JPH11124783A - リグニン含有パルプを製造中に増白する方法 - Google Patents

リグニン含有パルプを製造中に増白する方法

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JPH11124783A
JPH11124783A JP10242891A JP24289198A JPH11124783A JP H11124783 A JPH11124783 A JP H11124783A JP 10242891 A JP10242891 A JP 10242891A JP 24289198 A JP24289198 A JP 24289198A JP H11124783 A JPH11124783 A JP H11124783A
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alkyl
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pulp
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ammonium
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JP10242891A
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Randall Bruce Nelson
ブルース ネルソン ランダル
Olli Juhani Jokinen
ユハニ ヨキネン オリィ
Peter Rohringer
ローリンガー ペーター
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BASF Schweiz AG
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Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG
Ciba SC Holding AG
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    • D21H21/00Non-fibrous material added to the pulp, characterised by its function, form or properties; Paper-impregnating or coating material, characterised by its function, form or properties
    • D21H21/14Non-fibrous material added to the pulp, characterised by its function, form or properties; Paper-impregnating or coating material, characterised by its function, form or properties characterised by function or properties in or on the paper
    • D21H21/30Luminescent or fluorescent substances, e.g. for optical bleaching
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
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    • D21C9/005Modification of pulp properties by chemical means; preparation of dewatered pulp, e.g. in sheet or bulk form, containing special additives organic compounds
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    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
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    • D21C9/1063Bleaching ; Apparatus therefor with compounds not otherwise provided for, e.g. activated gases

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リグニン含有パルプを増白する。 【解決手段】 パルプ製造中に、リグニン含有パルプを
含む水性スラリーに蛍光増白剤および場合によってはキ
レート剤を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はリグニン含有パルプを増白するた
めにパルプ工場で使用できる方法に関する。より詳細に
は、本発明は相当量のリグニンを含有しているパルプの
所望繊維特性を保持しながら所望の目的白色度値を得る
ために漂白薬品を使用する代わりに蛍光増白剤を使用す
ることを教示するものである。
【0002】各種の木材、故紙やその他繊維原料を紙の
製造のために適当なパルプに変換するためには多種多様
な方法が知られている。概括すると、これら公知方法は
機械パルプ化法、化学パルプ化法および両者の組合わせ
に分類できる。パルプの特性は原料の種類とプロセスパ
ラメーターによって決まる。したがって通常は、紙の最
終用途によって使用される原料ならびに適当なプロセス
パラメーターの両者が決定される。
【0003】クラフト紙製造のための化学パルプ化法に
おいては、使用される木材中のリグニンとヘミセルロー
スの大部分は一連の化学処理によって除去または可溶化
される。筆記用紙のような白い紙のために適当なパルプ
を得るためには残留リグニンをほとんど除去する付加的
漂白工程が必要である。得られる低リグニンまたは実質
的にリグニンを含まない紙は高い強度と85またはそれ
以上の白色度(brightness)値を有している。しかしなが
ら、このような紙は比較的高価である。その理由は多数
の処理工程が必要なこと、廃液処理コストがかかること
および木材の乾燥重量のほとんど半分以上が化学処理の
間に失われることである。
【0004】リファイナー機械パルプ化法や熱機械パル
プ化(thermomechanical pulp; TMP)法のような機
械パルプ化プロセスにおいては、繊維は熱エネルギーと
機械的エネルギーとの組み合わせによって分離される。
このような方法は低コストで紙を製造することができ
る。なぜならば、処理コストが低減されかつ木材成分の
化学的除去がないため、木材の乾燥重量を基準にした収
率が通常約95%に達するからである。他方、サーモ機
械パルプ化の前の木材チップまたはその後のパルプにい
くらかの化学処理を施す化学熱機械パルプ化(chemithe
rmomechanical pulp; CTMP)法あるいは熱機械パル
プ化の前に木材チップにある程度の化学的蒸解を施すセ
ミ機械パルプ化(semimechanical pulping; SMP)法
も採用されている。これらの方法における木材の乾燥重
量を基準にした収率は化学的処理により木材成分のいく
らかが除去されるため幾分低下するが、しかし純粋な化
学パルプ化プロセスと比較すればいぜんとして実質的に
高い。
【0005】機械的プロセスからのパルプは、所望によ
り、製紙工程の前に、リグニンを除去しない薬品たとえ
ばアルカリ性過酸化水素または亜ジチオン酸ナトリウム
で漂白される。この結果得られる紙の白色度は約80が
限度である。この低い白色度に加えて、機械パルプ化プ
ロセスから結果する紙は光安定性、強度および耐久性が
化学パルプ化プロセスによって製造された紙に比較して
低い。機械パルプ化プロセスによって製造される紙の主
な市場は新聞用紙の分野である。
【0006】パルプ製造/漂白の一般分野の解説は専門
書であるPulp Bleaching,編集者はCarton Denceと Dou
glas Reeve、出版社はTAPPI Press(1996) 、に余すとこ
ろなく記載されている。
【0007】最終用途によっては、化学パルプと機械パ
ルプの混合物を使用するのがよい。たとえば、再生紙は
通常化学パルプからつくられた紙と機械パルプからつく
られた紙の両方を含んでいる。しかし、機械パルプが主
である場合が多い。したがって、リグニンの量は非常に
広範に変る。一方の極端では、リグニンの量はパルプが
製造された木材チップの含有量とほとんど変わらない。
他方の極端では、白上質紙のために適当な高い白色度ま
で漂白された化学パルプの場合と同様にリグニン量はゼ
ロに近い。
【0008】白色度は酸化マグネシウムを100%白と
した青領域(457nm) の光の反射率の形で測定され
る。米国では白色度は通常ゼネラル・エレクトリック社
(GE)の白色度計を使用して測定される。すなわち、
GE白色度の80はGE白色度計で測定された酸化マグ
ネグネシウムの白色度の80%に相当する。
【0009】多くの用途のためには、パルプの色、より
厳密に言えばパルプに色がついていないことが決定的に
重要なパラメーターである。したがって、費用効果的に
リグニン含有パルプの白さすなわち白色度を上げて、最
終製品の白色度を増加させうることが強く要望されてい
る。他方、この白色度が他のパルプ特性に優先する第一
の重要事とされることなく増白が行われることも強く望
まれる。従来慣習的にパルプは所望白色度まで漂白され
そして繊維の供給はおおまかに他の特性を賦与する程度
に選択されていた。所望の物性が白色度より軽く扱われ
る場合が多かったのである。
【0010】たとえば、過酸化水素とカセイソーダを使
用して高い白色度まで漂白する典型的漂白では、濾水
性、バルク、強度、不透明度および収率の犠牲により白
色度が得られる。このために高リグニン含量パルプの市
場位置は比較的”低い用途”たとえば紙タオルなどに制
限される。印刷用紙、筆記用紙ならび塗工紙のような高
級紙市場へ参入することはできない。
【0011】漂白を組み入れた化学パルプ化プロセスか
ら製造された紙、すなわち、実質的にリグニンを含有し
ていない紙は、パルプ化工程に蛍光増白剤を添加しかつ
表面コーティングとして抄紙された原紙に添加すること
によって増白できること、そして通常行われていること
はよく知られている。実際に、多数の蛍光増白剤がこの
目的のために市場に出荷されている。しかしながら、こ
れまでは蛍光がリグニンによって阻害されるということ
が常識となっていた。このために機械パルプ化プロセス
からのパルプのごとき相当量のリグニンを含有している
パルプから紙を製造する場合には蛍光増白剤の使用は除
外されてきた。
【0012】漂白クラフト化学パルプの場合でさえ、こ
れまで蛍光増白剤(光学的増白剤ともよばれる)がパル
プ工場で直接使用されることはなかった。その方法は技
術的に簡単のものであるにもかかわらずである。むし
ろ、製紙業者(この業界には繊維と蛍光増白剤化学につ
いての高い知識が存在する)が採用してきた道は適当な
初期白色度を有するパルプを購入しそして最終的に得ら
れる紙に所望の目的白色度レベルを得るため蛍光増白剤
や他の物質を添加する程度のことであった。従来技術に
よるクラフト化学パルプの製造中に漂白の代りに蛍光増
白剤を使用することは一般に行われていない。
【0013】係属中の米国特許願08/766909号
明細書には製紙工程中にリグニン含有パルプの水性スラ
リーに蛍光増白剤を添加することによってリグニン含有
パルプから製造される紙の白色度を増加させることが可
能であることが開示されている。しかしながら、漂白代
替物として蛍光増白剤をパルプ工場でパルプ製造中に高
リグニン含量パルプに使用することは知られていない。
【0014】誠に驚くべきことに、今回本発明によっ
て、リグニン含有パルプを含む水性スラリーに、パルプ
製造中の乾燥工程で、または、パルプが単離されない場
合には製紙工程の前に、有効量の蛍光増白剤を添加する
方法によってリグニン含有パルプの白色度を増加させる
ことが可能であることが発見された。
【0015】ここで、”リグニン含有パルプ”とは乾燥
ベースで5重量%またはそれ以上のリグニンをまだ含有
してパルプを指す。リグニンとはパルプ中の72重量%
硫酸不溶性部分である。リグニン含量の適当なテスト方
法はTAPPI T223およびASTM D1106に示されている。
【0016】本発明の方法は、乾燥重量ベースでリグニ
ンを約5%含むパルプから等量の木材チップに存在する
リグニンを100%含むパルプまでを顕著に増白するた
めに有用である。すなわち、本方法は比較的リグニン含
量の低いパルプたとえばある種の漂白クラフトパルプか
ら、リグニン含量の高いパルプたとえば熱機械パルプ、
漂白化学熱機械パルプさらには脱墨漂白熱機械パルプも
含めて、広範に適用することができる。好ましくは、パ
ルプのリグニン含量は乾燥重量ベースで少なくとも10
%であり、最も好ましくは少なくとも15%である。達
成される白色度の範囲は初期パルプ白色度と使用される
パルプの種類により約50プラスから約90プラスまで
の範囲で変動する。
【0017】機械パルプ化プロセスからのパルプを漂白
するために工程中でキレート化剤を使用することは公知
である。V. N. Gupta, Pulp & Paper Mag. Can., 71
(18),T391-399(1970) 参照。水性パルプスラリーにキレ
ート化剤を添加するとパルプに存在するグルクロン酸、
抽出物およびリグニンの自然に黄ばむ傾向が抑制され
る。これは、発色反応を触媒する鉄や他の重金属たとえ
ば銅、亜鉛、マンガンなどの金属が除去または減少され
るからである。鉄や他の重金属は溶解性の高いキレート
化合物の形に変換されそしてほとんどが脱水工程で除去
されてしまう。これによってパルプの中にそれら重金属
が入り込むのが制御される。さらに加えて、キレート化
剤は残留する鉄や他の重金属の塩を封鎖する。もし封鎖
されなかったら、これら金属塩は当然蛍光増白剤の励起
状態を緩和させて蛍光増白剤を無効にしてしまうであろ
う。
【0018】パルプ工場で使用されるプロセスパラメー
ターにより、この金属抑制工程は還元漂白(たとえば、
次亜硫酸塩、亜硫酸水素塩またはホルムアミジン亜硫酸
塩漂白)または酸化漂白(たとえばペルオキシまたは過
酸化物漂白)が使用されているパルプ製造工程では当然
のこととして実施されるであろう。キレート化剤の水性
パルプスラリーへの添加は、それが必要とされる場合、
蛍光増白剤の添加より前に行うべきである。
【0019】木材チップ中に残留する鉄や他の重金属な
らびにそれらのイオンのバックグランドレベルは、もち
ろんそれらの種類と分布状態によるが、通常約10乃至
25ppmである。パルプ製造工場で使用される水に存
在する鉄や他の重金属およびそれらのイオンの量は広い
範囲で変動する。さらに、木材チップのメカニカルパル
プ製造中ならびに新聞紙のリサイクルの段階で相当量の
鉄や他の重金属およびそれらのイオンが導入される。し
たがって、パルプ製造中水性パルプに存在する鉄や他の
重金属およびそれらのイオンの量は、パルプ製造のいく
つかの段階において、パルプの乾燥重量を基準にして、
数百ppmのレベルになるであろう。
【0020】蛍光増白剤の添加の前にキレート化剤を添
加することは多くの場合必ずしも必要ではない。なぜな
らば一般に使用されているペルオキシ漂白においてはキ
レート化剤を前もって添加することが有効処理のために
必要とされるからである。しかしながら、蛍光増白剤が
添加されるべき加工段階において、リグニン含有パルプ
を含む水性スラリーが、鉄や他の重金属の塩を、パルプ
の乾燥重量を基準にして、まだ25乃至500ppm含
有している場合には、キレート化剤を使用するのが有利
である。この濃度範囲の高い側の数値域では、蛍光増白
剤による白色度の増加は、蛍光増白剤が鉄で緩和される
ため、重金属塩の本来の色によるパルプの曇りのためお
よびペルオキシ化合物または還元作用化合物に対するそ
れら金属の触媒作用(ペルオキシ化合物または還元作用
化合物はセルロースと反応してパルプ特性に打撃をあた
える)によってさほど大きくはならない。蛍光増白剤と
組み合わせて、キレート化剤を先行使用して水性パルプ
化スラリーを処理した場合に、最大の白色度の向上が得
られるのは鉄や他の重金属イオンの塩の初期濃度が25
乃至100ppmである場合である。一般に、鉄や他の
重金属およびそれらのイオンの濃度を木材チップに見ら
れる残留バックグランドレベル以下まで下げることには
実用的利点はない。
【0021】重金属濃度は標準的分析法たとえば原子吸
光スペクトル分析または誘起結合プラズマ分析などによ
って測定することができる。ひとたび各種重金属の種類
と量がわかれば、キレート化剤の使用量は表から容易に
計算または判定できる。使用濃度は100ppmまたは
それ以下、好ましくは約25ppmまたはそれ以下であ
る。少し過剰の使用も有害ではない。すなわち、蛍光増
白剤の添加の前の水性パルプ化スラリーの重金属含有濃
度、選択されたキレート化剤の種類および所望される白
色度の向上程度に応じて、パルプの乾燥重量を基準にし
て0乃至約1重量%のキレート化剤を使用するのが有利
である。キレート処理の付加的かつ実質的利点は繊維マ
トリックスを開いて繊維を蛍光増白剤により接触しやす
くすることにある。
【0022】本発明にはすべてのタイプのキレート化
剤、たとえば、金属イオンの熱力学的制御または動力学
的制御をもたらすキレート化剤が適する。しかしなが
ら、好ましいのは熱力学的制御をもたらすキレート化
剤、すなわち、重金属イオンと安定で単離可能な錯化合
物を形成するキレート化剤である。このグループの中で
も、アミノカルボン酸キレートを使用するのが特に好ま
しい。このクラスのよく知られた市場で入手可能なキレ
ート化剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸
(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DT
PA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸
(HEDTA)およびニトリロトリ酢酸(NTA)があ
げられる。
【0023】熱力学的制御作用のキレート化剤と動力学
的作用のキレート化剤(たとえば、クエン酸塩、ケト
酸、グルコナート、ヘプタグルコナート、ホスフェート
およびホスホナート)との混合物もパルプ中の遊離重金
属イオンの濃度を許容可能なレベルまで低減させるため
によく働く。動力学的制御作用のキレート化剤も多数の
ものが市販されている。動力学的制御作用のキレート化
剤は重金属イオンと安定で単離可能な錯化合物を形成し
ないキレート化剤である。
【0024】蛍光増白剤はスペクトルの不可視紫外域の
光を吸収してスペクトルの可視部分、特に青乃至青紫波
長の光を出す物質である。この物質は白色度の増加をも
たらしパルプまたはパルプから製造された紙のような基
質の本来の黄の色合いを相殺することができる。
【0025】本発明において使用されうる蛍光増白剤は
各種のタイプの化合物から選択されうる。たとえば、下
記の群から選択することができる:4,4’−ビス−
(トリアジニルアミノ)−スチルベン−2,2’−ジス
ルホン酸類、4,4’−ビス−(トリアゾール−2−イ
ル)−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸類、4,
4’−ジベンゾフラニル−ビフェニル、4,4’−(ジ
フェニル)−スチルベン類、4,4’−ジスチリル−ビ
フェニル類、4−フェニル−4’−ベンゾオキサゾリル
−スチルベン類、スチルベニル−ナフトトリアゾール
類、4−スチリル−スチルベン類、ビス−(ベンゾオキ
サゾール−2−イル)誘導体、ビス−(ベンゾイミダゾ
ール−2−イル)誘導体、クマリン類、ピラゾリン類、
ナフタルイミド類、トリアジニル−ピレン類、2−スチ
リル−ベンゾオキサゾールまたはナフトオキサゾール
類、ベンゾイミダゾール−ベンゾフラン類、オキソアニ
リド類またはこれらの混合物。
【0026】好ましい4,4’−ビス−(トリアジニル
アミノ)−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸は下記
式(1)のものである
【化25】 式中、R1とR2は互いに独立的にフェニル、モノ−または
ジ−スルホン化フェニル、フェニルアミノ、モノ−また
はジスルホン化フェニルアミノ、モルホリノ、−N(C
2CH2OH)2、−N(CH3)(CH2CH2OH)、
−NH2 、−N(C1-C4アルキル)2、−OCH3 、−
Cl 、−NH−CH2CH2 SO3 H、CH2CH2OH
またはエタノールアミノプロピオン酸アミドを意味し、
MはH、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモニウムある
いはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキシアルキルま
たはこれらの混合物によってモノ−、ジ−、トリ−また
はテトラ置換されたアンモニウムを意味する。Mは好ま
しくはNa、Li またはKである。
【0027】特に好ましい式(1)の化合物は下記によ
り定義されるものである:各R1が2、5−ジスルホフェ
ニルであり、各R2がモルホリノ、−N(C252、−
N(CH2CH2OH)2またはエタノールアミノプロピ
オン酸アミドであるもの;または各R1が3−スルホフェ
ニルであり、各R2がNH(CH2CH2OH)またはN
(CH2CH2OH)2であるもの;または各R1が4−ス
ルホフェニルであり、各R2がN(CH2CH2OH)2
N(CH2CHOHCH32 、モルホリノまたはエタノ
ールアミノプロピオン酸アミドであるもの;または各R1
がフェニルアミノであり、各R2がモルホリノ、NH(C
2CH2OH)、N(CH2CH2OH)CH3 、N(C
2CH2OH)2またはエタノールアミノプロピオン酸
アミドであるもの;なお、いずれの場合にもスルホ基は
SO3M(ここでMはナトリウムである)である。
【0028】とりわけ、下記式の化合物が好ましい。
【化26】
【0029】好ましい4,4’−ビス−(トリアゾール
−2−イル)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸は下
記式(2)の化合物である
【化27】 式中、R3とR4は互いに独立的にH、C1-C4アルキル、
フェニルまたはモノスルホン化フェニルを意味し、Mは
H、Na 、Li、K、Ca、Mg、アンモニウムあるいは
1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキシアルキルまたは
これらの混合物によってモノ−、ジ−、トリ−またはテ
トラ置換されたアンモニウムを意味する。Mは好ましく
はNa、Liま たはKである。
【0030】特に、R3がフェニル、R4がHそしてMがナ
トリウムである式(2)の化合物が好ましい。
【0031】好ましい4,4’−ジベンゾフラニル−ビ
フェニルは下記式(3)の化合物である
【化28】 式中、RaとRbは互いに独立的にHまたはC1-C4アルキ
ルを意味し、MはH、Na 、Li、K、Ca、Mg、アン
モニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキ
シアルキルまたはこれらの混合物によってモノ−、ジ
−、トリ−またはテトラ置換されたアンモニウムを意味
する。Mは好ましくはNa, LiまたはKである。
【0032】特に、下記式(3a)の化合物が好まし
い。
【化29】
【0033】好ましく使用される4,4’−ジスチリル
−ビフェニルは下記式(4)の化合物である
【化30】 式中、R5とR6は互いに独立的にH、SO3M、SO2
(C1-C4アルキル)2 、O−(C1-C4アルキル)、C
N、Cl、COO(C1-C4アルキル)、CON(C1-
4アルキル)2 またはO(CH23+(CH32
n-を意味し、MはH、Na 、Li、K、Ca、Mg、アン
モニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキ
シアルキルまたはこれらの混合物によってモノ−、ジ
−、トリ−またはテトラ置換されたアンモニウム、An-
は有機または無機酸またはそれらの混合物の陰イオンで
あり、nは1である。好ましくは、MはNa 、Li また
はKでありAn-はギ酸、酢酸、プロピオン酸、グルコー
ル酸、乳酸、アクリル酸、メタンホスホン酸、亜リン
酸、ジメチル亜リン酸またはジエチル亜リン酸のアニオ
ンまたはこれらの混合物である。 特に、下記により定
義される式(4)の化合物が好ましい。各R6がHであ
り、各R5が2−SO3M基(ここでMはナトリウムであ
る)であるかまたは各R5がO(CH23+(CH32
An-(ここでAn-は酢酸イオンを意味する)である。
【0034】最も好ましいのは下記式(4a)の化合物
である
【化31】
【0035】好ましい4−フェニル−4’−ベンゾオキ
サゾリルスチルベンは下記式(5)の化合物である
【化32】 式中、R7とR8は互いに独立的にH、Cl、C1-C4アルキ
ルまたはSO2 −C1-C4アルキルを意味する。
【0036】好ましく使用されるスチルベニル−ナフト
トリアゾールは下記式(6)の化合物である
【化33】 式中、R9はHまたはCl、R10 はSO3M、SO2N(C1
-C4アルキル)2、SO2O−フェニルまたはCN、R11
はHまたはSO3Mを意味する、ここで、MはH、Na、
Li、K、Ca、Mg、アンモニウムあるいはC1-C4
ルキル、C1-C4 ヒドロキシアルキルまたはこれらの混
合物によってモノ−、ジ−、トリ−またはテトラ置換さ
れたアンモニウムである。好ましくは、MはNa、Li
またはKである。
【0037】特に好ましい式(6)の化合物は式中のR9
とR11 がH、R10 が2−SO3M(ここでMはナトリウ
ムである)であるものである。
【0038】好ましい4−スチリル−スチルベンは下記
式(7)の化合物である
【化34】 式中、R12 とR13 は互いに独立的にH、SO3M、SO2
N(C1-C4アルキル)2 、O-(C1-C4アルキル)、
CN、Cl、COO(C1-C4アルキル)、CON(C1-
4アルキル)2またはO(CH23+(CH32 An
-を意味する、ここでAn-は有機または無機酸またはそ
れらの混合物の陰イオン、好ましくは、ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、グルコール酸、乳酸、アクリル酸、メタン
ホスホン酸、亜リン酸、ジメチル亜リン酸またはジエチ
ル亜リン酸の陰イオンまたはこれらの混合物でありMは
H、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモニウムあるいは
1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキシアルキルまたは
これらの混合物によってモノ−、ジ−、トリ−またはテ
トラ置換されたアンモニウムである。そしてMはNa、
LiまたはKである。
【0039】特に好ましい式(7)の化合物は、式中の
R12 とR13 が2−シアノまたは2−SO3M(ここでM
はナトリウムである)を意味するかまたはO(CH23
+(CH32 An-(ここでAn-は酢酸イオンであ
る)を意味するものである。
【0040】好ましいビス−(ベンゾオキサゾール−2
−イル)誘導体は下記式(8)の化合物である
【化35】 式中、各R14 は互いに独立的にH、C(CH33 、C
(CH32 −フェニル、C1-C4アルキルまたはCOO
−C1-C4アルキルを意味し、Xは−CH=CH−また
は下記式
【化36】 のいずれかの基を意味する。
【0041】特に好ましい式(8)の化合物は:各R14
がHそしてXが
【化37】 である;各環内の一方のR14 が2−メチル,他方のR14
がHそしてXが−CH=CH−である;各環内の一方の
R14 が2−C(CH33 他方のR14 がH、そしてXが
【化38】 である。
【0042】好ましいビス−(ベンゾイミダゾール−2
−イル)誘導体は下記式(9)の化合物である
【化39】 式中、R15 とR16 は互いに独立的にH、C1-C4アルキ
ルまたはCH2CH2OH、R17 はHまたはSO3M、X1
は−CH=CH−または式
【化40】 の基を意味する、ここでMはH、Na、Li、K、Ca、
Mg、アンモニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4
ヒドロキシアルキルまたはこれらの混合物によってモ
ノ−、ジ−、トリ−またはテトラ置換されたアンモニウ
ムである。好ましくは、MはNa、LiまたはKである。
【0043】特に好ましい式(9)の化合物は式中のR
15 とR16 がそれぞれHでR16 がSO3M(ここでMはナ
トリウムである)そしてX1 が−CH=CH−であるも
のである。
【0044】好ましいクマリンは下記式(10)のクマ
リンである
【化41】 式中、R18 はH、Cl またはCH2COOH、R19
H、フェニル、COO−C1-C4アルキルまたは下記式
の基
【化42】 R20 はO−C1-C4アルキル、N(C1-C4アルキ
ル)2、NH−CO−C1-C4アルキルまたは下記式のい
ずれかの基を意味する
【化43】 (各式中、R1とR2は互いに独立的にフェニル,モノ−ま
たはジ−スルホン化フェニル、フェニルアミノ、モノ−
またはジスルホン化フェニルアミノ、モルホリノ、−N
(CH2CH2OH)2、−N(CH3)(CH2CH2
H)、−NH2 、−N(C1-C4アルキル)2、−OCH
3 、−Cl、−NH−CH2CH2SO3 Hまたは−NH
−CH2CH2OHを意味し、R3とR4は互いに独立的に
H、C1-C4アルキル、フェニルまたはモノスルホン化
フェニル、R21 はH,C1-C4アルキルまたはフェニル
を意味する)。
【0045】特に好ましい式(10)の化合物は下記式
(11)(12)のいずれかの化合物である。
【化44】 好ましく使用されるピラゾリンは下記式(13)のピラ
ゾリンである
【化45】 式中、R22 はH、ClまたはN(C1-C4アルキル)2、R
23 はH、Cl、SO3M、SO2NH2 、SO2NH-(C
1-C4アルキル)、COO−C1-C4アルキル、SO2
1-C4アルキル、 SO2NHCH2CH2CH2+
(CH33 またはSO2CH2CH2+H(C1-C4
ルキル)2An-を意味し、R24 とR25 は互いに同種また
は異種でありうるものであって、それぞれH、C1-C4
アルキルまたはフェニルを意味し、R26 はHまたはCl
を意味する、ここで、An-は有機または無機酸の陰イオ
ンである、MはH、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモ
ニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキシ
アルキルまたはこれらの混合物によってモノ−、ジ−、
トリ−またはテトラ置換されたアンモニウムである。M
は好ましくはNa、LiまたはKである。
【0046】特に好ましい式(13)の化合物は、式中
のR22 がCl、R23 がSO2CH2CH2+H(C1-C4
アルキル)2An-(ここで、An-は亜リン酸イオンであ
る)でありそしてR24 、R25 、R26 がそれぞれHを意味
するもの;または下記式(14)(15)のいずれかの
化合物である。
【化46】
【0047】好ましいナフタルイミドは下記式(16)
のナフタルイミドである
【化47】 式中、R271-C4アルキルまたはCH2CH2CH2+
(CH33 An-(ここで、An-は有機または無機酸の
陰イオンである)、R28 とR29 は互いに独立的にO−C
1-C4アルキル、SO3MまたはNH−CO−C1-C4
ルキルを意味する(ここでMはH、Na、Li、K、C
a、Mg、アンモニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-
4 ヒドロキシアルキルまたはこれらの混合物によって
モノ−、ジ−、トリ−またはテトラ置換されたアンモニ
ウムである)。好ましくは、MはNa、Li またはKで
ある。
【0048】特に好ましい式(16)の化合物は下記式
(17)(18)のいずれかの化合物である。
【化48】
【0049】好ましい2−スチリル−ベンゾオキサゾー
ルまたはナフトオキサゾール誘導体は下記式(20)の
化合物である
【化49】 式中、R31 はCN、Cl、COO−C1-C4アルキルまた
はフェニル、R32 とR33 は融合ベンゼン環を形成するた
めに必要な原子であるか、または、R33 とR35 は互いに
独立的にHまたはC1-C4アルキルを意味し、R34
H、C1-C4アルキルまたはフェニルを意味する。
【0050】好ましいベンゾイミダゾール−ベンゾフラ
ン誘導体は下記式(21)の化合物である
【化50】 式中、R36 はC1-C4アルコキシ、R37 とR38 は互いに
独立的にC1-C4アルキルを意味し、An-は有機または
無機酸の陰イオンである。
【0051】特に好ましい式(21)の化合物は、式中
のR36 がメトキシ、R37 とR38 がそれぞれメチルそして
An-がメタンスルホン酸イオンであるものである。
【0052】好ましいオキソアニリド誘導体は下記式
(22)のオキソアニリド誘導体である
【化51】 式中、R39 はC1-C4アルコキシ、R41 はC1-C4アルキ
ル、C1-C4アルキル−SO3MまたはC1-C4アルコキ
シ−SO3M(ここでMはH、Na、Li、K、Ca、M
g、アンモニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4
ドロキシアルキルまたはこれらの混合物によってモノ
−、ジ−、トリ−またはテトラ置換されたアンモニウム
であり、好ましくはNa、Li またはKである)、R40
とR42 は同種であってそれぞれ水素、tert−ブチル
またはSO3M(MはR41 に関して記載した意味を有す
る)を意味する。上記した各式の化合物はそれ自体公知
でありそして公知方法によって製造することができる。
【0053】上記したクラスの蛍光増白剤においては、
パルプ繊維のセルロース部分またはリグニン部分に高い
親和性を有するものを使用するのが有利である。好まし
い蛍光増白剤のグループはスルホン酸基、特に2乃至6
個のスルホン酸基によって置換されている蛍光増白剤で
ある。2個のスルホン酸基を有する蛍光増白剤を主蛍光
増白剤として使用するのが好ましい。
【0054】蛍光増白剤の濃度が高い場合、たとえば、
パルプの乾燥重量を基準にして約2重量%の濃度の場合
には緑がかったまたは青味がかった色合いを示すことが
あることは公知である。これは通常予想される効果であ
りそして本発明の方法に金属キレート化剤が存在してい
ても変わらない。この効果は適当な濃度の複数の蛍光増
白剤の混合物、特により赤味がかった色合いを有する蛍
光増白剤を含む混合物を使用することにより拮抗させる
ことができる。
【0055】本発明の1つの好ましい実施態様において
は、主蛍光増白剤、具体的には2個のスルホン酸基を有
する蛍光増白剤の作用効果を、それよりは活性が高いが
親和性のより低い蛍光増白剤たとえば4または6個のス
ルホン酸基を有する蛍光増白剤と組み合わせることによ
り増大する。これにより、蛍光と色調の発現ならびにプ
ロセスの経済性を最適化するような蛍光増白剤混合物を
設計することが可能になる。この点に関して、式(1
a)の蛍光増白剤と式(1b)の蛍光増白剤の混合物の
使用が特に好ましい。とりわけ好ましいのは式(1a)
の化合物30乃至90重量部と式(1b)の化合物70
乃至10重量部との混合物である。最も好ましいのは式
(1a)の化合物50乃至70重量部と式(1b)の化
合物50乃至30重量部との混合物である。蛍光増白剤
をよく判断して選択すれば、メーカーはパルプ工場で所
望の白色度の目標を達成することができ、しかも同時に
他の漂白パラメーターをバランスさせて所望の物性たと
えば嵩、こわさ、そり、不透明度、繊維強度、水切れを
与えることができる。蛍光増白剤の使用は、また、色合
い特性でもメリットがある。たとえば、これらのパルプ
の市場で望ましい青味(b* 値)を与える。
【0056】本発明のいま1つの好ましい態様において
は、互いに同種または異種のジスルホ蛍光増白剤の混合
物が使用される。特に好ましいのは式(1a)および/
または(1c)の化合物と式(4a)の化合物との混合
物である。かかる混合物は、式(1a)および/または
(1c)の化合物5乃至95重量部と式(4a)の化合
物95乃至5重量部とからなる。特に好ましいのは、式
(1a)および/または(1c)の化合物60乃至90
重量部と式(4a)の化合物40乃至10重量部との混
合物である。とりわけ、式(1a)および/または(1
c)の化合物75乃至85重量部と式(4a)の化合物
25乃至15重量部とからなる混合物が好ましい。な
お、いずれの場合にも、重量部の合計は100である。
【0057】混合物を構成する複数の蛍光増白剤は水性
パルプに別々に添加することもできるし、また混合物と
して添加することもできる。上記した蛍光増白剤混合物
は個々の化合物を同量使用した場合に比較して、特に青
味(b* 値)の点ですぐれた結果を与える。
【0058】蛍光増白剤の使用量は所望される白色度増
加程度により変わるが、通常はパルプの乾燥重量を基準
にして0.01乃至約2重量%である。好ましくは0.
1乃至1.5重量%,最も好ましくは0.2乃至0.8
重量%である。
【0059】パルプは、その単離の前または製紙の前
に、一連の化学的処理と抽出処理にかけられる。前記し
たように、蛍光増白剤は物理的および化学的ロスを最少
とするためにパルプ製造プロセスの後段の工程で添加す
るのが好ましい。最も好ましくは、蛍光増白剤は漂白工
程の完了後であって最終的脱水・解砕(fluffing)・乾
燥の前に添加する。パルプ製造のこの段階においては、
パルプは通常適度なpH価(好ましくは4乃至10)なら
びに非常に流動的なコンシステンシーを有している。こ
のため蛍光増白剤はパルプ全体に迅速に混合される。典
型的には、パルプ製造のこの段階においては、固形分は
パルプの乾燥重量として5乃至15重量%である。
【0060】本発明における蛍光増白剤は、高いコンシ
ステンシー(パルプの乾燥重量として固形分>50重量
%)でも働くけれども、最終的なパルプはまだらになり
易い。これは蛍光増白剤が繊維に固着するために要する
時間に対して混合が不完全となるからである。したがっ
て、パルプの乾燥重量として固形分は、有利には50%
以下であり、好ましくは30%以下である。固形分が5
乃至15重量%である時点で蛍光増白剤を添加するのが
最も好ましい。
【0061】最終漂白工程の後で蛍光増白剤を添加する
のが好ましいもう1つの理由は、パルプ製造プロセスの
この時点においては白色度を適当なレベルに調整するた
め蛍光増白剤の添加量を容易に変更することができるか
らである。この段階ではまだ残留過酸化物または還元漂
白剤がいくらか存在するけれども、このことが本発明の
方法に悪影響を及ぼすことはない。
【0062】さらに注目すべきことは温度の変動がマイ
ナスの要素とならないと見られることである。蛍光増白
剤は広い温度範囲にわたって良好に働き、パルプ製造の
漂白と後続工程の間で典型的に遭遇する70乃至150
゜F(21乃至62°C)の温度で良好に働く。
【0063】本発明の方法においては、先行段階、たと
えば、漂白の間にキレート化剤が使用されていても、蛍
光増白剤の添加の前にリグニン含有パルプにさらにキレ
ート化剤を補給して鉄や他の重金属の塩の量を上記した
範囲内に抑制するのがよい。さらに、キレート化剤の存
在はパルプ内に蛍光増白剤が分散するのを助けてまだら
を最少にするためにも役立つ。このことは、蛍光増白剤
が高いコンシステンシーのパルプに添加される、たとえ
ば、脱水の後であって、解砕と乾燥の工程に入る直前に
添加される場合には特に重要である。
【0064】蛍光増白剤の作用効果を増強するために公
知の添加物を本発明の方法においても使用することがで
きる。ただし、それら添加物がパルプの最終消費者に許
容される限度内であることを条件とする。したがって、
本発明のさらにいま1つの好ましい実施態様において
は、蛍光増白剤は添加物と組み合わせて、たとえば、紫
外線吸収を促進しかつ紙の中で蛍光増白剤を”ブルーム
させる”物質あるいはパルプ繊維をきれいにすることに
よって蛍光増白剤がより高度の増白効果を発揮できるよ
うにする物質と組み合わせて使用される。適当な添加物
の例をあげればカチオンスターチ、ポリビニルアルコー
ル、酵素などである。適当な酵素の例はセルラーゼとヘ
ミセルラーゼである。ポリビニルアルコールの添加が特
に好ましい。たとえば、パルプの乾燥重量を基準にして
1.25%のレベルでポリビニルアルコールをパルプに
添加すると、添加剤を併用しないで同じ蛍光増白剤を使
用した場合に比較して蛍光増白剤の効果を4GE単位ま
たはそれ以上増加させることができる。
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実
施例中の部は重量部である。
【0065】実施例1 連続的に流動する水性パルプスラリーに蛍光増白剤を連
続的に添加した。その水性パルプスラリーは、パルプの
乾燥重量として、約8重量%の漂白された、しかしまだ
脱水されていないCTMP、すなわち、過酸化物漂白し
た化学熱機械パルプを含有しており、このパルプの鉄含
量は約10ppmそしてリグニン含量は等価量の木材チ
ップに存在するリグニンの85乃至90%に相当する量
であった。蛍光増白剤の連続添加は50乃至65℃の温
度かつ7乃至8のpH価を有する上記水性パルプスラリー
に対して、パルプの”現場”重量を基準にして、スラリ
ー1000部に対して、蛍光増白剤12.5重量%含有
の水性液体2.3部の割合で添加した。使用された蛍光
増白剤は下記式(1a)のTinopal(商標) RHW(Cib
a Specialty Chemicals Corp, Consumer Care Divisio
n, High Point, NC)であった。
【化52】 Tinopal HWをパルプスラリーに添加してからその混合
物が脱水、乾燥されるまでの時間は10分以内であっ
た。この添加の結果として、得られるパルプの白色度は
初期値の86から90プラス(90+)まで上昇した。
【0066】実施例2 実施例1の操作を繰り返した。ただし今回は過酸化物漂
白された化学熱機械パルプ約8%を含有する水性スラリ
ーを使用した。下記式の蛍光増白剤12.5重量%を含
有する水性液体を、パルプスラリーの”現場”重量を基
準にして、スラリー1000部に対して蛍光増白剤含有
水性液体5.5部の割合で添加した。
【化53】 白色度は86から91プラスまで上昇しそして比較的短
時間(約10分間)で安定した。
【0067】実施例3 pH7乃至8、温度25℃で行うバッチプロセスで、水性
パルプスラリーに蛍光増白剤混合物を配合した。水性パ
ルプスラリーは、パルプの乾燥重量で約5重量%の漂白
された未脱水CTMPすなわち過酸化物漂白した化学熱
機械パルプを含有していた。パルプの鉄含量は約10p
pmそしてリグニン含量は等価量の木材チップに存在す
るリグニンの85乃至90%に相当する量であった。パ
ルプスラリーの「100%ドライベース」を基準にし
て、パルプスラリー1000部に対し4部の蛍光増白剤
混合物含有水性液体が混合された。使用された蛍光増白
剤混合物は式(1a)の蛍光増白剤Tinopal(商標)R
HW12.5重量%と式(4a)の蛍光増白剤Tinopal
(商標)RSK( Ciba Specialty Chemicals Corp, Con
sumer Care Division, High Point,NC)33重量%の8
0:20ドライベース比混合物であった。
【化54】 Tinopol 混合物とパルプスラリーとを10分間たらず混
合させ、その後この混合物を脱水し、乾燥した。蛍光増
白剤混合物の添加の結果として得られたパルプの白色度
は初期値81から94プラスまで上昇した。さらに。b*
値で判定される青味はTinopal HW単独使用の場合に比
較して20%増加した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オリィ ユハニ ヨキネン フィンランド国,02460 カントヴィク, ラヤカリオンティ 17ビー (72)発明者 ペーター ローリンガー スイス国,4124 ショーネンブーフ,ゼク スユハルテンシュトラーセ 1

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプ製造中、乾燥工程または製紙工程
    より前に、リグニン含有パルプを含む水性スラリーに有
    効量の蛍光増白剤を添加することを特徴とするリグニン
    含有パルプを増白する方法。
  2. 【請求項2】 最終的脱水と乾燥工程の前または製紙工
    程の前に蛍光増白剤を添加する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 最後の漂白工程の完了後に蛍光増白剤を
    添加する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 パルプが乾燥重量で5重量%またはそれ
    以上のリグニンを含有している請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 蛍光増白剤添加前に、鉄およびその他重
    金属の塩の含量をパルプの乾燥重量を基準にして100
    ppmまたはそれ以下まで減少させるためにリグニン含
    有パルプを含む水性スラリーに有効量のキレート剤を添
    加する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 該キレート剤がエチレンジアミンテトラ
    酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエ
    チルエチレンジアミントリ酢酸およびニトリロトリ酢酸
    からなる群から選択される請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 該蛍光増白剤が下記のものからなる群か
    ら選択される請求項1記載の方法 4,4’−ビス−(トリアジニルアミノ)−スチルベン
    −2,2’−ジスルホン酸類、4,4’−ビス−(トリ
    アゾール−2−イル)−スチルベン−2,2’−ジスル
    ホン酸類、4,4’−ジベンゾフラニル−ビフェニル
    類、4,4’−(ジフェニル)−スチルベン類、4,
    4’−ジスチリル−ビフェニル類、4−フェニル−4’
    −ベンゾオキサゾリル−スチルベン類、スチルベニル−
    ナフトトリアゾール類、4−スチリル−スチルベン類、
    ビス−(ベンゾオキサゾール−2−イル)誘導体、ビス
    −(ベンゾイミダゾール−2−イル)誘導体、クマリン
    類、ピラゾリン類、ナフタルイミド類、トリアジニル−
    ピレン類、2−スチリル−ベンゾオキサゾールまたはナ
    フトオキサゾール類、ベンゾイミダゾール−ベンゾフラ
    ン類、オキソアニリドまたはこれらの混合物。
  8. 【請求項8】 蛍光増白剤が下記式(1)の4,4’−
    ビス−(トリアジニルアミノ)−スチルベン−2,2’
    −ジスルホン酸である請求項7記載の方法 【化1】 (式中、R1とR2は互いに独立的にフェニル、モノ−また
    はジ−スルホン化フェニル、フェニルアミノ、モノ−ま
    たはジスルホン化フェニルアミノ、モルホリノ、−N
    (CH2CH2OH)2、−N(CH3)(CH2CH2
    H)、−NH2 、−N(C1-C4アルキル)2、−OCH
    3、 −Cl、−NH−CH2CH2 SO3 H、CH2CH2
    OHまたはエタノールアミノプロピオン酸アミドを意味
    し、MはH、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモニウム
    あるいはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキシアルキ
    ルまたはこれらの混合物によってモノ−、ジ−、トリ−
    またはテトラ置換されたアンモニウムを意味する)。
  9. 【請求項9】 蛍光増白剤が下記により定義される式
    (1)の化合物である請求項8記載の方法:各R1が2、
    5−ジスルホフェニルであり、各R2がモルホリノ、−N
    (C252、−N(CH2CH2OH)2またはエタノー
    ルアミノプロピオン酸アミドである;または各R1が3−
    スルホフェニルであり、各R2がNH(CH2CH2OH)
    またはN(H2CH2OH)2である;または各R1が4−
    スルホフェニルであり、各R2がN(CH2CH2
    H)2、N(CH2CHOHCH32 、モルホリノまた
    はエタノールアミノプロピオン酸アミドである;または
    各R1がフェニルアミノであり、各R2がモルホリノ、NH
    (CH2CH2OH)、N(CH2CH2OH)CH3 、N
    (CH2CH2OH)2またはエタノールアミノプロピオ
    ン酸アミドである;なお、いずれの場合にもスルホ基は
    SO3M(ここでMはナトリウムである)である。
  10. 【請求項10】 蛍光増白剤が下記式のいずれかの化合
    物である請求項9記載の方法 【化2】
  11. 【請求項11】 蛍光増白剤が下記式(2)の4,4’
    −ビス−(トリアゾール−2−イル)スチルベン−2,
    2’−ジスルホン酸である請求項7記載の方法 【化3】 (式中、R3とR4は互いに独立的にH、C1-C4アルキ
    ル、フェニルまたはモノスルホン化フェニルを意味し、
    MはH、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモニウムある
    いはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキシアルキルま
    たはこれらの混合物によってモノ−、ジ−、トリ−また
    はテトラ置換されたアンモニウムを意味する)。
  12. 【請求項12】 蛍光増白剤が、R3がフェニル、R4がH
    そしてMがナトリウムである式(2)の化合物である請
    求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 蛍光増白剤が下記式(3)の4、4’
    −ジベンゾフラニル−ビフェニルである請求項7記載の
    方法 【化4】 (式中、RaとRbは互いに独立的にHまたはC1-C4アル
    キルを意味し、MはH、Na、Li、K、Ca、Mg、ア
    ンモニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロ
    キシアルキルまたはこれらの混合物によってモノ−、ジ
    −、トリ−またはテトラ置換されたアンモニウムを意味
    する)。
  14. 【請求項14】 蛍光増白剤が下記式(3a)の化合物
    である請求項13記載の方法 【化5】
  15. 【請求項15】 蛍光増白剤が下記式(4)の4,4’
    −ジスチリル−ビフェニルである請求項7記載の方法 【化6】 (式中、R5とR6は互いに独立的にH、SO3M、SO2
    (C1-C4アルキル)2 、O−(C1-C4アルキル)、C
    N、Cl、COO(C1-C4アルキル)、CON(C1-C
    4アルキル)2 またはO(CH23+(CH32 An-
    を意味し、MはH、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモ
    ニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキシ
    アルキルまたはこれらの混合物によってモノ−、ジ−、
    トリ−またはテトラ置換されたアンモニウム、An-は有
    機または無機酸の陰イオンまたはそれらの混合物であ
    り、nは1である)。
  16. 【請求項16】 蛍光増白剤が下記により定義される式
    (4)の化合物である請求項15記載の方法:各R6がH
    であり、各R5が2−SO3M基(ここでMはナトリウム
    である)であるかまたは各R5がO(CH23+(C
    32 An-(ここでAn-は酢酸イオンを意味する)で
    ある。
  17. 【請求項17】 蛍光増白剤が下記式(4a)の化合物
    である請求項16記載の方法 【化7】
  18. 【請求項18】 蛍光増白剤が下記式(5)の4−フェ
    ニル−4’−ベンゾオキサゾリル−スチルベン 【化8】 (式中、R7とR8は互いに独立的にH、Cl、C1-C4アル
    キルまたはSO2−C1-C4アルキルを意味する)である
    か、または,下記式(6)のスチルベニル−ナフトトリ
    アゾール 【化9】 (式中、R9はHまたはCl、R10 はSO3M、SO2
    (C1-C4アルキル)2、SO2O−フェニルまたはC
    N、R11 はHまたはSO3Mを意味する、ここで、Mは
    H、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモニウムあるいは
    1-C4アルキル、C1-C4 ヒドロキシアルキルまたは
    これらの混合物によってモノ−、ジ−、トリ−またはテ
    トラ置換されたアンモニウムである)である請求項7記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 蛍光増白剤が下記式(7)の4−スチ
    リル−スチルベンである請求項7記載の方法 【化10】 (式中、R12 とR13 は互いに独立的にH、SO3M、S
    2N(C1-C4アルキル)2 、O-(C1-C4アルキ
    ル)、CN、Cl、COO(C1-C4アルキル)、CON
    (C1-C4アルキル)2またはO(CH23+(C
    32 An-を意味する、ここでAn-は有機または無機
    酸の陰イオンまたはそれらの混合物、MはH、Na、L
    i、K、Ca、Mg、アンモニウムあるいはC1-C4アル
    キル、C1-C4 ヒドロキシアルキルまたはこれらの混合
    物によってモノ−、ジ−、トリ−またはテトラ置換され
    たアンモニウムである)。
  20. 【請求項20】 蛍光増白剤が下記式(8)のビス−
    (ベンゾオキサゾール−2−イル)誘導体である請求項
    7記載の方法 【化11】 (式中、各R14 は互いに独立的にH、C(CH33
    C(CH32 −フェニル、C1-C4アルキルまたはCO
    O−C1-C4アルキルを意味し、Xは−CH=CH−ま
    たは下記式 【化12】 のいずれかの基を意味する)。
  21. 【請求項21】 蛍光増白剤が下記式(9)のビス−
    (ベンゾイミダゾール−2−イル)誘導体である請求項
    7記載の方法 【化13】 (式中、R15 とR16 は互いに独立的にH、C1-C4アル
    キルまたはCH2CH2OH、R17 はHまたはSO3M、
    1 は−CH=CH−または式 【化14】 の基を意味する、ここでMはH、Na、Li、K、Ca、
    Mg、アンモニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4
    ヒドロキシアルキルまたはこれらの混合物によってモノ
    −、ジ−、トリ−またはテトラ置換されたアンモニウム
    である)。
  22. 【請求項22】 蛍光増白剤が下記式(10)のクマリ
    ンである請求項7記載の方法 【化15】 [式中、R18 はH、Cl またはCH2COOH、R19
    H、フェニル、COO−C1-C4アルキルまたは下記式
    の基 【化16】 R20 はO−C1-C4アルキル、N(C1-C4アルキ
    ル)2、NH−CO−C1-C4アルキルまたは下記式のい
    ずれかの基を意味する 【化17】 (各式中、R1とR2は互いに独立的にフェニル,モノ−ま
    たはジ−スルホン化フェニル、フェニルアミノ、モノ−
    またはジスルホン化フェニルアミノ、モルホリノ、−N
    (CH2CH2OH)2、−N(CH3)(CH2CH2
    H)、−NH2 、−N(C1-C4アルキル)2,−OCH
    3、−Cl、−NH−CH2CH2SO3 Hまたは−NH−
    CH2CH2OHを意味し、R3とR4は互いに独立的にH、
    1-C4アルキル、フェニルまたはモノスルホン化フェ
    ニル、R21 はH、C1-C4アルキルまたはフェニルを意
    味する)]。
  23. 【請求項23】 蛍光増白剤が下記式(13)のピラゾ
    リンである請求項7記載の方法 【化18】 (式中、R22 はH、Cl またはN(C1-C4アルキ
    ル)2、R23 はH、Cl、SO3M、SO2NH2 、SO2
    NH-(C1-C4アルキル)COO−C1-C4アルキル、
    SO2 −C1-C4アルキル、 SO2NHCH2CH2CH
    2+H(CH33 またはSO2CH2CH2+H(C1-
    4アルキル)2An-を意味し、R24 とR25 は互いに同種
    または異種でありうるものであって、それぞれH、C1-
    4アルキルまたはフェニルを意味し、R26 はHまたは
    Cl を意味する、ここで、An-は有機または無機酸の陰
    イオンである、MはH、Na、Li、K、Ca、Mg、ア
    ンモニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4ヒドロキ
    シアルキルまたはこれらの混合物によってモノ−、ジ
    −、トリ−またはテトラ置換されたアンモニウムであ
    る)。
  24. 【請求項24】 蛍光増白剤が下記式(16)のナフタ
    ルイミドである請求項7記載の方法 【化19】 [式中、R271-C4アルキルまたはCH2CH2CH2
    +(CH33 An-(ここで、An-は有機または無機酸の
    陰イオンである)、R28 とR29 は互いに独立的にO−C
    1-C4アルキル、SO3M、SO2 またはNH−CO−C
    1-C4アルキルを意味する(ここでMはH、Na、Li、
    K、Ca、Mg、アンモニウムあるいはC1-C4アルキ
    ル、C1-C4ヒドロキシアルキルまたはこれらの混合物
    によってモノ−、ジ−、トリ−またはテトラ置換された
    アンモニウムである)]。
  25. 【請求項25】 蛍光増白剤が下記式(20)の2−ス
    チリル−ベンゾオキサゾールまたはナフトオキサゾール
    誘導体である請求項7記載の方法 【化20】 (式中、R31 はCN、Cl、COO−C1-C4アルキルま
    たはフェニル、R32 とR33 は融合ベンゼン環を形成する
    ために必要な原子であるか、または、R33 とR35 は互い
    に独立的にHまたはC1-C4アルキルを意味し、R34
    H、C1-C4アルキルまたはフェニルを意味する)。
  26. 【請求項26】 蛍光増白剤が下記式(21)のベンゾ
    イミダゾール−ベンゾフラン誘導体である請求項7記載
    の方法 【化21】 (式中、R36 はC1-C4アルコキシ、R37 とR38 は互い
    に独立的にC1-C4アルキル、An-は有機または無機酸
    の陰イオンである)。
  27. 【請求項27】 蛍光増白剤が下記式(22)のオキソ
    アニリド誘導体である請求項7記載の方法 【化22】 [式中、R39 はC1-C4アルコキシ、R41 はC1-C4アル
    キル、C1-C4アルキル−SO3M、C1-C4アルコキシ
    −SO3M(ここでMはH、Na、Li、K、Ca、Mg、
    アンモニウムあるいはC1-C4アルキル、C1-C4 ヒド
    ロキシアルキルまたはこれらの混合物によってモノ−、
    ジ−、トリ−またはテトラ置換されたアンモニウムであ
    り、好ましくはNa、LiまたはKである)、R40 とR42
    は同種であってそれぞれ水素、tert−ブチルまたは
    SO3M(MはR41 に関して記載した意味を有する)を
    意味する]。
  28. 【請求項28】 蛍光増白剤が2乃至6個のスルホン酸
    基によって置換されている請求項1記載の方法。
  29. 【請求項29】 蛍光増白剤が2個のスルホン酸基によ
    って置換されている請求項31記載の方法。
  30. 【請求項30】 蛍光増白剤が少なくとも2種の互いに
    異なる蛍光増白剤化合物の混合物よりなる請求項1記載
    の方法。
  31. 【請求項31】 蛍光増白剤が2個のスルホン酸基によ
    って置換された蛍光増白剤と4または6個のスルホン酸
    基によって置換された蛍光増白剤との混合物よりなる請
    求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 蛍光増白剤が下記式(1a)の化合物
    と下記式(1b)の化合物との混合物よりなる請求項3
    1記載の方法 【化23】
  33. 【請求項33】 蛍光増白剤が下記式(1a)および/
    または(1c)の化合物5乃至95重量%と下記式(4
    a)の化合物95乃至5重量%との混合物よりなる請求
    項30記載の方法 【化24】
  34. 【請求項34】 パルプの乾燥重量の0.01乃至約2
    重量%の蛍光増白剤アルキルが使用される請求項1記載
    の方法。
  35. 【請求項35】 リグニン含有パルプを含む水性スラリ
    ーがパルプの乾燥重量の50重量%以下の固形分を有し
    ている請求項1記載の方法。
  36. 【請求項36】 リグニン含有パルプを含む水性スラリ
    ーが4乃至10のpH価およびパルプの乾燥重量として5
    乃至15重量%の固形分を有している請求項35記載の
    方法。
  37. 【請求項37】 リグニン含有パルプと有効量の蛍光増
    白剤とを含む水性スラリーに、さらに付加的に、有効量
    の蛍光増白剤の効果を増強させることが公知となってい
    る添加剤を添加する請求項1記載の方法。
  38. 【請求項38】 該添加剤がカチオンスターチ、ポリビ
    ニルアルコールまたは酵素である請求項37記載の方
    法。
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