JPH11124733A - 光学干渉機能の改善されたフィラメントヤーン - Google Patents

光学干渉機能の改善されたフィラメントヤーン

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JPH11124733A
JPH11124733A JP9284871A JP28487197A JPH11124733A JP H11124733 A JPH11124733 A JP H11124733A JP 9284871 A JP9284871 A JP 9284871A JP 28487197 A JP28487197 A JP 28487197A JP H11124733 A JPH11124733 A JP H11124733A
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optical interference
flat
light
filament yarn
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JP9284871A
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Mari Asano
真理 浅野
Toshimasa Kuroda
俊正 黒田
Kinya Kumazawa
金也 熊沢
Hiroshi Tabata
洋 田畑
Susumu Shimizu
進 清水
Akio Sakihara
明男 先原
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Nissan Motor Co Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Nissan Motor Co Ltd
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観る角度に依存せずに高い光干渉性を発揮す
るフィラメントヤーンを提供する。 【解決手段】 屈折率の異なる少なくとも2種の重合体
を扁平断面の長軸方向と平行に交互に積層してなる、扁
平状の光干渉性フィラメントを構成単位とするフィラメ
ントヤーンにおいて、該フィラメントにはその長手方向
に沿って軸捩れが付与されていることを特徴とする、光
学干渉機能の改善されたフィラメントヤーン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屈折率の異なる少なく
とも2種の重合体を扁平断面の長軸方向に平行に交互に
積層してなる、扁平状の光干渉性フィラメントを構成単
位とするフィラメントヤーンに関し、さらに詳しくは、
フィラメント糸の状態でも有効に光干渉性を発揮し得
る、改善された光学干渉機能を有するフィラメントヤー
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】自然光の反射、干渉作用によって可視光
線領域の波長の色を発色する多層薄膜構造を有するフィ
ラメントについては、フィラメント基材の上に透明金属
化合物を薄膜蒸着させた構造のものと、屈折率の異なる
2種の透明性重合体を交互に積層した薄膜多層状構造の
ものとが知られている。
【0003】前者については、薄膜蒸着の生産技術が確
立されており、既にそのような薄膜蒸着フィラメントが
実用に供されている。しかし、このフィラメントは、そ
れから布帛や製品を作る工程で受ける摩擦や、製品使用
の経日的変化によって蒸着膜が剥離するという問題があ
る。
【0004】一方、屈折率の異なる2種の重合体を交互
に積層した薄膜多層状構造のものは、フィラメントその
ものが光干渉性を有するので、使用上の耐剥離性は蒸着
構造のものに比べて格段に優れている。しかしながら、
そのようなフィラメントの実用化までには、未だいくつ
かの改良すべき点が残されているのが現状である。
【0005】上記の光干渉性フィラメントは、モノフィ
ラメントとして、特開平7−34324号公報、特開平
7−34320号公報、特開平7−195603号公
報、特開平7−331532号公報等に開示されてい
る。
【0006】そこで提案されているような薄膜多層構造
のモノフィラメントは、それ自身では優れた光干渉性を
示すが、それはある限定された状況下での効果にすぎな
い。すなわち、扁平状の光干渉性繊維の扁平面での入射
光の角度に対して極めて狭い範囲の、つまり限定された
角度からでないと、発色を視認、観察できないという致
命的欠陥がある。このように、染料、顔料とは異質の、
審美的な発色を示すフィラメントであるにも拘わらず、
その潜在特性を十分に発揮させることができなかったの
がこれまでの現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、屈折
率の異なる少なくとも2種の重合体を扁平断面の長軸方
向と平行に交互に積層してなる扁平状の光干渉性フィラ
メントの有する干渉機能を最大限に発揮せしめることに
ある。さらに本発明の他の課題は、光干渉性フィラメン
トを観る角度に関係なく光干渉を観察できる、いわゆる
角度追随性を有する干渉性フィラメントを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、平面が曲
面に変わるとき、該曲面は角度追随性を呈することに注
目して、本発明を完成させるに至った。
【0009】本発明によれば、屈折率の異なる少なくと
も2種の重合体を扁平断面の長軸方向と平行に交互に積
層してなる扁平状の光干渉性フィラメントを構成単位と
するフィラメントヤーンにおいて、該フィラメントには
その長手方向に沿って軸捩れが付与されていることを特
徴とする、光学干渉機能を有するフィラメントヤーンが
提供される。
【0010】以下、さらに詳細に本発明の光学干渉機能
を有するフィラメントヤーンについて説明する。
【0011】図1は、光干渉性フィラメントの断面形態
を模式的に示した図である。該図から明らかなように、
光干渉性フィラメントの断面は扁平であり、かつ、2種
の重合体A、Bは、扁平断面の長軸方向と平行に交互に
積層しており、これによって光干渉に有効な、広い面積
を構成している。このフィラメントの扁平率は4.0〜
15.0の範囲に、さらには5.0以上と大きい方が好
ましい。ここで扁平率は、扁平断面の長軸の長さWと短
軸の長さTとの比W/Tで表した値である。また、図2
に示したように、扁平断面の外層部に非積層領域を形成
しているときは、扁平率はその外層部も含めて算出す
る。
【0012】この扁平率は、特に、光干渉性フィラメン
トがマルチ束に収束された場合に、特に有利である。モ
ノフィラメントの場合には、主として光干渉機能の面か
ら必要であるのに対し、マルチフィラメントヤーンの場
合には、それのみならず、構成フィラメント間の扁平長
軸面の配向性の点からも必要になってくるからである。
すなわち、光干渉性モノフィラメントは、扁平断面形状
で、その長軸方向に平行に重合体が交互に積層された構
造をとっている。このため、その長軸方向の辺とフィ
ラメント長さ方向の辺とで形成されるフィラメント表面
に対して垂直に観たとき、光干渉性による発色を最も強
く視認することができ、それより角度を持って斜めか
ら観るときには、急激にその視認効果は弱まり、さら
に、扁平断面の短軸方向の辺とフィラメント長さ方向
の辺とで形成されるフィラメント表面から観たときに
は、光干渉性は全く視認できない、という光干渉特性を
有する。
【0013】それにもかかわらず、扁平断面形状からな
る光干渉性モノフィラメントを集めてマルチフィラメン
トヤーンとして布帛を形成するとき、扁平率が従来のよ
うに3.5以下ではフィラメントに作用する張力や摩擦
力等により、マルチフィラメント断面内で最密充填され
る形状に集合する。そのため、その扁平断面の長軸方向
の辺とフィラメント長さ方向の辺とで形成されるフィラ
メント表面に着目してみると、構成フィラメント間での
該表面の配向度は悪く、種々の方向を向いてしまう。こ
のように、マルチフィラメントヤーンの光干渉性には、
構成フィラメント固有の光干渉性の他に、ヤーンとして
の構成フィラメントの扁平長軸面の配向度が大きく寄与
している。
【0014】ところが、この扁平率が4.0、好ましく
は5.0以上をとるとき、マルチフィラメントを構成す
る各フィラメントには自己方位性コントロール機能が重
畳しはじめ、各構成フィラメントの扁平長軸面が互いに
平行な方向となるように集合してマルチフィラメントヤ
ーンを構成する。すなわち、このようなマルチフィラメ
ントヤーンは、フィラメント成形過程で引取ローラや延
伸ローラに圧接緊張されたとき、あるいはチーズ状にボ
ビンに巻き取られたとき、あるいは布帛を製編織する等
の工程のヤーンガイド上等での圧接を受けるとき等、そ
の度毎に各フィラメントの扁平長軸面が圧接面に平行に
なるようにして集合するので、構成フィラメント間での
扁平長軸面の平行度が高くなり、このようなフィラメン
トに軸捩れを与える、より優れた光干渉機能を呈するに
至る。
【0015】一方、扁平率の上限については、その値が
15.0を越えると、過度に薄平な形状となるため、扁
平断面を保ち難くなり、一部が断面内で折れ曲がる等の
懸念も出てくる。この点から、扱いやすい扁平率は高々
15であり、特に10.0以下が好ましい。
【0016】また、交互積層の層数は、光学干渉理論に
よれば、層の厚みが全て基準の厚さに等しいときには、
高々10層もあれば得られる干渉光量は飽和状態に達
し、それ以上層数を増やすことはフィラメント成形の工
程を複雑困難にするだけとなってしまう。ところが、扁
平率を4.0以上とすると、各積層単位の厚みにゆらぎ
が生じやすくなり、積層数を15以上にしないと、干渉
光量が不十分な場合も生じる。さらに、扁平率を4.
5、5.0と大きくすればするほど、積層数は多い方が
好ましく、20層以上、25層以上が好ましい。
【0017】本発明で最も重要なことは、光干渉性フィ
ラメントがその長手方向に軸捩れを有していることであ
る。軸捩れとは、撚糸による一方向(SまたはZ方向)
の捩れ、仮撚加工による交互捩れすなわちS方向の捩れ
とZ方向の捩れが交互に存在する状態、エアースタッフ
ィングによる同様の交互捩れ、さらには機械的押し込み
捲縮による捩れ等をいう。さらに、軸捩れは、カバリン
グ方式によっても得ることができる。つまり、芯糸の周
りに光干渉性フィラメントをモノまたはマルチフィラメ
ントの状態で巻き付けることにより、該フィラメントに
軸捩れを付与することができる。また、インターレース
加工、あるいはタスラン加工によっても軸捩れが得られ
る。これらの加工では、フィラメントは流体撹乱流に瀑
されるので、フィラメントの長手方向に沿ってランダム
な軸捩れが形成される。
【0018】この軸捩れの意義について述べると、光干
渉性フィラメントがモノまたはマルチ束の状態の如何に
拘わらず軸捩れしていないとき、すなわち平面状態のと
きは、ある限定された角度(入射光の角度に対して)で
しか発色を視認できず、該角度が偏れると、透明ないし
白色にしか観察できない。
【0019】しかるに、本発明にあっては、扁平状のフ
ィラメントは捩れにより、平面状から曲面状に転換され
ている。したがって、観察角度が変わっても(目の位置
が偏れても)、曲面状は当該“偏れ”に呼応して、常に
干渉を視認できる平面を連続的に提供しているわけであ
る。
【0020】ここで、本発明の光干渉性の製造方法につ
いて触れておく。まず、重合体としては、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタク
リレート等の群から屈折率の異なる2種の重合体を選択
すればよい。
【0021】このようにして選択した好ましい重合体の
組み合わせを以下に示す。 (1)屈折率の異なる2種の重合体の組み合わせが、
(a)スルホン酸金属塩基を有する二塩基酸成分がポリ
エステルを形成している全二塩基酸成分当たり0.3〜
5モル%共重合されているポリエチレンナフタレートを
主成分とするポリエステル(高屈折率重合体)と、
(b)脂肪族ポリアミド(低屈折率重合体)との組み合
わせ。 (2)屈折率の異なる2種の重合体の組み合わせが、
(a)スルホン酸金属塩基を有する二塩基酸成分がポリ
エステルを形成している全二塩基酸成分当たり0.3〜
10モル%共重合されているポリエチレンテレフタレー
トを主成分とするポリエステル(高屈折率重合体)と、
(b)酸価が3以上を有するポリメチルメタクリレート
との組み合わせ。 (3)屈折率の異なる2種の重合体の組み合わせが、
(a)側鎖にアルキル基を少なくとも1個有する二塩基
酸成分および/またはグリコール成分を共重合成分と
し、該共重合成分が全繰り返し単位当たり5〜30モル
%共重合されている共重合芳香族ポリエステル(高屈折
率重合体)と、(b)ポリメチルメタクリレート(低屈
折率重合体)との組み合わせ。 (4)上記(3)において、該アルキル基がメチル基で
ある組み合わせ。 (5)上記(3)において、該共重合成分がネオペンチ
レングリコールである組み合わせ。および、 (6)上記(3)において、該共重合成分が、ビスフェ
ノールAまたはビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物である組み合わせ。 である。
【0022】以上のようにして選択した重合体の組み合
わせで積層を形成するときの層の厚さは次のようにして
決定される。すなわち、A成分およびB成分の交互積層
の層の厚みは、光学干渉理論によって設計する。光干渉
によって発色させようとする色の波長をλ(μm)と
し、重合体A成分の屈折率をn1、積層単位の厚みをd1
(μm)とし、B成分の屈折率をn、2積層単位の厚み
をd2(μm)とするとき、厚みd1、d2は、次の関係
式 λ=2(n11+n22)=2n1[d1+d2(n2/n
1)] を満足する範囲で設定すればよい。また、両者の光学的
厚さ(屈折率×厚さ、すなわち、n11、n22)が等
しいとき、すなわち、λ/4=n11=n22のとき最
大の干渉発色が得られる。
【0023】この理論計算の結果に基づいて、実用的に
は、厚みd1、d2をそれぞれ0.01〜0.4μmの範
囲、より好ましくは0.05〜0.15μmの範囲で設
定する。実用的な干渉効果を得るには、0.02μm未
満と0.30μmを越えた厚みは適していない。
【0024】以上のような特徴を有する本発明の光干渉
性マルチフィラメントを構成するフィラメントは、その
薄膜積層構造を構成する各ディメンジョンから、扁平率
の大きな薄平いものとなってしまうので、その形態保持
と取り扱い性向上のために、フィラメントの重合体積層
の中間部および/または外周部に重合体A成分、B成分
あるいは他の重合体成分による光干渉には寄与しない層
を設けることが好ましい。その層の厚みは2〜10μm
の範囲、好ましくは3〜7μmとすればよい。
【0025】ここで、図1または図2の交互積層体にお
いて、2種の重合体の中、どちらの重合体で表層を形成
するかという点について説明する。表層は、入射光の反
射を少なくして、内部積層へ入射光を多く透過させ、結
果として光干渉効果を高めることが好ましい。そのため
には、低屈折率側重合体で表層(図1の最外層または図
2の外周部非積層領域)を形成するのがよい。
【0026】次に、本発明の光学干渉機能を有するマル
チフィラメントヤーンの製造方法について説明する。図
3は紡糸口金の立断面図である。紡糸口金は、各々円板
状の上部分配板9、下部分配板10、上口金6、中口金
7、下口金8を含み、それらがボルト12で一体的に締
めつけられてある。図4は、図3の上口金6を上部から
見た断面図であり、ノズルプレート1、1’が対をなし
て放射状に設置されていることを示している。該ノズル
プレートは、2種の溶融重合体を交互に積層するため
に、積層数に応じて開口群2、2’が紙面と直交方向に
設けられ、その際、開口群2と2’とは対向しながらも
対向する各開口は互いに交互に(偏れて)配列されてい
る。前記ノズルプレート1、1’対の一方には溶融重合
体Aが、他方のプレートには溶融重合体Bが供給され
る。そのために、上部分配板9および下部分配板10を
貫通して、前記ノズルプレート1、1’対と同数の流路
3、3’がそれぞれ配置されてある。ノズルプレート
1、1’において、溶融重合体AとBは合流して積層状
となるが、その際重合体各層の厚みを薄くするため、中
口金7には、流路がテーパー状に狭くなっている“ろう
斗状部4”が前記ノズルプレート1、1’対と同数配置
されている。また、下口金8には、吐出口11がそれぞ
れのろう斗状部4に対応して設けられている。
【0027】このような紡糸口金において、重合体A
は、上部分配板9および下部分配板10を貫通して設け
られた流路3を経て各ノズルプレート1へ分配され、同
様に重合体Bも流路3’を経て各ノズルプレート1’へ
分配される。その後、ノズルプレート1、1’から吐出
された重合体AおよびBは交互に積層され、さらに、ろ
う斗状部4を進む間に各層の厚みが薄くなり、紡糸口1
1から吐出される。その際、吐出口は短形状とし(例え
ば0.13mm×2.5mmの寸法として)、扁平断面
の長軸方向へ拡げて吐出し、扁平断面の交互積層体とし
て吐出させる。
【0028】紡糸口金の吐出口11より吐出された交互
積層重合体は、冷却固化された後、引取ローラによって
引き取られ、チーズに巻き取られる。引き取り速度は通
常の合成繊維の紡糸と同様に、1000〜8000m/
minの範囲の速度で引き取ればよいが、低紡速の方が
吐出口のまだ溶融状態にある積層体に無理がかからず、
きれいな積層が確保される。通常は、速度1000〜1
500m/minの範囲で紡糸引き取りし、続いてロー
ラを介して延伸して後巻き取るか、あるいは紡糸引き取
りした未延伸糸を一旦巻き取り、別工程で延伸速度20
0〜1000m/minの範囲で延伸するのが好まし
い。延伸時の延伸倍率は、重合体をフィラメント軸方向
に配向させて複屈折率を高めるようにできるだけ大きく
設定すればよいが、一方、製編織等の後工程の取り扱い
性の点も考慮して、マルチフィラメントの伸度が10〜
50%の範囲、好ましくは15〜40%の範囲となる倍
率を選べばよい。
【0029】本発明の光学干渉機能を有するマルチフィ
ラメントヤーンは、その使用形態によって様々に異なる
発色外観を呈し、それが故に、広汎な用途分野で用いる
ことができる。例えば、地糸を濃色特に黒色フィラメン
トとし、本発明のマルチフィラメントヤーンを浮き糸と
して、ドビーやジヤカードで柄を表現した布帛は、日本
古来の雅趣があり、和服、帯、帯留め、巾着袋、風呂
敷、草履、ハンドバッグ、ネクタイ、緞帳等に適してい
る。
【0030】また、地糸を白として、本発明のマルチフ
ィラメントヤーンでジヤカード柄を織り込んだ薄手の布
帛は、透け感があって、またジヤカード柄が上品で優美
なパール光沢に輝き、ウェディングドレス等のブライダ
ルウェアー、パーティードレス、舞台衣装、ギフト用品
の包装紙、リボン、テープ、カーテン等に適している。
【0031】さらに、本発明のマルチフィラメントヤー
ン独特の金属光沢カラーを生かして、従来、光沢糸や蛍
光糸が使用されてきたスポーツウェアーの分野で、一段
と視認性に優れたウェアーを提供できる。例えば、スキ
ーウェアー、テニスウェアー、水着、レオタード等であ
り、テントや日傘、リュックサック、靴特にスニーカー
等のスポーツ用品にも適している。
【0032】同様に、金属光沢カラーやパール調カラー
によって人目を引く用途として、エンブレム、ワッペ
ン、アートフラワー等の美術工芸品、刺繍、壁紙、人工
毛髪、カーシート、パンティストッキング等がある。
【0033】また、本発明のマルチフィラメントヤーン
からなる布帛に、加熱エンボスロールや型アイロンを当
てて熱処理すると、その型柄の部分だけが収縮して、干
渉を示す交互積層の層厚みが重なり、地の部分とは違っ
た色が発現するので、衣服にワンポイントマークや絵柄
を付けることができる。
【0034】さらに、本発明のマルチフィラメントヤー
ンは、例えば0.01mm〜10cmの範囲に、用途に
合わせて切断して用いることもできる。そのカットした
フィラメントの扁平面を表として物品の表面に透明樹脂
によって固定するのもよく、例えば自動車のドア表面に
モルフォ蝶を形取って固定すると、太陽の光を受けてモ
ルフォ蝶の如く、金属光沢をもって青く輝いて見える。
また、0.1〜0.01mmにカットしたものを化粧品
に混ぜて使用すると、これもまた太陽の光を受けて優美
に輝いて見える。
【0035】
【実施例】フィラメントヤーンの光干渉性の測定、評価
は次のように行った。黒色平面に織物をセットし、入射
光角度/受光角度が、0°/0°、20°/20°、4
0°/40°、60°/60°の状態を、それぞれ肉眼
にて観察を行った。
【0036】[実施例1]スルホイソフタル酸ナトリウ
ムを1.5モル%共重合したポリエチレンナフタレート
(n=1.63、SP値=21.5(計算値)、融点=
260℃、極限粘度=0.58)と、ナイロン6(n=
1.53、SP値=22.5、融点=235℃、極限粘
度=1.25)とを用いて、図3に示した紡糸口金を用
いて、口金温度275℃、引き取り速度1200m/m
imで紡糸し、延伸倍率2倍、延伸温度(供給ローラの
表面温度)110℃、セット温度140℃(延伸ローラ
の表面温度)で延伸し巻き取った。そのとき、断面形態
は扁平断面、交互積層数は30層とし、扁平断面外周部
には共重合ナイロン6による非積層領域を設けた。扁平
率が6.0の11フィラメントからなるマルチフィラメ
ントヤーンを得た。これらのヤーンを撚糸機により、0
T/M、300T/M、600T/Mおよび850T/
Mにそれぞれ撚糸し、該マルチフィラメントヤーンを緯
朱子組織の織物の緯糸に用いて(経糸は黒原着マルチフ
ィラメント)製織し、光干渉性の評価を行った。その結
果は、表1のとおりで、撚糸数が300〜850T/M
において、広幅な角度に対しても、高い発色性が得られ
た。
【0037】[実施例2]実施例1と同様にして紡糸延
伸されたマルチフィラメントヤーンを、0T/M、30
0T/M、600T/Mおよび850T/Mの各仮撚数
で、仮撚温度は常温として、仮撚加を施した。該マルチ
フィラメントヤーンを実施例1と同様に織物にして、干
渉発色の評価を行った。その結果を表2に示す。仮撚数
が300T/Mから850T/Mで、入射角/受光角=
60°/60°でも、鮮明な発色が観測された。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】光の反射、干渉に有効である多層積層構
造を有するフィラメントにおいて、その長軸方向に沿っ
て軸捩れを付与することにより、観る角度に依存せずに
高い光干渉効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光干渉性フィラメントの断面図。
【図2】非積層部を有する光干渉性フィラメントの断面
図。
【図3】本発明で使用する紡糸口金の立断面図。
【図4】図3の紡糸口金を、上口金の上部を横断する面
で切断した断面図。
【符号の説明】
1 ノズルプレート 1’ ノズルプレート 2 ノズルプレートに開けられた開口 2’ ノズルプレートに開けられた開口 3 導入路 3’ 導入路 4 ろう斗状部 5 最終吐出口 6 上口金 7 中口金 8 下口金 9 上部分配板 10 下部分配板 11 最終紡出口 12 ボルト A 重合体 B 重合体Aとは屈折率を異にする重合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 俊正 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 (72)発明者 熊沢 金也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田畑 洋 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 清水 進 神奈川県平塚市新町2番73号 田中貴金属 工業株式会社技術開発センター内 (72)発明者 先原 明男 神奈川県伊勢原市鈴川26番地 田中貴金属 工業株式会社伊勢原工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率の異なる少なくとも2種の重合体
    を扁平断面の長軸方向と平行に交互に積層してなる、扁
    平状の光干渉性フィラメントを構成単位とするフィラメ
    ントヤーンにおいて、該フィラメントにはその長手方向
    に沿って軸捩れが付与されていることを特徴とする、光
    学干渉機能の改善されたフィラメントヤーン。
JP9284871A 1997-10-17 1997-10-17 光学干渉機能の改善されたフィラメントヤーン Withdrawn JPH11124733A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9284871A JPH11124733A (ja) 1997-10-17 1997-10-17 光学干渉機能の改善されたフィラメントヤーン

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JP9284871A JPH11124733A (ja) 1997-10-17 1997-10-17 光学干渉機能の改善されたフィラメントヤーン

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008038298A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Teijin Fibers Ltd 光干渉性マルチフィラメント糸およびその製造方法
CN109203824A (zh) * 2018-10-08 2019-01-15 湖南鸢锦刺绣有限公司 一种发绣画制造工艺

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