JPH11124387A - 加水分解可能な基を有するケイ素含有電荷輸送剤の製造方法 - Google Patents

加水分解可能な基を有するケイ素含有電荷輸送剤の製造方法

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JPH11124387A
JPH11124387A JP9285678A JP28567897A JPH11124387A JP H11124387 A JPH11124387 A JP H11124387A JP 9285678 A JP9285678 A JP 9285678A JP 28567897 A JP28567897 A JP 28567897A JP H11124387 A JPH11124387 A JP H11124387A
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Rie Ishii
理恵 石井
Katsumi Nukada
克己 額田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶解性および成膜性に優れ、硬化して強固な膜
を形成し、有機EL素子および電子写真感光体等の有機
電子デバイスに応用可能な、加水分解して硬化可能なシ
リル基を有する電荷輸送剤を副反応を伴わずに高収率で
効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 トルエンスルホン酸エステルとグリニヤ
ー試薬とをカップリング反応させて下記一般式(1)で
示される加水分解可能なシリル基を有する電荷輸送剤を
製造する。 【化1】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ独立に置換または
未置換のアリール基を表し、Ar5 は置換もしくは未置
換のアリール基またはアリーレン基を表し、R1は水素
原子、アルキル基、または置換もしくは未置換のアリー
ル基を表し、R2はアルキル基を表し、nは2〜18、
lは1〜4、aは1〜3の整数を意味し、kは0または
1を意味する。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加水分解可能な基
を有するケイ素含有電荷輸送剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体の電荷輸送層を形成する
材料としては、従来から種々のものが提案され、高速の
複写機やプリンターにも使用されるようになっており、
更なる長寿命化が切望されている。有機感光体の寿命を
決定する重要な因子の一つが表面層の摩耗であるので、
現在主流となっている積層型の有機感光体の表面層とな
る電荷輸送層について、機械的強度の高いものが望まれ
ており、電荷輸送材料のポリマー化、低分子電荷輸送材
料を分散したバインダーポリマーまたはポリマー前駆体
の硬化による改質(シリコン系ポリマーまたはポリマー
前駆体の硬化による改質)、強固な微粒子の添加、例え
ばメラミン樹脂微粒子の添加等が試みられている。また
別のアプローチとして、ポリシロキサン樹脂を保護層と
して使用すること、または電荷輸送層に分散させること
による耐摩耗性の向上、クリーニング性の改善が検討さ
れている。
【0003】ポリシロキサン樹脂は、それ自身に電荷輸
送性がないため、ポリシロキサン単独で用いると残留電
位が残りやすく、電気特性的に問題がある。それを回避
する方法として、低分子の電荷輸送剤を添加することが
知られているが、低分子の電荷輸送剤を分散させるため
に、やはり機械的な強度の十分なものが得られないとい
う問題があった。またポリシロキサン樹脂は一般に有機
化合物と相溶するのが困難である。そこでポリシロキサ
ン樹脂に低分子の電荷輸送剤を相溶させる方法ではな
く、電荷輸送剤と直接化学結合させたポリシロキサン樹
脂を用いることが提案されている(米国特許第5116
703号明細書、特開平9−124794号公報、特開
平9−124942号公報、特開平9−124943号
公報、特開平9−127710号公報)。これらの提案
においては、加水分解可能な基を有するケイ素含有化合
物がゾルゲル法を用いた硬化反応により3次元架橋構造
のポリシロキサン樹脂となるため、強固な膜を生成する
ことができる。
【0004】従来提案されている電荷輸送剤と直接化学
結合させたポリシロキサン樹脂の形成に使用される加水
分解可能な基を有するケイ素含有電荷輸送剤の製造方法
については、例えば、3級アミンにアルコキシシリル基
を導入する方法が知られている。この方法においては、
3級アリールアミンの複数のアリール基の一部をホルミ
ル化し、これを付加脱水反応によってビニル基に変換し
た後、シラン化合物を用いてヒドロシリル化反応によっ
てアルコキシシリル基を導入するものであり、例えば、
特開平9−124942号公報、特開平9−12494
3号公報、特開平9−127710号公報等に開示され
ている。しかしながら、この方法におけるヒドロシリル
化反応は、α付加体のみならず異性体であるβ付加体の
混入が不可避である。またシラン化合物はオレフィンの
還元剤として知られており、ヒドロシリル化反応におい
て、アルコキシシリル基付加体のほかにオレフィンが還
元されたものが副生成物として副生する。副生成物が存
在すると、デバイス、特に電子写真感光体に用いた際に
電気特性の低下を招くので、反応終了後に副生成物の除
去を含めた精製が必要となってくる。ところで、一般に
アルコキシシリル基が導入された化合物は油状になるこ
とが多く、精製のために再結晶法を用いることができな
い場合が多い。再結晶法を利用できない場合は、副生成
物を除去するためには、蒸留か、または吸着剤を充填し
たカラム精製等による精製が必要である。
【0005】しかしながら、加水分解可能な基を有する
ケイ素含有電荷輸送剤の場合、分子量が大きすぎて蒸留
による精製は事実上実施不可能である。他方、カラム精
製は、アルコキシシリル基の反応性が高いため、吸着剤
上で生成物の分解反応が起こり、収率が低下する等の問
題があり、精製は本質的に困難であるという欠点があ
る。
【0006】以上のように、ヒドロシリル化反応による
アルコキシシリル基を導入する方法は、副生成物が同時
に生成するという問題と共に、その除去も困難であると
いう問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、従来の技術における上記の問題点を解決することを
目的としてなされたものである。本発明の目的は、溶解
性および成膜性に優れ、硬化して強固な膜を形成し、有
機EL素子および電子写真感光体等、種々の有機電子デ
バイスに応用可能な、硬化可能なシリル基を有する電荷
輸送剤として有用な化合物を、副反応を伴わずに高収率
で効率的に製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題に対し鋭意検討した結果、電荷輸送剤にシリル基を導
入する方法において、トルエンスルホン酸エステルとグ
リニヤー試薬とのカップリング反応により高収率で副反
応を伴わずに目的化合物が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明のケイ素含有電荷輸送剤
の製造方法は、トルエンスルホン酸エステルと末端にア
ルコキシシリル基を有するグリニヤー試薬のカップリン
グ反応を行うことを特徴とするものであって、下記一般
式(1)で示される加水分解可能な基を有するケイ素含
有電荷輸送剤を製造するものである。
【0010】
【化5】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ独立に置換または
未置換のアリール基を表し、Ar5 は置換もしくは未置
換のアリール基またはアリーレン基を表し、R1は水素
原子、アルキル基、または置換もしくは未置換のアリー
ル基を表し、R2はアルキル基を表し、nは2〜18、
lは1〜4、aは1〜3の整数を意味し、kは0または
1を意味する。)
【0011】より具体的には、上記一般式(1)で示さ
れる加水分解可能な基を有するケイ素含有電荷輸送剤
は、下記一般式(2)で示される化合物と、下記一般式
(3)で示される化合物とをカップリング反応させるこ
とによって合成される。
【化6】 (式中、Tsはパラトルエンスルホニル基を表し、mは
1〜17の整数を意味し、Ar1 〜Ar5 、kおよびl
は、上記一般式(1)における定義と同意義を有す
る。) Hal−Mg−(CH2 n-m −SiR1 3-a (OR2 a (3) (式中、Halはハロゲン原子を表し、mは1〜17の
整数を意味し、R1 、R2 、aおよびnは、式(1)に
おける定義と同意義を有する。)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における上記の製造方法
は、従来のヒドロシリル化反応のようなβ異性体の混入
がなく、また、グリニヤー反応後に生成するマグネシウ
ム化合物は、抽出により容易に分離が行えるので、製造
上有利である。なお、トルエンスルホン酸エステルとグ
リニヤー試薬との反応は、J.Am.Chem.So
c.,109,7488(1987)に開示されている
が、反応性シリル基を有する上記一般式(1)で示され
る電荷輸送剤の製造に関しては全く開示されていない。
【0013】本発明における上記一般式(1)で示され
る化合物において、加水分解可能な基を有するケイ素含
有電荷輸送剤の電荷輸送を担う部分は、下記式(1−
a)で示される構造の部分である。
【化7】 (式中、Ar1 〜Ar5 及びkは上記一般式(1)と同
義である。)
【0014】本発明における上記一般式(1)で示され
る化合物において、加水分解可能な基である反応性シリ
ル基は、電荷輸送機能部と炭化水素を介して結合してい
るため、有機光導電体の設計が容易になる。なぜなら
ば、反応性シリル基が電荷輸送機能部と直接結合してい
る場合には、電荷輸送機能部の芳香環のπ電子が、ケイ
素のd電子とπ―d相互作用を生じて電荷輸送機能部の
イオン化ポテンシャルが変化し、有機光導電体の設計が
難しくなってしまうからである。
【0015】一般式(1)において、nは、ケイ素と電
荷輸送機能部を結ぶアルキレン鎖数を表す。加水分解性
基OR2 として、例えばアルコキシ基の場合、炭素数1
〜6までの直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を有する
アルコキシ基の中から、硬化反応時の反応性、安全性な
どを考慮し目的に応じて選択される。一般式(1)中の
aは、ケイ素原子上の加水分解性基の数を表すが、aの
数が増加するごとに加水分解可能な基が増加して硬化後
の硬度に影響を与え、また親水性も増加するので、aの
数値は目的用途に応じて選択される。
【0016】本発明によって合成される電荷輸送剤につ
いて、具体的な化合物例を表1〜表18に示す。なお、
表中、Meはメチル基、Etはエチル基を意味し、ま
た、Ar2 、Ar3 およびAr5 の欄のXは、表のX欄
に示すシリル基が置換されることを示すためのものであ
る。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】
【表5】
【0022】
【表6】
【0023】
【表7】
【0024】
【表8】
【0025】
【表9】
【0026】
【表10】
【0027】
【表11】
【0028】
【表12】
【0029】
【表13】
【0030】
【表14】
【0031】
【表15】
【0032】
【表16】
【0033】
【表17】
【0034】
【表18】
【0035】まず、原料の一般式(2)で示されるトル
エンスルホン酸エステルの合成法について説明する。ト
ルエンスルホン酸エステルは、p−トルエンスルホン酸
と下記一般式(4)で示されるヒドロキシル誘導体とか
ら、Encyclopedia of Reagent
s for Organic Synthesis,v
ol.7,p.4946〜4951(John Wil
ey & Sons,1995)に記載されたような常
法により合成される。
【0036】
【化8】 (式中、Ar1 〜Ar5 、kおよびmは、上記と同意義
を有する。)
【0037】p−トルエンスルホン酸の使用量は、ヒド
ロキシル誘導体に対し通常は、1〜3当量、好ましくは
1〜2当量の範囲である。反応は、トルエン、ベンゼ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶剤を使用する
ことによって行うことができる。使用する溶剤の量は、
ヒドロキシル誘導体1重量部に対して1〜50重量部、
好ましくは1.5〜30重量部の範囲で用いられる。さ
らに反応を促進させるために、ピリジン、トリエチルア
ミン等のアミン試薬を加えてもよい。これらの量は任意
であるが、ヒドロキシル誘導体1重量部に対し0.00
1〜5重量部、好ましくは0.005〜3重量部で用い
られる。反応温度は、0℃〜溶剤の沸点の間で任意に設
定することができる。反応終了後、所望に応じて添加さ
れた過剰のアミン試薬は、減圧蒸留または抽出水洗によ
り除去することが望ましい。得られた一般式(2)で示
されるトルエンスルホン酸エステルは、所望によって、
カラムクロマトグラフィー、再結晶等によって精製さ
れ、次の反応に用いられる。
【0038】また、他の原料の一般式(3)で示される
グリニヤー試薬は、下記一般式(5)で示されるハロゲ
ン化アルキルとマグネシウムから、「新実験化学講座、
第12巻、有機金属化学」(丸善、1976年発行)の
第62ないし70頁、及びTetrahedron L
etters,34(13),2111―2114(1
993)に記載されたような常法により合成することが
できる。 Hal−(CH2 n-m −SiR1 3-a (OR2 a (5) (式中、Halはハロゲン原子を表し、mは1〜17の
整数を意味し、R1 、R2 、aおよびnは、式(1)に
おける定義と同意義を有する。) 上記の化合物において、ハロゲン:Halは、よう素、
臭素、塩素から選ばれ、反応性を考慮に入れた場合、臭
素または塩素が好ましい。
【0039】マグネシウムは、上記ハロゲン化アルキル
に対し1〜2モル当量、好ましくは1〜1.5モル当量
使用される。マグネシウムは、表面積ができるだけ大き
く、表面に酸化物の付着がないような活性の高いものが
好ましい。
【0040】反応には、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等の溶剤を使用できる。ここで用いる反応溶剤
は、生成したグリニヤー試薬が水と反応して分解反応が
進行するため、無水かまたは可能な限り脱水したものが
好ましい。使用する溶剤の量は、上記ハロゲン化アルキ
ル1重量部に対して1〜50重量部、好ましくは1.5
〜30重量部の範囲で用いられる。さらに反応を促進す
るために、よう素、エチルブロマイド等を加えてもよ
い。これらの量は任意であるが、ハロゲン化アルキル1
重量部に対し0.001〜0.1重量部、好ましくは
0.005〜0.1重量部の範囲で用いられる。反応初
期は、―80℃〜30℃で上記ハロゲン化アルキルを滴
下をする。滴下後は、―20℃〜30℃好ましくは−2
0℃〜0℃で反応を行ない、グリニヤー試薬を含有する
反応溶液が得られる。
【0041】得られた反応溶液は、そのまま本発明の反
応であるトルエンスルホン酸エステルとのカップリング
反応に用いることができる。一般式(2)で示されるト
ルエンスルホン酸エステルと一般式(3)で示されるグ
リニヤー試薬のカップリング反応は、J.Am.Che
m.Soc.,109,7488(1987)に記載さ
れたような方法により行うことができる。トルエンスル
ホン酸エステルは、グリニヤー試薬に対し、1〜3モル
当量、好ましくは1〜2当量の範囲で使用される。反応
には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の溶剤
を使用することができる。その場合、使用する溶剤とし
ては、グリニヤー試薬が水と反応して分解反応が進行す
るため、無水かまたは可能な限り脱水したものが好まし
い。使用する溶剤の量は、上記トルエンスルホン酸エス
テル1重量部に対して1〜50重量部、好ましくは1.
5〜30重量部の範囲で用いられる。反応初期には、―
80℃〜0℃でグリニヤー試薬を滴下する。滴下終了
後、―20℃〜30℃、好ましくは−20℃〜0℃にお
いて反応させる。反応終了後、マグネシウム化合物を抽
出により除去することが望ましい。
【0042】
【実施例】
(パラトルエンスルホン酸エステル(2−1)の合成)
2つ口フラスコに、下記式(4−1)で示される3級ア
ミンのヒドロキシル体32.6gおよびトシルクロライ
ド22.8gをとり、ジクロロメタン500mlに溶か
しトリエチルアミン16.2g加え、窒素気流下加熱還
流を8時間行った。反応終了後、反応液をジクロロメタ
ンで抽出水洗後、硫酸ナトリウムにより乾燥し、ジクロ
ロメタンを留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィ(シリカゲル400g、溶出液ト
ルエン/ヘキサン=1/3)にかけた後、酢酸エチル/
エタノールから再結晶し、下記式(2−1)で示される
パラトルエンスルホン酸エステルの無色結晶を得た。収
量36.1g(80%収率)。融点105〜107℃。
その赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【化9】 (シリル基を有するグリニヤー試薬の合成)Tetra
hedron Letters,34(13),211
1―2114(1993)に記載されたような常法によ
り、トリエトキシシリルメチルクロライド0.90gと
マグネシウム0.10gとをテトラヒドロフラン(TH
F)10ml中で氷冷、窒素気流下で反応させて、グリ
ニヤー試薬を合成し、トリエトキシシリルメチルマグネ
シウムクロライドの無水THF溶液を得た。
【0043】(パラトルエンスルホン酸エステルとシリ
ル基を有するグリニヤー試薬のカップリング反応による
例示化合物No.114の合成)滴下漏斗を備え付けた
2つ口フラスコに、上記のようにして得られた式(2−
1)で示されるパラトルエンスルホン酸エステルを1.
90gとり、無水THF20mlに縣濁させ、窒素気流
下氷冷した。これに、トリエトキシシリルメチルマグネ
シウムクロライド1.0gを含む無水THF溶液を滴下
し、徐々に昇温し、室温にて3時間攪拌した。反応の終
了を確認した後、反応溶液に塩化アンモニウム水溶液を
加え、セライトに通してろ過し、濾液をジクロロメタン
により抽出した。抽出物を水洗した後、硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧下溶媒を留去して、下記式で示される薄
黄色オイル(例示化合物No.114)を得た。収量
1.21g(収率:60%)。その赤外吸収スペクトル
を図2に示す。
【0044】
【化10】
【0045】
【発明の効果】本発明は、トルエンスルホン酸エステル
とグリニヤー試薬とをカップリング反応させるから、溶
解性および成膜性に優れ、硬化して強固な膜を形成し、
有機EL素子および電子写真感光体等、種々の有機電子
デバイスに応用可能な、加水分解して硬化可能なシリル
基を有する電荷輸送剤を副反応を伴わずに高収率で効率
的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で使用したパラトルエンスルホン酸エ
ステルの赤外吸収スペクトル図である。
【図2】 実施例で合成された本発明の加水分解可能な
電荷輸送剤の赤外吸収スペクトル図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルエンスルホン酸エステルとグリニヤ
    ー試薬とをカップリング反応させることを特徴とする加
    水分解可能な基を有するケイ素含有電荷輸送剤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 加水分解可能な基を有するケイ素含有電
    荷輸送剤が下記一般式(1)で示されることを特徴とす
    る請求項1記載の製造方法。 【化1】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ独立に置換または
    未置換のアリール基を表し、Ar5 は置換もしくは未置
    換のアリール基またはアリーレン基を表し、R1は水素
    原子、アルキル基、または置換もしくは未置換のアリー
    ル基を表し、R2はアルキル基を表し、nは2〜18、
    lは1〜4、aは1〜3の整数を意味し、kは0または
    1を意味する。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(2)で示される化合物と、
    下記一般式(3)で示される化合物とをカップリング反
    応させることを特徴とする請求項1または2記載の加水
    分解可能な基を有するケイ素含有電荷輸送剤の製造方
    法。 【化2】 (式中、Tsはパラトルエンスルホニル基を表し、mは
    1〜17の整数を意味し、Ar1 〜Ar5 、kおよびl
    は、上記一般式(1)における定義と同意義を有す
    る。) Hal−Mg−(CH2 n-m −SiR1 3-a (OR2 a (3) (式中、Halはハロゲン原子を表し、mは1〜17の
    整数を意味し、R1 、R2 、aおよびnは、式(1)に
    おける定義と同意義を有する。)
  4. 【請求項4】 下記一般式(2)で示されるトルエンス
    ルホン酸エステルと、下記一般式(3)で示されるグリ
    ニヤー試薬とをカップリング反応させることを特徴とす
    る下記一般式(1)で示される加水分解可能な基を有す
    るケイ素含有化合物の製造方法。 【化3】 (式中、Ar1 〜Ar4 は、それぞれ独立に置換または
    未置換のアリール基を表し、Ar5 は置換もしくは未置
    換のアリール基またはアリーレン基を表し、Tsはパラ
    トルエンスルホニル基を表し、lは1〜4の整数を意味
    し、kは0または1を意味し、mは1〜17の整数を意
    味する。) Hal−Mg−(CH2 n-m −SiR1 3-a (OR2 a (3) (式中、Halはハロゲン原子を表し、R1 は水素原
    子、アルキル基または置換もしくは未置換のアリール基
    を表し、R2 はアルキル基を表し、aは1〜3の整数を
    意味し、nは2〜18の整数を意味し、mは上記と同意
    義を有する。) 【化4】 (式中、Ar1 〜Ar5 、R1 、R2 、a、k、lおよ
    びnは、上記と同意義を有する。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000215987A (ja) * 1999-01-25 2000-08-04 Sumitomo Chem Co Ltd 高分子発光素子
JP2001305772A (ja) * 2000-04-18 2001-11-02 Fuji Xerox Co Ltd 電子デバイス、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置

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JP2000215987A (ja) * 1999-01-25 2000-08-04 Sumitomo Chem Co Ltd 高分子発光素子
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