JPH11126233A - 診療情報記録システム - Google Patents

診療情報記録システム

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JPH11126233A
JPH11126233A JP30927597A JP30927597A JPH11126233A JP H11126233 A JPH11126233 A JP H11126233A JP 30927597 A JP30927597 A JP 30927597A JP 30927597 A JP30927597 A JP 30927597A JP H11126233 A JPH11126233 A JP H11126233A
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JP
Japan
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medical
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information
recording system
data
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Application number
JP30927597A
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English (en)
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Shiro Shiraokawa
史朗 白男川
Hiroshi Hirai
浩 平井
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HIKARI MEDICAL KK
Original Assignee
HIKARI MEDICAL KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ひとりひとりの患者の診療情報を、複数の医療
関係機関で相互に利用できるようにする。ただし、患者
のプライバシ保護並びに患者自身による情報秘匿の意思
を尊重する。 【解決手段】治療、検査および投薬に関する記録が格納
され各患者がそれぞれ自身で所有して携帯する追記型の
2次情報記録媒体Cと;各医療関係機関X、Y、Zに設
置され、医療関係機関を利用した患者が持参した2次情
報記録媒体に利用情報を格納する情報書込み手段Ca〜
Cd、Cy、Czと;各医療関係機関に設置され、医療
関係機関を利用した患者が持参した2次情報記録媒体に
格納された情報を、各医療関係機関に応じた制限の下に
読み出すことができる情報読出し手段Ca〜Cd、C
y、Czとを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は診療情報の記録シス
テムに関する。より詳細には、本発明は、病院、薬局、
検査機関などの医療関係機関で行われた診療、投薬ある
いは検査等に関する診療情報を、文字、画像あるいは音
声等の情報形態で記録するシステムであって、特に、複
数の医療関係機関において各患者の診療並びに投薬の履
歴を相互に参照することが可能であると同時に、プライ
バシー保護並びに医療関係機関への情報提示に関する各
患者の意思を尊重することができる全く新規な診療情報
記録システムに関する。
【0002】
【従来の技術】病院、薬局等の各種医療関係機関におい
ても、近年発達の著しい情報処理装置を用いて作業の合
理化と情報資産の利用拡大を実現しようという試みが種
々行われている。また、各医療関係機関および医療保険
制度そのものの合理化という観点からも医療関係機関へ
の各種情報処理装置の導入が広まっている。従って、検
査装置の個別の自動化と共に検査記録の出力並びに保管
に情報処理装置を導入したり、事務処理部門をいわゆる
OA化したり、情報処理装置を利用してカルテを電子化
したりすることが既に実施されつつある。
【0003】上記のような状況に鑑みて、情報処理技術
の分野においても種々の発明が提案されている。例え
ば、特開昭60-54550号公報、特開昭61−161571号公報、
特開昭61−260356号公報、特開昭62−247463号公報、特
開昭62−269534号公報、特開平5-2613号公報、特開平5
-35756号公報、特開平5-225212号公報、特開平6-83880
号公報等に関連した技術が開示されている。
【0004】即ち、特開昭60-54550号公報では、病院内
での伝票処理を電子化して転記作業の重複を解消するこ
とが提案されている。特開昭61−161571号公報では、電
子情報を格納したカードを各患者の認証のために使用す
ることが提案されている。特開昭61−260356号公報で
は、外来患者の受付事務、カルテ検索、順番待ちの対応
等に磁気カードを利用することが提案されている。特開
昭62−247463号公報ではメモリカードに検査データを蓄
積することが記載されている。特開昭62−269534号公報
では、病院内の様々な手続をひとつのネットワークシス
テムで処理することが提案されている。特開平5-2613号
公報では、ネットワークシステムを利用することによ
り、複数の病院で共通のデータベースを使用することが
提案されている。特開平5-35756号公報では、病院内で
使用する情報処理装置においてオペレータの操作を軽減
することが提案されている。特開平5-225212号公報で
は、各患者に対応したIDカードに各種情報を蓄積させ
ることが提案されている。特開平6-83880 号公報では、
データベースに蓄積された診察情報を利用し易いように
表示することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば医師
は、各患者に対して行った診療行為について「カルテ」
を記録することが義務付けられている。カルテは、5年
間の保存が義務付けられており、従って、医師は、再診
の患者に対しては既往歴や投薬歴、レントゲン検査の有
無等についての記録を参照することができる。しかしな
がら、患者の転居等の種々の理由により通院先が変わっ
た場合は、このような過去の診療記録が他の医療関係機
関にまで伝えられることはむしろ稀である。このため、
検査、投薬の重複や過剰なX線被曝等、患者自身にとっ
て不利益あるいは危険な場合があるだけではなく医療保
険の財政的逼迫の一因にもなっている。
【0006】そこで、前述した医療分野における情報処
理装置の利用に関する発明を適用して複数の医療関係機
関で情報を参照し合うことも考えられるが、実際には、
従来の技術では下記のような問題点がある。
【0007】即ち、カルテに記載されるような診療情報
は、医師等の特別な資格を有するものだけが参照できる
情報である。これに対して、例えば検査技師は医師の検
査指示に従って一部の診療情報を参照しつつ検査を実施
し、例えば薬剤師は医師の投薬指示に従って薬剤を調製
する。また、医療事務部門は、患者への料金請求や医療
保険組織へのレセプトの記載に関係する項目のみを参照
して事務処理を行う。このように当事者の各々の業務に
応じて必要な情報が異なるために、医療関係機関で構築
する情報処理システムは複雑にならざるを得ない。そこ
で、部門あるいは機関毎に個別の情報処理システムを構
築する場合もあるが、このようなシステム構成では、設
備や操作の重複により合理的なシステムを実現すること
ができない。
【0008】そこで、使用資格の異なるユーザがひとつ
のデータベースを利用するシステムを構築することも考
えられる。しかしながら、複数の医療関係機関が利用す
るようなデータベースシステムは、その規模が極端に大
きくなるので実現は非常に困難である。また、各々の医
療関係機関で既に導入され、稼働している多くの情報処
理システムがあり、それらのデータに必ずしも互換性が
無いことを考えれば、多くの医療機関で共通に利用し得
るデータベースシステムを構築することは実際には極め
て困難である。
【0009】また、診療情報には、癌等の病名のように
患者自身への告知が問題とされる情報があると同時に、
医師と患者との人間関係等によって患者自身が医師に対
して秘匿を希望する情報もある。また、エイズのよう
に、単純な対応ではプライバシーの保護に問題が生じる
ような場合もある。従って、自分自身に対する診療情報
の利用には患者の意思を反映できることが望ましいが、
従来の医療関係機関のための情報処理システムには、患
者の意思やプライバシー保護への希望が反映される余地
はない。
【0010】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決し、患者のプライバシー並びに意思を尊重しつ
つ、複数の医療関係機関で診療情報を参照しあえるよう
な新規な診療情報記録システムを提供することをその目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従うと、
診療並びに投薬に関する記録が格納され各患者がそれぞ
れ自身で所有する追記型の2次情報記録媒体と;各医療
関係機関または医療関係部署に設置され、該医療関係機
関または医療関係部署を利用した患者が持参した該2次
情報記録媒体に利用情報を格納する情報書込み手段と;
各医療関係機関または医療関係部署に設置され、該医療
関係機関または医療関係部署を利用した患者が持参した
該2次情報記録媒体に格納されたデータを、該各医療関
係機関、医療関係部署または操作者の各々に応じた制限
の下に読み出すことができる情報読出し手段とを含むこ
とを特徴とする診療情報記録システムが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る診療情報記録システ
ムは、診療情報自体は追記型の2次情報記録媒体に格納
し、この記録媒体の利用は患者自身の判断に委ねられる
という点にその主要な特徴がある。
【0013】即ち、この診療情報システムにおいては、
患者自身が所有し携帯できる2次情報記録媒体に診療情
報が記録される。この2次情報記録媒体は追記型で、一
旦記録された診療情報は、たとえ有資格者が訂正した場
合でも、訂正前のものも含めて内部的には情報が消去さ
れることがない。このような2次情報記録媒体を、各患
者は、自分が利用する医療関係機関、即ち、病院、薬
局、検査機関、保険所等に任意に提出できる。各医療関
係機関では、この2次情報記録媒体の内容を読み出すこ
とにより各患者の症状、既往歴、検査の有無とその結果
等の診療情報を参照することができると共に、そこで行
われた診療、投薬、検査等に関する情報を追加できる。
【0014】但し、この診療情報システムにおいては、
記録媒体に対する診療情報の書込みおよび読出しは、各
医療関係機関、部署あるいは操作者に対してそれぞれ許
された範囲で行われる。例えば、診療情報のうち、医学
的な内容については医師のみが書込みおよび読出しが許
される。一方、例えば受付、事務処理部門等は、料金の
算出に関係する治療項目や検査項目については読み出す
ことができるが書込みは許されない。また、検査機関ま
たは検査部門では、検査項目や検査報告に対する指示を
読み出し検査結果を書き込むことはできるが、その他の
情報にはアクセスできない。但し、検査薬に対するアレ
ルギー症状等、検査に関係する医療情報は参照すること
ができる。更に、例えば薬局では、医師の投薬指示に関
する情報のみを参照することができる。また更に、癌や
エイズ等のように患者自身あるいは他者への病名告知に
ついて慎重であるべき事項については読み出しに対する
制限が厳しい。
【0015】更に、本発明に係る診療情報システムで
は、診療情報の記録された2次記録媒体自体は各患者の
所有に帰すると共に、患者自身が携帯する。従って、こ
のシステムに対応した医療機関を利用する場合でも、シ
ステムの利用の可否は各患者の意思に任される。また、
診療情報を利用する場合でも、各医療関係機関に応じた
制限のもとに診療情報が参照されるので、患者のプライ
バシーが徒に侵害されることはない。一方、この診療情
報記録システムを利用し続ける限り、各患者の過去の診
療情報が蓄積されるので、検査の重複や過剰な投薬、過
大なX線被曝等を未然に防止することができると同時
に、効率の良い診療が可能になる。
【0016】また、本発明に係る診療情報記録システム
では、患者の所有する2次情報記録媒体に対するインタ
ーフェースさえ確保されていれば、各医療関係機関が使
用する情報処理システムについては特別な制限が無い。
従って、大規模な病院では、その病院の情報処理システ
ムの一部として組み込むことができ、一方、小規模な診
療所や薬局等では、パーソナルコンピュータ等の廉価な
情報処理装置を用いてシステムに対応することができ
る。また、医療関係機関相互のネットワーク接続のため
の設備の導入やそのための特別なソフトウェアの導入並
びにその操作の習得は必要ない。従って、大規模なネッ
トワークシステムのような莫大な投資をすることなく、
複数の医療関係機関で診療情報を共有するシステムを構
築することができる。
【0017】更に、総合病院等の大規模な医療関係機関
では、診療部門、事務部門、検査部門等のセクション毎
に制限範囲の異なる読出し/書込み手段を配置してこの
システムを利用することができる。即ち、このシステム
を導入することにより、伝票の転記作業や再入力作業に
伴う誤記の防止や作業量の抑制が可能になり、部門間で
の業務の受渡しが迅速且つ正確になる。
【0018】尚、本発明の好ましい一態様に従うと、患
者が携帯する追記型2次情報記録媒体としては、レーザ
カードあるいはドレックスラカード(商品名)等と呼ば
れる光学式記録媒体が好ましい。この記録媒体は完全な
追記型で一旦記録された情報は変更することができない
ので内容の保存が確実である。また、数メガバイトの記
録容量を持つので、文字による診療情報の他、レントゲ
ン写真や患部に関する画像情報、問診時の患者の会話等
の保存も充分可能である。更に、比較的軽便な書込み/
読込み装置が提供されているので、種々の情報処理装置
に接続して使用することができる。
【0019】更に、本発明の更に好ましい態様による
と、上記追記型2次情報記録媒体の書込み/読み取り装
置(以下、「ドライブ装置」と記載する)に情報利用の
制限を実装することにより、診療情報の利用制限を確実
なものとすることができる。即ち、ドライブ装置にハー
ドウェアの一部として利用制限機能を実装することによ
り高いセキュリティを実現できる。また、実際のドライ
ブ装置は小型且つ軽量なので、資格者が使用しないとき
はドライブ装置自体を取り外すことでより完全なセキュ
リティを実現できる。なお、記録媒体上の診療情報が、
何らかの方法で暗号化されていることが好ましいことは
いうまでもない。
【0020】また更に、本発明の他の好ましい態様によ
ると、各機関または部署における情報の読み出し並びに
書込みは、それぞれの機関または部署における情報処理
と併せて実行される。即ち、医師は、カルテへの記入を
兼ねて診療情報、検査指示、投薬指示等を書き込むこと
ができ、検査部門では検査結果の記録操作を兼ねて情報
を記録することができる。また、事務部門では、会計処
理や保険処理と同時にデータの書込みを行うようにシス
テムを構成することができる。このような構成にすれ
ば、診療情報の記録に係わる付加的な作業は必要ない。
【0021】以下、図面を参照してより具体的に説明す
るが、以下の開示は本発明の一実施例に過ぎず本発明の
技術. 範囲を何ら限定するものではない。
【0022】
【実施例】図1は、本発明に係る診療情報記録システム
の構成例を模式的に示す図である。尚、本実施例では、
患者が携帯する追記型2次情報記録媒体として日本コン
ラックス社製のデラ(DELA)方式の光記録カードを
使用するものとする。
【0023】同図に示すように、ここに示す診療情報記
録システムは、受付a、事務室b、診察室c、検査室d
等を備えた病院Xと、病院Xで処方された薬品を患者に
販売する薬局Yと、病院Xとは別の診療所ZとカードC
を所有する患者Qを含んで構築されている。病院Xで
は、受付a、事務室b、診察室c、検査室dのそれぞれ
に情報処理装置または端末装置Pa〜Pdと、これに接
続された、各部署に応じた制限を実装されたカードドラ
イブCa〜Cd装置が導入されている。また、薬局Yと
診療所Zにも、それぞれ光カードドライブ装置Cy、C
cを接続されたパーソナルコンピュータPy、Pzが導
入されている。但し、これらの各医療関係機関に導入さ
れている各情報処理装置または端末装置Pa〜Pdは、
必ずしもネットワークで接続されている訳ではない。特
に、薬局Yや診療所Zに導入されているパーソナルコン
ピュータは全くスタンドアロンで稼働している。
【0024】図2は、上記のようなシステムにおいて使
用される光カードに格納されたデータ構造を模式的に示
す図である。
【0025】同図に示すように、この光カードCには、
患者の氏名、血液型、生年月日、社会保険番号等、この
システムの利用者に常に参照される識別データDpと共
に、受付データDa、医療事務データDb、治療データ
Dc、検査データDd、投薬データDy等がそれぞれ診
療データとして格納されている。更に、ここで、医療事
務データDa、治療データDc、投薬データDzおよび
検査データDdの各診療データは、データ単位毎に、そ
のデータがどの種類のデータであるかを示すヘッダHa
〜Hd、Hpを含んでいる。また、各データは、そのデ
ータの種類に固有のアルゴリズムAa〜Ad、Apを使
って暗号化されている。従って、各種類のデータを適切
に書込みまたは読み出すためには各データの種類に応じ
たアルゴリズムが不可欠である。尚、ひとつのデータに
複数の属性がある場合もある。即ち、例えば、診療デー
タのうち治療項目自体は事務処理において料金算出や保
険請求処理のためにも必要である。従って、治療項目に
ついては、医療事務データのアルゴリズムAaと互換性
のあるアルゴリズムで記載される。このような他の種類
のデータと互換性のあるデータについては、図中では便
宜的に複数のヘッダにより表すが、暗号化アルゴリズム
の部分的な互換性を実現する技術は情報処理技術の分野
に属するものであり、本明細書では詳細な説明は割愛す
る。
【0026】図3は、上記のような診療情報記録システ
ムにおいて好適に使用できる2次情報記録媒体のドライ
ブ装置の構成例を模式的に示す図である。尚、このドラ
イブ装置は、汎用の情報処理装置あるいは端末装置であ
る主装置の汎用入出力ポートにケーブルで接続して使用
される。
【0027】同図(a) 〜(d) に示すように、このドライ
ブ装置は、その使用者の資格によって内部の構成が異な
っている。即ち、このドライブ装置は、ケーブルを接続
するためのコネクタ11と、このドライブ装置が接続され
る主装置との情報伝送を行う通信回路12と、装入された
カードに記録された情報を解読するためのアルゴリズム
を格納したROM15と、ROM15を参照して情報を解読
する解読回路13と、この装置に装入されたカードに情報
の読み書きを行う書込み/読み出し装置14とをそれぞれ
備えている。
【0028】ここで、ドライブ装置に実装されたROM
15の内容は、ドライブ装置により異なっている。即ち、
図3(a) に示すドライブ装置では、アルゴリズムAaの
みが格納されたROMが実装されている。従って、この
ドライブ装置では、受付業務に必要なデータDaのみを
書込みあるいは読み出すことができる。しかしながら、
他のアルゴリズムAb〜Adが必要なデータDb〜Dd
は、このドライブ装置では全く読み書きできない。ま
た、図3(c) に示すドライブ装置は、アルゴリズムAb
〜Adを格納したROMを実装している。従って、この
ドライブ装置では、診療データDc、検査データDd、
投薬データDzを全て読み書きすることができる。同様
に、図3(b) および(d) に示す各ドライブ装置も、それ
ぞれのROMに格納されたアルゴリズムに対応したデー
タのみを取り扱うことができる。尚、患者の識別データ
Dpは、いずれのドライブにおいても参照されるので、
アルゴリズムApは、全てのドライブ装置に実装されて
いる。但し、識別データDpについては、最初にカード
をパーソナライズするとき以外は書き込みが許されな
い。
【0029】上記のようなドライブ装置を、事務担当
者、医師、薬剤師、検査技師等が、それぞれの資格に応
じて使用すれば、それぞれに許可されたデータを取り扱
うことができる。一方、接続された主装置に関わりな
く、このドライブ装置を使用すれば、ドライブ装置の所
有者に許可されたデータをカードに書込みあるいは読み
出すことができる。従って、ドライブ装置自体を主装置
から取り外して持参することにより、留守中の他者の使
用を制限することができると同時に、他の主装置に接続
すれば異なる場所でも業務を行うことが可能になる。
【0030】上記のようなシステムにおいて患者Qが病
院Xで診療を受ける際には、まず、受付aにおいて自身
の所有する光カードCを提出する。ここで、患者Qのカ
ードCは受付aのドライブ装置Caに装入され、患者Q
の保険証番号やこの患者Qが初診であるか再診である
か、主事医の有無等の事務データをカードCから読み取
り受付a処理を行う。次いで、患者Qは、カードCを持
参して診療室cに赴く。ここで、医師は、患者Qのカー
ドCを自身のドライブ装置Ccに装入した状態で既往歴
等を参照しつつ問診を行い、所見や検査の指示等を書き
込む。次に、患者Qは、カードCを持参して検査室dに
行き検査を受ける。ここで、検査技師は、患者Qのカー
ドCを自身のドライブ装置Cdに装入し、医師の検査指
示並びに患者Qのアレルギ感応やX線被曝歴を参照しつ
つ検査を行い、検査結果をカードCに書き込む。尚、実
際には、多くの検査装置において検査結果の出力は自動
化されている。従って、適切なインターフェースを介在
させることにより、検査データの書込みは自動化でき
る。また、レントゲン検査、CT、MRI、超音波エコ
ー等のように医師自身の所見が必要な検査の場合は、医
師が自己のドライブ装置Ccを検査室dに持参すれば、
そこに設置された主装置に接続して所見を診療情報とし
て書き加えることができる。患者Qは、検査結果の記録
されたカードCを持参して再び診察室cに行く。ここ
で、医師は、カードCから検査結果を参照しつつ処置を
行い、治療の記録、投薬指示等をカードCに書き込む。
診療を終えた患者Qは、カードCを持参して受付aにカ
ードCを持参する。受付aでは、カードCから検査項
目、治療項目等を参照して料金の算出を行う。また、事
務室bでは保険請求処理等を行う。更に、患者Qは自身
のカードCを持参して薬局Yに行く。薬局Yでは、そこ
のドライブ装置Cyで医師の投薬指示を参照して薬剤を
販売する。
【0031】尚、上記の一連のカードの操作において、
カードへの情報の書込み作業を、各部署における情報処
理のための作業と同時に行うように装置を構成すること
が好ましい。即ち、例えば診察室では、電子化されたカ
ルテの記入操作に際して、カードに記載すべきデータに
ついては自動的にカードに適切な属性で記載されるよう
に構成することは比較的容易なことである。また、受付
や事務室において、POSシステムや金銭登録機等への
データ入力の際に、カードに記録すべき事務データをカ
ードにも記録するように構成することもできる。更に、
既に述べたように、各種検査機器の出力をカードに直接
に記録することもできる。
【0032】また、上記病院Xおよび薬局Yに行ったの
と同じ患者Qが、自宅の近所の診療所Yに通院した場
合、医師Yは、自身のドライブ装置に患者Qのカードを
装入することにより治療記録や投薬記録を参照でき、効
率の良い問診を迅速に行うことができる。また、この病
院は小規模で複数の部署を備えている訳ではないが、医
師の資格で使用できるドライブ装置は、事務データや検
査データにもアクセスできるので、医療事務の処理にも
カードを利用することができる。
【0033】このように、この診療情報記録システムを
利用することにより、検査施設を備えていない診療所Z
でも、高度な検査データを参照して治療を行うことがで
きる。逆に、普段はこの診療所Zに通院している患者が
前記の病院Xで治療を受ける場合、既往歴や薬物アレル
ギーの有無等について従来の診療で判明している診療情
報を参照することができ、患者への問診を効率良く正確
に行うことができる。更に、光カードを携帯している患
者が不測の事態により救急病院に入院したようなとき
も、光カードの診療情報を参照することにより迅速且つ
適切な対処が可能になる。
【0034】尚、上記のような用途で使用する光カード
は一般に、その片面のみを情報記録に利用する。従っ
て、情報記録に利用しないカードの裏面には、その光カ
ードの所有者の氏名、写真等を記載しておくことによ
り、カードの誤用防止や紛失時の処理に利便を図ること
ができる。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る診療情報システムにおいて
は、患者が所有する追記型の記録媒体に診療情報が格納
され、この診療情報の利用については、各医療関係機関
の資格に応じて予め制限が設定されている。従って、単
一の診療情報を多くの医療関係機関で利用することがで
き、情報を効率良く蓄積並びに再利用できる。また、検
査の重複や過剰な投薬、X線被曝等を未然に防止するこ
とができ、効率の良い診療が可能になるので、医療保険
の過剰な支出を抑制することができる。
【0036】一方、本発明に係る診療情報記録システム
では診療情報を格納した情報記録媒体は患者自身の所有
に帰し、その使用は患者自身の意思に委ねられる。従っ
て、各患者の意思並びにプライバシーを充分に尊重する
ことができる。また、医師の診断に不信を抱いた場合等
は、自身の責任において光カードを提出しないで改めて
他の医療関係機関で診療を受けることもできる。更に、
患者に臓器移植のドナーとなる意思がある場合はその旨
を記録しておくこともできる。また更に、宗教上の理由
等により忌避すべき食品や治療方法等がある場合は、こ
の光カードに予めその旨を記録しておくことにより病院
での迅速な対応が可能になる。
【0037】更に、本発明に係る診療情報記録システム
は、患者の所有する記録媒体に対するインターフェース
さえ確保されていれば、各医療関係機関の情報処理シス
テムの構成には特に制限がない。従って、高度にシステ
ム化された大規模な医療関係機関から、診療所や薬局等
の小規模な医療関係機関まで、それぞれの事情に応じた
機器構成でシステムを利用することができる。
【0038】このように、本発明に係るシステムは、た
だ単に特定の医療関係機関の運営、経営の合理化に寄与
するだけではなく、医療に対する各患者のプライバシー
保護を実現すると同時に患者自身の判断と責任に対する
意識を促進するものであり、医療制度全体の合理化に大
きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る診療情報記録システムの構成を模
式的に示す図である。
【図2】図1に示した診療情報記録システムで使用する
光カードに格納されたデータの構造を模式的に示す図で
ある。
【図3】本発明に係る診療情報記録システムで好適に使
用できるドライブ装置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
11・・・コネクタ、12・・・通信回路、13・・・解読回
路、14・・・書込み/読み出し装置、15・・・ROM、
a・・・受付、b・・・事務室、c・・・診察室、d・
・・検査室、Ca〜Cd、Cy・・・ドライブ装置、D
a〜Dd、Dy、Dp・・・診療データ、Ha〜Hd、
Hy、Hp・・・ヘッダ、Pa〜Pd、Py、Pz・・
・主装置(情報処理装置)、X・・・病院、 Y・・
・薬局、 Z・・・診療所

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】診療並びに投薬に関する診療情報が格納さ
    れ各患者がそれぞれ自身で所有して携帯する追記型の2
    次情報記録媒体と;各医療関係機関または医療関係部署
    に設置され、該医療関係機関または医療関係部署を利用
    した患者が持参した該2次情報記録媒体に診療情報を格
    納する情報書込み手段と;各医療関係機関または医療関
    係部署に設置され、該医療関係機関または医療関係部署
    を利用した患者が持参した該2次情報記録媒体に格納さ
    れた情報を、該各医療関係機関、医療関係部署または操
    作者の各々に応じた制限の下に読み出すことができる情
    報読出し手段とを含むことを特徴とする診療情報記録シ
    ステム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された診療情報記録システ
    ムにおいて、前記診療情報が、文字、画像および音声の
    うち少なくともひとつの情報形態を含むことを特徴とす
    る診療情報記録システム。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載された診療
    情報記録システムにおいて、2次情報記録媒体が、追記
    型の光カードであることを特徴とする診療情報記録シス
    テム。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3までの何れか1項に
    記載された診療情報記録システムにおいて、前記診療情
    報の書込みおよび/または読み出しの制限が、前記2次
    情報記録媒体の駆動装置自体に実装されていることを特
    徴とする診療情報記録システム。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4までの何れか1項に
    記載された診療情報記録システムにおいて、前記医療関
    係機関が、ひとつの医療機関の異なる部署である場合を
    含むことを特徴とする診療情報記録システム。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5までの何れか1項に
    記載された診療情報記録システムにおいて、前記診療情
    報の書込み操作が、医師によるカルテの記入操作を兼ね
    ることを特徴とする診療情報記録システム。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項6までの何れか1項に
    記載された診療情報記録システムにおいて、前記診療情
    報の書込み操作が、検査技師による検査データの記録操
    作を兼ねることを特徴とする診療情報記録システム。
  8. 【請求項8】請求項1から請求項7までの何れか1項に
    記載された診療情報記録システムにおいて、前記診療情
    報の書込み操作が、医療事務担当者による事務処理およ
    び会計処理のためのデータ記入操作を兼ねることを特徴
    とする診療情報記録システム。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項8までの何れか1項に
    記載された診療情報記録システムにおいて、前記2次情
    報記録媒体の少なくともひとつの面に、該2次情報記録
    媒体の所有者を表す文字および/または画像が目視でき
    るように表示されていることを特徴とする診療情報記録
    システム。
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