JPH1112486A - カーボンブラックの製造方法 - Google Patents

カーボンブラックの製造方法

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JPH1112486A
JPH1112486A JP18044297A JP18044297A JPH1112486A JP H1112486 A JPH1112486 A JP H1112486A JP 18044297 A JP18044297 A JP 18044297A JP 18044297 A JP18044297 A JP 18044297A JP H1112486 A JPH1112486 A JP H1112486A
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carrier gas
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Yasuhiro Takizawa
泰広 滝沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャンネルブラックに匹敵する微細な粒子性
状とサーマルブラックに相当する低位のストラクチャー
レベルを有するカーボンブラックの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 常温で液体または固体の炭化水素原料を
加熱気化し、該気化した炭化水素原料ガスをキャリアガ
スと混合して0.01〜2.0 vol%の原料ガス濃度、
及び0.1〜1.0m/秒の混合ガス流速で、アルカリ金
属あるいはアルカリ土類金属とともに無酸素雰囲気に保
持された熱分解炉に導入し、1600〜1800℃の温
度で熱分解させるカーボンブラックの製造方法。炭化水
素原料は芳香族性炭化水素単体が好ましく、キャリアガ
スには窒素、水素、不活性ガス等が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温で液体または
固体の炭化水素原料を用いて、高純度で微細な粒子性状
と低位のストラクチャーレベルを有するカーボンブラッ
クの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックの種類としてはファー
ネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック
およびアセチレンブラックが古くから知られている。こ
のうちファーネスブラックは原料を不完全燃焼させて製
造されるもので、原料系の違いによりガスファーネス法
とオイルファーネス法とに大別される。ガスファーネス
法は天然ガスのようなガス状炭化水素を原料とし、その
一部を空気と燃焼させ、残りの原料ガスを熱分解してカ
ーボンブラックを製造する方法で、また、オイルファー
ネス法は燃料の燃焼により形成された円筒炉の火炎中に
液状の炭化水素油を噴霧状または蒸気状として連続供給
することにより熱分解させる方法で、広範囲に亘る粒子
性状のカーボンブラックを工業的に製造することができ
る。
【0003】チャンネルブラックは、天然ガスを燃焼さ
せた扇型の炎をチャンネル鋼に衝突させ、析出したカー
ボンブラックを掻き落として製造される超微粒系の品種
で、主にカラー用として用いられている。サーマルブラ
ックは耐火レンガをチェッカー状に積んだ蓄熱室式の分
解炉を用い、天然ガスを用いて燃焼と熱分解を周期的に
繰り返し行うもので大粒子径を有するカーボンブラック
が得られる。また、アセチレンブラックは、アセチレン
の発熱反応を利用して炭素と水素に熱分解させて得られ
るカーボンブラックで、高い導電性と大きなストラクチ
ャーに特徴がある。
【0004】上記のカーボンブラック製造技術のうち、
主流となっているのはオイルファーネス法で、現在では
大部分のカーボンブラックがこの方法により工業生産さ
れており、装置および製造プロセスに関する改良技術も
数多く提案されている。これに対して、ファーネス法の
生産技術をそのまま適用してチャンネルブラックやサー
マルブラックを製造することは極めて困難であり、装置
的に量産性に乏しいチャンネルブラックやサーマルブラ
ックは殆ど工業生産されていないのが現状である。しか
しながら、チャンネルブラックやサーマルブラックはフ
ァーネスブラックとは異なる特異な粒子性状を有してい
るため、これを連続的に低コストで生産することができ
れば工業上の利用価値は非常に高い。
【0005】そこで、本出願人はサーマルブラック相当
の粒子性状を備えるカーボンブラックを高収率で能率よ
く生産することのできるカーボンブラックの製造方法と
して、常温で液体または固体の炭化水素原料を加熱気化
し、該気化した炭化水素原料ガスをキャリアガスととも
に0.01〜2.0 vol%のガス濃度で無酸素雰囲気に
保持された外熱式熱分解炉に導入し、1000〜140
0℃の温度に加熱して熱分解させることを特徴とするカ
ーボンブラックの製造方法を開発、提案(特願平8−35
1920号)した。
【0006】更に、本出願人はこの特願平8−3519
20号の発明を改良してチャンネルブラックに相当する
平均粒子径10〜15nmの粒子性状を有するカーボンブ
ラックを製造する技術として、常温で液体または固体の
炭化水素原料を加熱気化し、該気化した炭化水素原料ガ
スをキャリアガスとともに0.01〜2.0 vol%のガ
ス濃度で無酸素雰囲気に保持された熱分解炉に導入し、
1600〜1800℃の温度で熱分解させることを特徴
とするカーボンブラックの製造方法(特願平9−114428
号)を提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、更に上記
の特願平8−351920号、同9−114428号の
発明をベースにして鋭意研究を進めた結果、微細な粒子
性状を備えるとともに低位のストラクチャーレベルを有
するカーボンブラックを製造することができることを見
出した。
【0008】本発明は上記の知見に基づいて開発された
もので、その目的はチャンネルブラックに匹敵する微細
な粒子性状とサーマルブラックに相当する低位のストラ
クチャーレベルとを有するカーボンブラックの製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるカーボンブラックの製造方法は、常温
で液体または固体の炭化水素原料を加熱気化し、該気化
した炭化水素原料ガスをキャリアガスと混合して0.0
1〜2.0 vol%の原料ガス濃度、及び0.1〜1.0
m/秒の混合ガス流速で、アルカリ金属あるいはアルカリ
土類金属とともに無酸素雰囲気に保持された熱分解炉に
導入し、1600〜1800℃の温度で熱分解させるこ
とを構成上の特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いる原料は常温で液体
または固体の炭化水素であり、炭化水素原料はその沸点
以上の温度に加熱して気化させ、ガス状で熱分解炉に供
給される。炭化水素原料としてはカーボンブラック製造
用の原料として一般的に使用される石炭系重質油や石油
系重質油などを所定の温度に加熱して揮発性溜分を気化
させて使用することもできるが、カーボンブラックに転
化する割合が大きく、また熱分解反応を均一に進め品質
の均一化を図るために芳香族性炭化水素単体が好ましく
用いられる。具体的には常温で液体のベンゼン、トルエ
ン等や常温で固体のナフタレン、アントラセンなどの芳
香族性炭化水素の単体が用いられ、95%以上の純度の
ものが望ましい。
【0011】気化した炭化水素原料ガスはキャリアガス
と混合されて沸点以上の所定温度に保持された状態で搬
送され、熱分解炉に導入される。キャリアガスとしては
炭化水素原料ガスの熱分解により生成するカーボンブラ
ックの性状に悪影響を与えないように窒素や水素あるい
はアルゴンなどの不活性ガス等を用いることが好まし
い。
【0012】熱分解炉は電熱あるいは燃焼バーナ等によ
り外部から加熱する形式の外熱式熱分解炉が用いられ
る。外部加熱により所定の温度に加熱保持された熱分解
炉に気化させた炭化水素原料ガスとキャリアガスとの混
合ガスが導入される。炭化水素原料ガスは熱分解炉でカ
ーボンブラックと水素とに熱分解されるが、この場合に
酸化燃焼反応を生起させないように熱分解炉の雰囲気は
酸素の存在しない無酸素雰囲気に保持することが必要で
ある。無酸素雰囲気とは遊離酸素ばかりでなく酸素化合
物も存在しない雰囲気をいい、キャリアガスとして用い
る窒素や水素あるいはアルゴンなどの不活性ガスにより
熱分解炉内を無酸素雰囲気に形成、保持することができ
る。
【0013】製造されるカーボンブラックの品質性状は
熱分解炉に導入する炭化水素原料ガスとキャリアガスと
の割合、ガス流量、ガス流速、熱分解温度、熱分解時間
などを設定することにより調整、制御することができ
る。この場合、炭化水素原料ガスとキャリアガスとの混
合ガス中における炭化水素原料のガス濃度〔=(炭化水
素原料ガス流量)/(炭化水素原料ガス流量+キャリア
ガス流量)〕を0.01〜2.0 vol%の範囲に設定す
ることが必要である。原料ガス濃度が2.0 vol%を越
える場合には微細な粒子径のカーボンブラックを生成す
ることができず、一方0.01 vol%未満の低いガス濃
度ではカーボンブラックの製造効率が低いばかりでなく
反応ガス中における炭化水素ガスが少ないためにカーボ
ンブラックの生成反応が円滑に進まず、粒子性状等が不
均一化することとなるためである。なお、ガス濃度は好
ましくは0.1〜1.0 vol%の範囲に設定される。
【0014】炭化水素原料ガスとキャリアガスとの混合
ガスは、上記所定の原料ガス濃度で熱分解炉に導入して
カーボンブラックと水素とに熱分解されるが、カーボン
ブラックの粒子径を微細化するためには炭化水素原料ガ
スを高流速下で熱分解することが必要とされている。し
かしながら、本発明の方法によれば高流速を必要とせず
に、相対的に低いガス流速で微細な粒子径のカーボンブ
ラックを生成することが可能であり、炭化水素原料ガス
とキャリアガスとの混合ガスは0.1〜1.0m/秒のガ
ス流速に設定される。このように混合ガスを低いガス流
速で熱分解炉に導入することにより、原料ガス濃度と相
俟って、例えば平均粒子径10〜15nm、窒素吸着比表
面積150m2/g以上の微細な粒子径のカーボンブラック
を生成することができる。また、混合ガスを低流速で、
低い原料ガス濃度で熱分解炉に導入することによりカー
ボンブラック生成プロセスにおける中間生成粒子の相互
衝突の機会が減少するので、ストラクチャーの発達が阻
止されてストラクチャーレベルの低いカーボンブラック
を製造することが可能となる。しかしながら、混合ガス
流速が0.1m/秒を下回るとカーボンブラックの生成効
率が著しく低下するため、混合ガス流速は0.1〜1.
0m/秒の範囲に設定される。更に、ストラクチャーレベ
ルを低位に保持、制御するために、ストラクチャーレベ
ルの調節剤として公知のアルカリ金属やアルカリ土類金
属が熱分解炉に導入される。
【0015】熱分解炉に導入された炭化水素原料ガスは
熱分解されてカーボンブラックに転化するが、本発明に
おいては熱分解温度を1600〜1800℃の範囲に設
定することが必要である。熱分解温度が1600℃を下
回ると微細な粒子径、例えば平均粒子径が10〜15n
m、窒素吸着比表面積150m2/g以上の微細な粒子径を
有するカーボンブラックを生成することができないため
である。なお、好ましくは熱分解温度は1700℃以上
に設定される。しかしながら、熱分解温度を1800℃
を越える温度に設定しても生成するカーボンブラックの
微粒化の効果は減退するので、熱エネルギーの経済性の
面から1800℃以下の温度に設定すれば充分である。
【0016】炭化水素原料ガスを熱分解して生成したカ
ーボンブラックと水素ガス、およびキャリアガスとから
なる熱分解ガスは、カーボンブラックを分離回収後、水
素ガスおよびキャリアガスとからなる混合ガスを炭化水
素原料ガスの搬送用のキャリアガスとして循環使用する
ことができ、また熱分解炉や原料の加熱気化用の燃料と
して用いることも可能である。
【0017】図1は本発明のカーボンブラックの製造方
法に適用される装置の構成を例示した説明図である。図
1において、原料タンク1には常温で液体または固体の
炭化水素原料が入れられており、常温で固体の原料の場
合には予熱用ヒータ2により予め融点以上の温度に加熱
して液状の状態で貯蔵されている。炭化水素原料は、ポ
ンプ3および流量調節計4により所定流量に制御しなが
ら炭化水素原料送入管5から原料気化器6に供給され
る。原料気化器6には液状の炭化水素原料を気化するた
めの原料気化用ヒータ7が備えられており、所定温度に
加熱することにより原料を所定の速度で気化し、気化し
た炭化水素原料ガスは炭化水素原料ガス排出管8から送
出される。
【0018】窒素、水素、不活性ガスなどのキャリアガ
スはキャリアガスタンク9に保管され、流量調節計10に
より所定の流量に制御して送出する。原料気化器6で気
化した炭化水素原料ガスは、図2に部分拡大図で示した
キャリアガスの流通管11内に流入させることによってキ
ャリアガスと混合され、キャリアガスに搬送されて原料
ノズル12に供給される。この混合ガスは原料ノズル12か
ら所定温度に加熱されている熱分解炉13の炉心管14に導
入され、炭化水素原料ガスがカーボンブラックと水素ガ
スとに熱分解される。熱分解温度は原料となる炭化水素
により異なるが1600〜1800℃の範囲に設定され
る。
【0019】炭化水素原料ガスとキャリアガスは、原料
気化器6内で混合することもでき、図3に原料気化器6
内で気化した炭化水素原料ガスとキャリアガスを混合す
る装置を部分拡大図で例示した。図3において、原料気
化器6で気化した炭化水素原料ガスはキャリアガス送入
管15から所定の流量で送入されたキャリアガスと混合さ
れ、混合ガスは流通管内を搬送して原料ノズル12から熱
分解炉13の炉心管14に導入されて熱分解する。
【0020】アルカリ金属やアルカリ土類金属のストラ
クチャー調節用の添加剤は、例えばカリウム、ナトリウ
ム、カルシウム、マグネシウム等の金属塩を水に溶解し
た水溶液を入れた添加剤タンク16から、上記の炭化水素
原料ガスとキャリアガスとの混合ガス中に霧化混合する
ことにより混合ガスに搬送されて原料ノズル12から熱分
解炉13の炉心管14に導入される。
【0021】熱分解炉13は電熱式、誘導加熱式あるいは
燃焼バーナー式などの適宜な加熱装置17により所定温度
に加熱されており、図1には燃焼バーナー式の加熱装置
を示した。プロパンなどの燃料をバーナー18により燃焼
して熱分解炉13を所定温度に加熱制御し、導入された炭
化水素原料ガスをカーボンブラックと水素ガスに熱分解
する。
【0022】熱分解ガスは熱分解炉13の出口に設けた冷
却管19で冷却したのち、分離器20によりカーボンブラッ
クを分離捕集する。冷却管19には2重管構造の外部水冷
式のものが用いられ、熱分解ガスを例えば500℃以下
の温度に速やかに冷却して熱分解反応を停止する。分離
器20は熱分解ガス中のカーボンブラックを分離するもの
で、濾布による濾過分離方式やサイクロンによる遠心分
離方式など適宜な分離器が用いられ、カーボンブラック
を分離した熱分解ガスは水素ガスを含む可燃性ガスであ
るから熱分解炉13を加熱する燃料として回収使用するこ
とができ、またキャリアガスの一部として循環使用する
ことも可能である。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して詳
細に説明する。
【0024】実施例1〜3、比較例1〜8 図1に示した製造装置により、純度99%、沸点80℃
のベンゼン(C6 6)を炭化水素原料としてカーボンブ
ラックを製造した。ベンゼンは炭化水素原料送入管5か
ら100℃の温度に調節された図2に示す原料気化器6
に送入して気化した。キャリアガスには100℃の温度
に予熱した窒素ガスを用い、キャリアガス流通管11を流
通する窒素ガス中に気化したガス状のベンゼンを所定の
割合で供給して、窒素ガスに搬送されながらベンゼンガ
スを混合した。このようにしてベンゼンのガス濃度が異
なるベンゼンと窒素の混合ガスに塩化カリウムの水溶液
を異なる量比で霧化混合して、100℃の温度に保持さ
れた状態で原料ノズル12から熱分解炉13の炉心管14に導
入した。なお炉心管14には内径20mm、長さ2000mm
の高純度黒鉛管〔東海カーボン(株)製 G-347〕を用い
た。熱分解炉13は、予め炉心管14に窒素ガスを流通させ
ながら高周波誘導加熱により所定の温度に加熱して無酸
素雰囲気の状態に形成、保持されており、導入されたベ
ンゼンガスをカーボンブラックと水素ガスとに熱分解し
た。熱分解ガスは外部水冷式の冷却管19により500℃
の温度に急冷されたのち、分離器20として濾過塔を用い
て濾布上にカーボンブラックを分離回収した。
【0025】このようにしてベンゼンガスおよび窒素ガ
スの流量を変えて混合し、ベンゼンガス濃度の異なる混
合ガスを、流量を変えて熱分解炉に導入し、熱分解温度
を変えてカーボンブラックを製造した。得られたカーボ
ンブラックの粒子性状を測定し、製造条件を表1に、粒
子性状を表2に示した。なお、粒子性状は下記の方法に
より測定した値である。 平均粒子径(nm);電子顕微鏡により測定した算術平均粒
子径 N2 SA(m2/g);ASTM D4820により測定した
窒素吸着比表面積 DBP(ml/100g) ;ASTM D2413により測定し
たDBP吸油量 球状係数(SF);ASTM D3849によりカーボ
ンブラックアグリゲートの画像解析を行い、アグリゲー
トの最大長及び面積から、下式により算出される値で、
SF値が100に近い程アグリゲートの形態が球に近い
形状を示す。なお、測定値は1000個の平均値である。 SF=(πML 2 /4A)×100 但し、ML ; アグリゲート最大長 A ; アグリゲート投影面積
【0026】
【表1】 (表注)*1 ベンゼンに対する添加比
【0027】
【表2】
【0028】表1、2の結果から、実施例の方法により
製造したカーボンブラックは、比較例の方法により製造
したカーボンブラックに対比して平均粒子径が小さく、
窒素吸着比表面積(N2SA)の大きい微細な粒子性状を示す
とともにDBP吸油量が小さく、チャンネルブラックに
匹敵する微細な粒子性状とサーマルブラックに相当する
低位のストラクチャーレベルとを有していることが認め
られる。また、球状係数(SF)の値から、実施例によるカ
ーボンブラックはアグリゲートの形状が球体に近い形態
であることが判る。
【0029】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のカーボンブラッ
クの製造方法によれば、常温で液体または固体の炭化水
素原料を加熱気化し、該気化した炭化水素原料ガスをキ
ャリアガスと混合して0.01〜2.0 vol%の原料ガ
ス濃度、及び0.1〜1.0m/秒の混合ガス流速で、ア
ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属とともに無酸素雰
囲気に保持された熱分解炉に導入し、1600〜180
0℃の温度で熱分解することにより、微細な粒子性状な
らびにストラクチャーレベルの低位なカーボンブラック
を効率的よく製造することができる。したがって、例え
ばプラスチックの着色フィラーをはじめインクや顔料用
等のフィラーとして用いられるカーボンブラックの製造
方法として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカーボンブラックの製造方法に適用さ
れる装置の構成を例示した説明図である。
【図2】気化した炭化水素原料ガスをキャリアガスに混
合する方法を例示した部分拡大図である。
【図3】気化した炭化水素原料ガスをキャリアガスに混
合する別の方法を例示した部分拡大図である。
【符号の説明】 1 原料タンク 2 予熱用ヒータ 3 ポンプ 4 流量調節計 5 炭化水素原料送入管 6 原料気化器 7 原料気化用ヒータ 8 炭化水素原料ガス排出管 9 キャリアガスタンク 10 流量調節計 11 キャリアガス流通管 12 原料ノズル 13 熱分解炉 14 炉心管 15 キャリアガス送入管 16 添加剤タンク 17 加熱装置 18 バーナー 19 冷却管 20 分離器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液体または固体の炭化水素原料を
    加熱気化し、該気化した炭化水素原料ガスをキャリアガ
    スと混合して0.01〜2.0 vol%の原料ガス濃度、
    及び0.1〜1.0m/秒の混合ガス流速で、アルカリ金
    属あるいはアルカリ土類金属とともに無酸素雰囲気に保
    持された熱分解炉に導入し、1600〜1800℃の温
    度で熱分解させることを特徴とするカーボンブラックの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 常温で液体または固体の炭化水素原料
    が、芳香族性炭化水素単体である請求項1記載のカーボ
    ンブラックの製造方法。
  3. 【請求項3】 キャリアガスが、窒素、水素あるいは不
    活性ガスである請求項1又は2記載のカーボンブラック
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008056714A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Tokai Carbon Co Ltd 炭素微小球の製造装置
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