JPH11123954A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員に広がりを感じさせる斬新な表示を行う
ことのできる車両用表示装置を提供すること。 【解決手段】 車両情報の背景を表示する第２計器は、
背景表示板９の表面に星空をイメージした表示がカラー
印刷されている。この星空をイメージした表示は、宇宙
空間９ａに多数の星９ｂが散りばめられた状態を示すも
ので、ランプ１０の光が背景表示板９を透過することに
より、宇宙空間９ａが例えば黒色や紺色に発光し、その
宇宙空間９ａに散りばめられた多数の星９ｂが例えば白
色に発光する。第２計器の６個のランプ１０は、点灯回
路を通じて順次点滅する様に通電制御されている。従っ
て、６個のランプ１０が順次点滅することにより、背景
表示板９を透過する表示光の明るさが常に変化し、背景
表示板９が部分的に明るくなったり暗くなったりするた
め、運転者が幻想的な感覚を味わうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両情報を表示す
るための車両用表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来技術として、例えば特公平５−１０
６７５号公報に記載された車両用表示装置がある。この
指針装置は、ハーフミラーを用いて実像と虚像とを組み
合わせることにより表示情報に遠近感を持たせている。
また、ハーフミラーを使用した他の従来技術として、特
開平３−２７３９４５号公報に記載された車両用表示装
置がある。この指針装置は、ハーフミラーの後方に計器
の発光指針を配置し、ハーフミラーの前方に指針対応表
示部を配置して、その指針対応表示部の周囲に周壁を設
けることにより、表示面の周囲に立体感及び奥行き感を
与えてデザイン性を高めている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
計器は、何れもハーフミラーを使用して単に立体感を持
たせた表示を行っているだけであり、斬新性に乏しいと
言える。本発明は、上記事情に基づいて成されたもの
で、その目的は、広がりを感じさせる斬新な表示を行う
ことのできる車両用表示装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

（請求項１の手段）第２の表示板に表示される背景は、
星空をイメージした表示であり、その星空の明るさ、ま
たは色を変化させている。これにより、表示面に宇宙的
な広がりを表現することができ、且つ星空の明るさや色
の変化による幻想的な感覚を味わうことができるため、
運転者に極めて斬新な感じを与えることができる。

【０００５】（請求項２の手段）暗部に微小な明点を散
らした表示により星空のイメージを表現することができ
る。これにより、微小な明点の大きさ、数、配置等に応
じて多様な星空のイメージを容易に表現できる。

【０００６】（請求項３の手段）星空をイメージした背
景を表示する第２の表示板を表示方向に奥行きを持たせ
ることにより、背景自体に奥行き感が付与されるため、
更に宇宙的な広がり感を表現することが可能となる。

【０００７】（請求項４の手段）スイッチがオンされた
時に第１の光源と第２の光源とを時間差を付けて点灯す
ることにより、車両情報と背景とを時間差を持って表示
することができるため、運転者に対して面白みを演出す
ることができ、より斬新なイメージを与えることができ
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、本発明の車両用表示装置を
図面に基づいて説明する。 （第１実施例）図１は車両用表示装置の断面図である。
車両用表示装置１は、車両情報を表示するための第１計
器２、車両情報の背景を表示するための第２計器３、及
び車両情報と背景の何方か一方を実像で、他方を虚像で
表示する（本実施例では車両情報を実像で、背景を虚像
で表示する）ハーフミラー４を備える。

【０００９】第１計器２は、以下に詳述する計器板５
（第１の表示板）、表示装置６、ランプ７等より構成さ
れ、運転席前方のインストルメントパネル（図示しな
い）に組み込まれている。計器板５は、透明な板材（例
えばアクリル樹脂板）の表面に黒色印刷層が形成され、
その黒色印刷層に車両速度、エンジン回転数、燃料残
量、冷却水温度等を示す目盛、数字、文字等の表示部５
ａ〜５ｄが打ち抜かれて形成されている。なお、表示部
５ａ〜５ｄは、図２に示す様に、車両速度を示す表示部
５ａ、エンジン回転数を示す表示部５ｂ、燃料残量を示
す表示部５ｃ、冷却水温度を示す表示部５ｄである。

【００１０】表示装置６は、計器板５の車両速度、エン
ジン回転数、燃料残量、冷却水温度を指示する各指針６
ａと、これら各指針６ａを駆動する駆動装置６ｂとを備
える。駆動装置６ｂは、計器板５の裏側で各表示部５ａ
〜５ｄに対応する位置に配され、計器板５とケース８と
の間に保持されている。各指針６ａは、通電を受けて発
光する発光ダイオードや冷陰極管等が使用され、各駆動
装置６ｂの指針軸６ｃに支持されている。ランプ７は、
計器板５の各表示部５ａ〜５ｄの裏側に配されて、それ
ぞれケース８に保持され、通電を受けて発光することに
より計器板５を照明する。なお、計器板５は、ランプ７
の光が各表示部５ａ〜５ｄを透過することによって各表
示部５ａ〜５ｄが発光表示される。

【００１１】第２計器３は、背景表示板９（第２の表示
板）とランプ１０及び、その背景表示板９とランプ１０
を保持するケース１１を備え、図１に示す様に、第１計
器２より運転者側で第１計器２より上方に配されて、第
１計器２に対して互いの光軸が直交する向きに配置され
ている。背景表示板９は、透過性を有する板材（例えば
アクリル樹脂板）から成り、その表面に星空をイメージ
した表示がカラー印刷されている。この星空をイメージ
した表示は、図３に示す様に、宇宙空間９ａに多数の星
９ｂが散りばめられた状態を示すもので、ランプ１０の
光が背景表示板９を透過することにより、宇宙空間９ａ
が例えば黒色や紺色に発光し、その宇宙空間９ａに散り
ばめられた多数の星９ｂが例えば白色に発光する。ラン
プ１０は、背景表示板９の裏側に複数個（例えば６個）
配されて、それぞれケース１１に保持され、通電を受け
て発光することにより背景表示板９を照明する。なお、
各ランプ１０は、背景表示板９の全体をムラなく照明で
きる様に、背景表示板９の平面内で互いに適宜な間隔を
空けて配置されている（図３及び図４参照）。

【００１２】ハーフミラー４は、図１に示す様に、第１
計器２の計器板５を見る運転者の視線Ａに対して所定の
角度（例えば４５度）で傾斜（但し、ハーフミラー４の
運転者側表面が斜め上方を向いた状態）して配され、計
器板５の周囲を覆う見返し板１２に保持されている。な
お、第２計器３のハーフミラー４に対する位置及び角度
は、背景表示板９を透過したランプ１０の光がハーフミ
ラー４で反射し、第１計器２の計器板５より後方の位置
（図１の破線位置）に虚像を表示するように設定されて
いる。第１計器２のランプ７、第２計器３のランプ１
０、及び各指針６ａは、図５に示す様に、車両のイグニ
ッションスイッチ１３がＯＮ操作されると、車載バッテ
リ１４を電源として点灯回路１５を通じて通電される。
また、第２計器３の６個のランプ１０は、点灯回路１５
を通じて順次点滅する様に通電制御されている。

【００１３】次に、本実施例の作動を説明する。イグニ
ッションスイッチ１３がＯＮ操作されて各ランプ７、１
０及び各指針６ａが通電されると、各指針６ａの表示
光、及び計器板５に印刷された目盛、数字、文字等の表
示部５ａ〜５ｄを透過した表示光がハーフミラー４を透
過することにより、運転者は各指針６ａ及び計器板５の
表示（表示部５ａ〜５ｄ）を実像として視認できる。一
方、背景表示板９に印刷された星空イメージの背景は、
ランプ１０により照明されることで、その表示光がハー
フミラー４で反射し、図１に示す破線位置で虚像として
投影される。従って、運転者は、計器板５に照明される
表示（実像）を星空イメージの背景に重ねて視認するこ
とができる。

【００１４】（本実施例の効果）本実施例では、虚像と
して投影した星空イメージの背景に車両情報を実像とし
て重ね合わせて表示することにより、ハーフミラー４の
表示面に宇宙的な広がり感をもたせることができ、運転
者に今までにない斬新な感じを与えることができる。ま
た、背景表示板９を照明する６個のランプ１０が順次点
滅することにより、背景表示板９を透過する表示光の明
るさが常に変化し、背景表示板９が部分的に明るくなっ
たり暗くなったりするため、運転者が幻想的な感覚を味
わうことができる。なお、上記実施例では、第２計器３
の６個のランプ１０を順次点滅させているが、各ランプ
１０の明るさを調節することで背景表示板９を透過する
表示光の明るさを変化させても良い。

【００１５】（第２実施例）図６は第２計器３の断面図
である。本実施例は、各ランプ１０の周囲にそれぞれラ
ンプ１０の光を遮るシャッタ１６を設けた一例を示すも
ので、このシャッタ１６を回転させて各ランプ１０毎に
シャッタ１６の位置を変化させている。これにより、背
景表示板９を照明する各ランプ１０の光量がシャッタ１
６の回転位置に応じて変化し、その結果、背景表示板９
が部分的に明るくなったり暗くなったりするため、第１
実施例と同様の効果を得ることができる。

【００１６】（第３実施例）図７は第２計器３の断面図
である。本実施例は、背景表示板９の裏側にミラーボー
ルの様な反射鏡１７を配置した一例を示すもので、この
反射鏡１７を回転させながら背景表示板９を照明するも
のである。この場合、反射鏡１７に反射した各ランプ１
０の光が反射鏡１７の回転によって背景表示板９をラン
ダムに照射するため、背景表示板９を透過する表示光の
明るさが常に変化して、背景表示板９が部分的に明るく
なったり暗くなったりするため、第１実施例と同様の効
果を得ることができる。

【００１７】（第４実施例）図８は第２計器３の断面図
（図１のＢ−Ｂ断面図に相当）である。本実施例は、図
８に示す様に背景表示板９を湾曲させた一例であり、こ
れによって、より宇宙的な広がりを感じさせることが可
能となる。この場合、ランプ１０の代わりに、例えばＥ
Ｌ（エレクトロルミネッセンス）の様な面発光する光源
１８を背景表示板９の裏面に沿って配置しても良い。

【００１８】（第５実施例）図９は車両用表示装置の断
面図である。本実施例は、図９に示す様に、ハーフミラ
ー４を第１実施例の場合と反対側へ傾斜させて、第２計
器３をハーフミラー４の下方側に配置した一例を示すも
のである。

【００１９】（第６実施例）本実施例は、第１計器２の
ランプ７、第２計器３のランプ１０、及び各指針６ａ
を、図５に示した点灯回路１５を通じて時間差をつけて
点灯させる場合の例を示すものである。例えば、第２計
器３のランプ１０を点灯して星空イメージの背景を表示
した後、１秒後に各指針６ａを点灯し、更に１秒後、第
１計器２のランプ７を点灯して車両情報を表示すること
により、運転者に斬新な感覚を与えることができる。各
ランプ７、１０及び各指針６ａの点灯順序は、上記の例
に限らず多様な組合わせが可能である。また、第２計器
３のランプ１０を昼間時（ヘッドライトＯＦＦ）には点
灯せずに、夜間時（ヘッドライトＯＮ）のみ点灯する様
にすれば、昼間と夜間とで異なったイメージを得ること
ができる。

【００２０】（変形例）上記実施例では、第２計器３の
背景表示板９を部分的に明るくしたり暗くすることによ
り幻想的な表示を行う様にしているが、各ランプ１０の
色を変化させながら背景表示板９を照明する様に構成し
ても良い。この場合、各ランプ１０は常時点灯した状態
でも良いし、点滅させても良い。あるいは第２実施例に
記載した様にシャッタ１６を用いても良いし、第３実施
例に記載した様に反射鏡１７を用いても良い。これによ
り、背景表示板９に対し、明るさの変化とともに色の変
化も加わるため、より幻想的な星空のイメージを表示す
ることができる。

【００２１】本実施例では、第１計器２の表示（車両情
報）を実像で表示し、第２計器３の表示（背景）を虚像
で表示したが、第２計器３の表示を実像で表示し、第１
計器２の表示を虚像で表示しても良い。第１計器２及び
第２計器３の光源としては、第１実施例に示したランプ
７、１０及び第４実施例に示したＥＬ１８の他に、ＬＥ
Ｄ（発光ダイオード）や冷陰極管等を使用しても良い。
また、各指針６ａの照明は、本実施例で説明した様にＬ
ＥＤや冷陰極管等を用いても良いが、第１計器２のラン
プ７の光を導光して使用しても良い。計器板５及び背景
表示板９の裏側に光源からの光を拡散する拡散材を配置
したり、拡散印刷を行っても良い。また、照明の明るさ
ムラを調整するための照明バランス印刷を行っても良
い。更には、ハーフミラー４の表面に増反射層を設け
て、第２計器３の表示光を反射し易くすることもでき
る。

【００２２】本実施例では、計器板５より後方（図１の
破線位置）に第２計器３の虚像（背景）を表示するよう
に設定したが、ハーフミラー４の位置や角度、あるいは
計器板５や背景表示板９の位置を調整することによっ
て、背景を計器板５に表示される車両情報と同じ位置に
表示しても良いし、車両情報より前方に表示しても良
い。あるいは、図１の破線位置より更に後方に表示する
こともできる。背景表示板９は、例えば販売店にて交換
可能としても良い。これにより、運転者（車両購入者）
は、自分の好みの背景（星空イメージ）を選択すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】車両用表示装置の断面図である。

【図２】計器板の正面図である。

【図３】背景表示板の正面図である。

【図４】第２計器の断面図である。

【図５】本実施例の電気回路図である。

【図６】第２計器の断面図である（第２実施例）。

【図７】第２計器の断面図である（第３実施例）。

【図８】第２計器の断面図である（第４実施例）。

【図９】車両用表示装置の断面図である（第５実施
例）。

【符号の説明】

１ 車両用表示装置 ４ ハーフミラー ５ 計器板（第１の表示板） ５ａ 車両速度を示す表示部 ５ｂ エンジン回転数を示す表示部 ５ｃ 燃料残量を示す表示部 ５ｄ 冷却水温度を示す表示部 ７ ランプ（第１の光源） ９ 背景表示板（第２の表示板） ９ａ 宇宙空間（背景を表す表示部） ９ｂ 星（背景を表す表示部） １０ ランプ（第２の光源） １３ イグニッションスイッチ（スイッチ）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両情報に関する目盛、数字、文字等の表
   示部を有する第１の表示板と、 前記車両情報の背景を表すための表示部を有する第２の
   表示板と、 前記第１の表示板を照明する第１の光源と、 前記第２の表示板を照明する第２の光源と、 前記第１の表示板を透過した表示光と前記第２の表示板
   を透過した表示光の何方か一方を透過させて実像として
   表示し、他方を反射させて虚像として表示するハーフミ
   ラーとを備え、 前記第２の表示板に表示される背景は、星空をイメージ
   した表示であり、その星空の明るさ、または色を変化さ
   せることを特徴とする車両用表示装置。
2. 【請求項２】前記星空のイメージは、暗部に微小な明点
   を散らして表示されることを特徴とする請求項１に記載
   した車両用表示装置。
3. 【請求項３】前記第２の表示板は、表示方向に奥行きを
   有することを特徴とする請求項１または２に記載した車
   両用表示装置。
4. 【請求項４】前記第１の光源と前記第２の光源は、スイ
   ッチがオンされた時に時間差を付けて点灯することを特
   徴とする請求項１〜３に記載した何れかの車両用表示装
   置。