JPH1112444A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及び半導体装置Info
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- JPH1112444A JPH1112444A JP16925197A JP16925197A JPH1112444A JP H1112444 A JPH1112444 A JP H1112444A JP 16925197 A JP16925197 A JP 16925197A JP 16925197 A JP16925197 A JP 16925197A JP H1112444 A JPH1112444 A JP H1112444A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハロゲン系またはアンチモン系の難燃剤を使
用せずに成形体の難燃性及び耐湿信頼性を維持すること
ができるエポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難
燃剤を含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填
剤成分をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88w
t%の範囲で配合する。また難燃剤として表面コーティ
ングした赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組成物全量に対し
て0.05〜1.0wt%の範囲で添加する。
用せずに成形体の難燃性及び耐湿信頼性を維持すること
ができるエポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難
燃剤を含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填
剤成分をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88w
t%の範囲で配合する。また難燃剤として表面コーティ
ングした赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組成物全量に対し
て0.05〜1.0wt%の範囲で添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品封止用の
エポキシ樹脂組成物に関するものであり、更に詳しく
は、環境問題及び環境衛生問題に対する配慮を施しつ
つ、エポキシ樹脂組成物の難燃性及び耐湿信頼性を維持
し、また半導体装置を高温雰囲気下に曝露した場合の動
作信頼性を大幅に向上する封止用樹脂組成物に関するも
のである。
エポキシ樹脂組成物に関するものであり、更に詳しく
は、環境問題及び環境衛生問題に対する配慮を施しつ
つ、エポキシ樹脂組成物の難燃性及び耐湿信頼性を維持
し、また半導体装置を高温雰囲気下に曝露した場合の動
作信頼性を大幅に向上する封止用樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体を保護、封止するために用いられ
ているエポキシ樹脂組成物は、無機充填剤、エポキシ化
合物、硬化剤、及び硬化促進剤を主成分としている。こ
のエポキシ樹脂組成物の成形体は、難燃性の規格である
UL94−V−0を満足する必要があり、そのため従来
からエポキシ樹脂組成物の難燃化を達成する手法とし
て、ハロゲン系及び(又は)アンチモン系難燃剤を添加
する方法が行われてきた。しかし近年ハロゲン系難燃剤
については燃焼時に発生するガスの有毒性や、そのガス
によるオゾン層の破壊等の弊害が論じられている。また
アンチモンについては人体に対して有害であり、平成5
年に排水環境基準の要監視項目に指定されている。その
ため上記難燃剤を使用しないエポキシ樹脂組成物に対す
るニーズが高まっており、これまで水酸化アルミニウム
や水酸化マグネシウムのような金属酸化物、ほう酸亜鉛
等のほう素化合物、有機燐化合物、等の非ハロゲン系難
燃剤が検討されてきた。
ているエポキシ樹脂組成物は、無機充填剤、エポキシ化
合物、硬化剤、及び硬化促進剤を主成分としている。こ
のエポキシ樹脂組成物の成形体は、難燃性の規格である
UL94−V−0を満足する必要があり、そのため従来
からエポキシ樹脂組成物の難燃化を達成する手法とし
て、ハロゲン系及び(又は)アンチモン系難燃剤を添加
する方法が行われてきた。しかし近年ハロゲン系難燃剤
については燃焼時に発生するガスの有毒性や、そのガス
によるオゾン層の破壊等の弊害が論じられている。また
アンチモンについては人体に対して有害であり、平成5
年に排水環境基準の要監視項目に指定されている。その
ため上記難燃剤を使用しないエポキシ樹脂組成物に対す
るニーズが高まっており、これまで水酸化アルミニウム
や水酸化マグネシウムのような金属酸化物、ほう酸亜鉛
等のほう素化合物、有機燐化合物、等の非ハロゲン系難
燃剤が検討されてきた。
【0003】また、難燃剤にブロム化合物及び(又は)
アンチモンを使用したエポキシ樹脂組成物を半導体装置
の封止剤として用いる場合、エポキシ樹脂にビフェニル
型エポキシ樹脂を使用したものは、エポキシ樹脂にノボ
ラック型エポキシ樹脂を使用したものに比べて、半導体
装置を高温状態に曝露した場合の動作信頼性が著しく悪
いものであった。これはビフェニル型エポキシ樹脂を使
用したエポキシ樹脂組成物はノボラック型エポキシ樹脂
を使用したエポキシ樹脂組成物と比べ、硬化物の架橋密
度が低いため、高温で難燃剤から離脱したフリーのブロ
ムイオンが移動し易く、そのため素子とリードフレーム
の導通をとっているワイヤーとアルミパッドの接合部分
でアルミニウムスライドを引き起こしたり、パープルブ
レイクという不良モードを引き起こしたりするからであ
ると考えられる。
アンチモンを使用したエポキシ樹脂組成物を半導体装置
の封止剤として用いる場合、エポキシ樹脂にビフェニル
型エポキシ樹脂を使用したものは、エポキシ樹脂にノボ
ラック型エポキシ樹脂を使用したものに比べて、半導体
装置を高温状態に曝露した場合の動作信頼性が著しく悪
いものであった。これはビフェニル型エポキシ樹脂を使
用したエポキシ樹脂組成物はノボラック型エポキシ樹脂
を使用したエポキシ樹脂組成物と比べ、硬化物の架橋密
度が低いため、高温で難燃剤から離脱したフリーのブロ
ムイオンが移動し易く、そのため素子とリードフレーム
の導通をとっているワイヤーとアルミパッドの接合部分
でアルミニウムスライドを引き起こしたり、パープルブ
レイクという不良モードを引き起こしたりするからであ
ると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エポキシ樹脂
組成物に難燃剤として水酸化アルミニウムや水酸化マグ
ネシウムのような金属酸化物、ほう酸亜鉛等のほう素化
合物、有機燐化合物、等の非ハロゲン系難燃剤を添加し
た場合、そのエポキシ樹脂組成物の成形体は難燃効果が
低かったり、耐湿信頼性が低かったりするという問題が
あった。
組成物に難燃剤として水酸化アルミニウムや水酸化マグ
ネシウムのような金属酸化物、ほう酸亜鉛等のほう素化
合物、有機燐化合物、等の非ハロゲン系難燃剤を添加し
た場合、そのエポキシ樹脂組成物の成形体は難燃効果が
低かったり、耐湿信頼性が低かったりするという問題が
あった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、ハロゲン系またはアンチモン系
の難燃剤を使用せずに成形体の難燃性及び耐湿信頼性を
維持することができるエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とである。また、本発明の他の目的は、半導体装置の封
止材料に用いた場合に半導体装置の高温曝露時の動作信
頼性を優れたものとすることが可能な、アンチモンレス
及びハロゲンレスのビフェニル型のエポキシ樹脂組成物
を提供することである。
あり、本発明の目的は、ハロゲン系またはアンチモン系
の難燃剤を使用せずに成形体の難燃性及び耐湿信頼性を
維持することができるエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とである。また、本発明の他の目的は、半導体装置の封
止材料に用いた場合に半導体装置の高温曝露時の動作信
頼性を優れたものとすることが可能な、アンチモンレス
及びハロゲンレスのビフェニル型のエポキシ樹脂組成物
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、エポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難燃剤
を含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填剤成
分をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88wt%
の範囲で配合し、難燃剤として表面コーティングした赤
燐系難燃剤をエポキシ樹脂組成物全量に対して0.05
〜1.0wt%の範囲で添加して成ることを特徴とする
ものである。
の発明は、エポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難燃剤
を含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填剤成
分をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88wt%
の範囲で配合し、難燃剤として表面コーティングした赤
燐系難燃剤をエポキシ樹脂組成物全量に対して0.05
〜1.0wt%の範囲で添加して成ることを特徴とする
ものである。
【0007】また本発明の請求項2に記載の発明は、エ
ポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難燃剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物において、無機充填剤をエポキシ樹脂
組成物全量に対して88wt%以上配合し、難燃剤とし
て表面コーティングした赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組
成物全量に対して0.1wt%以下の範囲で添加して成
ることを特徴とするものである。
ポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難燃剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物において、無機充填剤をエポキシ樹脂
組成物全量に対して88wt%以上配合し、難燃剤とし
て表面コーティングした赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組
成物全量に対して0.1wt%以下の範囲で添加して成
ることを特徴とするものである。
【0008】また本発明の請求項3に記載の発明は、請
求項1又は2の構成に加えて、エポキシ樹脂として、少
なくともビフェニル型エポキシ樹脂を用いることを特徴
とするものである。また本発明の請求項4に記載の発明
は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、硬化剤
として、少なくともアラルキル型フェノール樹脂を用い
ることを特徴とするものである。
求項1又は2の構成に加えて、エポキシ樹脂として、少
なくともビフェニル型エポキシ樹脂を用いることを特徴
とするものである。また本発明の請求項4に記載の発明
は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、硬化剤
として、少なくともアラルキル型フェノール樹脂を用い
ることを特徴とするものである。
【0009】また本発明の請求項5に記載の発明は、請
求項1乃至4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を
用い、リードフレームに搭載された半導体素子を封止し
て半導体装置を形成することを特徴とするものである。
求項1乃至4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を
用い、リードフレームに搭載された半導体素子を封止し
て半導体装置を形成することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹
脂、難燃剤、無機充填剤、硬化剤、等を含有し、その他
の添加剤も併用することができるものである。また、本
発明で用いる難燃剤成分を組成物中に混合する際には、
その方法は制限されるものではなく、予め組成物中の必
須成分であるエポキシ樹脂や硬化剤等とマスターバッチ
化及び(または)粉体混合したもの等を用いてもよい
し、これらをそのまま配合しても差し支えないものであ
る。
する。本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹
脂、難燃剤、無機充填剤、硬化剤、等を含有し、その他
の添加剤も併用することができるものである。また、本
発明で用いる難燃剤成分を組成物中に混合する際には、
その方法は制限されるものではなく、予め組成物中の必
須成分であるエポキシ樹脂や硬化剤等とマスターバッチ
化及び(または)粉体混合したもの等を用いてもよい
し、これらをそのまま配合しても差し支えないものであ
る。
【0011】本発明に使用するエポキシ樹脂は、特に限
定するものではなく、一分子中にエポキシ基を2個以上
有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を含み、例
えばビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジ
シクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタ
レン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格を有するエポキシ
樹脂、等が挙げられ、これらを単独で用いても、またこ
れらのうちの幾つかを併用して用いてもよいものであ
る。また、下記の一般式(a)で表されるビフェニル型
エポキシ樹脂は溶融粘度が低いものであり、このビフェ
ニル型エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物は、
無機充填剤の高充填や結晶シリカの充填量の増加が可能
であり、そのためエポキシ樹脂組成物の成形体の吸湿率
の低減が可能となり、耐半田クラック性を向上すること
ができるという点で、好ましい。なお、一般式(a)中
で、R1 、R2 、R3 、R4 は、水素または炭素数1〜
3のアルキル基を示すものである。
定するものではなく、一分子中にエポキシ基を2個以上
有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を含み、例
えばビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジ
シクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタ
レン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格を有するエポキシ
樹脂、等が挙げられ、これらを単独で用いても、またこ
れらのうちの幾つかを併用して用いてもよいものであ
る。また、下記の一般式(a)で表されるビフェニル型
エポキシ樹脂は溶融粘度が低いものであり、このビフェ
ニル型エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物は、
無機充填剤の高充填や結晶シリカの充填量の増加が可能
であり、そのためエポキシ樹脂組成物の成形体の吸湿率
の低減が可能となり、耐半田クラック性を向上すること
ができるという点で、好ましい。なお、一般式(a)中
で、R1 、R2 、R3 、R4 は、水素または炭素数1〜
3のアルキル基を示すものである。
【0012】
【化1】
【0013】また、本発明に使用する無機充填剤は特に
限定するものではなく、例えば非晶質シリカ、結晶シリ
カ、アルミナ、等が挙げられるものであり、エポキシ樹
脂の熱膨張率を低下させるためには非晶質シリカを、エ
ポキシ樹脂の熱伝導率を向上させるためには結晶シリ
カ、アルミナ等を使用するのが好ましい。また、本発明
に使用する難燃剤は、表面コーティングを施した赤燐系
難燃剤を用いるものである。このように難燃剤として表
面コーティングを施した赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組
成物に添加するものとすると、エポキシ樹脂組成物に人
体に有害なアンチモンや、燃焼時に有毒ガスやオゾン層
破壊ガスが発生する恐れのあるハロゲンを含む難燃剤を
用いないため、環境問題や環境衛生問題に対応し、なお
かつ難燃性の良好なエポキシ樹脂組成物を得ることがで
きるものである。また、赤燐は空気中の水と反応してホ
スフィンや腐食性の燐酸を生じるため、そのまま難燃剤
として用いればエポキシ樹脂組成物の耐湿性を低減させ
るものであるが、表面コーティングを施したため、空気
中の水との反応によるホスフィンや腐食性の燐酸の発生
を防ぎ、エポキシ樹脂組成物の耐湿性を良好なものとす
ることができるものである。また、樹脂混練時等の強力
なシェアの下でもエポキシ樹脂組成物の耐発火性、安定
性が良好となるものである。
限定するものではなく、例えば非晶質シリカ、結晶シリ
カ、アルミナ、等が挙げられるものであり、エポキシ樹
脂の熱膨張率を低下させるためには非晶質シリカを、エ
ポキシ樹脂の熱伝導率を向上させるためには結晶シリ
カ、アルミナ等を使用するのが好ましい。また、本発明
に使用する難燃剤は、表面コーティングを施した赤燐系
難燃剤を用いるものである。このように難燃剤として表
面コーティングを施した赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組
成物に添加するものとすると、エポキシ樹脂組成物に人
体に有害なアンチモンや、燃焼時に有毒ガスやオゾン層
破壊ガスが発生する恐れのあるハロゲンを含む難燃剤を
用いないため、環境問題や環境衛生問題に対応し、なお
かつ難燃性の良好なエポキシ樹脂組成物を得ることがで
きるものである。また、赤燐は空気中の水と反応してホ
スフィンや腐食性の燐酸を生じるため、そのまま難燃剤
として用いればエポキシ樹脂組成物の耐湿性を低減させ
るものであるが、表面コーティングを施したため、空気
中の水との反応によるホスフィンや腐食性の燐酸の発生
を防ぎ、エポキシ樹脂組成物の耐湿性を良好なものとす
ることができるものである。また、樹脂混練時等の強力
なシェアの下でもエポキシ樹脂組成物の耐発火性、安定
性が良好となるものである。
【0014】また、ビフェニル型エポキシ樹脂がエポキ
シ樹脂成分として含まれているエポキシ樹脂組成物は、
上記のように溶融粘度が低く、また耐半田クラック性を
向上することができるものであるが、難燃剤としてアン
チモンやブロム化合物を用い、そのエポキシ樹脂組成物
を半導体素子の封止剤として用いた場合、半導体装置の
高温曝露時の動作信頼性が低下するという問題があっ
た。そこで本発明では難燃剤として上記の表面コーティ
ングを施した赤燐系難燃剤を用いることにより、ビフェ
ニル型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分として含むエポ
キシ樹脂組成物を半導体材料の封止剤として用いた場合
の半導体装置の高温曝露時の動作信頼性を向上すること
ができ、溶融粘度が低く、また耐半田クラック性、高温
曝露性に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができる
ものである。
シ樹脂成分として含まれているエポキシ樹脂組成物は、
上記のように溶融粘度が低く、また耐半田クラック性を
向上することができるものであるが、難燃剤としてアン
チモンやブロム化合物を用い、そのエポキシ樹脂組成物
を半導体素子の封止剤として用いた場合、半導体装置の
高温曝露時の動作信頼性が低下するという問題があっ
た。そこで本発明では難燃剤として上記の表面コーティ
ングを施した赤燐系難燃剤を用いることにより、ビフェ
ニル型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分として含むエポ
キシ樹脂組成物を半導体材料の封止剤として用いた場合
の半導体装置の高温曝露時の動作信頼性を向上すること
ができ、溶融粘度が低く、また耐半田クラック性、高温
曝露性に優れたエポキシ樹脂組成物を得ることができる
ものである。
【0015】上記の赤燐系難燃剤に対するコーティング
剤については、特に限定するものではなく、例えば熱硬
化性フェノール樹脂等の有機化合物、水酸化チタンや酸
化チタン、水酸化アルミニウム等の金属化合物、酸化珪
素等の無機化合物、シラン系等のカップリング剤、等が
挙げらるものであり、特に熱硬化性フェノール樹脂でコ
ーティングした場合は赤燐系難燃剤とマトリックス樹脂
との親和性が高くなり、樹脂中への難燃剤の分散性が良
好となり、また樹脂組成物の流動性も良好なものが得ら
れるという点で、好ましい。赤燐系難燃剤に対するコー
ティング剤のコーティング量は、低添加量で難燃性を維
持するために、難燃剤中の赤燐含有量が95wt%以上
となるのが好ましく、またコーティング量の下限は赤燐
に対して0.1wt%となるのが好ましい。また、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤の粒径は、平均粒
径が0.5〜50μm、最大粒径は150μm、最小粒
径は0.01μmとなるのが好ましい。最小粒径が0.
01μm以下のものは赤燐粒子表面を熱硬化性樹脂でコ
ーティングするのが困難であり、最大粒径が150μm
以上であると成形時におけるパッケージへの充填性に問
題が生じる恐れがある。
剤については、特に限定するものではなく、例えば熱硬
化性フェノール樹脂等の有機化合物、水酸化チタンや酸
化チタン、水酸化アルミニウム等の金属化合物、酸化珪
素等の無機化合物、シラン系等のカップリング剤、等が
挙げらるものであり、特に熱硬化性フェノール樹脂でコ
ーティングした場合は赤燐系難燃剤とマトリックス樹脂
との親和性が高くなり、樹脂中への難燃剤の分散性が良
好となり、また樹脂組成物の流動性も良好なものが得ら
れるという点で、好ましい。赤燐系難燃剤に対するコー
ティング剤のコーティング量は、低添加量で難燃性を維
持するために、難燃剤中の赤燐含有量が95wt%以上
となるのが好ましく、またコーティング量の下限は赤燐
に対して0.1wt%となるのが好ましい。また、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤の粒径は、平均粒
径が0.5〜50μm、最大粒径は150μm、最小粒
径は0.01μmとなるのが好ましい。最小粒径が0.
01μm以下のものは赤燐粒子表面を熱硬化性樹脂でコ
ーティングするのが困難であり、最大粒径が150μm
以上であると成形時におけるパッケージへの充填性に問
題が生じる恐れがある。
【0016】ここで、無機充填剤の添加量がエポキシ樹
脂組成物全量に対して85wt%未満の場合は、エポキ
シ樹脂組成物の難燃性を十分に確保するためには、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組
成物全量に対して1.0〜3.0wt%の範囲で添加す
る必要があり、赤燐系難燃剤を大量に配合しなければな
らないが、無機充填剤の添加量をエポキシ樹脂組成物全
量に対して85wt%以上にすると、表面にコーティン
グを施した赤燐系難燃剤の添加量を低減することができ
るものである。
脂組成物全量に対して85wt%未満の場合は、エポキ
シ樹脂組成物の難燃性を十分に確保するためには、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組
成物全量に対して1.0〜3.0wt%の範囲で添加す
る必要があり、赤燐系難燃剤を大量に配合しなければな
らないが、無機充填剤の添加量をエポキシ樹脂組成物全
量に対して85wt%以上にすると、表面にコーティン
グを施した赤燐系難燃剤の添加量を低減することができ
るものである。
【0017】無機充填剤の添加量をエポキシ樹脂組成物
全量に対して85〜88wt%の範囲とする場合、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤の添加量はエポキ
シ樹脂組成物全量に対して0.05〜1.0wt%の範
囲とするのが好ましく、表面にコーティングを施した赤
燐系難燃剤の添加量をこの範囲とすることで、エポキシ
樹脂組成物に十分な難燃性を付与することができるもの
であり、またこのようにするとエポキシ樹脂組成物の赤
燐系難燃剤の添加量を低減することができるため、エポ
キシ樹脂組成物の耐湿信頼性を良好なものとすることが
できるものである。なお、上記のように無機充填剤の添
加量をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88wt
%の範囲としたとき、表面にコーティングを施した赤燐
系難燃剤の添加量をエポキシ樹脂組成物全量に対して
1.0wt%以上にすると、難燃化のために必要とされ
る以上の過剰の赤燐系難燃剤が有する燃焼活性のため
に、エポキシ樹脂組成物の燃焼をかえって促進すること
となり、難燃性の効果が低減するものであり、また、エ
ポキシ樹脂組成物中の赤燐含有量の増加により、エポキ
シ樹脂組成物の耐湿信頼性の低下を引き起こすものであ
る。また、表面にコーティングを施した赤燐系難燃剤の
添加量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.05wt
%以下の場合には、エポキシ樹脂組成物に十分な難燃性
を付与することができないものである。
全量に対して85〜88wt%の範囲とする場合、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤の添加量はエポキ
シ樹脂組成物全量に対して0.05〜1.0wt%の範
囲とするのが好ましく、表面にコーティングを施した赤
燐系難燃剤の添加量をこの範囲とすることで、エポキシ
樹脂組成物に十分な難燃性を付与することができるもの
であり、またこのようにするとエポキシ樹脂組成物の赤
燐系難燃剤の添加量を低減することができるため、エポ
キシ樹脂組成物の耐湿信頼性を良好なものとすることが
できるものである。なお、上記のように無機充填剤の添
加量をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88wt
%の範囲としたとき、表面にコーティングを施した赤燐
系難燃剤の添加量をエポキシ樹脂組成物全量に対して
1.0wt%以上にすると、難燃化のために必要とされ
る以上の過剰の赤燐系難燃剤が有する燃焼活性のため
に、エポキシ樹脂組成物の燃焼をかえって促進すること
となり、難燃性の効果が低減するものであり、また、エ
ポキシ樹脂組成物中の赤燐含有量の増加により、エポキ
シ樹脂組成物の耐湿信頼性の低下を引き起こすものであ
る。また、表面にコーティングを施した赤燐系難燃剤の
添加量がエポキシ樹脂組成物全量に対して0.05wt
%以下の場合には、エポキシ樹脂組成物に十分な難燃性
を付与することができないものである。
【0018】また、無機充填剤の添加量をエポキシ樹脂
組成物全量に対して88wt%以上にした場合は、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤の添加量を0.1
wt%以下とするのが好ましく、表面にコーティングを
施した赤燐系難燃剤の添加量をこのようにすることで、
エポキシ樹脂組成物に十分な難燃性を付与することがで
きるものである。またこのようにするとエポキシ樹脂組
成物中の赤燐系難燃剤の添加量を上記よりも更に低減す
ることができるため、エポキシ樹脂組成物の耐湿信頼性
を更に良好なものとすることができるものである。ここ
で、無機充填剤の添加量をエポキシ樹脂組成物全量に対
して88wt%以上としたとき、表面にコーティングを
施した赤燐系難燃剤の添加量をエポキシ樹脂組成物全量
に対して0.1wt%以上にすると、難燃化のために必
要とされる以上の過剰の赤燐系難燃剤が有する燃焼活性
のために、エポキシ樹脂組成物の燃焼をかえって促進す
ることとなり、難燃性の効果が低減するものであり、ま
たエポキシ樹脂組成物中の赤燐含有量の増加により、エ
ポキシ樹脂組成物の耐湿信頼性の低下を引き起こす恐れ
もある。また、このように無機充填剤の添加量をエポキ
シ樹脂組成物全量に対して88wt%以上とした場合は
難燃剤を添加しなくてもエポキシ樹脂組成物はある程度
の難燃性を有するようになるものであり、場合によって
は赤燐系難燃剤の添加が不要になることもあるが、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤の添加量の下限を
敢えて定めるならば、エポキシ樹脂組成物全量に対して
0.001wt%である。また、無機充填剤の添加量の
上限はエポキシ樹脂組成物全量に対して95wt%が好
ましく、95wt%以上配合すると、エポキシ樹脂組成
物の成形時における流動性及び成形性が悪化してしまう
恐れがあるものである。
組成物全量に対して88wt%以上にした場合は、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤の添加量を0.1
wt%以下とするのが好ましく、表面にコーティングを
施した赤燐系難燃剤の添加量をこのようにすることで、
エポキシ樹脂組成物に十分な難燃性を付与することがで
きるものである。またこのようにするとエポキシ樹脂組
成物中の赤燐系難燃剤の添加量を上記よりも更に低減す
ることができるため、エポキシ樹脂組成物の耐湿信頼性
を更に良好なものとすることができるものである。ここ
で、無機充填剤の添加量をエポキシ樹脂組成物全量に対
して88wt%以上としたとき、表面にコーティングを
施した赤燐系難燃剤の添加量をエポキシ樹脂組成物全量
に対して0.1wt%以上にすると、難燃化のために必
要とされる以上の過剰の赤燐系難燃剤が有する燃焼活性
のために、エポキシ樹脂組成物の燃焼をかえって促進す
ることとなり、難燃性の効果が低減するものであり、ま
たエポキシ樹脂組成物中の赤燐含有量の増加により、エ
ポキシ樹脂組成物の耐湿信頼性の低下を引き起こす恐れ
もある。また、このように無機充填剤の添加量をエポキ
シ樹脂組成物全量に対して88wt%以上とした場合は
難燃剤を添加しなくてもエポキシ樹脂組成物はある程度
の難燃性を有するようになるものであり、場合によって
は赤燐系難燃剤の添加が不要になることもあるが、表面
にコーティングを施した赤燐系難燃剤の添加量の下限を
敢えて定めるならば、エポキシ樹脂組成物全量に対して
0.001wt%である。また、無機充填剤の添加量の
上限はエポキシ樹脂組成物全量に対して95wt%が好
ましく、95wt%以上配合すると、エポキシ樹脂組成
物の成形時における流動性及び成形性が悪化してしまう
恐れがあるものである。
【0019】また本発明に使用する硬化剤は、エポキシ
樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定するも
のではなく、例えばフェノール系硬化剤、アミン系硬化
剤、酸無水物硬化剤等が挙げられるものである。吸湿率
が低く、耐湿信頼性の高いエポキシ樹脂組成物を得るた
めには、フェノール系硬化剤を用いることが好ましく、
例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール
樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノール樹脂、パラキ
シレン骨格を有するフェノール樹脂、等が挙げられ、こ
れらを単独で用いても、またこれらのうちの幾つかを併
用して用いてもよいものである。その配合量としては、
通常エポキシ樹脂に対して当量比で0.1〜10の範囲
で配合するものである。なお、硬化剤として下記一般式
(b)で表されるアラルキル型フェノール樹脂を必須成
分として含有させると、エポキシ樹脂組成物の強度を高
くすると共に吸湿率を低減することができるため、エポ
キシ樹脂組成物の耐半田クラック性及び耐温度サイクル
性を向上させることができるという点で好ましい。な
お、この一般式(b)中でX、Y、Zは、フェノール、
α−ナフトール、β−ナフトールのいずれかを示すもの
であり、またqは0〜100の整数である。
樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定するも
のではなく、例えばフェノール系硬化剤、アミン系硬化
剤、酸無水物硬化剤等が挙げられるものである。吸湿率
が低く、耐湿信頼性の高いエポキシ樹脂組成物を得るた
めには、フェノール系硬化剤を用いることが好ましく、
例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノール
樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノール樹脂、パラキ
シレン骨格を有するフェノール樹脂、等が挙げられ、こ
れらを単独で用いても、またこれらのうちの幾つかを併
用して用いてもよいものである。その配合量としては、
通常エポキシ樹脂に対して当量比で0.1〜10の範囲
で配合するものである。なお、硬化剤として下記一般式
(b)で表されるアラルキル型フェノール樹脂を必須成
分として含有させると、エポキシ樹脂組成物の強度を高
くすると共に吸湿率を低減することができるため、エポ
キシ樹脂組成物の耐半田クラック性及び耐温度サイクル
性を向上させることができるという点で好ましい。な
お、この一般式(b)中でX、Y、Zは、フェノール、
α−ナフトール、β−ナフトールのいずれかを示すもの
であり、またqは0〜100の整数である。
【0020】
【化2】
【0021】本発明で使用する硬化促進剤としては、特
に限定するものではなく、例えばトリフェニルホスフィ
ン及びその誘導体、3級アミン、ジアザビシクロアルケ
ン類及びその誘導体、等が挙げられ、これらを単独で用
いても、またこれらのうちの幾つかを併用して用いても
よいものである。また、本発明のエポキシ樹脂組成物に
は上記の成分の他に、必要に応じて離型剤、顔料、シラ
ンカップリング剤、等を添加してもよいものである。シ
ランカップリング剤を添加する場合は、予め無機充填剤
のみをシランカップリング剤で表面処理したものを用い
てもよいものである。
に限定するものではなく、例えばトリフェニルホスフィ
ン及びその誘導体、3級アミン、ジアザビシクロアルケ
ン類及びその誘導体、等が挙げられ、これらを単独で用
いても、またこれらのうちの幾つかを併用して用いても
よいものである。また、本発明のエポキシ樹脂組成物に
は上記の成分の他に、必要に応じて離型剤、顔料、シラ
ンカップリング剤、等を添加してもよいものである。シ
ランカップリング剤を添加する場合は、予め無機充填剤
のみをシランカップリング剤で表面処理したものを用い
てもよいものである。
【0022】以上に示したようなエポキシ樹脂組成物を
用い、リードフレームに搭載された半導体素子をトラン
スファー成形により封止して半導体装置を形成すること
ができる。このようにして成る半導体装置は、エポキシ
樹脂組成物に人体に有害なアンチモンや、燃焼時に有毒
ガスやオゾン層破壊ガスが発生する恐れのあるハロゲン
を含まないため、環境問題や環境衛生問題に対応するも
のであり、なお且つ良好な難燃性、耐湿信頼性を維持す
るものであり、また、高温曝露性、耐半田クラック性及
び耐温度サイクル性に優れた半導体装置を得ることがで
きるものである。
用い、リードフレームに搭載された半導体素子をトラン
スファー成形により封止して半導体装置を形成すること
ができる。このようにして成る半導体装置は、エポキシ
樹脂組成物に人体に有害なアンチモンや、燃焼時に有毒
ガスやオゾン層破壊ガスが発生する恐れのあるハロゲン
を含まないため、環境問題や環境衛生問題に対応するも
のであり、なお且つ良好な難燃性、耐湿信頼性を維持す
るものであり、また、高温曝露性、耐半田クラック性及
び耐温度サイクル性に優れた半導体装置を得ることがで
きるものである。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。先
ず、以下に示すようにして、エポキシ樹脂組成物を得
た。無機充填剤としては、シリカ粉(ア)(電気化学工
業(株)製、「FB74」)、シリカ粉(イ)(電気化
学工業(株)製、「FB30」)、シリカ粉(ウ)(ア
ドマファイン製、「SO25R」)を用いた。
ず、以下に示すようにして、エポキシ樹脂組成物を得
た。無機充填剤としては、シリカ粉(ア)(電気化学工
業(株)製、「FB74」)、シリカ粉(イ)(電気化
学工業(株)製、「FB30」)、シリカ粉(ウ)(ア
ドマファイン製、「SO25R」)を用いた。
【0024】また、難燃剤としては、表面を熱硬化性フ
ェノール樹脂でコーティングした赤燐系難燃剤(エ)
(燐化学工業(株)製、「ノーバエクセル140」)を
用い、比較例として三酸化アンチモン(オ)(三菱マテ
リアル(株)製)を使用した。また、カップリング剤と
しては、シラン系のグリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン(カ)(信越化学工業(株)製、「KBM40
3」)を用いた。
ェノール樹脂でコーティングした赤燐系難燃剤(エ)
(燐化学工業(株)製、「ノーバエクセル140」)を
用い、比較例として三酸化アンチモン(オ)(三菱マテ
リアル(株)製)を使用した。また、カップリング剤と
しては、シラン系のグリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン(カ)(信越化学工業(株)製、「KBM40
3」)を用いた。
【0025】また、エポキシ樹脂としては、上記の一般
式(a)で表され、R1 、R2 、R 3 、R4 が全て水素
であるビフェニル型エポキシ樹脂(キ)(油化シェルエ
ポキシ(株)製、「YX4000H」)を用い、比較例
にブロム化エポキシ樹脂であるテトラブロモビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量400)(ク)を
用いた。
式(a)で表され、R1 、R2 、R 3 、R4 が全て水素
であるビフェニル型エポキシ樹脂(キ)(油化シェルエ
ポキシ(株)製、「YX4000H」)を用い、比較例
にブロム化エポキシ樹脂であるテトラブロモビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量400)(ク)を
用いた。
【0026】また、硬化剤としては、アラルキル型フェ
ノール樹脂(カ)(住友金属化学工業(株)製、「HE
100−15」)、フェノール樹脂(キ)((株)三井
東圧製、「VR9300」)、及びノボラック型フェノ
ール樹脂(ク)(群栄化学社製、「PSM6200」)
を用いた。また、硬化促進剤としては2−フェニルイミ
ダゾール(シ)(四国化成工業(株)製)を、離型剤と
しては天然カルバナワックスを、顔料としてはカーボン
ブラック(セ)(三菱マテリアル(株)製、「750−
B」)をそれぞれ用いた。
ノール樹脂(カ)(住友金属化学工業(株)製、「HE
100−15」)、フェノール樹脂(キ)((株)三井
東圧製、「VR9300」)、及びノボラック型フェノ
ール樹脂(ク)(群栄化学社製、「PSM6200」)
を用いた。また、硬化促進剤としては2−フェニルイミ
ダゾール(シ)(四国化成工業(株)製)を、離型剤と
しては天然カルバナワックスを、顔料としてはカーボン
ブラック(セ)(三菱マテリアル(株)製、「750−
B」)をそれぞれ用いた。
【0027】エポキシ樹脂組成物を得る際には、無機充
填剤の表面をカップリング剤で処理し、上記の各配合成
分を3分間混合して均一に分散させた後、ミキシングロ
ールを用いてロール温度80〜120℃で加熱、加圧し
て、溶融、混練を行い、この混合物を冷却、粉砕してエ
ポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物について
の無機充填剤と難燃剤の配合比は、以下に示すようにし
たものであり、また各成分の詳しい配合比は、表1に示
すもののようにした。 (実施例1)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が85.08wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.50wt%となるよ
うに、配合を行った。 (実施例2)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が87.49wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.08wt%となるよ
うに、配合を行った。 (実施例3)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が89.55wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.01wt%となるよ
うに、配合を行った。 (実施例4)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が94.52wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.005wt%となる
ように、配合を行った。 (実施例5)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が87.49wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.08wt%となるよ
うに、配合を行った。 (比較例1)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が82.60wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として三酸化アンチモン(オ)が2.00wt%
になるように、配合を行った。 (比較例2)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が85.07wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が2.00wt%となるよ
うに、配合を行った。 (比較例3)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が85.06wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.01wt%となるよ
うに、配合を行った。 (比較例4)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が88.26wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.20wt%となるよ
うに、配合を行った。 (比較例5)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が89.40wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.15wt%となるよ
うに、配合を行った。
填剤の表面をカップリング剤で処理し、上記の各配合成
分を3分間混合して均一に分散させた後、ミキシングロ
ールを用いてロール温度80〜120℃で加熱、加圧し
て、溶融、混練を行い、この混合物を冷却、粉砕してエ
ポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物について
の無機充填剤と難燃剤の配合比は、以下に示すようにし
たものであり、また各成分の詳しい配合比は、表1に示
すもののようにした。 (実施例1)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が85.08wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.50wt%となるよ
うに、配合を行った。 (実施例2)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が87.49wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.08wt%となるよ
うに、配合を行った。 (実施例3)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が89.55wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.01wt%となるよ
うに、配合を行った。 (実施例4)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が94.52wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.005wt%となる
ように、配合を行った。 (実施例5)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が87.49wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.08wt%となるよ
うに、配合を行った。 (比較例1)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が82.60wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として三酸化アンチモン(オ)が2.00wt%
になるように、配合を行った。 (比較例2)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が85.07wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が2.00wt%となるよ
うに、配合を行った。 (比較例3)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が85.06wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.01wt%となるよ
うに、配合を行った。 (比較例4)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が88.26wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.20wt%となるよ
うに、配合を行った。 (比較例5)エポキシ樹脂組成物全量に対して、無機充
填剤が89.40wt%となるようにすると共に、難燃
剤成分として表面を熱硬化性フェノール樹脂でコーティ
ングした赤燐系難燃剤(エ)が0.15wt%となるよ
うに、配合を行った。
【0028】そして、得られた各エポキシ樹脂組成物に
ついて、以下に示すような性能評価を行ったものであ
る。 (難燃性試験)各エポキシ樹脂組成物のトランスファー
成形により、長さ125mm,幅13mm、厚さ0.8
mmの試験片5本を作成した。成形には専用金型を用
い、注入圧力50kg/cm2 、注入時間20秒、金型
温度170℃、加圧保持時間90秒の条件で行った。こ
の5本の試験片をUL94の規格に準拠して垂直燃焼試
験を行い、燃焼性の判定を行った。 (溶融粘度測定)フローテスター((株)島津製作所
製、CFT500A型)を用い、温度175℃、荷重1
0kgf、ノズルサイズ1mmφ、ノズル長さ10mm
の条件で、最低溶融粘度を測定した。 (耐湿温度信頼性試験)幅10μm、厚み1μmの櫛形
アルミニウムパターンを形成した42リードフレームに
TEG(test element group)を搭
載しものを、各エポキシ樹脂組成物のトランスファー成
形により封止して、性能評価用の16DIPを得た。成
形には16DIP金型を用い、注入圧力70kg/cm
2 、注入時間12秒、金型温度175℃、加圧保持時間
90秒の条件で行った。そして上記16DIP10パッ
ケージについて121℃、100%RHの条件下でPC
T試験評価を行った。また、上記16DIP10パッケ
ージについて138.5℃、85%RHの条件下でUS
PTBT試験評価を行った。 (高温放置信頼性試験)耐湿信頼性試験の場合と同様な
方法で得た16DIP10パッケージについて先ず初期
の抵抗値を測定し、これらを175℃の恒温機内に放置
した場合の抵抗値の変化率を測定した。
ついて、以下に示すような性能評価を行ったものであ
る。 (難燃性試験)各エポキシ樹脂組成物のトランスファー
成形により、長さ125mm,幅13mm、厚さ0.8
mmの試験片5本を作成した。成形には専用金型を用
い、注入圧力50kg/cm2 、注入時間20秒、金型
温度170℃、加圧保持時間90秒の条件で行った。こ
の5本の試験片をUL94の規格に準拠して垂直燃焼試
験を行い、燃焼性の判定を行った。 (溶融粘度測定)フローテスター((株)島津製作所
製、CFT500A型)を用い、温度175℃、荷重1
0kgf、ノズルサイズ1mmφ、ノズル長さ10mm
の条件で、最低溶融粘度を測定した。 (耐湿温度信頼性試験)幅10μm、厚み1μmの櫛形
アルミニウムパターンを形成した42リードフレームに
TEG(test element group)を搭
載しものを、各エポキシ樹脂組成物のトランスファー成
形により封止して、性能評価用の16DIPを得た。成
形には16DIP金型を用い、注入圧力70kg/cm
2 、注入時間12秒、金型温度175℃、加圧保持時間
90秒の条件で行った。そして上記16DIP10パッ
ケージについて121℃、100%RHの条件下でPC
T試験評価を行った。また、上記16DIP10パッケ
ージについて138.5℃、85%RHの条件下でUS
PTBT試験評価を行った。 (高温放置信頼性試験)耐湿信頼性試験の場合と同様な
方法で得た16DIP10パッケージについて先ず初期
の抵抗値を測定し、これらを175℃の恒温機内に放置
した場合の抵抗値の変化率を測定した。
【0029】表1に、各実施例及び各比較例について
の、エポキシ樹脂組成物についての配合比と共に、上記
の性能評価試験の結果を示す。
の、エポキシ樹脂組成物についての配合比と共に、上記
の性能評価試験の結果を示す。
【0030】
【表1】
【0031】比較例1のものは難燃剤としてアンチモン
及びブロム化合物を含み、エポキシ樹脂にビフェニル型
エポキシ樹脂を使用した従来のエポキシ樹脂組成物であ
り、良好な難燃性と耐湿信頼性を有するが、難燃剤とし
てアンチモン及びブロム化合物を含むため、高温曝露性
が低いものであることが確認できた。実施例1、2及び
5のものは、エポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂
を使用したエポキシ樹脂組成物に無機充填剤成分を組成
物全量に対して85〜88wt%の範囲内で使用し、難
燃剤成分として表面コーティングした赤燐系難燃剤を組
成物全量に対して0.05〜1.0wt%の範囲内で添
加したものであり、比較例1に示す従来のエポキシ樹脂
組成物と同等の難燃性、耐湿信頼性を有すると共に、比
較例1に示す従来のエポキシ樹脂組成物よりも優れた高
温曝露性を有することが確認できた。それに対して、比
較例2のものは、エポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ
樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物に、無機充填剤成分
を組成物全量に対して85〜88wt%の範囲内で使用
し、難燃剤成分として表面コーティングした赤燐系難燃
剤を組成物全量に対して1.0wt%以上添加したもの
であり、この条件下では、実施例1、2及び5のものと
同様に比較例1に示す従来のエポキシ樹脂組成物よりも
優れた高温曝露性を有するが、過剰の赤燐のため難燃性
と耐湿信頼性が比較例1のものよりも低下することが確
認できた。また、比較例3のものは、エポキシ樹脂にビ
フェニル型エポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物
に無機充填剤成分を組成物全量に対して85〜88wt
%の範囲内で使用し、難燃剤成分として表面コーティン
グした赤燐系難燃剤を組成物全量に対して0.05wt
%以下の範囲で添加したものであり、この条件下では、
実施例1、2及び5のもと同様に比較例1に示す従来の
エポキシ樹脂組成物よりも優れた高温曝露性を有する
が、難燃剤の添加量が不十分なため、難燃性が比較例1
のものよりも低下することが確認できた。
及びブロム化合物を含み、エポキシ樹脂にビフェニル型
エポキシ樹脂を使用した従来のエポキシ樹脂組成物であ
り、良好な難燃性と耐湿信頼性を有するが、難燃剤とし
てアンチモン及びブロム化合物を含むため、高温曝露性
が低いものであることが確認できた。実施例1、2及び
5のものは、エポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂
を使用したエポキシ樹脂組成物に無機充填剤成分を組成
物全量に対して85〜88wt%の範囲内で使用し、難
燃剤成分として表面コーティングした赤燐系難燃剤を組
成物全量に対して0.05〜1.0wt%の範囲内で添
加したものであり、比較例1に示す従来のエポキシ樹脂
組成物と同等の難燃性、耐湿信頼性を有すると共に、比
較例1に示す従来のエポキシ樹脂組成物よりも優れた高
温曝露性を有することが確認できた。それに対して、比
較例2のものは、エポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ
樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物に、無機充填剤成分
を組成物全量に対して85〜88wt%の範囲内で使用
し、難燃剤成分として表面コーティングした赤燐系難燃
剤を組成物全量に対して1.0wt%以上添加したもの
であり、この条件下では、実施例1、2及び5のものと
同様に比較例1に示す従来のエポキシ樹脂組成物よりも
優れた高温曝露性を有するが、過剰の赤燐のため難燃性
と耐湿信頼性が比較例1のものよりも低下することが確
認できた。また、比較例3のものは、エポキシ樹脂にビ
フェニル型エポキシ樹脂を使用したエポキシ樹脂組成物
に無機充填剤成分を組成物全量に対して85〜88wt
%の範囲内で使用し、難燃剤成分として表面コーティン
グした赤燐系難燃剤を組成物全量に対して0.05wt
%以下の範囲で添加したものであり、この条件下では、
実施例1、2及び5のもと同様に比較例1に示す従来の
エポキシ樹脂組成物よりも優れた高温曝露性を有する
が、難燃剤の添加量が不十分なため、難燃性が比較例1
のものよりも低下することが確認できた。
【0032】また、実施例3及び4のものは、エポキシ
樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂を使用したエポキシ樹
脂組成物に無機充填剤成分を組成物全量に対して88w
t%以上使用し、難燃剤成分として表面コーティングし
た赤燐系難燃剤を組成物全量に対して0.1wt%以下
の範囲で添加したものであり、これらについても比較例
1に示す従来のエポキシ樹脂組成物と同等の難燃性、耐
湿信頼性を有すると共に、比較例1に示す従来のエポキ
シ樹脂組成物よりも優れた高温曝露性を有することが確
認できた。これに対して、比較例4及び5のものは、エ
ポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂を使用したエポ
キシ樹脂組成物に無機充填剤成分を組成物全量に対して
88wt%以上使用し、難燃剤成分として表面コーティ
ングした赤燐系難燃剤を組成物全量に対して0.1wt
%以上の範囲で添加したものであり、この条件下では実
施例3及び4のもと同様に、比較例1に示す従来のエポ
キシ樹脂組成物よりも優れた高温曝露性を有するが、過
剰の赤燐のため難燃性が比較例1のものよりも低下する
ことが確認できた。
樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂を使用したエポキシ樹
脂組成物に無機充填剤成分を組成物全量に対して88w
t%以上使用し、難燃剤成分として表面コーティングし
た赤燐系難燃剤を組成物全量に対して0.1wt%以下
の範囲で添加したものであり、これらについても比較例
1に示す従来のエポキシ樹脂組成物と同等の難燃性、耐
湿信頼性を有すると共に、比較例1に示す従来のエポキ
シ樹脂組成物よりも優れた高温曝露性を有することが確
認できた。これに対して、比較例4及び5のものは、エ
ポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂を使用したエポ
キシ樹脂組成物に無機充填剤成分を組成物全量に対して
88wt%以上使用し、難燃剤成分として表面コーティ
ングした赤燐系難燃剤を組成物全量に対して0.1wt
%以上の範囲で添加したものであり、この条件下では実
施例3及び4のもと同様に、比較例1に示す従来のエポ
キシ樹脂組成物よりも優れた高温曝露性を有するが、過
剰の赤燐のため難燃性が比較例1のものよりも低下する
ことが確認できた。
【0033】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、エポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難燃剤を
含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填剤成分
をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88wt%の
範囲で配合し、難燃剤として表面コーティングした赤燐
系難燃剤をエポキシ樹脂組成物全量に対して0.05〜
1.0wt%の範囲で添加して成るため、ハロゲン系ま
たはアンチモン系の難燃剤を使用する必要がなく、環境
問題や環境衛生問題に対応することができるものである
と共に、エポキシ樹脂組成物の成形体の良好な難燃性及
び耐湿信頼性を維持することができるものである。
発明は、エポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難燃剤を
含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填剤成分
をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88wt%の
範囲で配合し、難燃剤として表面コーティングした赤燐
系難燃剤をエポキシ樹脂組成物全量に対して0.05〜
1.0wt%の範囲で添加して成るため、ハロゲン系ま
たはアンチモン系の難燃剤を使用する必要がなく、環境
問題や環境衛生問題に対応することができるものである
と共に、エポキシ樹脂組成物の成形体の良好な難燃性及
び耐湿信頼性を維持することができるものである。
【0034】また本発明の請求項2に記載の発明は、エ
ポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難燃剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物において、無機充填剤をエポキシ樹脂
組成物全量に対して88wt%以上配合し、難燃剤とし
て表面コーティングした赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組
成物全量に対して0.1wt%以下の範囲で添加して成
るため、ハロゲン系またはアンチモン系の難燃剤を使用
する必要がなく、環境問題や環境衛生問題に対応するこ
とができるものであると共に、エポキシ樹脂組成物の成
形体の良好な難燃性及び耐湿信頼性を維持することがで
きるものである。
ポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難燃剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物において、無機充填剤をエポキシ樹脂
組成物全量に対して88wt%以上配合し、難燃剤とし
て表面コーティングした赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組
成物全量に対して0.1wt%以下の範囲で添加して成
るため、ハロゲン系またはアンチモン系の難燃剤を使用
する必要がなく、環境問題や環境衛生問題に対応するこ
とができるものであると共に、エポキシ樹脂組成物の成
形体の良好な難燃性及び耐湿信頼性を維持することがで
きるものである。
【0035】また本発明の請求項3に記載の発明は、請
求項1又は2の構成に加えて、エポキシ樹脂として、少
なくともビフェニル型エポキシ樹脂を用いるため、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂組成物を半導体装置の封止材料に
用いた場合、ビフェニル型エポキシ樹脂による耐半田ク
ラック性を維持することができると共に、ハロゲン系ま
たはアンチモン系の難燃剤を使用する必要がないため半
導体装置の高温曝露時の動作信頼性を優れたものとする
ことができるものである。
求項1又は2の構成に加えて、エポキシ樹脂として、少
なくともビフェニル型エポキシ樹脂を用いるため、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂組成物を半導体装置の封止材料に
用いた場合、ビフェニル型エポキシ樹脂による耐半田ク
ラック性を維持することができると共に、ハロゲン系ま
たはアンチモン系の難燃剤を使用する必要がないため半
導体装置の高温曝露時の動作信頼性を優れたものとする
ことができるものである。
【0036】また本発明の請求項4に記載の発明は、請
求項1乃至3のいずれかの構成に加え、硬化剤として、
少なくともアラルキル型フェノール樹脂を用いるため、
エポキシ樹脂組成物の強度を高くすることができると共
に吸湿率を低減することができ、エポキシ樹脂組成物の
耐半田クラック性及び耐温度サイクル性を向上させるこ
とができるものである。
求項1乃至3のいずれかの構成に加え、硬化剤として、
少なくともアラルキル型フェノール樹脂を用いるため、
エポキシ樹脂組成物の強度を高くすることができると共
に吸湿率を低減することができ、エポキシ樹脂組成物の
耐半田クラック性及び耐温度サイクル性を向上させるこ
とができるものである。
【0037】また本発明の請求項5に記載の発明は、請
求項1乃至4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を
用い、リードフレームに搭載された半導体素子を封止し
て半導体装置を形成するため、環境問題や環境衛生問題
に対応した半導体装置を得ることができるものであり、
なお且つ良好な難燃性、耐湿信頼性を維持することがで
きるものであり、また高温曝露性、耐半田クラック性及
び耐温度サイクル性に優れた半導体装置を得ることがで
きるものである。
求項1乃至4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を
用い、リードフレームに搭載された半導体素子を封止し
て半導体装置を形成するため、環境問題や環境衛生問題
に対応した半導体装置を得ることができるものであり、
なお且つ良好な難燃性、耐湿信頼性を維持することがで
きるものであり、また高温曝露性、耐半田クラック性及
び耐温度サイクル性に優れた半導体装置を得ることがで
きるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/02 C08K 3/02 9/02 9/02 9/04 9/04 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31
Claims (5)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難
燃剤を含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填
剤成分をエポキシ樹脂組成物全量に対して85〜88w
t%の範囲で配合し、難燃剤として表面コーティングし
た赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂組成物全量に対して0.
05〜1.0wt%の範囲で添加して成ることを特徴と
するエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 エポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤、難
燃剤を含有するエポキシ樹脂組成物において、無機充填
剤をエポキシ樹脂組成物全量に対して88wt%以上配
合し、難燃剤として表面コーティングした赤燐系難燃剤
をエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1wt%以下の
範囲で添加して成ることを特徴とするエポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項3】 エポキシ樹脂として、少なくともビフェ
ニル型エポキシ樹脂を用いることを特徴とする、請求項
1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 硬化剤として、少なくともアラルキル型
フェノール樹脂を用いることを特徴とする、請求項1乃
至3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のエポ
キシ樹脂組成物を用い、リードフレームに搭載された半
導体素子を封止して成ることを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16925197A JPH1112444A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16925197A JPH1112444A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112444A true JPH1112444A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15883055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16925197A Pending JPH1112444A (ja) | 1997-06-25 | 1997-06-25 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1112444A (ja) |
-
1997
- 1997-06-25 JP JP16925197A patent/JPH1112444A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030204 |