JPH11129270A - 光ファイバ固定用部材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ固定用部材の製造方法

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JPH11129270A
JPH11129270A JP21711898A JP21711898A JPH11129270A JP H11129270 A JPH11129270 A JP H11129270A JP 21711898 A JP21711898 A JP 21711898A JP 21711898 A JP21711898 A JP 21711898A JP H11129270 A JPH11129270 A JP H11129270A
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JP
Japan
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optical fiber
molding
mold
preform
shape
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JP21711898A
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English (en)
Inventor
Reikou Chiyou
黎紅 張
Masahiro Yoshida
昌弘 吉田
Teruo Yamashita
照夫 山下
Yoshiatsu Yokoo
芳篤 横尾
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光ファイバ固定部と段違い部とを有するタイプ
の光ファイバガイドブロックは段差を有する複雑な形状
であるので、そのモールド成形が困難である。 【解決手段】(i) 厚肉部と(ii)前記の厚肉部よりも一段
低い位置に上面もしくは頂部が形成されている薄肉部と
を有し、当該薄肉部が前記の厚肉部に隣接するようにし
て形成されており、平面視上の形状が前記の光ファイバ
固定用部材の平面視上の形状と近似し、かつ、側面視上
の形状が前記の光ファイバ固定用部材の側面視上の形状
と近似している成形予備体を用い、所定形状の成形型を
用いて前記の成形予備体をその厚さ方向と実質的に平行
な方向からモールド成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学,通信,電気
・電子または半導体等の分野で用いられる光ファイバ固
定用部材の製造方法に係り、特に、モールド成形法を利
用した光ファイバ固定用部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数本の光ファイバ同士または複数本の
光ファイバと1もしくは複数の光部品とを光学的に接続
(以下、光学的な接続を「光接続」という。)するにあ
たっては、光接続しようとする光ファイバのそれぞれを
高精度に固定しておくことが望まれる。例えばシングル
モードの光ファイバが所定本数並列配置されている光フ
ァイバテープにおいては、個々の光ファイバにおけるコ
ア径が10μm程度で、これらの光ファイバが約126
〜250μmピッチで配列されていることから、光接続
の際にはこれらの光ファイバの端部を±0.5μm以下
の位置精度で同一平面上に配列させることが望まれる。
【0003】このため、例えば複数本の光ファイバ同士
を光接続する際には、これらの光ファイバそれぞれの端
部を高精度に固定しておくための部材(以下、この部材
を「光ファイバ固定用部材」という。)、例えば光ファ
イバガイドブロックが多用されている。光ファイバガイ
ドブロックは、光ファイバの端部を固定するために使用
される所定数の光ファイバ係合部(例えば幅方向の断面
形状がV字状の溝(以下「V溝」という。))が上面
(片面)に形成されている薄板状物である。光ファイバ
ガイドブロックに固定された光ファイバの位置精度は、
当該光ファイバガイドブロックに形成されている光ファ
イバ係合部の加工精度に依存する。
【0004】上記の光ファイバガイドブロックは、前記
の光ファイバ係合部のみを有するタイプのものと、(i)
光ファイバ係合部が上面に形成されている光ファイバ固
定部および(ii)前記の光ファイバ固定部より一段低い位
置に上面が形成されている段違い部を有するタイプのも
の、との2つのタイプに大別することができる。後者の
タイプにおける段違い部は、光ファイバテープのように
光ファイバが被覆部によって保護されているものを前記
の被覆部ごと固定するための台座部等として使用され
る。
【0005】いずれのタイプの光ファイバガイドブロッ
クにおいても、光ファイバ係合部の形成方法としては、
(i) シリコン基板を材料として用いた場合にはエッチン
グ法、(ii)石英ガラスやパイレックスガラス等のガラス
を材料として用いた場合には研削法、がそれぞれ従来よ
り適用されてきたが、近年ではモールド成形法によって
光ファイバガイドブロックを得ようという試みが活発に
なされている。モールド成形法は、光ファイバ係合部の
精度および外観の精度ならびにこれらの精度の安定性が
それぞれ高い光ファイバガイドブロックを高い生産性の
下に安価に提供することを実現し得る可能性を秘めた方
法である。
【0006】モールド成形法によって所望の成形品を製
造するためには、モールド成形に使用する成形型の構造
や成形条件等のパラメータが当然重要になってくるが、
成形予備体(プリフォーム)の幾何形状および寸法もま
た成形品の加工精度や外観の形状精度に影響する。この
ため、モールド成形による良品率を向上させるために
は、成形予備体について適切な形状および寸法を設定す
ることが重要となる。
【0007】例えば特公昭61−32263号公報に記
載されているモールド成形法では、成形予備体(プリフ
ォーム)の形状を最終製品であるレンズの形状に近似す
る形状とし、加圧成形時(モールド成形時)に成形予備
体の形状が成形型の形状と一致するのに必要な時間t
0 、加圧成形時(モールド成形時)にガラス(成形予備
体)が充分に加圧されたときにおけるガラス内部の静水
圧P、および加圧成形時(モールド成形時)のガラスの
粘度μを、成形型の形状(キャビティの形状)と成形予
備体の形状との差に依存する値であるC=t0 P/μ
(当該値Cは、前記の差が小さいほど小さくなる。)に
応じてそれぞれ適宜選定することによって、ガラスレン
ズを製造している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光ファ
イバガイドブロックは薄板状物(最大厚みは例えば1.
0〜1.5mm程度)であるので、モールド成形時に成
形材料の流動が起こりにくい。目的とする光ファイバガ
イドブロックが光ファイバ固定部と段違い部とを有する
タイプのものであるときには、光ファイバ固定部と段違
い部との間に段差を形成しなければならないわけである
が、このような段差を形成しようとすると、当該段差部
分を境にして成形厚みの薄い方(段違い部側)から厚い
方(光ファイバ固定部側)へ、あるいはその逆方向への
成形材料の流動がモールド成形時に極めて起こりにくく
なる。さらに、光ファイバガイドブロックをモールド成
形によって得る場合には、パターン転写(光ファイバ係
合部の形成)と外観形成の二つの目的を一回のモールド
成形で実現しなければならない。このため、光ファイバ
固定部と段違い部とを有するタイプの光ファイバガイド
ブロックをモールド成形によって高い良品率の下に得る
ことは、モールド成形によって高い良品率の下にレンズ
を得る場合よりも一段と難しい。
【0009】モールド成形時における成形材料の粘度を
107.6 ポアズ未満に下げれば、光ファイバ固定部と段
違い部とを有するタイプの光ファイバガイドブロックを
得ようとする場合でも成形材料を十分に流動させること
が可能になるが、成形材料の粘度をこのように低くする
と以下の問題が生じる。すなわち、(i) 光ファイバ係合
部のパターン転写精度が低下する、(ii)成形材料の流動
が不均一になり易くなることから、成形材料が成形型の
隙間(クリアランス)から流出して、成形品(光ファイ
バガイドブロック)の角や稜の部分にバリが生じ易くな
る、等の問題が生じる。
【0010】光ファイバ固定部と段違い部とを有するタ
イプの光ファイバガイドブロックは、光ファイバ固定部
および段違い部のうちの光ファイバ固定部のみをモール
ド成形時に形成し、モールド成形後に段違い部を研削加
工によって形成するようにしても得ることができる。し
かしながら、この方法では工程数が増加することから加
工コストが上昇し、また、量産性が低下する。
【0011】本発明の目的は、所望の外観を有する光フ
ァイバ固定用部材を高い生産性および良品率の下に得る
ことが可能な光ファイバ固定用部材の製造方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の光ファイバ固定用部材の製造方法は、光ファイバ
の端部を固定するために使用される光ファイバ係合部が
上面に形成されている光ファイバ固定部と、前記の光フ
ァイバ係合部よりも一段低い位置に上面が形成されてい
る段違い部とを有し、該段違い部が前記の光ファイバ固
定部に隣接するようにして形成されている光ファイバ固
定用部材をモールド成形法によって製造するにあたり、
(i) 厚肉部と、(ii)前記の厚肉部の上面もしくは頂部よ
りも一段低い位置に上面もしくは頂部が形成されている
薄肉部とを有し、前記の薄肉部が前記の厚肉部に隣接す
るようにして形成されており、平面視上の形状が前記の
光ファイバ固定用部材の平面視上の形状と近似し、か
つ、側面視上の形状が前記の光ファイバ固定用部材の側
面視上の形状と近似している成形予備体を用い、所定形
状の成形型を用いて前記の成形予備体をその厚さ方向と
実質的に平行な方向からモールド成形することを特徴と
するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の光ファイバ固定用部材の製
造方法では、上述したように、光ファイバ固定部と段違
い部とを有する光ファイバ固定用部材をモールド成形法
によって製造するにあたって特定形状の成形予備体、す
なわち、厚肉部と、当該厚肉部の上面もしくは頂部より
も一段低い位置に上面もしくは頂部が形成されている薄
肉部とを有し、前記の薄肉部が前記の厚肉部に隣接する
ようにして形成されており、平面視上の形状が前記の光
ファイバ固定用部材の平面視上の形状と近似し、かつ、
側面視上の形状が前記の光ファイバ固定用部材の側面視
上の形状と近似している成形予備体を用いる。
【0014】ここで、本発明で成形予備体についていう
「側面視上の形状」とは、薄肉部の上面もしくは頂部を
その真上から見おろすようにして当該成形予備体を視る
見方を平面視(以下同じ。)とし、厚肉部と薄肉部とが
直列するようにして当該成形予備体を厚肉部側から視る
見方を正面視(以下同じ。)としたときにおける、当該
成形予備体を側面視したときの形状を意味する。また、
本発明で光ファイバ固定用部材についていう「側面視上
の形状」とは、光ファイバ係合部をその真上から見おろ
すようにして当該光ファイバ固定用部材を視る見方を平
面視(以下同じ。)とし、光ファイバ係合部の長さ方向
を望むようにして当該光ファイバ固定用部材を光ファイ
バ固定部側から視る見方を正面視(以下同じ。)とした
ときにおける、当該光ファイバ固定用部材を側面視した
ときの形状を意味する。
【0015】本発明の方法で使用する成形予備体は上記
の条件を満たすものであれば基本的によく、当該成形予
備体における各面はそれぞれ平面であっても曲面であっ
てもよい。ただし、極端な凹面とすることは好ましくな
い。また、光ファイバ固定用部材における光ファイバ固
定部は成形予備体の厚肉部がモールド成形されることに
よって形成されるわけであるが(勿論、モールド成形時
には成形予備体の薄肉部と厚肉部との間で成形材料の流
動が起こる。)、当該光ファイバ固定部にはV溝等から
なる所定形状の光ファイバ係合部を形成する必要がある
ので、光ファイバ係合部を形成するためのパターン転写
がモールド成形時に十分に行われるように、当該厚肉部
の厚みを目的とする光ファイバ固定用部材における光フ
ァイバ固定部の厚みより厚くすることが好ましい。
【0016】厚肉部は、その断面形状(正面視の方向と
直交する方向に切ったときの断面形状を意味する。以下
同じ。)が極端に歪んだ形状とならないものであればよ
いが、実用上は前記の断面形状を四角形以上の多角形,
半円形,蒲鉾形、または、これらの形状の角部に丸みを
帯びさせた形状、あるいは、楕円形,円形もしくはこれ
らの形状に近似する形状とすることが好ましい。なお、
厚肉部の前記断面形状を直線と外側に凸の曲線とによっ
て囲まれた形状(半円形,蒲鉾形等)とする場合には、
成形型に設けられている光ファイバ係合部形成用の転写
成形面と厚肉部における外側に凸の曲面の頂部とがモー
ルド成形の初期の段階(成形型内に成形予備体を配置し
た時点を含む。)で接することになるように、成形予備
体全体の形状を設定することが好ましい。
【0017】一方、光ファイバ固定用部材における段違
い部は成形予備体の薄肉部をモールド成形することによ
って形成されるわけであるが、当該段違い部は、その使
途によって、上面が平坦面となっている薄板状であった
り、上面側に所望の凹部を有し当該凹部の周辺が平坦面
となっている薄板状であったりする。このため、目的と
する光ファイバ固定用部材における段違い部の形状に応
じて、成形予備体における薄肉部の断面形状(正面視の
方向と直交する方向に切ったときの断面形状を意味す
る。以下同じ。)を適宜選択することが好ましい。ただ
し、段違い部に凹部を形成する場合でも、当該凹部の形
状は、通常、比較的モールド形成し易い形状であるの
で、少なくとも薄肉部の上面については、これを平面も
しくは平面に近い曲面としても実用上大きな問題は生じ
ない。
【0018】前述したように、薄肉部は厚肉部に隣接す
るようにして形成されているわけであるが、当該薄肉部
は厚肉部から急激に落ち込むようにして形成されていて
もよいし、厚肉部の厚さが徐々に減少してその一側面
(平面および曲面のいずれからなっていてもよい。)が
やがて薄肉部の上面もしくは頂部に達することになるよ
うに形成されていてもよい。
【0019】上述した成形予備体の形状についての幾つ
かの例を図3〜図8に示す。図3に示した成形予備体2
0は、四角柱の一部を切り欠いた様な形状を呈する。そ
して、厚肉部21の断面および薄肉部22の断面は、大
きさおよび形状が異なるものの、共に矩形を呈する。
【0020】図4に示した成形予備体30は、径方向の
断面が蒲鉾形を呈する柱状物の一部を切り欠いた様な形
状を呈する。そして、厚肉部31の断面は蒲鉾形を呈
し、薄肉部32の断面は矩形を呈する。図5に示した成
形予備体40は、楕円柱の一部を切り欠いた様な形状を
呈する。そして、厚肉部41の断面は楕円形を呈し、薄
肉部42の断面は前記の楕円の長軸をその水平軸とした
ときに当該水平軸よりも所定の高さだけ上にある部分を
弓形に水平に切り欠いた形状を呈する。
【0021】図6に示した成形予備体50は、円柱の一
部を切り欠いた様な形状を呈する。そして、厚肉部51
の断面は円形を呈し、薄肉部52の断面形状は前記の円
の直径をその水平軸としたときに当該水平軸よりも所定
の高さだけ上にある部分を弓形に水平に切り欠いた形状
を呈する。図7に示した成形予備体60は、六角柱の一
部を切り欠いた様な形状を呈する。そして、厚肉部61
の断面は六角形(互いに平行な2つの辺を計3組有し、
3本の対角線のうちの2本の長さが等しく、他の1本が
これら2本より長いもの)、薄肉部62の断面は前記の
六角形において最も長い対角線を水平軸としたときに当
該水平軸よりも所定の高さだけ上にある部分を水平に切
り欠いた形状を呈する。
【0022】図8に示した成形予備体70は、薄板状の
直方体の厚さ方向に位置している2つの面の一方を取り
囲んでいる4つの稜それぞれに所定の面取り加工を施
し、前記2つの面の他方を取り囲んでいる4つの稜それ
ぞれには前記の面取り加工よりも大きい面取り加工を施
し、さらに、当該直方体の厚さ方向に延びている4つの
稜それぞれに所定の丸み付け加工を行った後に、前記2
つの面のうちでその稜により小さな面取り加工を施した
面側の一部を切り欠くことによって形成されたものであ
る。この成形予備体70における厚肉部71の断面は八
角形を呈し、薄肉部72における断面は六角形を呈す
る。また、厚肉部71の側面のうちで当該厚肉部71を
正面視したときに背面となる面と薄肉部72の上面72
aとが交わる部分の稜には、所定の丸み付け加工が施さ
れている。
【0023】なお、図3〜図7に示した成形予備体2
0,30,40,50,60それぞれの平面視上の形状
は矩形であり、側面視上の形状はL字状である。また、
図8に示した成形予備体70の平面視上の形状は、矩形
の四隅それぞれに丸みを付けた形状であり、側面視上の
形状はL字状である。これらの成形予備体における薄肉
部22,32,42,52,62,72は、いずれも、
厚肉部21,31,4,51,61,71から垂直に落
ち込むようにして形成されており、当該薄肉部22,3
2,42,52,62,72の上面22a,32a,4
2a,52a,62a,72aは平面となっている。
【0024】成形予備体の体積は、その形状に拘わら
ず、目的とする光ファイバ固定用部材の体積に応じて実
質的に一定であるが、所望の外観を有する光ファイバ固
定用部材をできるだけ高い生産性および良品率の下に得
るうえからは、当該成形予備体における厚肉部と薄肉部
とを次のように体積配分することが好ましい。すなわ
ち、製造しようとする光ファイバ固定用部材における光
ファイバ固定部の体積をV1 、前記の光ファイバ固定用
部材における段違い部の体積をV2 とし、成形予備体に
おける厚肉部の体積をv1 、前記の成形予備体における
薄肉部の体積をv2 としたときに、体積比率[(v1
1)−(v2/V2)]が0.001〜0.1となるよ
うに体積配分することが好ましい。
【0025】ここで、本明細書でいう上記のV1 は、製
造しようとする光ファイバ固定用部材における光ファイ
バ固定部を当該光ファイバ固定部の各面に外接する平面
で囲んだと仮定にしたときにおける前記平面で囲まれた
部分の体積を意味する。当該V1 を求めるにあたって
は、個々の光ファイバ係合部の端部(長さ方向の端部)
を閉塞したと仮定して当該光ファイバ係合部の容積を求
めたときに、これらの容積がV1 に含まれないようにす
る。また、光ファイバ固定部と段違い部との境界には、
光ファイバ固定部と段違い部との境界線を包含する垂直
面があるものとし、当該垂直面も光ファイバ固定部の面
の1つであるものとする。
【0026】また、本明細書でいう上記のV2 は、製造
しようとする光ファイバ固定用部材における段違い部を
当該段違い部の各面に外接する平面で囲んだと仮定にし
たときにおける前記平面で囲まれた部分の体積を意味す
る。そして、光ファイバ固定部と段違い部との境界に
は、上記V1 におけるのと同じく垂直面があるものと
し、当該垂直面も段違い部の面の1つであるものとす
る。
【0027】一方、本明細書でいう前記のv1 ,v2
それぞれ成形予備体における厚肉部または薄肉部の実際
の体積を意味し、これらv1 ,v2 を定めるにあたって
は、厚肉部と薄肉部との境界線を包含する垂直面が当該
厚肉部と薄肉部との間にあるものと仮定する。
【0028】前記の体積比率が0.001未満では、モ
ールド成形時における厚肉部の変形量が小さいことか
ら、特に光ファイバ係合部のパターン転写性が低下し易
くなり、所望の光ファイバ係合部を形成することが困難
になる。また、前記の体積比率が0.10を超えると、
光ファイバ固定部側への成形材料の充填が過剰となった
り、段違い部側への成形材料の充填が不足したりし易く
なる。前記の体積比率は0.002〜0.100である
ことがより好ましく、0.005〜0.07であること
が特に好ましい。
【0029】なお、目的とする光ファイバ固定用部材に
占める段違い部の体積が小さいほど、成形予備体の形状
を単純化することができる。このため、目的とする光フ
ァイバ固定用部材に占める段違い部の体積が小さい場合
には、成形予備体に上記の薄肉部を設ける代わりに厚肉
部の一側面を傾斜面とすることによっても、上述した体
積配分による効果と同等の効果を得ることができる。
【0030】光ファイバ係合部のパターン転写性をでき
るだけ高めるうえからは、製造しようとする光ファイバ
固定用部材における光ファイバ固定部の最大厚みをTと
し、成形予備体における厚肉部の最大厚みをtとしたと
きに、これらの比t/Tが1.001〜2.5となるよ
うに成形予備体における厚肉部の最大厚みtを設定する
ことが好ましい。
【0031】上記の比t/Tが1.001未満では、モ
ールド成形時における厚肉部の変形量が小さいことか
ら、光ファイバ係合部のパターン転写性が低下し易くな
り、所望の光ファイバ係合部を形成することが困難にな
る。また、上記の比t/Tが2.5を超えると、モール
ド成形時における厚肉部の変形量が光ファイバ係合部を
高精度にパターン転写するのに要する変形量以上に大き
くなる、すなわち、所望の光ファイバ固定用部材を得る
ためには成形予備体を必要以上に大きく変形させなけれ
ばならなくなる。成形予備体を大きく変形させること
は、モールド成形時における成形予備体(成形材料)の
粘度を低下させることによって容易に達成できるが、前
記の粘度をあまりに低下させると光ファイバ係合部のパ
ターン転写性が低下し易くなると共に局所的にバリが発
生し易くなることから、所望の光ファイバ固定用部材を
得ることが困難になる。なお、本明細書でいう「変形
量」とは、成形予備体と成形品との厚みの差を意味す
る。上記の比t/Tは1.005〜2.2とすることが
より好ましく、1.01〜2.0とすることが特に好ま
しい。
【0032】また、成形バリの発生を抑制するうえから
は、後述するように成形予備体の所定の部分にエッジ状
の鋭い稜が存在しないように、すなわち、2つの面が9
0°以下の角度で互いに交わることによって形成される
稜が存在しないように、当該成形予備体の形状を選定す
ることが好ましい。面取り加工や丸み付け加工は、エッ
ジ状の鋭い稜を無くすうえで有効な手段である。
【0033】本発明で使用する成形予備体は、製造しよ
うとする光ファイバ固定用部材の使用環境温度下では固
体であるが加熱することによって107.6 〜1014ポア
ズの粘度となる材料、またはこれに相当する変形能を有
する可塑体によって作製することができる。
【0034】モールド成形時に成形型が損傷する(成形
型が離型膜を有するものであるときには、前記の離型膜
が損傷する場合を含む。)のを抑制するうえからは、概
ね850℃以下の温度条件下で107.6 〜1014ポアズ
の粘度となる材料、またはこれに相当する変形能を有す
る可塑体、によって成形予備体を作製することが好まし
い。また、光ファイバ固定用部材が周囲の温度変化に伴
って大きく変形したのでは、当該光ファイバ固定用部材
を用いて高い信頼性の下に光ファイバを固定することが
できなくなるので、成形予備体としては熱膨張係数がで
きるだけ小さいものを用いることが好ましい。熱膨張係
数が小さい成形予備体は、パターン転写精度が高く、内
部の歪みが小さい成形品を得るうえでも好適である。
【0035】これらの観点から、本発明で使用する成形
予備体としてはガラスからなっているものが好ましい。
そして、前記のガラスとしては屈曲点温度が概ね850
℃以下、望ましくは750℃以下のものが好ましく、そ
の−50〜+100℃における平均熱膨張係数が70×
10-7/℃以下であれば更に好ましい。
【0036】また、光ファイバ係合部のパターン転写性
ができるだけ高い光ファイバ固定用部材を得るうえから
は、厚肉部の表面のうちで成形型に設けられている光フ
ァイバ係合部形成用の転写成形面とモールド成形時に接
することとなる部分の平均粗さを1μm以下にした成形
予備体を用いることが好ましい。
【0037】以上説明した成形予備体は、研削加工,熱
間加工等の方法によって作製することができる。厚肉部
の断面形状が曲線によって囲まれた形状(円形,楕円形
等)である成形予備体、および直線と外側に凸の曲線と
によって囲まれた形状(半円形,蒲鉾形等)である成形
予備体については、研削加工で作製するよりもキャステ
ィング法,プレス法等の熱間加工で作製した方が製造コ
ストや量産性の点で有利である。
【0038】本発明の方法では、所定形状の成形型を用
いて上述した成形予備体をその厚さ方向と実質的に平行
な方向からモールド成形することによって、目的とする
光ファイバ固定用部材を製造する。このとき使用する成
形型は、目的とする光ファイバ固定用部材の形状に対応
した所定形状のキャビティを2つの型要素(上型および
下型)または3つの型要素(上型,下型および胴型)に
よって形成するものであってもよいし、いわゆる「サイ
ドフリー」のもの(この場合の型要素は上型および下型
の2つである。)であってもよい。また、個々の型要素
は単一の部材からなっていてもよいし、複数の部材によ
って構成されていてもよい。
【0039】2つの型要素によって所定形状のキャビテ
ィを形成する上記の成形型においては、通常、上型およ
び下型のうちの一方が所定方向に移動可能な可動型(以
下、この型を「可動型A」という。)として機能し、他
方が固定型(以下、この型を「固定型A」という。)と
して機能する。一方、3つの型要素によって所定形状の
キャビティを形成する上記の成形型においては、通常、
上型および下型のうちの一方が胴型に対して相対的に所
定方向に移動可能な型(以下、この型を「可動型B」と
いう。)として機能し、他方が胴型に対して相対的に固
定された型(以下、この型を「固定型B」という。)と
して機能する。そして、当該3つの型要素からなる成形
型においては、上記の可能型Bが実際に所定方向に移動
する可動型として機能する場合が多いが、胴型および上
記の固定型Bが互いに連動した状態で実際に所定方向に
移動する可動型として機能する場合もある。
【0040】所望の成形精度を有する光ファイバ固定用
部材を容易に得るという観点からは、所定形状のキャビ
ティを2つの型要素によって形成する上記の成形型
(「サイドフリー」のものは含まれない。)、または、
3つの型要素によって形成する上記の成形型を用いるこ
とが好ましく、特に、3つの型要素によって形成する上
記の成形型を用いることが好ましい。
【0041】そして、成形品に成形バリが生じることを
抑制するという観点からは、3つの型要素によって所定
形状のキャビティを形成する上記の成形型のなかでも、
上型または下型が胴型に密着固定されて使用されるもの
が好ましい。このような成形型としては、例えば特願平
9−265719号明細書に記載されている発明のモー
ルド成形型がある。このモールド成形型は、上型,下型
および胴型を備え、成形時に前記の上型または下型が実
際に所定方向に移動する可動型として使用され、前記の
胴型がその転写成形面によって成形品の側面を成形する
ことになるモールド成形型であり、前記の胴型が、各々
が転写成形面を有している複数の胴型部品によって構成
されており、前記複数の胴型部品それぞれが、その使用
時に前記の上型の側面または前記の下型の側面に密着し
た状態で圧迫固定されることを特徴とするものである。
【0042】上記のモールド成形型は、(i) 所望の精度
を有する成形型自体の作製が容易である、(ii)成形バリ
の発生を抑制し易い、(iii) モールド成形によって光フ
ァイバ固定用部材を得る際に、当該光ファイバ固定用部
材に所定本数の光ファイバを固定したときにこれらの光
ファイバの端面が位置することになる端部付近に微小な
盛り上がり(コブ)が発生することを抑制し易い、等の
利点を有している。
【0043】なお、上記のモールド成形型は、胴型と当
該胴型に密着固定されて使用される型(上型または下
型)とを実際に所定方向に移動する可動型として使用
し、胴型に密着固定されていない型(下型または上型)
を固定型として使用することも可能である。
【0044】どのような成形型を使用する場合でも、当
該成形型を構成している各型要素は、通常、超硬合金,
スチール,SiCなどのセラミックス等によって作製さ
れ、必要に応じて、その表面には白金(Pt),金(A
u),カーボン(C),ダイヤモンド等からなる離型膜
が設けられる。
【0045】成形予備体は、(i) 成形型に設けられてい
る光ファイバ係合部形成用の転写成形面と厚肉部の上面
もしくは頂部とがモールド成形の初期の段階で接するこ
とになるようにして、かつ、(ii)成形型の転写成形面の
うちで光ファイバ固定部の上面を成形することになる転
写成形面と段違い部の上面を成形することになる転写成
形面との境界部分が、モールド成形の初期の段階で成形
予備体における厚肉部と薄肉部との境界部分に当たるよ
うにして、成形型内または所定の型要素上に配置され
る。そして、当該成形予備体はその厚さ方向と実質的に
平行な方向から加圧されて、所定形状の成形品となる。
【0046】このとき、(iii) 前述した固定型Bの転写
成形面によって光ファイバ固定用部材における光ファイ
バ固定部の上面(光ファイバ係合部を含む。)および段
違い部の上面がそれぞれ成形されることになるように成
形型を選択し、かつ、(iv)成形予備体における厚肉部の
上面もしくは頂部が前記の固定型Bの転写成形面に面す
るように当該成形予備体を配置する、ことが特に好まし
い。
【0047】一般に、所定形状のキャビティを3つの型
要素によって形成する成形型においては、前述した可動
型Bを相対的に所定方向に移動させる都合上、胴型と前
述した固定型Bとの間のクリアランスよりも可動型Bと
胴型との間のクリアランスの方が大きいので、可動型B
と胴型との間のクリアランスに成形材料が特に侵入し易
い。このため、このような成形型を用いて得た成形品で
は、固定型Bによって成形された面と胴型によって成形
された面とが交わる部分の稜においてよりも、可動型B
によって成形された面と胴型によって成形された面とが
交わる部分の稜において、成形バリが生じ易い。
【0048】しかしながら、可動型Bによって成形され
た面と胴型によって成形された面とが交わる部分の稜に
成形バリが生じることは、モールド成形の初期の段階
(成形型内に成形予備体を配置した時点を含む。)にお
いて可動型Bの転写成形面と接する面(成形予備体の一
面)を取り囲む稜に、2つの面が90°以下の角度で互
いに交わることによって形成される稜(以下、このよう
な稜を「エッジ状の鋭い稜」ということがある。)が存
在しないように成形予備体の形状を選定することによ
り、換言すれば、成形予備体の形状を以下のように選定
することにより、抑制することができる。
【0049】すなわち、可動型Bの転写成形面にモール
ド成形の初期の段階で接しさせようとする側の面(成形
予備体の一面)から成形予備体を平面視したときに、前
記の面の輪郭線の少なくとも一部が、(i) 一つの曲面の
一部、または、(ii)互いに90°よりも大きな角度で交
わる2つの面同士の稜、によって形成されることになる
ように成形予備体の形状を選定することにより、可動型
Bによって成形された面と胴型によって成形された面と
が交わる部分の稜に成形バリが生じることを抑制するこ
とができる。
【0050】ここで、上記(i) でいう「一つの曲面」と
は、(a) 鋭角,直角または鈍角で互いに交わる2つの面
同士の稜に丸み付け加工を施すことによって形成された
曲面、(b) 2つの面同士の稜が曲面となるようにして成
形予備体を成形した場合における前記の曲面、および、
(c) 図5や図6に示した成形予備体のように、当該成形
予備体を正面視したときの正面を前面としたときに、そ
の前後軸の回りに180°より広い範囲に亘って広がっ
ている曲面からなる側面を有している成形予備体におけ
る前記の曲面(他の面との稜部分を除く。)、を含む。
また、上記(ii)でいう「面」は、稜を面取り加工するこ
とによって形成された面を含む。
【0051】勿論、所定形状のキャビティを3つの型要
素によって形成する成形型を用いて得た成形品では、固
定型Bによって成形された面と胴型によって成形された
面とが交わる部分の稜においても成形バリが生じること
がある。したがって、前記の稜に成形バリが生じること
を抑制するうえからは、上記と同様に、モールド成形の
初期の段階(成形型内に成形予備体を配置した時点を含
む。)において固定型Bの転写成形面と接する面(成形
予備体の一面)を取り囲む稜にエッジ状の鋭い稜が存在
しないように、成形予備体の形状を選定することが好ま
しい。
【0052】面取り加工や丸み付け加工を施すことによ
って所望形状の成形予備体を得ようとする場合、これら
の加工による面取りや丸み付けの度合いは、可動型Bに
よって成形された面と胴型によって成形された面とが交
わる部分の稜に成形バリが生じることを抑制しようとす
るときに要するものよりも、固定型Bによって成形され
た面と胴型によって成形された面とが交わる部分の稜に
成形バリが生じることを抑制しようとするときに要する
ものの方が小さくてよい。
【0053】例えば、図8に示した形状の成形予備体7
0を得るにあたって施す面取りや丸み付けの度合いは、
当該面取りおよび丸み付けのいずれをも施さなかったと
仮定したときの成形予備体の体積、すなわち、全ての稜
がエッジ状の鋭い稜となっている成形予備体を想定した
ときの当該成形予備体の体積の10%を中心とした範囲
内で選択することができ、厚肉部71の上面側の面取り
や丸み付けの度合を成形予備体70の底面側の面取りや
丸み付けの度合いの1/2程度とすれば、成形バリの発
生を抑制することが容易になると共に、モールド成形時
の成形精度を向上させることが容易になる。
【0054】ただし、前述した特願平9−265719
号明細書に記載されている発明のモールド成形型におい
ては胴型が固定型B(下型または上型)に密着固定され
ていることから、胴型と固定型Bとの間にクリアランス
がほとんど無い。このため、当該モールド成形型を用い
た場合には、従来の成形型を用いた場合よりも、成形品
の稜のうちで固定型Bによって成形された面と胴型によ
って成形された面とが交わる部分の稜に成形バリが生じ
にくい。したがって、前記のモールド成形型を用いて光
ファイバ固定用部材を製造しようとする場合には、成形
予備体の表面のうちで固定型Bの転写成形面に接しさせ
ようとする面を取り囲む稜に面取り加工や丸み付け加工
を施さなくても、換言すれば、当該稜がエッジ状の鋭い
稜であっても、成形品の稜のうちで固定型Bによって成
形された面と胴型によって成形された面とが交わる部分
の稜に成形バリが生じることが抑制される。この場合で
も、可動型B(上型または下型)によって成形された面
と胴型によって成形された面とが交わる部分の稜に成形
バリが生じることを抑制するうえからは、前述したよう
に、可動型Bの転写成形面にモールド成形の初期の段階
で接しさせようとする側の面(成形予備体の一面)から
成形予備体を平面視したときに、すなわち、成形予備体
を底面視したときに、底面の輪郭線の少なくとも一部
が、(i) 一つの曲面の一部、または、(ii)互いに90°
よりも大きな角度で交わる2つの面同士の稜、によって
形成されることになるように成形予備体の形状を選定す
ることが好ましい。
【0055】小型の成形予備体においては、特に薄肉部
の上面側に特定の面取り加工や丸み付け加工を施すこと
が困難である。しかしながら、成形型として上記のモー
ルド成形型を用い、かつ、成形予備体における厚肉部の
上面もしくは頂部が固定型Bの転写成形面に面するよう
にして当該成形予備体を前記のモールド成形型内に配置
してモールド成形するようにすれば、上述した理由か
ら、成形予備体における薄肉部の上面側に面取り加工や
丸み付け加工を施さなくてもよくなる。その結果とし
て、所望の成形予備体を高い生産性の下に得ることが容
易になり、ひいては、所望の光ファイバ固定用部材を高
い生産性の下に得ることが容易になる。
【0056】なお、光ファイバ固定用部材を正面視した
ときに正面となる側面と当該光ファイバ固定用部材にお
ける光ファイバ固定部の上面とが交わる部分の稜、前記
正面となる側面と当該光ファイバ固定用部材における底
面とが交わる部分の稜、および、光ファイバ固定用部材
を正面視したときに右側面または左側面となる側面(計
2つ)と前記光ファイバ固定部の上面とが交わる部分の
稜(計2つ)については、成形バリが生じることを極力
抑制することが望ましい。したがって、光ファイバ固定
用部材におけるこれらの稜に対応する成形予備体の稜に
は、モールド成形に使用する成形型の構造に拘わらず、
面取り加工または丸み付け加工を施すことが好ましい。
【0057】モールド成形は、成形予備体の粘度が10
7.6 〜1014ポアズとなる温度環境下、または、成形予
備体が前記の粘度に相当する変形能を示す温度環境下で
行うことが好ましい。成形予備体の粘度が107.6 ポア
ズ未満となる温度環境下、または、成形予備体が前記の
粘度に相当する変形能より高い変形能を示す温度環境下
でモールド成形を行うと、前述したように、光ファイバ
係合部のパターン転写性が低下し易くなると共に局所的
にバリが発生し易くなることから、所望の光ファイバ固
定用部材を得ることが困難になる。一方、成形予備体の
粘度が1014ポアズを超える温度環境下、または、成形
予備体が前記の粘度に相当する変形能より低い変形能を
示す温度環境下でモールド成形を行うと、高い圧力をか
けて長時間成形を行うことが必要になるため、成形型が
破損し易くなることがある。
【0058】当該モールド成形は、成形予備体の粘度が
108 〜1013ポアズとなる温度環境下、または、成形
予備体が前記の粘度に相当する変形能を示す温度環境下
で行うことがより好ましく、成形予備体の粘度が109
〜1012ポアズとなる温度環境下、または、成形予備体
が前記の粘度に相当する変形能を示す温度環境下で行う
ことが更に好ましい。
【0059】なお、モールド成形時の圧力は使用する成
形予備体の組成,加熱温度,成形時間および変形量等に
応じて適宜選択されるが、ガラスからなる成形予備体を
用いる場合には概ね2〜500kgf/cm2 の範囲内
となり、概ね20〜300kgf/cm2 の範囲内とす
ることが好ましい。加圧時間は概ね5〜250秒でよ
い。また、モールド成形時の雰囲気は窒素ガス雰囲気等
の不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。モールド成
形後、成形型内の成形品を20〜70℃/分の速度で成
形材料のガラス転移点温度近辺まで冷却し、その後に成
形品を成形型から離す。
【0060】上述したようにして光ファイバ固定用部材
を製造する本発明の方法では、厚肉部と薄肉部とを有す
る成形予備体を用いるので、光ファイバ固定用部材にお
ける光ファイバ係合部の転写成形と当該光ファイバ固定
用部材における段違い部との形成とを同時に、かつ、容
易に行うことができる。したがって、所望の外観を有す
る光ファイバ固定用部材を高い生産性および良品率の下
に得ることが可能である。
【0061】また、本発明の方法によれば、以下の理由
から、破損しにくい光ファイバ固定用部材を得ることが
できる。すなわち、光ファイバ固定部と段違い部とを有
する光ファイバ固定用部材をモールド成形法によって製
造するにあたって厚さが実質的に均一な成形予備体を用
いると、光ファイバ固定部に成形しようとする部分と段
差部に成形しようとする部分との間でモールド成形時に
起きる成形材料の流動が大きくなることから、得られる
光ファイバ固定用部材においては光ファイバ固定部と段
違い部との境界部分に大きな残留歪みが生じ、その結果
として、当該境界部分の強度が低下してこの箇所から破
損し易くなる。しかしながら、本発明の方法では厚肉部
と薄肉部とを有する成形予備体を用いるので、光ファイ
バ固定部に成形しようとする部分と段差部に成形しよう
とする部分との間でモールド成形時に起きる成形材料の
流動が小さくなる。したがって、得られる光ファイバ固
定用部材においては光ファイバ固定部と段違い部との境
界部分に生じる残留歪みが小さくなり、その結果とし
て、当該境界部分の強度が向上してこの箇所から破損し
にくくなる。
【0062】成形品全体にできるだけ小さな歪みしか残
らないようにして光ファイバ係合部が高精度でパターン
転写されている光ファイバ固定用部材を得るうえから
は、目的とする光ファイバ固定用部材における光ファイ
バ固定部の最大厚みをTとし成形予備体における厚肉部
の最大厚みをtとしたときのこれらの比t/Tを、前述
したように、1.001ないし2.5とすることが好ま
しい。また、同様の観点から、成形予備体における厚肉
部の体積と薄肉部の体積を前述したように配分する、す
なわち、目的とする光ファイバ固定用部材における光フ
ァイバ固定部の体積をV1 、当該光ファイバ固定用部材
における段違い部の体積をV2 とし、成形予備体におけ
る厚肉部の体積をv1 、当該成形予備体における薄肉部
の体積をv2 としたときの体積比率[(v1/V1)−
(v2/V2)]が0.001〜0.1となるように配分
することが好ましい。
【0063】また、本発明の方法によって光ファイバ固
定用部材を製造するにあたって所望の稜に面取り加工ま
たは丸み付け加工を施した成形予備体を用いれば、以下
の理由から、当該成形予備体を成形型の中心に配置して
モールド成形することが容易になる。すなわち、上記の
成形予備体では、面取り加工または丸み付け加工の度合
いを調整することにより、平面視上の幅および長さをそ
れぞれ成形型のキャビティの平面視上の幅および長さと
ほぼ同等にしても、所望の光ファイバ固定用部材を得る
に必要な厚みおよび体積を確保することができる。そし
て、成形予備体の平面視上の幅および長さをそれぞれ成
形型のキャビティの平面視上の幅および長さとほぼ同等
とすることにより、当該成形予備体を成形型の中心に容
易に配置することが可能になり、かつ、この状態でモー
ルド成形することが可能になる。
【0064】そして、成形予備体の稜に面取り加工また
は丸み付け加工を施せば当該稜に欠けが生じにくくなる
ので、成形予備体の取り扱いが容易になる。さらに、所
望の稜に面取り加工または丸み付け加工を施した成形予
備体をモールド成形するにあたって、前記の面取り加工
または丸み付け加工によって形成された面のそれぞれが
モールド成形によって消失することなく、成形品である
光ファイバ固定用部材における1つの稜(厳密には1つ
の面取り加工面または丸み付け加工面)として残るよう
に成形すれば、光ファイバ固定用部材における前記の稜
に欠けが生じにくくなるので、取り扱いが容易な光ファ
イバ固定用部材を得ることができる。
【0065】上述した利点を有する本発明の方法は、特
に、(i) 光ファイバ固定部と段違い部との段差が光ファ
イバ固定部の最大厚みTの10%程度以上である光ファ
イバ固定用部材、(ii)断面形状がその全長に亘って光フ
ァイバ固定部の断面形状と同じである光ファイバ固定用
部材を仮定し、かつ、目的とする光ファイバ固定用部材
は前記仮定した光ファイバ固定用部材の一部を切り欠く
ことによって所望の段違い部を形成したものであると仮
定したときに、前記目的とする光ファイバ固定用部材の
体積に占める前記切り欠いた部分の体積が7%程度以上
である光ファイバ固定用部材、または(iii) 全長(正面
視したときの奥行き方向の長さ)に占める段違い部の長
さが15%程度以上である光ファイバ固定用部材、を高
い生産性および良品率の下に得るうえで好適な方法であ
る。
【0066】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 (1)成形予備体の作製 まず、製造しようとする光ファイバ固定用部材として、
図1に示す光ファイバガイドブロック1を選択した。図
1に示した光ファイバガイドブロック1は、V溝からな
る計8つの光ファイバ係合部2が上面に形成されている
光ファイバ固定部3と、前記の光ファイバ係合部2より
も一段低い位置に上面4aが形成されている段違い部4
とを有し、当該段違い部4が前記の光ファイバ固定部3
に隣接するようにして形成されているものである。そし
て、段違い部4は光ファイバ固定部3から垂直に落ち込
むようにして形成されている。
【0067】光ファイバ固定部3は、平面視したときに
は5×5mmの矩形の角部に若干の丸みをもたせた形状
を呈し、正面視したときには1.5×5mmの矩形の角
部に若干の丸みをもたせた形状を呈する(ただし、光フ
ァイバ係合部2それぞれの凹凸は無視する。)。したが
って、当該光ファイバ固定部3の最大厚みTは1.5m
mであり、その体積V1 は36.75mm3 である。一
方、段違い部4は、平面視したときには7×5mmの矩
形の角部(ただし、光ファイバ固定部3側の2つの角部
を除く。)に若干の丸みをもたせた形状を呈し、正面視
したときには1.25×5mmの矩形の角部に若干の丸
みをもたせた形状を呈する。したがって、当該段違い部
4の上面と光ファイバ固定部3の上面3aとの段差は最
大0.25mmであり、その体積V2 は43.75mm
3 である。
【0068】次に、両面を研磨した硼酸塩系ガラス板を
研削加工して当該ガラス板に薄肉の部分を形成し、この
ものから図3に示した成形予備体20と同様の形状を呈
するものを切り出すことによって、成形予備体を得た。
【0069】表1に示すように、当該成形予備体におけ
る厚肉部は、平面視したときには4.10×3.00m
mの矩形を呈し、正面視したときには3.00×3.0
0mmの矩形を呈する。したがって、厚肉部の最大厚み
tは3.00mmであり、その体積v1 は36.90m
3 である。一方、当該成形予備体における薄肉部は前
記の厚肉部から垂直に落ち込むようにして形成されてお
り、平面視したときには6.08×3.00mmの矩形
を、また正面視したときには2.40×3.00mmの
矩形を呈する。したがって、当該薄肉部の上面と厚肉部
の上面との段差は0.60mmであり、その体積v2
43.78mm3 である。この成形予備体は、体積比率
[(v1/V1)−(v2/V2)]が0.0035となる
ように作製されており、当該成形予備体における厚肉部
の最大厚みtと前述した光ファイバガイドブロック1に
おける光ファイバ固定部3の最大厚みTとの比t/Tは
2.000である。
【0070】(2)光ファイバガイドブロックの製造 まず、図2に示すように、上型,胴型および下型の計3
つの型要素からなる成形型10を用意した。この成形型
10を構成している上型11は、平板状の型要素であ
る。当該上型11の片面には離型膜11aが設けられて
おり、この離型膜11aの表面が転写成形面として使用
される。上型11の下面における周縁部は、モールド成
形時に胴型12の上面によって係止される。胴型12は
水平断面が矩形枠状を呈する筒状の型要素であり、この
胴型12の使用時における上面および内側側面には離型
膜12aが設けられている。
【0071】下型13は、光ファイバガイドブロック1
(図1参照)における光ファイバ固定部3の上面3a
(光ファイバ係合部8の表面を含む。)を形成するため
の転写成形面を有する第1の成形部14と、光ファイバ
ガイドブロック1における段違い部4の上面4aを形成
するための転写成形面を有する第2の成形部15とを備
えており、これら第1の成形部14および第2の成形部
15は図示を省略した固定枠によって機械的に一体化さ
れている。
【0072】第1の成形部14は四角柱状を呈し、その
使用時における上端部には、形成しようとする光ファイ
バ係合部の形状に対応した所定形状の凸部14aが8
本、250±0.3μmのピッチで互いに平行に形成さ
れている。また、第1の成形部14の使用時における下
端部には、第2の成形部15に接する面側を除いて、胴
型12の使用時における下面を係止するためのつば部1
4bが形成されている。一方、第2の成形部15も四角
柱状を呈するが、その使用時における上面は平面からな
り、当該上面は第1の成形部14の使用時における上面
(8つの凸部14aを除いた平面)より250μmだけ
上方(使用時における上方)に突出している。したがっ
て、第1の成形部14と第2の成形部15との境界には
段差がある。また、第2の成形部15の使用時における
下端部にも、第1の成形部14に接する面側を除いて、
胴型12の使用時における下面を係止するためのつば部
15aが形成されている。
【0073】なお、上述した第1の成形部14の上面,
当該上面からつば部14bの上面にかけての側面および
第2の成形部15側の側面には離型膜14cが設けられ
ており、第2の成形部15の上面,当該上面からつば部
15aの上面にかけての側面および第1の成形部14側
の側面には離型膜15bが設けられている。そして、表
面に離型膜14cを有する上記8つの凸部14aの寸法
精度(ピッチおよび高さについての寸法精度)は±0.
3μm以内である。
【0074】モールド成形時においては、下型13は固
定配置され、つば部14b,15aによって胴型12の
下面が係止されるようにして当該下型13上に胴型12
が配置される。成形予備体16は、厚肉部の上面が前記
第1の成形部14の上面と対向し、薄肉部の上面が前記
第2の成形部15の上面と当接し、かつ、厚肉部と薄肉
部との境界が前記第1の成形部14と前記第2の成形部
15との境界に当たるように配置される。また、成形型
10内に配置された成形予備体を正面視するようにして
断面をとったときに、成形予備体の左端と胴型12の内
側側面との間の距離(最短距離)L1 が成形予備体の右
端と胴型12の内側側面との間の距離(最短距離)L2
と実質的に等しくなるように、成形予備体を配置するこ
とが好ましい。
【0075】上記の成形型10と前述した成形予備体と
を用いて以下のようにしてモールド成形を行って、目的
とする光ファイバガイドブロック1を得た。まず、上述
のようにして成形型10内に配置(L1 =L2 とす
る。)された成形予備体をその温度が580℃(このと
きのガラスの粘度は108 ポアズである。)となるよう
に成形型10ごと窒素ガス雰囲気中で加熱し、この状態
下で、上型11を当該上型11が胴型12の上面に係止
されるまで180kgf/cm2の成形圧で下降させ、
200秒間にわたって成形予備体を加圧した(表2参
照)。図1(c)はこのときの成形型10および成形品
17の短手方向の垂直断面の概略を示す図であり、図1
(d)はこのときの成形型10および成形品17の長手
方向の垂直断面の概略を示す図である。この後、50℃
/分の速度で100℃にまで冷却してから成形品17を
成形型10から取り出し、これによって光ファイバガイ
ドブロック1を得た。
【0076】同様にして計100個の光ファイバガイド
ブロックを製造し、これらの光ファイバガイドブロック
における光ファイバ係合部の累積ピッチ精度および深さ
精度を接触式微細輪郭形状測定器を用いて測定した。ま
た、これらの光ファイバガイドブロックそれぞれについ
て、光ファイバ固定部を正面視したときにおける当該光
ファイバ固定部の幅および厚み(最大厚み)をマイクロ
メータで測定し、その値について光ファイバガイドブロ
ック間での変動幅を求めた。これらの結果を表3に示
す。
【0077】なお、本明細書でいう「光ファイバ係合部
の累積ピッチ」とは、各光ファイバ係合部のそれぞれに
同一直径の光ファイバを固定したと仮定し、光ファイバ
ガイドブロックを正面視したときに最も左端または右端
に位置する光ファイバ係合部に固定された光ファイバ
(以下、この光ファイバを「光ファイバA」という。)
を基準として求めた当該光ファイバAと他の光ファイバ
とのピッチを意味する。本実施例の場合には、光ファイ
バ係合部の総数が8であることから、計7種類の累積ピ
ッチが存在する。
【0078】実施例2〜実施例10 成形予備体の材質は変えずにその形状および大きさを表
1に示すものに変更し、モールド成形時の条件を表2に
示す条件とした以外は実施例1と全く同じにして実施例
毎に計100個の光ファイバガイドブロックをそれぞれ
製造した。なお、いずれの実施例で用いた成形予備体も
柱状物の一部を切り欠くことによって薄肉部を形成した
様な形状を呈し、当該薄肉部は厚肉部から垂直に落ち込
むようにして形成されている。上記の光ファイバガイド
ブロックそれぞれについて、光ファイバ係合部の累積ピ
ッチ精度および深さ精度を実施例1と同様にして各実施
例毎に測定した。また、各光ファイバガイドブロックの
幅(光ファイバ固定部を正面視したときにおける当該光
ファイバ固定部の幅)および厚み(光ファイバ固定部を
正面視したときにおける当該光ファイバ固定部の最大厚
み)を実施例1と同様にして実施例毎に測定し、その値
について光ファイバガイドブロック間での変動幅を実施
例毎に求めた。これらの結果を表3に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】表3に示したように、実施例1〜実施例1
0のいずれにおいても、得られた光ファイバガイドブロ
ックにおける光ファイバ係合部の累積ピッチ精度は±
0.5μm以内と高く、光ファイバ係合部の深さ精度も
±0.5μm以内と高い。また、これらの実施例のいず
れにおいても、計100個製造した光ファイバガイドブ
ロック間での幅(光ファイバ固定部を正面視したときに
おける当該光ファイバ固定部の幅)の値についての変動
幅は±1μm以内と小さく、厚み(光ファイバ固定部を
正面視したときにおける当該光ファイバ固定部の最大厚
み)の値についての変動幅も±10μm以内と小さい。
さらに、いずれの実施例においても、バリが生じた光フ
ァイバガイドブロックは7%以内であり、光ファイバ係
合部にバリが生じたものは無かった。また、離型時に欠
けが生じた光ファイバガイドブロックも皆無であった。
【0083】比較例1 成形予備体の形状を長さ11mm,幅4.5mm,厚さ
1.625mmの直方体とした以外は実施例1と同様に
して計100個の光ファイバガイドブロックを製造し
た。その結果、光ファイバガイドブロックの角部へのガ
ラスの充填は各実施例と同様に完全ではなかったにも拘
わらず、段違い部側においてガラスが過充填となってバ
リが大きく出易かったことから、離型時に欠け等の不良
が頻繁に発生した。また、光ファイバ係合部のパターン
転写性、特に、個々の光ファイバ係合部の先端付近のパ
ターン転写性が低く、所望の形状にならずに半円となっ
ていた。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バ固定用部材の製造法によれば、所望の外観を有する光
ファイバ固定用部材を高い生産性および良品率の下に得
ることが可能になる。したがって、光ファイバ固定用部
材を安価に提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得ようとした光ファイバガイドブロッ
クの概略を示す斜視図である。
【図2】実施例で用いた成形型の概略を示す断面図であ
る。
【図3】本発明で用いる成形予備体の形状を概略的に示
す斜視図である。
【図4】本発明で用いる成形予備体の他の形状を概略的
に示す斜視図である。
【図5】本発明で用いる成形予備体の他の形状を概略的
に示す斜視図である。
【図6】本発明で用いる成形予備体の他の形状を概略的
に示す斜視図である。
【図7】本発明で用いる成形予備体の他の形状を概略的
に示す斜視図である。
【図8】図8(a)は本発明の成形予備体の他の形状を
概略的に示す平面図であり、図8(b)は図8(a)に
示した成形予備体を概略的に示す右側面図であり、図8
(c)は図8(a)に示した成形予備体を概略的に示す
正面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバガイドブロック、 2…光ファイバ係合
部、 3…光ファイバ固定部、 4…段違い部、 1
6,20,30,40,50,60,70…成形予備
体、 21,31,41,51,61,71…厚肉部、
22,32,42,52,62,72…薄肉部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横尾 芳篤 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの端部を固定するために使用
    される光ファイバ係合部が上面に形成されている光ファ
    イバ固定部と、前記の光ファイバ係合部よりも一段低い
    位置に上面が形成されている段違い部とを有し、該段違
    い部が前記の光ファイバ固定部に隣接するようにして形
    成されている光ファイバ固定用部材をモールド成形法に
    よって製造するにあたり、 (i) 厚肉部と、(ii)前記の厚肉部の上面もしくは頂部よ
    りも一段低い位置に上面もしくは頂部が形成されている
    薄肉部とを有し、前記の薄肉部が前記の厚肉部に隣接す
    るようにして形成されており、平面視上の形状が前記の
    光ファイバ固定用部材の平面視上の形状と近似し、か
    つ、側面視上の形状が前記の光ファイバ固定用部材の側
    面視上の形状と近似している成形予備体を用い、 所定形状の成形型を用いて前記の成形予備体をその厚さ
    方向と実質的に平行な方向からモールド成形することを
    特徴とする光ファイバ固定用部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形予備体をモールド成形するための成
    形型として、上型,下型および胴型を備え、前記の上型
    および下型のうちの一方がその使用時において前記の胴
    型に密着固定された型として機能し、前記の上型および
    下型のうちの他方が前記の胴型に対して相対的に所定方
    向に移動可能な型として機能する成形型を用い、 前記移動可能な型として機能する型の転写成形面にモー
    ルド成形の初期の段階で接しさせようとする側の面から
    成形予備体を平面視したときに、前記の面の輪郭線の少
    なくとも一部が、(i) 一つの曲面の一部、または、(ii)
    互いに90°よりも大きな角度で交わる2つの面同士の
    稜、によって形成される形状の成形予備体を用いる、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 成形予備体における厚肉部の上面もしく
    は頂部が、胴型に密着固定された型として機能する型の
    転写成形面に面するようにして該成形予備体を成形型内
    に配置してモールド成形を行う、請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 成形予備体として、該成形予備体を平面
    視したときに上面として視認される面を有し、かつ、前
    記の面を平面視したときに該面を囲むことになる稜の少
    なくとも1つがエッジ状になっている成形予備体を用い
    る、請求項3に記載の方法。
JP21711898A 1997-08-29 1998-07-31 光ファイバ固定用部材の製造方法 Pending JPH11129270A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6334973B1 (en) 1999-10-01 2002-01-01 Hoya Corporation Method of producing molded article
CN114683463A (zh) * 2022-03-28 2022-07-01 业成科技(成都)有限公司 光波导治具及光波导的制备方法

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