JPH1112517A - 水性インク組成物及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク組成物及びこれを用いたインクジェット記録方法

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JPH1112517A
JPH1112517A JP18592097A JP18592097A JPH1112517A JP H1112517 A JPH1112517 A JP H1112517A JP 18592097 A JP18592097 A JP 18592097A JP 18592097 A JP18592097 A JP 18592097A JP H1112517 A JPH1112517 A JP H1112517A
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water
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JP18592097A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Mochizuki
博孝 望月
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Akiko Konishi
昭子 小西
Masayuki Koyano
正行 小谷野
Masato Igarashi
正人 五十嵐
Takanori Tsuyuki
孝範 露木
Ikuko Yamada
郁子 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐光性、色調に優れ、さらに良好な
吐出安定性と保存安定性を有する水性インク、特にイン
クジェット記録用の水性黒色インクを得る。 【解決手段】 着色剤、湿潤剤及び水を含む水性インク
において、着色剤として下記一般式(I)で表される化合
物と一般式(II)で表される化合物を同時に含有させる。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性筆記用具、記録
計、ペンプロッター、インクジェット記録等に用いられ
る水性インク、特にインクジェット記録用として用いら
れる水性黒色インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、低騒音、低
ランニングコストといった利点から近年、著しく普及
し、普通紙に印字可能なカラープリンタも市場に投入さ
れるようになった。このようなインクジェットプリンタ
に用いられるインクは、基本的には染料、及び湿潤剤と
いわれる多価アルコール、又はそのエーテル類と水によ
り構成される。染料としては酸性染料、直接染料、塩基
性染料などがあるが、塩基性染料は、その保存安定性の
点からインクジェット記録用インクには余り用いられ
ず、主として直接染料や酸性染料が用いられている。例
えば黒色染料としてはC.I.フードブラック2(特開
昭59−93766号公報)などが用いられているが、
これらの染料を用いたインクの乾燥性は、界面活性剤の
有無が大きく影響する。界面活性剤の役割としては、イ
ンクの表面張力を下げることにより、インクの紙への浸
透性を高める効果があり、それによって乾燥速度を速め
る。特開昭55−29546号公報では界面活性剤の持
つ紙などへの浸透力を利用して見かけ上の乾燥性を上げ
ているが、この処方は紙により著しく滲むという欠点が
ある。
【0003】さらに水溶性染料を用いた水溶性インクに
あっては印字物の耐水性の向上が一般的な課題として挙
げられているが未だに改善されていない。特開平6−2
48211号公報ではC.I.Direct Blac
k 168と他の黒色染料を混合したインクが示されて
いるが、このインクは色調は優れているが耐水性に難が
あり、改善の余地がある。また、耐水性を向上させた黒
色染料はいくつか報告されているが(特開平3−915
77号公報)、色調の点に難がある。さらに特開平5−
271588号公報では耐水性に優れた染料と特定の界
面活性剤によりインクの耐水性の向上を図っているがや
はり色調に難があり、色調と耐水性の双方を満足させる
インクは未だに得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、これま
で黒色の水性インクについて種々検討されているが、紙
により著しく滲むこと、耐水性に難があること、さらに
耐水性を向上させることはできても色調に問題があっ
た。本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、
第一に、インクジェット記録用インクとして諸特性を満
足し、特に黒色インクとして色調が優れ、耐光、耐水性
も改良された水性インク組成物を提供することを目的と
する。第二に、耐光、耐水性に加え、吐出安定性と保存
安定性に優れた水性インク組成物を提供することを目的
とする。第三に、発色性と紙への滲みの防止を両立させ
普通紙適性が改良された水性インク組成物を提供するこ
とを目的とする。第四に、この水性インク組成物を用い
るインクジェット記録を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、水に分散又は溶解する着色剤、湿潤剤及び水を含有
する水性インク組成物において、前記着色剤として下記
一般式(I)で表され化合物と下記一般式(II)で表される
化合物を含有することを特徴とする水性インク組成物が
提供される。
【化1】 (式中、A及びBはCOOR、又はSO3R、Rは水素
原子、第4級アンモニウム、アルカリ金属、アンモニウ
ム、又はアルカノールアミン、Dは水素原子、又はCH
2COOH、Tは水素原子、第4級アンモニウム、アル
カリ金属、アンモニウム、又はアルカノールアミンを表
す。)
【化2】 (式中、Zはアルカノールアミノ基、又は水酸基、Mは
アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウ
ム、又はアルカノールアミン、1及びmは0、1、2、
3のいずれかの数を表す。) 第二に、上記第一に記載した水性インク組成物におい
て、上記一般式(I)で表され化合物と上記一般式(II)で
表される化合物が重量比で5/1ないし25/1の割合
で混合されていることを特徴とする水性インク組成物が
提供される。第三に、上記第一又は第二に記載した水性
インク組成物において、上記一般式(II)で表される化合
物の対イオンがナトリウム、リチウム又は下記一般式(I
II)で表される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウ
ムもしくはアルカノールアミンであることを特徴とする
水性インク組成物が提供される。
【化3】 (式中、Xは窒素、又はりん、R1ないしR4は水素原
子、炭素数1ないし4のアルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、又はハロゲン化アルキル基を表す。) 第四に、上記第一、第二又は第三に記載した水性インク
組成物において、さらに界面活性剤を含有することを特
徴とする水性インク組成物が提供される。第五に、上記
第四に記載した水性インク組成物において、上記界面活
性剤として下記一般式(IV)で表されるポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル酢酸塩、下記一般式(V)で表される
ジアルキルスルホコハク酸塩、又は下記一般式(VI)で表
される化合物のいずれか単独又はこれら複数が含有され
ていることを特徴とする水性インク組成物が提供され
る。
【化4】 RO(CH2CH2O)nCH2COOM’ (IV) (式中、Rは炭素数13、又は14の直鎖、又は分岐し
たアルキル基、nは3ないし12の正の整数、M’はア
ルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウ
ム、又はアルカノールアミンを表す。)
【化5】 (式中、R’は炭素数5ないし7の直鎖、又は分岐した
アルキル基、M’はアルカリ金属、第4級アンモニウ
ム、第4級ホスホニウム、又はアルカノールアミンを表
す。)
【化6】 R''−Ar−(CH2CH2O)n'H (VI) (式中、R''は分岐してもよい炭素数6ないし14のア
ルキル基、Arはベンゼン環、n’は5ないし12の正
の整数を表す。) 第六に、上記第五に記載した水性インク組成物におい
て、上記一般式(IV)で表される化合物のカルボン酸基及
び上記一般式(V)で表される化合物のスルホン酸基の対
イオンがナトリウム、リチウム又は下記一般式(VII)で
表される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムもし
くはアルカノールアミン陽イオンであることを特徴とす
る水性インク組成物が提供される。
【化7】 (式中、Yは窒素、又はりん、R5ないしR8は水素原
子、炭素数1ないし4のアルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、又はハロゲン化アルキル基を表す。) 第七に、上記第五に記載した水性インク組成物におい
て、上記一般式(VI)で表される化合物を用いるときは、
さらに尿素又は尿素誘導体を含有させることを特徴とす
る水性インク組成物が提供される。第八に、上記第一、
第二、第三、第四、第五、第六又は第七の水性インク組
成物において、pHが7以上11以下に調整されている
ことを特徴とする水性インク組成物が提供される。。第
九に、上記第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七
又は第八の水性インク組成物を熱エネルギー又は機械的
エネルギーにより微小な水滴として飛翔させ、これをス
テキヒトサイズ度が3秒以上の被記録材に付着せしめる
ことを特徴とするインクジェット記録方法が提供され
る。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。上述のよ
うに本発明の水性インク組成物は、着色剤として上記一
般式(I)で表される化合物と上記一般式(II)で表される
化合物を同時に含有することを特徴とするものであり、
このような構成とすることにより特に耐水性及び色調に
優れたインクジェット記録用水性黒色インク組成物が得
られる。
【0007】ここで本発明において検討した水性インク
組成物の黒色に色調について説明する。黒色の色調は人
間の感覚によって判断されるが、この色調を定量的に扱
うために何種類かの表色系がこれまで検討され、近年最
も適当であると認められつつあるのがCIEの(L**
*)表色系であり、本発明においてもこれを採用して
検討した。ここで(a*、b*)は、CIE(L*、a*
*)空間において定義される知覚色度指数を意味す
る。人間の目に黒色として見える色は、一般的には(a
*2+b*21/2≦3の領域にあり、これが0に近づくほ
ど理想的な黒色といわれている。また印字するインクジ
ェツトプリン夕の種類、印字する紙種によって色調が異
なるのが実状である。
【0008】本発明において用いられる上記一般式(I)
で表される化合物は、耐水性及び耐光性に優れるが、黒
色の色調としては青みがかっていて良好とはいえない。
そこで上記一般式(II)で表される化合物を併用すること
により黒色の所望の色調が得られることが見い出され
た。これら二種の化合物を同時に含むと黒色の色調のみ
ならず、さらに耐水性及び保存性にも優れた水性インク
組成物が得られることが分かった。また、この二つの化
合物を混合して用いることにより、印字するインクジェ
ットプリン夕の種類や印字される紙種によっても変化の
少ない黒色インク組成物を提供することが可能になっ
た。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て述べる。まず一般式(I)の化合物と一般式(II)の化合
物の具体例を表1ないし表2及び表3に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】一般式(I)の化合物と一般式(II)の化合物
の混合比は、重量比で、一般式(I)の化合物/一般式(I
I)の化合物=5/1〜25/1の範囲で、好ましくは1
0/1〜20/1である。5/1よりも一般式(II)の化
合物の混合比が多くなると色調が崩れ、耐水性が落ちて
くる。一方、25/1よりも小さくなると色調の点で改
善されなくなる。また、これらの染料の含有率はヘッド
の特性や使用される被記録材料にもよるが0.5〜10
重量%であり、好ましくは1〜5重量%の間で使用され
る。0.5重量%以下では濃度が低く、10重量%以上
では低解像度プリンタでは目詰まりが発生しやすくな
る。
【0014】上記一般式(II)の化合物において、Mで示
される対イオンがナトリウム、リチウム及び/または上
記一般式(III)で示される第4級アンモニウム、第4級
ホスホニウム、アルカノールアミンイオンである場合、
優れた吐出安定性、溶解安定性及び良好な印字画像が得
られる。
【0015】次に本発明においてアニオン系界面活性剤
として用いられる一般式(IV)で表されるポリオキシエチ
レンアルキルエーテル酢酸塩、及び一般式(V)で表され
るジアルキルスルホコハク酸塩の具体例を表4に示す。
【0016】
【表4】
【0017】一般式(IV)においてRは炭素数13のもの
が好ましい。また、n=3のものが最も好ましい。また
一般式(V)において、R’は炭素数が5又は7のものが
好ましい。上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢
酸塩、あるいはジアルキルスルホコハク酸塩は、インク
の表面張力を下げ、インクの紙への浸透性を上げること
によって印字画像の乾燥時間を短くするために添加され
るものであり、その添加量はインクの表面張力が通常5
0mN/m以下とすることが好ましく、水性インク組成
物全量に対して0.01〜3.0重量%が好ましい。
0.01重量%よりも少ないと動的表面張力が高いため
に乾燥性が悪く、逆に3.0重量%よりも多くなると保
存時に界面活性剤の析出などが生じる。またジアルキル
スルホコハク酸塩はアルカリ側で放置すると分解するた
め、通常pHを調整して用いられる。ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル酢酸塩のカルボン酸基、あるいはジ
アルキルスルホコハク酸塩のスルホン酸基の対イオン
M’は、ナトリウム、リチウム及び/又は一般式(III)
で示される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、
もしくはアルカノールアミンイオンである場合には優れ
た溶解安定性、吐出安定性及び良好な印字画像が得られ
る。
【0018】また本発明では、ノニオン系界面活性剤と
して一般式(VI)で表されるポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルが用いられるが、該活性剤はインクの
表面張力を低下させ、インクと紙表面との濡れ性を向上
させ、紙への浸透力を高める。一般式(VI)で示される化
合物の具体例を表5に示す。
【0019】
【表5】
【0020】また上記一般式(VI)の界面活性剤は、上記
一般式(IV)の界面活性剤と、さらに一般式(IV)の界面活
性剤と一般式(V)の界面活性剤を同時に添加すると、着
色剤として上記一般式(I)の染料と一般式(II)の染料を
用いた場合には、画像劣化が極めて少なくなり、色調及
び画像濃度も優れる。さらにまた、この一般式(VI)の界
面活性剤に加え、尿素及びヒドロキシエチル尿素、ジヒ
ドロキシエチル尿素などの尿素誘導体を添加すると染料
とノニオン系界面活性剤との相互作用を弱め、染料の会
合を防ぐことによりさらに浸透性を向上させたり、吐出
安定性、長期保存安定性を改良できることも分かった。
これら尿素及び尿素誘導体の添加量は0.1〜5重量%
で用いることが望ましく、0.1重量%以下では効果が
なく、5重量%以上では水分蒸発時の粘度変化に影響を
及ぼすことがある。
【0021】上記アニオン系界面活性剤として用いるポ
リオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩は、具体的に
はニツコールECTシリーズ(日本サーファクタント工
業化学社製)などとして入手できる。またジアルキルス
ルホコハク酸塩はエアロールOB−70(東邦化学社
製)、エアロゾールMA−80、AY−10 0(三井
サイアナミド社製)などとして入手できる。またノニオ
ン系界面活性剤として用いるポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテルはノニポール(三洋化成社製)など
として入手できる。
【0022】本発明で用いる一般式(II)の染料、及び一
般式(IV)や一般式(V)の界面活性剤のスルホン酸基ある
いはカルボン酸基をアルカリ塩とするには、インク調整
時にこれらを水に溶解する際、所望のアルカリイオンを
含んだアルカリ金属水酸化物を添加することにより行
え、一般式(III)や一般式(VII)の第4級アンモニウム、
第4級ホスホニウム、アルカノールアミン陽イオンに関
しては、具体的には下記表6に示す水酸化物を添加する
ことにより行える。
【0023】
【表6】
【0024】本発明において上記染料、あるいは上記界
面活性剤の対イオンはすべてナトリウム、リチウム及び
/又は上記一般式(III)又は一般式(VII)の化合物である
必要はなく、他のアルカリイオンと混合することもでき
る。好ましい他の対イオンとしては、トリエタノールア
ミンなどである。ナトリウム、リチウム及び/又は上記
一般式(III)、又は(VII)の化合物によるイオン量として
は、該染料、あるいは該界面活性剤のユニットモル数に
対して30%以上、より好ましくは50%以上になるよ
うに添加されることが好ましい。
【0025】本発明の水性インク組成物は水を液媒体と
して使用するものであるが、インクを所望の物性にする
ために、もしくはインクの乾燥を防止するために、ま
た、本発明の化合物の溶解安定性を向上させるためなど
の目的で添加される湿潤剤としては次のようなものがあ
げられる。エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、グリセロール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,
2,6−へキサントリオール、1,2,4ーブタントリ
オール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール
などの多価アルコール類、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルなどの多価アルコールアルキルエーテル類、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコール
モノベンジルエーテルなどの多価アルコールアリールエ
ーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキ
シエチル−2−ピロリドン、2ーピロリドン、1,3−
ジメチルイミダソリジノン、ε−カプロラクタムなどの
含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルム
アミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド
類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミンなどのアミン類、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、チオジエタノールなどの含硫黄化
合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチルなどであ
る。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合
して用いられる。
【0026】インク組成物のpHは7以上にすることに
よりインク組成物の保存安定性が得られる。またオフィ
スで使用されているコピー用紙などはpHが5〜6のも
のが多く、これらの記録紙にインク組成物を20〜60
μmの微細な吐出口より吐出重量が10〜100ngの
液滴として5〜20m/sで飛翔させ、ステキヒトサイ
ズ度が3秒以上の、いわゆる普通紙に記録することによ
り、高画質、高解像度の記録画像を形成するインクジェ
ット記録方法を提供することができる。但し、一般式(V
I)の界面活性剤を使用する場合にはpH9以上では保存
時に界面活性剤の分解により活性効果がなくなるためp
H7〜9にすることが望ましい。
【0027】また表面張力を調整する目的で本発明で使
用される界面活性剤の他に添加される浸透剤としては、
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコール
モノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラ
エチレングリコールクロロフェニルエーテルなどの多価
アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、フッ素
系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤、エタノール、
2−プロパノールなどの低級アルコール類があげられる
が、特に好ましいのはジエチレングリコールモノブチル
エーテルである。
【0028】本発明のインクには上記染料、溶媒、界面
活性剤の他に従来より知られている添加剤を加えること
ができる。例えば防腐防かび剤としてはデヒドロ酢酸ナ
トリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオー
ル−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、
ペンタクロロフェニルナトリウムなどが使用できる。ま
た防錆剤としては、例えば酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナト
リウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピ
ルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトー
ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどがあ
る。そのほか目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性
赤外線吸収剤を添加することもできる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。 〔実施例1ないし9、比較例1ないし8〕下記表7に示
すような組成で処方したインク組成物を室温中で撹拌溶
解し、これを0.22μmのテフロンフィルターにて濾
過し、さらに30分間脱気を行ない、実施例1ないし9
及び比較例1ないし8の黒色インクを作製した。
【0030】
【表7】
【0031】次に得られたインク組成物について以下の
評価を行なった。評価結果を表8に示す。 1)画像の鮮明性 サーマルインクジェット方式、ピエゾインクジェット方
式のインクジェットプリン夕にて印字を行い、画像滲
み、色調、濃度を目視により総合的に判断した。印字用
紙は市販の再生紙、上質紙、ボンド紙に印字した。(L
***)の表色系は分光測色計(エックスライト93
8)にて測定した。その結果、0≦(a*2+b*21/2
≦3である場合は〇、それ以下を×とした。 2)画像の耐水性 印字した画像サンプルを30℃の水に1分間浸漬し、浸
漬前後の画像濃度を分光測色計(エックスライト93
8)にて測定し、下記式にて耐水退色率を求めた。
【0032】
【数1】耐水退色率(%)=(1−(処理後の画像濃度/
処理前の画像濃度))×100 3)画像の耐光性 印字した画像サンプルにキセノン式フェードメータにて
63℃で3時間光照射し、光照射前後の画像濃度変化を
分光測色計(エックスライト938)にて測定し下記式
にて耐光退色率を求めた。
【0032】
【数2】耐光退色率(%)=(1−(処理後の画像濃度/
処理前の画像濃度))×100 4)保存安定性 各インクをポリエチレン容器に入れ−20℃、5℃、2
0℃、70℃でそれぞれの条件下で3カ月間保存し、保
存後の表面張力、粘度、及び沈殿物析出の有無を調べ
た。どの条件でも物性などが変化しないものを〇とし
た。
【0033】
【表8】 表8に示すように実施例に記載した処方によって作製し
た水性インク組成物は、耐水性、耐光性、保存安定性及
び色調に優れたものであることが明らかである。また実
施例のものが普通紙に対して優れた画像形成ができるイ
ンクジェット記録用水性黒色インクであることが分か
る。
【0034】
【発明の効果】以上のように上記第一及び第二に記載し
た発明によれば、一般式(I)で表される染料と一般式(I
I)で表される染料を同時に含むことにより、さらにま
た、これら二種の染料の混合比を特定することにより耐
水性、耐光性に優れ、かつ色調にも優れた高信頼性の水
性黒色インク組成物が得られる。上記第三に記載した発
明によれば、該染料の対イオンを選択することにより水
に対する溶解安定性が向上し、耐水性、耐光性、かつ色
調に優れ、さらに保存安定性に優れた水性黒色インクが
得られる。上記第四に記載した発明によれば、第一ない
し第三に記載したインク組成物のいずれかにさらに界面
活性剤を添加することにより、上述した優れた耐水性、
耐光性及び色調に加え、普通紙の濡れ性が高く、かつ吐
出安定性が高い水性黒色インクを得ることができる。上
記第五に記載した発明によれば、アニオン系、もしくは
ノニオン系の特定の界面活性剤を添加することによって
インクの紙に対する浸透性が高まり、それにより画質劣
化が抑えられ、普通紙に印字した際に高画質で乾燥性に
優れた水性黒色インクが得られれる。上記第六に記載し
た発明によれば、上記アニオン系の界面活性剤の対イオ
ンを特定することにより、水に対する溶解安定性が向上
し、耐水性、耐光性及び色調に優れると共に保存安定性
に優れた水性黒色インクを得ることができる。上記第七
に記載した発明によれば、上記ノニオン系の界面活性剤
を用いたときに尿素、及び尿素誘導体を同時に用いるこ
とにより、インクの紙に対する浸透性を高まり、それに
より画質劣化を抑えられ、普通紙に印字した際に高画質
で乾燥性に優れた水性黒色インクを得ることができる。
上記第八に記載した発明によれば、インクのpHを7以
上の特定範囲に調整することにより、長期印字休止後や
連続噴射時でも安定した吐出動作が可能な水性黒色イン
クが得られる。上記第九に記載した発明によれば、普通
紙とインクジェット記録用コート紙の双方に対し良好な
濡れ性を示し、滲みの少ない画像を形成すインクジェッ
ト記録方法が得られる。また本発明の水性インク組成物
によればOHPに対しても優れた画像を形成することが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 小谷野 正行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 五十嵐 正人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 露木 孝範 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山田 郁子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に分散又は溶解する着色剤、湿潤剤及
    び水を含有する水性インク組成物において、前記着色剤
    として下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(I
    I)で表される化合物を含有することを特徴とする水性イ
    ンク組成物。 【化1】 (式中、A及びBはCOOR、又はSO3R、Rは水素
    原子、第4級アンモニウム、アルカリ金属、アンモニウ
    ム、又はアルカノールアミン、Dは水素原子、又はCH
    2COOH、Tは水素原子、第4級アンモニウム、アル
    カリ金属、アンモニウム、又はアルカノールアミンを表
    す。) 【化2】 (式中、Zはアルカノールアミノ基、又は水酸基、Mは
    アルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウ
    ム、又はアルカノールアミン、l及びmは0、1、2、
    3のいずれかの数を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1の水性インク組成物において、
    前記一般式(I)で表され化合物と前記一般式(II)で表さ
    れる化合物が重量比で5/1ないし25/1の割合で混
    合されていることを特徴とする水性インク組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の水性インク組成物にお
    いて、前記一般式(II)で表される化合物の対イオンがナ
    トリウム、リチウム又は下記一般式(III)で表される第
    4級アンモニウム、第4級ホスホニウムもしくはアルカ
    ノールアミンであることを特徴とする水性インク組成
    物。 【化3】 (式中、Xは窒素、又はりん、R1ないしR4は水素原
    子、炭素数1ないし4のアルキル基、ヒドロキシアルキ
    ル基、又はハロゲン化アルキル基を表す。)
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3の水性インク組成物
    において、さらに界面活性剤を含有することを特徴とす
    る水性インク組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4の水性インク組成物において、
    界面活性剤として下記一般式(IV)で表されるポリオキシ
    エチレンアルキルエーテル酢酸塩、一般式(V)で表され
    るジアルキルスルホコハク酸塩、又は下記一般式(VI)で
    表される化合物のいずれか単独又はこれら複数が含有さ
    れていることを特徴とする水性インク組成物。 【化4】 RO(CH2CH2O)nCH2COOM’ (IV) (式中、Rは炭素数13、又は14の直鎖、又は分岐し
    たアルキル基、nは3ないし12の正の整数、M’はア
    ルカリ金属、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウ
    ム、又はアルカノールアミンを表す。) 【化5】 (式中、R’は炭素数5ないし7の直鎖、又は分岐した
    アルキル基、M’はアルカリ金属、第4級アンモニウ
    ム、第4級ホスホニウム、又はアルカノールアミンを表
    す。) 【化6】 R''−Ar−(CH2CH2O)n'H (VI) (式中、R''は分岐してもよい炭素数6ないし14のア
    ルキル基、Arはベンゼン環、n’は5ないし12の正
    の整数を表す。)
  6. 【請求項6】 請求項5の水性インク組成物において、
    前記一般式(IV)で表される化合物のカルボン酸基及び一
    般式(V)で表される化合物のスルホン酸基の対イオンが
    ナトリウム、リチウム又は下記一般式(VII)で表される
    第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムもしくはアル
    カノールアミン陽イオンであることを特徴とする水性イ
    ンク組成物。 【化7】 (式中、Yは窒素、又はりん、R5ないしR8は水素原
    子、炭素数1ないし4のアルキル基、ヒドロキシアルキ
    ル基、又はハロゲン化アルキル基を表す。)
  7. 【請求項7】 請求項5の水性インク組成物において、
    前記一般式(VI)で表される化合物を用いるときは、さら
    に尿素又は尿素誘導体を含有させることを特徴とする水
    性インク組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6又は7の
    水性インク組成物において、pHが7以上11以下に調
    整されていることを特徴とする水性インク組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8の水性インク組成物を熱エネルギー又は機械的エネル
    ギーにより微小な水滴として飛翔させ、これをステキヒ
    トサイズ度が3秒以上の被記録材に付着せしめることを
    特徴とするインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002332426A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Nippon Kayaku Co Ltd 水性ブラックインク組成物及びインクジェット記録方法

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