JPH11124883A - 作業車両の駆動装置 - Google Patents

作業車両の駆動装置

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JPH11124883A
JPH11124883A JP28954397A JP28954397A JPH11124883A JP H11124883 A JPH11124883 A JP H11124883A JP 28954397 A JP28954397 A JP 28954397A JP 28954397 A JP28954397 A JP 28954397A JP H11124883 A JPH11124883 A JP H11124883A
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JP
Japan
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hydraulic
drive
signal
pressure
rotation
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JP28954397A
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English (en)
Inventor
Kiyozumi Fukui
清純 福井
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Nabtesco Corp
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Teijin Seiki Co Ltd
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧駆動力を出力する部材を操作入力に追従
して変位させ、操作性及び応答性に優れ、滑りや熱の問
題を解消し得る低コストの駆動装置を提供する。 【解決手段】 操作入力手段1と、指令信号を出力する
指令信号制御手段5と、指令信号制御手段5からの指令
信号に応じて回転する電動機6と、電動機6の回転に応
じて変位する応動部材7及びこれに対し相対変位可能な
駆動出力部材8を有し、これらの相対変位に応じ油圧供
給源9からの作動油を導入して駆動出力部材8を油圧に
より変位させ、電動機6の回転に応じた変位を出力する
油圧倍力手段10と、を備えており、駆動出力部材8が
操作入力手段1への操作入力に追従して前記所定方向に
変位する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業車両の駆動装
置、特にクローラ式又はホイール式の走行装置に加え
て、旋回、巻上げ、掘削又は運搬等を行う複数の油圧機
構を備えた作業車両に好適な駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に厳しい周囲条件下で使用される作
業車両においては、古くは機械式伝達機構を用いた駆動
装置、最近では油圧機構を用いた駆動装置が多用されて
いる。特に、車輪や無限軌道(クローラ)を有する車体
重量が100トン未満の油圧駆動式の作業車両では、例
えば走行用の油圧モータに加えて各種作業用の油圧シリ
ンダ(例えばブームシリンダ、アームシリンダ、バケッ
トシリンダ)が装備されている。これらのアクチュエー
タを駆動制御する駆動装置は、例えば図16に示すよう
に、エンジンにより駆動されて油圧アクチュエータ1a
〜1fに対し作動油を供給する可変容量型の油圧ポンプ
2と、この油圧ポンプ2とリザ−バ3の間でアクチュエ
ータ1a〜1f毎に作動流体(作動油)を給排制御する
複数の給排制御弁3a〜3fと、作動油圧を設定圧まで
に制限するリリーフ弁等の圧力調整弁4a〜4fとを備
えている。給排制御弁3a〜3fは、例えば運転者によ
り操作される複数の操作レバー5a〜5fの操作量に応
じてパイロットポンプからのパイロット油圧をその操作
方向に対応するスプールの一端面に作用させる比例弁
で、それぞれ対応する操作レバー5a〜5fの操作時に
走行や各種作業用アクチュエータ1a〜1fの制御を行
なう一方、対応する操作レバー5a〜5fの非操作時に
は中立位置に復帰して作動油の給排経路を遮断するよう
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の作業車両の駆動装置にあっては、レバー操作によっ
て比例弁の作動方向を切換えることにより主としてアク
チュエータへの作動油の給排方向を切り換える構成とな
っていたため、地面の勾配(登坂、降坂又は平地走行
の姿勢となる状態)等の外乱やレバー操作速度等によっ
て油圧アクチュエータ(例えば走行用油圧モータ)の起
動に要する時間が大きく異なり、切換え後の油圧の立
上りが負荷の大小等に依存する。このようなことから、
レバーの切換え操作を頻繁に必要とする場合が多いにも
拘わらず、レバー操作に即座に応答する駆動出力が得ら
れ難く、起動停止の加減速の精緻な制御もできない。更
に、各アクチュエータの相互出力位置に特定の函数関係
を保持させるように複数のレバーを同時に操作する複合
動作、例えば作業端に円弧運動させるような動作、はで
きない。また、正確ではないがそのような動作に類似し
た動作がレバー操作により可能であるとしても、かかる
操作には高度な熟練を要する。したがって、複数の比例
弁の応答性にばらつきがないようにこれらの特性を厳密
にチューニングする必要があり、組立やメンテナンス作
業が容易でなかった。また、急な停止や切換え操作に対
しては、過剰な油圧上昇を抑えるためにリリーフ弁を介
して作動油が排出されることから、停止時にいわゆる滑
りが生じ、停止や切換えに要する時間が長くなるという
問題もあった。
【0004】このような問題に対し、例えば複数のアク
チュエータの作動状態や車両の状態を監視し、操縦入力
のみならずその監視結果に基づいて複数の給排制御弁を
制御することが考えられるが、電磁比例制御弁を用いる
場合には応答速度が遅いという欠点がある。応答性に優
れている電気油圧サーボ弁を用いることも考えられる
が、作業車両に要求される広範な使用温度範囲(−40
℃〜120℃)、あるいは、大きな振動、作動媒体の汚
れ等が生じ易い通常の作業車両の使用環境において、電
気油圧サーボ弁では信頼性に欠け、しかも高価であると
いう問題が残る。さらに、通常の電気油圧サーボ弁を使
用すると、負荷の大小にかかわらず供給圧力が高い設定
圧に保たれ、負荷が小さいときにはそのサーボ弁の絞り
による発熱が問題となり、冷却能力を大きくとり得ない
作業車両には搭載できない。
【0005】さらに、オペレーションキャビン等のアッ
パー側が旋回する作業車両にあっては、左右の走行用油
圧モータがクローラ等のロワー側に配置されるのに対
し、それらの給排制御弁がコントロールバルブユニット
の一部として前記アッパー側に配設されることから、こ
れらを接続する複数組の油圧配管が旋回を許容するスイ
ベルジョイント部を必要とし、しかもそれを作業車両の
センタジョイント部に配置する必要からセンタジョイン
トの構造が複雑になるばかりか、配管長が長くなるとい
う問題がある。
【0006】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたもので、油圧駆動力を出力する部材が操作入力
に追従して変位するようになし、応答性に優れ、滑りや
熱の問題を解消でき、かつアクチュエータの複合動作が
容易となる低コストの駆動装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明に係る作業車両の駆動装置は、
図1にその概念図を示すように、作業車両に設けられ手
動操作される操作入力手段(例えば操作レバー)1と、
操作入力手段1の操作位置を示す信号を生成し出力する
操作位置検出手段(例えばトランスデューサ)2と、操
作位置検出手段2から出力される上記信号を演算処理し
て有用な駆動指令信号に変換し出力する信号演算手段
(コンピュータ)3および該信号演算手段からの上記駆
動指令信号を増幅する増幅手段4を含んでなる指令信号
制御手段5と、指令信号制御手段5から出力される上記
駆動指令信号に応じた速度で駆動回転される電動機6
と、電動機6の回転に応じて変位する応動部材7および
該応動部材に対し所定方向に相対変位可能な駆動出力部
材8を有し、応動部材7の変位に応じ油圧供給源9から
の作動油を導入して駆動出力部材8を油圧により変位さ
せ、電動機の回転に応じた変位を出力する油圧倍力手段
10と、を備え、駆動出力部材8が操作入力手段1への
操作入力に追従して上記所定方向に変位するようにした
ものである かかる構成においては、操作入力手段1への操作入力に
応動する電動機6の回転により応動部材7を変位させる
と、駆動出力部材8の位置が応動部材7の変位に追従す
るよう油圧倍力手段10が作動する。したがって、駆動
制御系に必要な電動機6が応動部材7を駆動し得る程度
の小型のものでよい。また、応動部材7と駆動出力部材
8とは追従制御関係にあるから、供給圧や負荷によって
駆動出力部材8の速度が大きく変動したり暴走したりす
る恐れはないので、通常の電気油圧サーボ弁を用いる場
合のように低負荷でも設定圧を一定の高い圧力に保つ必
要はなく、低負荷時の絞りによる発熱も抑えることがで
きる。また、操作入力に対する駆動応答性は必要にして
十分な速さを容易に得られるので、例えば操作入力手段
としての複数の操作レバーを操作する複合操作が、熟練
の要らない容易なものとなる。
【0008】また、請求項2に記載のように、上記応動
部材が油圧供給源からの作動油の給排を制御可能な弁体
を有するとともに、上記油圧倍力手段が該弁体により給
排制御される作動油の油圧を受圧する受圧部材を有し、
該受圧部材が、上記所定方向における応動部材の変位に
応じて、上記駆動出力部材を変位させるようにすること
ができる。
【0009】このようにすると、駆動出力態様に応じて
受圧部材の受圧力およびこれによる駆動出力部材の変位
のさせ方を適宜設定することができる。また、請求項3
に記載のように、上記電動機の回転を検出する回転検出
手段(例えばエンコーダ)11を設け、該回転検出手段
からの出力信号を上記指令信号制御手段にフィードバッ
クし上記駆動指令信号が帰還制御されるようにしてもよ
い。かかる構成にすると、動作精度および安定性のよい
装置とすることができる。
【0010】さらに、請求項4に記載のように、作業車
両の作業状態(傾斜状態等)を検出する作業状態検出手
段12を設け、上記信号演算手段が該作業状態検出手段
からの信号および上記操作位置検出手段からの信号を演
算処理し上記駆動指令信号を生成するようにしてもよ
い。かかる構成にすると、作業車両の作業状態(例えば
傾斜等の車両姿勢)に応じて上記電動機の回転をきめ細
かに制御することができ、より操作性のよい装置とする
ことができる。請求項5記載の発明に係わる作業車両の
駆動装置は、作業車両に設けられそれぞれ手動操作され
る複数の操作入力手段と、各操作入力手段の操作位置を
示す信号をそれぞれ生成し出力する複数の操作位置検出
手段と、各操作位置検出手段から出力される信号を演算
処理して有用な各々の駆動指令信号に変換し出力する信
号演算手段および該信号演算手段からの各駆動指令信号
をそれぞれ増幅する複数の増幅手段とを含んでなる指令
信号制御手段と、指令信号制御手段から出力される各駆
動指令信号に応じた速度でそれぞれ駆動回転される複数
の電動機と、各電動機の回転に応じて変位する応動部材
および該応動部材に対し所定方向に相対変位可能な駆動
出力部材をそれぞれ有し、応動部材の変位に応じ油圧供
給源からの作動油を導入して駆動出力部材をそれぞれ油
圧により変位させ、電動機の回転に応じた変位を出力す
る複数の油圧倍力手段と、を備え、上記各駆動出力部材
が上記各操作入力手段への操作入力に追従して上記各所
定方向に変位するようにしたものである。
【0011】かかる構成においても、請求項1に記載の
ものと同様に、各電動機の回転により応動部材を変位さ
せることで油圧倍力手段が作動し、駆動出力部材の位置
が操作入力に追従するものとなるから、複合操作等が容
易化される。さらに、オペレーションキャビン等が旋回
する作業車両にあっても、そのセンタジョイント部を通
る供給および排出の1組の配管を左右のクローラやホイ
ールを駆動するための油圧手段に共用することができる
から、センタジョイント部の構成の簡素化と配管長の短
縮が可能になる。
【0012】また、請求項6記載のように、上記操作入
力手段を複数の操作レバーから構成するとともに、上記
指令信号制御手段が少なくとも一つの作業モードプログ
ラムを備え、該指令信号制御手段が作業モード選択手段
13により選択される作業モード情報に基づいて、又は
該作業モード情報および操作レバーの操作位置信号に基
づいて、演算を実行し上記各駆動指令信号を出力するよ
うにしてもよい。
【0013】このように構成すると、手動操作による作
業運転と、作業モードの選択によるモード情報(プログ
ラム、データテーブル、関数式等)に基づく自動又は半
自動の作業運転とが可能になり、運転者の負担を軽減す
るとともに、熟練を要しない優れた操作性を得ることが
できる。例えば、ある作業モードを選択すると、複数の
駆動出力部材の相互関係は定められた函数関係を保ちな
がら動かすことができ、その速度は操作レバーの操作速
度に依存させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について添付図面を参照しつつ説明する。図2〜図1
2は、本発明に係る作業車両の駆動装置の一実施形態を
示す図であり、図2および図3にそのシステム構成を、
図4にその作業車両の外観を、それぞれ示している。
【0015】図2〜図4において、21〜26は作業車
両100に設けられた複数の操作手段で、例えば第1走
行レバー21、第2走行レバー22、旋回レバー23、
ブームレバー24、アームレバー25、バケットレバー
26からなる。これらの操作レバー21〜26は、それ
ぞれ運転者によって手動操作される。31〜36は操作
レバー21〜26のそれぞれへの操作入力としてレバー
操作位置を検出する複数の操作位置検出器(操作位置検
出手段)であり、30は操作位置検出器31〜36の検
出信号を入力し各レバー21〜26への操作入力(例え
ば操作方向および基準位置からの操作量、操作速度)に
応じた指令信号を出力する指令信号制御手段としての制
御回路である。
【0016】41〜46は、制御回路30からの指令信
号に応じて正転および逆転する複数の可変速の電動機
で、例えば入力パルス信号に応じて回転するパルスモー
タからなる。これらの電動機41〜46はそれぞれ対応
する油圧倍力手段51〜56の入力部に連結された出力
軸41a〜46aを有している。油圧倍力手段51〜5
6は、以下に詳細を述べるが、電動機41〜46のそれ
ぞれの回転に応じて変位する応動部材と、応動部材に対
し所定方向に相対変位可能な駆動出力部材と、を有し、
これら応動部材および駆動出力部材の相対変位に応じて
油圧供給源80からの作動油を導入し、駆動出力部材を
油圧により変位させて電動機41〜46の回転に応じた
駆動力(変位出力)を出力するようになっている。
【0017】図5および図6に示すように、電動機41
および油圧倍力手段51は、作業車両100のクローラ
101(無限軌道)を駆動する走行駆動装置110の一
部を構成しており、油圧倍力手段51は作業車両100
のトラックフレーム102に支持された油圧モータとな
っている。この走行駆動装置110は、図7および図8
に示すように、油圧供給源80からの作動油を導入する
複数の油路111a〜111iが形成されたケース11
1と、このケース111に支持されたパルスモータ等の
速度制御可能な電動機41と、ケース111内で電動機
41の出力軸41aにスプライン結合(回転方向のみ一
体に結合)しその出力軸41aの回転に応じて回転する
バルブ軸112(応動部材、弁体)と、このバルブ軸1
12に対し相対回転可能なシリンダバレル113(駆動
出力部材)と、シリンダバレル113とスプライン結合
した斜板114aおよび出力軸か114bからなるロー
タ114と、斜板114aを押圧してロータ114を回
転駆動する複数のピストン115と、ケース111とピ
ストン115によって画成された複数の圧力室116
と、ケース111内に軸方向に変位可能に設けられ油路
111bへの供給圧に応じて外側の油路111a,11
1cとこれらに対応する内側の油路111e,111
f,111gとの接続経路を切り換えるスプール117
と、ロータ114をケース内で案内するラジアル軸受1
19a,119bおよびスラスト軸受119cと、を有
している。
【0018】なお、図7には詳細を図示していないが、
ピストン115は、好ましくはそれぞれ図5に示すよう
に先端に球面部115aを有しており、その球面部11
5aにシュー115bが装着されている。また、図5に
おいて、105は、電動機41およびその後端部に装着
されたロータリーエンコーダ41b(回転検出手段)を
収納するための収納室104を形成するようトラックフ
レーム102に装着されたカバーで、収納室104を液
体密にシールしている。
【0019】ケース111の油路111a,111bは
エンジン109(図2参照)の回転数に応じて駆動され
る油圧ポンプ81および速度調整用ポンプ82に、ケー
ス111の油路111c,111dはリザーバ83に、
それぞれ接続されており、油圧ポンプ81および速度調
整用ポンプ82は油圧供給源80を構成している。油圧
ポンプ81から吐出された作動油の圧力は、油圧ポンプ
81から油路111aまでの油圧をパイロット圧として
作動するリリーフ弁118によってその設定圧に制限さ
れて、油路111aに導入される。
【0020】また、ケース111の油路111e〜11
1gは、それぞれ、内端側でシリンダバレル113に形
成された複数の連通孔113a〜113c(図9参照)
を取り囲む環状通路を形成し、外端側でスプール117
を取り囲む環状通路部を形成している。これにより、油
路111eは油路111aおよび連通孔113aに、油
路111gは油路111cおよび連通孔113cに、そ
れぞれ接続されており、油路111fはスプール117
の位置に応じて油路111aに選択的に接続されるよう
になっている。
【0021】バルブ軸112は、図10に示すように、
複数の略コの字形の通路112a,112b,112c
を有しており、これらの通路112a〜112cの一端
側は環状溝112e,112f,112gの底部に開口
し、他端側は円形開口112h,112i,112j,
112kとして形成されている。また、円形開口112
h,112jはバルブ軸112の軸方向同一位置に対称
に配置され、円形開口112i,112kはこれら円形
開口112h,112jから離間した位置に対称に配置
されている。
【0022】図8および図9に示すように、シリンダバ
レル113には、バルブ軸112の各一対の円形開口1
12h〜112kに対応する各一対の対称な扇型断面の
矩形給排ポート113d,113e,113f,113
gが形成されており、矩形給排ポート113d,113
eはそれぞれ複数の放射方向通路111hを介して圧力
室116に連通可能で、矩形給排ポート113f,11
3gはそれぞれ複数の放射方向通路111iを介して圧
力室116に連通可能である。放射方向通路111h,
111iは、互いにロータ114の軸線方向に離間する
とともに、図8(a)、(b)のケース横断面にそれぞ
れ実線および仮想線で示すように、ロータ114の回転
方向の異なる位置に交互に配置されており、放射方向通
路111hは矩形給排ポート113d,113eの何れ
かに、放射方向通路111iは矩形給排ポート113
f,113gの何れかに、それぞれ連通するようになっ
ている。なお、圧力室116はロータ114の回転方向
に等間隔に偶数個設けられており、圧力室116に連通
する放射方向通路111h,111iはそれぞれ圧力室
116の数の半数となる奇数個だけロータ114の回転
方向に等間隔に設けられている。
【0023】スプール117は、図11に示すように、
スプリング117aによって常時同図および図7の右側
に付勢されており、速度調整用ポンプ82からの吐出圧
が所定値に達したとき、油路111bからスプール11
7の右端側の受圧面に供給される油圧によって、スプー
ル117はスプリング117aを圧縮しつつ図11の下
半部に示す位置まで左行する。そして、このとき、油圧
ポンプ81から油路111aに供給される作動油を2つ
の油路111e,111fに供給するように接続経路を
切り換える。前記吐出圧が所定値より低い場合、スプー
ル117はスプリング117aの付勢力によって図11
の上半部に示す位置まで右行し、油圧ポンプ81から油
路111aに供給される作動油を1つの油路111eに
のみ供給するように接続経路を切り換える。また、油圧
ポンプ81からの作動油が2つの油路111e,111
fに供給されるとき、バルブ軸112の通路112a,
112bを通して矩形給排ポート113d,113eの
うち一方と矩形給排ポート113f,113gのうち一
方とから圧力室116の一部に作動油が供給され、残り
の圧力室116からは、給排ポート113d,113e
のうち他方と給排ポート113f,113gのうち他方
とを通してバルブ軸112の通路112cに作動油が排
出され、この作動油がリザーバ83に戻る。
【0024】また、シリンダバレル113の矩形給排ポ
ート113d,113eの間の一対の壁部113hは、
図8(b)に示すように、バルブ軸112の円形開口1
12h,112jの開口径よりわずかに幅広く形成され
るとともに約180度の間隔を隔てて設けられており、
バルブ軸112がシリンダバレル113に対し所定の回
転位置(中立位置)にあるときには円形開口112h,
112jを閉止することができる。同様に、シリンダバ
レル113の矩形給排ポート113f,113gの間の
一対の壁部113iは、図8(a)に示すように、バル
ブ軸112の円形開口112i,112kの開口径より
わずかに幅広く形成されるとともに約180度の間隔を
隔てて設けられており、バルブ軸112がシリンダバレ
ル113に対し所定の回転位置(中立位置)にあるとき
には円形開口112i,112kを閉止することができ
る。したがって、バルブ軸112がシリンダバレル11
3に対して中立位置にあるとき、円形開口112h〜1
12kは全部閉じた状態で、バルブ軸112がシリンダ
バレル113に対して中立位置から外れるよう相対回転
したとき、その相対回転角度に応じた開度で円形開口1
12h〜112kがそれぞれ開放され、圧力室116へ
の作動油の給排がなされる。
【0025】また、一対の壁部113h,113iは、
このような作動油の給排時に、矩形給排ポート113
d,113fによって形成される約半周分の作動油供給
区間と、矩形給排ポート113e,113gによって形
成される約半周分の作動油排出区間と、を区分する機能
を有している。そして、バルブ軸112が中立位置から
外れるよう回転して矩形給排ポート113d〜113g
と圧力室116の連通、遮断状態が切換えられるとき、
作動油供給区間内のピストン115の推力によってロー
タ114が回転駆動され、シリンダバレル113が円形
開口112h〜112kを閉じる位置へと追従回転する
ようになっている。
【0026】さらに、バルブ軸112が回転中のシリン
ダバレル113に対し相対的に加速されるとき、例えば
制御回路30からの指令信号に応じて電動機41が加速
され、これによってバルブ軸12が加速されるときに
は、これに応じて給排ポート113d〜113gの開度
が増加し、圧力室116への単位時間当りの作動油給排
量が増すことによって、ピストン115によるロータ1
14の駆動が加速される。これと反対に、バルブ軸11
2が回転中のシリンダバレル113に対し相対的に減速
されるとき、例えば制御回路30からの指令信号に応じ
て電動機41が減速され、これによってバルブ軸112
が減速されるときには、これに応じて給排ポート113
d〜113gの開度が減少し、圧力室116への単位時
間当りの作動油給排量が減ることによって、ピストン1
15によるロータ114の回転駆動が減速される。
【0027】このように、駆動出力部材であるロータ1
14は、シリンダバレル113に対するバルブ軸112
(および電動機41の出力軸41a)の回転やその速度
変化に追従して回転する。すなわち、電動機41は第1
走行レバー21への操作入力(例えば前進又は後退方向
への操作量)に応じた指令信号制御手段30からの指令
信号に従って回転するから、ロータ114は、第1走行
レバー21への操作入力に追従する速度と方向をもって
回転変位することになる。
【0028】走行駆動装置110の油圧倍力手段51
は、このようにバルブ軸112およびシリンダバレル1
13の相対回転(回転方向における相対変位量)に応じ
て油圧供給源80からの作動油を導入し、ピストン11
5がその作動油の圧力によりロータ114の斜板114
aを押圧してロータ114を油圧により回転させるよう
にし、電動機41の回転に応じた回転駆動力(回転変位
出力)を出力するように構成されている。そして、電動
機41に装着されたエンコーダ41bによって電動機4
1の回転(回転変位)が検出され、この検出情報と操作
位置検出器31からの操作位置信号(第1走行レバー2
1への操作入力)とに基づいて、制御回路30により電
動機41の回転速度が制御される。
【0029】電動機42および油圧倍力手段52は、図
3に示すように、バルブ軸122およびシリンダバレル
123と共に上述の走行駆動装置110と左右対称に配
置される走行駆動装置120の一部を構成しており、走
行駆動装置120は走行駆動装置110とほぼ同一の構
成を有している。そして、電動機41,42および油圧
倍力手段51,52を含む左右の走行駆動装置110,
120によって作業車両100の左右のクローラ101
が第1、第2走行レバー21,22の操作に応じ独立し
て又は同様に駆動制御されるようになっている。
【0030】電動機43および油圧倍力手段53は、バ
ルブ軸132およびシリンダバレル113と共に作業車
両100のオペレーションキャビン103を旋回させる
旋回駆動装置130の一部を構成しており、この旋回駆
動装置130は詳細は説明しないが、走行駆動装置11
0,120とほぼ同一機能の構成要素からなる。なお、
図2および図3において、141,142,143はそ
れぞれ油圧倍力手段51,52,53の非作動時(油圧
供給源80からの作動油供給停止時、例えば駐車時)に
ロータ114等(駆動出力部材)の回転を制動し規制す
るメカニカルブレーキであり、144,145,146
はそれぞれ油圧倍力手段51,52,53の駆動出力部
材の出力回転を減速する減速機である。この減速機は、
例えば図5に示すように、ロータ114にスプライン結
合した小歯車151aおよびこれに噛合する小歯車15
1aとは歯数の異なる(多い)3つの大歯車151bか
らなる前段減速部151と、大歯車151bを支持する
3つのクランク軸152と、互いに180度の位相差を
もって所定偏心量で円運動するようクランク軸152に
支持された一対の同一形状の外歯車153A,153B
と、これら外歯車153A,153Bに噛合する外歯車
153A,153Bよりわずかに歯数の多い内歯車15
4と、これらを軸受等を介して支持するモータケース1
55と、を有している。156はクローラ101に係合
するスプロケットホイールで、内歯車154に一体的に
連結されている。
【0031】また、図3に示すように、バルブ軸11
2,122,132およびシリンダバレル113,12
3,133は、それぞれ所定の相対回転位置に対応する
中立位置で、2つの入力ポートおよび3つの出力ポート
を閉止し、そこから回転方向一方又は他方側に相対回転
が生じた位置でその相対回転方向に応じて油圧倍力手段
51,52,53への作動油の給排方向を切換えるとと
もに、メカニカルブレーキ141,142,143のブ
レーキ解放圧を供給するように機能する。同図におい
て、147は旋回駆動装置130の一部を構成するスイ
ベルジョイントであり、オペレーションキャビン103
側に設けられる油圧ポンプ81と走行駆動装置110,
120の油圧倍力手段51,52とはこのスイベルジョ
イント147を介装した2本の作動油供給ライン16
1,162を通して接続されている。また、オペレーシ
ョンキャビン103側に設けられる制御回路30と走行
駆動装置110,120の電動機41,42とはスリッ
プリング148を介装した2本の電気信号ライン16
3,164によって接続されている。また、図2に示す
ように、制御回路30からの指令信号に応じて回転する
電動機85によって、バルブ86を操作し、速度調整用
ポンプ82から吐出されたの作動油を容量可変ピストン
87に給排し、油圧ポンプ81の吐出容量を可変制御す
ることができる。
【0032】一方、電動機44および油圧倍力手段54
は、図4に示す作業車両100のブーム106を駆動す
るようオペレーションキャビン103とブーム106
(相対動可能な一対のフレーム)の間に介装されたブー
ムシリンダ駆動装置210の一部を構成している。すな
わち、油圧倍力手段54は、ブーム106を駆動するた
めの油圧シリンダとなっている。
【0033】図12に示すように、このブームシリンダ
駆動装置210の油圧倍力手段54は、速度制御可能な
電動機44を支持するとともに油圧供給源80からの作
動油を導入可能なケース211と、ケース211内で電
動機44の回転に応じてその回転軸線方向に変位する応
動部材212(弁体)と、この応動部材212に対し前
記回転軸線方向に相対変位可能なピストン213(駆動
出力部材)と、電動機44の出力軸44aに一体的に連
結され雄ねじ部材215と、を有しており、ピストン2
13によってケース211内を2つの圧力室214A,
214Bに仕切るとともに、応動部材212およびピス
トン213の相対変位に応じて油圧供給源80からの作
動油を2つの圧力室214A,214Bのうち何れか一
方に導入し、ピストン213を油圧により変位させて電
動機44の回転に応じた直線駆動力を出力するようにな
っている。また、電動機44の回転位置はロータリーエ
ンコーダ44b(回転検出手段)によって検出されるよ
うになっており、このロータリーエンコーダ44bおよ
び電動機44を収納する収納室216を形成するようケ
ース211には複数のボルト217aによりカバー21
7が取り付けられ、これによって収納室216が液体密
にシールされている。なお、ケース211とカバー21
7の間又はカバー217には、電動機44への信号線1
65となる電気配線を取り出すための穴が形成され、こ
の穴をシールする知る部材が設けられている。
【0034】応動部材212は、その外周部212aが
環状の凹凸を有する弁体となっている。また、ピストン
213は、伸長方向(変位方向一方側)への油圧を受圧
する第1の受圧面213fと、この第1の受圧面213
fより受圧面積が小さく収縮方向(変位方向他方側)へ
の油圧を受圧する第2の受圧面213gとを有してい
る。ケース211とピストン213のうち何れか一方、
例えばピストン213は、2つの圧力室214A,21
4Bのうち第2の受圧面213gによって形成される一
方の圧力室214Aに油圧供給源80からの作動油を常
時導入可能な油圧導入通路213a(油圧導入口)と、
応動部材212により開閉されて圧力室214Aを介し
て油圧供給源80に接続および遮断される給排ポート2
13bと、一端で応動部材212とピストン213の間
に形成された環状室218に開口し他端でリザーバ83
に接続された戻り通路213cと、一端で圧力室214
Bに開口し他端で環状室218に開口した連通路213
dと、を有している。また、応動部材212とピストン
213の間には両者の相対回転を規制する規制部材21
9が設けられている。
【0035】前記油圧倍力手段54においては、給排ポ
ート213bが開かれた場合には、環状室218を介し
受圧面積の小さい圧力室214Aと受圧面積の大きい圧
力室214Bとの圧力差が縮小されることで、圧力室2
14A側から圧力室214B側に作動油が導入されると
ともに、ピストン213が伸長方向に移動する。一方、
戻り通路213cが開いた場合には、環状室218およ
び連通路213dを介して圧力室214B内の作動油が
リザーバ83側に排出されるとともに、ピストン213
が収縮方向に移動する。すなわち、油圧倍力手段54
は、応動部材212およびピストン213の相対変位に
応じて応動部材212により給排ポートを213b等を
開閉制御し、油圧供給源80からの作動油を2つのうち
一方の圧力室214Aに供給するとともに、2つの圧力
室214A,214Bを選択的に連通させることにより
他方の圧力室214Bへの作動油の給排を制御し、ピス
トン213を変位させるようになっている。
【0036】電動機45および油圧倍力手段55は、作
業車両100のブーム106に対しアーム107を駆動
するようブーム106とアーム107(相対動可能な一
対のフレーム)の間に介装されたアームシリンダ駆動装
置220の一部を構成している。油圧倍力手段55は、
上述した油圧倍力手段54と同様に構成されているが、
例えば図13に示すような変形態様を採用することもで
き、勿論、油圧倍力手段54もこれと同様にすることが
できる。
【0037】図13に示す変形態様の油圧倍力手段55
は、速度制御可能な電動機45を支持するとともに油圧
供給源80からの作動油を導入可能なケース221と、
ケース221内で電動機45の回転に応じてその回転軸
線方向に変位する応動部材222と、この応動部材22
2に対し前記回転軸線方向に相対変位可能なピストン2
23(駆動出力部材)と、一端で電動機45の出力軸4
5aに連結されるとともに他端にピストン223内に摺
動自在に挿入された拡径部225aを有する雄ねじ部材
225と、を有しており、ピストン223によってケー
ス221内を2つの圧力室224A,224Bに仕切る
とともに、応動部材222およびピストン223の相対
変位に応じて油圧供給源80からの作動油を2つの圧力
室224A,224Bのうち一方には常時、他方には選
択的に導入して、ピストン223を油圧により前記回転
軸線方向に変位させ、電動機44の回転に応じた直線駆
動力を出力するようになっている。また、電動機44の
回転位置はロータリーエンコーダ45b(回転検出手
段)によって検出されるようになっており、このロータ
リーエンコーダ45bおよび電動機44を収納する収納
室226を形成するよう、ケース221にはカバー22
7が取り付けられ、これによって収納室226が液体密
にシールされている。
【0038】応動部材222は、その外周部222aが
環状の凹凸を有する弁体となっており、ピストン223
との間に環状室228を形成する一方、内周部222a
に形成された雌ねじによって雄ねじ部材225にねじ結
合している。ピストン223は、伸長方向への油圧を受
圧する第1の受圧面223fと、この第1の受圧面22
3fより受圧面積が小さく収縮方向への油圧を受圧する
第2の受圧面223gとを有している。また、ケース2
21とピストン223のうち何れか一方、例えばケース
221は、2つの圧力室224A,224Bのうち第2
の受圧面223gによって形成される一方の圧力室22
4Aに油圧供給源80からの作動油を常時導入可能な油
圧導入通路221a(油圧導入口)と、雄ねじ部材22
5との間に環状の通路を形成する環状溝221bと、こ
の環状溝221b(環状の通路)をリザーバ83に接続
する戻り通路221cと、を有している。他方のピスト
ン223は、環状室28の近傍から雄ねじ部材225の
拡径部225aより先端側まで延在する連通路223a
と、応動部材222により開閉され圧力室224Aを介
して油圧供給源80に接続および遮断される給排ポート
223bと、雄ねじ部材225の拡径部225aによっ
て圧力室224Bとは仕切られ連通路223aを介して
環状通路28に連通可能な内室223cと、一端で圧力
室224Bに開口し他端で環状室228に開口した連通
路223dと、を有している。内室223cは雄ねじ部
材225に形成された戻り通路225bを通してリザー
バ83に連通している。また、応動部材222とピスト
ン223の間には両者の相対回転を規制する規制部材2
29が設けられている。
【0039】そして、応動部材222によって給排ポー
ト223bが開かれた場合には、環状室228を介し受
圧面積の小さい圧力室224Aと受圧面積の大きい圧力
室224Bとの圧力差が縮小されることで、圧力室22
4A側から圧力室224B側に作動油が導入されるとと
もに、ピストン223が伸長方向に移動する。一方、応
動部材222によって給排ポート223bが閉止される
とともに連通路223aの一端開口が開かれた場合に
は、環状室228および連通路223dを介して圧力室
224B内の作動油がリザーバ83側に排出されるとと
もに、ピストン223が収縮方向に移動する。すなわ
ち、油圧倍力手段54は、応動部材222およびピスト
ン223の相対変位に応じて応動部材222により給排
ポートを223b等を開閉制御し、油圧供給源80から
の作動油を2つのうち一方の圧力室224Aに供給する
とともに、2つの圧力室224A,224Bを連通/遮
断して他方の圧力室224Bへの作動油の給排を制御す
るようになっている。
【0040】電動機46および油圧倍力手段56は、図
2および図4に示すように、作業車両100のアーム1
07に対してバケット108を駆動するようアーム10
7とバケット108(相対動可能な一対のフレーム)の
間に介装されたバケット駆動装置230の一部を構成し
ている。このバケット駆動装置230の油圧倍力手段5
6は上述の油圧倍力手段55とほぼ同様に、ケース23
1、電動機46の回転に応動する応動部材232、ピス
トン233等から構成され、油圧倍力手段55とほぼ同
様な作動によってバケット108を駆動することができ
る。なお、図2に示すように、制御回路30には所定の
作業運転モードを選択するためのモード設定スイッチ6
1(操作入力手段)と、作業車両100の作業状態を検
出する作業状態検出手段62と、が接続されている。こ
こでいう作業状態とは、作業車両100の作業姿勢、例
えば水平状態から前後方向および左右方向への傾斜角度
であり、本実施形態において、作業状態検出手段62は
少なくとも1つの傾斜角検知器として構成される。制御
回路30は、作業モード設定スイッチ61への操作位置
を検出する検出部(図示せず)を有し、各操作レバー2
1〜26、作業モード設定スイッチ61、作業状態検出
手段62およびロータリーエンコーダ41a〜46aの
検出情報に基づいて、各操作レバー21〜26への操作
入力に応じた手動運転指令信号を生成し、あるいは作業
モード設定スイッチ61による設定モードに対応する所
定の演算処理を実行して、自動又は半自動の作業運転指
令信号を生成するようになっている。なお、自動又は半
自動の作業運転とは、例えば開始点(基準点)を決定
し、モード設定および必要な条件入力のみを行うと、制
御回路30に内蔵されたマイクロコンピュータによって
所定のモード運転プログラムに従って設定条件およびセ
ンサ情報に基づいて演算処理を実行し、部分的な手動運
転又は無操作で、地面を平坦に掘削する水平又は垂直掘
削、斜面の整形、穴掘り等を指定した範囲、サイズに従
って実行する作業運転をいう。
【0041】次に、作用について説明する。 <車両走行時>作業車両100の走行のために第1、第
2走行レバー21,22が操作されると、信号出力手段
30が位置検出器31,32からの検出情報に基づいて
そのレバー操作入力に対応する走行駆動信号としての手
動運転指令信号を生成し、その操作入力に応じて左右の
走行駆動装置110,120の電動機41,42を同時
に又は個別に回転させる。このとき、バルブ軸112,
122がそれぞれ回転変位すると、ロータ114および
これに相当する油圧倍力手段52のロータ(以下、両ロ
ータを単にロータ114という)の回転位置がバルブ軸
112,122の回転変位に追従するように油圧倍力手
段51,52が作動する。すなわち、第1、第2走行レ
バー21,22への操作入力に応じた電動機41,42
の回転によってバルブ軸112,122とシリンダバレ
ル113,123とが相対的に回転変位し、バルブ軸1
12,122によって中立位置で閉止されていた各給排
ポート、すなわち、円形開口112h〜112kが前記
回転変位量に応じて開放され、油圧倍力手段51,52
への作動油の給排が開始されるとともに、メカニカルブ
レーキ141,142によるロータ114の回転規制が
解除される。
【0042】このとき、矩形給排ポート113d,11
3eのうち一方に連通している放射方向通路111hを
通して、あるいは更に矩形給排ポート113f,113
gのうち一方に連通している放射方向通路111iを通
して、作動油供給区間の圧力室116に作動油が供給さ
れ、これと同時に、矩形給排ポート113d,113e
のうち他方に連通している放射方向通路111hを通し
て、あるいは更に矩形給排ポート113f,113gの
うち他方に連通している放射方向通路111iを通し
て、作動油排出区間の圧力室116から作動油が排出さ
れる。そして、圧力室116の作動油圧により作動油供
給区間のピストン115がロータ114側に向かう推力
を発生してその斜板部114aの頂部(図7の上部)側
から離隔するようロータ114を駆動し、これに伴なっ
て、作動油排出区間のピストン115が圧力室116内
の作動油を排出しつつ後退し、ロータ114の斜板部1
14aの頂部に接近する。その結果、ロータ114が回
転する。
【0043】このとき、ロータ114と一体にシリンダ
バレル113も回転するから、円形開口112h〜11
2kの開度は、駆動負荷が大きい走行レバー21,22
へのレバー操作直後には増大され、走行開始により駆動
負荷が低下するときにはそれに応じた開度まで次第に減
小する。すなわち、レバー操作に対応するバルブ軸11
2,122の回転量にシリンダバレル113を介した機
械的フィードバック量が加算されることで、実際の駆動
出力がレバー操作入力に即座に追従するように、バルブ
動作がなされ、油圧倍力手段51,52への作動油の給
排が行われることになる。
【0044】なお、このとき、速度調整用ポンプ82か
らの吐出圧が所定値を超えていたとすると、油路111
bからの油圧によってスプール117がスプリング11
7aを圧縮して図11の下半部に示す位置まで左行して
おり、油圧ポンプ81から油路111aに供給される作
動油が2つの油路111e,111fに供給され、連通
孔113a,113bの双方を通して放射方向通路11
1h,111iに作動油が供給されとともに、リターン
ポート113cからリザーバ83に作動油が排出され
る。一方、速度調整用ポンプ82からの吐出圧が所定値
以下であったとすると、スプール117がスプリング1
17aからの付勢力によって図11の上半部に示す位置
まで復帰しており、油圧ポンプ81から油路111aに
供給される作動油が1つの油路111eを通して放射方
向通路111iのみに供給される。このとき、作動油供
給区間において、放射方向通路111hには作動油が供
給されないので、放射方向通路111h,111iの双
方に作動油が供給される場合に比べてピストン115の
移動速度が遅くなる。このように、速度調整用ポンプ8
2からの供給圧に応じたスプール117の変位によって
モータを低速駆動と高速駆動に切り換えることができ
る。
【0045】ここで、第1、第2走行レバー21,22
の操作量(操作角)が増してこれに応動するバルブ軸1
12,122の回転速度が増大し、あるいは登坂走行等
により駆動負荷が増加してロータ114の速度が低下し
たとすると、例えば図8(a)の時計方向に回転するバ
ルブ軸112がシリンダバレル113に対して図示位置
から更に時計方向に回転し(回転が進み)、円形開口1
12h〜112kの開度が増大することになる。したが
って、圧力室116への作動油の給排量が増加し、ロー
タ114の回転速度がレバー操作に対応する速度に増大
するから、複雑なレバー操作をすることなく希望する加
速又は登坂中の定速走行が可能になる。
【0046】次いで、第1、第2走行レバー21,22
の操作量が減少し、これに応動するバルブ軸112,1
22の回転速度が減少すると、あるいは、降坂走行等に
よって駆動負荷が低下してロータ114の速度が上昇し
たとすると、例えば図8(a)の時計方向に回転してい
るバルブ軸112がシリンダバレル113に対して図示
位置から半時計方向に相対的に回転し(回転が遅れ)、
円形開口112h〜112kの開度が減小することにな
る。したがって、圧力室116への作動油の給排量が減
少し、ロータ114の回転速度がバー操作に対応する速
度に減少するから、複雑なレバー操作をすることなく希
望する減速又は降坂中の定速走行が可能になる。
【0047】次いで、第1、第2走行レバー21,22
の操作量がゼロになり中立位置(停止位置)になると、
バルブ軸112,122に対しシリンダバレル113,
123が中立位置に達した状態で、円形開口112h〜
112kがそれぞれ閉止される。したがって、ロータ1
14の回転が停止する。このような停止に先立ち、ロー
タ114は走行レバー21,22の減速方向への操作に
対応する速度に確実に減速されているから、降坂中であ
ったとしてもレバー操作に追従する確実な停止が可能に
なる。
【0048】また、このような停止に際し走行レバー2
1,22が急操作されたとすると、あるいは、走行方向
を逆転するレバー操作がされたとすると、例えば図8
(a)の時計方向に回転していたバルブ軸112が急に
停止するとともにシリンダバレル113に対して半時計
方向に相対的に急回転し(急加減速され)、中立位置に
戻った後、更に半時計方位に相対回転する。したがっ
て、円形開口112h〜112kが、それぞれバルブ軸
112の中立位置で閉止された後、さらに、反対側のポ
ートに連通して、それまでとは逆方向に作動油の給排が
なされる。また、その間、逆転や急操作に伴う過負荷に
対しては、油圧ポンプ81からの供給圧がリリーフ弁1
18によって所定圧に制限される。
【0049】<作業運転>作業車両100による所定の
作業を実行するに際し、いま、オペレーションキャビン
103を旋回させるように旋回レバー23が操作された
とすると、信号出力手段30が位置検出器33からの検
出情報に基づいてそのレバー操作入力に対応する手動運
転指令信号を生成し、旋回駆動装置130の電動機43
を回転させる。このとき、バルブ軸132が回転変位す
ると、前記ロータ114に相当する油圧倍力手段53の
ロータ(駆動出力部材)の回転位置がバルブ軸132の
回転変位に追従するように油圧倍力手段53が作動す
る。すなわち、旋回レバー23への操作入力に応じた電
動機43の回転によってバルブ軸132とシリンダバレ
ル113(駆動出力部材)とが相対的に回転変位し、図
3に示すようにバルブ軸132によって中立位置で閉止
されていた2つの入力ポートおよび3つの出力ポートが
前記回転変位量に応じて開放され、油圧倍力手段53へ
の作動油の給排が開始される。したがって、メカニカル
ブレーキ143にブレーキ解放油圧が供給されて油圧倍
力手段53のロータの制動が解除されるとともに、この
ロータにより減速機146を介してオペレーションキャ
ビン103が駆動される。この旋回に際しての加減速や
旋回方向の切換え(逆転)等に際しての作用は走行駆動
について上述した内容とほぼ同様である。
【0050】次いで、ブームレバー24が操作されたと
すると、その操作入力に応じてブームシリンダ駆動装置
210の電動機44が回転し、この回転に応じ応動部材
212が雄ねじ部材215の軸方向に変位して、ブーム
106を駆動するよう油圧倍力手段54が作動する。す
なわち、ピストン213に対し相対変位した応動部材2
12によって給排ポート213bおよび戻り通路213
cのうち一方が開放されるとともに、他方が閉止され
る。そして、給排ポート213bが開放された場合に
は、油圧導入通路213aを介して油圧供給源80から
の作動油を常時導入している圧力室214Aが、この給
排ポート213bと環状室218および連通路213d
とを介して圧力室214Bに連通し、受圧面積の小さい
圧力室214Aと受圧面積の大きい圧力室214Bとの
圧力差が縮小される。したがって、ピストン213に作
用していた軸方向の力のバランスがくずれ、圧力室21
4A側から圧力室214B側に作動油が導入されるとと
もに、ピストン213が伸長方向に移動する。これによ
り、ブーム106が上方に揺動する。また、戻り通路2
13cが開いた場合には、環状室218および連通路2
13dを介して圧力室214B内の作動油がリザーバ8
3側に排出され、ピストン213が収縮方向に移動、復
帰することになり、ブーム106が下方に揺動する。
【0051】このように、油圧倍力手段54は、ブーム
レバー24への操作入力に応動する応動部材212とピ
ストン213との相対変位に応じて、応動部材212に
より給排ポートを213b等を開閉制御し、2つのうち
一方の圧力室214Aに供給した油圧供給源80からの
作動油を圧力室214Bに選択的に導入することで、両
圧力室214A,室214Bにおいて受圧面積の異なる
ピストン213が変位する。したがって、ピストン21
3とこれに連動するブーム106とが、ブームレバー2
4の操作(例えば操作角および操作速度)に対応する速
度で操作方向に変位するから、複雑なレバー操作をする
ことなく希望する速度で希望する位置にブーム106を
移動させることが可能になる。また、駆動制御系に必要
な電動機44が油圧倍力手段54への入力のために応動
部材212を変位させる程度の小型の電動機で済み、し
かも、通常の電気油圧サーボ弁を用いる場合のように小
開度で頻繁に開閉動作するために低負荷でも設定圧を高
くするといった必要がなく、低負荷時の作動油の絞りに
よる発熱をも抑えることができる。
【0052】ブームレバー24の操作と共に又は個別に
アームレバー25が操作されたとすると、例えばその操
作入力に応じてアームシリンダ駆動装置220の電動機
45が回転し、この回転に応じ応動部材222が雄ねじ
部材225の軸方向に変位して、アーム107を駆動す
るよう油圧倍力手段55が作動する。すなわち、図13
に示す態様で説明すると、ピストン223に対し相対変
位した応動部材222によって連通路223aおよび給
排ポート223bのうち一方が開放されるとともに、他
方が閉止される。そして、給排ポート223bが開放さ
れた場合には、油圧導入口221aを介して油圧供給源
80からの作動油を常時導入している圧力室224A
が、この給排ポート223bと環状室228および給排
ポート223dとを介して圧力室214Bに連通し、受
圧面積の小さい圧力室214Aと受圧面積の大きい圧力
室214Bとの圧力差が縮小される。したがって、ピス
トン223に作用していた軸方向の力のバランスがくず
れ、圧力室224A側から圧力室224B側に作動油が
導入されるとともに、ピストン223が伸長方向に移動
する。これによって、アーム107がオペレーションキ
ャビン103側に揺動する。また、連通路223aが開
いた場合には、環状室228および給排ポート223d
を介して圧力室224B内の作動油が戻り通路225b
を通してリザーバ83側に排出され、ピストン223が
収縮方向に移動、復帰することになり、アーム107が
前方に揺動する。
【0053】このように、油圧倍力手段55は、アーム
レバー25への操作入力に応動する応動部材222とピ
ストン223との相対変位に応じて、応動部材222に
より連通路223aおよび給排ポートを223bを開閉
制御し、2つのうち一方の圧力室214Aに供給した油
圧供給源80からの作動油を圧力室224Bに選択的に
導入することで、両圧力室224A,室224Bにおい
て受圧面積の異なるピストン223が変位する。したが
って、ピストン223とこれに連動するアーム107と
が、アームレバー25の操作に対応する速度で操作方向
に変位するから、複雑なレバー操作をすることなく希望
する速度で希望する位置にアーム107を移動させるこ
とができる。
【0054】さらに、バケット108を動作させるべく
バケットレバー26が操作されると、バケット駆動装置
230の電動機46がこの操作入力に応じて回転し、油
圧倍力手段56は、上述の油圧倍力手段55とほぼ同様
な作動により、アーム107に対してバケット108を
オペレーションキャビン103の前後方向に揺動するよ
う駆動する。
【0055】上述のように、本実施形態の各駆動装置1
10〜130,210〜230においては、操作レバー
21〜26の操作位置を検出する操作位置検出器31〜
36と、電動機41〜46の回転を検出するエンコーダ
41b〜46bと、を設け、これらの検出情報に基づい
て、制御回路30が指令信号を生成して電動機41〜4
6を回転させ、油圧倍力手段51〜56をこれに追従さ
せる構成としてなっているので、各レバー21〜26の
操作位置に応じて電動機41〜46の回転をきめ細かに
制御して追従性のよい装置とすることができる。
【0056】<モード運転>次に、運転者が所定の作業
運転を欲して作業モード設定スイッチ61を操作した場
合について説明すると、まず、モード設定スイッチ61
への操作入力が制御回路30内の前記検出部によって検
出され、作業状態検出手段62によって、作業車両10
0の傾斜角度が検出される。
【0057】制御回路30は、次いで、作業モード設定
スイッチ61による設定モードに対応する所定の演算処
理を実行して、自動又は半自動の作業運転指令信号を生
成して、各電動機41〜46に必要に応じて出力する。
このとき、制御回路30は、例えば各電動機41〜43
の回転位置、作業車両100の傾斜角度情報等に基づ
き、電動機41〜43の回転位置で表される所定の作業
姿勢又は現在の作業姿勢を基準点として、マイクロコン
ピュータにより所定のモード運転プログラムに従ってモ
ード設定条件および傾斜検知器等のセンサ情報に基づい
て所定の演算処理を実行し、部分的な手動運転又は無操
作で、例えば地面を平坦に掘削する水平又は垂直掘削、
斜面形成、穴掘り等を実行するための作業運転指令信号
を出力して電動機41〜46を適宜回転させる。このと
き、各油圧倍力手段51〜56は、上述のように電動機
41〜46の回転に追従して作動する構成となっている
から、上記演算処理が複雑にならず、簡単なプログラム
で高度なモード運転の可能な作業車両となる。
【0058】このように、操作入力手段を複数の操作レ
バー21〜26および少なくとも1つの作業モード設定
スイッチ61から構成し、作業車両100の作業状態を
検出する作業状態検出手段62と、操作レバー21〜2
6および作業モード設定スイッチ61の操作位置をそれ
ぞれ検出する複数の操作位置検出手段31〜36等を設
けて、制御回路30が、それらの検出情報に基づいて、
操作入力に応じた指令信号又は作業モード設定スイッチ
による設定モードに対応する所定の指令信号を生成する
ようになっているので、手動操作による作業運転とモー
ド設定情報に基づく自動又は半自動の作業運転とが可能
になり、運転者の熟練を要しない優れた操作性を得るこ
とができる。また、電動機41〜46の回転変位をエン
コーダで検出し、電動機の回転を常時きめ細かに制御す
ることで、正確なモード運転を実行することができる。
【0059】なお、上述の一実施形態においては、走行
駆動用の油圧倍力手段51,52として回転バルブ軸1
12,122を有するものを例示したが、回転出力を得
る油圧倍力手段51〜53はこのような形態に限定され
るものではなく、例えば図14、15に示すようなもの
としてもよい。図14および図15において、171は
モータケース155を介してトラックフレーム102に
支持されたバルブケースで、複数の油路171a〜17
1dを有している。このケース171にはパルスモータ
等の電動機47が装着されており、電動機47の出力軸
47aには応動部材172がスプライン結合されてい
る。この応動部材172はロータ軸173(駆動出力部
在)の後端にねじ結合しており、電動機47の出力軸4
7aとロータ軸173との相対回転委によって軸方向に
変位可能になっている。また、応動部材172はバルブ
ケース171の内部に軸方向摺動自在に収納されたバル
ブスプール182(応動部材)と一体に変位するよう連
結されており、このバルブスプール182によって油圧
ポンプ81からの作動油を油路171b,171cのう
ち何れか一方を通してシリンダブロック174内の圧力
室176に供給するとともに、圧力室176から油路1
71b,171cのうち何れか他方と油路171dとを
通してリザーバ83側に作動油を排出さるようになって
いる。なお、179はそれぞれ油路171b,171c
に連通する扇形の作動油供給ポートおよび排出ポートを
有し、回転中の圧力室176への作動油の給排タイミン
グを設定するタイミングプレートである。なお、このよ
うなピストンポンプの構造自体は公知であるから、詳述
しないが、固定斜板178にスライダ177を介して介
して係合する複数のピストン175が油圧によってシリ
ンダブロック174およびロータ軸173を一体に回転
させる。
【0060】このようにすると、ロータ軸173と応動
部材172のねじ結合部分のリードを適宜設定してバル
ブスプール182による給排ポートの開度調整をきめ細
かく行うことができ、弁体の作製も容易である。
【0061】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、電動機の
回転により応動部材を変位させ、駆動出力部材の位置が
応動部材の変位に追従するよう油圧倍力手段を作動させ
ているので、駆動制御系に必要な電動機を応動部材を駆
動するだけの小型のものとすることができ、しかも、通
常の電気油圧サーボ弁を用いる場合のように作動油の設
定圧を高くする必要がなく、低負荷時の絞りによる発熱
を抑えることができる。
【0062】請求項2に記載の発明によれば、応動部材
が油圧供給源からの作動油の給排を制御可能な弁体を有
するとともに、油圧倍力手段が該弁体により給排制御さ
れる作動油の油圧を受圧する受圧部材を有しているの
で、駆動出力態様に応じて受圧部材の受圧力およびこれ
による駆動出力部材の変位のさせ方を適宜設定すること
ができ、しかも、油路構成を簡素化することができる。
【0063】請求項3記載の発明によれば、電動機の回
転を検出する回転検出手段を設け、該回転検出手段から
の出力信号を指令信号制御手段にフィードバックし駆動
指令信号が帰還制御されるようにしているので、動作精
度および安定性のよい駆動装置を提供することができ
る。請求項4記載の発明によれば、作業車両の作業状態
(傾斜状態等)を検出する作業状態検出手段を設け、信
号演算手段が該作業状態検出手段からの信号および操作
位置検出手段からの信号を演算処理し駆動指令信号を生
成するようにしているので、作業車両の作業状態(例え
ば傾斜等の車両姿勢)に応じて上記電動機の回転をきめ
細かに制御することができ、より操作性のよい駆動装置
を提供することができる。
【0064】請求項5記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、複数の給排制御弁に対し作動
油給排用の配管を共用することができ、例えばオペレー
ションキャビン等が旋回する作業車両にあってそのセン
タジョイント部を通る配管を走行駆動用および旋回駆動
用の給排制御弁に対応して複数組設けることなく、1組
の配管を共用することができ、センタジョイント部の構
成を簡素化するとともに、配管長を短縮することができ
る。
【0065】請求項6記載の発明によれば、手動操作に
よる作業運転とモード設定情報に基づく自動又は半自動
の作業運転とを実行することができ、運転者の熟練を要
しない優れた操作性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業車両の駆動装置の概念図であ
る。
【図2】一実施形態の作業車両の駆動システムの一部構
成図である。
【図3】図2と共に一実施形態の作業車両の駆動システ
ムを示す構成図である。
【図4】一実施形態の作業車両の全体の概略構成を示す
図である。
【図5】一実施形態の走行駆動装置の正面断面図であ
る。
【図6】図5に示した走行駆動装置の減速機の構成を示
す横断面図である。
【図7】一実施形態の走行駆動装置の油圧倍力手段の構
成を示す正面断面図である。
【図8】図7に示す油圧倍力手段の構成を示す図で、
(a)は図7のA−A断面図、(b)は図7のB−B断
面図である。
【図9】一実施形態の走行駆動装置におけるシリンダバ
レルの形状説明図である。
【図10】一実施形態の応動部材を構成する回転バルブ
の形状を説明する図で、(a)はその縦断面図、(b)
はそのポート形状を示す正面図である。
【図11】その走行駆動装置の油圧倍力手段の容量調整
用スプールの動作説明図である。
【図12】一実施形態のブームシリンダ駆動装置の油圧
倍力手段の構成を示す正面断面図である。
【図13】一実施形態のアームシリンダ駆動装置の油圧
倍力手段の構成を示す正面断面図である。
【図14】作業車両の走行駆動装置の他の実施形態を示
すその正面断面図である。
【図15】図14に示された走行駆動装置の油圧倍力手
段の構成を示す断面図である。
【図16】従来例の作業車両の駆動システムの構成図で
ある。
【符号の説明】
21 第1走行レバー(操作レバー、操作手段) 22 第2走行レバー(操作レバー、操作手段) 23 旋回レバー(操作レバー、操作手段) 24 アームレバー(操作レバー、操作手段) 25 ブームレバー(操作レバー、操作手段) 26 バケットレバー(操作レバー、操作手段) 30 制御回路(指令信号制御手段) 31、32、33、34、35、36 操作位置検出
器(操作位置検出手段) 41、42、43、44、45、46 電動機 41a〜46a 出力軸 41b〜46b ロータリーエンコーダ(回転検出手
段) 47 電動機 47a 出力軸 51〜56 油圧倍力手段 61 モード設定スイッチ(操作入力手段) 62 傾斜検出器(作業状態検出手段) 80 油圧供給源 81 油圧ポンプ 82 速度調整用ポンプ 83 リザーバ 85 電動機 86 バルブ 87 容量可変ピストン 100 作業車両 101 クローラ(無限軌道) 102 トラックフレーム 103 オペレーションキャビン 104 収納室 105 カバー 106 ブーム 107 アーム 108 バケット 109 エンジン 110,120 走行駆動装置 111 ケース111 111a〜111n 油路 111h,111i 放射方向通路 112 バルブ軸(応動部材、弁体) 113 シリンダバレル(駆動出力部材) 113a〜113c 連通孔 113d,113e,113f,113g 矩形給排
ポート 114 ロータ(駆動出力部材) 115 ピストン(受圧部材) 116 圧力室 117 スプール 141,142,143 メカニカルブレーキ 144,145,146 減速機 147 スイベルジョイント 161,162 作動油供給ライン 163,164 電気信号ライン 171 バルブケース 171a〜171d 油路 171b,171c,171d 油路 172 応動部材 173 ロータ軸(駆動出力部在) 174 シリンダブロック 176 圧力室 182 バルブスプール(応動部材) 210 ブームシリンダ駆動装置 211 ケース 212 応動部材(弁体) 213 ピストン(駆動出力部材) 213a 油圧導入通路(油圧導入口) 213b 給排ポート 213c 戻り通路 213d 連通路 213f 第1の受圧面 213g 第2の受圧面 214A,214B 圧力室 215 雄ねじ部材 216 収納室 217 カバー 220 アームシリンダ駆動装置 221 ケース 221a 油圧導入通路(油圧導入口) 221b 環状溝(環状の通路) 221c 戻り通路 222 応動部材 223 ピストン(駆動出力部材) 223f 第1の受圧面 223g 第2の受圧面 224A,224B 圧力室 225 雄ねじ部材 228 環状室 225 雄ねじ部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A) 作業車両に設けられ手動操作される操
    作入力手段と、 B) 操作入力手段の操作位置を示す信号を生成し出力す
    る操作位置検出手段と、 C) 操作位置検出手段から出力される前記信号を演算処
    理して有用な駆動指令信号に変換し出力する信号演算手
    段および該信号演算手段からの前記駆動指令信号を増幅
    する増幅手段を含んでなる指令信号制御手段と、 D) 指令信号制御手段から出力される前記駆動指令信号
    に応じた速度で駆動回転される電動機と、 E) 電動機の回転に応じて変位する応動部材および該応
    動部材に対し所定方向に相対変位可能な駆動出力部材を
    有し、応動部材の変位に応じ油圧供給源からの作動油を
    導入して駆動出力部材を油圧により変位させ、前記電動
    機の回転に応じた変位を出力する油圧倍力手段と、を備
    え、 F) 前記駆動出力部材が前記操作入力手段への操作入力
    に追従して前記所定方向に変位するようにしたことを特
    徴とする作業車両の駆動装置。
  2. 【請求項2】前記応動部材が前記油圧供給源からの作動
    油の給排を制御可能な弁体を有するとともに、前記油圧
    倍力手段が該弁体により給排制御される作動油の油圧を
    受圧する受圧部材を有し、該受圧部材が、前記所定方向
    における前記応動部材の変位に応じて、前記駆動出力部
    材を変位させることを特徴とする請求項1に記載の作業
    車両の駆動装置。
  3. 【請求項3】前記電動機の回転を検出する回転検出手段
    を設け、該回転検出手段からの出力信号を前記指令信号
    制御手段にフィードバックし前記駆動指令信号が帰還制
    御されることを特徴とする請求項1に記載の作業車両の
    駆動動装置。
  4. 【請求項4】作業車両の作業状態を検出する作業状態検
    出手段を設け、前記信号演算手段が該作業状態検出手段
    からの信号および前記操作位置検出手段からの前記信号
    を演算処理し前記駆動指令信号を生成することを特徴と
    する請求項1に記載の作業車両の駆動動装置。
  5. 【請求項5】A) 作業車両に設けられそれぞれ手動操作
    される複数の操作入力手段と、 B) 各操作入力手段の操作位置を示す信号をそれぞれ生
    成し出力する複数の操作位置検出手段と、 C) 各操作位置検出手段から出力される信号を演算処理
    して有用な各々の駆動指令信号に変換し出力する信号演
    算手段および該信号演算手段からの各駆動指令信号をそ
    れぞれ増幅する複数の増幅手段とを含んでなる指令信号
    制御手段と、 D) 指令信号制御手段から出力される各駆動指令信号に
    応じた速度でそれぞれ駆動回転される複数の電動機と、 E) 各電動機の回転に応じて変位する応動部材および該
    応動部材に対し所定方向に相対変位可能な駆動出力部材
    をそれぞれ有し、応動部材の変位に応じ油圧供給源から
    の作動油を導入して駆動出力部材をそれぞれ油圧により
    変位させ、前記電動機の回転に応じた変位を出力する複
    数の油圧倍力手段と、を備え、 F) 前記各駆動出力部材が前記各操作入力手段への操作
    入力に追従して前記各所定方向に変位するようにしたこ
    とを特徴とする作業車両の駆動装置。
  6. 【請求項6】前記操作入力手段を複数の操作レバーから
    構成するとともに、前記指令信号制御手段が少なくとも
    一つの作業モード情報を備え、該指令信号制御手段が作
    業モード選択手段により選択される作業モード情報に基
    づいて、又は該作業モード情報および操作レバーの操作
    位置信号に基づいて、演算を実行し前記各駆動指令信号
    を出力することを特徴とする請求項5に記載の作業車両
    の駆動装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006283853A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Nabtesco Corp 建設機械の走行モータ制御装置
JP2013147929A (ja) * 2013-04-15 2013-08-01 Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd ショベル
JP2015108283A (ja) * 2014-12-18 2015-06-11 住友建機株式会社 ショベル

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