JPH11128176A - 生体光計測装置 - Google Patents

生体光計測装置

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JPH11128176A
JPH11128176A JP29666597A JP29666597A JPH11128176A JP H11128176 A JPH11128176 A JP H11128176A JP 29666597 A JP29666597 A JP 29666597A JP 29666597 A JP29666597 A JP 29666597A JP H11128176 A JPH11128176 A JP H11128176A
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JP
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light
image
living body
light source
measurement
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Application number
JP29666597A
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English (en)
Inventor
Tsuyoshi Sonehara
剛志 曽根原
Yuji Miyahara
裕二 宮原
Masao Kan
正男 管
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11128176A publication Critical patent/JPH11128176A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体中を透過あるいは拡散した照射光を検出し
て生化学物質の濃度を無侵襲的に測定する装置におい
て、測定部位の位置決めを高精度に行い、より高精度な
測定を可能にする。 【解決手段】光を照射した部分を含む、生体の一部を撮
影して画像情報化する装置とこれによって得られた画像
情報を記録する装置及び光を照射する位置を調整する機
構を設け、2回目以降の測定の際は、以前に得られた画
像情報と今回得られた画像情報とを比較し、光の照射位
置が前回と同一になるように調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体中の血液等の
体液や組織に含まれるグルコースやヘモグロビン,コレ
ステロールなどの化学物質の濃度を、体外から生体の所
定の部位に光を照射して、生体中を透過あるいは拡散し
て人体から放射された光を検出することにより無侵襲的
に計測する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトの指に近赤外光を照射し、透過して
きた光のスペクトルを測定することにより、被験者の血
中グルコース濃度(血糖値)を無侵襲的に計測する装置
がクリニカル・ケミストリー第38巻9号,1992
年,第1618頁から第1622頁に記載されている。
上記従来技術では、レンズ系あるいはファイバーで構成
された光学系を介して、タングステンハロゲンランプを
光源とするフーリエ変換型分光器の出力を被験者の指に
照射し、照射側の反対側から透過光を集光して検出し、
指の近赤外スペクトルを求める構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では糖負
荷試験下の糖尿病患者に対して、指の近赤外スペクトル
を測定すると同時に採血し、従来のグルコースオキシダ
ーゼとの化学反応を利用する定量分析法によって血糖値
を測定し、得られた近赤外スペクトルとグルコースオキ
シダーゼ法で得られた血糖値の間で部分最小二乗法を用
いた多変量解析を行って近赤外スペクトルから血糖値を
予測する式を算出している。
【0004】上記従来技術では、装置に対する指の位置
決めのずれが、近赤外スペクトル測定に大きなゆらぎを
発生する原因の一つとなっている。上記従来技術ではス
ペクトルが通常の分布から大きく外れたような場合、多
変量解析でキャリブレーションモデルをつくる際にその
データを外すという処置を行っているだけで、指の位置
ずれを解消するための対策は特に施していない。
【0005】本発明の目的は、指などの測定部位の位置
決めを高精度に行い、より高精度な血糖値や血中ヘモグ
ロビン濃度などの無侵襲計測装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、光を照射し
た部分を含む生体の一部を撮影して画像情報化する装置
と、これによって得られた画像情報を記録する装置及び
光を照射する位置を調整する機構を設け、2回目以降の
測定の際は、各測定を行う際に以前に得られた画像情報
と今回得られた画像情報とを比較し、光の照射位置が前
回と同一になるように調整することによって達成され
る。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施例の構
成図である。本実施例は指を測定部位とする無侵襲血糖
値測定装置である。1は指、2は筺体、3は窓、4a,
4b,4cは光源、5a,5b,5cはファイバーコリ
メーターレンズ、6はファイバーカプラー、7a,7
b,7cは光ファイバー、8はレンズ、10a,10b
は光学フィルター、11はハーフミラー、12a,12
b,12c,12d,12eは支柱、13はCCD(電
化結合素子)カメラ、14はCCD出力信号処理回路、
15a,15b,15cは半導体メモリ、16はハード
ディスク、17は半導体フォトダイオード、18は電流
電圧変換回路、19はアナログ−デジタル変換器、20
はXYステージ、21はステージ駆動装置、22は中央
処理装置、23a,23bは光源駆動回路、24は画像
表示装置、25は操作ユニット、26はジョイスティッ
ク、27a,27bはボタン、28は計算結果表示装置
である。
【0008】表示装置24と操作ユニットを除く部分は
不透明なプラスチック製の筺体2の中に内蔵されてい
る。筺体2の上面の一部は被験者の指の形に合わせた凹
部が設けられ、被験者の指を凹部に合わせて置けば±約
1mm程度の位置再現性が得られるようになっている。凹
部の中心は筺体に直径8mmの穴が開けられており、穴の
サイズに合わせた透明な円形窓材3が取り付けられてい
る。
【0009】光源4aは波長1600nmの半導体レー
ザ、光源4bは波長1800nmの近赤外半導体レーザ
である。光源4aと光源4bの出力光はファイバーコリ
メーターレンズ5a,5bによって光ファイバー7a,
7bに導入され、ファイバーカプラー6によって合波さ
れ、一本の光ファイバー7cに導入され、ファイバーコ
リメーターレンズ5cによって再び直径1mmの平行ビー
ムとなって射出される。光源4cはタングステンハロゲ
ンランプであり、レンズ8によって直径10mmの平行光
束化された上で指を撮像するためのインコヒーレント光
源として使用される。
【0010】光源4a,4bの光と光源4cの光は、近
赤外光は95%透過し、可視光はほぼ100%反射する
光学フィルター10aによって合成され、光源4a,4
bの光が合波されたビームが平行光束化された光源4c
の光の中心を通るような状態にさせられたうえで、ハー
フミラー11で窓材3を介して指1に照射される。
【0011】指1の拡散反射光を近赤外光は95%透過
し、可視光はほぼ100%反射する光学フィルター10
bによって反射光と透過光に分けて反射光をレンズを内
蔵したCCDカメラ13で、透過光を半導体フォトダイ
オード17で検出する。光学フィルター10bは波長が
750nmより長い近赤外光を透過し、波長が400〜
700nmの可視光を反射するため、CCDカメラ13
で撮影されるのはタングステンハロゲンランプ4cの光
の可視光成分による指1の像であり、半導体フォトダイ
オード17で検出されるのは指1の拡散反射光の内半導
体レーザ光源4a,4bに由来する成分となる。
【0012】なお、ファイバーコリメーターレンズ5
c,光学フィルター10a,10b、ハーフミラー1
1,タングステンハロゲンランプ光源4c,レンズ8,
CCDカメラ13は支柱12a,12b,12c,12
d,12e等によりxyステージ20に一体化して固定
されており、xyステージを動かすことにより筺体2に
対して相対的に動くようになっている。
【0013】CCDカメラ13の出力信号はCCD出力
信号処理回路14によって2値化されたデジタル画像情
報として半導体メモリ15aに取り込まれる。半導体フ
ォトダイオード17の出力電流は電流電圧変換回路18
でアナログ電圧信号に変換された後にアナログ−デジタ
ル変換器19によって16ビットのデジタル信号に変換
され、メモリ15cに取り込まれる。
【0014】半導体メモリ15bに記憶された画像情報
は中央処理装置22によってメモリ15aから読み取ら
れ、窓3から見える指の範囲のうち、4mm×3mmの領域
が画像表示装置24に表示される。中央処理装置22は
このほか、メモリ15b,メモリ15c,ステージ駆動
装置21,操作ユニット25,計算結果表示装置28に
接続されている。
【0015】操作ユニット25上にはボタン27a,2
7bとジョイスティック26がついている。ボタン27
aはリセットボタンであり、これが押されると中央処理
装置22はメモリ15aの内容をハードディスク16に
書き込み、メモリ15cの読み出しを行い、その結果を
もとに計算した血糖値を計算結果表示装置28に表示す
る。
【0016】電源投入時に中央処理装置はハードディス
ク16の記録内容をメモリ15bに転送する。ボタン2
7a,27bが押されていない状態では中央処理装置2
2はメモリ15aとメモリ15bのイメージの重ね合わ
せを画像表示装置に表示し続けるだけである。ボタン2
7bが押されると中央処理装置22はメモリ15cの読
み出しを行い、その結果をもとに計算した血糖値を計算
結果表示装置28に表示する。ジョイスティック26を
倒した方向に応じて中央処理装置22はステージ駆動装
置21に信号を送り、ジョイスティック26を倒した方
向に毎秒0.5mmでxyステージ上のファイバーコリメ
ーターレンズ5cやフィルター,ハーフミラー等を含む
光学系を移動させ、指1の撮影位置および光照射・測定
位置を移動させる。
【0017】光源4aの出力光は光源駆動回路23aに
よって13kHzで、光源4bの出力光は光源駆動回路
23bによって17kHzでそれぞれ強度変調されてい
る。アナログ−デジタル変換器19のサンプリングレー
トは256kHzである。中央処理装置22はサンプリ
ングされてメモリ15cに取り込まれたフォトダイオー
ド17の出力信号を高速フーリエ変換し、周波数13k
Hz,17kHzの成分をそれぞれ求め、波長1600
nmと波長1800nmの光強度に比例した信号成分を
それぞれ求め、電流電圧変換回路18の変換ゲイン,フ
ォトダイオード17の分光感度などからそれぞれの波長
の拡散反射光強度を求める。指に照射している光の強度
は1600nm,1800nmともに1mWなので、波
長λ〔nm〕の減光度A(λ)は波長λの拡散反射光強
度をP(λ)〔mW〕とするとき、(数1)となる。
【0018】
【数1】
【0019】A(1600),A(1800)の値をも
とに中央処理装置22は血糖を計算してA(160
0)、A(1800)の値とともに表示する。
【0020】本実施例の操作方法を図2に従ってより詳
細に説明する。図2は本実施例による血糖値測定の手順
である。リセットボタン27aを押したときの測定を最
初の測定、ボタン27bを押したときの測定を2回目以
降の測定と呼ぶことにする。最初の測定では窓3に押し
あてた指の指紋の画像が表示され、記録される。2回目
以降の測定では、まず最初の測定で記録された指の画像
と現在の指の画像が重ねて表示される。よほどのまぐれ
がおこらないかぎり最初に指をのせた位置から現在の位
置はコンマ数ミリは必ずずれ、二つの画像は重ならな
い。
【0021】ジョイステック26によってXYステージ
20を平行移動させ、指の撮影する部分を移動すること
によりほぼかさなる位置を見つけ出す。指紋のしわの間
隔は約0.5mm であり、図2の右下の図のようにもっと
もよく重なる位置を見出すことにより間隔の1/10,
50μm程度の位置再現性を得ることができる。結果と
して光源4a,4bの光も同一の精度で最初の測定の際
と同一位置に照射されることになる。
【0022】1600nm,1800nmともにグルコ
ースの吸収波長であり、原理的にはどちらか一方だけの
波長の吸光度だけからグルコース濃度を決定することが
可能である。しかし体温の変動によっていずれの波長に
おいても水の吸収が変化し、1波長ではグルコース濃度
の変化なのか体温の変化なのかを区別することができな
い。この体温に由来する水の吸収の変化が1600nm
と1800nmとでは逆になる。すなわち1600nm
における吸収は体温の上昇とともに減少し、1800n
mにおける吸収は増加する。したがって1600nmに
おける吸光度A(1600)と1800mにおける吸光
度A(1800)にある定数をかけた値との和は体温に
よらずグルコース濃度によってだけ変化する値となる。
【0023】A(1600)とA(1800)から血糖
値を求める式は、一週間にわたり被験者の指のA(16
00)とA(1800)の本実施例による測定と同時
に、採血してグルコースオキシダーゼ法による血糖値測
定を行い、線型重回帰モデルを用いて作成した。その結
果血糖値c〔mg/dL〕を表す式として、(数2)が
得られた。
【0024】
【数2】
【0025】図3は本実施例の効果である。図3は被験
者が空腹時に本実施例を用いて20回1600nmにお
ける指の減光度測定を行った結果を模擬的に示す。
(a)はジョイスティックによる位置調整を行わなかっ
た場合、(b)は行った場合である。いずれも測定は3
0分以内に行われ、被験者の血糖値はほとんど一定であ
ったと考えてよい。減光度のばらつきは(a)が標準偏
差0.028、(b)が0.0034で、(b)は(a)に
くらべ約一桁減少している。この結果として予測誤差1
0mg/dL以下の無侵襲血糖値計測が実現されるので
ある。本実施例による血糖値の測定値と従来のグルコー
スオキシダーゼ法による測定結果の間では相関係数の二
乗値が0.9 以上の非常に高い相関を得ることも可能で
ある。
【0026】本実施例ではグルコースを測定対象とした
ためグルコースの吸収波長である1600nmと180
0nmを使用したが、他の物質の吸収波長を用いること
によりグルコース以外の成分の高精度な無侵襲計測装置
を実現できることはいうまでもない。たとえば、700
nmと900nmを使えばヘモグロビン濃度やヘモグロ
ビン酸素飽和度の高精度無侵襲測定装置となる。
【0027】本実施例では生体の拡散反射光を測定した
が、たとえば半導体フォトダイオード17の位置を筺体
2及び指1の上方に設置し、透過光を検出してもほぼ同
様の結果が得られる。
【0028】なお本実施例では指を測定部位として指紋
を位置のマーカーとして利用したが、他の測定部位でも
ほくろや毛穴,傷跡,しわなど位置の基準として利用可
能なものがある部位であれば同様のことができる。
【0029】図4は本発明の第2の実施例を示す。本実
施例は基本的には第1の実施例と類似の構成をとるが、
レーザ光源をタングステンハロゲンランプ4dを分光器
29で分光したもので代用したほかは、全体的に構成を
簡略化して小型化を図った。レーザの代わりにタングス
テンハロゲンランプを使用した結果、減光度の連続的な
スペクトルをとることが可能となった。
【0030】分光器29で単色化された光は光ファイバ
ー7dに導入され、ファイバーコリメーターレンズ5c
で平行光束化されてハーフミラー11で反射されて指1
に照射される。指の像を撮影するための白色光源4dの
光は本実施例では斜めから指1に照射される。ハーフミ
ラー11の裏側から指の拡散反射光をCCDカメラ13
で検出する。本実施例ではCCDカメラは筐体2に完全
に固定されていて動かない。ファイバーコリメーターレ
ンズ5cだけが支柱12cによって筐体2に固定された
xzステージ30に取り付けられている。この結果とし
て可動部が小さくなり、装置の小型化,安定化が実現さ
れる。
【0031】本実施例の使用手順は第1の実施例とやや
異なるので、図5に従って簡単に説明する。
【0032】まず電源投入時に中央処理装置22は光源
駆動回路23cと23dを制御して、光源4cを消灯
し、光源4dを点灯する。リセットボタン27aを押し
た場合の最初の測定では3mm×4mmの領域の指の像を表
示し、その中心1mm×1mmの領域(図4で点線で囲まれ
た領域)の画像データをハードディスク16に保存す
る。その後光源4cを点灯し、光源4dを消灯する。
【0033】電源投入時はファイバーコリメーターレン
ズ5cから出力される光源4cの出力光ビームが画像表
示範囲の中心に照射されるようになっており、分光器2
9の出力光の波長は1100nmに設定されている。最
初の測定ではこの状態のまま、拡散反射光をCCDカメ
ラで検出する。
【0034】中央処理装置は光照射点を中心とする1mm
×1mmの領域の輝度の平均を計算して、拡散反射光強度
とする。中央処理装置22は分光器29を制御し、分光
器の出力光の波長を1100nmから1800nmの範
囲で10nmステップで変化させ、そのつど同様のこと
を行い、71波長でのスペクトルをとり終えるとともに
分光器から出てくる光の波長を1100nmに戻す。
【0035】2回目以降の測定の前に、図5(b)のよ
うに最初の測定で記憶された1mm×1mmの画像と現在の
指紋の画像が重ねて表示される。ジョイスティック26
の操作によってこの1mm×1mmの画像を表示する位置が
移動し、この動きに連動してxzステージ30が制御さ
れ、この画面上における移動に対応した分だけファイバ
ーコリメーターレンズ5cから出力される光の照射位置
が移動する。すなわちファイバーコリメーターレンズ5
cから出力される光の照射位置は常に最初に記録された
1mm×1mmの像の中心にあるように自動的に調整され
る。1mm×1mmの像が現在の指紋の像にほぼ重なる位置
が見つかったらボタン27bを押す。その後は最初の測
定と同一のことが行われる。
【0036】この第2の実施例で71波長のスペクトル
から血糖値を求める式の出しかたは第1の実施例とほぼ
同様で、一週間にわたり被験者の指の減光度スペクトル
の測定と同時に、採血してグルコースオキシダーゼ法に
よる血糖値測定を行い、部分最小二乗(PLS)モデル
を用いて作成した。
【0037】図6は本発明の第3の実施例の概念図であ
る。本実施例もまた第1の実施例及び第2の実施例とほ
ぼ同一の構成をとる。本実施例では第1の実施例と同様
に撮像素子であるCCDを動かす構成となっている。そ
れ以外の点は第2の実施例とほとんど同一である。
【0038】本実施例ではxyステージ20による平行
移動に加え、回転ステージ31をCCDおよびxyステ
ージの下に設置し、回転の自由度を付加している。第1
及び第2の実施例では指を置く位置の水平方向のずれに
ついてのみ考慮し、指を置く向きすなわち角度のずれに
対しては考慮していなかったが、本実施例によれば指を
置く向きが前回の測定と異なっていてもCCDを回転す
ることにより前回撮影された指の画像と新たに撮影され
た画像とほとんど完全に重なり合う点を見い出すことが
可能である。
【0039】図7は本実施例の使用方法をより詳細に説
明するために使用手順を示した図である。図7(a)は
水平移動だけで中心部をできる限り前回の測定で撮影し
た画像に一致させるようにした段階である。角度がずれ
ているため、周辺部では明瞭なずれが存在する。(b)
はCCDを−14度回転した結果である。角度のずれが
修正され、二つの画像の間にほとんど完璧な一致を得る
ことができた。なお、本実施例ではCCDを回転して新
たに撮影する画像を回転したが、以前撮影した画像をコ
ンピューターグラフィックス処理によって回転しても良
いし、CCDの代わりに光学的カメラを使用してフィル
ム等に撮影し、フィルムを回転するなどの手段を用いて
ももちろん良い。
【0040】図8は本発明の第4の実施例である。本実
施例の構成はほぼ第2の実施例と同一であるが、表示装
置24と操作ユニット25がないかわりに画像比較装置
32があり、表示装置と操作ユニットによって人間がマ
ニュアルで行っていた位置合わせ操作を自動的に行う。
その操作は次のようである。
【0041】本実施例ではCCDカメラで撮影した視野
3mm×4mm,1画素のサイズ50μm,1画素あたり8
ビット256階調の白黒画像がメモリに取り込まれる。
最初の測定では画像データがメモリ15aに転送された
後、ハードディスク16に記録される。2回目以降の測
定ではハードディスク16に記録された画像イメージが
メモリ15bに転送され、新たに撮影された画像データ
はメモリ15aに転送される。
【0042】二つのメモリに記憶された画像データをも
とに画像比較装置32は、次のような手順によって自動
位置合わせ操作を行う。まずメモリ15aにおける、画
像左下から右にi番目,上にj番目の画素の明るさに対
応する8ビット=1バイトのデータをa(i,j)とあ
らわすことにする。メモリ15bに対しては、画像の中
心部1mm×1mmの部分画像において、左下から右にi番
目、上にj番目の画素の明るさに対応する8ビット=1
バイトのデータをb(i,j)とあらわすことにする。
画像比較装置32はm=0〜59,n=0〜39の各
(m,n)に対して、3×4mmの全画像の左下から右に
m番目、上にn番目を左下とする1mm×1mmの部分画像
と、最初の測定で得られた画像の中心1mm×1mmの部分
画像との距離、(数3)を計算する。
【0043】
【数3】
【0044】60×40=2400通りのD(a,b)
を計算して距離が最小になる(m,n)を求め、中央処
理装置22に送る。ずれがなければ、部分画像が中心と
なるとき、すなわちm=29,n=19のとき最小にな
るはずである。異なる場合は、中央処理装置はxzステ
ージを操作して、画素サイズは50μmだから、(m−
29)×50μm右に、(n−19)×50μm上に光
照射位置をずらし、最初の測定とできる限り近い位置に
光を照射する。このようにして光照射位置再現性として
50μm程度が得られるのである。指を置く位置が大幅
にずれてしまった場合、比較装置32で自動的に判定さ
れた位置が必ずしも50μmオーダーの精度で最初の測
定に一致しない場合もあり得る。そこで、比較装置32
は画像間の距離Dのほかに相関係数(数4)を同時に計
算して中央処理装置に送る。
【0045】
【数4】
【0046】ただし、
【0047】
【数5】
【0048】
【数6】
【0049】である。
【0050】この相関係数が0.9 未満である場合には
エラーと判断してブザーをならし、指のおきなおしを指
示する。このようにすることで大幅にずれているにもか
かわらず、距離が最小になる点を機械的に選び出してし
まう危険を避けている。
【0051】なお、本実施例では平行移動の自由度だけ
考慮したが、角度のずれに対してもa(i,j)に回転
変換を施してやることにより同様の自動化が可能であ
る。それには例えば次のようにすればよい。もとのビッ
トマップ画像a(i,j)を角度θ回転した画像c
(i,j)を(数7)として、cとaの距離を比較す
る。
【0052】
【数7】
【0053】ただし、〔x〕はxに最も近い整数とす
る。被験者は30度以上角度をずらさないようにして指
を置くこととし、θは例えば0度から30度の範囲で1
度ステップで変えて距離が最小となるθを求めればよ
い。この例では後で撮影されたほうの画像を回転した
が、もちろん先に撮影した画像を回転してもよい。
【0054】本実施例では第2の実施例と同様に、最初
の測定で得られた画像の中心部とその後の測定で得られ
た画像から切り出した撮影された画像の一部分とを比較
したが、第1の実施例において示したように、撮影する
位置を移動させ、撮影された画像全体との相関をとって
ももちろんよい。また、本実施例では二つの画像データ
間の距離が最小になる場合を探したが、二つの画像デー
タ間の相関、(数8)が最大になる場合を探してもほぼ
等価であることはもちろんいうまでもない。
【0055】
【数8】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、生体光計測装置におけ
る光の照射位置,検出位置の再現性を飛躍的に高めるこ
とができ、安定な減光度の測定が可能となり、その結果
として光計測を利用した血中グルコース濃度など、生化
学成分の無侵襲計測の高精度化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す概念図。
【図2】本発明の第1の実施例の使用手順を示す図。
【図3】本発明の第1の実施例の効果を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例の構成を示す概念図。
【図5】本発明の第2の実施例の使用手順を示す図。
【図6】本発明の第3の実施例の構成を示す概念図。
【図7】本発明の第3の実施例の使用手順を示す図。
【図8】本発明の第4の実施例の構成を示す概念図。
【符号の説明】 1…指、2…筺体、3…窓、4a,4b,4c,4d…
光源、5a,5b,5c…ファイバーコリメーターレン
ズ、6…ファイバーカプラー、7a,7b,7c…光フ
ァイバー、8…レンズ、10a,10b…光学フィルタ
ー、11…ハーフミラー、12a,12b,12c,1
2d,12e…支柱、13…CCDカメラ、14…CC
D出力処理回路、15a,15b,15c…半導体メモ
リ、16…ハードディスク、17…半導体フォトダイオ
ード、18…電流電圧変換回路、19…アナログ−デジ
タル変換器、20…XYステージ、21…ステージ駆動
装置、22…中央処理装置、23a,23b,23c,
23d…光源駆動回路、24…画像表示装置、25…操
作ユニット、26…ジョイスティック、27a,27b
…ボタン、28…計算結果表示装置、29…分光器、3
0…xzステージ、31…回転ステージ、32…画像比
較装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、上記光源から出た光を生体に照射
    する光学系と、上記光源から射出され、生体を透過ある
    いは拡散した光を検出する光検出器を備え、上記光検出
    器の出力信号をもとに上記生体中の生化学物質の濃度を
    無侵襲的に測定する装置において、上記光源の光を照射
    した部位を含む生体表面の画像を撮影する撮影装置と、
    上記撮影装置による撮影結果である画像を記録する装置
    と、上記記憶装置に記録された画像と上記撮影装置によ
    って撮影された画像を比較する装置と、上記光源の光を
    照射する生体上の位置を移動させる機構を有することを
    特徴とする生体光計測装置。
  2. 【請求項2】光源と、上記光源から出た光を生体に照射
    する光学系と、上記光源から射出され、生体を透過ある
    いは拡散した光を検出する光検出器を備え、上記光検出
    器の出力信号をもとに上記生体中の生化学物質の濃度を
    無侵襲的に測定する装置において、上記光源の光を照射
    した部位を含む生体表面の画像を撮影する撮影装置と、
    上記撮影装置による撮影結果である画像を記録する装置
    と、上記記憶装置に記録された画像または記録された画
    像を回転させた画像の一部と、上記撮影装置によって撮
    影された画像の一部または撮影された画像を回転させた
    画像の一部との相関または距離を計算する装置と、上記
    光源の光を照射する生体上の位置を移動させる機構を有
    することを特徴とする生体光計測装置。
  3. 【請求項3】光源と、上記光源から出た光を生体に照射
    する光学系と、上記光源から射出され、生体を透過ある
    いは拡散した光を検出する光検出器を備え、上記光検出
    器の出力信号をもとに上記生体中の生化学物質の濃度を
    無侵襲的に測定する装置において、上記光源の光を照射
    した部位を含む生体表面の画像化を撮影する撮影装置
    と、上記撮影装置による撮影結果である画像を記録する
    装置と、上記記憶装置に記録された画像または記録され
    た画像と、上記撮影装置によって撮影された画像との相
    関または距離を計算する装置と、上記撮影装置と上記生
    体との相対的位置を平行移動させる機構と、上記光源の
    光を照射する生体上の位置を移動させる機構を有するこ
    とを特徴とする生体光計測装置。
  4. 【請求項4】光源と、上記光源から出た光を生体に照射
    する光学系と、上記光源から射出され、生体を透過ある
    いは拡散した光を検出する光検出器を備え、上記光検出
    器の出力信号をもとに上記生体中の生化学物質の濃度を
    無侵襲的に測定する装置において、上記光源の光を照射
    した部位を含む生体表面の画像化を撮影する撮影装置
    と、上記撮影装置による撮影結果である画像を記録する
    装置と、上記記憶装置に記録された画像と上記撮影装置
    によって撮影された画像を同時に重ねて表示可能な表示
    装置と、上記光源の光を照射する生体上の位置を移動さ
    せる機構を有することを特徴とする生体光計測装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の装置
    において、撮像装置と生体との間の相対的角度を変化さ
    せる機構を有することを特徴とする生体光計測装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の撮像
    素子が電荷結合素子であり、記憶装置が半導体メモリで
    あることを特徴とする生体光計測装置。
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