JPH10236829A - ガラス成形品の製造方法 - Google Patents

ガラス成形品の製造方法

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JPH10236829A
JPH10236829A JP36042697A JP36042697A JPH10236829A JP H10236829 A JPH10236829 A JP H10236829A JP 36042697 A JP36042697 A JP 36042697A JP 36042697 A JP36042697 A JP 36042697A JP H10236829 A JPH10236829 A JP H10236829A
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JP
Japan
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optical fiber
glass
mold
molding
temperature
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Application number
JP36042697A
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English (en)
Inventor
Masahiro Yoshida
昌弘 吉田
Reikou Chiyou
黎紅 張
Teruo Yamashita
照夫 山下
Yoshiatsu Yokoo
芳篤 横尾
Masaru Uno
賢 宇野
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転対称体でなく微細構造品を有するガラス
成形品であっても、成形ばりを生じることなく、かつ微
細構造を高精度に転写できる方法の提供。 【解決手段】 下型及び上型(必要により胴型)から形
成される空間で被成形ガラスを加圧成形するガラス成形
品の製造方法。加圧成形開始時に、被成形ガラスの粘度
は、106.5 〜109.5 ポアズの範囲であり、下型の温度
は、被成形ガラスが前記範囲内の粘度を示す温度の範囲
内にあり、上型及び胴型の温度は、前記下型温度より、
被成形ガラスの粘度に換算して5〜100倍高い粘度と
なる温度である。加圧成形と同時または加圧形成開始
後、下型の温度を下げることもできる。下型が光ファイ
バ固定用部材の光ファイバ係合部成形用成形面を有し、
上型が光ファイバ固定用部材の底面成形用成形面を有
し、胴型が光ファイバ固定用部材の側面成形用成形面を
有する光ファイバ固定用部材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ固定用
部材のように対称性が低く、かつ光ファイバ固定用係合
部のような微細構造を有するガラス成形品であっても、
成形ばりを生じることなく、かつ微細構造を高精度に精
密モールド形成できる成形方法に関する。さらに本発明
は、光ファイバ固定用部材のガラス成形品における光フ
ァイバ固定用係合部のような微細構造を高精度に精密モ
ールド成形できる成形方法に関する。
【0002】
【従来技術】光通信に使用される光ファイバは一般にガ
ラス製の細い繊維である。例えば、長距離光通信に用い
られる石英系シングルモード光ファイバは、外径10μ
m程度のコアと当該コア部を被覆する外径125μmの
クラッド部とによって構成されている。また、石英系マ
ルチモード光ファイバは、外径50〜100μmのコア
と当該コア部を被覆する外径125μmのクラッド部と
によって構成されている。したがって、光ファイバ同士
を光学的に接続する(以下、「光学的に接続する」こと
を「光接続」という。)際や、光ファイバと光学素子、
例えば光導波路、レンズ、発光素子、受光素子等とを光
接続する際には、光接続部分での接続損失を小さくする
うえから高いアライメント精度が求められる。特に、石
英系シングルモード光ファイバ同士の光接続の場合や、
石英系シングルモード光ファイバと石英ガラス系シング
ルモード光導波路との光接続の場合には、±1μm程度
という高いアライメント精度が求められる。
【0003】光ファイバを他の光ファイバまたは光学素
子に光接続するにあたっては、当該光ファイバを予め光
コネクタや光ファイバアレイ等の光ファイバ固定具によ
って固定する。ここで、光ファイバアレイは、光ファイ
バガイドブロックと押さえブロックとを少なくとも備え
たものである。前記光ファイバガイドブロックは、光フ
ァイバを固定(位置決め)するための光ファイバ固定用
係合部が形成されている薄板状物からなる。また、前記
押さえブロックは、光ファイバ固定用係合部に係合した
光ファイバを圧迫固定するための薄板状物からなる。例
えば、特開平7−5341号公報には、並列に配置した
所定本数の光ファイバを樹脂等からなる被覆部によって
保護してなるテープファイバを固定するための光ファイ
バアレイが開示されている。この光ファイバアレイを図
7に示す。
【0004】図7に示すように、光ファイバアレイ20
0は、光ファイバガイドブロック204と光ファイバ用
押さえブロック205とを備えている。光ファイバガイ
ドブロック204は、テープファイバ201から裸出さ
せた光ファイバ202を固定するための光ファイバ固定
用係合部としてのV溝203が所定本数形成されている
薄板状のブロックである。光ファイバ用押さえブロック
205は、V溝203に係合した光ファイバ202を圧
迫固定するための薄板状のブロックである。光ファイバ
アレイ200を構成している光ファイバガイドブロック
204は、上記のV溝203の他に、テープファイバ2
01における被覆部206を固定するための台座部20
7を有しいる。台座部207はV溝203よりも一段低
いところに形成されている。また、この光ファイバアレ
イ200は、上記の台座部207に固定された上記の被
覆部206を圧迫固定するために、所定断面形状の被覆
部用押さえブロック208を備えている。
【0005】光コネクタや光ファイバアレイ等の光ファ
イバ固定具によって固定した光ファイバ同士または光フ
ァイバ固定具によって固定した光ファイバと光学素子と
を前記のような高いアライメント精度の下に光接続する
にあたっては、従来より精密ステージを用いたアクティ
ブアライメントが適用されている。このアクティブアラ
イメントは、例えば光ファイバアレイによって固定した
光ファイバ同士の場合、次のようにして行われる。
【0006】まず、光ファイバを固定した一方の光ファ
イバアレイ(以下「光ファイバアレイA」という。)を
精密ステージ上のホルダーに固定し、光ファイバを固定
した他方の光ファイバアレイ(以下「光ファイバアレイ
B」という。)を精密ステージ上のもう1台のホルダー
に固定する。次いで、例えば光ファイバアレイAにおけ
る光接続側端面(光ファイバアレイの側面のうちで当該
光ファイバアレイを他の光ファイバアレイあるいは光学
素子に接続する側に位置している側面。以下同じ。)と
は反対の側に位置している光ファイバ端から当該光ファ
イバアレイAによって固定されている光ファイバに光を
入射させ、光ファイバアレイBにおける光接続側端面と
は反対の側に位置している光ファイバ端側に光検出器を
設ける。そして、精密ステージを広範囲に亘って走査さ
せて、前記の光検出器によって光パワーが少しでも検出
される位置を探していく(この段階を、以下「第1ステ
ップ」という。)。この後、前記の光検出器による光パ
ワーの検出値が最大になるように精密ステージを微小に
走査させて、目的とする高精度のアライメントを行う
(この段階を、以下「第2ステップ」という。)。
【0007】アクティブアライメントにおける上記第1
ステップでの広範囲に亘る走査には長時間を要するの
で、高精度のアライメントを容易に行ううえからは、上
記のホルダーに光ファイバ固定具を固定した段階で第1
ステップが実質的に完了するようにすることが望まし
い。そのためには、光ファイバ固定具における光ファイ
バ固定用係合部の寸法精度を高精度にすることに加え、
光ファイバ固定具の底面または側面を基準として測定し
た光ファイバ固定用係合部の位置度精度を、当該光ファ
イバ固定具によって光接続しようとする光ファイバのコ
ア径の値の1/10以内程度にまで高精度化することが
望まれる。例えば、コア系が10μm程度である石英系
シングルモード光ファイバ同士の光接続の場合や、石英
系シングルモード光ファイバと石英ガラス系シングルモ
ード光導波路との光接続の場合、上記の位置度精度は1
0μm以内であることが望ましく、この位置度精度が5
μm以内であればアライメントがより容易になる。
【0008】そして、上記の位置度精度を光ファイバの
コア径の値の1/10程度以内にすることによって、パ
ッシブアライメントにより光接続することが可能にな
る。パッシブアライメントとは、光ファイバへの光の入
射および光ファイバから出射される光の検出を行うこと
なく、光ファイバ固定具の底面または側面を基準面とし
て利用して、光ファイバ固定具同士または光ファイバ固
定具と光学素子との機械的な位置決めのみによってアラ
イメントを行う方法である。以上のように、光ファイバ
アレイ等の光ファイバ固定用部材では、光ファイバを整
列固定するための光ファイバ係合部の精度だけでなく、
アライメントの基準面となる底面や側面の精度が高くな
ければならない。
【0009】上述した光ファイバアレイ等の光ファイバ
固定具を構成している部材(以下「光ファイバ固定用部
材」という。)の材料としては、ガラス、セラミック
ス、シリコン、樹脂等が用いられている。また、光ファ
イバガイドブロックに押さえブロックを固定する際や、
光ファイバアレイと他の光ファイバアレイ等を接続する
際には、作業性が良い紫外線硬化型接着剤を用いること
が望まれている。そのため、光ファイバアレイの材料と
しては紫外線透過性のよいガラスが好適に用いられるよ
うになってきている。光ファイバ固定用部材のうち、光
ファイバ固定用係合部に高い寸法精度が求められる光フ
ァイバガイドブロックは、従来より、ガラスブロック等
をダイシングソー、ダイヤモンド砥石等を用いて機械加
工することによって作製されている。しかしこのような
製造方法では、量産性や製造コストそして歩留まりの面
で問題がある。
【0010】光ファイバ固定用部材を安価に量産する方
法として、光学ガラスレンズのモールド成形法を応用す
る方法が知られている。例えば特開平6−201936
号公報には、溝を形成する凸部を有する成形型で、ガラ
ス板等の透明部材を熱間プレス成形する方法が開示され
ている。また特開平7−218739号公報では、モー
ルド成形された光ファイバ係合部のピッチ精度精度が、
±0.5μm以下と高精度であることが開示されてい
る。また特開平8−211244号公報には、鉛非含有
で軟化点が低いガラスを用い、光ファイバ固定用部材を
モールド成形する方法が開示されている。
【0011】これらの方法は、いずれも光ファイバ固定
用部材をモールド成形する方法ではある。しかし、これ
らの公報には、光ファイバを整列固定するための光ファ
イバ係合部の精度やアライメントの基準面となる底面や
側面の精度を高くするための手段については何ら開示さ
れておらず、光学ガラスレンズのモールド成形法を単に
転用するに止まっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように光ファイ
バ固定用部材は、平面視上の形状が矩形を呈する薄板状
のものが多い。また薄板の一部分に光ファイバ係合部が
あり、しかも台座部となる段差部分を有する。このよう
に光ファイバ固定用部材は形状の対称性が低いためにモ
ールド成形することがレンズの場合に比べて格段に困難
であるにも係わらず高い成形精度が求められる。そのた
め、従来の光学ガラスレンズのモールド成形技術をその
まま応用しても、実用に耐える光ファイバ固定用部材を
成形することはできない。特に、アライメントの基準面
となる底面や側面の精度を高くするためには、成形ばり
の発生を抑制する必要がある。しかし、上記公報には成
形ばりの抑制法についての開示はない。また、光学レン
ズのモールド成形においては、成形ばりの抑制法が幾つ
か提案されている。しかし、以下に説明するように、そ
れらをそのまま光ファイバ固定用部材のモールド成形に
転用することはできない。
【0013】光学レンズのモールド成形では、特開昭6
0−118642号公報に開示されているように、略円
柱状やボール状のガラスを成形予備体として用い、上
型、下型、胴型からなる成形型を用いることが一般に知
られている。このようなガラス成形予備体を成形温度に
加熱して型で加圧すると、ガラス成形予備体は同心円状
に均一に広がり、型のキャビティを満たしてゆく。よっ
て予めガラス成形予備体の体積を、型のキャビティより
やや小さく設定しておけば、胴型と上下型のクリアラン
スへのガラスの侵入、即ち成形ばりを防止できる。ま
た、同公報の第4図に示されているように、ガラス成形
予備体の体積管理を容易にするため、光学的に問題のな
い部分にガラスの逃げを設けることで、成形ばりを防止
することができる。
【0014】また、特公平6−15414号公報及び特
公平6−17240号公報には、上型、下型、胴型の各
成形型に温度差を設けることにより、成形ばりの発生を
防止したガラスレンズの成形方法が開示されている。上
記のように温度差を設けることで上下型との接触部のガ
ラスの変形速度に差が付き、かつガラスの体積を一定以
下に調整することで、光学的に問題のない部分にガラス
の未充填部ができ、その結果、成形ばりの発生が防止さ
れる。特開昭62−252331号公報には、ガラス素
材の熱膨張率>成形型素材の熱膨張率>胴型の熱膨張率
という関係を有する型材を用いるガラスレンズの成形方
法が開示されている。この方法によれば、成形型と胴型
の熱膨張率の差により、成形時において胴型と上下型と
の間のクリアランスが室温時より小さくなるため、成形
ばりが抑制される。
【0015】以上、ガラスレンズの成形方法において知
られている成形ばり抑制法は、いずれもガラス成形予備
体が型のキャビティ内に均一に広がることが前提条件と
なっている。即ち、光学レンズが回転対称体であるため
に胴型の水平断面は円形であること、及び胴型とのクリ
アランス付近にガラスの未充填部分を作製できることに
より成形ばりを抑制することができる。
【0016】しかるに、光ファイバ固定用部材は、形状
の対称性が低い。そのため、成形時にガラスが一律に胴
型に接触しないように広がることは殆ど期待できない。
例えば、光ファイバ固定部材に近似した形状のガラス成
形予備体を使用したとしても、加圧の過程で、方形であ
ったガラス成形予備体でも、辺の部分は丸みを帯びて水
平方向に膨らんで変形する。そのため、例えば、加圧に
より出っ張っ部分は、ガラスが胴型壁面に到達し、成形
ばりを生じていても、他の部分では胴型の壁面にガラス
が到達していない未充填の状態となりやすい。そこで、
未充填部分にまでガラスを充填して全体的な形状を整え
ようとすると、成形ばりがますます大きくなる。また不
均一なガラスの伸びは、成形体の対称性が低いほど顕著
となるが、前記した台座部の段差のように、厚みが均一
でない場合には特に顕著となる。発生した成形ばりは、
離型時にガラス屑となり、量産時にトラブルを生じ易
い。さらに、成形ばりの除去工程を入れることは技術的
には可能であるが、製造コストの増加につながるため好
ましくない。
【0017】また前述のように、光ファイバ固定用部材
は、光ファイバ係合部の成形面、側面、底面がいずれも
高精度に成形される必要がある。特に光ファイバ係合部
においては、光接続損失の低減のため、光接続端側の成
形精度を±1μm以下に高める必要がある。しかし成形
精度を上げるため、型キャビティへのガラスの充填度を
上げると、上述のように成形ばりを生じやすい。光ファ
イバ係合部の光接続端に成形ばりがあると、光ファイバ
挿入時に成形ばりに光ファイバが乗り上げ、光ファイバ
係合部に光ファイバを精度良く整列させることができな
い。また、光ファイバ固定用部材の光接続端側の断面形
状は、アライメント精度向上のためと、他の光部品と接
着固定するために、より正確な矩形形状であることが望
まれる。しかし、光ファイバ係合部の成形面の稜に成形
ばりがあると、押さえブロックが成形ばりに乗り上げ、
光ファイバを精度良く圧迫固定することができない。ま
た底面側の稜に成形ばりがあると、アライメント用のホ
ルダーに光ファイバ固定用部材を精度良く固定できず、
アライメントができなくなる。以上のように光ファイバ
固定用部材では、殆ど全ての稜において成形ばりの存在
は許されず、かつ光接続端近傍の充填は、可能なかぎり
完全でなければならない。
【0018】以上のように、光ファイバ固定用部材のよ
うな回転対称体でない物品のモールド成形では、加圧さ
れたガラスが胴型の成形面に均一に当接することは期待
できないにも係わらず、光接続端近傍ではガラスの充填
不足は許されない。そこで、型キャビティ内でのガラス
の充填度を上げて光接続端近傍でのガラスの充填が良好
でありながら、成形ばりも発生しない成形技術が必要と
なる。さらに、光ファイバ固定用部材は、光ファイバ係
合部が微細構造となっている。この微細構造は精密に形
成されなければならず、光ファイバ係合部へのガラスの
充填不良は致命的欠陥となる。特に、型キャビティ内で
のガラスの充填度の高低に係わらず、光ファイバ係合部
のような微細構造を良好に精密成形できる成形技術が必
要となる。
【0019】そこで本発明の第1の目的は、光ファイバ
固定用部材のように回転対称体でなく、かつ光ファイバ
係合部のような微細構造品を有するガラス成形品であっ
ても、成形ばりを生じることなく、かつ微細構造を高精
度に転写できる方法を提供することにある。本発明の第
2の目的は、光ファイバ固定用部材のように、光ファイ
バ係合部のような微細構造品を有するガラス成形品につ
いて、微細構造を高精度に転写できる方法を提供するこ
とにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、以下のとおりである。 〔請求項1〕 下型、上型及び胴型から形成される空間
で被成形ガラスを加圧成形するガラス成形品の製造方法
であって、加圧成形開始時に、被成形ガラスの粘度は、
106.5 〜109.5 ポアズの範囲であり、下型の温度は、被
成形ガラスが前記範囲内の粘度を示す温度の範囲内にあ
り、上型及び胴型の温度は、前記下型温度より、被成形
ガラスの粘度に換算して5〜100倍高い粘度となる温
度であり、かつ加圧成形と同時または加圧形成開始後、
下型の温度を下げることを特徴とする方法。 〔請求項2〕 成形終了時の下型の温度を、被成形ガラ
スの粘度に換算して108〜1010ポアズの粘度となる温度
とすることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。 〔請求項3〕 ガラス成形品は、加圧方向に平行な対称
面の数が8以下の物である請求項1または2に記載の製
造方法。 〔請求項4〕 ガラス成形品は、下型により加圧成形さ
れる面と胴型により加圧成形される面により形成される
稜及び/又は胴型により加圧成形される面と上型により
加圧成形される面により成形される稜の大きさが100
μm以下の物である請求項1〜3のいずれか1項に記載
の製造方法。 〔請求項5〕 ガラス成形品は、成形品の厚みが加圧方
向から見た成形品の重心位置を中心に非対称である請求
項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。 〔請求項6〕 ガラス成形品が微細構造を有し、下型の
成形面が前記ガラス成形品が微細構造を転写成形するた
めの微細構造を有する請求項1〜5のいずれか1項に記
載の製造方法。 〔請求項7〕 ガラス成形品が光ファイバ固定用部材で
ある請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。 〔請求項8〕 下型が光ファイバ固定用部材の光ファイ
バ係合部を成形するための成形面を有し、上型が光ファ
イバ固定用部材の底面を成形するための成形面を有し、
胴型が光ファイバ固定用部材の側面を成形するための成
形面を有する光ファイバ固定用部材の製造方法である請
求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。 〔請求項9〕 少なくとも下型及び上型から形成される
空間で被成形ガラスを加圧成形して、微細構造を有する
ガラス成形品を製造する方法であって、前記下型及び上
型のいずれか一方の成形面が前記ガラス成形品に微細構
造を転写成形するための微細構造を有し、加圧成形開始
時に、被成形ガラスの粘度は、106.5 〜109.5 ポアズの
範囲であり、微細構造成形面を有する型の温度は、被成
形ガラスが前記範囲内の粘度を示す温度の範囲内にあ
り、微細構造成形面を有さない型の温度は、前記型の温
度より、被成形ガラスの粘度に換算して5〜100倍高
い粘度となる温度であることを特徴とする方法。 〔請求項10〕 微細構造成形面を有する型が下型であ
る請求項9に記載の製造方法。 〔請求項11〕 ガラス成形品が光ファイバ固定用部材
である請求項9または10に記載の製造方法。 〔請求項12〕 下型が光ファイバ固定用部材の光ファ
イバ係合部を成形するための成形面を有し、上型が光フ
ァイバ固定用部材の底面を成形するための成形面を有す
る光ファイバ固定用部材の製造方法である請求項9〜1
1のいずれか1項に記載の製造方法。 〔請求項13〕 請求項7、8、11及び12のいずれ
か1項に記載の製造方法により光ファイバ係合部を有す
る光ファイバ固定用部材を作製する工程と、光ファイバ
の端部を前記光ファイバ固定用部材の光ファイバ係合部
と押さえブロッグとで接着剤を介して圧迫固定する工程
を含むことを特徴とする光ファイバアレイの製造方法。
【0021】
【発明の実施の態様】以下、本発明について説明する。
本発明の第1の態様のガラス成形品の製造方法は、下
型、上型及び胴型から形成される空間で被成形ガラスを
加圧成形する方法である。ここで使用される下型、上型
及び胴型の形状や構造には特に制限はない。また、被成
形ガラスについても特に制限はなく、目的とするガラス
成形品に適した硝種から、加圧成形のし易さ等も考慮し
て適宜選択することができる。
【0022】本発明の第1の態様の製造方法の第1の特
徴は、加圧成形開始時に、被成形ガラスの粘度は、10
6.5 〜109.5 ポアズの範囲であり、下型の温度は、被成
形ガラスが前記範囲内の粘度を示す温度の範囲内にあ
り、上型及び胴型の温度は、前記下型温度より、被成形
ガラスの粘度に換算して5〜100倍高い粘度となる温
度であることである。加圧成形開始時の被成形ガラスの
粘度が109.5 ポアズを超えると、加圧成形が困難にな
り、特に微細構造を有するガラス成形品の場合、高精度
に転写することが難しくなる。一方、加圧成形開始時の
被成形ガラスの粘度は低ければ、それだけ加圧成形は容
易になるが、成形ばりの抑制と成形型の耐久性や生産性
(熱効率)とを考慮すると106.5 ポアズ以上であること
が適当である。特に、微細構造を高精度に転写しかつ、
成形ばりを抑制するという観点から、加圧成形開始時の
被成形ガラスの粘度は、好ましくは、107 〜108.5 ポア
ズの範囲である。
【0023】加圧成形開始時の下型の温度は、被成形ガ
ラスが前記範囲内の粘度(106.5 〜109.5 ポアズ)を示
す温度の範囲内とする。この温度範囲内であれば、加圧
成形を容易に行うことができ、かつ微細構造も高精度に
転写することができるからである。また、ガラス成形品
が微細構造を有する場合、下型の成形面に前記ガラス成
形品が微細構造を転写成形するための微細構造を設ける
ことで、転写成形を良好に行うことができる。さらに、
上型及び胴型の温度は、前記下型温度より、被成形ガラ
スの粘度に換算して5〜100倍高い粘度となる温度に
設定する。上型及び胴型の温度が、被成形ガラスの粘度
に換算して5倍高い粘度となる温度を超える場合、成形
ばりの抑制が難しくなる。また、被成形ガラスの粘度に
換算して100倍高い粘度となる温度未満の場合、ガラ
スの変形が妨げられ過ぎて、成形が困難になる。上型及
び胴型の温度は、好ましくは、前記下型温度より、被成
形ガラスの粘度に換算して10〜50倍高い粘度となる
温度に設定する。
【0024】さらに本製造方法の第2の特徴は、加圧成
形と同時または加圧形成開始後、下型の温度を下げるこ
とである。加圧成形開始時の下型の温度は、被成形ガラ
スが前記範囲内の粘度を示す温度の範囲内とし、これに
より、微細構造を高精度に転写することができるが、加
圧成形の進行にともなって、成形ばりを抑制する必要が
ある。そこで上記のように加圧成形と同時または加圧形
成開始後、下型の温度を下げる。温度低下開始は、被成
形ガラスの粘度(温度)及び加圧成形開始時の下型の温
度、さらには、微細構造の成形の進行具合等を考慮し
て、加圧成形と同時または加圧形成開始後一定時間後と
する。下型の温度は、上型及び胴型の温度近傍、又はそ
れ以下の温度まで低下させることが望ましい。
【0025】本発明の第1の態様の製造方法により、成
形ばりを生じることなく、かつ微細構造を高精度に転写
できるのは、例えば、加圧方向に平行な対称面の数が8
以下であるガラス成形品である。さらに、下型により加
圧成形される面と胴型により加圧成形される面により形
成される稜及び/又は胴型により加圧成形される面と上
型により加圧成形される面により成形される稜の大きさ
が100μm以下のガラス成形品は、良好に成形でき
る。また、成形品の厚みが加圧方向から見た成形品の重
心位置を中心に非対称であるガラス成形品も良好に成形
できる。このようなガラス成形品として、例えば、光フ
ァイバ固定用部材を挙げることができる。
【0026】本発明の第2の態様のガラス成形品の製造
方法は、少なくとも下型及び上型から形成される空間で
被成形ガラスを加圧成形して、微細構造を有するガラス
成形品を製造する方法であって、前記下型及び上型のい
ずれか一方の成形面が前記ガラス成形品に微細構造を転
写成形するための微細構造を有する。本発明の第2の態
様の製造方法の特徴は、加圧成形開始時に、被成形ガラ
スの粘度は、106.5 〜109.5 ポアズの範囲であり、微細
構造成形面を有する型の温度は、被成形ガラスが前記範
囲内の粘度を示す温度の範囲内にあり、微細構造成形面
を有さない型の温度は、前記型の温度より、被成形ガラ
スの粘度に換算して5〜100倍高い粘度となる温度で
あることである。
【0027】加圧成形開始時の被成形ガラスの粘度が10
9.5 ポアズを超えると、加圧成形が困難になり、微細構
造を有するガラス成形品を高精度に転写することが難し
くなる。一方、加圧成形開始時の被成形ガラスの粘度は
低ければ、それだけ加圧成形は容易になる。但し、成形
ばりの抑制と成形型の耐久性や生産性(熱効率)とを考
慮すると106.5 ポアズ以上であることが実用上は適当で
ある。特に、微細構造を高精度に転写しかつ、成形ばり
を抑制するという観点から、加圧成形開始時の被成形ガ
ラスの粘度は、好ましくは、107 〜108.5 ポアズの範囲
である。
【0028】加圧成形開始時の微細構造成形面を有する
型の温度は、被成形ガラスが前記範囲内の粘度(106.5
〜109.5 ポアズ)を示す温度の範囲内とする。この温度
範囲内であれば、加圧成形を容易に行うことができ、か
つ微細構造も高精度に転写することができるからであ
る。また、微細構造成形面を有する型は下型及び上型の
いずれでもよいが、転写成形をより良好に行うという観
点からは、下型の成形面に前記ガラス成形品が微細構造
を転写成形するための微細構造を設けることが好まし
い。
【0029】さらに、微細構造成形面を有さない型の温
度は、前記微細構造成形面を有する型の温度より、被成
形ガラスの粘度に換算して5〜100倍高い粘度となる
温度に設定する。微細構造成形面を有さない型の温度
が、被成形ガラスの粘度に換算して5倍高い粘度となる
温度未満の場合、被成形ガラスは微細構造成形面に充填
されるより、成形型の空間に広がり易くなり、微細構造
を高精度に転写できなくなるので好ましくない。また、
被成形ガラスの粘度に換算して100倍高い粘度となる
温度を超える場合、ガラスの変形が妨げられ過ぎて、成
形が困難になる。上型及び胴型の温度は、好ましくは、
前記下型温度より、被成形ガラスの粘度に換算して10
〜50倍高い粘度となる温度に設定する。尚、本発明の
第2の態様の製造方法には、下型及び上型に加えて、必
要により胴型等を使用することもできる。本発明の第2
の態様の製造方法により、微細構造を高精度に転写でき
るので、例えば、光ファイバ固定用部材等のガラス成形
品を良好に製造することができる。
【0030】以下、光ファイバ固定用部材のモールド成
形を例に、上記製造方法をさらに詳しく説明する。光フ
ァイバ固定用部材において、最も成形精度が必要な部分
は光ファイバ係合部である。光ファイバ係合部は、例え
ば、図7に示すように、複数本のV字溝を並列に並べた
ものが一般的であり、V字溝の深さは100〜200μ
m、V字溝間の間隔は250μm程度である。このよう
なV字溝を成形するには、V溝を反転したV字状の山を
形成した成形型でモールド成形すれば良い。このような
成形型でガラスをモールド成形すると、型のV字山がガ
ラスに食い込むと同時にV字山の間の谷部にガラスが充
填される。しかし谷部が細くて深く、このような微細部
分へのガラス充填は他の部分より困難であるため、谷部
にガラスを充填し成形精度を出すのは容易ではない。V
字状の谷部にガラスを完全に充填するには、V字山を形
成した成形型である下型の温度を、被成形ガラスが10
6.5〜109.5 ポアズの範囲の粘度を示す温度の範囲内と
し、さらに、下型以外の上型及び胴型の温度を下型温度
より、被成形ガラスの粘度に換算して5〜100倍高い
粘度となる温度とする。このように型温度を設定するこ
とによって、V字山付近のガラスの粘性を良好に保ち、
V字状の谷へのガラス充填が他の部分より優先され、完
全なガラス充填が可能となる。また、上型及び胴型と接
する部分でのガラスの粘性が高いと、型の加圧力がV字
溝の成形型面に有効に伝達され成形精度が向上する。
【0031】一方、成形ばりを抑制するためには、上下
型と胴型のクリアランスをできるだけ縮小しておくこと
は必要であるが、しかし、クリアランスの縮小のみでは
成形ばりを防止できない。成形ばりを根本的に防ぐに
は、クリアランスに到達したガラスがクリアランス内部
に侵入できないようにする必要がある。具体的には、ガ
ラスがクリアランスに到達した時点でガラス表面を冷却
し流動性を低下させれば良い。しかし、ガラスがクリア
ランスに到達するタイミングをはかってガラスの流動性
を低下させるのは、これまでは困難であった。それに対
して本発明では、上型及び胴型の温度を下型温度より被
成形ガラスの粘度に換算して5〜100倍高い粘度とな
る温度とし、かつ加圧成形と同時または加圧形成開始
後、下型の温度を下げることでガラスがクリアランスに
到達した時点で、ガラスがクリアランスに侵入できない
粘度とすることに成功した。
【0032】但し、一般の上下型と胴型の位置関係のよ
うに、下型と胴型が接触した状態で温度制御すると、下
型からの熱伝導により胴型温度が上昇してしまい、実質
的に温度差を付けることが難しい。そこで、本発明の製
造方法では、上記条件を満足させるために、胴型は下型
と接触しない状態で温度制御するか、胴型と下型の接触
部に熱伝導率の小さい材料をはさみ、熱伝導の影響を抑
えた状態で温度制御をするか、又は胴型自体を熱伝導率
の小さい型材とすることが適当である。胴型と下型を接
触させない方法としては、胴型と上型を実質的に一体構
造とし、下型上に離して配置すれば良い。ここで実質的
に一体構造とするとは、最初から一体構造の型を作製し
ても良いし、胴型と上型を別々に作製し、機械的に一体
化しても良いという意味である。また一体化の方法とし
ては、上型が胴型内で摺動可能な状態で固定しても良い
し、上型を胴型に完全に固定しても良い。
【0033】上記の状態で加圧成形を行うと、先ず温度
の高い光ファイバ係合部が成形され、次第にガラスが胴
型壁面に向かって伸びてゆく。ガラスが温度が低い胴型
に接触すると、胴型に熱を奪われてガラスの表面温度が
低下する。下型温度をガラスの加圧成形に支障がない程
度に低めに設定しておけば、胴型に接触したガラス表面
は、クリアランスに侵入するだけの流動性を失う。しか
し下型温度を高温のまま保持すると、加圧成形の後期段
階で胴型が下型と接触するため、下型からの熱伝導によ
り型クリアランス部の温度が上昇し、成形ばりが発生し
てしまう。そこで加圧成形の途中で下型温度を下げ、下
型温度を胴型温度に近づける。尚、下型の温度は厳密に
温度制御した状態で下げても良いし、下型温度のみをフ
ィードバックをかけて温度制御せず、より低温で厳密に
温度制御している胴型と接触させて温度を下げてもよ
い。
【0034】以上のように本発明の成形方法では、加圧
成形の初期段階において、光ファイバ係合部を成形する
成形型の温度を胴型や上型より高温に加熱する。また加
圧するガラス成形予備体に充分な変形能力を持たせるた
め、光ファイバ係合部の成形型とほぼ同温度まで加熱す
る。ガラス成形予備体は、下型上に置いて加熱するのが
一般的であるため、必然的に、光ファイバ係合部の成形
型を下型とすることが望ましい。
【0035】
【実施例】以下、光ファイバ固定用部材のモールド成形
を実施例に挙げて、具体的な成形方法について詳しく説
明する。尚、実施例において、ガラスの粘度は、いずれ
も平行板加圧粘度計を用いて測定した。
【0036】実施例1 SiO2を13.3wt%、B2O3を32.2wt%、ZnO を4
4.5 wt %、Al2 O3を5.5wt%、Li2Oを4.5wt%
それぞれ含有し、さらに、外割りの添加量でSnO2を0.
1wt%含有するガラス素材を熱間で予備成形して、稜が
曲面を呈する幅3.5mm、長さ10.5mm、厚さ
2.05mmのブロック状のガラス成形予備体を得た。
このガラス成形予備体の垂直断面形状は、角部が丸みを
帯びている点を除いて矩形を呈し、平面視上の形状もま
た、角部が丸みを帯びている点を除いて矩形を呈する。
したがって、このガラス成形予備体において加圧成形時
の加圧方向に位置する面(当該ガラス成形予備体の厚さ
方向の面)は、平面を呈する。なお、上記のガラス素材
のガラス転移点は477℃、屈伏点は511℃、室温〜
400℃における平均熱膨張係数は66.5×10-7、2
mm厚みでの波長350nmの紫外線の透過率は90%
以上である。
【0037】(1)成形型 型材料として炭化タングステンを主成分とする型材(室
温〜400℃における平均熱膨張係数:55×10-7) を
用いて、上型、下型および胴型からなる成形型を得た。
図1に示すように、上記の成形型1を構成している下型
2は、V溝からなる互いに平行な8本の光ファイバ固定
用係合部を形成するための第1の成形部3と、光ファイ
バガイドブロックの幅と同じ幅を有する台座部を当該光
ファイバガイドブロックに形成するための第2の成形部
4とを有している。第1の成形部3は四角柱状を呈し、
その使用時における上端部には、形成しようとする光フ
ァイバ固定用係合部の形状に対応して、長手方向の垂直
断面形状が矩形を呈し、短手方向の垂直断面形状が二等
辺三角形を呈する長さ5mm、高さ170μm、基部の
幅250μmの凸部3aが8本、約250μmのピッチ
で互いに平行に形成されている。第2の成形部4に接す
る面側を除いて、使用時において胴型5の下面によって
係止されるつば部3bが形成されている。
【0038】一方、第2の成形部4も四角柱状を呈する
が、その使用時における上面は平面からなり、当該上面
は第1の成形部3の使用時における上面(8つの凸部3
aを除いた平面)より250μmだけ上方(使用時にお
ける上方)に突出している。したがって、第1の成形部
3と第2の成形部4との境界には段差がある。また、第
2の成形部4の使用時における上端部にも、第1の成形
部3に接する面側を除いて、胴型5の使用時における下
面によって係止されるつば部4aが形成されている。こ
れら第1の成形部3および第2の成形部4はそれぞれ別
個の部材からなり、各部材は固定枠6によって機械的に
一体化されている。そして、固定枠6は図示を省略した
下型と同じ素材のネジによって各部材に固定されてい
る。第1の成形部3と第2の成形部4とのクリアランス
は4μmである。
【0039】胴型5は、その内側側面によって目的とす
る光ファイバガイドブロックの側面を形成するためのも
のであり、水平断面が矩形枠状を呈する筒体からなる
が、その下端部内側には、上記の固定枠6と係合する固
定枠用係合部5aが形成されている。この胴型5を平面
視したときの内寸は5×12mmである。上型7は、目
的とする光ファイバガイドブロックの底面を形成するた
めの四角柱状の成形部7aを有し、この成形部7aの使
用時における下面は平面からなる。また、成形部7aの
使用時における下端部には、胴型5の使用時における上
面を係止するためのつば部7bが形成されている。加圧
成形時においては、つば部7bによって胴型5の上面が
係止されるようにして胴型5上に当該上型7が機械的に
一体化されるよう固定されている。その結果として、成
形部7aの下面は胴型5の内部空間に位置することにな
る。加圧成形時においては、下型2の上面上にガラス成
形予備体8が置かれる。この下型2の使用時における上
方から上述した上型7と胴型5が所定の深さまで、すな
わち、胴型5の下面によって下型2のつば部3b、4a
が係止されるまで挿入される。したがって、下型2のつ
ば部3b、4aは加圧成形時においてストッパーとして
機能する。
【0040】なお、上述した第1の成形部3の上面およ
び当該上面からつば部3bの上面にかけての側面、第2
の成形部4の上面および当該上面からつば部4aの上面
にかけての側面、胴型5の内側側面(固定枠用係合部5
aの表面を含む。)、並びに成形部7aの下面および当
該下面からつば部7bにかけての側面には、スパッタリ
ング法によって厚さ500オングストロームの白金合金
系離型膜9がそれぞれ成膜されている。そして、表面に
離型膜9を有する上記8つの凸部3aの寸法精度(ピッ
チおよび高さについての寸法精度)は±0.3μm以内
であり、第1の成形部3の上面のうちで8つの凸部3a
を除いた部分、第2の成形部4の上面、胴型5の内側側
面および成形部7aの下面の平面度はいずれも1.0μ
m以内におさまっていた。
【0041】上述した離型膜9を有する下型2、胴型5
および上型7からなる成形型1は、下型2と胴型5のク
リアランスおよび胴型5と上型7とのクリアランスがそ
れぞれ6μm、加圧成形時における上型7と下型2との
距離のうち第1の成形部3の上面(8つの凸部3aを除
いた平面)と成形部7aの下面との距離が1.5mm、
第2の成形部4の上面と成形部7aの下面との距離が
1.25mmとなるように作製されている。
【0042】(2)成形方法 上記の成形型1と前述したガラス成形予備体8とを用い
て以下のようにして加圧成形(モールド成形)を行っ
て、目的とする光ファイバガイドブロックを得た。ま
ず、上型7のつば部7bによって胴型5の上面が係止さ
れるようにして両者を係合させた後、下型2の上面上
に、ガラス成形予備体8を置いた。また、下型2の上方
に少し離して胴型5と上型7を保持した。図1(a)は
このときの成形型1およびガラス成形予備体8の短手方
向の垂直断面の概略を示す図であり、図1(b)はこの
ときの成形型1およびガラス成形予備体8の長手方向の
垂直断面の概略を示す図である。
【0043】次に、上述のようにして下型2の上面上に
配置されたガラス成形予備体8をその温度が560℃
(このときのガラスの粘度は108 ポアズ)となるように
下型2ごと窒素雰囲気中で加熱し保持した。一方、下型
2の上方にある胴型5と上型7は、別の温度調節機によ
り下型より40℃低い520℃(ガラスの粘度で109.7
ポアズに相当する)まで加熱し保持した。この状態下
で、上型7の上面側から250kgf/cm2 の成形圧で上型
と胴型を下型側に加圧し、加圧と同時に下型温度を下げ
始め、胴型5の下端部が下型に接触する前に、下型の温
度を525℃(ガラスの粘度で109.5 ポアズに相当す
る)まで下げた後、胴型5の下端面が下型2のつば部3
bに係止めされるまで加圧成形した。図1(c)はこの
ときの成形型1および成形品10の短手方向の垂直断面
の概略を示す図であり、図1(d)はこのときの成形型
1および成形品10の長手方向の垂直断面の概略を示す
図である。
【0044】次に加圧力を100kgf/cm2 に下げ、ガラ
ス転移温度まで冷却した後で加圧をやめた。その後、室
温にまで冷却してから成形品10を成形型1から取り出
した。得られた成形品10は、図2に示すように、長さ
5mm、深さ170μm、上端の幅250μmのV溝か
らなる互いに平行な8本の光ファイバ固定用係合部11
と、当該光ファイバ固定用係合部11の上端面よりも一
段低い位置に形成された台座部12とを片面に有する光
ファイバガイドブロック(以下「光ファイバガイドブロ
ック10」という。)である。この光ファイバガイドブ
ロック10の幅は5mm、長さは12mm、最大厚みは
1.5mmであり、台座部12の幅は光ファイバガイド
ブロックの幅と同じである。また、この光ファイバガイ
ドブロック10の稜のうち、下型2と胴型5との間のク
リアランス部、上型7と胴型5との間のクリアランス部
および下型2における第1の成形部3と第2の成形部4
との間のクリアランス部に対応する箇所の稜には成形ば
りはなく、実用上問題のない非常に小さな自由表面から
なっていた。当該光ファイバガイドブロック10の光接
続端近傍の垂直断面形状は、光ファイバ係合部のV字状
の溝部11を除き正確な矩形を呈する。
【0045】(3)精度の測定および評価 上記の光ファイバガイドブロック10に形成されている
光ファイバ固定用係合部11について、その寸法精度を
以下のようにして測定した。まず、先端のアールが25
μmの触針を備えた触針式の輪郭形状測定機(東京精密
社製のコンターレコード2600C)を用い、当該輪郭
形状測定機の触針を光ファイバ固定用係合部11の長手
方向と直交する方向に走査させて、各光ファイバ固定用
係合部11およびその近傍の輪郭座標を求め、その輪郭
形状を表示装置の画面に表示させた。次に、図3に示す
ように、前記の画面上で各光ファイバ固定用係合部11
のそれぞれに石英系シングルモード光ファイバの外径に
相当する直径125μmの円15を1つづつ仮想的に挿
入し、光ファイバ固定用係合部11の2つの斜面(内壁
面)に円15が接したときの各円15の中心座標を求め
た。
【0046】そして、当該各円15の中心座標を基に、
互いに隣接する2つの円15の中心間の距離(単一ピッ
チ)l1 〜l7 およびその寸法精度(単一ピッチ精
度)、光ファイバガイドブロック10の幅方向左側の最
も外側に位置する光ファイバ固定用係合部11に仮想的
に挿入した円15の中心から他の円15の中心までの距
離(累積ピッチ)L1 〜L7 およびその寸法精度(累積
ピッチ精度)、ならびに、各円15の中心と光ファイバ
固定用係合部11の幅方向右側に位置する縁部の上面1
6を含む平面との垂直距離d1 〜d8 およびその寸法精
度(深さ精度)を求めた。また同様の方法により、光フ
ァイバ固定用係合部11を形成するために上型2の第1
の成形部3に設けられている8つの凸部3aについて、
その単一ピッチl1 〜l7 およびその寸法精度、累積ピ
ッチL1 〜L7 およびその寸法精度、ならびに上記の垂
直距離d1 〜d8 に対応する部分の高さ(深さ)および
その寸法精度を求めた。なお、光ファイバ固定用係合部
11の単一ピッチl1 〜l7 の設計値は250μmであ
り、上記の深さd1 〜d8 の設計値は52.8μmであ
る。
【0047】光ファイバガイドブロック10についての
上記単一ピッチ精度、累積ピッチ精度および深さ精度は
いずれも±0.3μm以内であり、得られた光ファイバ
ガイドブロック10の寸法精度は高い。そして、上型2
の第1の成形部3に形成されている8つの凸部3aにつ
いての単一ピッチl1 〜l7 の寸法精度、累積ピッチL
1 〜L7 の寸法精度および高さd1 〜d8 の寸法精度が
いずれも設計値に対して±0.3μm以内であることか
ら、高い転写精度の下にモールド成形がなされたことが
確認された。また光ファイバ固定用係合部11のV字状
の山の頂部には、型のV字溝加工による加工傷が転写さ
れており、型のV字状谷へのガラス充填が完全に行われ
たことが確認できた。上述した寸法精度を有する光ファ
イバガイドブロック10は、外径125μmの石英系シ
ングルモード光ファイバが250μmピッチで8本並列
配置されているテープファイバ(厚みは400μm程
度)を±1μmのアライメント精度で光接続するための
光ファイバアレイの構成部品として、好適である。
【0048】(4)連続成形 上記(1)で用いた成形型を用いて上記(2)と同条件
の加圧成形を500回以上回行った。その結果、成形型
には何等異常は生じなかった。また、この間に得られた
光ファイバガイドブロックのいずれについても、成形バ
リの発生や寸法精度および形状精度の低下は認められな
かった。
【0049】実施例2 図4のように胴型5と上型7を分離し、胴型5をジルコ
ニアセラミックの断熱材11を介して下型2上に係合さ
せた。なお上型7は少し離して、胴型5の上に保持し
た。なお型の構成は実施例1と異なるものの、下型、上
型、胴型の寸法や離型膜は、実施例1と共通である。実
施例1と同様のガラス成形予備体8を下型2上に置き、
以下のようにして加圧成形(モールド成形)を行って、
目的とする光ファイバガイドブロックを得た。下型2の
上面上に配置されたガラス成形予備体8をその温度が5
60℃(このときのガラスの粘度は108 ポアズ)となる
ように下型2ごと窒素雰囲気中で加熱し保持した。一
方、下型2に係合させてある胴型5と上型7は、別の温
度調節機により下型より40℃低い520℃(ガラスの
粘度で109.7 ポアズに相当する)まで加熱し保持した。
この状態下で、上型7の上面側から230kgf/cm2 の成
形圧で上型を胴型側に加圧し、加圧と同時に下型の温度
を下げ始め、胴型5の上端部が上型7に接触する前に、
下型の温度を520℃(ガラスの粘度で109.7 ポアズに
相当する)まで下げた後、胴型5の上端面が上型2のつ
ば部7bに係止めされるまで加圧成形した。図4(c)
はこのときの成形型1および成形品10の短手方向の垂
直断面の概略を示す図であり、図4(d)はこのときの
成形型1および成形品10の長手方向の垂直断面の概略
を示す図である。
【0050】次に加圧力を100kgf/cm2 に下げ、ガラ
ス転移温度まで冷却した後で加圧をやめた。その後、室
温にまで冷却してから成形品10を成形型1から取り出
した。得られた成形品10は、図2に示すように、長さ
5mm、深さ170μm、上端の幅250μmのV溝か
らなる互いに平行な8本の光ファイバ固定用係合部11
と、当該光ファイバ固定用係合部11の上端面よりも一
段低い位置に形成された台座部12とを片面に有する光
ファイバガイドブロックである。この光ファイバガイド
ブロック10の幅は5mm、長さは12mm、最大厚み
は1.5mmであり、台座部12の幅は光ファイバガイ
ドブロックの幅と同じである。また、この光ファイバガ
イドブロック10の稜のうち、下型2と胴型5との間の
クリアランス部、上型7と胴型5との間のクリアランス
部および下型2における第1の成形部3と第2の成形部
4との間のクリアランス部に対応する箇所の稜には成形
ばりはなく、実用上問題のない非常に小さな自由表面か
らなっていた。ここで自由表面とは、加圧成形時にガラ
スが成形型と接触していない面を意味する。当該光ファ
イバガイドブロック10の光接続端近傍の垂直断面形状
は、光ファイバ係合部のV字状の溝部11を除き正確な
矩形を呈する。
【0051】(2)精度の測定および評価 上記の光ファイバガイドブロック10に形成されている
光ファイバ固定用係合部11について、その寸法精度を
実施例1と同様の方法により測定した。光ファイバガイ
ドブロック10についての上記単一ピッチ精度、累積ピ
ッチ精度および深さ精度はいずれも±0.3μm以内で
あり、得られた光ファイバガイドブロック10の寸法精
度は高い。そして、上型2の第1の成形部3に形成され
ている8つの凸部3aについての単一ピッチl1 〜l7
の寸法精度、累積ピッチL1 〜L7 の寸法精度および高
さd1 〜d8 の寸法精度がいずれも±0.3μm以内で
あることから、高い転写精度の下にモールド成形がなさ
れたことが確認された。また光ファイバ固定用係合部1
1のV字状の山の頂部には、型のV字溝加工による加工
傷が転写されており、型のV字状谷へのガラス充填が完
全に行われたことが確認できた。上述した寸法精度を有
する光ファイバガイドブロック10は、外径125μm
の石英系シングルモード光ファイバが250μmピッチ
で8本並列配置されているテープファイバ(厚みは40
0μm程度)を±1μmのアライメント精度で光接続す
るための光ファイバアレイの構成部品として、好適であ
る。
【0052】実施例3 下記表1に示す成形条件を用いた以外は実施例1と同様
にして光ファイバガイドブロックを形成した。得られた
光ファイバガイドブロックは、いずれも、実施例1と同
様の寸法精度を有し、外径125μmの石英系シングル
モード光ファイバが250μmピッチで8本並列配置さ
れているテープファイバ(厚みは400μm程度)を±
1μmのアライメント精度で光接続するための光ファイ
バアレイの構成部品として、好適である。
【0053】
【表1】 (上型、胴型、下型温度の括弧内はその温度におけるガラスの粘度(ポアズ))
【0054】実施例4 実施例1と同組成のガラスを熱間成形し、球状のガラス
成形予備体を得た。成形型は炭化タングステンを主成分
とする型材からなり、レンズの成形面には1500オングス
トロームの白金合金系離型膜が成膜されている。また図
5のように成形型は下型と胴型と上型から構成され、胴
型と上型は一体構造とし、胴型と上型は下型上に配置さ
れている。上記の成形型は、口径22mm、中心厚み10
mm、最外形部の厚みが1.5mmの非球面凸レンズを成形
するように設計されている。下型側のレンズ曲率半径は
球面レンズに換算すると16.9mmであり、上型側は2
2mmである。
【0055】ガラス成形予備体を、図5のように下型上
に乗せ、上型と胴型を一体としたまま下型上に離して配
置した状態で窒素雰囲気中で加熱し、別々の温調機を使
用して下型を560℃(この時のガラスの粘性は10
8.0 ポアズ)、胴型と上型を520℃(この時のガラス
の粘性は109.5 ポアズ)に保持した。次に150kg/c
m2の成形圧で上型と胴型を下型側に加圧し、加圧と同時
に下型温度を下げ始め、胴型の下端部が下型の係合部に
あたる前に下型の温度を520℃(この時のガラスの粘
性は109.5 ポアズ)まで下げた後、胴型の下端部が下
型の係合部にあたるまで加圧成形した。次に成形圧力を
80kg/cm2まで下げ、ガラス転移温度まで冷却した後で
加圧をやめた。その後、室温まで冷却してから生成され
たレンズを型から取り出した。ガラス成形予備体の体積
と型のキャピティの体積をほぼ同じにしたため、レンズ
最外周部に通常あるガラス末充填による自由表面は100
μm以下と非常に小さく、しかも成形ばりは発生してい
なかった。よって光学有効面が最大限に取れるため、本
レンズを使用すれば光学系の小型化が可能となる。
【0056】比較例1 図6のように下型2と胴型5の間にジルコニアセラミッ
クの断熱材をはさまない以外は、実施例2と全く同じ成
形型、ガラス成形予備体を用い、実施例2と同様の方法
で目的とする光ファイバガイドブロックを得た。即ち、
下型2の上面上に配置されたガラス成形予備体8をその
温度が550℃(この時のガラスの粘性は108.3 ポア
ズ)となるように下型2ごと窒素雰囲気中で加熱し保持
した。一方、下型2に係合させてある胴型5と上型7
は、別の温度調節機で下型より30℃低い520℃(ガ
ラスの粘度で109.7 ポアズ)に相当するまで加熱し保
持した。但し、胴型の場合、下型との接触部近傍の温度
は、下型からの熱伝導により545℃まで上昇してお
り、胴型全体の温度を520℃に制御することはできな
かった。この状態下で、上型7の上面側から200kg/c
m2の成形圧で上型を胴型側に加圧し、加圧と同時に下型
の温度を下げ始め、胴型5の上端部が上型7のつば部7
bに接触する前に、下型温度を520℃(ガラスの粘度
で109.7 ポアズ)まで下げた後、胴型5の上端部が上
型7のつば部7bに係止めされるまで加圧成形した。
【0057】得られた光ファイバガイドブロック10の
稜のうち、上型7と胴型5との間のクリアランス部およ
び下型2における第1の成形部3と第2の成形部4との
間のクリアランス部に対応する箇所の稜には成形ばりは
なく、実用上問題のない非常に小さな自由表面からなっ
ていた。しかし下型2と胴型5との間のクリアランス部
に小さな成形ばりが発生した。当該光ファイバガイドブ
ロック10の光接続端近傍の垂直断面形状は、光ファイ
バ係合部のV字状の溝部11と上記の成形ばりを除き正
確な矩形を呈する。
【0058】(2)精度の測定および評価 上記の光ファイバガイドブロック10に形成されている
光ファイバ固定用係合部11について、その寸法精度を
同様な方法により測定した。光ファイバガイドブロック
10についての上記単一ピッチ精度、累積ピッチ精度お
よび深さ精度はいずれも±0.3μm以内であり、得ら
れた光ファイバガイドブロック10の寸法精度は高い。
そして、上型2の第1の成形部3に形成されている8つ
の凸部3aについての単一ピッチl1 〜l7 の寸法精
度、累積ピッチL1 〜L7 の寸法精度および高さd1
8 の寸法精度がいずれも±0.3μm以内であること
から、高い転写精度の下にモールド成形がなされたこと
が確認された。また光ファイバ固定用係合部11のV字
状の山の頂部には、型のV字溝加工による加工傷が転写
されており、型のV字状谷へのガラス充填が完全に行わ
れたことが確認できた。上述した寸法精度を有する光フ
ァイバガイドブロック10は、外径125μmの石英系
シングルモード光ファイバが250μmピッチで8本並
列配置されているテープファイバ(厚みは400μm程
度)を±1μmのアライメント精度で光接続するための
光ファイバアレイの構成部品として、使用可能ではある
が、使用にあたっては上記の成形ばりの除去が必要であ
る。
【0059】比較例2 加圧成形の間、下型温度を560℃に一定に保持した以
外は、実施例1と全く同じ成形型、ガラス成形予備体、
成形条件で目的とする光ファイバガイドブロックを得
た。得られた光ファイバガイドブロック10の稜のう
ち、上型7と胴型5との間のクリアランス部および下型
2における第1の成形部3と第2の成形部4との間のク
リアランス部に対応する箇所の稜には成形ばりはなく、
実用上問題のない非常に小さな自由表面からなってい
た。しかし下型2と胴型5との間のクリアランス部に小
さな成形ばりが発生した。当該光ファイバガイドブロッ
ク10の光接続端近傍の垂直断面形状は、光ファイバ係
合部のV字状の溝部11と上記の成形ばりを除き正確な
矩形を呈する。
【0060】(2)精度の測定および評価 上記の光ファイバガイドブロック10に形成されている
光ファイバ固定用係合部11について、その寸法精度を
同様な方法により測定した。光ファイバガイドブロック
10についての上記単一ピッチ精度、累積ピッチ精度お
よび深さ精度はいずれも±0.3μm以内であり、得ら
れた光ファイバガイドブロック10の寸法精度は高い。
そして、上型2の第1の成形部3に形成されている8つ
の凸部3aについての単一ピッチl1 〜l7 の寸法精
度、累積ピッチL1 〜L7 の寸法精度および高さd1
8 の寸法精度がいずれも±0.3μm以内であること
から、高い転写精度の下にモールド成形がなされたこと
が確認された。また光ファイバ固定用係合部11のV字
状の山の頂部には、型のV字溝加工による加工傷が転写
されており、型のV字状谷へのガラス充填が完全に行わ
れたことが確認できた。上述した寸法精度を有する光フ
ァイバガイドブロック10は、外径125μmの石英系
シングルモード光ファイバが250μmピッチで8本並
列配置されているテープファイバ(厚みは400μm程
度)を±1μmのアライメント精度で光接続するための
光ファイバアレイの構成部品として、使用可能ではある
が、使用にあたっては上記の成形ばりの除去が必要であ
る。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成形方法に用いる成形型とこの成形
型を用いた成形方法の説明図。
【図2】 本発明の成形方法で作製された光ファイバガ
イドブロックの斜視図。
【図3】 本発明の成形方法で作製された光ファイバガ
イドブロックの光ファイバ固定用係合部の拡大図。
【図4】 本発明の成形方法に用いる成形型とこの成形
型を用いた成形方法の説明図。
【図5】 本発明の成形方法に用いる成形型とこの成形
型を用いた成形方法の説明図。
【図6】 比較例の成形方法に用いる成形型とこの成形
型を用いた成形方法の説明図。
【図7】 光ファイバ固定用部材の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横尾 芳篤 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 宇野 賢 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下型、上型及び胴型から形成される空間
    で被成形ガラスを加圧成形するガラス成形品の製造方法
    であって、 加圧成形開始時に、被成形ガラスの粘度は、106.5 〜10
    9.5 ポアズの範囲であり、下型の温度は、被成形ガラス
    が前記範囲内の粘度を示す温度の範囲内にあり、上型及
    び胴型の温度は、前記下型温度より、被成形ガラスの粘
    度に換算して5〜100倍高い粘度となる温度であり、
    かつ加圧成形と同時または加圧形成開始後、下型の温度
    を下げることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 成形終了時の下型の温度を、被成形ガラ
    スの粘度に換算して108〜1010ポアズの粘度となる温度
    とすることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ガラス成形品は、加圧方向に平行な対称
    面の数が8以下の物である請求項1または2に記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 ガラス成形品は、下型により加圧成形さ
    れる面と胴型により加圧成形される面により形成される
    稜及び/又は胴型により加圧成形される面と上型により
    加圧成形される面により成形される稜の大きさが100
    μm以下の物である請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 ガラス成形品は、成形品の厚みが加圧方
    向から見た成形品の重心位置を中心に非対称である請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラス成形品が微細構造を有し、下型の
    成形面が前記ガラス成形品が微細構造を転写成形するた
    めの微細構造を有する請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 ガラス成形品が光ファイバ固定用部材で
    ある請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 下型が光ファイバ固定用部材の光ファイ
    バ係合部を成形するための成形面を有し、上型が光ファ
    イバ固定用部材の底面を成形するための成形面を有し、
    胴型が光ファイバ固定用部材の側面を成形するための成
    形面を有する光ファイバ固定用部材の製造方法である請
    求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも下型及び上型から形成される
    空間で被成形ガラスを加圧成形して、微細構造を有する
    ガラス成形品を製造する方法であって、 前記下型及び上型のいずれか一方の成形面が前記ガラス
    成形品に微細構造を転写成形するための微細構造を有
    し、 加圧成形開始時に、被成形ガラスの粘度は、106.5 〜10
    9.5 ポアズの範囲であり、微細構造成形面を有する型の
    温度は、被成形ガラスが前記範囲内の粘度を示す温度の
    範囲内にあり、微細構造成形面を有さない型の温度は、
    前記型の温度より、被成形ガラスの粘度に換算して5〜
    100倍高い粘度となる温度であることを特徴とする方
    法。
  10. 【請求項10】 微細構造成形面を有する型が下型であ
    る請求項9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 ガラス成形品が光ファイバ固定用部材
    である請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 下型が光ファイバ固定用部材の光ファ
    イバ係合部を成形するための成形面を有し、上型が光フ
    ァイバ固定用部材の底面を成形するための成形面を有す
    る光ファイバ固定用部材の製造方法である請求項9〜1
    1のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項7、8、11及び12のいずれ
    か1項に記載の製造方法により光ファイバ係合部を有す
    る光ファイバ固定用部材を作製する工程と、光ファイバ
    の端部を前記光ファイバ固定用部材の光ファイバ係合部
    と押さえブロッグとで接着剤を介して圧迫固定する工程
    を含むことを特徴とする光ファイバアレイの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100450593B1 (ko) * 2003-08-01 2004-09-30 주식회사 새빛 실리카유리 가압성형몰드
JP2006131467A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Fujinon Corp 光学素子の成形方法

Cited By (3)

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KR100450593B1 (ko) * 2003-08-01 2004-09-30 주식회사 새빛 실리카유리 가압성형몰드
JP2006131467A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Fujinon Corp 光学素子の成形方法
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