの
表面部分のエラストマー特質が悪ければ、ベルトをロー
ラ上で移動させるのにもっと大きなエネルギーを必要と
し、かくして、もっと強力なモーターを必要とする。他
方、ベルトの表面部分が圧縮からもっと弾性的に回復す
るならば、ベルトを移動させるのに必要とされるエネル
ギーを減少させる。
【0005】米国特許文献の調査は多数の特許を明らか
にし、これらは次のものである。米国特許第4,74
4,843号(ルイス(Lewis))は、コンベヤベ
ルト用剥離剤の使用を開示する。第1欄、第35行及び
それに続く箇所に、発明が次のように記載されている。
「私は、かみ合わされ且つ各交錯点で結合され、或いは
結合されない、好ましくは連続フィラメントのような溶
融ポリマーで、好ましくは直接作られた重合性単量体不
織布を、ベルト及び関連した材料を成形する際に非常に
満足な離型材として使用することができ、不織布は成形
物品の一部になることを発見した。出来上った成形物品
は、閉じ込められた空気やガスの除去及び成形物品の外
観に影響を及ぼす離型材の付着の除去により、成形物品
の良い外観を有する。」米国特許第4,411,947
号(ハインホールド(Haynhold))は、スチー
ルケーブルで強化したゴム或いは合成材料の本体を有す
るコンベヤベルトを示す。ベルトには弾性的に変形可能
なクッションインサートが形成され、該インサートはエ
アポケットを収容し且つ上カバー層及び/又は下カバー
層に埋設される。これが関係する問題は、載せられるべ
き材料は、通常、ベルトに落とされるので、コンベヤベ
ルトが荷重位置で応力を受けることにある。従って、こ
れらのエアポケットはベルトを保護してこれらの衝撃に
耐える。これらは、2つの布層15からなる二重織り布
5であり、それらを平行関係に保つようにこれらは糸2
5で相互に連結される。
【0006】米国特許第2,841,515号(ルント
ン(Runton)等)は、キャンバス層で作られたベ
ルトを示し、該キャンバス層はキャンバス層を互いに結
合する合成フォームをキャンバス層の間に有する。フォ
ームの層は又、硬い物体がベルトの上に落ちたとき、ベ
ルトを切断したり引き裂いたりするのを防止する保護コ
ートが必要とされるとき、ベルトの面に置かれる。米国
特許第2,515,778号(ノーランド(Knowl
and)等)は、缶詰産業及び食糧取扱い産業で使用さ
れるようになっているベルトを開示する。ベルトの本体
は、「ユニットに加硫され、かつ結合され、加硫された
合成プラスチック組成物で被覆されたゴム引き多重プラ
イ」で作られる。層は、薄い色で無臭であり、溶剤、
油、油脂等に対して耐性のものである。プラスチック組
成物及び布シートは圧力及び加熱の下に結合されてプラ
スチックを軟化させ、その結果、プラスチックが布シー
トに浸透してこれに結合する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の方法では、最初
に、上面及び下面を有する細長い本体を準備する。本体
は、未加硫のゴム、合成ゴム或いはそれらの組合わせで
ある材料からなり、この本体材料は加硫温度を有する。
離型材料を、本体の上面及び下面の少なくとも一方に隣
接して置く。離型材料は、隙間開放空間を有し、且つ加
硫温度よりも高い溶融温度或いは崩壊温度を有するポリ
マー材料からなる。加熱されたプラテン手段を本体の上
面及び下面に当てて、離型材料に隣接した本体の表面部
分を少なくとも軟化させ、本体部分の少なくとも一部を
離型材料の隙間開放空間に流入させ、かつ又、本体材料
を加硫してコンベヤベルト部分を形成する。
【0008】次いで、プラテン手段をコンベヤベルト部
分から引込める。本工程によって作られたコンベヤベル
ト部分は、離型材料及びこれに隣接したベルト表面部分
が結合されるようになり、離型材料が本体のこれと隣接
した表面部分に埋設されて、実質的に均一な、そして反
射的に柔らかい表面肌を得ることを特徴とする。本発明
の方法では、離型材料は約0.5mm乃至4mm、好ま
しくは、約0.5mm乃至2mmの最大孔径をもった連
続気泡フォームである。好ましい形態では、離型材料は
加硫エラストマーである。又、好ましい形態では、離型
材料は0.1より大きくない、望ましくは、約0.03
より大きくないtanδを有する。
【0009】好ましい離型材料は少なくとも1つのポリ
マーからなり、該ポリマーはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、ポリへキサン、ポリウレタン、ポリ
アミド、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリカーボネ
ート、ポリアセタール、ポリアクリル酸エステル、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポ
リウレア、シリコン、ポリエステルテレフタレート、ポ
リヘプテン、又は架橋ポリオレフィンである。本発明の
工程によって作られたベルトは、未加硫ゴム、合成ゴム
又はそれらの組合わせである材料の細長い本体からな
る。離型材料は上で説明したような材料であり、これは
細長い本体の少なくとも一方の表面部分、好ましくは、
細長い本体の上面及び下面の両方に埋設される。本発明
の他の特徴は、以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0010】
【発明の実施の形態】図1A及び図1Bを参照して、本
発明を適用した先行技術のベルト製造作業を示す。最初
に、先行技術のベルト製造システムにすでに存在してい
る要素を説明し、次いで、どのように本発明が前記要素
に組込まれているかを説明する。図1に示した(全体的
に10で指定した)ベルト製造システムはリールフィー
ダー11を左端に有し、このフィーダーには、スチール
ケーブルを案内ロールアセンブリ16に、そして第1ク
ランプ18に送る複数のドラム12がある。ケーブルは
第1クランプ18から予備張力ステーション20を通
り、そこから第2クランプ21を通って、張力装置22
に差し向けられる。ケーブルは、張力装置22からカレ
ンダー部分24に差し向けられ、このカレンダー部分で
ゴム材料の層を、ケーブル14の走行経路に移動させて
強化ケーブル14の上下に位置決めさせる。更に詳細に
は、走行経路にクッションゴムの上層及び下層をそれぞ
れ送り込む上ロール26及び下ロール28があり、これ
に続いて、クッションゴム層の上下に付けられるカバー
ゴムの層を有する上ロール30及び下ロール32があ
る。先行技術において良く知られているように、ゴム材
料の層を互いに正確に位置決めするために、種々の機器
や装置がこのカレンダー部分24に組込まれる。かくし
て、33で指示したカレンダー部分を出るベルト材料層
と強化ケーブルのこのレイアップ(組合わせ)は、ゴム
材料の2つの上層、ゴム材料の2つの下層、及びそれら
の間に配置された複数の長手方向に延びるケーブルから
なる。この段階では、ゴム層は未加硫である。
【0011】次の段階は、このベルトレイアップ33の
部分を加硫プレス34に移動させることである。この加
硫プレス34は非常に概略的に示されていることを理解
すべきであり、指示された上構造体36及び下構造体3
8があり、その間に上プラテン40及び下プラテン42
が位置決めされている。加硫プレス34は、プラテン4
0,42を所定の温度レベルに保つように構成された設
備の比較的精巧な部片であり、これらのプラテン40,
42の端には、温度勾配が存在する。加硫プレス34の
右には、最初に、X線ステーション44があり、次い
で、引張ローラアセンブリ46があり、該引張ローラア
センブリ46から、完成ベルト48が50でドラム52
に巻かれる。上に列挙した成分のすべては、先行技術に
すでに存在することを理解すべきである。このシステム
10の操作は次の通りである。ケーブル14を要素16
乃至要素22を通してカレレンダー部分24に差し向け
る。ゴム層を、ロール26乃至ロール32から送って、
32でベルトレイアップを形成する。ベルトレイアップ
32の部分を加硫プレス34に差し向け、次いで、ベル
トレイアップの走行を停止する。
【0012】次いで、上プラテン40と下プラテン42
を互いに向かって移動させ、加硫プレスの作業領域にあ
るベルト部分を把持し、ベルト部分54に熱と圧力の両
方を加える。典型的には、約1.2cmの厚さを有する
ベルト部分に対して、加硫時間は約10分乃至30分で
ある。この加硫時間中、ゴム材料は軟化して、ケーブル
14と密に接触し、そしてゴム材料は加硫されることに
なる。加硫時間後、プラテン40,42を開放し、作業
ラインはその作業を続け、ベルトレイアップ32の次の
部分を加硫プレス34の作業領域に移動させる。本発明
にまったく関連しないのでここで説明していないシステ
ム12の種々の機能がある。例えば、ケーブルに適正な
張力を加え、そしてケーブルを解放するためにクランプ
18,21、予備張力装置20及び張力装置22がケー
ブル24に対して作動する仕方は説明していない。
【0013】かくして、再び、上で指示したように、説
明した製造システム10のすべての構成要素は先行技術
にすでに存在する。本発明の教示を図2に示すような本
システムに組込むために、本発明の方法及び装置に利用
される離型材料の上層及び下層をベルトレイアップ33
に組込む手段が、図1A及び図1Bのベルト製造作業に
加えられる。かくして、図2に示すように、離型材料6
0,62のシートの上ロール56及び下ロール58が、
ロール32,30のすぐ右に設けられる。本発明を組込
んだシステム10の作業ラインが、ゴム層とケーブルの
レイアップ33を加硫プレス34に移動させるように機
能しているとき、これらのロール56,58も回転させ
て、上下の離型シート60,62を、加硫プレス34内
のベルトレイアップ部分54の上下に位置決めされるよ
うにプラテン40と42の間の作業領域に送り込む。離
型材料及びすぐ下のゴム本体材料の位置を、図2に幾分
概略的に示す。
【0014】次いで、プラテン40,42を移動させ
て、ベルトレイアップ部分54と加圧接触させるとき、
離型層60,62は、以下で更に説明する方法で、ゴム
材料の表面部分に実質的に埋設されるようになる。離型
材料60,62のシートは等しいので、上シート60の
組成及び特徴を説明すれば十分であり、この説明は下シ
ート62にも適用される。離型材料60はくまなく隙間
開放空間を有するポリマー材料である。好ましい形態で
は、これは、望ましくは、少なくとも一部が架橋分子構
造を有する連続気泡フォーム材料である。これは熱硬化
性材料でも熱可塑性材料でも良い。融点(或いは材料の
他の崩壊点)は、ベルトレイアップのゴム材料の加硫温
度よりも高くすべきである。離型材料60が熱可塑性材
料であれば、溶融温度はベルトの本体を形成する材料の
加硫温度より高くすべきである。典型的な最適加硫温度
は、通常、143±3℃であるが、化学反応を引き起こ
す薬剤に応じて、それより高くても低くしても良い。
【0015】種々のポリマー材料を使用することができ
る。これらは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テン、ポリへキサンのようなポリオレフィン群の材料を
含む。他の候補は、ポリウレタン、ポリアミド6、ポリ
アミド66、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセ
タール、ポリアクリル酸エステル、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリフェニレンオキシド、ポリウレア、シリ
コン、ポリエステルテレフタレート、ポリヘプテン、架
橋ポリオレフィンである。上で指示したように、離型材
料は連続気泡構造のものである。一般的には、より大き
い割合の連続気泡容積を有することが、隣接したゴムの
フォーム材料への浸透がもっと容易に達成されるので、
より有益である。フォームの密度は、一般的には、低い
範囲にある。例えば、ポリウレタンフォームを使用する
ならば、密度は約14kg/m3である。しかしなが
ら、もっと高い密度の材料を使用することができる。密
度が低すぎると、次いで、離型材料はあまりに脆弱にな
り、利益が失われる。本実験分析は、密度が10kg/
3程度に低いほどであるならば、これは望ましくない
ことを指示する。より広い範囲内で、フォームの最大孔
径は約0.1mmと約4mmとの間にある。2mmの径
が望ましい。
【0016】離型材料の厚さは、望ましくは、1mmの
範囲にある。例えば、1.2mmの厚さは満足であるこ
とが分かっており、0.8mmの厚さは最適厚さにより
近いことがわかった。一般的には、薄い離型材料を、好
ましくは、その厚さ以下では材料が脆弱になりすぎて実
際の仕方で使用できない厚さの下限で作るのが良い。フ
ォーム離型材料は、一般的には、ブロックで製造され、
薄いスライスを切り離すことによって、シート材料をこ
れらのブロックから切ることができる。ポリマー材料の
ブロックが連続工程で作られるならば、次いで、ブロッ
クが作られているときに、スライスをブロック材料から
切ることができる。作業中、上離型層60及び下離型層
62を加硫プレスの作業領域に位置決めし、プラテン4
0,42を移動させて離型材料と接触させるとき、プラ
テンは離型材料を、典型的には、平方センチメートル当
り5kg乃至40kgの範囲の圧力で加圧する。又、プ
ラテンの表面の温度は少なくとも加硫温度と同じくらい
であり、おそらく130℃乃至160℃、或いはそれよ
り高い。
【0017】加硫プレス内にあるベルト層部分の温度が
増すとき、ゴム材料の中の種々の成分の蒸発から生じる
一定量の「ガス発生」がある。種々の成分が、ベルトレ
イアップ部分の表面の部分を(被覆の変色の斑点或いは
異なった陰を生じさせる)プラテンから引離す、閉じ込
められたガスのポケットを形成しないような仕方で離型
層60,62に入ることがわかった。これを達成する方
法は完全に確認されていないが、これはフォームの開放
空間に蓄積しているガスによるものであり、かつ又、離
型材料の通路の中を流れて離型材料の外側に移動するガ
ス状物質によることがある。プラテン40,42が所定
時間ベルトレイアップ部分54に係合した後、レイアッ
プ部分54の上下面に隣接したゴムは軟化し始め、その
結果、離型材料60,62の層は隣接したゴム表面材料
に押し入れ、材料ゴムはフォーム材料の空間或いは隙間
に流れ込む。加硫工程を完了させた時間までに、隣接し
たゴム材料が離型材料に実質的に完全に浸透し、その結
果、ベルト部分をプラテンの外に移動させたとき、離型
材料はほとんど見えない。むしろ、目に見える効果は、
ベルト部分の表面がその表面全体にわたって実質的に均
一である、柔らかい肌を有することである。これは、埋
設されたゴム材料と共同して離型材料が非常に小さい凹
凸を作り、その結果、肌は「反射的柔らかさ」と呼ばれ
るものであり、光沢又は反射によるキラキラがない事実
によるものと考えられる。これの1つの利点は、ベルト
部分の表面に小さな凹凸があるならば、これらが表面の
視覚的に柔らかい肌によってあいまいにされることであ
る。又、離型層60,62は、最初の厚さの約5%乃至
約25%(一般的には約10%)まで圧縮されている。
図3に、圧縮される前の層60を示し、図4に、圧縮さ
れて、本体33の表面で材料に埋設された後の層60を
示す。
【0018】離型材料の他の重要な特徴は、そのエラス
トマーの性質であり、即ち「レジリエンス」と呼ばれ
る。本発明の離型材料は、比較的高レベルのレジリエン
スを有し、これは、その「tanδ」により測定され
る。ベルト部分の表面に埋設される本発明の離型材料を
使用すると、表面に隣接したゴム材料部分のレジリエン
スは影響されず、ひょっとしたら、実際には改善され
る。これは、ゴムベルト材料の表面に埋設されるように
なり、ゴム材料のレジリエンスを低下させる他の離型剤
と対照的である。この重要性は、前に「従来の技術」と
題する部分の下に、本明細書中で先に論じられた。前に
指示したように、これは、支持ローラの上を通る負荷ベ
ルトによるエネルギー損失を実質的に減少させる。これ
は、レジリエンスがより大きいタイヤのより高い圧力で
自動車を運転するのと反対に、自動車が低圧力のタイヤ
で運転されている状態に似ており、かくして、エネルギ
ー消費が少なくなる。
【0019】tanδは、損失弾性率と動的弾性率との
比と定義される。従って、tanδが小さければ小さい
ほど、エネルギー消費は少なくなる。望ましくは、ta
nδは0.1より大きくなく、もっと望ましくは、0.
05より大きくなく、或いはひょっとしたら、0.0
4、0.03、或いは0.02のようにもっと小さい。
本発明の基本的教示から逸脱することなしに本発明に対
して種々の修正をすることができることを認識すべきで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明を利用するようになっている、単一の
先行技術のコンベヤベルト製造システムの前方部分及び
後方部分を示す幾分概略的な図である。
【図1B】本発明を利用するようになっている、単一の
先行技術のコンベヤベルト製造システムの前方部分及び
後方部分を示す幾分概略的な図である。
【図2】供給ロール32からプラテン34の第1部分ま
で延びる、先行技術のベルト製造作業の部分だけを示
す、図1A及び図1Bと同様の図である。
【図3】拡尺に描かれ、プラテンを当て、ベルト本体の
ゴム材料を加硫する前のベルト本体の上面に位置したエ
ラストマー離型材料を示す、ベルトの上面に対して横向
きの断面平面における横断面図である。
【図4】図3と同様の断面図であるが、完成したベルト
部分を形成するためにプラテンを本体及び離型材料に当
てた後の表面部分を示す。
【符号の説明】
10 ベルト製造システム 11 リールフィーダー 12 ドラム 14 強化ケーブル 16 案内ロールアセンブリ 18 第1クランプ 20 予備張力ステーション 21 第2クランプ 22 張力装置 24 カレンダー部分 26 上ロール 28 下ロール 30 上ロール 32 下ロール 33 本体 34 加硫プレス 36 上構造 38 下構造 40 プラテン 42 プラテン 44 X線ステーション 46 引張ローラアセンブリ 50 ベルト 52 ドラム 54 ベルト部分 56 上ロール 58 下ロール 60 離型材料 62 離型材料
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図1A】

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.上面及び下面を有する細長い本体
    を準備し、該本体は、未加硫ゴム、合成ゴム、或いはそ
    れらの組合わせである本体材料からなり、該本体材料は
    加硫温度を有し、 b.離型材料を、前記本体の上面及び下面の少なくとも
    一方に隣接して置き、前記離型材料は、隙間開放空間を
    有し、かつ前記加硫温度よりも高い溶融温度或いはその
    他の崩壊温度を有するポリマー材料からなり、 c.加熱されたプラテン手段を前記本体の上面及び下面
    に当てて、前記離型材料に隣接した前記本体の表面部分
    を少なくとも軟化させ、前記本体部分の少なくとも一部
    を前記隙間開放空間に流入させ、かつ又、前記本体材料
    を加硫してコンベヤベルト部分を形成し、 d.前記プラテン手段を前記コンベヤベルト部分から引
    込め、 e.前記コンベヤベルト部分は、前記離型材料及びこれ
    に隣接したベルト表面部分が結合されるようになり、前
    記離型材料が前記本体のこれと隣接した表面部分に埋設
    されて、実質的に均一な、そして反射的に柔らかい表面
    肌を得ることを特徴とする、コンベヤベルト部分の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記離型材料は、約0.5mm乃至約
    4mmの最大孔径をもった連続気泡フォームである、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記最大孔径は約0.5mm乃至約2
    mmである、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記離型材料は加硫エラストマーであ
    る、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記離型材料は加硫エラストマーであ
    る、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記離型材料は0.1より大きくない
    tanδを有する、請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記tanδは0.03より大きくな
    い、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記離型材料は、ポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリブテン、ポリへキサン、ポリウレタ
    ン、ポリアミド、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリ
    カーボネート、ポリアセタール、ポリアクリル酸エステ
    ル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキ
    シド、ポリウレア、シリコン、ポリエステルテレフタレ
    ート、ポリヘプテン、及び架橋ポリオレフィンの少なく
    とも1つからなる、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記離型材料は約140℃以上の溶融
    温度或いは崩壊温度を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記離型材料は、前記本体の上面及び
    下面の両方に隣接して配置され、前記本体の上面部分及
    び下面部分は、前記本体の上部分及び下部分に埋設され
    た前記離型材料を有する、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の方法によって作られ
    たコンベヤベルト部分。
  12. 【請求項12】 請求項8に記載の方法によって作られ
    たコンベヤベルト部分。
  13. 【請求項13】 a.上面及び下面を有する細長い本体
    を有し、該本体はゴム、合成ゴム、或いはそれらの組合
    わせからなる、加硫温度を有する本体材料からなり、 b.前記本体は、上面及び下面の少なくとも一方に隣接
    した離型材料を有し、該離型材料は、隙間開放空間を有
    し且つ前記加硫温度よりも高い溶融温度或いはその他の
    崩壊温度を有するポリマー材料からなり、 c.前記離型材料及び隣接した本体表面部分が結合され
    て、前記離型材料が前記本体の隣接した表面部分に埋設
    され、実質的に均一な、そして反射的に柔らかい表面肌
    を得ることを特徴とする、 コンベヤベルト部分。
  14. 【請求項14】 前記離型材料は、約0.5mm乃至約
    4mmの最大孔径をもった連続気泡フォームである、請
    求項13に記載のコンベヤベルト部分。
  15. 【請求項15】 前記離型材料は加硫エラストマーであ
    る、請求項13に記載のコンベヤベルト部分。
  16. 【請求項16】 前記離型材料は加硫エラストマーであ
    る、請求項13に記載のコンベヤベルト部分。
  17. 【請求項17】 前記離型材料は0.1より大きくない
    tanδを有する、請求項15に記載のコンベヤベルト
    部分。
  18. 【請求項18】 前記tanδは0.03より大きくな
    い、請求項17に記載のコンベヤベルト部分。
  19. 【請求項19】 前記離型材料は、ポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリブテン、ポリへキサン、ポリウレタ
    ン、ポリアミド、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリ
    カーボネート、ポリアセタール、ポリアクリル酸エステ
    ル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキ
    シド、ポリウレア、シリコン、ポリエステルテレフタレ
    ート、ポリヘプテン、及び架橋ポリオレフィンの少なく
    とも1つからなる、請求項13記載のコンベヤベルト部
    分。
  20. 【請求項20】 前記離型材料は約140℃以上の溶融
    温度或いは崩壊温度を有する、請求項13に記載のコン
    ベヤベルト部分。
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