JPH11123873A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH11123873A
JPH11123873A JP9309310A JP30931097A JPH11123873A JP H11123873 A JPH11123873 A JP H11123873A JP 9309310 A JP9309310 A JP 9309310A JP 30931097 A JP30931097 A JP 30931097A JP H11123873 A JPH11123873 A JP H11123873A
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勇 栗林
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性が良好であり、記録線速度が高い場合
でも低パワーで記録することが可能であり、位相差トラ
ッキング信号の出力および変調度を十分に大きくできる
追記型光記録媒体を提供する。 【解決手段】 基体表面上に記録層を有し、この記録層
上に金属からなる反射層を有し、記録層がTe、Ge、
CおよびHを主成分とし、主成分全体に対するCとHと
の合計が原子比で40%以下であり、記録層の厚さをt
R、記録再生光の波長をλ、記録層の屈折率をnR、0以
上の整数をNとしたとき、tRが、 式I tR=(λ/4nR)(2N+x) (上記式Iにおいて、x=0.2〜1.0である)を満
足し、基体裏面側から入射した波長λの光の反射率が1
0〜60%である光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、追記型の光記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報媒体としてはコンパクトディ
スク(CD)が最も一般的に使用されている。CDフォ
ーマットでは、70%以上の反射率が要求される。この
ため、CD再生装置で再生可能な追記型光記録媒体に
も、反射率が70%以上であることが要求される。
【0003】現在のところ、CD再生装置で再生可能な
追記型媒体としては、70%以上の反射率を容易に達成
できること、生産性が高く製造コストが安いことなどか
ら、有機色素を用いた記録層と金属反射層とを積層した
CD−Rが実用化されている。
【0004】一方、CDフォーマットでの再生が可能な
追記型媒体に、無機記録材料を利用する提案もなされて
いる。例えば、特開平8−258416号公報には、基
板上に記録層と光反射層とを有し、記録層が化学式 TeaGebcde [a、b、c、d、eは原子百分率であり、(c+d)
>40、d>10、a>5、b>5、e≧0、a+b+
c+d+e=100] からなる物質を含み、素子反射率Rmaxが波長約780n
mで約70%以上である光学素子が記載されている。こ
の光学素子は、70%を超える高い反射率を示すにもか
かわらず、低いパワーで記録できることを特徴としてい
る。
【0005】ところで、次世代の再生専用媒体として注
目されているDVD−ROMは、要求される反射率の下
限がCDよりも低い。したがって、DVD−ROM互換
の追記型媒体は、CD互換の追記型媒体よりも設計が容
易である。ただし、DVD−ROMでは、位相差トラッ
キング方式が採用されているので、位相差トラッキング
信号の出力が十分に大きくなるように記録層の厚さを最
適化する必要がある。
【0006】上記特開平8−258416号公報に記載
された光学素子は、70%以上の反射率が得られるた
め、反射率の点ではDVD−ROM互換の追記型媒体と
して問題ないが、本発明者らの検討の結果、以下の問題
があることがわかった。
【0007】 記録層の耐光性が低いため、信頼性が
不十分である。 同公報の実施例では線速度2.8m/sで記録を行っ
ており、この場合には最小記録出力が7mWと比較的小さ
くなっている。しかし、同公報記載の光学素子は反射率
が高すぎるため、線速度が高くなると記録に必要なレー
ザーパワーが大きくなりすぎてしまう。したがって、記
録線速度の高速化に対応することが困難である。 記録層の厚さによっては、位相差トラッキング信号
の強度が十分に大きくならないことがあり、また、変調
度が十分に大きくならないことがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐光
性が良好であり、記録線速度が高い場合でも低パワーで
記録することが可能であり、位相差トラッキング信号の
出力および変調度を十分に大きくできる追記型光記録媒
体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
下記(1)および(2)のいずれかの構成により達成さ
れる。 (1) 基体表面上に記録層を有し、この記録層上に金
属からなる反射層を有し、記録層がTe、Ge、Cおよ
びHを主成分とし、主成分全体に対するCとHとの合計
が原子比で40%以下であり、記録層の厚さをtR、記
録再生光の波長をλ、記録層の屈折率をnR、0以上の
整数をNとしたとき、tRが、 式I tR=(λ/4nR)(2N+x) (上記式Iにおいて、x=0.2〜1.0である)を満
足し、基体裏面側から入射した波長λの光の反射率が1
0〜60%である光記録媒体。 (2) 反射層が、Al、Au、Ag、Pt、Cu、N
i、CrおよびTiの少なくとも1種を含有する上記
(1)の光記録媒体。
【0010】
【作用および効果】本発明では、Te、Ge、Cおよび
Hを主成分とする記録層を有する追記型光記録媒体にお
いて、反射率をCDよりも低く抑えることにより生じる
設計の自由度を利用して、位相差トラッキングへの最適
化、変調度の向上、耐光性の向上および記録感度の向上
を実現する。
【0011】具体的には、主成分全体に対するCとHと
の合計を原子比で上記範囲とすることにより、耐光性を
改善する。また、反射率を低く抑えることにより、記録
感度を向上させる。また、記録層の厚さtRおよび反射
率を上記範囲に設定することにより、位相差トラッキン
グ信号の出力および変調度を十分に大きくする。
【0012】ところで、前記特開平8−258416号
公報には、記録層中のC+Hの原子百分率が20%であ
って、干渉曲線の第1の最大に対応する反射率が40.
6%である例が記載されている。この例は、反射率が7
0%に達しないため、同公報記載の発明が目的とするも
のではない。ただし、この例における反射率は、本発明
で限定する範囲に含まれる。しかし、干渉曲線の第1の
最大に相当する記録層の厚さは、本発明で定義する上記
式Iにおいてx=0に対応する厚さなので、本発明範囲
を外れるものである。上記式Iにおいてx=0である
と、位相差トラッキング信号の強度および変調度が不十
分となり、本発明の効果が実現しない。
【0013】なお、特開平2−171289号公報に
は、Ge、Sb、Te、CおよびHを含有する記録層を
有する光記録媒体が記載されている。同公報記載の記録
層の組成は、本発明における記録層の組成に類似する
が、同公報記載の記録層は、本発明とは異なり相変化型
のものである。また、同公報では、本発明とは異なり光
記録媒体に反射層を設けていない。また、同公報におい
て得られているC/Nは30dBにすぎないため、実用化
は困難である。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に、本発明が適用される光記
録媒体の構成例を示す。この光記録媒体は、基体2上に
記録層3、反射層4および保護層5をこの順に設けた片
面記録型(単板型)媒体である。なお、この片面記録型
媒体を2枚用い、保護層5が内側になるように接着層に
より接着した両面記録型の媒体にも、本発明は適用でき
る。また、上記片面記録型媒体と保護基体とを接着層に
より接着した媒体にも、本発明は適用できる。
【0015】基体2 本発明の光記録媒体では基体2を通して記録層3に光ビ
ームが照射されるので、基体2は、用いる光ビームに対
して実質的に透明である材質、例えば、樹脂やガラスな
どから構成されることが好ましい。樹脂としては、アク
リル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリオレ
フィン等を用いればよい。基体の形状および寸法は特に
限定されないが、通常、ディスク状とし、厚さは0.5
〜3mm程度、直径は50〜360mm程度とする。基体の
表面には、トラッキング用やアドレス用等のために、グ
ルーブ等の所定のパターンが必要に応じて設けられる。
【0016】記録層3 記録層は、Te、Ge、CおよびHを主成分とする。こ
の主成分全体に対するCとHとの合計の原子比は、40
%以下、好ましくは38%以下である。主成分中におけ
るC+Hの原子比が高すぎると、耐光性が不十分とな
る。一方、C+Hの原子比が低すぎると、相変化型記録
材料であるTe−Geと実質的に同一となって追記型記
録が不可能となるので、C+Hの原子比は10%以上で
あることが好ましい。なお、CとHとの比は特に限定さ
れないが、記録マーク形成時には記録層構成材料がガス
化する必要があると考えられるので、Hは必須である。
後述するように記録層の形成の際にCH4等の水素含有
ガスを用いれば、必要なHを導入することができる。
【0017】記録層の組成については、C+Hの比率以
外は特に限定されない。ただし、記録層の主成分組成を TeaGebcd と表したとき、原子比a、b、c、dは、好ましくは a=10〜80、 b=10〜80、 c=5〜30、 d=5〜30、 a+b+c+d=100 であり、より好ましくは a=20〜50、 b=20〜40、 c=10〜28、 d=10〜28、 a+b+c+d=100 である。記録層中には、主成分構成元素のほかに、酸
素、窒素、アルゴン等の他の元素が微量含まれていても
よい。ただし、記録層の特性を損なわないためには、記
録層中における主成分以外の元素の含有率を10原子%
以下に抑えることが好ましい。
【0018】なお、記録層の組成は、オージェ電子分光
法やラザフォード後方散乱法などにより測定することが
できる。
【0019】記録層の厚さをtRとすると、 式I tR=(λ/4nR)(2N+x) において、 x=0.2〜1.0 である。ただし、λは記録再生光の波長であり、nR
波長λにおける記録層の屈折率である。また、Nは0以
上の整数であるが、Nが大きすぎると記録層が厚くなり
すぎて反射率が低くなりすぎるので、通常、Nは2以下
とすることが好ましい。上記式Iにおいてxが小さすぎ
ても大きすぎても、位相差トラッキング信号の強度と変
調度とが不十分となる。
【0020】なお、記録再生光の波長における記録層の
屈折率nRは、通常、2〜3程度となる。
【0021】記録層の形成は、スパッタ法により行うこ
とが好ましい。この場合、Te−Ge合金ターゲットを
用いてもよく、TeターゲットとGeターゲットとを用
いて多元スパッタを行ってもよい。スパッタガスには、
ArやKr等の不活性ガスに加え、少なくともCおよび
Hを含むガスを用いる。CおよびHを含むガスとして
は、例えばCH4等の炭化水素ガス、フッ素置換の炭化
水素ガス、H2、NH3等の少なくとも1種を用いればよ
く、さらに、CおよびHのいずれも含まないガス、例え
ばN2等を併用してもよい。
【0022】反射層4 反射層の材質は特に限定されないが、通常、Al、A
u、Ag、Pt、Cu、Ni、Cr、Ti等の単体ある
いはこれらの1種以上を含む合金などの高反射率金属か
ら構成すればよい。反射層の厚さは、30〜300nmと
することが好ましい。厚さが前記範囲未満であると十分
な反射率が得られにくくなる。また、前記範囲を超えて
も反射率の向上は小さく、コスト的に不利になる。反射
層は、スパッタ法や蒸着法等の気相成長法により形成す
ることが好ましい。
【0023】保護層5 保護層は、耐擦傷性や耐食性の向上のために設けられ
る。この保護層は種々の有機系の物質から構成されるこ
とが好ましいが、特に、放射線硬化型化合物やその組成
物を、電子線、紫外線等の放射線により硬化させた物質
から構成されることが好ましい。保護層の厚さは、通
常、0.1〜100μm程度であり、スピンコート、グ
ラビア塗布、スプレーコート、ディッピング等、通常の
方法により形成すればよい。
【0024】接着層 接着層を構成する接着剤は特に限定されず、例えば、ホ
ットメルト型接着剤、紫外線硬化型接着剤、常温硬化型
接着剤等のいずれであってもよく、粘着剤であってもよ
い。
【0025】記録および再生 本発明の光記録媒体への記録は、基体を通して記録用レ
ーザー光を記録層に照射することにより行う。照射部位
では、記録層構成材料が熱により変質したり、ガス化す
ることにより空隙を形成したり、基体に変形が生じたり
し、これらの作用の少なくとも1種以上、特にガス化に
よって、照射部位では反射率が低下し、記録マークが形
成される。
【0026】記録パワーは記録時の線速度によって異な
り、線速度が高いほど記録パワーを高くする必要があ
る。記録時の線速度は、通常、1.4〜6m/s程度、記
録パワーは、通常、8mW以上であるが、本発明では反射
率を抑えることにより12mW以下という低パワーで記録
が可能である。本発明の光記録媒体では、記録時の線速
度が高くても比較的低いパワーでの記録が可能である。
【0027】本発明の光記録媒体では、記録再生光の波
長λにおける未記録部の反射率は10〜60%、好まし
くは20〜40%である。未記録部の反射率が低すぎる
と、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ、再生が困
難となる。一方、未記録部の反射率が高すぎると、位相
差トラッキング信号を十分に大きくすることができなく
なる。なお、本明細書における反射率は、基体に入射し
た光に対する基体を通して出射される光の割合である。
【0028】記録再生光の波長λは特に限定されず、本
発明では波長λを広い波長範囲から選択できるが、通
常、λは好ましくは40〜50nmおよび56〜90nmの
範囲から選択し、より好ましくは58〜68nmの範囲か
ら選択する。
【0029】位相差トラッキング 本発明の光記録媒体のトラッキングには、位相差法トラ
ッキング方式が用いられる。
【0030】トラッキングエラー検出方式には、3ビー
ム方式または1ビーム方式が一般に利用されている。3
ビーム方式では、メインビームと2本のサブビームとを
用いて、ディスクのピット面からの反射光強度の変化を
光検出器で測定する。3ビーム方式は、動作は確実であ
るが、サブビームを用いるので回折格子などが必要とな
り、光学系が複雑になってしまう。また、レーザーエネ
ルギーの利用率が低くなるという問題もある。さらに、
メインビームとサブビームとを分離するために、RF信
号用のフォトディテクタの面積が制限され、散乱光を十
分に受光することができず、ディスクの指紋やくもりな
どのディフェクトに対して弱いという欠点がある。
【0031】一方、1ビーム方式には、プッシュプル法
や位相差法が含まれる。1ビーム方式では、フォトディ
テクタの面積が制限されないため、3ビーム方式と比較
して多くの散乱光を受光できる。このため、RF信号の
落込みを少なくすることができる。
【0032】1ビーム方式のうちプッシュプル法は、ピ
ットにより回折、反射されて再び対物レンズに入射した
光の強度分布が、ピットとビームスポットとの相対的な
位置変化により変わることを利用するものであり、左右
に2分割した光検出器を用いる。ピット列とビームスポ
ットの位置とが一致しているとき、反射光の強度分布は
左右で等しくなるが、両者がずれると左右の強度分布は
非対称となる。このときの非対称性は、ピットに対する
ビームスポットの位置関係に依存し、ピットのどちら側
にずれているかは信号の極性で判断できるので、この信
号をトラッキングエラー信号として利用する。しかし、
プッシュプル法では、ピット深さがλ/4(λ:記録再
生光の波長)のときには強度分布が対称パターンとなっ
てしまい、トラッキングエラー信号が得られないという
不都合がある。また、スライド方式のピックアップを用
いる場合には、トラッキングエラー信号に直流オフセッ
トが出てしまうという問題がある。
【0033】このようなプッシュプル法の欠点を解消す
るものとして、位相差法が提案されている(National T
echnical Report,Vol.32,No.4,Aug.,1986)。
【0034】次に、図2および図3を用いて、位相差法
によるトラッキングエラーの検出方法を説明する。
【0035】図2に示されるように、媒体からの反射光
は、ハーフミラー9および凹レンズ95を通ってフォト
ディテクタ面80に到達する。フォトディテクタ8は、
図示するように4分割され、それぞれが信号A1、信号
A2、信号A3、信号A4を出力する。フォトディテク
タ8の対角和信号(A1+A2)および(A3+A4)
[図3(i)参照]を、それぞれコンパレータによりデ
ジタル波形[図3(ii)参照]に変換し、さらに、(A
1+A2)と(A3+A4)との位相差に応じたパルス
[図3(iii)参照]を得る。このパルスを積分回路によ
りアナログ波形に変換することによって、図3(iv)に
示すトラッキングエラー信号を得る。
【0036】図3に示すトラッキングエラー信号は、反
射光のスポットがトラック中央にあるときは0、スポッ
トがトラック右側にあるときは負、スポットがトラック
左側にあるときには正となる。トラッキングゲインは、
トラッキングエラー信号曲線[トラッキングエラー(μ
m)−位相差(deg)]の0点での傾きとして定義され
る。
【0037】本発明では、記録層の厚さtRを前記した
範囲内から選択すると共に反射率を前記範囲内とするこ
とにより、位相差トラッキングにおいて十分な強度のト
ラッキングエラー信号が得られ、また、十分な変調度が
得られる。
【0038】
【実施例】実施例1 図1に示す構成を有する単板型の光記録ディスクサンプ
ルを、以下の手順で作製した。
【0039】基体2には、射出成形によりグルーブを同
時形成した直径120mm、厚さ0.6mmのディスク状ポ
リカーボネートを用いた。グルーブは、深さ0.04μ
m 、幅0.37μm 、ピッチ0.74μm とした。
【0040】記録層3は、ターゲットにTe−Ge合金
を用い、Ar+CH4雰囲気中でRFスパッタ法により
形成した。スパッタガスの流量比はAr:CH4=8:
2、スパッタガス圧力は0.5Pa、投入パワーは100
Wとした。記録層中のC+Hの比率(原子比)、記録層
の屈折率nRおよび消衰係数kRを、表1に示す。C+H
の比率は、 TeaGebcd における(c+d)/(a+b+c+d)として求め
た。なお、a:bは1:1であった。記録層の組成は、
オージェ電子分光法により測定した。
【0041】記録層の厚さtRを表1に示す。表1に
は、 式I tR=(λ/4nR)(2N+x) においてNを0、1または2としたときのx=0.2〜
1.0に対応するtRの範囲を併記してある。
【0042】反射層4は、Auターゲットを用い、Ar
雰囲気中においてスパッタ法により形成した。反射層の
厚さは100nmとした。
【0043】保護層5は、紫外線硬化型樹脂をスピンコ
ート法により塗布後、紫外線照射により硬化して形成し
た。硬化後の保護層厚さは5μm であった。
【0044】これらのサンプルについて、記録再生用レ
ーザー光の波長λを635nmとし、以下の測定を行っ
た。
【0045】反射率 再生用レーザー光の戻り光量から算出した。結果を表1
に示す。
【0046】変調度 未記録部の反射率Rtopと記録マークの反射率Rbottom
とから、 (Rtop−Rbottom)/Rtop により変調度を求め、変調度が0.5以上であるものを
○、0.5未満であるものを×として、表1に示した。
【0047】記録感度 表1に示す線速度で記録を行い、変調度が飽和する記録
パワーが12mW以下であるものを○、12mW超であるも
のを△として、表1に示した。
【0048】位相差トラッキング トラッキング制御を位相差トラッキング法により行い、
トラッキングサーボが可能であったものを○、トラッキ
ングサーボが不可能であったものを×として、表1に示
した。
【0049】耐光性 8万ルクスのキセノンランプ(島津社製キセノンフェー
ドメーター)を40時間照射した後、反射率および変調
度を測定し、照射前と比べこれらがほとんど変化してい
ないものを○、これらの変化が著しいものを×として、
表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示す結果から、本発明の効果が明ら
かである。すなわち、記録層の厚さtRが本発明範囲内
にあり、かつ反射率が本発明範囲内にあるサンプルNo.
101〜106では、位相差トラッキングが可能で、変
調度も十分であり、耐光性も良好である。これらのサン
プルでは、耐光性試験において反射率の低下が全く認め
られなかった。そして、これらのサンプルのうち反射率
が10〜40%のサンプルでは、記録線速度が10m/s
と高くても、通常の記録パワー(12mW以下)で記録で
きることがわかる。
【0052】これに対し、反射率が本発明範囲を超えて
いるサンプルNo.107では、線速度を高くすると12m
Wを超える記録パワーが必要となるほか、位相差トラッ
キングができず、変調度も不十分であることがわかる。
また、反射率は本発明範囲内であるが記録層の厚さtR
が本発明範囲を外れているサンプルNo.108〜110
では、位相差トラッキングができず、変調度も不十分で
ある。
【0053】なお、反射率が10%未満のサンプルも作
製したが、このサンプルでは信号を記録することができ
なかった。
【0054】実施例2 記録層中のC+Hの比率を表2に示すように変更したほ
かは実施例1と同様にして、表2に示すサンプルを作製
した。なお、C+Hの比率の変更は、スパッタガス圧力
および投入パワーを変更することにより行った。これら
のサンプルについて、実施例1と同様な測定を行った。
結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表2に示すサンプルでは、耐光性試験後に
反射率が半減してしまった。これは、C+Hの比率が本
発明範囲を超えているためと考えられる。
【0057】図4に、C+Hの比率が50%の場合と3
8%の場合とについて、記録層厚さと反射率との関係を
示す。図4から、C+Hの比率が本発明範囲を上回る5
0%である場合、前記式Iにおいてxが本発明範囲内で
あっても反射率が40%以下にはならないことがわか
る。具体的には、xを本発明範囲内とし、記録層厚さt
RをN=0に相当する値としたときの反射率は78〜9
3%であり、N=1に相当する値としたときの反射率は
58〜78%であり、N=2に相当する値としたときの
反射率は41〜67%である。したがって、C+Hの比
率が本発明範囲を上回ると、高線速度記録への対応が難
しくなることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の構成例を示す断面図であ
る。
【図2】位相差トラッキング法に用いる光学系の主要部
を示す図である。
【図3】位相差トラッキング法における信号処理の過程
を説明するためのグラフである。
【図4】記録層厚さと反射率との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
2 基体 3 記録層 4 反射層 5 保護層 8 フォトディテクタ 80 フォトディテクタ面 9 ハーフミラー 95 凹レンズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面上に記録層を有し、この記録層
    上に金属からなる反射層を有し、 記録層がTe、Ge、CおよびHを主成分とし、主成分
    全体に対するCとHとの合計が原子比で40%以下であ
    り、 記録層の厚さをtR、記録再生光の波長をλ、記録層の
    屈折率をnR、0以上の整数をNとしたとき、tRが、 式I tR=(λ/4nR)(2N+x) (上記式Iにおいて、x=0.2〜1.0である)を満
    足し、 基体裏面側から入射した波長λの光の反射率が10〜6
    0%である光記録媒体。
  2. 【請求項2】 反射層が、Al、Au、Ag、Pt、C
    u、Ni、CrおよびTiの少なくとも1種を含有する
    請求項1の光記録媒体。
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