JPH11121226A - 液冷式冷却装置並びにそれを用いた液冷式電磁コイル及び液冷式電磁石 - Google Patents

液冷式冷却装置並びにそれを用いた液冷式電磁コイル及び液冷式電磁石

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JPH11121226A
JPH11121226A JP28685497A JP28685497A JPH11121226A JP H11121226 A JPH11121226 A JP H11121226A JP 28685497 A JP28685497 A JP 28685497A JP 28685497 A JP28685497 A JP 28685497A JP H11121226 A JPH11121226 A JP H11121226A
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cooling
cooled
cooling device
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Norihiko Kasugai
敬彦 春日井
Masao Ishizuka
正夫 石塚
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FUTABA DENJIKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より小型化・軽量化を達成し得る液冷式冷却
装置並びにそれを用いた液冷式電磁コイル及び液冷式電
磁石を提供する。 【解決手段】 上面板及び下面板23,24を含んで断
面四角形状の扁平な冷却液通路25を形成し、その内部
を冷却液体が乱流となって通流するように冷却液通路2
5の断面高さを低くし、かつ、上面板23及び下面板2
4の少なくとも一方の肉厚を、冷却液通路25内を流れ
る冷却液体の圧力により膨らみ変形する程度に薄く形成
したことを特徴とする液冷式冷却装置を単独に、又は電
磁コイル、さらには電磁石40に組み合わせて用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液冷式冷却装置並
びにそれを用いた液冷式電磁コイル及び液冷式電磁石に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】強大な電磁場を発生させるための装置に
用いられる電磁コイルは、大電流を流すことになるため
消費電力も大きい。大きな消費電力は大きな温度上昇に
つながる。この温度上昇を抑えるためには、電磁コイル
の発生熱エネルギーを効率的に放散させる必要がある。
そのため、とくに大電流の電磁コイルは液冷構造を採用
する場合が多い。冷却媒体としては一般に水が用いられ
る。しかし、冷却媒体は水に限られることなく、他の液
体、たとえば絶縁油などであってもよい。
【0003】図11は従来の水冷式電磁コイルの一例の
外観を示すもので、ドーナツ形状をした電磁コイル1の
側面に冷却水出入口2及びコイル接続端子3を備えてい
る。
【0004】図12は図11の電磁コイル1の縦断面を
示すものであって、冷却水通路5を挟んでその両側に単
位コイル4,4が位置するように軸方向に積み重ねら
れ、その隙間に熱伝導を良くするためにフィラーを混合
したエポキシ樹脂を充填し、さらに全体を同じ樹脂で一
体に成型したものである。符号6はエポキシ樹脂からな
る成型樹脂体を示している。図示の例では、2個(2タ
ーン)の単位コイル4,4とその間に介在された1個の
冷却水通路5が示されているが、一般的には、より多く
の単位コイル及び冷却水通路が設けられる。
【0005】図12の左側の部分の冷却水通路5の構造
例を図13及び図14に示す。
【0006】図13においては、円筒状の内側壁7、外
側壁10、並びに上面板8及び下面板9によって断面四
角形の冷却水通路5が形成され、そこに冷却水が通流す
る。外側壁10に形成された給液口11から冷却水通路
5に流入された冷却水は冷却水通路5内を円周方向に通
流し、外側壁10に形成された図示されていない排液口
から流出する。コイルで発生した熱は中間の成型樹脂体
6及び上面板8ないし下面板9を介して、冷却水通路5
内を流れる冷却水に伝達され、それにより電磁コイル1
全体の温度上昇が抑えられる。
【0007】図14は図13とは異なる構造の冷却構造
例を示すものである。ここでは単位コイルを薄板ドーナ
ツ形状の、たとえば銅板からなる導熱板13によって覆
い、その外周部に、通常はステンレス鋼で作られる角パ
イプ14を溶接又はろう付け若しくは半田付けにより取
り付けるものである。角パイプ14の内部には冷却水通
路12が形成されている。内部コイルの発生熱は中間の
成型樹脂体を介して導熱板13に伝導され、さらに、導
熱板13に伝達された熱は角パイプ14内の冷却水通路
12を通流する冷却水に伝達され、かくして電磁コイル
全体の冷却が全うされる。
【0008】図15は冷却構造のさらに他の従来例を示
すものである。銅又はアルミニウムを素材とするコイル
ボビン兼用の外枠構成体15に単位コイル4を巻装し、
外枠構成体15に、周方向に通る多数の冷却水通路16
を形成し、又は埋め込みにより外枠構成体15内に多数
の冷却水通路16を形成するものである。単位コイル4
は外枠構成体15に直接巻装する場合が多い。この構造
例は材料費と加工費の両面からコスト高になるので、特
殊な場合に限って実用されるにすぎない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、電磁コイルを利
用する装置の側から、より強大な磁場に対する需要が増
大し、それとともに電磁コイルをより小型・軽量なもの
にしたいという要望が強くなり、同時にまた、装置コス
トを低減したいという要求が出ている。
【0010】電磁コイルにより発生される磁場の強さ
は、コイルのターン数とそれに流れる電流の積すなわち
アンペアターンに比例するので、強大な磁場を得るため
にはコイルのターン数とともに電流を増やすことを考慮
しなければならない。しかしながら、電流を増大すれば
コイルの発熱量が増大し、その発熱によるコイルの温度
上昇を所定限度内に抑えるために、より効率的な冷却装
置を組み込む必要性が生じ、結果的に電磁コイルが大型
になる。このような電磁コイルを鉄心に巻装して用いる
電磁石においても、結果として磁極及びヨークを含んで
構成される磁気回路が大型になり、重量も増加する。
【0011】同じ磁気特性を備えている複数の電磁コイ
ルに対する評価基準としては、まず電磁コイルの横断面
積中に占める導体部分の割合、すなわち導体占積率が挙
げられる。しかし、とくに大容量の電磁コイルの場合、
導体占積率よりは、電磁コイルの断面積に対する電流
値、すなわち断面積電流密度を評価基準とする方がむし
ろ妥当である。
【0012】さらに電磁コイルを組み込む電磁石におい
ては、コイル重量及び冷却水流量を小さくすることも望
まれている。
【0013】たとえば、図13に示す冷却装置において
は、比較的厚肉の内側壁7及び外側壁10に、厚さ3.
5mmの上面板8及び下面板9を溶接した実例がある。こ
の例では、冷却装置の厚くなるため、電磁コイルと組み
合わせて用いる場合、冷却装置を含む電磁コイル全体の
断面積中に占める冷却装置のそれが大きくなりすぎ、結
果的に電磁コイル全体の横断面で見た平均電流密度が致
命的に低下してしまうという不都合があった。
【0014】単位コイル占積率向上の改善策として図1
4に示す冷却装置が採用されたわけであるが、電流を流
すことにより導熱板13内の単位コイルに発生する熱は
中間の成型樹脂体を通して導熱板13に伝達され、導熱
板13の中を伝導して外周部の角パイプ14との接合部
17を通して冷却水に伝達される。この構造によってコ
イル占積率の改善は達成されるが、導熱板13の厚さが
その目的上限定されるために、熱の伝導性に限界が生
じ、電磁コイルの横断面で見た平均電流密度が改善され
るとはいえ、それにも限界があった。
【0015】図13又は図14の装置はいずれも電磁コ
イルの温度上昇の許容限度から、電磁コイル断面で見た
平均電流密度に限界があり、かくして必要な電磁場強度
を得るための電磁コイルを小型化したいという要望に応
え得ない現状である。
【0016】以上は、被冷却体として電磁コイルを対象
とするものであるが、冷却という問題は電磁コイルに限
ったことではなく、発熱があって冷却を考慮しなければ
ならない機器については冷却問題は全般的に妥当する問
題である。
【0017】したがって本発明は、市場の要求に応える
ために、より小型化・軽量化を達成し得る液冷式冷却装
置並びにそれを用いた液冷式電磁コイル及び液冷式電磁
石を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係る発明は、上面板及び下面板を含んで断
面四角形状の冷却液通路を形成し、その冷却液通路内を
通流する冷却液体に、上面板及び下面板の少なくとも一
方の外面に当接配置される発熱体からの熱を、上面板及
び下面板の少なくとも一方を介して伝導させることによ
って発熱体を冷却する液冷式冷却装置において、冷却液
通路を扁平形状に形成するとともに、その内部を冷却液
体が乱流となって通流するように冷却液通路の断面高さ
を低くし、かつ、上面板及び下面板の少なくとも一方の
肉厚を、冷却液通路内を通流する冷却液体の圧力により
膨らみ変形する程度に薄く形成したことを特徴とするも
のである。
【0019】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
液冷式冷却装置において、冷却液通路を上面板及び下面
板並びにその両側に配置されるリブによって構成すると
ともに、上面板及び下面板とリブとを、ろう付けにより
接合したことを特徴とするものである。
【0020】請求項3に係る発明は、請求項1に記載の
液冷式冷却装置において、冷却液通路を上面板及び下面
板並びにその両側に配置されるリブによって構成すると
ともに、上面板及び下面板とリブとを、接着剤を用いて
接合したことを特徴とするものである。
【0021】請求項4に係る発明は、請求項1に記載の
液冷式冷却装置において、冷却液通路内にその冷却液通
路を同心円状に複数に区分する中間リブを配置し、区分
された複数の冷却液通路を直列に接続する接続手段を設
けたことを特徴とするものである。
【0022】請求項5に係る発明は、請求項1に記載の
液冷式冷却装置において、冷却液通路内に液体の流れの
状態を調整するポストを配置したことを特徴とするもの
である。
【0023】請求項6に係る発明は、導体巻線と液冷式
冷却装置とが一体に組み込まれた液冷式電磁コイルであ
って、導体巻線は薄い銅条とそれよりもさらに薄い絶縁
テ一プとを重ねてコイル状に巻線され締結されたものを
1個の導体巻線として、複数個の導体巻線に、請求項1
に記載の液冷式冷却装置を導体巻線に対向して配置し、
導体巻線と液冷式冷却装置との間の間隙及び両者の外周
に、フィラーを混入した樹脂を充填し固化したことを特
徴とするものである。
【0024】請求項7に係る発明は、請求項6に記載の
電磁コイルに、さらに磁路を形成するための磁極とヨー
クを組み合わせたことを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明の第1の実
施の形態を示すものである。図2は、本発明による液冷
式冷却装置の平面図である。図1は、図2における給排
液口部の拡大断面図である。図1及び図2に示す液冷式
冷却装置20においては、円筒状の外径リブ21、円筒
状の内径リブ22、リング状の上面板23及び下面板2
4により、断面の扁平な四角形形状をし、全体としてリ
ング状をした冷却液通路25を形成している。周方向に
見て一断面位置に隔壁28Kが配置され、その一方端に
給液金具26が取り付けられて給液口27を形成し、他
方端には排液口28を形成する。この冷却装置20はス
テンレス鋼によって作られる。
【0026】図示の冷却装置20の各部の寸法例を示
す。冷却装置20の外径は約600mm、冷却液通路25
の高さ(軸心方向寸法)は4mm、幅(放射方向寸法)は
50mm、上面板23及び下面板24の厚さは0.8mm、
したがって冷却装置20の外形厚さは5.6mmである。
【0027】上面板23及び下面板24と内外径リブ2
1,22との接合は、ろう付けによる。また、給液金具
26の接合も、ろう付けとする。
【0028】冷却液として、たとえば水道水を使用する
場合、給液口27から注入された冷却液は冷却液通路2
5内を図2において時計廻りに通流し、排液口28から
排出される。冷却液は冷却液通路25内を通流する間
に、たとえば図示していない電磁コイルとの間で熱交換
を行い、排液口28から温液となって排出される。
【0029】図3は冷却液通路25の幅(放射方向寸
法)が大きい場合に好適な第2の実施の形態を示すもの
である。この冷却装置30は、外径リブ21と内径リブ
22の間に形成される冷却液通路を中間リブ29により
幅方向(放射方向)に2分し、外周側及び内周側の同心
円状の2つの冷却液通路25S,25Uを形成し、さら
に両冷却液通路25S,25Uを直列に接続する接続手
段を設けたものである。この場合、冷却液は給液口27
から入り、外周側冷却液通路25Sを通って時計廻りに
隔壁28まで行き、そこで隔壁28の切れ目から内周側
冷却液通路25Uに入って反時計廻りに流れ、図示され
ていない排液口28から排出される。
【0030】この実施の形態の寸法例を挙げると、冷却
装置30の外径は約600mm、冷却液通路25S,25
Uの高さは4mm、冷却液通路25S,25Uの幅はそれ
ぞれ55mm、上面板23及び下面板24の厚さは1mm、
冷却装置30の外形厚さは6mmである。
【0031】図4は本発明のさらに異なる実施の形態の
要部を示すものである。冷却液通路25内を流れる冷却
液による熱伝導の効果を高めるためには、冷却液通路2
5内を通流する冷却液を乱流とし、さらに冷却液が冷却
液通路25内の隅々まで一様に流れるようにするのが望
ましい。そのため、図4の冷却装置における冷却液通路
25内の適宜箇所にポスト31を配置している。ポスト
31の配置部位や数はテストの結果によればよい。
【0032】図5は図1の構造の冷却装置20を軸心方
向に2個積重配置して上下にやや離れて位置する2つの
冷却液通路251,252を形成し、各冷却液通路25
1,252の上下両側にそれぞれ単位コイル321,3
22ないし323,324を配置して1個の電磁コイル
32とした構造の実施形態を示すものである。
【0033】この実施形態では、4個の単位コイル32
1〜324を電気的に直列に接続するとともに、両冷却
液通路251,252も冷却液通路251の図示してい
ない排液口と冷却液通路252の給液口272とを接続
して直列通流路を構成し、冷却液通路251の給液口2
71から注入された冷却液が冷却液通路251を通流し
た後、給液口272から冷却液通路252に入ってそこ
を通流し、冷却液通路252の図示していない排液口か
ら排出される。
【0034】以上述べた本発明の冷却装置は、冷却液通
路を構成する上下平面板を薄くすることによりその断面
積を小さくして電磁コイルの総断面積中に占めるコイル
の占積率を大きくし、さらに冷却装置内部の冷却液通路
の高さを低くすることにより冷却効率を向上させ、結果
として冷却装置を含めた電磁コイル全体としての平均電
流密度を高めるようにする。
【0035】従来は冷却装置の機械的強度を保持するた
めに、図13に示したように上面板8及び下面板9の厚
さを少なくとも数mm確保するとともに、十分な冷却水流
量を確保し、水流に対する流体抵抗をできるだけ小さく
する構造として水路の断面積も大きめにし、全体的に剛
構造としていた。
【0036】本発明はこれを柔構造にすることを意図し
ている。すなわち本発明の冷却装置は柔構造を達成する
ために、(1)上面板23及び下面板24の少なくとも
一方を薄くすること、及び(2)冷却液通路25の高さ
を低くし、薄型の扁平な冷却液通路25を構成すること
の2つの要件を満たすことにより、冷却装置の断面積を
小とし、かつ冷却効率を向上させることを一つの特徴と
している。
【0037】次に本発明に関わる柔構造の具体例につい
て説明する。
【0038】図1,図2の冷却装置20において、冷却
液により、1平方cm当たり2kgの内部圧力をかけたと
き、電磁コイルとしては全体的に補強材を入れた上で樹
脂で固形化することにより、強度面での支障はない。
【0039】冷却液通路25を構成するための外径リブ
21及び内径リブ22に上面板23及び下面板24を溶
接する構造では、上面板23及び下面板24を薄くする
と溶接による熱変形を起こすばかりでなく、素材として
ステンレス鋼を使う場合は加熱により金属組成の構造変
化を起こすため使用中に粒界腐食を発生する危険性が高
い。その点からも上面板23及び下面板24をあまり薄
くすることができなかった。
【0040】本発明に従い上面板23及び下面板24を
薄くするために、上面板23及び下面板24を外径リブ
21及び内径リブ22に低温で接合することとする。接
合手段として、一つの実施形態では、ろう付けを採用す
る。ろう付けの代わりに接着剤を用いて接合してもよ
い。低温での接合処理はステンレス鋼の腐食を避ける点
でも有効なものである。
【0041】電磁コイルの使用による温度上昇が飽和し
たときは、コイルの発熱の大部分は冷却液の温度上昇と
なり放熱される。冷却効果を向上させるためには冷却液
の流量を大きくすることも一つの方法であるが、冷却液
通路25の構造を工夫することにより大量の冷却液を使
用するのと同等の効果を少ない液量で実現することがで
きる。それは上面板23及び下面板24と冷却液との間
の熱伝達係数αを大きくすることであり、そのためには
冷却液通路25中の冷却液の流れを乱流にすることであ
る。ここで、レイノルズ数が2300以上になれば乱流
を生ずることが知られており、冷却液通路25の横断面
形状を扁平にして冷却液通路25の高さを小さくすれば
するほど熱伝達係数αを大きくすることができる。すな
わち、冷却液通路25の高さを低くし、上面板23及び
下面板24の肉厚を可能な限り薄くすることにより、放
熱効果を向上させることができる。冷却液通路25の高
さの限界は、品質的に安定に製造できることと、冷却液
の流れに対する抵抗増加による水圧損失を所定レベル以
下にすることから決定される。
【0042】第2の要点である扁平な薄型の冷却液通路
25は、冷却水の流れを乱流にし、同一流量に対して冷
却液通路25中の冷却液の流速を大きくすることができ
るとともに、冷却液の熱伝達係数αを大きくすることが
でき、冷却効率を高めることができる。
【0043】以上述べた本発明の冷却装置を使用すると
ともに、コイル素材として銅条を用いる場合の実施の一
形態を図6に示す。図6は単位コイル33の部分図であ
り、銅条331及び絶縁薄膜332を重ねて巻き込んだ
ものである。銅条331は、たとえば幅26mm、厚さ
0.16mm程度のものであり、絶縁薄膜332は厚さ
0.016mmである。
【0044】単位コイル33の高さ、すなわち軸心方向
寸法は、コイル33で発生する損失熱を冷却装置に有効
に伝達させることを考慮すると、あまり大きくすること
ができず、一実施形態としては、27mm程度である。
【0045】コイル導体として銅条を使用する利点とし
て、単位コイル33中の絶縁材や空間等を除いた導体の
占積率を高くすることができることを挙げることができ
る。この実施の形態では、占積率は同一断面積の丸銅線
を使用した場合の1.23倍程度に向上させることがで
きる。さらに他の利点として、単位コイル33の巻線や
テーピング処理などの作業が容易になるので製造コスト
の低減化を達成できることを挙げることができる。
【0046】次に本発明の電磁コイルを組み込んだ電磁
石の一実施形態を図7に示す。この電磁石40は、磁極
面が上下に対向するように配置された一対の磁極41,
42にそれぞれ、冷却装置431,441の両側に単位
コイル432,433ないし単位コイル442,443
を配置した構造の電磁コイル43及び44を巻装すると
ともに、両磁極41,42の基部相互間を磁気的に連結
し、かつ各コイルを取り囲むようにヨーク45を配置し
たものである。電磁コイル43,44に電流を流すこと
により各磁極41,42間の磁場空間46に生じた磁束
は、対向磁極の磁極面からその磁極内を通ってヨーク4
5で両側に分流し、他方の磁極基部で再び合流する。
【0047】この実施形態によれば、すでに述べた理由
により電磁コイル43,44を小型・軽量に構成するこ
とができ、磁場空間46を同一としたときの磁極41,
42の長さ及びヨーク45の寸法を小さくすることがで
き、電磁石40全体の重量軽減を達成することができ
る。
【0048】以上説明した実施の形態によれば以下の効
果を奏することができる。 (1)熱伝達効率の良い液冷式冷却装置を実現すること
ができる。 (2)少ない冷却液で高い冷却効果を奏することができ
るので省資源となる。 (3)液冷式冷却装置の厚さ寸法を小さく、コンパクト
にすることができる。 (4)上述の液冷式冷却装置を電磁コイルに組み込むこ
とにより、電磁コイル全体を小型化することができる。 (5)コイル素材として銅条を使用することにより、電
磁コイル全体の断面積中に占める導体の占積率を大きく
することができる。
【0049】本発明の実施の形態の効果を具体的に示す
ために、電磁コイルの断面積電流密度を比較すると、図
13の冷却装置を備えた図11,12の構成例では、コ
イルの断面積電流密度は、1平方mm当たり、2.5Aで
あった。また図14の冷却装置を備えた図11,12の
構成例では、1平方mm当たり3Aであった。それに対し
図1,2,5による本発明の実施の形態では、それを4
Aまで向上させることができた。いずれもコイル素材と
して銅条を使用した場合である。
【0050】電磁コイルを組み込んだ図7の電磁石につ
いて比較すると、対向配置された磁極41,42相互間
の空隙を220mm、磁極41,42の直径を420mm、
磁場の強さを3000エルステッド(Oe)、消費電力が
約8kWの電磁石の重量が、従来装置では丸銅線を使用し
て2,700kgであったものを、本発明による冷却装置
と銅条コイルを使用することにより、重量2,200kg
という小型軽量化を達成することができた。
【0051】他の実施の形態:図1に示す第1の実施形
態における給液金具26は冷却液通路25の高さが低く
ても給液口及び排液口の断面積を大きくとれる利点を持
っているが、図5に示すように単位コイルの形状に影響
を与え、冷却液通路251,252の両面上に配置され
る一対の単位コイル321,322ないし323,32
4が異なる形状・構造のものにならざるを得ない場合が
ある。これに対して図8〜図10はそれぞれ同一形状・
同一構造の単位コイルを使用できるようにした実施の形
態を示すものである。
【0052】図8に示す実施の形態は、上下対称形状の
給液金具36を用いるものである。この場合、給液口3
7と冷却液通路25との結合構造が冷却液通路25と排
液口とのそれと異なるが、両側に配置される単位コイル
は同じ形状・構造のものでよいという利点がある。
【0053】図9に示す実施の形態においては、給排液
口部分が冷却装置の上下平面から突出するのを回避し、
上下両面が給排液口部を含んで平面形状を維持するよう
にしたものである。図9の実施の形態においては、上面
板及び下面板の一方、たとえば図示のごとく下面板38
の肉厚を厚くし、その厚みを利用して給液口37を形成
している。この場合、上面板23の厚さは図1のものと
同様に薄くして冷却能力の向上を図る。この実施の形態
は上下両側にさらに別の冷却装置を積み重ねた形で追加
したい場合など、上面板及び下面板の一方のみの板厚を
薄くすればよい場合に実施することができる。図示の例
とは逆に、厚肉の上面板と薄肉の下面板とを組み合わせ
てもよい。
【0054】図10に示す実施の形態は、小型化は大し
て要求しないが、冷却効率の向上を強く求める場合に好
適なものである。この実施形態では上下対称な上面板3
91及び下面板392をともに肉厚に構成するととも
に、給液口37も上下対称に形成する。しかしながら、
上面板391及び下面板392の素材として銅又はアル
ミニウムのように熱伝導性の優れた材料を用い、しかも
冷却液通路25の高さを低くして冷却効率の向上を図
る。
【0055】以上述べた実施の形態においては、上面板
及び下面板と内径リブ及び外径リブとを接合するに際
し、上面板及び下面板として薄い板材を用いる場合は溶
接による接合が困難であることから、ろう付けにより接
合するものとして説明したが、それに代わって接着剤に
よって接合したり、電子ビーム溶接など、他の接合方法
によって接合したりすることも可能である。
【0056】さらに以上の実施形態においては、冷却液
として水を用いる、いわゆる水冷式のみならず、使用環
境や状況により油など他の液体を使用することもでき
る。
【0057】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、以下の効果
を奏することができる。 (1)熱伝達効率の良い水冷式冷却装置を実現すること
ができる。 (2)少ない冷却液で効果的なコイル冷却を達成し、省
資源型の冷却装置とすることができる。 (3)液冷式冷却装置の厚さ寸法を小さくし、コンパク
ト化することができる。 (4)冷却装置を組み込んだ電磁コイル又は電磁石の全
体サイズを小さくすることができる。 (5)電磁コイルの単位コイルに銅条を使用することに
よりコイル断面積中の導体占積率を大きくすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷却装置の一実施の形態を示す図
2の要部の縦断面図。
【図2】図1に係る冷却装置の平面図。
【図3】本発明による冷却装置の他の実施形態を示す図
1と同様の縦断面図。
【図4】本発明による冷却装置のさらに他の実施形態を
示す図1と同様の縦断面図。
【図5】それぞれ2組の単位コイルを有する2組の冷却
装置を積重した構造の電磁コイルの実施の形態を示す要
部の縦断面図。
【図6】本発明の冷却装置を使用するとともにコイルに
銅条を用いる場合の実施の形態を示す要部の平面図。
【図7】本発明の電磁コイルを組み込んだ電磁石の一実
施形態を示す縦断面図。
【図8】本発明による冷却装置の給排液口部分の異なる
構成例を示す要部の縦断面図。
【図9】本発明による冷却装置の給排液口部分の図8と
は異なる構成例を示す要部の縦断面図。
【図10】本発明による冷却装置の給排液口部分の図8
とは異なる他の構成例を示す要部の縦断面図。
【図11】従来の水冷式電磁コイルの斜視図。
【図12】図11の電磁コイルの縦断面図。
【図13】図12の電磁コイルの要部の冷却液通路の一
構造例を示す拡大図。
【図14】図12の電磁コイルの要部の冷却液通路の他
の構造例を示す拡大図。
【図15】従来の冷却装置の異なる構造例を示す縦断面
図。
【符号の説明】 20 液冷式冷却装置 21 外径リブ 22 内径リブ 23 上面板 24 下面板 25 冷却液通路 26 給液金具 27 給液口 28 排液口 29 中間リブ 30 液冷式冷却装置 31 ポスト 32 電磁コイル 33 単位コイル 37 給液口 40 電磁石 41 磁極 42 磁極 43 電磁コイル 44 電磁コイル 45 ヨーク 46 磁場空間 251 冷却液通路 252 冷却液通路 25S 外周側冷却液通路 25U 内周側冷却液通路 271 給液口 272 給液口 321 単位コイル 322 単位コイル 323 単位コイル 324 単位コイル 331 銅条 332 絶縁薄膜 391 上面板 392 下面板 431 冷却液通路 432 単位コイル 433 単位コイル 441 冷却液通路 442 単位コイル 443 単位コイル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面板及び下面板を含んで断面四角形状の
    冷却液通路を形成し、その冷却液通路内を通流する冷却
    液体に、前記上面板及び下面板の少なくとも一方の外面
    に当接配置される発熱体からの熱を、前記上面板及び下
    面板の少なくとも一方を介して伝導させることによって
    前記発熱体を冷却する液冷式冷却装置において、 前記冷却液通路を扁平形状に形成するとともに、その内
    部を冷却液体が乱流となって通流するように前記冷却液
    通路の断面高さを低くし、かつ、前記上面板及び下面板
    の少なくとも一方の肉厚を、前記冷却液通路内を通流す
    る冷却液体の圧力により膨らみ変形する程度に薄く形成
    したことを特徴とする液冷式冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の液冷式冷却装置におい
    て、前記冷却液通路を前記上面板及び下面板並びにその
    両側に配置されるリブによって構成するとともに、前記
    上面板及び下面板と前記リブとを、ろう付けにより接合
    したことを特徴とする液冷式冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の液冷式冷却装置におい
    て、前記冷却液通路を前記上面板及び下面板並びにその
    両側に配置されるリブによって構成するとともに、前記
    上面板及び下面板と前記リブとを、接着剤を用いて接合
    したことを特徴とする液冷式冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の液冷式冷却装置におい
    て、前記冷却液通路内にその冷却液通路を同心円状に複
    数に区分する中間リブを配置し、区分された複数の冷却
    液通路を直列に接続する接続手段を設けたことを特徴と
    する液冷式冷却装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の液冷式冷却装置におい
    て、前記冷却液通路内に液体の流れの状態を調整するポ
    ストを配置したことを特徴とする液冷式冷却装置。
  6. 【請求項6】導体巻線と液冷式冷却装置とが一体に組み
    込まれた液冷式電磁コイルであって、前記導体巻線は薄
    い銅条とそれよりもさらに薄い絶縁テ一プとを重ねてコ
    イル状に巻線され締結されたものを1個の導体巻線とし
    て、複数個の導体巻線に、請求項1に記載の液冷式冷却
    装置を前記導体巻線に対向して配置し、前記導体巻線と
    前記液冷式冷却装置との間の間隙及び両者の外周に、フ
    ィラーを混入した樹脂を充填し固化したことを特徴とす
    る液冷式電磁コイル。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の電磁コイルに、さらに磁
    路を形成するための磁極とヨークを組み合わせたことを
    特徴とする液冷式電磁石。
JP28685497A 1997-10-20 1997-10-20 液冷式冷却装置並びにそれを用いた液冷式電磁コイル及び液冷式電磁石 Pending JPH11121226A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014055102A (ja) * 2008-02-28 2014-03-27 Corning Inc 白金含有容器の直接抵抗加熱に使用するためのニッケル含有フランジ
JP2015226661A (ja) * 2014-05-31 2015-12-17 株式会社ミュー 医療装置

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