JPH11125231A - ネジ締結体の緩み止め装置 - Google Patents

ネジ締結体の緩み止め装置

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JPH11125231A
JPH11125231A JP30797997A JP30797997A JPH11125231A JP H11125231 A JPH11125231 A JP H11125231A JP 30797997 A JP30797997 A JP 30797997A JP 30797997 A JP30797997 A JP 30797997A JP H11125231 A JPH11125231 A JP H11125231A
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bolt
coil spring
base
screw
male screw
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JP30797997A
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Shingo Nishi
眞吾 西
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NISHI FASTENER KK
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NISHI FASTENER KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コイルバネを用いた簡素な構成のもとで、ボル
トの完全な緩み止め効果を達成する。 【解決手段】ボルト(B)における雄ネジ(12)の外
径(D1)よりも予じめ小さな内径(d2)として捲回
準備したコイルバネ(S)を、素地(N)の雌ネジ(1
1)へ挿入セットすると共に、そのバネ(S)の切り離
し一端部(15)のみを素地(N)の出口側に取り付け
固定して、ボルト(B)の雄ネジ(12)をバネ(S)
の内部へ、その自由な切り離し他端部(18)から螺進
状態に圧入することにより、その圧入に伴なう復元的な
内径収縮力をバネ(S)に蓄積させ、ボルト(B)が螺
退方向へ逆回転すると、バネ(S)における筒芯方向の
引張作用に伴なう内径収縮力が、ボルト(B)の雄ネジ
(12)にますます強く絡らみ付く摩擦力として倍加す
るように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコイルバネを用いた
ネジ締結体の緩み止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種ネジ締結体の緩み止め装置として
は、例えば実公昭40−8568号や特公昭46−47
号が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の公知
考案では予じめ6角形又は12角形に作成された針金の
線輪(2)を、本体(3)の円形ネジ穴(7)へ挿入セ
ットするに当り、特殊な専用の二叉工具を用意しなけれ
ばならず、仮りにその専用工具を使うとしても、上記線
輪(2)をネジ穴(7)へすばやく正確に挿入セットす
ることが困難であり、このことはネジ穴(7)の深い程
顕著となる。
【0004】又、ボルト(1)の先端テーパー部(6)
を上記6角形又は12角形の線輪(2)に押し付けて、
その弦部の拡張変形に伴なう復元的な収縮力のみによ
り、ボルト(1)の先端テーパー部(6)を言わば首締
める如く掴持するに過ぎない構成のため、上記線輪
(2)がボルト(1)と一緒に連れ廻るおそれや、その
線輪(2)に対してボルト(1)が軸線方向へ滑るおそ
れを抑制できず、未だ緩み止め効果の安定性と耐久性に
劣る問題がある。
【0005】他方、後者の公知発明でも弾性線条から螺
旋化されたねじインサート(1)は、雄ねじ(2)と雌
ねじ(3)との相互間へ唯単に介挿されているに過ぎ
ず、その雄ねじ(2)又は雌ねじ(3)と一緒に連れ廻
るおそれがあるため、これをすばやく正確に挿入セット
することが困難である。
【0006】しかも、ねじインサート(1)の断面形状
が非対称のほぼ矩形で、その一辺(A)と他辺(B)と
がA>1.5Bの関係寸法に設定されているため、これ
を受け止める雄ねじ(2)と雌ねじ(3)の螺旋形状と
しても、特殊に造形する必要があり、汎用性を発揮させ
ることができない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
の改良を企図しており、そのための構成として第1に、
雌ネジが貫通開口された素地と、その素地の表面又は内
部へ被締結物を押え付け固定すべく、上記素地の雌ネジ
と対応する同一ピッチの雄ネジが刻設されたボルトとを
備え、
【0008】上記ボルトにおける雄ネジの外径よりも予
じめ小さな内径として、その雄ネジの少なくとも2ピッ
チ分だけ捲回準備されたコイルバネを、上記素地の雌ネ
ジへ仮りの螺合状態に挿入セットすると共に、そのコイ
ルバネの切り離し一端部のみを上記素地の出口側又はそ
の出口側に位置する被締結物に取り付け固定して、
【0009】上記素地の表面又は内部へ被締結物を押え
付け固定すべく、上記ボルトの雄ネジをコイルバネの内
部へ、その入口側の自由な切り離し他端部から螺進状態
に圧入することにより、上記素地の雌ネジとボルトの雄
ネジとの相互間に介在することとなるコイルバネに、上
記圧入に伴なう復元的な内径収縮力を蓄積させ、
【0010】その被締結物の押え付け固定状態にあるボ
ルトが螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネにおけ
る筒芯方向での引張作用に伴なう内径収縮力が、ボルト
の雄ネジにますます強く絡らみ付く摩擦力として倍加す
るように設定したことを特徴とし、
【0011】第2に、雌ネジが貫通開口された素地と、
その素地の表面又は内部へ被締結物を押え付け固定すべ
く、上記素地の雌ネジと対応する同一ピッチの雄ネジが
刻設されたボルトとを備え、
【0012】上記素地における雌ネジの内径よりも予じ
め大きな外径として、その雌ネジの少なくとも2ピッチ
分だけ捲回準備されたコイルバネを、上記ボルトの雄ネ
ジへ仮りの螺合状態に被着セットすると共に、そのコイ
ルバネの切り離し一端部のみを上記ボルトの先端部に取
り付け固定して、
【0013】上記素地の表面又は内部へ被締結物を押え
付け固定すべく、上記ボルトに付属のコイルバネを雌ネ
ジの内部へ、そのボルトの先端部から螺進状態に圧入す
ることにより、上記素地の雌ネジとボルトの雄ネジとの
相互間に介在することとなるコイルバネに、上記圧入に
伴なう復元的な外径拡張力を蓄積させ、
【0014】その被締結物の押え付け固定状態にあるボ
ルトが螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネにおけ
る筒芯方向での圧縮作用に伴なう外径拡張力が、素地の
雌ネジにますます強く絡らみ付く摩擦力として倍加する
ように設定したことを特徴とし、
【0015】第3に、入口側に雌ネジと、出口側にその
雌ネジの谷径よりも深いバカ穴とが連通開口された素地
と、その素地の表面又は内部へ被締結物を押え付け固定
すべく、上記素地の雌ネジと対応する同一ピッチの雄ネ
ジが刻設されたボルトとを備え、
【0016】上記ボルトにおける雄ネジの外径よりも予
じめ小さな内径として、その雄ネジの少なくとも2ピッ
チ分だけ捲回準備されたコイルバネを、上記素地のバカ
穴に挿入セットすると共に、そのコイルバネの切り離し
一端部のみを上記素地の出口側又はその出口側に位置す
る被締結物に取り付け固定して、
【0017】上記素地の表面又は内部へ被締結物を押え
付け固定すべく、上記ボルトの雄ネジを素地の雌ネジと
螺合させ乍ら、引き続きコイルバネの内部へその入口側
の自由な切り離し他端部から螺進状態に圧入することに
より、上記素地のバカ穴とボルトの雄ネジとの相互間に
介在することとなるコイルバネに、上記圧入に伴なう復
元的な内径収縮力を蓄積させ、
【0018】その被締結物の押え付け固定状態にあるボ
ルトが螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネにおけ
る筒芯方向での引張作用に伴なう内径収縮力が、ボルト
の雄ネジにますます強く絡らみ付く摩擦力として倍加す
るように設定したことを特徴とし、
【0019】第4に、入口側に雌ネジと出口側にバカ穴
とが連通開口された素地と、その素地の表面又は内部へ
被締結物を押え付け固定すべく、基端部に上記素地の雌
ネジと対応する同一ピッチの第1雄ネジと、上記バカ穴
と対応位置する細い先端部に第1雄ネジと同一ピッチの
上記雌ネジと干渉しない第2雄ネジとが刻設されたボル
トとを備え、
【0020】上記ボルトにおける第2雄ネジの外径より
も予じめ小さな内径として、その第2雄ネジの少なくと
も2ピッチ分だけ捲回準備されたコイルバネを、上記素
地のバカ穴に挿入セットすると共に、そのコイルバネの
切り離し一端部のみを上記素地の出口側又はその出口側
に位置する被締結物に取り付け固定して、
【0021】上記素地の表面又は内部へ被締結物を押え
付け固定すべく、上記ボルトの第1雄ネジを素地の雌ネ
ジと螺合させると共に、同じくボルトの第2雄ネジをコ
イルバネの内部へ、その入口側の自由な切り離し他端部
から螺進状態に圧入することにより、上記素地のバカ穴
とボルトの第2雄ネジとの相互間に介在することとなる
コイルバネに、上記圧入に伴なう復元的な内径収縮力を
蓄積させ、
【0022】その被締結物の押え付け固定状態にあるボ
ルトが螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネにおけ
る筒芯方向での引張作用に伴なう内径収縮力が、ボルト
の第2雄ネジにますます強く絡らみ付く摩擦力として倍
加するように設定したことを特徴とし、
【0023】第5に、入口側に雌ネジと出口側にバカ穴
とが連通開口された素地と、その素地の表面又は内部へ
被締結物を押え付け固定すべく、基端部にのみ上記素地
の雌ネジと対応する同一ピッチの雄ネジが部分的に刻設
されたボルトとを備え、
【0024】上記ボルトにおける細い先端部の外径より
も予じめ小さな内径として、少なくとも2巻き分だけ捲
回準備されたコイルバネを、上記素地のバカ穴に挿入セ
ットすると共に、そのコイルバネの切り離し一端部のみ
を上記素地の出口側又はその出口側に位置する被締結物
に取り付け固定して、
【0025】上記素地の表面又は内部へ被締結物を押え
付け固定すべく、上記ボルトの雄ネジを素地の雌ネジと
螺合させると共に、同じくボルトの先端部をコイルバネ
の内部へ、その入口側の自由な切り離し他端部から圧入
することにより、上記素地のバカ穴とボルトの先端部と
の相互間に介在することとなるコイルバネに、上記圧入
に伴なう復元的な内径収縮力を蓄積させ、
【0026】その被締結物の押え付け固定状態にあるボ
ルトが螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネにおけ
る筒芯方向での引張作用に伴なう内径収縮力が、ボルト
の先端部にますます強く絡らみ付く摩擦力として倍加す
るように設定したことを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の具体
的構成を詳述すると、先ずその第1実施形態を示した図
1〜3において、(N)は貫通状態に開口形成された雌
ネジ(11)を有する素地であり、図ではナットを例示
しているが、そのナットのみに限らない。(B)は素地
(N)の雌ネジ(11)と対応する同一ピッチの雄ネジ
(12)を備えたボルトであり、その径大な頭部(1
3)によって上記素地(N)の表面へ、別個な板材や座
金などの各種被締結物(M)を押え付け固定するように
なっている。(14)はその被締結物(M)に形成され
たボルト貫通穴である。
【0028】又、(S)は1本の金属線材から上記ボル
ト(B)における雄ネジ(12)の外径(D1)よりも
予じめ小さな内径(d2)として、その雄ネジ(12)
の少なくとも2ピッチ分だけ捲回準備された捻りコイル
バネであり、その切り離し一端部(15)のみが固定フ
ック(16)として径方向の外側へ連続的に曲げ出され
ている。
【0029】そして、上記素地(N)におけるボルト
(B)の出口側には、固定フック用係止切欠(17)が
付与されており、その内部に上記コイルバネ(S)の切
り離し一端部(15)をなす固定フック(16)が係止
固定されることによって、そのコイルバネ(S)がボル
ト(B)と一緒に連れ廻らぬ状態として、上記素地
(N)の内部に挿入セットされているのである。
【0030】その場合、コイルバネ(S)は上記素地
(N)の雌ネジ(11)並びにボルト(B)の雄ネジ
(12)と対応する同一ピッチに螺旋化されており、図
1から示唆されるように、素地(N)の雌ネジ(11)
と仮りの螺合状態(その雌ネジから若干内側へ浮いた状
態)を保ちつつ、その自由な切り離し他端部(18)が
素地(N)におけるボルト(B)入口側に向かってい
る。
【0031】そこで、上記コイルバネ(S)が挿入セッ
トされている素地(N)の表面へ、被締結物(M)を押
え付け固定するに当っては、図2、3に示す通り、上記
ボルト(B)の雄ネジ(12)をコイルバネ(S)の内
部へ、その入口側の自由な切り離し他端部(18)から
螺進状態に圧入する。
【0032】つまり、コイルバネ(S)の内径(d2)
は上記の通り、ボルト(B)における雄ネジ(12)の
外径(D1)よりも予じめ小さく寸法化されている関係
上、コイルバネ(S)の内部へボルト(B)の雄ネジ
(12)を圧入すれば、その螺進に連れてコイルバネ
(S)が径方向へ強制的に拡張され、そのコイルバネ
(S)を介して図2のように、ボルト(B)の雄ネジ
(12)と素地(N)の雌ネジ(11)とが螺合される
と共に、上記拡張に伴なう復元的な内径収縮力がコイル
バネ(S)に蓄積されて、その言わば静的な内径収縮力
を受けたボルト(B)が、素地(N)の表面へ被締結物
(M)を押え付けた固定状態に保たれる結果となる。
【0033】そして、上記コイルバネ(S)はその切り
離し一端部(15)の固定フック(16)においての
み、素地(N)の出口側に係止固定されており、残る自
由な切り離し他端部(18)が上記ボルト(B)の入口
側をなすため、しかもそのコイルバネ(S)は上記静的
な内径収縮力により、ボルト(B)の雄ネジ(12)へ
絡らみ付いた状態に保たれているため、上記被締結物
(M)を押え付け固定した状態のボルト(B)に、振動
や衝撃などの自然的な外力が作用して、そのボルト
(B)が万一図3の矢印(R)で示す螺退方向へ逆回転
すると、上記コイルバネ(S)が自己の筒芯方向に沿い
引張られて、図3の別な矢印(F)で示す如く、その内
径(d2)のますます収縮されることになり、その言わ
ば動的な内径収縮力が上記の静的な内径収縮力に倍加し
て、ボルト(B)の雄ネジ(12)に強く絡らみ付く摩
擦力として作用する結果、上記ボルト(B)の弛緩する
おそれが自づと確実に防止されるのである。
【0034】この点、図1〜3の第1実施形態では上記
雄ネジ(12)と雌ネジ(11)におけるネジ山の形状
を、その互いに向かい合う三角形として造形する一方、
コイルバネ(S)の断面形状をこれと異なる円形に造形
しているが、図4〜6の第2実施形態から明白なよう
に、そのコイルバネ(S)の断面形状を雄ネジ(12)
と雌ネジ(11)におけるネジ山の形状と対応合致させ
て、その相互の全面的に密着する螺合状態に保つことに
より、面圧を昂めることが好ましい。
【0035】何れにしても、その密着度やコイルバネ
(S)自身の弾力性並びに巻き数などの設定次第によっ
て、上記ボルト(B)の雄ネジ(12)に対するコイル
バネ(S)の絡らみ付き摩擦力を強弱に調整することが
できるので、用途との関係上被締結物(M)を取りはず
し交換する必要がある場合には、コイルバネ(S)の絡
らみ付き摩擦力を適度に弱く設定し、その不要である場
合にはコイルバネ(S)が剪断破壊するまで弛緩しない
ように、上記摩擦力を強く設定すれば良い。
【0036】尚、図1〜6の第1、2実施形態では理解
に資するための便宜上、コイルバネ(S)の切り離し一
端部(15)を固定フック(16)として曲げ出し、こ
れを素地(N)の固定フック用係止切欠(17)へ係止
固定することにより、そのコイルバネ(S)が上記ボル
ト(B)と一緒に連れ廻ることを防止しているが、同じ
くコイルバネ(S)の切り離し一端部(15)が素地
(N)におけるボルト(B)の出口側に取り付け固定さ
れて、その自由な切り離し他端部(18)が入口側に向
かう限り、上記固定フック(16)とその係止切欠(1
7)との係止に代えて、溶接や接着、別個な止めネジ、
その他の適当な固定手段を採用しても良い。
【0037】次に、図7、8は本発明の第3実施形態を
示しており、その構成上図1〜3の上記第1実施形態と
相違する点は、軸として具体化された被締結物(M)
を、その軸受けとなる素地(N)の内部に嵌合させると
共に、これを素地(N)の内部へ埋没するボルト(B)
の先端部(19)によって、抜け止め状態に押え付け固
定している点にある。
【0038】そして、コイルバネ(S)の切り離し一端
部(15)を固定フック(16)として、そのコイルバ
ネ(S)の筒芯方向とほぼ平行に曲げ出す一方、上記素
地(N)におけるボルト(B)の出口側を遮断する被締
結物(M)の外周面に、上記固定フック用係止切欠(1
7)を付与して、ここに固定フック(16)を係止固定
することにより、そのコイルバネ(S)をやはりボルト
(B)と一緒に連れ廻らぬ状態として、上記素地(N)
の雌ネジ(11)へ仮りに螺合セットしている。
【0039】尚、上記コイルバネ(S)は素地(N)の
雌ネジ(11)並びにボルト(B)の雄ネジ(12)と
全面的な密着状態を保つように、その断面形状の菱型又
は非対称な矩形に造形されてもいる。
【0040】又、図9〜11は本発明の第4実施形態に
係り、これでは図1〜3の上記第1実施形態と異なっ
て、コイルバネ(S)の外径(d1)が素地(N)にお
ける雌ネジ(11)の内径(D2)よりも予じめ大きく
寸法化されている。そのコイルバネ(S)の巻き数は上
記雌ネジ(11)の少なくとも2ピッチ分である。
【0041】しかも、上記コイルバネ(S)の切り離し
一端部(15)は固定フック(16)として、径方向の
内側へ連続的に折り曲げられており、ボルト(B)の先
端部(19)に対応形成された固定フック用係止切欠
(17)へ、そのボルト(B)に対して遊転しないよう
に係止固定されている。
【0042】つまり、上記コイルバネ(S)はボルト
(B)の雄ネジ(12)に対する仮りの螺合状態(その
雄ネジから若干外側へ浮いた状態)として、そのボルト
(B)へ予じめの付属一体的に被着セットされており、
残る自由な切り離し他端部(18)が上記素地(N)に
おけるボルト(B)の入口側へ向かう位置関係にある。
【0043】このような構成のもとで、素地(N)の表
面へ被締結物(M)を押え付け固定するに当っては、図
10、11に示す通り、上記ボルト(B)に付属一体化
されているコイルバネ(S)をそのボルト(B)の先端
部(19)から、上記素地(N)における雌ネジ(1
1)の内部へ螺進状態に圧入する。
【0044】そうすれば、コイルバネ(S)の外径(d
1)は上記の通り、素地(N)における雌ネジ(11)
の内径(D2)よりも予じめ大きく寸法化されている関
係上、ボルト(B)の螺進に連れてコイルバネ(S)が
径方向へ強制的に圧縮され、そのコイルバネ(S)を介
して図10のように、ボルト(B)の雄ネジ(12)と
素地(N)の雌ネジ(11)とが螺合されると共に、上
記圧縮に伴なう復元的な外径拡張力がコイルバネ(S)
に蓄積されて、その言わば静的な外径拡張力により素地
(N)に固定されたボルト(B)が、その素地(N)の
表面へ被締結物(M)を押え付ける結果となる。
【0045】そして、上記コイルバネ(S)はその切り
離し一端部(15)の固定フック(16)においての
み、素地(N)の出口側へ対応位置することとなるボル
ト(B)の先端部(19)に係止固定されており、残る
自由な切り離し他端部(18)が上記ボルト(B)の入
口側をなすため、しかもそのコイルバネ(S)は上記静
的な外径拡張力により、素地(N)の雌ネジ(11)へ
絡らみ付いた状態に保たれているため、上記被締結物
(M)の押え付け固定状態にあるボルト(B)が、振動
や衝撃などの自然的な外力を受けて、万一図11の矢印
(R)で示す螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネ
(S)が自己の筒芯方向に沿い圧縮作用されて、図11
の別な矢印(P)で示す如く、その外径(d1)のます
ます拡張されることになり、その言わば動的な外径拡張
力が上記の静的な外径拡張力に倍加して、素地(N)の
雌ネジ(11)に強く絡らみ付く摩擦力として働く結
果、やはり上記ボルト(B)の弛緩するおそれが自づと
確実に防止され、所期の目的を達成できるのである。
【0046】図12、13は本発明の第5実施形態を示
しており、その構成上図1〜3の上記第1実施形態と相
違する点は、素地(N)におけるボルト(B)の入口側
に部分的な雌ネジ(11)と、残る出口側にその雌ネジ
(11)の谷径(D3)よりも深いバカ穴(20)とを
連通開口させている点にある。その際、素地(N)の雌
ネジ(11)とボルト(B)の雄ネジ(12)とは、相
互の同一ピッチとして螺合し得るようになっている。
【0047】そして、コイルバネ(S)は上記ボルト
(B)の雄ネジ(12)と同一ピッチのもとに、その少
なくとも2ピッチ分だけ捲回準備されており、その切り
離し一端部(15)が固定フック(16)として、やは
り径方向の外側へ連続的に曲げ出されている。
【0048】他方、上記素地(N)におけるボルト
(B)の出口側には、固定フック用係止切欠(17)が
対応形成されており、ここに上記固定フック(16)が
係止固定されることによって、コイルバネ(S)はボル
ト(B)と一緒に連れ廻らぬ状態として、上記素地
(N)のバカ穴(20)に挿入セットされているのであ
る。
【0049】これによれば、上記ボルト(B)の雄ネジ
(12)を素地(N)の雌ネジ(11)と螺合させ乍
ら、引き続きコイルバネ(S)の内部へその入口側の自
由な切り離し他端部(18)から螺進状態に圧入するこ
とにより、上記素地(N)の表面へ被締結物(M)を押
え付け固定することができ、その固定状態のもとではコ
イルバネ(S)の拡張に伴なう復元的な内径収縮力が、
ボルト(B)の雄ネジ(12)に絡らみ付く摩擦力とし
て働くこととなる。
【0050】更に、図14〜17は本発明の第6、7実
施形態を示しており、これらの構成上図1〜3の上記第
1実施形態と相違する点は、素地(N)におけるボルト
(B)の入口側に雌ネジ(11)と、残る出口側にバカ
穴(20)とを連通開口させる一方、ボルト(B)にお
ける上記バカ穴(20)と対応位置する先端部(19)
を、同じく上記雌ネジ(11)と対応位置する基端部
(21)よりも細く形成することにより、そのボルト
(B)の先端部(19)を素地(N)の雌ネジ(11)
と干渉することなく、その内部へ通過させ得るように定
めた点にある。
【0051】そして、上記ボルト(B)の基端部(2
1)には素地(N)の雌ネジ(11)と螺合し得る同一
ピッチの第1雄ネジ(12a)が刻設されており、同じ
くボルト(B)の細い先端部(19)には上記素地
(N)の雌ネジ(11)と干渉せず、しかも第1雄ネジ
(12a)と同一ピッチの第2雄ネジ(12b)が刻設
されている。
【0052】他方、コイルバネ(S)は上記ボルト
(B)における第2雄ネジ(12b)の外径(D1)よ
りも予じめ小さな内径(d2)として、その第2雄ネジ
(12b)の少なくとも2ピッチ分だけ捲回準備されて
おり、その切り離し一端部(15)から径方向の外側へ
曲げ出された固定フック(16)が、上記素地(N)の
出口側に対応形成された固定フック用係止切欠(17)
へ、ボルト(B)と一緒に連れ廻らぬ係止固定状態とし
て、その素地(N)のバカ穴(20)に挿入セットされ
ているのである。
【0053】このような第6、7実施形態の構成によれ
ば、上記ボルト(B)の第1雄ネジ(12a)を素地
(N)の雌ネジ(11)と螺合させると共に、同じくボ
ルト(B)の第2雄ネジ(12b)を上記コイルバネ
(S)の内部へ、その入口側の自由な切り離し他端部
(18)から螺進状態に圧入することにより、上記素地
(N)の表面へ被締結物(M)を押え付け固定すること
ができ、その固定状態のもとではコイルバネ(S)の拡
張作用に伴なう復元的な内径収縮力が、ボルト(B)の
第2雄ネジ(12b)に絡らみ付く摩擦力として蓄積さ
れることになる。
【0054】その場合、図15、17から示唆されるよ
うに、上記コイルバネ(S)の内周面をボルト(B)の
第2雄ネジ(12b)へ全面的な密着状態に螺合し得る
V字型や円弧型として造形することが、その面圧を昂め
る意味から好ましい。
【0055】又、図18、19は本発明の第8実施形態
に係り、これでは図14〜17の上記第6、7実施形態
を前提として、そのボルト(B)の細い先端部(19)
をストレートな丸軸形態に造形することにより、残る基
端部(21)にのみ素地(N)の雌ネジ(11)と螺合
し得る同一ピッチの雄ネジ(12)を部分的に刻設して
いる。
【0056】そして、コイルバネ(S)はそのボルト
(B)における細い先端部の外径(D1)よりも予じめ
小さな内径(d2)として、少なくとも2巻き分だけ捲
回準備されており、その切り離し一端部(15)から径
方向の外側へ曲げ出された固定フック(16)が、上記
素地(N)の出口側に対応形成された固定フック用係止
切欠(17)へ、やはりボルト(B)と一緒に連れ廻ら
ぬ係止固定状態として、その素地(N)のバカ穴(2
0)に挿入セットされている。
【0057】これによれば、上記ボルト(B)の雄ネジ
(12)を素地(N)の雌ネジ(11)と螺合させると
共に、同じくボルト(B)の先端部(19)をコイルバ
ネ(S)の内部へ、その入口側の自由な切り離し他端部
(18)から圧入することにより、上記素地(N)の表
面へ被締結物(M)を押え付け固定することができ、そ
の固定状態のもとではコイルバネ(S)の拡張に伴なう
復元的な内径収縮力が、ボルト(B)の先端部(19)
に絡らみ付く摩擦力として作用することになる。
【0058】この第8実施形態にあっても、図19から
示唆される通り、上記コイルバネ(S)とボルト(B)
との面圧を増大させるために、そのコイルバネ(S)の
内周面をボルト(B)の先端部(19)へ全面的な密着
状態に係止し得るフラット面として造形することが望ま
しい。
【0059】因みに、太さ−0.5mmの金属線材から
内径(d2)−3.4mmとして3巻き分だけ捲回準備
したコイルバネ(S)を、上記第8実施形態に示す通り
素地(N)のバカ穴(20)へ、その切り離し一端部
(15)での係止固定状態に挿入セットし、そのコイル
バネ(S)の内部へ3.5mmの外径(D1)を備えた
ボルト(B)の先端部(19)を圧入することにより、
そのボルト(B)の緩み止め効果をテストした結果、コ
イルバネ(S)の内径(d2)とボルト先端部(19)
の外径(D1)との差が、僅かに0.5mmであるにも
拘らず、実用に耐える充分な効果を達成することができ
た。
【0060】そのため、第1〜7実施形態に説示したコ
イルバネ(S)とボルト(B)とが螺合状態を保つ構成
によれば、そのボルト(B)の緩み止め効果は上記第8
実施形態でのそれ以上にますます増大するものと考えら
れる。
【0061】図4〜19の第2〜8実施形態おけるその
他の構成は、図1〜3の上記第1実施形態と実質的に同
一であるため、その図4〜19に図1〜3との対応符号
を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略するが、
殊更図9〜11の第4実施形態を除く各種実施形態の場
合には、上記第1実施形態と全く同様にして、被締結物
(M)の押え付け固定状態にあるボルト(B)が、自然
的な外力を受けて螺退方向へ逆回転すると、コイルバネ
(S)は自己の筒芯方向に沿い引張られ、これに伴なっ
て起生する動的な内径収縮力が、ボルト(B)にますま
す強く絡らみ付く摩擦力として、予じめ蓄積されている
静的な内径収縮力に倍加するため、そのボルト(B)の
完全な緩み止め効果を達成することができる。
【0062】尚、図9〜11の第4実施形態を除く各種
実施形態にあっても、その第4実施形態と同様に、被締
結物(M)を素地(N)の内部へボルト(B)により押
え付け固定する構成として、その被締結物(M)にコイ
ルバネ(S)の切り離し一端部(15)を、係止や溶
接、接着、別個な止めネジ、その他の各種固定手段によ
り、取り付け一体化することができる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明では雌ネジ(1
1)が貫通開口された素地(N)と、その素地(N)の
表面又は内部へ被締結物(M)を押え付け固定すべく、
上記素地(N)の雌ネジ(11)と対応する同一ピッチ
の雄ネジ(12)が刻設されたボルト(B)とを備え、
【0064】上記ボルト(B)における雄ネジ(12)
の外径(D1)よりも予じめ小さな内径(d2)とし
て、その雄ネジ(12)の少なくとも2ピッチ分だけ捲
回準備されたコイルバネ(S)を、上記素地(N)の雌
ネジ(11)へ仮りの螺合状態に挿入セットすると共
に、そのコイルバネ(S)の切り離し一端部(15)の
みを上記素地(N)の出口側又はその出口側に位置する
被締結物(M)に取り付け固定して、
【0065】上記素地(N)の表面又は内部へ被締結物
(M)を押え付け固定すべく、上記ボルト(B)の雄ネ
ジ(12)をコイルバネ(S)の内部へ、その入口側の
自由な切り離し他端部(18)から螺進状態に圧入する
ことにより、上記素地(N)の雌ネジ(11)とボルト
(B)の雄ネジ(12)との相互間に介在することとな
るコイルバネ(S)に、上記圧入に伴なう復元的な内径
収縮力を蓄積させ、
【0066】その被締結物(M)の押え付け固定状態に
あるボルト(B)が螺退方向へ逆回転すると、上記コイ
ルバネ(S)における筒芯方向での引張作用に伴なう内
径収縮力が、ボルト(B)の雄ネジ(12)にますます
強く絡らみ付く摩擦力として倍加するように設定してあ
るため、冒頭に述べた従来技術の課題を確実に改良する
ことができ、そのボルト(B)の優れた緩み止め効果を
達成し得るのである。
【0067】即ち、本発明の上記構成によれば、コイル
バネ(S)の内径(d2)がボルト(B)における雄ネ
ジ(12)の外径(D1)よりも予じめ小さく寸法化さ
れているため、そのコイルバネ(S)の内部へボルト
(B)の雄ネジ(12)を螺進状態に圧入すると、その
圧入に伴なってコイルバネ(S)が径方向へ拡張し、そ
の復元的な内径収縮力によりボルト(B)の雄ネジ(1
2)へ絡らみ付き、その言わばコイルバネ(S)の静的
な内径収縮力を受けたボルト(B)が、被締結物(M)
を素地(N)へ押え付けた固定状態に保たれることとな
る。
【0068】しかも、上記コイルバネ(S)はその切り
離し一端部(15)においてのみ、素地(N)の出口側
又はその出口側に位置する被締結物(M)へ取り付け固
定されており、そのコイルバネ(S)の残る自由な切り
離し他端部(18)が上記ボルト(B)の入口側をなす
ため、上記被締結物(M)を押え付け固定した状態にあ
るボルト(B)が、万一振動や衝撃などの自然的な外力
を受けて螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネ
(S)は筒芯方向に沿い引張られて、その内径(d2)
のますます収縮されることになり、その言わば動的な内
径収縮力が上記静的な内径収縮力に倍加して、ボルト
(B)の雄ネジ(12)に強く絡らみ付く摩擦力として
働く結果、上記ボルト(B)の弛緩するおそれを自づと
確実に防止できるのである。
【0069】そして、このようなボルト(B)の優れた
緩み止め効果は上記請求項1のみならず、請求項4、5
又は7に記載の構成を採用するも、ほぼ同等に達成する
ことができ、そのための必要構成としても頗る簡素で足
りる効果がある。
【0070】つまり、本発明の上記構成によれば、コイ
ルバネ(S)の切り離し一端部(15)のみが素地
(N)の出口側又はその出口側に位置する被締結物
(M)へ取り付け固定されるようになっているため、そ
の出口側の雌ネジ(11)やバカ穴(20)が如何に深
く開口形成されていても、ここにコイルバネ(S)の切
り離し一端部(15)を支障なく、且つ容易・確固に取
り付け使用することができ、しかもそのコイルバネ
(S)を特殊な工具の必要なく、上記素地(N)の雌ネ
ジ(11)やバカ穴(20)内へ、正確にすばやく挿入
セットし得るのであり、その作業性と量産効果にも著し
く優れる。
【0071】又、請求項2の構成によれば、コイルバネ
(S)の外径(d1)が素地(N)における雌ネジ(1
1)の内径(D2)よりも予じめ大きく寸法化されてい
る関係上、そのコイルバネ(S)の付属一体的に被着セ
ットされたボルト(B)を、上記雌ネジ(11)の内部
へ螺進状態に圧入すると、その圧入に伴なってコイルバ
ネ(S)が径方向へ圧縮され、その復元的な外径拡張力
により上記素地(N)の雌ネジ(11)へ絡らみ付いた
状態に静止されることとなる。
【0072】しかも、上記コイルバネ(S)はやはりそ
の切り離し一端部(15)においてのみ、素地(N)の
出口側へ対応位置することとなるボルト(B)の先端部
(19)に取り付け固定されており、そのコイルバネ
(S)の残る自由な切り離し他端部(18)が上記ボル
ト(B)の入口側をなすため、上記被締結物(M)の押
え付け固定状態にあるボルト(B)が、万一振動や衝撃
などを受けて螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネ
(S)は筒芯方向に沿い圧縮されて、その外径(d1)
のますます拡張されることになり、その言わば動的な外
径拡張力が上記静的な外径拡張力に倍加して、素地
(N)の雌ネジ(11)に強く絡らみ付く摩擦力として
作用する結果、上記ボルト(B)の弛緩するおそれをや
はり自づと確実に防止し得るのである。
【0073】更に、請求項3、6又は8の構成を採用す
るならば、上記ボルト(B)の雄ネジ(12)(12
b)や先端部(19)、素地(N)の雌ネジ(11)に
対して、コイルバネ(S)を全面的な密着状態に保つこ
とができ、その高い面圧によってボルト(B)の緩み止
め効果をますます向上させ得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のボルトと素地を分
離して示す側断面図である。
【図2】図1の締結状態を示す側断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す図1に対応する側
断面図である。
【図5】図4の締結状態を示す側断面図である。
【図6】図5の左側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す図1に対応する側
断面図である。
【図8】図7の締結状態を示す側断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態を示す図1に対応する側
断面図である。
【図10】図9の締結状態を示す側断面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】本発明の第5実施形態を示す図1に対応する
側断面図である。
【図13】図12の締結状態を示す側断面図である。
【図14】本発明の第6実施形態を示す図1に対応する
側断面図である。
【図15】図14の締結状態を示す側断面図である。
【図16】本発明の第7実施形態を示す図1に対応する
側断面図である。
【図17】図16の締結状態を示す側断面図である。
【図18】本発明の第8実施形態を示す図1に対応する
側断面図である。
【図19】図18の締結状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
(11)・雌ネジ (12)・雄ネジ (12a)・第1雄ネジ (12b)・第2雄ネジ (15)・コイルバネの切り離し一端部 (16)・固定フック (17)・係止切欠 (18)・コイルバネの切り離し他端部 (19)・ボルトの先端部 (20)・バカ穴 (B)・ボルト (M)・被締結物 (N)・素地 (S)・コイルバネ (D1)・雄ネジ又はボルト先端部の外径 (D2)・雌ネジの内径 (D3)・雌ネジの谷径 (d1)・コイルバネの外径 (d2)・コイルバネの内径

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雌ネジ(11)が貫通開口された素地
    (N)と、 その素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、上記素地(N)の雌ネジ(11)と対
    応する同一ピッチの雄ネジ(12)が刻設されたボルト
    (B)とを備え、 上記ボルト(B)における雄ネジ(12)の外径(D
    1)よりも予じめ小さな内径(d2)として、その雄ネ
    ジ(12)の少なくとも2ピッチ分だけ捲回準備された
    コイルバネ(S)を、上記素地(N)の雌ネジ(11)
    へ仮りの螺合状態に挿入セットすると共に、そのコイル
    バネ(S)の切り離し一端部(15)のみを上記素地
    (N)の出口側又はその出口側に位置する被締結物
    (M)に取り付け固定して、 上記素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、上記ボルト(B)の雄ネジ(12)を
    コイルバネ(S)の内部へ、その入口側の自由な切り離
    し他端部(18)から螺進状態に圧入することにより、
    上記素地(N)の雌ネジ(11)とボルト(B)の雄ネ
    ジ(12)との相互間に介在することとなるコイルバネ
    (S)に、上記圧入に伴なう復元的な内径収縮力を蓄積
    させ、 その被締結物(M)の押え付け固定状態にあるボルト
    (B)が螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネ
    (S)における筒芯方向での引張作用に伴なう内径収縮
    力が、ボルト(B)の雄ネジ(12)にますます強く絡
    らみ付く摩擦力として倍加するように設定したことを特
    徴とするネジ締結体の緩み止め装置。
  2. 【請求項2】雌ネジ(11)が貫通開口された素地
    (N)と、 その素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、上記素地(N)の雌ネジ(11)と対
    応する同一ピッチの雄ネジ(12)が刻設されたボルト
    (B)とを備え、 上記素地(N)における雌ネジ(11)の内径(D2)
    よりも予じめ大きな外径(d1)として、その雌ネジ
    (11)の少なくとも2ピッチ分だけ捲回準備されたコ
    イルバネ(S)を、上記ボルト(B)の雄ネジ(12)
    へ仮りの螺合状態に被着セットすると共に、そのコイル
    バネ(S)の切り離し一端部(15)のみを上記ボルト
    (B)の先端部(19)に取り付け固定して、 上記素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、上記ボルト(B)に付属のコイルバネ
    (S)を雌ネジ(11)の内部へ、そのボルト(B)の
    先端部(19)から螺進状態に圧入することにより、上
    記素地(N)の雌ネジ(11)とボルト(B)の雄ネジ
    (12)との相互間に介在することとなるコイルバネ
    (S)に、上記圧入に伴なう復元的な外径拡張力を蓄積
    させ、 その被締結物(M)の押え付け固定状態にあるボルト
    (B)が螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネ
    (S)における筒芯方向での圧縮作用に伴なう外径拡張
    力が、素地(N)の雌ネジ(11)にますます強く絡ら
    み付く摩擦力として倍加するように設定したことを特徴
    とするネジ締結体の緩み止め装置。
  3. 【請求項3】素地(N)の雌ネジ(11)とボルト
    (B)の雄ネジ(12)との相互間に介在することとな
    るコイルバネ(S)の断面形状を、その雌ネジ(11)
    と雄ネジ(12)との双方へ全面的な密着状態に螺合し
    得る菱型や円形として造形することにより、その面圧を
    昂めたことを特徴とする請求項1又は2記載のネジ締結
    体の緩み止め装置。
  4. 【請求項4】入口側に雌ネジ(11)と、出口側にその
    雌ネジ(11)の谷径(D3)よりも深いバカ穴(2
    0)とが連通開口された素地(N)と、 その素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、上記素地(N)の雌ネジ(11)と対
    応する同一ピッチの雄ネジ(12)が刻設されたボルト
    (B)とを備え、 上記ボルト(B)における雄ネジ(12)の外径(D
    1)よりも予じめ小さな内径(d2)として、その雄ネ
    ジ(12)の少なくとも2ピッチ分だけ捲回準備された
    コイルバネ(S)を、上記素地(N)のバカ穴(20)
    に挿入セットすると共に、そのコイルバネ(S)の切り
    離し一端部(15)のみを上記素地(N)の出口側又は
    その出口側に位置する被締結物(M)に取り付け固定し
    て、 上記素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、上記ボルト(B)の雄ネジ(12)を
    素地(N)の雌ネジ(11)と螺合させ乍ら、引き続き
    コイルバネ(S)の内部へその入口側の自由な切り離し
    他端部(18)から螺進状態に圧入することにより、上
    記素地(N)のバカ穴(20)とボルト(B)の雄ネジ
    (12)との相互間に介在することとなるコイルバネ
    (S)に、上記圧入に伴なう復元的な内径収縮力を蓄積
    させ、 その被締結物(M)の押え付け固定状態にあるボルト
    (B)が螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネ
    (S)における筒芯方向での引張作用に伴なう内径収縮
    力が、ボルト(B)の雄ネジ(12)にますます強く絡
    らみ付く摩擦力として倍加するように設定したことを特
    徴とするネジ締結体の緩み止め装置。
  5. 【請求項5】入口側に雌ネジ(11)と出口側にバカ穴
    (20)とが連通開口された素地(N)と、 その素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、基端部(21)に上記素地(N)の雌
    ネジ(11)と対応する同一ピッチの第1雄ネジ(12
    a)と、上記バカ穴(20)と対応位置する細い先端部
    (19)に第1雄ネジ(12a)と同一ピッチの上記雌
    ネジ(11)と干渉しない第2雄ネジ(12b)とが刻
    設されたボルト(B)とを備え、 上記ボルト(B)における第2雄ネジ(12b)の外径
    (D1)よりも予じめ小さな内径(d2)として、その
    第2雄ネジ(12b)の少なくとも2ピッチ分だけ捲回
    準備されたコイルバネ(S)を、上記素地(N)のバカ
    穴(20)に挿入セットすると共に、そのコイルバネ
    (S)の切り離し一端部(15)のみを上記素地(N)
    の出口側又はその出口側に位置する被締結物(M)に取
    り付け固定して、 上記素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、上記ボルト(B)の第1雄ネジ(12
    a)を素地(N)の雌ネジ(11)と螺合させると共
    に、同じくボルト(B)の第2雄ネジ(12b)をコイ
    ルバネ(S)の内部へ、その入口側の自由な切り離し他
    端部(18)から螺進状態に圧入することにより、上記
    素地(N)のバカ穴(20)とボルト(B)の第2雄ネ
    ジ(12b)との相互間に介在することとなるコイルバ
    ネ(S)に、上記圧入に伴なう復元的な内径収縮力を蓄
    積させ、 その被締結物(M)の押え付け固定状態にあるボルト
    (B)が螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネ
    (S)における筒芯方向での引張作用に伴なう内径収縮
    力が、ボルト(B)の第2雄ネジ(12b)にますます
    強く絡らみ付く摩擦力として倍加するように設定したこ
    とを特徴とするネジ締結体の緩み止め装置。
  6. 【請求項6】素地(N)のバカ穴(20)とボルト
    (B)の雄ネジ(12)(12b)との相互間に介在す
    ることとなるコイルバネ(S)の内周面を、そのボルト
    (B)の雄ネジ(12)(12b)へ全面的な密着状態
    に螺合し得るV字型や円弧型として造形することによ
    り、その面圧を昂めたことを特徴とする請求項4又は5
    記載のネジ締結体の緩み止め装置。
  7. 【請求項7】入口側に雌ネジ(11)と出口側にバカ穴
    (20)とが連通開口された素地(N)と、 その素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、基端部(21)にのみ上記素地(N)
    の雌ネジ(11)と対応する同一ピッチの雄ネジ(1
    2)が部分的に刻設されたボルト(B)とを備え、 上記ボルト(B)における細い先端部(19)の外径
    (D1)よりも予じめ小さな内径(d2)として、少な
    くとも2巻き分だけ捲回準備されたコイルバネ(S)
    を、上記素地(N)のバカ穴(20)に挿入セットする
    と共に、そのコイルバネ(S)の切り離し一端部(1
    5)のみを上記素地(N)の出口側又はその出口側に位
    置する被締結物(M)に取り付け固定して、 上記素地(N)の表面又は内部へ被締結物(M)を押え
    付け固定すべく、上記ボルト(B)の雄ネジ(12)を
    素地(N)の雌ネジ(11)と螺合させると共に、同じ
    くボルト(B)の先端部(19)をコイルバネ(S)の
    内部へ、その入口側の自由な切り離し他端部(18)か
    ら圧入することにより、上記素地(N)のバカ穴(2
    0)とボルト(B)の先端部(19)との相互間に介在
    することとなるコイルバネ(S)に、上記圧入に伴なう
    復元的な内径収縮力を蓄積させ、 その被締結物(M)の押え付け固定状態にあるボルト
    (B)が螺退方向へ逆回転すると、上記コイルバネ
    (S)における筒芯方向での引張作用に伴なう内径収縮
    力が、ボルト(B)の先端部(19)にますます強く絡
    らみ付く摩擦力として倍加するように設定したことを特
    徴とするネジ締結体の緩み止め装置。
  8. 【請求項8】素地(N)のバカ穴(20)とボルト
    (B)の先端部(19)との相互間に介在することとな
    るコイルバネ(S)の内周面を、そのボルト(B)の先
    端部(19)へ全面的な密着状態に係止し得るフラット
    面として造形することにより、その面圧を昂めたことを
    特徴とする請求項7記載のネジ締結体の緩み止め装置。
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JP2016180506A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 鈴木 康之 プレス蝶ナットの緩み止め装置
JP2018091420A (ja) * 2016-12-05 2018-06-14 濱中ナット株式会社 ボルト・ナットの弛み止め構造
JP2021135348A (ja) * 2020-02-26 2021-09-13 コニカミノルタ株式会社 画像読取装置および画像形成装置

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