JPH11123145A - 緑茶飲料製造機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常に全てのカップに均一濃度・色の緑茶を効
率的に提供できる緑茶飲料製造機を提供する。 【解決手段】 湯を用いて茶葉より浸出した緑茶をカッ
プに注入して提供する緑茶飲料製造機において、予約設
定に対応した必要量の緑茶をチャンバ内で一括して浸出
する抽出装置と、この抽出装置で浸出した緑茶を溜め置
く容器を備えた緑茶飲料製造機を用いる。カップを複数
個置けるトレーを設け、前記容器に溜め置いた同じ濃度
あるいは色の緑茶を全てのカップに自動的に注入するこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は緑茶飲料製造機に関
するものであり、特に溜め置き機能を有する緑茶飲料製
造機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、緑茶飲料製造機（給茶機）は、高
速道路のＳＡ、食堂、オフィスなどで利用されている。
しかし、例えば来客用に緑茶を提供する場合、従来の緑
茶飲料製造機は、あまり美味しい緑茶が得られないと
か、濃度がまちまちになるなどの問題があるために敬遠
されがちで、最終的には手作業により緑茶を提供するこ
とになることが多い。一方、従来の給茶機は、特開平５
−３１７１８３号公報、特開平６−２２８５３号公報な
どに示されるように、茶こしに茶葉を溜め、上部より湯
を茶葉にかけて、緑茶を浸出する手法を用いているが、
この手法では、１煎目、２煎目、３煎目、・・・・で緑
茶の濃度や色にムラが生じ、全ての人に美味しい緑茶を
提供できない欠点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は先に、茶
葉より浸出した緑茶を保存する容器に緑茶の色の変化を
検出する検出手段を設けた緑茶飲料製造機を提案したが
（特願平８−２９５０８９号）、保存容器中に多量の緑
茶を保存すると経時的に劣化するので廃棄する緑茶の量
が多くなる欠点がある。本発明は係る従来の状況を踏ま
え、さらに改良して全ての人に常に良品質の緑茶飲料を
提供できる緑茶飲料製造機を提供することを目的とす
る。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
問題点を解決するために鋭意検討した結果、例えば、ト
レーに複数のカップをあらかじめ置き、予約設定するこ
とにより、それに対応した必要量だけの緑茶をチャンバ
内で一括して浸出し、浸出した緑茶を容器に溜め置き、
この容器から自動的に各々のカップに分注することによ
り、全てのカップに均一濃度、均一の色の緑茶が提供で
き、その時々によって人数が異なる複数の来客用の給茶
にも適した緑茶を提供できることを見いだし、本発明に
到達した。

【０００５】すなわち、本発明の請求項１の発明は、湯
を用いて茶葉より浸出した緑茶をカップに注入して提供
する緑茶飲料製造機において、予約設定に対応した必要
量の緑茶をチャンバ内で一括して浸出する抽出装置と、
この抽出装置で浸出した緑茶を溜め置く容器を備えたこ
とを特徴とする緑茶飲料製造機である。本発明において
は抽出装置で必要量以上の緑茶を浸出せず、予約設定に
対応した必要量だけの緑茶をチャンバ内で一括して浸出
し、浸出した緑茶を容器に溜め置き、この容器から緑茶
をカップに注入するようにしたので、従来の給茶器のよ
うに必要量以上の緑茶を容器中に溜め置いたために劣化
して廃棄することがなくなり、常に良品質の緑茶飲料を
提供できる。

【０００６】本発明の請求項２の発明は、請求項１記載
の緑茶飲料製造機において、カップを複数個置けるトレ
ーを設け、前記容器に溜め置いた同じ濃度および／また
は色の緑茶を全てのカップに自動的に注入することを特
徴とする。このようにすれば、多数の人に美味しい緑茶
を効率的に短時間で提供することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を詳述する。図１は、本発明の一実施例を示す緑
茶飲料製造機の外観図である。緑茶飲料製造機１は茶葉
から湯を用いて浸出してカップ販売、提供するものであ
る。緑茶飲料製造機１の緑茶注入口２より、複数個のカ
ップ置き場３を設けた回転式のトレー４に置かれたカッ
プ５に緑茶が注入される。トレー４が回転する毎に自動
的に隣のカップ５に緑茶を注入できるようにしてある。

【０００８】図２は、本発明の緑茶飲料製造機１の内部
構成の一実施の形態を示す概略図である。緑茶飲料製造
機１の内部には、湯タンク６、茶葉容器７、浸出用チャ
ンバ８、ペーパーフィルタ１０、エアポンプ１１、弁１
２等を備えた抽出装置、浸出用チャンバ８で浸出した緑
茶を温蔵する容器９などが設置されている。

【０００９】前記湯タンク６内には図示しない給水管に
より給水される。湯タンク６内の水位を検出する図示し
ないフロートスイッチにより湯タンク６内の水位は常時
一定とされる。湯タンク６にはヒーター１３が取り付け
られており、このヒーター１３の加熱によって湯タンク
６内の水は加熱され、常時凡そ＋６３℃以上（例えば７
０℃から９０℃）の熱湯とされる。そして、この湯タン
ク６内の熱湯は給湯管１４によって浸出用チャンバ８に
必要量だけ供給される。

【００１０】前記茶葉容器７内には原料としての茶葉が
収納されており、図示の矢印の如く必要量だけ浸出用チ
ャンバ８内に供給される。

【００１１】浸出用チャンバ８は上部分８ａと下部分８
ｂとから成り、上部分８ａと下部分８ｂの間には、ペー
パーフィルター１０が介挿されている。このペーパーフ
ィルタ１０はロール状に巻回されており、フィードロー
ラ１５によりロールから引き出されたペーパーフィルタ
１０は、浸出用チャンバ８の上部分８ａと下部分８ｂの
間に密着して介挿され、緑茶１６を浸出した後、上部分
８ａを上方に移動させて浸出した後の茶葉１７とともに
前記フィードローラ１５を経てカス容器１８に廃棄され
る。

【００１２】前記浸出用チャンバ８は、上部分８ａの上
端に弁１２を備え、下部分８ｂの下端は排出管１９に連
通し、浸出した緑茶１６をこの排出管１９を経て容器９
に送り、容器９内に緑茶１６を温蔵する。容器９の周囲
に加熱する温蔵ヒーター２０が設けられている。この温
蔵ヒーター２０は容器９内の緑茶を常時約＋６３℃以上
（例えば、７０℃から９０℃）に温蔵するものである。
そして、容器９の下端の緑茶注入口２の上流には排出電
磁弁２１が介設されている。

【００１３】以上の構成の本発明の緑茶飲料製造機１に
おいて、排出管１９に設けた電磁弁２２を閉じた後、湯
タンク６と茶葉容器７より予約設定に対応した必要量の
熱湯と茶葉が矢印で示したように浸出用チャンバ８に供
給され、浸出用チャンバ８内で一定時間蒸らし、浸出を
行う。所定時間経過後弁１２を上方に移動して浸出用チ
ャンバ８の開口部を閉じ、電磁弁２２を開けてエアポン
プ１１を作動すると空気圧により浸出用チャンバ８内の
緑茶１６は容器９内に送られて溜め置かれる。使用後の
ペーパーフィルタ１０は、浸出用チャンバ８の上部分８
ａを上方に移動させ、上部分８ａと下部分８ｂとの間か
ら茶葉１７とともに前記フィードローラ１５を経てカス
容器１８に廃棄される。その後、容器９内に温蔵した緑
茶１６は排出電磁弁２１を開けて緑茶注入口２より図示
しないトレーの上に置いたカップ５注入されるようにな
っている。２３は容器９内の緑茶１６の酸化を防止し、
断熱するための浮蓋である。

【００１４】以上の構成で、次に図３のフローチャート
に基づき緑茶飲料製造機１の動作を説明する。図３は緑
茶飲料製造機１の図示しない制御装置のプログラムを示
しており、顧客により緑茶を例えばカップ８杯と予約設
定されると制御装置はステップＳ１にて緑茶を８杯分浸
出すると決定する。次に、制御装置はステップＳ２で浸
出用チャンバ８の上部分８ａを下方に移動してペーパー
フィルタ１０を上部分８ａと下部分８ｂ間に密着して挟
み込むと共に、電磁弁２２を閉じ、茶葉容器７から８杯
分の茶葉を浸出用チャンバ８内に排出し、更に、湯タン
ク６より８杯分の熱湯を浸出用チャンバ８内に排出し、
所定時間蒸らし、浸出する。茶葉からは８杯分の緑茶飲
料が浸出されるので、制御装置はステップＳ３で電磁弁
２２を開け、弁１２を閉じて、エアポンプ１１を作動さ
せ浸出用チャンバ８内の緑茶１６を圧送して容器９内に
温蔵して溜め置く。使用後のペーパーフィルタ１０は、
上部分８ａを上方に移動してから右方向へ移動し、茶葉
１７とともに前記フィードローラ１５を経てカス容器１
８に廃棄され、かつ、新しいペーパフィルタ１０がチャ
ンバ８内に位置する。

【００１５】次に、制御装置はステップＳ４で注入スイ
ッチが押されると、ステップＳ５でカップ５の有無がチ
ェックされ、カップ５がトレー４上にないとカップ５が
置かれるまで待機の状態になる。カップ５がトレー４上
にある場合はステップ６で排出電磁弁２１が開けられ緑
茶は緑茶注入口２を経てカップ５に注入される。そして
１つのカップ５への注入が終わるとトレー４が矢印の方
向に回転し、次のカップ５が緑茶注入口２の下方に移動
して次のカップ５に注入されるようになっている。次い
で、ステップＳ７で予約設定された杯数に達したかどう
かがチェックされ、予約設定された杯数に達した場合
は、終了となる。予約設定された杯数に達しない場合
は、トレー４上に空のカップ５があるかがチェックさ
れ、カップ５があるとトレー４が所定角度回動しカップ
５が緑茶注入口２の下方に移動して注入される。トレー
４上に空のカップ５がないとステップＳ４に戻り注入ス
イッチが押されると、上記のようにステップ５〜ステッ
プ７が繰り返され、ステップＳ７で予約設定された杯数
に達した場合は、終了となる。

【００１６】なお予約設定した後一定時間後に緑茶を得
たい場合は、ステップＳ１で杯数および時間の設定を行
う。上記ステップＳ１〜ステップＳ７までのステップが
設定した時間だけ遅れて進行するので、設定した時間後
に緑茶がカップ５に注入されるようになる。

【００１７】なお予約杯数より、カップ５への注入杯数
が下回った場合は、緑茶が容器９に溜め置かれたままに
なる。この緑茶は温蔵時間が長くなると味や色の変化が
生じて飲用上好ましくなくなるため、例えば３０〜４５
分経過後は、自動的に廃棄されるようにすることが好ま
しい。また、再び前記茶葉の浸出と温蔵を再開する前
に、湯タンク６から湯を浸出用チャンバ８、排出管１
９、容器９、その他に送り内面をきれいにリンスするよ
うにしてもよい。

【００１８】

【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に何等限定されるもの
ではない。 （実施例１）本発明の緑茶飲料製造機１を用いて設定杯
数を１杯として上記のようにして毎回茶葉と湯を新しい
ものを用いてカップ５に浸出した緑茶を注入することを
４回続けた。各回で得られた緑茶の明度（Ｌ）、色彩
（ａ、赤−緑）、色彩（ｂ、黄−青）を測定した結果の
平均値および標準偏差を表１に示す。各回で得られた緑
茶のエピカテキン（苦味）、エピロカテキンガレート
（渋味）を測定した結果の平均値および標準偏差を表２
に示す。色彩（ａ）は値が大きいほど緑色が強いことを
示し、色彩（ｂ）は値が大きいほど黄色傾向になること
を示す。

【００１９】（比較例１）比較のために従来の給茶機を
用いてカップ４杯に対応する量の茶葉と湯を一度にセッ
トし、４回連続して浸出を行った。各回で得られた緑茶
の明度（Ｌ）、色彩（ａ、赤−緑）、色彩（ｂ、黄−
青）を実施例１と同様にして測定した結果の平均値およ
び標準偏差をを表１に、また各回で得られた緑茶のエピ
カテキン（苦味）、エピロカテキンガレート（渋味）を
実施例１と同様にして測定した結果の平均値および標準
偏差をを表２に示す。

【００２０】

【表１】

【００２１】

【表２】

【００２２】表１、表２より従来の給茶機に比べ、本発
明の緑茶飲料製造機から得た緑茶は色、成分共に標準偏
差（ばらつき）が小さいことが判る。

【００２３】

【発明の効果】本発明の緑茶飲料製造機は、緑茶をチャ
ンバ内で一括して浸出し、浸出した緑茶を容器内に溜め
て置き、この容器から自動的に各々のカップに分注する
ことにより、全てのカップに均一濃度・色の緑茶が提供
できる。回転機能を有するトレーの上のカップに自動的
に注入できるようにすれば、給茶作業が楽になり、効率
的に同じ濃度・色の緑茶を給仕できるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す緑茶飲料製造機の外
観図である。

【図２】 図１に示した本発明の緑茶飲料製造機のの内
部構成の一実施の形態を示す概略図である。

【図３】 図１に示した本発明の緑茶飲料製造機の制御
装置のプログラムを示すフローチャートである。

【符号の説明】

１ 緑茶飲料製造機 ２ 緑茶注入口 ３ カップ置き場 ４ トレー ５ カップ ６ 湯タンク ７ 茶葉容器 ８ 浸出用チャンバ ９ 容器 １０ ペーパーフィルタ １１ エアポンプ １２ 弁 １６ 緑茶 １７ 茶葉

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 湯を用いて茶葉より浸出した緑茶をカッ
   プに注入して提供する緑茶飲料製造機において、予約設
   定に対応した必要量の緑茶をチャンバ内で一括して浸出
   する抽出装置と、この抽出装置で浸出した緑茶を溜め置
   く容器を備えたことを特徴とする緑茶飲料製造機。
2. 【請求項２】 カップを複数個置けるトレーを設け、前
   記容器に溜め置いた同じ濃度および／または色の緑茶を
   全てのカップに自動的に注入することを特徴とする請求
   項１記載の緑茶飲料製造機。