JPH11127861A - C型肝炎ウイルス由来のセリンプロテアーゼに対する中和抗体部分ペプチド - Google Patents

C型肝炎ウイルス由来のセリンプロテアーゼに対する中和抗体部分ペプチド

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JPH11127861A
JPH11127861A JP9297451A JP29745197A JPH11127861A JP H11127861 A JPH11127861 A JP H11127861A JP 9297451 A JP9297451 A JP 9297451A JP 29745197 A JP29745197 A JP 29745197A JP H11127861 A JPH11127861 A JP H11127861A
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gly
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Satoru Misawa
悟 三沢
Yoichi Oba
洋一 大場
Takamasa Ueno
貴将 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 C型肝炎ウイルス由来のセリンプロテアーゼ
に対する中和抗体部分ペプチドの提供。 【解決手段】 下記アミノ酸配列 (I):Asp−Xaa−Val−Leu−Ile、又は (II):Xaa−Tyr−Val−Leu−Ile (Xaaは、Asp、Ala、Glu又はArgを表す)、あるいは、
下記アミノ酸配列(III): Asn−Ser−Asn−Pro−Tyr
−Tyr−Gly−Arg−Thr−Ser−Tyr−Asn−Leu−Lys−Phe
−Lys−Gly を含み、全鎖長が17〜20アミノ酸の直鎖状ペプチドから
なる、C型肝炎ウイルス由来のセリンプロテアーゼに対
する中和抗体部分ペプチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、C型肝炎ウイルス
(HCV)由来のセリンプロテアーゼに対して、その酵素
活性を阻害する中和抗体部分ペプチドに関し、具体的に
は、該HCVセリンプロテアーゼに対する抗体蛋白質中の
相補性決定領域(complementarity determining regio
n; CDR)と同一又は類似するアミノ酸配列を有する人為
的なペプチドに関する。特に、哺乳動物に免疫した際に
産生される抗HCVセリンプロテアーゼIgG抗体蛋白質と同
様、本発明のペプチドは、当該HCVセリンプロテアーゼ
と結合し、その酵素活性を阻害する作用を持つ20アミノ
酸以下の直鎖状ペプチドに関するものである。なお、本
発明のペプチドは、その中和抗体との機能的類似性から
中和抗体部分ペプチドと称する。
【0002】
【従来の技術】C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(hepati
tis C virus; HCV)の感染により引き起こされ、その感
染経路は、血液を介した非経口感染であることが知られ
ている。このHCVは、(+)鎖のRNAをゲノムとして有す
るRNAウイルスであり、宿主細胞中において、図1に示
すように、このゲノム上の翻訳領域から、3,010アミノ
酸からなる一本鎖のポリプロテインが翻訳される。この
一本鎖ポリプロテインは、宿主細胞由来のシグナルペプ
チダーゼ、及び前記のゲノム上にコードされている、HC
V由来のセリンプロテアーゼにより切断されて、それぞ
れの機能蛋白質となる。
【0003】上記シグナルペプチダーゼ及びセリンプロ
テアーゼにより切断される箇所は合計7箇所存在する。
このうち、宿主細胞由来のシグナルペプチダーゼは計4
箇所の切断を行い、HCV由来のセリンプロテアーゼは残
る3箇所の切断を行う。この過程が、新たなHCVウイル
ス粒子の生成における初期過程である。従って、HCV由
来のセリンプロテアーゼの酵素活性が阻害されると、宿
主細胞内での新たなHCVウイルス粒子の生成が果たせ
ず、HCVに感染した患者の肝臓組織における感染の拡が
りを抑えることができる。この観点から、HCV由来のセ
リンプロテアーゼに対する酵素活性阻害剤の探索・開発
の研究が進められている。なお、HCVは二種類のプロテ
アーゼを産生しており、その一種であるHCV由来のセリ
ンプロテアーゼはCpro-2という略称が付されている。Cp
ro-2は、ゲノム上においてNS3と呼ばれる領域にコード
されるため、NS3蛋白質と呼ばれることもある。更に
は、このNS3蛋白質は、631アミノ酸からなるもので、そ
の分子量からp70と呼ぶことも多い。
【0004】これらの酵素活性阻害剤の開発に際して
は、阻害能を評価することが不可欠であり、試験管内の
酵素アッセイ系が利用されている。HCV由来のセリンプ
ロテアーゼに関しても、酵素アッセイ系に利用できる組
換え型のHCVセリンプロテアーゼ並びにその基質となる
合成ペプチド又は組換え基質蛋白質が提案されている。
加えて、相当に高い阻害能を有する基準となる阻害物質
がこの種の評価の再現性を維持するために必要であり、
既に、基準となる阻害物質になり得る、幾つかの化合物
が報告されている。その一つとして、HCVセリンプロテ
アーゼに対する抗体であって、且つHCVセリンプロテア
ーゼと結合した際、その酵素活性を阻害する中和抗体と
称されるものが挙げられる。
【0005】本発明者らは、HCV由来セリンプロテアー
ゼに特異的に反応するマウスモノクローナル抗体を創製
し、更には、該抗体はHCV由来セリンプロテアーゼと結
合することで、その酵素活性を強く阻害することを見出
した(特開平9−206076号公報を参照)。即ち、
HCVセリンプロテアーゼCpro-2に対する中和抗体とし
て、以下に示す三種のマウスハイブリドーマ細胞株の産
生するマウスモノクローナルIgG抗体を既に提案してい
る。具体的には、ハイブリドーマ細胞株であるJE−7E3
(FERM BP−5279)、JE−7E9(FERM BP−5280)、JE−8
D4(FERM BP−5281)が産生するマウスモノクローナルI
gG抗体であり、前記三種のハイブリドーマ細胞株は、何
れも工業技術院生命工学工業技術研究所(生命研)に、
前記の識別のための表示と寄託機関の付与した寄託番号
の基に寄託されている。以降、前記のハイブリドーマ細
胞株、JE−7E3(FERM BP−5279)、JE−7E9(FERM BP−
5280)、JE−8D4(FERM BP−5281)が産生するCpro-2に
対するIgG抗体を、それぞれmAb 7E3、mAb 7E9、mAb 8D4
と称する。
【0006】これらの中和抗体を多量に入手するには、
ハイブリドーマ細胞株の培養液から分離精製する手法が
挙げられるが、一般に抗体蛋白質自体は、室温での長期
保存には適さないので、そのほかに、これらの中和抗体
と阻害の機能においては等価であり、基準となる阻害物
質として利用できる低分子量の化合物を得る手法も必要
である。特に、簡便な合成により純品を得ることがで
き、且つ保存の容易な低分子量の阻害物質の提案が望ま
れるものである。さらには、これら抗体の低分子化によ
る抗HCV薬のリード化合物としての開発が望まれてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、阻害の機能
においてはCpro-2に対するIgG抗体(中和抗体)と等価
であり、且つ簡便な合成により純品を得ることができ、
且つ保存の容易な低分子量の阻害物質を提供することを
目的とする。具体的には、本発明は、HCVセリンプロテ
アーゼと結合し、その酵素活性を阻害する作用を持つ、
化学的なペプチド合成により作製が可能な程度の鎖長で
ある直鎖状ペプチド、即ち、その中和抗体との機能的類
似性から中和抗体部分ペプチドと称する低分子量の阻害
物質を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、mAb 8D4抗体の相
補性決定領域にあたる計6部位のアミノ酸配列を同定
し、そのアミノ酸配列を模倣した直鎖状ペプチドを作製
し、該ペプチドの特定のものが、Cpro-2に対する酵素活
性阻害能を有するものであることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、下記アミノ酸配列
(I): Asp−Xaa−Val−Leu−Ile (配列番号1) (Xaaは、Tyr、Trp又はPheを表す)を含み、全鎖長が7
〜20アミノ酸の直鎖状ペプチド、又は下記アミノ酸配列
(II): Xaa−Tyr−Val−Leu−Ile (配列番号2) (Xaaは、Asp、Ala、Glu又はArgを表す)を含み、全鎖
長が7〜20アミノ酸の直鎖状ペプチド、あるいは下記ア
ミノ酸配列(III): Asn−Ser−Asn−Pro−Tyr−Tyr−Gly−Arg−Thr−Ser−
Tyr−Asn−Leu−Lys−Phe−Lys−Gly (配列番号3) を含み、全鎖長が7〜20アミノ酸の直鎖状ペプチドから
なる、C型肝炎ウイルス由来のセリンプロテアーゼに対
する中和抗体部分ペプチドである。
【0010】ここで、前記のアミノ酸配列(I)及びア
ミノ酸配列(II)は、mAb 8D4抗体のL鎖及びH鎖の可変
領域に、それぞれ3箇所(合計6箇所)存在する相補性
決定領域(CDR1〜3)中、H鎖のCDRの一つであるCDR-
1 と称される部分のアミノ酸配列(IV): Asp−Tyr−Val−Leu−Ile (配列番号4)を基にして設
計され合成されたものであり、その第一及び第二のアミ
ノ酸を別のアミノ酸に置き換えたものに相当する。ま
た、アミノ酸配列(III)は、mAb 8D4抗体のH鎖の相補
性決定領域(CDR)中、CDR-1 以外のCDR、すなわち残り
二つのCDRのうちの一つであるCDR-2 と称される部分に
相当する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者はまず、上記の三種のハ
イブリドーマ細胞株が産生するマウスモノクローナルIg
G抗体のエピトープ部位の特定を試みた。これら三種のI
gG抗体mAb 7E3、mAb 7E9、mAb 8D4は、何れも、HCVのNS
3蛋白質、即ちp70と称されるタンパク質のアミノ酸残基
の領域中に存在する一部のアミノ酸配列である。特に、
上記抗体は、p70のアミノ酸配列のN末側半分の領域に
存在するプロテアーゼ活性領域、具体的にはCpro−2と
称される領域(HCVゲノム上にコードされる一連のアミ
ノ酸配列のうち、第1027番目のアラニンから第1185番目
のプロリンまでの190個のアミノ酸残基)中に存在する
エピトープとなるアミノ酸配列を有する抗体であること
が確認された。
【0012】なお、p70は、HCVゲノム上にコードされる
3010個のアミノ酸からなる一連のアミノ酸配列のうち、
第1027番目のアラニンから第1657番目のスレオニンまで
の631個のアミノ酸残基からなるタンパク質であり、該
アミノ酸配列とそれをコードする塩基配列を参考のた
め、配列番号5に記載する。
【0013】ここで、HCVゲノム上にコードされるア
ミノ酸配列中の第1027番目のアミノ酸であるアラニンは
p70のアミノ酸配列を基準にすれば第1番目のアミノ酸
であるので、このアミノ酸は「Ala1」のようにアミノ酸
の右上にp70におけるアミノ酸の位置を表示して記載す
ることができる。この方法に基づいて当該Cpro−2のア
ミノ酸配列を記述するとき、mAb 7E3はGly84-Trp85-Pro
86を、mAb 7E9はArg117-Arg118-Arg119-Gly120を、mAb
8D4はAsp79-Gln80-Asp81-Leu82-Val83を、それぞれエピ
トープとしていることが判明した。
【0014】本発明者らが先に解明した通り(特開平9
−9961号公報を参照)、当該HCV由来のセリンプロ
テアーゼ;Cpro-2の酵素活性発現に不可欠な部分アミノ
酸配列は、Val35〜Val172の部分であり、特に、キモト
リプシン様セリンプロテアーゼに特徴的な配列;His57
〜Gly152、(H−X22−VXXD−X55−GXSGXP−X9−G)中
に、これらエピトープとなる三種のアミノ酸配列が存在
している。なお、このセリンプロテアーゼの触媒活性部
位を構成する主要なアミノ酸(His57、Asp81、Ser139
の一つであるAsp81を含む、エピトープ配列Asp79-Gln80
-Asp81-Leu82-Val83(配列番号6)に結合するmAb 8D4
抗体は、触媒活性部位を直接被覆するため酵素活性を阻
害している。また、前記のAsp81に近接するエピトープ
配列Gly84-Trp85-Pro86に結合するmAb 7E9抗体は、触媒
活性部位に基質が挿入される過程において、立体障害と
なるので酵素活性を阻害すると考えられる。加えて、Cp
ro-2に対する結合活性の点でも、mAb 8D4抗体は、mAb 7
E9抗体及びmAb 7E3抗体と比較し有意に結合活性に優れ
ることを見出した。
【0015】これらの知見に基づき、mAb 8D4抗体の相
補性決定領域と同一又は類似するアミノ酸配列を有する
直鎖状ペプチドにおいても、Cpro-2に対する結合活性が
保持され、且つCpro-2の触媒活性部位又はその近傍に結
合することで酵素活性を阻害するとの着想を得た。
【0016】1.本発明のC型肝炎ウイルス由来のセリ
ンプロテアーゼに対する中和抗体ペプチドについて、更
に詳しく説明する。 (1) 第一に、本発明の中和抗体ペプチドは、上記アミノ
酸配列(I)(配列番号1)又はアミノ酸配列(II)
(配列番号2)を含み、全鎖長が7〜20アミノ酸からな
る直鎖状ペプチドである。
【0017】このアミノ酸配列(I)又はアミノ酸配列
(II)は、HCVセリンプロテアーゼと選択的に結合するm
Ab 8D4抗体のH鎖の可変領域に存在する3箇所の相補性
決定領域(CDR)の一つであるCDR-1 のアミノ酸配列
(アミノ酸配列(IV))と同一のもの又はその一部のア
ミノ酸を改変したものである。従って、この中和抗体ペ
プチドは、 mAb 8D4抗体のH鎖により結合されるHCVセ
リンプロテアーゼ上の特定の部位及びエピトープ部位を
共通にしている。
【0018】後述の実施例において示すとおり、本発明
のペプチドは、基本となるmAb 8D4抗体と同様にHCVセリ
ンプロテアーゼ活性中心又はその近傍への優れた結合能
を有するとともに、それに付随してHCVセリンプロテア
ーゼの酵素活性を阻害する効果も秀でている。
【0019】なお、mAb 8D4抗体の可変領域であるFv領
域をコードするcDNAの塩基配列及びその対応するアミノ
酸配列を、H鎖に関して図2及び配列番号7に、L鎖に
関して図3及び配列番号8にそれぞれ示す。また、本発
明者は、このmAb 8D4抗体FvのH鎖をコードするcDNA及び
L鎖をコードするcDNAを一本鎖抗体(single chain Fv)
の形で発現させるために、上記各cDNAをともに同一のプ
ラスミドに組み込み、それを大腸菌に導入して形質転換
大腸菌株E.coli JM109/pET−8D4を作製した。なお、形
質転換大腸菌株E.coli JM109/pET−8D4(FERM P−1644
4)は、工業技術院生命工学工業技術研究所(生命研)
に、前記の識別のための表示と寄託機関の付与した寄託
番号の基に寄託されている。mAb 8D4一本鎖Fv発現ベク
ターpET−8D4は以下のようにして構築することができる
(図22参照)。
【0020】 mAb 8D4一本鎖Fv遺伝子の構築 RT−PCRによりクローニングしたmAb 8D4 Fv遺伝子
を有するプラスミドpT7VH−C(H鎖遺伝子)およびpT7
VL−C(L鎖遺伝子)を鋳型として、以下に示すDNAプ
ライマーを用いてPCRによりH鎖およびL鎖遺伝子を増
幅する。(H鎖遺伝子クローニング用) 8D4 VH FOR 5'− NNNCGGCCGAGGAGACGGTGACTGAGGTTCC− 3'(配列番号68) Eag I 8D4 VH BACK 5'− NNNGGCCCAGCCGGCCATGGCCGAGATTCAGCTGCAGCAGAC− 3'(配列番号69) Sfi I (L鎖遺伝子クローニング用) 8D4 VL FOR 5'− NNNCCGCGGTTATTTCCAGCTTGGTCCCCC− 3'(配列番号70) Sac II 8D4 VL BACK 5'− NNNGATATCGTGATGACCCAGGCTGCA− 3'(配列番号71) EcoRV (NはA,G,C又はT)
【0021】得られたH鎖遺伝子を制限酵素Sfi IとEag
Iで切断し、L鎖遺伝子を制限酵素EcoRVとSac IIで切断
した後、アミノ酸配列[Gly-Gly-Gly-Gly-Ser]で3回繰
り返したペプチドリンカーをコードする合成DNAを介し
て連結し、mAb 8D4一本鎖Fv遺伝子を構築する。
【0022】 mAb 8D4一本鎖Fv発現ベクターの構築 市販のファージT7プロモーターを有する発現ベクターp
ET−20b(+)(Novagen社)を制限酵素Xba Iで切断し
た後、Klenow処理により平滑末端化する。さらに、制限
酵素EcoRIで切断し、ベクター断片を調製する。上記、m
Ab 8D4一本鎖Fv遺伝子の上流に、ペクテートリアーゼ
(pelB)のシグナル配列遺伝子を連結する。一方、下流
には、c−mycタグおよび6残基のHisタグをコード
するDNA断片を連結する。この融合遺伝子断片とpET−2
0b(+)ベクターとを連結し、pET−20b(+)に融合
遺伝子断片を導入することにより、図22に示す発現ベク
ターpET−8D4を構築することができる。
【0023】上記本発明のペプチドは、mAb 8D4抗体の
H鎖のCDR-1 に相当する5アミノ酸からなるアミノ酸配
列(I)又はアミノ酸配列(II)の両端に複数のアミノ
酸配列を付加し、全鎖長が7〜20アミノ酸の直鎖状ペプ
チドとなっている。本発明では、この両端に付加される
1個又は複数のアミノ酸配列は、その基本となるアミノ
酸配列を有するmAb 8D4抗体において、アミノ酸配列(I
V)のN末端側及びC末端側に連結されているアミノ酸
配列をそのまま利用するのが好ましい。即ち、アミノ酸
配列(IV)を含む連続した7〜20アミノ酸の断片を基
に、そのアミノ酸配列(IV)の一部のアミノ酸を別のア
ミノ酸に置き換えてアミノ酸配列(I)又はアミノ酸配
列(II)にするのが好ましい。
【0024】あるいは、mAb 8D4抗体はマウスのIgG1抗
体であるので、他のIgG1抗体、例えば、mAb 7E3抗体、m
Ab 7E9抗体のH鎖のCDR-1 近傍のアミノ酸配列を用い
て、そのCDR-1 の5アミノ酸をアミノ酸配列(I)又は
アミノ酸配列(II)に置き換えたものとしてもよい。即
ち、H鎖のCDR-1 に相当する5アミノ酸部分の両端に連
結される1個又は複数のアミノ酸は、それ自体で抗原ペ
プチド部位との結合自体には直接関与はしておらず、結
合に関与するCDR-1 に相当する5アミノ酸部分を適切な
形状に保持する役割を持つ部分であるので、同じ構造を
有するマウスのIgG1抗体の対応する断片を利用しても、
形状自体はほぼ同じものとなる。これは、抗体自体に固
有な相補性決定領域の違いを除くと、分子の形状は、本
質的に同種サブクラスに属する抗体相互では極めて類似
したものとなることを利用するものである。
【0025】(2) 第二に、本発明の中和抗体ペプチド
は、上述のアミノ酸配列(III)を含み、全鎖長が17〜2
0アミノ酸の直鎖状ペプチドである。アミノ酸配列(II
I)(配列番号3)は、mAb 8D4抗体のH鎖の可変領域に
存在する3箇所の相補性決定領域(CDR)の一つであるC
DR-2 のアミノ酸配列である。従って、この中和抗体ペ
プチドも、mAb 8D4抗体のH鎖により結合されるHCVセリ
ンプロテアーゼ上の特定の部位であるエピトープ部位を
共有しており、本発明のペプチドを設計するための基本
としたmAb 8D4抗体と同様にHCV抗原への高い結合能を有
するとともに、それに付随してHCVセリンプロテアーゼ
の酵素活性を阻害する作用をもつ。
【0026】本発明の上記第二のペプチドは、上述のア
ミノ酸配列(III)自体がmAb 8D4抗体のH鎖のCDR-2 そ
のものである。そして、 (1)に記載のペプチドとは異な
り、それ自体が17アミノ酸からなっているので、その中
の一部の配列が抗原ペプチド部位との結合に直接関与す
るとともに、残りの配列が結合能を保つに適切な形状に
保持する役割をも果たしている。従って、更に1個又は
複数のアミノ酸を付加しても結合能には何らの影響を与
えることはないので、アミノ酸を付加したとしてもその
数は3個(全長20アミノ酸)までで十分である。従っ
て、付加された1〜3個のアミノ酸は、基本となるmAb
8D4抗体のアミノ酸配列中、CDR-2 のアミノ酸配列の上
流又は下流に連結されたものから選択する必要はない。
なお、同じ構造を有するマウスのIgG1抗体の対応するH
鎖のCDR-2 断片の上流又は下流に見出されるアミノ酸を
付加される1〜3個のアミノ酸として利用してもよい。
【0027】2.ペプチドの合成 上述した(1)及び(2)に記載のペプチド鎖を20アミノ酸以
下とするのは、この程度のアミノ酸数であれば、化学的
な合成法を適用して容易に作製が可能であるからであ
る。通常、上述した方法に従い付加されるアミノ酸の配
列を適宜決定したのち、汎用のペプチド合成法(例えば
固相合成法)により、目的とするペプチドを調製するこ
とができる。従って、得られるペプチドは、不要な不純
物の極めて少ないものとなる。なお、不純物としては、
ペプチド鎖長が1つ短い、合成の前段階の中間原料ペプ
チドが挙げられるが、多くの場合この中間原料ペプチド
自体も阻害活性は遜色のないものであり、これを含んだ
状態で標準阻害物質として使用することが可能である。
【0028】なお、1.(1)に記載のペプチドにおいて
は、H鎖のCDR-1 に相当する5アミノ酸部分の両端に連
結される複数のアミノ酸は、少なくとも1アミノ酸以上
が何れの端にも付加され、それぞれほぼ同数に選択する
ことが望ましい。一般に、それぞれ3〜7アミノ酸、特に
5〜7アミノ酸を選択し、全長として11〜19アミノ酸、特
に15〜19アミノ酸とするのが好ましい。一方、1.(2)
に記載のペプチドの場合は、付加されるアミノ酸は、何
れか一方の端のみであっても構わない。
【0029】本発明の中和抗体部分ペプチドは、in vit
roのHCVセリンプロテアーゼ酵素アッセイ系における標
準阻害物質として利用されるものである。主として、HC
Vセリンプロテアーゼとして、組換え型酵素を利用する
酵素アッセイ系における標準阻害物質として利用される
ものである。すなわち、本発明のペプチドは、これらの
酵素反応系におけるデータの正確性、再現性を検証する
目的で使用される。その点で、本発明のペプチドは取り
扱いが抗体と比べて格段に容易であり、また、阻害機構
は、酵素蛋白質と分子間結合を形成するものであるの
で、極めて再現性の高い阻害となる。但し、保管するに
際して特段の注意を要しないが、水分の付着による見か
けの重量増加が生じないように注意する必要がある。そ
の他は、一般の試薬類と同じく、長期保存に耐え、ま
た、分子量が既知であるので、濃度調製が容易な標準阻
害物質となる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により、本発明の中和抗体部分
ペプチド及びその反応性についてさらに具体的に説明す
る。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限
定されるものではない。先ず、本発明の中和抗体部分ペ
プチドを設計するための基本とされたmAb 8D4抗体の特
異性に関して説明し、それにより、本発明の中和抗体部
分ペプチドは、HCVセリンプロテアーゼと結合して、そ
の酵素活性を阻害するものであることを説明する。
【0031】(参考例1)既に、マウスハイブリドーマ
細胞株、JE−7E3(FERM BP−5279)、JE−7E9(FERM BP
−5280)、JE−8D4(FERM BP−5281)が産生するCpro-2
に対するIgG抗体(それぞれ、mAb 7E3、mAb 7E9、mAb 8
D4と称する)は、免疫抗原としてHCVセリンプロテアー
ゼCpro-2を用いて調製されたものである。そして、上記
抗体は、このHCVセリンプロテアーゼCpro-2と結合し、
その酵素活性を阻害する抗体であることが確認されてい
る(特開平9−206076号公報を参照)。この三種
のmAbの結合活性を定量的に評価するために、表面プラ
ズモン共鳴を応用したバイオセンサーIAsys Auto+(日
製産業)を用いてHCVプロテアーゼと各mAbとの相互作用
の解析を行った。
【0032】カルボキシメチルデキストランがコートさ
れたキュベットに、N-ヒドロキシスクシンイミド(N-Hyd
roxysuccinimide)と1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopro
pyl) carbodiimide)を用いて、大腸菌マルトース結合
蛋白質(MBP)とHCVプロテアーゼが融合した酵素蛋白質
MBP-NS31-631をカップリングした。キュベット上にMBP-
NS31-631(30μg/ml)50μlを固相化した結果、2800 ar
c secondsの結合が確認された。このキュベットに種々
の濃度(33.3 nM〜666.7 nM)のmAbを添加し、結合活性
を調べた。
【0033】図4〜図6にmAb添加濃度に対する結合活
性の指標kon値をプロットしたLinearFitの結果を示す。
図4はmAb 8D4の結合能を、図5はmAb 7E9の結合能
を、図6はmAb 7E3の結合能を調べたものである。ま
た、表1に三種類のmAbのHCVプロテアーゼに対する結合
のKineticsの結果を示す。本結果より、mAb 8D4>mAb 7
E3>mAb 7E9の順で結合活性が強いことが判明した。
【0034】
【表1】
【0035】Bmaxは、抗体蛋白質との結合比率の指標を
意味する。 (参考例2) ウサギ網状赤血球溶血液を用いたin vit
ro翻訳系によるmAbのHCVプロテアーゼに対する阻害活性
評価 表1記載の三種類のmAbは、組換え型HCVプロテアーゼMBP
- NS31-631に対してその酵素阻害活性を有することは、
既に報告されている(特開平9−206076号公報を
参照)。また、合成ペプチドを基質として再評価した結
果、図7に示すように三種類のmAbともほぼ同等の阻害
活性を示し、mAb 8D4において、最大80%の阻害が達成さ
れている。
【0036】HCVポリプロテインのプロセシングに対す
る上記のmAbの影響を調べるために、まず、ウサギ網状
赤血球溶血液を用いたHCVゲノムの試験管内転写・翻訳
系を構築した(図8)。つまり、HCV NS3遺伝子又はHCV
NS3/4A遺伝子をバクテリオファージT7プロモーターの
下流に連結し、T7 RNAポリメラーゼの作用でmRNAに転写
させ、[35S]メチオニンを放射ラベルとして、NS3蛋白質
又はNS3/4A蛋白質を翻訳させた。一方、HCVプロテアー
ゼの天然基質としてHCV NS5A/5B切断配列を含む遺伝子
を同様に翻訳させた。これらの翻訳産物を用いて、HCV
プロテアーゼのcisおよびtransの切断活性評価系を構築
し、HCVプロテアーゼ活性に対するmAbの影響について調
べた。以下に示す組成で、NS3プロテアーゼ又はNS3/4A
プロテアーゼのin vitro翻訳反応を行った。
【0037】
【表2】
【0038】上記混合液を30℃で90分間インキュベート
した後、等量の2×SDS-PAGE用サンプルバッファーを添
加し、反応を止めた。12%ゲルを用いたSDS-PAGEにより
翻訳産物を分離し、ゲルを乾燥後、オートラジオグラフ
ィーを行った。NS3遺伝子を有するプラスミドpTZNS3Kを
鋳型とした場合、分子量70 kDaの位置に翻訳産物が確認
された。一方、NS3/4A遺伝子を有するプラスミドpTZNS3
-4Kを鋳型とした場合、分子量77 kDaおよび70 kDaの位
置に二本の主要な翻訳産物が確認された。後者はNS3蛋
白質であり、前者はNS3/4A融合蛋白質である。この結果
から、pTZNS3-4Kを用いる翻訳系は、いったんNS3/4A融
合蛋白質が翻訳された後、分子内(cis)での切断が起
こり、NS3蛋白質とNS4A断片に分解される系であること
が確認された。
【0039】NS3/4A遺伝子翻訳産物は経時的にNS3プロ
テアーゼとNS4A断片に自己触媒的に切断されることが確
認されたので、この切断に対する三種類のmAb抗体の影
響を調べた。プラスミドpTZNS3-4Kを鋳型として、上記T
NT反応液に終濃度100 ng/μl(667 nM)となるようにmA
b 7E3, mAb 7E9およびmAb 8D4をそれぞれ添加し、転写
・翻訳反応を行った。SDS-PAGEの後、乾燥させたゲルを
イメージアナライザー(BAS2000TM, 富士フィルム)に
よりcisの切断により生じる分子量70 kDaの位置にあるN
S3プロテアーゼのバンドの放射活性を定量した。なお、
これらの実験においては、転写・翻訳反応は、30℃で2
時間とした。
【0040】NS3/4A融合蛋白質のcisの切断に対する三
種のmAbの影響を調べた結果、図9のSDS-PAGEの結果に
示すように終濃度100 ng/μlではmAb 8D4のみ顕著な阻
害活性を示した。図9中、レーン1は、NS3プロテアー
ゼの位置、レーン2は、NS3/4A融合蛋白質とcisの切断
により生成するNS3プロテアーゼ、レーン3は、mAb 7E3
抗体終濃度100ng/μl添加時、レーン4は、mAb 7E9抗体
終濃度100ng/μl添加時、レーン5は、mAb 8D4抗体終濃
度100ng/μl添加時におけるNS3/4A融合蛋白質のcisの切
断に対する影響を示す。
【0041】さらに、mAb 8D4は容量依存的に阻害活性
を示し、50%阻害濃度(IC50)は10 ng/μl(66.7 nM)
という強い阻害が確認された(図10)。図10のSDS-
PAGEの写真中、レーン1は無添加時、レーン2は100 ng
/μl、レーン3は50 ng/μl、レーン4は25 ng/μl、レ
ーン5は12.5 ng/μl、レーン6は6.25 ng/μl、レーン
7は3.13 ng/μl、レーン8は1.56 ng/μlの終濃度でmA
b 8D4抗体を添加した際の結果を示し、それをプロット
した結果が付されたグラフを電気泳動図の下に示す。
【0042】次に、transでの切断活性を評価する系を
同様に構築した。NS3プロテアーゼ及びNS3/4Aプロテア
ーゼはそれぞれ反応液25μl中、Canine Pancreatic Mic
rosomal Membraneを1.8μl添加して放射標識せずに翻訳
反応を行った。30℃で2時間反応を行った後、終濃度2.5
mMとなるようにCycloheximideを添加し、翻訳反応を停
止させた。一方、NS5A/5B切断配列を含む天然基質(NS5
AのC末端100アミノ酸と完全長NS5Bを含む蛋白質)を [
35S]メチオニンで放射ラベルした。プラスミドpTZNS5を
鋳型としてNS5A/5Bを翻訳させた結果、図11に示すよ
うに分子量90 kDaの位置に主要な翻訳産物が確認され、
さらに低分子側に分解産物と考えられるバンドがいくつ
か確認された。
【0043】このNS5A/5B翻訳産物を基質として、これ
に、放射ラベルせずに合成したNS3プロテアーゼ溶液又
はNS3/4Aプロテアーゼ溶液を等量混合し、30℃で2時間
切断反応を行った後、SDS-PAGEを行い、切断産物である
分子量66 kDaのNS5B蛋白質の放射活性をイメージアナラ
イザーにより定量した。その結果、NS3/4Aプロテアーゼ
を混合したものでのみNS5A/5B切断配列における切断が
確認され、NS3単独の酵素では全く切断されなかった
(図11)。なお、反応温度を37℃で反応させた場合、
切断活性は低下した。図11のSDS-PAGE分析の結果にお
いて、プラスミドpTZNS5を鋳型としてNS5A/5Bを翻訳さ
せる際、レーン1は酵素のない条件、レーン2はNS3プ
ロテアーゼ溶液添加、レーン3はNS3/4Aプロテアーゼ溶
液添加した際の結果、具体的には切断産物である分子量
66 kDaのNS5B蛋白質量を比較する。
【0044】一方、反応系に終濃度1.25〜40 mMのDTTを
添加したところ、終濃度10 mMの場合に無添加に比べて
約1.6倍活性が強かった。そこで、終濃度10 mMとなるよ
うにDTTを添加し、30℃で5時間まで反応の経時変化を調
べた結果、2時間まで直線性が見られたため、最終的に2
時間の反応を行わせる際に、mAbを添加して影響を調べ
た。
【0045】最適条件でのtrans切断アッセイにおい
て、終濃度100 ng/μlとなるようにmAbを添加した結
果、図12に示すようにDTTを添加しない場合には、ほ
とんど阻害活性は確認されなかった。また、DTTを添加
した場合には、見かけ上僅かながら阻害されている傾向
が観測されたが、測定誤差を考慮すると有意な阻害活性
があるとは見なせないと判断した。つまり、三種類のmA
bは、NS3プロテアーゼ活性は阻害するものの、酵素活性
が増強されたNS4A結合型NS3プロテアーゼに対しては有
意な阻害活性を示さないことが判明した。このことは、
NS3/4A融合蛋白質のcisの切断で生成するNS4A断片がNS3
蛋白質と結合することによりNS3プロテアーゼに構造変
化が誘導され、又はこれらの抗体との結合が困難になる
ためであると考えられた。
【0046】図12のSDS-PAGE分析の結果において、プ
ラスミドpTZNS5を鋳型としてNS5A/5Bを翻訳させる際、
レーン1〜5はDTT非存在下で、レーン6〜10は10 mM
DTT存在下で試験したものである。また、レーン1と6
はそれぞれNS3/4Aプロテアーゼ溶液添加のない場合と溶
液添加のある場合を示し、レーン2と7はリン酸緩衝液
を添加したとき、レーン3と8はmAb 7E3抗体終濃度100
ng/μlで添加したとき、レーン4と9はmAb 7E9抗体を
終濃度100 ng/μlで添加したとき、レーン5と10はmA
b 8D4抗体を終濃度100 ng/μlで添加したときの切断産
物である、分子量66 kDaのNS5B蛋白質量をそれぞれ示
す。また、電気泳動図の下に示すグラフは、前記の各条
件において生成したNS5B蛋白質量を図示したものであ
る。
【0047】今回構築したtransの切断アッセイ系の場
合、NS5A/5B切断配列における切断においては、NS4A断
片の結合によるNS3プロテアーゼの活性上昇作用が必須
であることが判明した。三種類のmAbが有意な阻害を示
さなかったのは、NS4A断片の結合がNS3プロテアーゼの
立体構造を変化させることにより、または、NS4A断片の
結合に伴う立体障害により、mAbとNS3プロテアーゼのア
フィニティーが弱くなったためであることが示唆され
る。
【0048】しかしながら、mAb 8D4は、NS3/4A融合蛋
白質のcisの切断を顕著に阻害するため、結果として、N
S5A/5B切断配列における切断に必要であるNS4A断片の結
合によるNS3プロテアーゼの活性上昇過程をもある程度
抑える効果があると予測される。
【0049】(参考例3)HCVプロテアーゼの活性部位
アミノ酸(His-57, Asp-81, Ser-139)を含むNS
31-160、具体的には、Cpro-2の酵素活性発現に不可欠な
部分アミノ酸配列中に、当該mAb 7E3抗体、mAb 7E9抗
体、mAb 8D4抗体に対するエピトープとなるアミノ酸配
列を有していると推察される。
【0050】この三種の抗体のエピトープ配列を特定す
る目的で、連続した12個のアミノ酸がランダムな配列を
とっている、市販のランダムペプチドライブラリー(商
品名:FliTRX Random Peptide Display Library (Invi
trogen))を利用して、それぞれの抗体と結合能を有す
るペプチド鎖のアミノ酸配列を選別した。該ランダムペ
プチドライブラリーは、12個のポリペプチドで構成され
るランダムライブラリーを大腸菌由来のThioredoxin蛋
白質の活性部位に挿入した改変蛋白質を、更に大腸菌べ
ん毛を構成するFlagellin蛋白質中の非本質ドメイン(n
onessential domain)内に挿入した融合蛋白質としてべ
ん毛の上に提示させたものである(図13)。この融合蛋
白質において、12個のポリペプチドで構成されるランダ
ムペプチドライブラリーは、当該融合蛋白質自体を構成
する他のドメインとは相互作用せず、別の蛋白質とのみ
相互作用し、分子間結合を形成することが可能な形態を
取っている。特に、上記ランダムペプチドライブラリー
は抗体との結合形成に適した形態をとっており、抗体の
エピトープ決定に利用されるべく設計されたものである
(Z. Lu et al., Bio/Technology Vol. 13, 366−372
(1995)を参照)。一方、mAb 7E3、mAb 7E9、mAb 8D4
は、常法に従いそれぞれのマウスハイブリドーマ細胞懸
濁液をマウス腹腔に注入・腹水化し、Protein G-Sephar
ose(Pharmacia製)を用いたアフィニティー精製を行う
ことにより得られたものである(特開平9−20607
6号を参照)。なお、これらの抗体のタイプは三種類と
もIgG1でL鎖はκ鎖であった。
【0051】各マウスモノクローナル抗体と結合するペ
プチドを発現する菌株の選別、およびそのペプチド鎖の
アミノ酸配列の決定は、前記ランダムペプチドライブラ
リーのキットに添付される説明書及び文献(Z. Lu et a
l., Bio/Technology Vol. 13,366−372 (1995))を参
照し、その標準的な手順に準じておこなった。実際に用
いた手順の概要を次に説明する。
【0052】操作手順 1.培養液の調製 以下の操作で用いる各種培養液等は、キット添付の説明
書に従い、それぞれ下記の表3〜5に示す組成に調製し
た。
【0053】10× M9 塩溶液(表3)
【0054】
【表3】
【0055】IMC 培地(表4)
【0056】
【表4】
【0057】RM培地(表5)
【0058】
【表5】
【0059】2.FliTrxライブラリー(種菌)の培養 キット添付のライブラリー(種菌)をIMC 培地 50 mlに
植え継ぎ、25℃で攪拌しつつ終夜(約15時間)培養し
た。培養液から極少量のサンプルを採取し、その600 nm
での吸光度OD600を測定し、その値から、1 OD600=約1
×109 個(cells)の換算をし、大腸菌数を推定した。1×
1010個の大腸菌を含む培養液(通常2〜3 ml)を採り、1
00μg/mlのトリプトファンを含むIMC 培地 50 mlに希釈
後、攪拌しつつ25℃で6時間培養し、この大腸菌の鞭毛
にペプチドライブラリーを発現させた。
【0060】3.抗体に結合するクローンの選別(パニ
ング操作) パニングは、下記の二種類の手法を用いた。 (1)プレートを用いたパニング 直径60 mmのプレート(Falcon 3002)に、20μgの抗体を
含む水溶液 (1 ml)を加え、室温に一時間置いて、抗体
をプレート表面に吸着させた。抗体を含む水溶液を取り
除き、5 mlの滅菌水ですすいだのち、7 mlのブロッキン
グ溶液 (IMC 培地, 1%脱脂粉乳, 150 mM NaCl, 0.4% α
-メチルマンノシド, 100μg/mlアンピシリン)を加えて
静かに撹拌後、室温に一時間置いた。
【0061】次に、上に述べたトリプトファンを含む培
養液で6時間培養した大腸菌培養液(50 ml)に、0.5 g
脱脂粉乳, 1.5 mlの5 M NaCl, 2.5mlの滅菌 20%α-メチ
ルマンノシドを加えたのち、この液7 mlを抗体が固相化
されたプレートに加えた。静かに撹拌し、室温に一時間
静置後、大腸菌培養液を捨てた。プレート表面に吸着し
ている抗体に結合していない大腸菌を取り除くために、
プレートを7 mlの洗浄溶液 ( IMC培地, 0.4%α-メチル
マンノシド)で3回洗った。最後に洗浄溶液を除いた後
(微量の溶液を残した状態で)、プレートに残っている
大腸菌を回収するため、抗体に結合した鞭毛を引きちぎ
る目的で、激しくボルテックス(超音波洗浄)をかけ
た。その後、10 mlのIMC 培地を加えて、剥離した大腸
菌を回収し、フラスコに移し、25℃で終夜培養した。
【0062】得られた第一次選別を施した大腸菌の培養
液について、再び1×1010個の大腸菌を含む培養液(通
常2〜3 ml)を採り、100μg/mlのトリプトファンを含む
IMC 培地 50 mlに希釈後、攪拌しつつ25℃で6時間培養
し、この大腸菌の鞭毛にペプチドライブラリーを発現さ
せた。上で述べた一連の操作(パニング)を施し第二次
選別を行った。更に、3回同様の操作を施し、計5回の
選別を繰り返した後、抗体との結合能の高い第五次選別
を経た大腸菌複数を得た。なお、各菌株クローンの分離
は、下に述べる「4.ポジティブクローンの分離」に記
載の手法を用いた。
【0063】(2)マグネティックビーズ(マグネティ
ックセルソーター)を用いたパニング 上述のトリプトファンを含む培養液で6時間培養した大
腸菌8 mlをマイクロチューブに取り、遠心(4,000 rpm,
3分)して大腸菌を回収後、0.8 mlの洗浄バッファー(IMC
培地, 150 mM NaCl, 0.2 mg/ml BSA, 0.4%α-メチルマ
ンノシド)で2度洗い、最後に0.5 mlの洗浄バッファー
で懸濁した。マウスモノクローナル抗体20μgを加え
て、静かにピペットで撹拌後、30分間室温に静置した。
遠心して大腸菌を回収、洗浄バッファー (0.8 ml)中へ
の懸濁を2回繰り返して、余分の抗体を取り除いた。そ
の後、回収した大腸菌を160 mlの洗浄バッファーに懸濁
した。
【0064】次いで、回収した大腸菌から、目的の抗体
と結合している大腸菌を磁気細胞分離法(S. Miltenyi
et al., Cytometry 11, 231−238 (1990)を参照)を適
用して分離した。なお、磁気細胞分離システムは、Milt
enyi Biotec GmbH (BergischGladbach, Germany)製のも
のを使用した。前記の大腸菌懸濁液にヤギ抗マウス免疫
グロブリン(goat-anti-mouse immunoglobulin) G(H +
L) F(ab')2が共有結合したマグネティックビーズ(Indir
ect Microbeads Goat-anti-mouse-IgG, Miltenyi Biote
c, Germany) 40 mlを加えて静かに撹拌した。冷蔵庫中
(約8℃)で15分間静置後、遠心して大腸菌を回収し、余
分のビーズを取り除き、0.5 mlの洗浄バッファーに懸濁
した。この大腸菌懸濁液を、強磁場中にセットされ、3
mlの洗浄バッファーで平衡化した分離カラム(Separatio
n Column, type LS+)上にアプライし、3 mlの洗浄バッ
ファーで3回洗って、ビーズが結合していない大腸菌を
洗い流した。分離カラムを磁場中からはずした後、5 ml
のIMC 培地を加えて目的の大腸菌を滅菌済みのフラスコ
(100 ml)中に回収した。IMC 培地を5 ml加えて培養液を
10 mlとし、25℃で終夜培養した。
【0065】得られた第一次選別を施した大腸菌の培養
液について、再び1×1010個の大腸菌を含む培養液(通
常2〜3 ml)を採り、100μg/mlのトリプトファンを含む
IMC培地 50 mlに希釈後、攪拌しつつ25℃で6時間培養
し、この大腸菌の鞭毛にペプチドライブラリーを発現さ
せた。上述した一連の操作(パニング)を施し第二次選
別を行った。なお、この2回目のパニング操作では、最
初の大腸菌量とターゲット抗体の量を半分にした。この
第二次選別の結果、抗体との結合能の高い大腸菌複数を
えた。なお、各菌株クローンの分離は、下に述べる
「4.ポジティブクローンの分離」に記載の手法を用い
た。
【0066】4.ポジティブクローンの分離 上記したパニングの終了した大腸菌を、1.5%寒天を含
むRM培地に広げて30℃で終夜(16〜24時間)培養後、シン
グルコロニーを拾い、2 mlのRM培地中に植えたのち、30
℃で16〜24時間、撹拌培養した。この大腸菌0.1 mlを、
100μg/mlのトリプトファンを含む5 mlのIMC培地に希釈
後、37℃で8または16時間撹拌培養してペプチドライブ
ラリーを発現させた。終夜培養した残りの大腸菌は、最
終濃度が20%になるようにグリセロールを添加後、-70℃
で保存した。
【0067】5.ウェスタンブロッティングによるポジ
ティブクローンの確認 この分離で得られたクローンについて、上記のペプチド
ライブラリー発現を行ったのち、実際に目的とする抗体
と結合するペプチド鎖を有するものであることを確認し
た。即ち、大腸菌の鞭毛を構成する蛋白質(フラジェリ
ン)に融合されているチオレドキシン中に当該ペプチド
ライブラリーは挿入されいるはずである。そこで、チオ
レドキシン自体に対するマウス抗体と目的とする抗体の
双方を用いて、ウェスタンブロッティング法により、目
的とする抗体と結合するペプチド鎖が挿入されたフラジ
ェリン蛋白質の確認を行った。
【0068】上のペプチドライブラリー発現を行った大
腸菌の培養液4 mlを回収して、すぐに50 mlのSDS-サン
プルバッファー (0.125 M Tris-HCl, pH 6.8, 20% グリ
セロール, 0.4% SDS, 0.01% ブロモフェノールブルー)
を加えて懸濁した。超音波をかけて高分子DNAを破壊し
て溶液の粘度を下げ、95℃で3分間インキュベートし
た。遠心(15,000 rpm, 10分)して不溶物を取り除き、SD
S-PAGE用のサンプルとした。12.5%のポリアクリルアミ
ドゲルで電気泳動後、市販のPVDF膜 (Trans-Blot Trans
fer Medium 0.2 mm, Bio-Rad Laboratories)にブロッテ
ィングした。上記の処理を施したことにより、抗原ペプ
チドと目的の抗体との結合が弱くなる、あるいは、該抗
原ペプチドが挿入されているチオレドキシン蛋白質とチ
オレドキシン自体に対する抗体との結合が弱くなること
も考えられ、これら一次抗体との結合は、4℃で一晩行
った。
【0069】ウェスタンブロッティングにおけるバンド
検出には、市販の試薬を用い、標識酵素法を適用した。
二次抗体は、ビオチン化ヤギ抗マウス IgG (Life Tec
h.)を用い、このビオチン化二次抗体に、標識酵素とし
てストレプトアビジン-パーオキシダーゼコンジュゲー
ト (Tago, Inc.)を結合させたのち、DAB Peroxidase Su
bstrate Tablet Set (Sigma)を発色基質として、バンド
を検出した。チオレドキシン自体に対するマウス抗体と
目的とする抗体の双方と強い結合が確認されたポジティ
ブクローンにおいては、このペプチドライブラリーにお
いて挿入されている12アミノ酸残基のペプチド鎖部分に
目的とする抗体と結合が可能なエピトープが存在するこ
とが確認された。
【0070】6.ポジティブクローンの抗原性ペプチド
鎖のアミノ酸配列の同定 上記のウェスタンブロッティング法により確認を行った
ポジティブクローンについて、挿入されている12アミノ
酸残基のペプチド鎖部分並びにそれに近接する領域、即
ち、図14に示す組換え遺伝子領域にコードされるアミ
ノ酸配列を次の手順で同定した。用いたペプチドライブ
ラリーの当該ペプチド鎖は、図13に示すとおり、プラ
スミドpFliTrx(Invitrogen)中にその遺伝子が組み込
まれたものである。
【0071】従って、各クローンからこのプラスミドpF
liTrxをそれぞれ採取して、図14に示す既知の塩基配
列中に挿入されているランダムペプチドコーディング領
域の塩基配列を同定し、それがコードするアミノ酸配列
として特定した。
【0072】上記のポジティブクローン確認が終了し、
終夜培養した大腸菌は、グリセロール(終濃度が20%)
を加えて、-70℃に保存した。その一部の大腸菌を用い
て、RM寒天 (RM培地, 1.5% Bacto Agar)プレート上に広
げて、30℃で20〜30時間培養して、シングルコロニーを
分離した。30個のコロニーを拾ってプラスミドを調製し
た。あるいは、プラスミドの収率が非常に悪い場合に
は、25 mlのRM培地で培養した大腸菌を市販のキットQui
agen tip-20を使ってプラスミドの調製を行うことで、D
NAシークエンス可能なプラスミドを得ることができた。
【0073】DNAシークエンスは、[α-32P]dCTPを用い
るときは、Sequenase version 2 DNASequencing Kit (A
mersham)を、自動DNAシークエンサー用には、AutoCycle
DNASequencing Kit (Pharmacia)と5'末端にFITCラベル
したプライマーを使用した。両方法とも、用いたプライ
マーは、このランダムペプチドライブラリーのキットに
おいて指定されている、FliTrx (5'-ATG TAC TCA AAG C
GG ACG GGG CGA-3')(配列番号9)とRSR (5'-TTG CCC
TGA TAT TCG TCA GCG-3')(配列番号10)の二種のプ
ライマーである。
【0074】+鎖、−鎖ともDNAの塩基配列を決定し、
その結果が一致することを確認した。前記の二種のプラ
イマーは、図14に示す位置に対応する。この領域にお
いて既知である塩基配列とDNAシークエンスの結果得ら
れた塩基配列とを対比されて、発現しているペプチド鎖
のアミノ酸配列を導き出した。本実施例では、mAb 7E9
抗体及びmAb 8D4抗体についてはプレートを用いたパニ
ング法を適用し、mAb 7E3抗体についてはマグネティッ
クビーズ(マグネティックセルソーター)を用いたパニン
グ法を適用した。各抗体について、上記の手順で選別さ
れたポジティブクローンについて、挿入されている12ア
ミノ酸残基のペプチド鎖部分、及びそれに近接する領域
のアミノ酸配列を同定した。
【0075】その結果の一例を図15〜17(配列番号
11〜47)に示す。各抗体について、それと結合する
12アミノ酸残基のペプチド鎖部分において相同性を有す
る部分を対応させたところ、図15〜17において枠で
囲む部分配列が高い相同性を有することが判った。これ
らmAb 7E9抗体、mAb 8D4抗体、mAb 7E3抗体は何れも、N
S31-160蛋白質を免疫抗原として作成され、且つCpro-2
と結合するものであるので、図15〜17に示す相同性
の高い部分配列に対応するアミノ酸配列(配列番号11
〜47)がCpro-2のアミノ酸配列中に見出されるはずで
ある。この予測どおり、Cpro-2のアミノ酸配列中に、図
15〜17に対比して示すように、これらのポジティブ
クローンの相同性の高い部分配列に対応する配列が見出
された。
【0076】即ち、mAb 7E3抗体に対してはGly84-Trp85
-Pro86が、mAb 7E9抗体に対してはArg117-Arg118-Arg
119-Gly120(配列番号48)が、mAb 8D4抗体に対して
はAsp79-Gln80-Asp81-Leu82-Val83(配列番号49)が
対応しており、これらの部分が各抗体のエピトープに含
まれると結論された。なお、これらのエピトープとなる
部分配列がCpro-2分子の如何なる位置に存在するかとい
う点については、異なるC型肝炎ウイルス株であるHCV
strain BK株のセリンプロテアーゼCpro-2分子のX線結晶
構造解析結果(R. A. Love et al.,Cell 87, 331−342
(1996)を参照)を参考にして、その三次元的な位置を図
18に示した。
【0077】図18は、1文字表記されたアミノ酸によ
り示された、触媒作用に関与する三つの残基(His57,Asp
81,Ser139)を含め、当該蛋白質の活性部位を示したもの
である。2次構造を形成している部分、具体的にはβ
鎖、αヘリックス、トリプシン様バレル構造中のβ鎖
(A1-F1)については、リボン表示で示している。触媒
中心の三つのアミノ酸残基(His57,Asp81,Ser139)はその
側鎖構造で示されている。図18において、具体的に
は、mAb 8D4抗体とmAb 7E3抗体のエピトープ位置は、こ
のプロテアーゼの活性中心に位置するAsp81とその隣接
する部分であるが、mAb 7E9抗体のエピトープ位置は、
この活性中心ではなく、蛋白質表面に位置することが判
る。
【0078】(実施例1)以上の参考例1〜3の結果を
踏まえ、mAb 8D4抗体の相補性決定領域(CDR)の何れか
は、HCVセリンプロテアーゼの活性中心に位置するAsp81
とその隣接する部分との結合に関与しており、当該CDR
のアミノ酸配列に類似する直鎖状ペプチドもmAb 8D4抗
体と同様に結合を形成すると推断した。また、その結合
に伴い、HCVセリンプロテアーゼの活性を阻害する作用
を示すと考えた。先ず、mAb 8D4抗体の可変領域のアミ
ノ酸配列を解明する目的で、mAb 8D4抗体のFv遺伝子の
クローニングを行い、その塩基配列の解明と対応するア
ミノ酸配列の決定を行った。
【0079】(1) mAb 8D4のFv遺伝子のクローニング mAb 8D4抗体を還元して構成する各鎖間のS-S結合を分断
した後、SDS-PAGEによりH鎖とL鎖を分離し、PVDFメンブ
レン(Bio-Rad製)に転写し、CBB染色した。メンブレン
を乾燥後、各々のバンドを切り取り、H鎖とL鎖のN末端
アミノ酸配列分析を行った。表6に示すように、H鎖お
よびL鎖のN末端10残基のアミノ酸配列を決定し、それを
もとにPCRプライマーを設計し、合成した。
【0080】
【表6】
【0081】mAb 8D4抗体を産生するハイブリドーマ細
胞株、JE−8D4(FERM BP−5281)株を培養し、それより
Pharmacia製Quickprep mRNA Purification Kitを用いて
mRNAを調製した。このmRNAを用いて、市販のキット(宝
酒造製RNA PCR Kit)と、以下に示すフォワードおよびリ
バースプライマーを用いて抗体遺伝子のFv領域のcDNAを
増幅した。なお、フォワードプライマーは、上記の表6
に示すアミノ酸配列をコードする塩基配列となってお
り、一方リバースプライマーは、マウスのIgG1抗体に共
通するFv領域の下流部の塩基配列に相補的なものとなっ
ている。
【0082】
【表7】
【0083】PCR反応は、用いた市販のPCRキットにおい
て推奨される手順、条件に準じて行なった。それぞれH
鎖及びL鎖のFv領域cDNAからのPCR産物を得て、それぞ
れをTAクローニングベクター(pT7Blue, Novagen製)に
連結し、宿主大腸菌JM109株に導入した。形質転換体
を、X-galを含むLB-アンピシリン寒天プレートにまき、
白色コロニーを選別した。この白色コロニーを培養して
プラスミドを調製し、H鎖およびL鎖遺伝子を有する組換
え菌をスクリーニングした。H鎖遺伝子を有するプラス
ミドpT7VH-CおよびL鎖遺伝子を有するプラスミドpT7VL-
Cについて、各6クローンずつ選び、抗体遺伝子のFv領域
cDNA塩基配列を決定した。マウスIgG1抗体に関しては、
Fv領域cDNA上の相補性決定領域(CDR)の存在位置は一
般に知られており、その知見に基づきH鎖およびL鎖につ
いて、それぞれ3箇所のCDRのアミノ酸配列を特定し
た。
【0084】なお、この過程で決定されたmAb 8D4抗体
の可変領域であるFv領域をコードするcDNAの塩基配列及
びその対応するアミノ酸配列を、H鎖に関して図2(配
列番号7)に、L鎖に関して図3(配列番号8)にそれ
ぞれ示す。また、このcDNAを、mAb 8D4一本鎖Fvを発現
するように加工し、プラスミドに組み込み、これを大腸
菌株E.coli JM109に導入して形質転換体(E.coli JM109
/pET−8D4)を得た。mAb 8D4一本鎖Fv発現ベクターpET
−8D4は以下のようにして構築した(図22)。
【0085】 mAb 8D4一本鎖Fv遺伝子の構築 RT−PCRによりクローニングしたmAb 8D4 Fv遺伝子
を有するプラスミドpT7VH−C(H鎖遺伝子)およびpT7
VL−C(L鎖遺伝子)を鋳型として、以下に示すDNAプ
ライマーを用いてPCRによりH鎖およびL鎖遺伝子を増
幅した。
【0086】 (H鎖遺伝子クローニング用) 8D4 VH FOR 5'− NNNCGGCCGAGGAGACGGTGACTGAGGTTCC− 3'(配列番号68) Eag I 8D4 VH BACK 5'− NNNGGCCCAGCCGGCCATGGCCGAGATTCAGCTGCAGCAGAC− 3'(配列番号69) Sfi I (L鎖遺伝子クローニング用) 8D4 VH FOR 5'− NNNCCGCGGTTATTTCCAGCTTGGTCCCCC− 3'(配列番号70) Sac II 8D4 VH BACK 5'− NNNGATATCGTGATGACCCAGGCTGCA− 3'(配列番号71) EcoRV (NはA,G,C又はT)
【0087】得られたH鎖遺伝子を制限酵素Sfi IとEag
Iで切断し、L鎖遺伝子を制限酵素EcoRVとSac IIで切断
した後、アミノ酸配列[Gly− Gly− Gly− Gly−Ser]
で3回繰り返したペプチドリンカーをコードする合成DNA
を介して連結し、mAb 8D4一本鎖Fv遺伝子を構築した。
【0088】mAb 8D4一本鎖Fv発現ベクターの構築 市販のファージT7プロモーターを有する発現ベクターp
ET−20b(+)(Novagen社)を制限酵素Xba Iで切断し
た後、Klenow処理により平滑末端化した。さらに、制限
酵素EcoRIで切断し、ベクター断片を調製した。上記、m
Ab 8D4一本鎖Fv遺伝子の上流に、ペクテートリアーゼ
(pelB)のシグナル配列遺伝子を連結した。一方、下流
には、c−mycタグおよび6残基のHisタグをコード
するDNA断片を連結した。この融合遺伝子断片とpET−2
0b(+)ベクターとを連結し、pET−20b(+)に融合
遺伝子断片を導入することにより、図22に示す発現ベク
ターpET−8D4を構築した。なお、形質転換大腸菌株E.c
oli JM109/pET−8D4は、工業技術院生命工学工業技術
研究所(生命研)に、前記識別のための表示と寄託機関
の付与した受託番号(FERM P−16444)の基に受託され
ている。
【0089】(2) mAb 8D4のCDRペプチドによるHCVプロ
テアーゼ阻害活性評価 mAb 8D4抗体のFv遺伝子の塩基配列解析よりCDRのアミノ
酸配列を決定し、合計6種類のCDRを含むペプチドを合
成した。合成したペプチドのアミノ酸配列を表8に示
し、CDRに相当する部分に下線を付した。各ペプチドを
終濃度20 mMとなるようにDMSOに溶かした後、DMSOで段
階希釈した。これらのCDRペプチドを組換え基質(MBP-N
S5A/5B-ADK)を用いたHCVプロテアーゼのアッセイ系に5
0分の1量(終濃度2% DMSO)添加し、酵素阻害活性を評
価した。酵素アッセイ系の詳細は、文献に記載の方法に
準じた(特開平9−9961号公報を参照)。
【0090】
【表8】
【0091】その結果、図19に示すように15アミノ酸の
CDR-H1が容量依存的な強い阻害活性を示し、IC50 = 20.
8μMという値を示した。また、17アミノ酸のCDR-H2はIC
50 =229μMであり、CDR-H1と比較すると弱いながらも用
量依存的な阻害を示した。さらに、CDR-H1より、はるか
に短いペプチド長としても、例えば、そのCDRの5アミノ
酸に両端各1アミノ酸が残るように7アミノ酸まで低分子
化したCDR-H1-7でさえも、図20に示すとおり、IC50 =
165μMという容量依存的な阻害活性が確認された。但
し、CDRの5アミノ酸のみとしたCDR-H1-5では、最早有意
な阻害活性は見られなかった。
【0092】加えて、前記のCDR-H1-7の配列中、CDRの
第1番目のアミノ酸(CDR-H1-7の配列の第2番目)であ
るAspを、Gluに置き換えたペプチドCDR-H1-7(D2E)(配
列番号63)、Alaに置き換えたペプチドCDR-H1-7(D2A)
(配列番号64)、及びArgに置き換えたペプチドCDR-H
1-7(D2R)(配列番号65)においても、図21に示すと
おり、添加濃度0.4 mMにおいてCDR-H1-7と同様に阻害活
性を示した。また、前記CDR-H1-7の配列中、CDRの第2
番目のアミノ酸(CDR-H1-7の配列の第3番目)であるTy
rをTrpに置き換えたペプチドCDR-H1-7(Y3W)(配列番号
66)、及びPheに置き換えたペプチドCDR-H1-7(Y3F)
(配列番号67)においても、図21に示すとおり、添
加濃度0.4 mMにおいてCDR-H1-7と同様に阻害活性を示し
た。特に、CDRの第1番目のアミノ酸AspをAlaに置き換
えたもの(CDR-H1-7(D2A)(配列番号64))、及びCDR
の第2番目のアミノ酸TyrをTrpに置き換えたもの(CDR-
H1-7(Y3W)(配列番号66))は、比較の対照としたCDR
-H1-7より優れた阻害活性を示した。
【0093】従って、上述の置き換えを施し、全体のペ
プチド長を7アミノ酸以上としたもの、例えば、CDR-H1
のCDR相当部分を上述の置き換えを施したものにおいて
も、対応する阻害活性の向上が果たされると判断でき
る。即ち、CDR相当部分を保持し、その両端に本来の抗
体で存在しているアミノ酸配列を延長したペプチドにお
いては、CDR相当部分の結合能に加え、ペプチド鎖全体
の二次的な構造による結合能の向上効果が相まって、CD
R-H1の阻害活性を超える阻害活性を示すものと考えられ
る。
【0094】
【発明の効果】本発明により、C型肝炎ウイルス由来の
セリンプロテアーゼに対する中和抗体部分ペプチドが提
供される。本発明の中和抗体部分ペプチドは、HCVセリ
ンプロテアーゼの活性中心に存在するAsp81を含むエピ
トープ配列Asp79-Gln80-Asp81-Leu82-Val83に選択的に
結合するモノクローナル抗体の相補性決定領域(CDR)
のアミノ酸配列、又はそれと類似するアミノ酸配列を有
するので、HCVセリンプロテアーゼの活性中心又はその
近傍に選択的且つ強固な結合をする。従って、この結合
に伴い、HCVセリンプロテアーゼの活性を阻害する能力
に優れ、加えて、20アミノ酸以下のペプチド鎖しかな
いので、化学的合成により容易に合成ができる利点を持
つ。更に、本発明のペプチド鎖長は短いので、HCVセリ
ンプロテアーゼの活性中心又はその近傍に結合するに際
し、HCVセリンプロテアーゼと結合したNS4Aペプチド断
片が存在する場合にも、プロテアーゼの基質ペプチドと
同様に結合部位に容易に到達することが可能である。
【0095】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 存在位置:2 他の情報:Xaa = Tyr,Trp or Phe
【0096】配列番号:2 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 存在位置:1 他の情報:Xaa = Asp,Ala,Glu or Arg
【0097】配列番号:3 配列の長さ:17 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Ser Asn Pro Tyr Tyr Gly Arg Thr Ser Tyr Asn Leu Lys Phe Lys 1 5 10 15 Gly
【0098】配列番号:4 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0099】配列番号:5 配列の長さ:1893 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類: cDNA to Genomic RNA 起源 生物名:C型肝炎ウイルス 株名:HCV−J 配列の特徴 特徴を表わす記号:CDS 存在位置:1..1893 配列 GCG CCT ATC ACG GCC TAT TCC CAA CAA ACG CGG GGC CTG CTT GGC TGT 48 Ala Pro Ile Thr Ala Tyr Ser Gln Gln Thr Arg Gly Leu Leu Gly Cys 1 5 10 15 ATC ATC ACT AGC CTC ACA GGT CGG GAC AAG AAC CAG GTC GAT GGG GAG 96 Ile Ile Thr Ser Leu Thr Gly Arg Asp Lys Asn Gln Val Asp Gly Glu 20 25 30 GTT CAG GTG CTC TCC ACC GCA ACG CAA TCT TTC CTG GCG ACC TGC GTC 144 Val Gln Val Leu Ser Thr Ala Thr Gln Ser Phe Leu Ala Thr Cys Val 35 40 45 AAT GGC GTG TGT TGG ACC GTC TAC CAT GGT GCC GGC TCG AAG ACC CTG 192 Asn Gly Val Cys Trp Thr Val Tyr His Gly Ala Gly Ser Lys Thr Leu 50 55 60 GCC GGC CCG AAG GGT CCA ATC ACC CAA ATG TAC ACC AAT GTA GAC CAG 240 Ala Gly Pro Lys Gly Pro Ile Thr Gln Met Tyr Thr Asn Val Asp Gln 65 70 75 80 GAC CTC GTC GGC TGG CCG GCG CCC CCC GGG GCG CGC TCC ATG ACA CCG 288 Asp Leu Val Gly Trp Pro Ala Pro Pro Gly Ala Arg Ser Met Thr Pro 85 90 95 TGC ACC TGC GGC AGC TCG GAC CTT TAC TTG GTC ACG AGG CAT GCC GAT 336 Cys Thr Cys Gly Ser Ser Asp Leu Tyr Leu Val Thr Arg His Ala Asp 100 105 110 GTC ATT CCG GTG CGC CGG CGA GGC GAC AGC AGG GGG AGT CTA CTC TCC 384 Val Ile Pro Val Arg Arg Arg Gly Asp Ser Arg Gly Ser Leu Leu Ser 115 120 125 CCT AGG CCC GTC TCC TAC CTG AAG GGC TCC TCG GGT GGA CCA CTG CTT 432 ro Arg Pro Val Ser Tyr Leu Lys Gly Ser Ser Gly Gly Pro Leu Leu 130 135 140 TGC CCT TCG GGG CAC GTT GTA GGC ATC TTC CGG GCT GCT GTG TGC ACC 480 Cys Pro Ser Gly His Val Val Gly Ile Phe Arg Ala Ala Val Cys Thr 145 150 155 160 CGG GGG GTT GCG AAG GCG GTG GAC TTC ATA CCC GTT GAG TCT ATG GAA 528 Arg Gly Val Ala Lys Ala Val Asp Phe Ile Pro Val Glu Ser Met Glu 165 170 175 ACT ACC ATG CGG TCT CCG GTC TTC ACA GAC AAC TCA TCC CCT CCG GCC 576 Thr Thr Met Arg Ser Pro Val Phe Thr Asp Asn Ser Ser Pro Pro Ala 180 185 190 GTA CCG CAA ACA TTC CAA GTG GCA CAT TTA CAC GCT CCC ACT GGC AGC 624 Val Pro Gln Thr Phe Gln Val Ala His Leu His Ala Pro Thr Gly Ser 195 200 205 GGC AAG AGC ACC AAA GTG CCG GCT GCA TAT GCA GCC CAA GGG TAC AAG 672 Gly Lys Ser Thr Lys Val Pro Ala Ala Tyr Ala Ala Gln Gly Tyr Lys 210 215 220 GTG CTC GTC CTA AAC CCG TCC GTT GCT GCC ACA TTG GGC TTT GGA GCG 720 Val Leu Val Leu Asn Pro Ser Val Ala Ala Thr Leu Gly Phe Gly Ala 225 230 235 240 TAT ATG TCC AAG GCA CAT GGC ATC GAG CCT AAC ATC AGA ACT GGG GTA 768 Tyr Met Ser Lys Ala His Gly Ile Glu Pro Asn Ile Arg Thr Gly Val 245 250 255 AGG ACC ATC ACC ACG GGC GGC CCC ATC ACG TAC TCC ACC TAT GGC AAG 816 Arg Thr Ile Thr Thr Gly Gly Pro Ile Thr Tyr Ser Thr Tyr Gly Lys 260 265 270 TTC CTT GCC GAC GGT GGA TGC TCC GGG GGC GCC TAT GAC ATC ATA ATA 864 Phe Leu Ala Asp Gly Gly Cys Ser Gly Gly Ala Tyr Asp Ile Ile Ile 275 280 285 TGT GAC GAA TGC CAC TCA ACT GAC TGG ACA ACC ATC TTG GGC ATC GGC 912 Cys Asp Glu Cys His Ser Thr Asp Trp Thr Thr Ile Leu Gly Ile Gly 290 295 300 ACA GTC CTG GAT CAG GCA GAG ACG GCT GGA GCG CGG CTC GTC GTG CTC 960 Thr Val Leu Asp Gln Ala Glu Thr Ala Gly Ala Arg Leu Val Val Leu 305 310 315 320 GCC ACC GCC ACG CCT CCG GGA TCG ATC ACC GTG CCA CAC CCC AAC ATC 1008 Ala Thr Ala Thr Pro Pro Gly Ser Ile Thr Val Pro His Pro Asn Ile 325 330 335 GAG GAA GTG GCC CTG TCC AAC ACT GGG GAG ATT CCC TTC TAT GGC AAA 1056 Glu Glu Val Ala Leu Ser Asn Thr Gly Glu Ile Pro Phe Tyr Gly Lys 340 345 350 GCC ATC CCC ATT GAG GCC ATC AAG GGG GGA AGG CAT CTC ATC TTC TGC 1104 Ala Ile Pro Ile Glu Ala Ile Lys Gly Gly Arg His Leu Ile Phe Cys 355 360 365 CAT TCC AAG AAG AAG TGT GAC GAG CTC GCC GCA AAG CTG ACA GGC CTC 1152 His Ser Lys Lys Lys Cys Asp Glu Leu Ala Ala Lys Leu Thr Gly Leu 370 375 380 GGA CTC AAT GCT GTA GCG TAT TAC CGG GGT CTC GAT GTG TCC GTC ATA 1200 Gly Leu Asn Ala Val Ala Tyr Tyr Arg Gly Leu Asp Val Ser Val Ile 385 390 395 400 CCG ACT AGC GGA GAC GTC GTT GTC GTG GCA ACA GAC GCT CTA ATG ACG 1248 Pro Thr Ser Gly Asp Val Val Val Val Ala Thr Asp Ala Leu Met Thr 405 410 415 GGC TTT ACC GGC GAC TTT GAC TCA GTG ATC GAC TGC AAC ACA TGT GTC 1296 Gly Phe Thr Gly Asp Phe Asp Ser Val Ile Asp Cys Asn Thr Cys Val 420 425 430 ACC CAG ACA GTC GAT TTC AGC TTG GAT CCC ACC TTC ACC ATT GAG ACG 1344 Thr Gln Thr Val Asp Phe Ser Leu Asp Pro Thr Phe Thr Ile Glu Thr 435 440 445 ACA ACC GTG CCC CAA GAC GCG GTG TCG CGC TCG CAG CGG CGA GGT AGG 1392 Thr Thr Val Pro Gln Asp Ala Val Ser Arg Ser Gln Arg Arg Gly Arg 450 455 460 ACT GGC AGG GGC AGG AGT GGC ATC TAC AGG TTT GTG ACT CCA GGA GAA 1440 Thr Gly Arg Gly Arg Ser Gly Ile Tyr Arg Phe Val Thr Pro Gly Glu 465 470 475 480 CGG CCC TCA GGC ATG TTC GAC TCC TCG GTC CTG TGT GAG TGC TAT GAC 1488 Arg Pro Ser Gly Met Phe Asp Ser Ser Val Leu Cys Glu Cys Tyr Asp 485 490 495 GCA GGC TGC GCT TGG TAT GAG CTC ACG CCC GCT GAG ACT ACA GTC AGG 1536 Ala Gly Cys Ala Trp Tyr Glu Leu Thr Pro Ala Glu Thr Thr Val Arg 500 505 510 TTG CGG GCT TAC CTG AAT ACA CCA GGG TTG CCC GTC TGC CAG GAC CAT 1584 Leu Arg Ala Tyr Leu Asn Thr Pro Gly Leu Pro Val Cys Gln Asp His 515 520 525 CTG GAG TTC TGG GAA AGC GTC TTC ACA GGC CTC ACC CAC ATA GAT GCC 1632 Leu Glu Phe Trp Glu Ser Val Phe Thr Gly Leu Thr His Ile Asp Ala 530 535 540 CAC TTC CTG TCC CAA ACC AAG CAG GCA GGA GAC AAC TTC CCC TAC CTG 1680 His Phe Leu Ser Gln Thr Lys Gln Ala Gly Asp Asn Phe Pro Tyr Leu 545 550 555 560 GTG GCA TAC CAA GCC ACG GTG TGC GCC AGG GCT CAG GCT CCA CCT CCA 1728 Val Ala Tyr Gln Ala Thr Val Cys Ala Arg Ala Gln Ala Pro Pro Pro 565 570 575 TCG TGG GAT CAA ATG TGG AAG TGT CTC ATA CGG CTT AAA CCT ACG CTG 1776 Ser Trp Asp Gln Met Trp Lys Cys Leu Ile Arg Leu Lys Pro Thr Leu 580 585 590 CAC GGG CCA ACA CCC CTG CTG TAT AGG CTA GGA GCC GTT CAA AAT GAG 1824 His Gly Pro Thr Pro Leu Leu Tyr Arg Leu Gly Ala Val Gln Asn Glu 595 600 605 ATC ACC CTC ACA CAT CCC ATA ACC AAA TTC GTC ATG GCA TGC ATG TCG 1872 Ile Thr Leu Thr His Pro Ile Thr Lys Phe Val Met Ala Cys Met Ser 610 615 620 GCC GAC CTG GAG GTC GTC ACT 1893 Ala Asp Leu Glu Val Val Thr 625 630
【0100】配列番号:6 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Gln Asp Leu Val 1 5
【0101】配列番号:7 配列の長さ:447 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列の特徴 特徴を表わす記号:CDS 存在位置:1..447 配列 GAG ATT CAG CTG CAG CAG ACT GGG CCT
GAA CTG GTG AAG CCT GGG GCT 48 Glu Ile Gln Leu Gln Gln Thr Gly Pro
Glu Leu Val Lys Pro Gly Ala 1 5
10 15 TCA GTG AAG ATA TCC TGC AAG GCT TCT
GGT TAT TCA TTC ACT GAC TAC 96 Ser Val Lys Ile Ser Cys Lys Ala Ser
Gly Tyr Ser Phe Thr Asp Tyr 20 25
30 GTC TTA ATC TGG GTG AAA CAG AGC CAT
GGA GAG AGC CTT GAG TGG ATT 144 Val Leu Ile Trp Val Lys Gln Ser His
Gly Glu Ser Leu Glu Trp Ile 35 40
45 GGA AAT AGT AAT CCT TAC TAT GGT AGA
ACT AGT TAC AAC CTG AAG TTC 192 Gly Asn Ser Asn Pro Tyr Tyr Gly Arg
Thr Ser Tyr Asn Leu Lys Phe 50 55
60 AAG GGC AAG GCC ACA TTG ACT GTA GAC
AAA TCT TCC AGC ACA GCC TAC 240 Lys Gly Lys Ala Thr Leu Thr Val Asp
Lys Ser Ser Ser Thr Ala Tyr 65 70
75 80 ATG CAG CTC AAC AGT CTG ACA TCT GAG
GAC TCT GCA GTC TAT TAT TGT 288 Met Gln Leu Asn Ser Leu Thr Ser Glu
Asp Ser Ala Val Tyr Tyr Cys 85
90 95 GCA AGG GGG GGT TTC TAT GCT ATG GAC
TAC TGG GGT CAA GGA ACC TCA 336 Ala Arg Gly Gly Phe Tyr Ala Met Asp
Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Ser 100 105
110 GTC ACC GTC TCC TCA GCC AAA ACG ACA
CCC CCA TCT GTC TAT CCA CTG 384 Val Thr Val Ser Ser Ala Lys Thr Thr
Pro Pro Ser Val Tyr Pro Leu 115 120
125 GCC CCT GGA TCT GCT GCC CAA ACT AAC
TCC ATG GTG GCC ATG GGC TGC 432 Ala Pro Gly Ser Ala Ala Gln Thr Asn
Ser Met Val Ala Met Gly Cys 130 135
140 CTG GCC CGG GAC TTC
447 Leu Ala Arg Asp Phe 145
【0102】配列番号:8 配列の長さ:501 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列の特徴 特徴を表わす記号:CDS 存在位置:1..501 配列 GAC ATT GTG ATG ACC CAG GCT GCA CCC TCC GTA CCT GTC ACT CCT GGA 48 Asp Ile Val Met Thr Gln Ala Ala Pro Ser Val Pro Val Thr Pro Gly 1 5 10 15 GAG TCA GTA TCC ATC TCC TGC GGG TCT AGT AAG AGT CTC CTG CAT AGT 96 Glu Ser Val Ser Ile Ser Cys Gly Ser Ser Lys Ser Leu Leu His Ser 20 25 30 GAT GGC AAC ACT TAC TTG TAT TGG TTC CTA CAG AGG CCA GGC CAG TCT 144 Asp Gly Asn Thr Tyr Leu Tyr Trp Phe Leu Gln Arg Pro Gly Gln Ser 35 40 45 CCT CAG CTC CTG ATA TAT CGG ATG TCC AAC CTT GCC TCA GGA GTC CCA 192 Pro Gln Leu Leu Ile Tyr Arg Met Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val Pro 50 55 60 GAC AGG TTC AGT GGC AGT GGG TCA GGA ACT GCT TTC ACA CTG AGA ATC 240 Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Ala Phe Thr Leu Arg Ile 65 70 75 80 AGT AGA GTG GAG GCT GAG GAT GTG GGT GTT TAT TAC TGT ATG CAA CAT 288 Ser Arg Val Glu Ala Glu Asp Val Gly Val Tyr Tyr Cys Met Gln His 85 90 95 CTA GAA TAT CCG TAC ACG TTC GGA GGG GGG ACC AAG CTG GAA ATA AGA 336 Leu Glu Tyr Pro Tyr Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Arg 100 105 110 CGG GCT GAT GCT GCA CCA ACT GTA TCC ATC TTC CCA CCA TCC AGT GAC 384 Arg Ala Asp Ala Ala Pro Thr Val Ser Ile Phe Pro Pro Ser Ser Asp 115 120 125 GAG TTA ACA TCT GGA GGT GCC TCA GTC GTG TGC TTC TTG AAC AAC TTC 432 Glu Leu Thr Ser Gly Gly Ala Ser Val Val Cys Phe Leu Asn Asn Phe 130 135 140 TAC CCC AAA GAC ATC AAT GTC AAG TGG AAG ATT GAT GGC AGT GAA CGA 480 Tyr Pro Lys Asp Ile Asn Val Lys Trp Lys Ile Asp Gly Ser Glu Arg 145 150 155 160 CAA AAT GGC GTC CTG AAC AGT 501 Gln Asn Gly Val Leu Asn Ser 165
【0103】配列番号:9 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ATGTACTCAA AGCGGACGGG GCGA 24
【0104】配列番号:10 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TTGCCCTGAT ATTCGTCAGC G 21
【0105】配列番号:11 配列の長さ: 18 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gln Met Tyr Thr Asn Val Asp Gln Asp Leu Val Gly Trp Pro Ala Pro 1 5 10 15 Pro Gly
【0106】配列番号:12 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0107】配列番号:13 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Glu Met Gln Lys Ala Asp Arg Asp Leu Val Val 1 5 10
【0108】配列番号:14 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0109】配列番号:15 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0110】配列番号:16 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0111】配列番号:17 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0112】配列番号:18 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0113】配列番号:19 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0114】配列番号:20 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0115】配列番号:21 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0116】配列番号:22 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0117】配列番号:23 配列の長さ: 15 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Asp Val Ile Pro Val Arg Arg Arg Gly Asp Ser Arg Gly Ser 1 5 10 15
【0118】配列番号:24 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0119】配列番号:25 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0120】配列番号:26 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0121】配列番号:27 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0122】配列番号:28 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0123】配列番号:29 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0124】配列番号:30 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0125】配列番号:31 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0126】配列番号:32 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0127】配列番号:33 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0128】配列番号:34 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0129】配列番号:35 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala His Cys Gly Trp Glu Tyr Leu Gly
Trp Pro Ser Gly Leu Cys Leu 1 5
10 15
【0130】配列番号:36 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Cys Gly Pro Gly Trp Pro Leu Ile Leu Lys Asp Asp Met Lys Ala 1 5 10 15
【0131】配列番号:37 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0132】配列番号:38 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0133】配列番号:39 配列の長さ: 15 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Cys Gly Pro Ala Trp Pro Ser Val Gly Ala Ser Cys Ser Ala Ser 1 5 10 15
【0134】配列番号:40 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Cys Gly Pro Gly Trp Pro Tyr Trp His Tyr Pro Pro Met Thr Asp 1 5 10 15
【0135】配列番号:41 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Cys Gly Pro Asn Gly Trp Pro Ser Asn Gln Trp Ile Gln Tyr His 1 5 10 15
【0136】配列番号:42 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Cys Gly Pro Gly Trp Arg Thr Gly Ala Ala Arg His Leu Gly Ser 1 5 10 15
【0137】配列番号:43 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ile Arg Arg Thr Val Gly Arg Gly Trp Pro Val Asp Gly Leu Cys Leu 1 5 10 15
【0138】配列番号:44 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Cys Gly Pro Gly Trp Ala Ser Gly Ser Thr Gln Met Leu Asp Ala 1 5 10 15
【0139】配列番号:45 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Trp Cys Gly Pro Gly Trp Pro Gln Val Gly Gln Thr Gly Ile Pro Phe 1 5 10 15
【0140】配列番号:46 配列の長さ: 16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Met Ala Ser Leu Thr Pro Gly Trp Arg Ile Ala Gly Leu Cys Leu 1 5 10 15
【0141】配列番号:47 配列の長さ: 12 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0142】配列番号:48 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0143】配列番号:49 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0144】配列番号:50 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0145】配列番号:51 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GACATTGTGA TGACMCAGGC TGCACCCTCC
30
【0146】配列番号:52 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0147】配列番号:53 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GAGATTCAGC TGCAGCAGAC TGGG 24
【0148】配列番号:54 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GAAGTCCCGG GCCAGGCAGC CCATGGCCAC 30
【0149】配列番号:55 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ACTGTTCAGG ACGCCATTTT GTCGTTCACT 30
【0150】配列番号:56 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Tyr Ser Phe Thr Asp Tyr Val Leu Ile Trp Val Lys Gln Ser 1 5 10 15
【0151】配列番号:57 配列の長さ:17 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Ser Asn Pro Tyr Tyr Gly Arg Thr Ser Tyr Asn Leu Lys Phe Lys 1 5 10 15 Gly
【0152】配列番号:58 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Ala Arg Gly Gly Phe Tyr Ala Met
Asp Tyr Trp Gly Gln Gly 1 5
10 15
【0153】配列番号:59 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Thr Asp Tyr Val Leu Ile Trp 1 5
【0154】配列番号:60 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg Ser Ser Lys Ser Leu Leu His Ser Asp Gly Asn Thr Tyr Leu Tyr 1 5 10 15
【0155】配列番号:61 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Leu Ile Tyr Arg Met Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val Pro Asp 1 5 10 15
【0156】配列番号:62 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Tyr Tyr Cys Met Gln His Leu Glu Tyr Pro Tyr Thr Phe Gly 1 5 10
【0157】配列番号:63 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0158】配列番号:64 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0159】配列番号:65 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0160】配列番号:66 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0161】配列番号:67 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0162】配列番号:68 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 NNNCGGCCGA GGAGACGGTG ACTGAGGTTC C 31
【0163】配列番号:69 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 NNNGGCCCAG CCGGCCATGG CCGAGATTCA GCTGCAGCAG AC 32
【0164】配列番号:70 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 NNNCCGCGGT TATTTCCAGC TTGGTCCCCC 30
【0165】配列番号:71 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 NNNGATATCG TGATGACCCA GGCTGCA 27
【図面の簡単な説明】
【図1】C型肝炎ウイルス遺伝子構造とそれにコードさ
れる各種蛋白質を示す図。
【図2】mAb 8D4抗体のH鎖のFv領域をコードするcDNA
の塩基配列及びその対応するアミノ酸配列を示す図。
【図3】mAb 8D4抗体のL鎖のFv領域をコードするcDNA
の塩基配列及びその対応するアミノ酸配列を示す図。
【図4】mAb 8D4抗体の添加濃度に対するHCVセリンプロ
テアーゼとの結合活性の指標kon値をプロットしたLinea
r Fitの結果を示す図。
【図5】mAb 7E9抗体の添加濃度に対するHCVセリンプロ
テアーゼとの結合活性の指標kon値をプロットしたLinea
r Fitの結果を示す図。
【図6】mAb 7E3抗体の添加濃度に対するHCVセリンプロ
テアーゼとの結合活性の指標kon値をプロットしたLinea
r Fitの結果を示す図。
【図7】mAb 8D4抗体、mAb 7E9抗体、mAb 7E3抗体の組
換え型HCVセリンプロテアーゼMBP-p70に対する酵素活性
阻害能を示す図。
【図8】ウサギ網状赤血球溶血液を用いたHCVゲノムの
試験管内転写・翻訳系を利用したHCVプロテアーゼ酵素
アッセイ系の概要を示す図。
【図9】ウサギ網状赤血球溶血液を用いたHCVゲノムの
試験管内転写・翻訳系で発現したNS3/4A融合蛋白質のci
sの切断に対するmAb 8D4抗体、mAb 7E9抗体、mAb 7E3抗
体の阻害活性を比較する電気泳動写真。
【図10】NS3/4A融合蛋白質のcisの切断に対するmAb 8
D4抗体の阻害活性における濃度依存性を示す電気泳動写
真。
【図11】ウサギ網状赤血球溶血液を用いたHCVゲノム
の試験管内転写・翻訳系でNS5A/5Bを翻訳させる際、NS3
プロテアーゼ又はNS3/4Aプロテアーゼによるtransの切
断の有無を切断産物である分子量66 kDaのNS5B蛋白質量
の比較により検証する電気泳動写真。
【図12】NS5A/5Bを翻訳させる際、NS3/4Aプロテアー
ゼのtransの切断に対するmAb 8D4抗体、mAb 7E9抗体、m
Ab 7E3抗体の阻害活性の有無を検証する電気泳動写真。
【図13】ランダムペプチドライブラリーのプラスミド
pFliTrxの概要を示す図。
【図14】プラスミドpFliTrx中のランダムペプチドコ
ーディング領域の塩基配列の上流及び下流に存在する既
知の塩基配列を示す図。
【図15】mAb 8D4抗体と結合能を持つペプチドのアミ
ノ酸配列と推定されるエピトープ配列との対応を示す
図。
【図16】mAb 7E9抗体と結合能を持つペプチドのアミ
ノ酸配列と推定されるエピトープ配列との対応を示す
図。
【図17】mAb 7E3抗体と結合能を持つペプチドのアミ
ノ酸配列と推定されるエピトープ配列との対応を示す
図。
【図18】mAb 8D4抗体、mAb 7E9抗体、mAb 7E3抗体の
エピトープの存在位置をHCVセリンプロテアーゼの分子
上に示す図。
【図19】mAb 8D4抗体由来のCDRペプチドによるHCVプ
ロテアーゼ阻害活性の有無を示す図。
【図20】mAb 8D4抗体H鎖のCDR1を内部に持つCDRペプ
チドによるHCVプロテアーゼ阻害活性に対するペプチド
鎖長による差違を示す図。
【図21】mAb 8D4抗体由来の種々CDRペプチドおけるHC
Vプロテアーゼ阻害活性とアミノ酸置換の効果を示す
図。
【図22】形質転換大腸菌株E.coli JM109/pET-8D4中に
保持されているプラスミドpET-8D4の概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 9/99 A61K 39/395 ACSD // A61K 38/55 ADY C12N 5/00 B 39/395 ACS A61K 37/64 ADY (C12N 15/09 ZNA C12R 1:92)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記アミノ酸配列(I): Asp−Xaa−Val−Leu−Ile (Xaaは、Tyr、Trp又はPheを表す)を含み、全鎖長が7
    〜20アミノ酸の直鎖状ペプチドからなる、C型肝炎ウイ
    ルス由来のセリンプロテアーゼに対する中和抗体部分ペ
    プチド。
  2. 【請求項2】 下記アミノ酸配列(II): Xaa−Tyr−Val−Leu−Ile (Xaaは、Asp、Ala、Glu又はArgを表す)を含み、7〜20
    アミノ酸の直鎖状ペプチドからなる、C型肝炎ウイルス
    由来のセリンプロテアーゼに対する中和抗体部分ペプチ
    ド。
  3. 【請求項3】 下記アミノ酸配列(III): Asn−Ser−Asn−Pro−Tyr−Tyr−Gly−Arg−Thr−Ser−
    Tyr−Asn−Leu−Lys−Phe−Lys−Gly を含み、7〜20アミノ酸の直鎖状ペプチドからなる、C
    型肝炎ウイルス由来のセリンプロテアーゼに対する中和
    抗体部分ペプチド。
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