JPH1112905A - セラミック繊維からなるレースならびに該レースを装飾片として使用した陶磁製品およびガラス製品 - Google Patents
セラミック繊維からなるレースならびに該レースを装飾片として使用した陶磁製品およびガラス製品Info
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Abstract
ミック繊維からなるレース状物ならびに該レースを装飾
片として使用した陶磁製品およびガラス製品を簡便に得
る。 【解決手段】 セラミック繊維を芯糸に、熱分解性繊維
を補強糸としてカバーリングした複合糸を用いて刺しゅ
うまたは編成によりレース状物を得、該レース状物を粘
度板の上に置いて所定形状に成形してから加熱焼結する
か、または溶融ガラス中に埋め込み冷却する。
Description
くて編み立てにも耐えられず、また刺しゅう機にもかか
らないセラミック繊維からなるレースおよび該レースを
装飾片として使用した陶磁製品やガラス製品に関するも
のである。
品を製造するには、セラミック片や金属片を粘度板上に
置き、粘度板を加熱焼結したり、溶融ガラスに埋め込む
という手法により得ていた。しかしながら、装飾片がレ
ース状物である場合、粘度板の焼結温度にも耐える耐熱
性、溶融ガラスの温度にも耐える耐熱性を有する素材か
らなるレース状物でなければならず、そのような耐熱性
レース状物を得ることは困難であったため、レース状模
様を有する陶磁製品またはガラス製品は商品化されてい
なかった。
繊維など耐熱性を有する耐熱素材は、曲げ強度が弱く、
伸度も極端に小さいため、このような糸を使用して編レ
ースを得ようとすると編成時の曲げに耐えきれずに破断
したり、また刺しゅうミシンにかけた場合はミシン針穴
での曲がり、下糸との結合部での切断が起こり、工業的
に生産できるものではなかった。
は、単繊維径を小さくすることが効果的である。しか
し、単繊維径を小さくすると引張強力が小さくなり、集
束糸のトータル強力が小さくなるので、前駆体繊維の焼
成工程で糸切れを起こしたり、毛羽の発生が多くなり、
製造コストが高くなるし品質的にも優れた糸条を作るこ
とは困難であった。
題点を解決し、レース状物を簡単に作製することができ
るセラミック繊維を効率良く、安価に得るため鋭意研究
した結果、熱分解性繊維を補強糸として使用したセラミ
ック繊維複合糸を用いることにより、セラミック繊維か
らなるレース状物を得ることができ、さらに該レースを
装飾片として用いることにより、レース状模様を有する
陶磁製品およびガラス製品を得ることができるようにな
り、本発明を達成することができた。
熱分解性繊維を補強糸としたセラミック繊維との複合糸
を編成したレースまたは刺しゅうしたことを特徴とする
レースであり、該レースを装飾片とし、陶磁体と一体と
なしたことを特徴とする陶磁製品および該レースを装飾
片とし、ガラス中に埋め込んで一体となしたことを特徴
とするガラス製品にある。以下、本発明を詳細に説明す
る。
℃以上の温度で加熱した際、熱分解し、その繊維形態を
失うものであれば何でもよく、天然繊維、再生繊維、合
成繊維等が挙げられるが、中でもポリアミド系合成繊維
が好ましく用いられる。
繊維、アルミナ繊維、窒化ケイ素繊維等が挙げられる
が、製編性等の面からみてシリカ繊維やアルミナ繊維が
好ましい。アルミナ繊維は SiO2 と Al2O3の重量比が45
/55〜 2/98の比率のものが用いられるが、柔軟性の面
からSiO2/Al2O3 が40/60〜20/80のものがより好まし
く用いられる。
は両繊維を合撚するかセラミック繊維の上に熱分解性繊
維をカバーリングして両繊維を一体化して得られるが、
セラミック繊維が受けるダメージをできるだけ小さくす
ることからカバーリング方式が好ましい。
カバーリング糸に熱分解性繊維を用い、中空スピンドル
を使って行うことができる。形態はシングルカバーリン
グでもダブルカバーリングでもよいが、取扱い性、工程
通過性の面からダブルカバーリング糸が好ましい。
の滑りを良くし、工程通過性を良くするために、セラミ
ック繊維をロウ引き加工する。使用するロウはパラフィ
ンロウや木ロウなどが使用できる。カバーリングはセラ
ミック繊維を芯糸とし、熱分解性繊維をカバーリング糸
として用いることが好ましく、撚数としてはシングルカ
バーリングの場合は 400 〜 1000 T/M が好ましく、よ
り好ましくは 450 〜 650T/M である。ダブルカバーリ
ングの場合は、一段目カバーリングをS方向に 400〜 1
000 T/M、好ましくは 550 〜 650 T/M、二段目カバーリ
ングをZ方向に 250 〜650 T/M 、好ましくは 400 〜 5
50 T/M加撚することにより実施できる。得られたカバー
リング糸も滑りを良くするためにロウ引き加工すること
が好ましい。
編成もしくは基布に刺しゅうしてレース状物を得る。刺
しゅうはどのような刺しゅう機でも使用できる。刺しゅ
う用の基布は水溶性繊維、熱分解性繊維からなる不織
布、編織布を用いることができるし、フィルム状のもの
も使用できる。水溶性繊維素材からなる基布を使用する
場合には、刺しゅう後のレースを水洗し、汚れを取り除
く工程で基布を溶解除去することができ、レース状物の
みを得ることができる。本発明で得られるレース状物を
陶磁板やガラス板に埋め込む際、基布が無い方が好まし
い場合、また基布が付いている方が好ましい場合があ
り、その場合により使用する基布を選択すればよい。
からなるレース状物を装飾片とした陶磁製品は、粘土板
の上に該レース状物を置き、粘土板を所定形状に成形し
た後、加熱焼結することにより作ることができる。使用
する粘土板は通常の陶磁器を作るに使用される土質のも
のであれば何でも使用することができる。
を貼り合わせ、所定形状に成形した後、1300℃近辺まで
焼き上げる。焼結することにより、粘土板は 14 〜 20
%収縮を起こす。土質にも差があるが、一般に陶器の場
合で収縮率は20%程度、磁器の場合で15%程度の収縮率
である。一方、セラミック繊維はこの程度の温度での収
縮率は微小であるため、レース部分が浮き上がったもの
になることもある。これはこれで装飾品としてそれなり
の価値を有するものであるが、この浮き上がりを防止す
るには、一度 500〜 600 ℃で焼き上げ、もう一度釉薬
を塗ってから1300℃〜 1600℃に昇温して焼結すればよ
い。
分解性繊維の補強糸や基布がそのまま残っているが、粘
土板と一体にして焼結する過程で熱分解してしまい、セ
ラミック繊維のみからなるレース状物となる。
ク繊維を耐熱性顔料で着色させておくことにより、装飾
品としても有用なものとすることができる。
溶融状態になったガラスを枠に流し込み、その上に上記
レース状物を乗せ、さらに上から溶融ガラスを流し込
み、レース状物をガラス中に埋め込むことにより得るこ
とができる。この際、上述したように熱分解性繊維はす
べて熱分解してしまうので、セラミック繊維のみからな
るレース状物となる。
ておき、またセラミック繊維も耐熱性顔料で着色してお
くことにより、装飾品としても価値のあるものとするこ
とができる。
ラス板を加熱溶融し、その上に上記レース状物を乗せ、
さらにガラス板を重ねて再び加熱し、ガラス板を溶融
し、レース状物を埋め込んだ状態とすることによっても
目的とするガラス製品を得ることができる。
のものから器状のもの、球状のものなど、種々の形状の
ものが含まれ、装飾用または実用性を有するものにも応
用することができる。
に詳細に説明する。
ルミナ長繊維(株式会社ニチビ製)を用い、カバーリン
グ糸として 70d/98fのナイロンフィラメントを用いた。
まずアルミナ長繊維をコーンアップする際、パラフィン
ロウと接触させて巻取ることによりロウ引き加工を行っ
た。中空スピンドルを用い、ロウ引き加工を施したアル
ミナ長繊維を芯糸とし、ナイロンフィラメントをカバー
ヤーンとしてS方向に600 T/M撚糸し、続いてZ方向に
470 T/M撚糸してダブルカバーリングを行い、ナイロン
フィラメントで補強されたアルミナ長繊維の複合糸を得
た。得られた複合糸は、前述の方法と同様の方法でロウ
引き加工を行った。
式電子ハンドル刺しゅう機(タジマ工業株式会社製、型
式TMLG)を用いて基布上にコード刺しゅうを行った。柄
糸としては前述のロウ引き加工を施したアルミナ長繊維
を、縫糸としてはロウ引き加工を施した複合糸を用い
た。回転数は 300回/分であった。刺しゅうする際、縫
糸は切断することなく、何の問題もなく刺しゅうするこ
とができた。得られた刺しゅう布を水洗し、水溶性フィ
ルムの基布を溶解除去し、アルミナ長繊維からなる刺し
ゅうされたレース状物を得た。
実施例1と同様にしてアルミナ長繊維複合糸の刺しゅう
布を得た。何のトラブルもなく刺しゅうすることができ
た。
山から採掘された陶石を精製したカオリン質のものを用
いた。実施例1で得られたレース状物を粘土板上に押し
つけて一体となし、釉薬を塗り、窯入れし、約 600℃ま
で焼き上げ、徐冷して窯から取り出し、釉薬を塗り、再
度窯入れして1300℃の温度で6時間焼き上げた。一昼夜
冷却してから窯から取り出し、アルミナ繊維からなるレ
ースが表面に浮き出た陶磁板を得ることができた。
繊維のレース状物を用いた。830 〜840 ℃で作製した厚
さ6mmのガラス板上にレース状物を置き、加熱炉中で 8
40℃に加熱し、さらにその上に 840℃で作製したダーク
ブルーに着色した厚さ5mmのステンドガラス板を乗せ、
再度 840℃に加熱し、レース状物をガラス中に埋め込ん
だ。一体となったガラス板を冷却炉に移し、一昼夜かけ
て徐冷し、レース状物が内部に埋め込まれたガラス製品
を得た。
度が極端に小さかったセラミック繊維からなるレース状
物を簡単に得ることができ、該レース状物を装飾片とし
て用いたレース模様を有するガラス製品や陶磁製品が容
易に得られるようになった。
Claims (3)
- 【請求項1】 熱分解性繊維を補強糸としたセラミック
繊維との複合糸を編成したレースまたは刺しゅうしたこ
とを特徴とするレース。 - 【請求項2】 請求項1記載のレースを装飾片とし、陶
磁体と一体となしたことを特徴とする陶磁製品。 - 【請求項3】 請求項1記載のレースを装飾片とし、ガ
ラス中に埋め込んで一体となしたことを特徴とするガラ
ス製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17513697A JPH1112905A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | セラミック繊維からなるレースならびに該レースを装飾片として使用した陶磁製品およびガラス製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17513697A JPH1112905A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | セラミック繊維からなるレースならびに該レースを装飾片として使用した陶磁製品およびガラス製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112905A true JPH1112905A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15990927
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17513697A Pending JPH1112905A (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | セラミック繊維からなるレースならびに該レースを装飾片として使用した陶磁製品およびガラス製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1112905A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015049547A1 (en) | 2013-10-04 | 2015-04-09 | Molnár Nelli | Method for inserting decorative element in glass material and decorative glass product produced by the method |
CN110436888A (zh) * | 2019-07-12 | 2019-11-12 | 泉州市陶瓷科学技术研究所 | 德化超薄瓷纱巾的制备工艺 |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP17513697A patent/JPH1112905A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015049547A1 (en) | 2013-10-04 | 2015-04-09 | Molnár Nelli | Method for inserting decorative element in glass material and decorative glass product produced by the method |
CN110436888A (zh) * | 2019-07-12 | 2019-11-12 | 泉州市陶瓷科学技术研究所 | 德化超薄瓷纱巾的制备工艺 |
CN110436888B (zh) * | 2019-07-12 | 2021-11-05 | 泉州市陶瓷科学技术研究所 | 德化超薄瓷纱巾的制备工艺 |
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