JP3400498B2 - カーボンブラックの製造方法 - Google Patents
カーボンブラックの製造方法Info
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Description
を外熱式反応炉により連続的に熱分解してサーマルブラ
ック相当の粒子性状を備えるカーボンブラックを効率よ
く製造するための方法に関する。
ーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラッ
クおよびアセチレンブラックが古くから知られている。
このうち、ファーネスブラックは原料を不完全燃焼させ
て製造されるもので、原料系のの違いによりガスファー
ネス法とオイルファーネス法とに大別される。ガスファ
ーネス法は、天然ガスのようなガス状炭化水素を原料と
し、その一部を空気と燃焼させ、残りの原料ガスを熱分
解して製品化する方法で、比較的大きな粒子径(50nm
以上)のカーボンブラックを生成するのに適している。
一方、オイルファーネス法は、燃料の燃焼により形成さ
れた円筒炉の火炎中に液状の炭化水素油を噴霧状または
蒸気状として連続供給することにより熱分解させる方法
で、広範囲に亘る粒子性状のカーボンブラックを工業的
に造り分けることができる。これら両方法には構造的に
異なる発生炉が用いられるが、特公昭60−22386
号公報には、オイルファーネス法でありながらガスファ
ーネス法にも併用できる発生炉を用いたカーボンブラッ
クの製造方法が開示されている。
せた扇型の炎をチャンネル鋼に衝突させ、析出したカー
ボンブラックを掻き落して製造される超微粒系の品種
で、主に顔料用として用いられている。サーマルブラッ
クは、耐火レンガをチェッカー状に積んだ蓄熱室式の分
解炉を用い、天然ガスを約1300℃の温度で炭素と水
素に熱分解する方法により製造されるもので、ストラク
チャーが発達しない最も大きな粒子径のカーボンブラッ
ク(算術平均粒子径 180〜500nm 、DBP吸油量30〜50
ml/100) である。アセチレンブラックは、アセチレンを
発熱反応で炭素と水素に熱分解させて得られるカーボン
ブラックで、高い電導性と大きなストラクチャーに特徴
がある。
主流となっているのはオイルファーネス法で、現在では
大部分のカーボンブラックがこの方法により工業生産さ
れている。このため、装置および製造プロセスに関する
改良技術も数多く提案されている。これに対し、装置的
に量産性の乏しいチャンネルブラックやサーマルブラッ
クは、殆ど工業生産されていない現状にある。しかし、
チャンネルブラックやサーマルブラックはファーネスブ
ラックとは異なる特異な粒子性状を有しているため、こ
れを連続的に低コストで生産することができれば使用価
値は頗る高い。
まま適用してチャンネルブラックやサーマルブラックを
製造することは不可能である。したがって、粒子性状を
目的水準に制御するための装置的、プロセス的な改良が
必要となる。例えば比較的大粒子径のカーボンブラック
を得る方法として、ガス状の炭化水素原料に熱媒体粒子
を混合し、還元性雰囲気下で1500℃程度の温度によ
り熱分解するカーボンブラックの製造方法(特公平2−
225572号公報、特公平2−248468号公報)が提案されて
いる。
25572公報や特公平2−248468号公報に記載
されている方法によれば、サーマルブラック相当の粒子
性状を備えるカーボンブラックを製造しえる要素があ
る。しかしながら、これら方法では、原料ガスに混合す
る熱媒体粒子の影響で大粒の不純物が生成カーボンブラ
ック中に混入する欠点があり、純度的に満足しない。
状を対象に装置的、プロセス的に量産技術の可能性につ
いて研究を重ねた結果開発に至ったもので、サーマルブ
ラック相当の粒子性状を備えるカーボンブラックを連続
的に高い生産効率で生成することができる製造方法の提
供を目的としている。
めの本発明によるカーボンブラックの製造方法は、吸熱
反応で熱分解するガス状の炭化水素を原料とし、該原料
ガスを5〜50 vol%の供給濃度で還元雰囲気に保持さ
れた外熱式反応炉に送入し、ガス流がレイノルズ数23
00以下の層流になる状態で1400℃以上の温度によ
り熱分解することを構成上の特徴とする。
状の炭化水素原料としては、常温常圧下でガス状態を呈
するアルカン系のメタン、エタン、プロパン、ブタン、
アルケン系のアセチレン、または天然ガス等を挙げるこ
とができる。これら原料ガスは、例えば還元性雰囲気に
保持された管状の外熱式反応炉に還元性ガスと混合して
連続的に送入されるが、この際の原料ガス供給濃度を5
〜50 vol%範囲の体積分率になるように設定する。こ
の供給濃度が5 vol%未満ではカーボンブラックの生成
が少なくなって収率が著しく減退し、逆に50 vol%を
越えるとカーボンブラックの生成が多くなり過ぎて反応
炉管を閉塞する操業悪化の現象を招く。炉内雰囲気用お
よび原料ガスに混合する還元性ガスとしては、高純度の
窒素ガスが好適に用いられる。
スの混合ガス流は、少なくとも熱分解反応域においてレ
イノルズ数2300以下、好ましくは1350以下の層
流にする必要がある。この流動状態がレイノルズ数23
00を越えると、混合ガス流に乱れが生じてストラクチ
ャーが発達するため、サーマルブラック相当の粒子性状
を得ることができなくなる。レイノルズ数2300以下
の層流状態は、反応炉の管径に応じて混合ガスの流量を
適宜に制御することにより調整することができる。反応
炉の熱分解温度は、1400℃以上の温度域に設定す
る。1400℃を下廻る温度では生成ガス流の炉内滞留
時間を長くしないと反応が完結しないため、未燃分の多
い中間生成物が多量発生するようになる。反応の円滑性
およびコスト面を考慮すると、1500〜1700℃の
温度範囲が好適である。
ク製造装置の全体構成を例示した説明図で、1は外熱式
反応炉、2は雰囲気保持用還元ガス供給源、3は原料ガ
ス供給源、4は原料混合用還元ガス供給源、5はサイク
ロン、そして6はバッグフィルターである。外熱式反応
炉1は、反応管7の周囲を発熱手段8と断熱材層9で被
包した構造の管状炉で、その入口側端部にガス供給ルー
トが連結され、出口側端部は捕集系統に接続している。
反応管7は、不純物が混入しない耐火物で構成すること
が好ましく、高純度の黒鉛、ムライト、アルミナ、ジル
コニア等の材質が好適に用いられる。
応管7に雰囲気保持用還元ガス供給源2から還元性ガス
を流入して管内を還元性雰囲気に保持し、同時に発熱手
段8を作動させて発熱管を1400℃以上に加熱する。
ついで、原料ガス供給源3と原料混合用還元ガス供給源
4からガスを流し、流量調整器10およびガス混合器1
1を介して原料ガスの供給濃度が5〜50 vol%にな
り、ガス流がレイノルズ数2300以下の層流になる状
態で混合ガスを連続的に反応管7に送入する。反応管7
の内部で熱分解生成したカーボンブラックを含むガス流
は、出口側端部からサイクロン5およびバッグフィルタ
ー6の捕集系統を通過する過程でカーボンブラックが捕
集される。
ない単一粒子形状を有する大粒子径のカーボンブラック
を連続的に生産することができる。得られるカーボンブ
ラックの粒子性状は、DBP吸油量が40ml/100g 以下
で、電子顕微鏡による算術平均粒子径が150〜520
nmの範囲にあり、サーマルブラックに相当する高純度品
である。
の炭化水素を原料とし、この原料ガスを5〜50 vol%
の供給濃度で還元性雰囲気に保持された1400℃以上
の外熱式反応炉に送入すると、脱水素縮合を生じて次第
に複雑な多環芳香族が生成する。多環化に伴って蒸気圧
が徐々に低下し、そこに生じた核を中心として形成され
た油滴が熱分解して粒子径の大きなカーボンブラックに
転化する。この際、送入する原料系ガス流を乱流化させ
ず、レイノルズ数が2300以下の層流状態とすること
により前記油滴が相互接触して凝集化する事態が防止さ
れ、この作用でストラクチャーが発達しない単一粒子形
状のカーボンブラックが生成する。
造であり、炉内に安価なガス状炭化水素原料を送入する
ことにより連続的にサーマルブラック相当の粒子性状を
備える高純度のカーボンブラックを製造することができ
る。
造装置を設置した。反応管7には、内径24mm、長さ2
75mmの高純度黒鉛管〔東海カーボン(株)製G-347 〕
を使用し、発熱手段8は高周波誘導加熱方式に設計し
た。原料となる炭化水素ガスは市販のメタンガスとし、
雰囲気保持用および原料混合用の還元性ガスには窒素ガ
ス〔(株)テイサン製〕を用いた。製造条件を表1に示
すように変動させて、それぞれの条件によりカーボンブ
ラックを製造した。得られたカーボンブラックの粒子性
状を適用した変動条件と対比させて表1に併載した。
微鏡による算術平均粒子径が150〜510nmの範囲に
あり、DBP吸油量が30ml/100g 以下のサーマルブラ
ック相当水準の粒子性状を備えるカーボンブラックを効
率よく製造することができ、その生成収率は約30%
(対原料ガス対比)であった。これに対し、比較例1で
は得られたカーボンブラックの粒子性状はサーマルブラ
ックに近いものであったが、熱分解温度が1200℃と
低いため生成収率は約5%であった。比較例2はレイノ
ルズ数が2816と高い関係でストラクチャーが著しく
発達した。また原料ガスの供給濃度が50 vol%を越え
る比較例3では、カーボンブラックの生成が急速すぎて
反応管を閉塞し、実施が不可能となった。
ば安価な原料ガスを外熱式反応炉に送入して連続的に熱
分解することにより、サーマルブラック相当の粒子性状
を備える高純度のカーボンブラックを効率よく生成する
ことが可能となる。したがって、作業性が良好で多量配
合が可能なゴム配合用のソフト級カーボンブラックの製
造技術として極めて有用である。
造装置の全体構成を例示した説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 吸熱反応で熱分解するガス状の炭化水素
を原料とし、該原料ガスを5〜50 vol%の供給濃度で
還元雰囲気に保持された外熱式反応炉に送入し、ガス流
がレイノルズ数2300以下の層流になる状態で140
0℃以上の温度により熱分解することを特徴とするカー
ボンブラックの製造方法。 - 【請求項2】 DBP吸油量が40ml/100g 以下で、電
子顕微鏡による算術平均粒子径が150〜520nmのカ
ーボンブラックを生成させる請求項1記載のカーボンブ
ラックの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP20032693A JP3400498B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | カーボンブラックの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20032693A JP3400498B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | カーボンブラックの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0734001A JPH0734001A (ja) | 1995-02-03 |
JP3400498B2 true JP3400498B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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US7816436B2 (en) * | 2004-11-08 | 2010-10-19 | INVISTA North America S.à.r.l. | Carbon black with large primary particle size as reheat additive for polyester and polypropylene resins |
JP4826901B2 (ja) * | 2006-05-12 | 2011-11-30 | 東海カーボン株式会社 | 炭素微小球とその製造方法 |
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-
1993
- 1993-07-19 JP JP20032693A patent/JP3400498B2/ja not_active Expired - Fee Related
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