JPH1112044A - セラミックス粉末の成形方法 - Google Patents
セラミックス粉末の成形方法Info
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- JPH1112044A JPH1112044A JP9211414A JP21141497A JPH1112044A JP H1112044 A JPH1112044 A JP H1112044A JP 9211414 A JP9211414 A JP 9211414A JP 21141497 A JP21141497 A JP 21141497A JP H1112044 A JPH1112044 A JP H1112044A
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱崩壊型の熱可塑性樹脂を用いた成形方法で
は、大気中の加熱により成形型を融解し、除去するの
で、成形体の露出部分が急激に乾燥され、その露出部分
に乾燥による亀裂が発生してしまうという問題があっ
た。 【解決手段】 セラミックス粉末に水、分散剤それに結
合剤として熱硬化性樹脂を添加し、混合して調製したス
ラリーを、水を吸収しない材質から成る成形型に注入し
た後、そのスラリーを加熱により硬化させるセラミック
ス粉末の成形方法において、該成形型が、スラリーの硬
化する温度より高い温度で融解する熱可塑性樹脂から成
るとし、その成形型をスラリーを硬化させた後、飽和水
蒸気圧下または熱水中で成形型が融解する温度以上に加
熱することとしたセラミックス粉末の成形方法。
は、大気中の加熱により成形型を融解し、除去するの
で、成形体の露出部分が急激に乾燥され、その露出部分
に乾燥による亀裂が発生してしまうという問題があっ
た。 【解決手段】 セラミックス粉末に水、分散剤それに結
合剤として熱硬化性樹脂を添加し、混合して調製したス
ラリーを、水を吸収しない材質から成る成形型に注入し
た後、そのスラリーを加熱により硬化させるセラミック
ス粉末の成形方法において、該成形型が、スラリーの硬
化する温度より高い温度で融解する熱可塑性樹脂から成
るとし、その成形型をスラリーを硬化させた後、飽和水
蒸気圧下または熱水中で成形型が融解する温度以上に加
熱することとしたセラミックス粉末の成形方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス粉末
の成形方法に関し、特に加熱により溶媒を含んだままス
ラリーを硬化させるセラミックス粉末の成形方法に関す
る。
の成形方法に関し、特に加熱により溶媒を含んだままス
ラリーを硬化させるセラミックス粉末の成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】複雑な形状をした成形体を得るセラミッ
クス粉末の成形方法として、セラミックス粉末に水、結
合剤などを添加、混合して調製したスラリーを、石膏製
等の成形型内に注入し、型が水を吸収することによって
スラリーが着肉硬化することを利用して成形体を得る鋳
込み成形法が利用されている。この鋳込み成形法では、
スラリー中の水が型に吸収されて着肉硬化するため、成
形体の中心部と表面部との間に密度ムラを生じ、その結
果、乾燥や、焼成時にクラックを生じ易いという問題が
あった。また、型内での成形体の収縮に伴い、その成形
体の凹部に亀裂が生じるという問題もあった。
クス粉末の成形方法として、セラミックス粉末に水、結
合剤などを添加、混合して調製したスラリーを、石膏製
等の成形型内に注入し、型が水を吸収することによって
スラリーが着肉硬化することを利用して成形体を得る鋳
込み成形法が利用されている。この鋳込み成形法では、
スラリー中の水が型に吸収されて着肉硬化するため、成
形体の中心部と表面部との間に密度ムラを生じ、その結
果、乾燥や、焼成時にクラックを生じ易いという問題が
あった。また、型内での成形体の収縮に伴い、その成形
体の凹部に亀裂が生じるという問題もあった。
【0003】そこで、本発明者等は最近溶媒には水を用
い、結合剤には自ら硬化する結合剤を用いて調製したス
ラリーを、溶媒を吸収しない材質から成る成形型に注入
し、そのスラリーを加熱することにより硬化させる成形
方法を特願平9−92843で提案した。この方法は、
溶媒を型に吸収させないため、鋳込み法でみられる溶媒
の移動に起因する密度ムラや型内収縮を抑えることがで
きるので、上記の問題を解決する方法となっており、し
かも結合剤にフェノール樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹
脂などの水溶性の熱硬化性樹脂を用いているので、常温
で安定なスラリーを調製することができ、さらに成形体
中に樹脂の凝集物が残ることのない成形体を形成できる
セラミックス粉末の成形方法となっている。
い、結合剤には自ら硬化する結合剤を用いて調製したス
ラリーを、溶媒を吸収しない材質から成る成形型に注入
し、そのスラリーを加熱することにより硬化させる成形
方法を特願平9−92843で提案した。この方法は、
溶媒を型に吸収させないため、鋳込み法でみられる溶媒
の移動に起因する密度ムラや型内収縮を抑えることがで
きるので、上記の問題を解決する方法となっており、し
かも結合剤にフェノール樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹
脂などの水溶性の熱硬化性樹脂を用いているので、常温
で安定なスラリーを調製することができ、さらに成形体
中に樹脂の凝集物が残ることのない成形体を形成できる
セラミックス粉末の成形方法となっている。
【0004】しかし、この成形方法では、形状によって
は成形体の離型性に問題があるものがあった。それは、
成形した成形体と成形型とが密着するため、離型剤を用
いても成形体の離型性が悪く、特に複雑な形状品では脱
型時に成形体が破損してしまうか、あるいは成形型を壊
さなければ成形体が取り出せないという問題があった。
そこで、最近特開平6−315919では、加熱により
融解する熱可塑性樹脂から成る成形型を使用する成形方
法が提案されている。この方法は、成形体を破損するこ
となく成形型を融解し、除去するため、前記した離型性
の問題を解消することのできる成形方法となっている。
は成形体の離型性に問題があるものがあった。それは、
成形した成形体と成形型とが密着するため、離型剤を用
いても成形体の離型性が悪く、特に複雑な形状品では脱
型時に成形体が破損してしまうか、あるいは成形型を壊
さなければ成形体が取り出せないという問題があった。
そこで、最近特開平6−315919では、加熱により
融解する熱可塑性樹脂から成る成形型を使用する成形方
法が提案されている。この方法は、成形体を破損するこ
となく成形型を融解し、除去するため、前記した離型性
の問題を解消することのできる成形方法となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この熱
崩壊型の熱可塑性樹脂を用いた成形方法では、大気中の
加熱により成形型を融解し、除去するので、成形型の除
去により生じた成形体の露出部分が急激に乾燥され、そ
の露出部分に乾燥による亀裂が発生してしまうという問
題があった。
崩壊型の熱可塑性樹脂を用いた成形方法では、大気中の
加熱により成形型を融解し、除去するので、成形型の除
去により生じた成形体の露出部分が急激に乾燥され、そ
の露出部分に乾燥による亀裂が発生してしまうという問
題があった。
【0006】本発明は、上述したセラミックス粉末の成
形方法が有する課題に鑑みなされたものであって、その
目的は、熱崩壊型の熱可塑性樹脂を用いる成形方法であ
っても、成形体に乾燥による亀裂を生じさせることのな
いセラミックス粉末の成形方法を提供することにある。
形方法が有する課題に鑑みなされたものであって、その
目的は、熱崩壊型の熱可塑性樹脂を用いる成形方法であ
っても、成形体に乾燥による亀裂を生じさせることのな
いセラミックス粉末の成形方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、成形型を飽和水蒸気
圧下または熱水中で加熱すれば、成形体に乾燥による亀
裂を生じさせることなく成形体を成形できるとの知見を
得て本発明を完成した。
を達成するため鋭意研究した結果、成形型を飽和水蒸気
圧下または熱水中で加熱すれば、成形体に乾燥による亀
裂を生じさせることなく成形体を成形できるとの知見を
得て本発明を完成した。
【0008】即ち本発明は、(1)セラミックス粉末に
水、分散剤それに結合剤として熱硬化性樹脂を添加し、
混合して調製したスラリーを、水を吸収しない材質から
成る成形型に注入した後、そのスラリーを加熱により硬
化させるセラミックス粉末の成形方法において、該成形
型が、スラリーの硬化する温度より高い温度で融解する
熱可塑性樹脂から成るとし、その成形型をスラリーを硬
化させた後、飽和水蒸気圧下または熱水中で成形型が融
解する温度以上に加熱することを特徴とするセラミック
ス粉末の成形方法(請求項1)とし、また、(2)結合
剤に用いる熱硬化性樹脂が、オリゴマーより重合度の低
い樹脂であることを特徴とするセラミックス粉末の成形
方法(請求項2)とすることを要旨とする。以下さらに
詳細に説明する。
水、分散剤それに結合剤として熱硬化性樹脂を添加し、
混合して調製したスラリーを、水を吸収しない材質から
成る成形型に注入した後、そのスラリーを加熱により硬
化させるセラミックス粉末の成形方法において、該成形
型が、スラリーの硬化する温度より高い温度で融解する
熱可塑性樹脂から成るとし、その成形型をスラリーを硬
化させた後、飽和水蒸気圧下または熱水中で成形型が融
解する温度以上に加熱することを特徴とするセラミック
ス粉末の成形方法(請求項1)とし、また、(2)結合
剤に用いる熱硬化性樹脂が、オリゴマーより重合度の低
い樹脂であることを特徴とするセラミックス粉末の成形
方法(請求項2)とすることを要旨とする。以下さらに
詳細に説明する。
【0009】上記で述べたように、スラリーを注入する
成形型としては、注入したスラリーの硬化する温度より
高い温度で融解する熱可塑性樹脂から成る成形型とし、
その成形型をスラリーを硬化させた後、飽和水蒸気圧下
または熱水中で成形型が融解する温度以上に加熱するこ
ととした(請求項1)。この飽和水蒸気圧下または熱水
中で成形型を加熱することにより、成形型が融解され、
除去されるが、それによって硬化した成形体の表面が露
出しても、その露出部分が飽和蒸気圧下または熱水中に
あるので、乾燥されることはなく、乾燥による亀裂が生
じることはない。
成形型としては、注入したスラリーの硬化する温度より
高い温度で融解する熱可塑性樹脂から成る成形型とし、
その成形型をスラリーを硬化させた後、飽和水蒸気圧下
または熱水中で成形型が融解する温度以上に加熱するこ
ととした(請求項1)。この飽和水蒸気圧下または熱水
中で成形型を加熱することにより、成形型が融解され、
除去されるが、それによって硬化した成形体の表面が露
出しても、その露出部分が飽和蒸気圧下または熱水中に
あるので、乾燥されることはなく、乾燥による亀裂が生
じることはない。
【0010】その成形型に用いる熱可塑性樹脂として
は、水に溶解しない樹脂であって、スラリーが硬化する
温度より高い温度で融解する熱可塑性樹脂であれば特に
限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、酢酸セルロ
ース、セルロイドなどが挙げられる。これらの内、10
0℃以下の温度で融解される樹脂であれば、成形型の融
解を熱水中でできることから、高圧容器等の特別な装置
を必要としないため、特に望ましい樹脂となる。
は、水に溶解しない樹脂であって、スラリーが硬化する
温度より高い温度で融解する熱可塑性樹脂であれば特に
限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、酢酸セルロ
ース、セルロイドなどが挙げられる。これらの内、10
0℃以下の温度で融解される樹脂であれば、成形型の融
解を熱水中でできることから、高圧容器等の特別な装置
を必要としないため、特に望ましい樹脂となる。
【0011】一方、スラリーを硬化させる熱硬化性樹脂
としては、水に溶解し、かつ熱硬化性を示す樹脂であれ
ば特に限定されるものではないが、常温で比較的安定な
挙動を示し、かつ前記したように成形型の熱硬化性樹脂
としては100℃以下の温度で融解する樹脂が好ましい
ことから、その温度よりさらに低い温度で重合反応によ
り3次元架橋構造を作って硬化する樹脂が望ましく、例
えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メ
ラミン樹脂、ユリア・メラミン樹脂、アクリル樹脂もし
くはこれらの変性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂
を2種類以上混合して用いても差し支えない。
としては、水に溶解し、かつ熱硬化性を示す樹脂であれ
ば特に限定されるものではないが、常温で比較的安定な
挙動を示し、かつ前記したように成形型の熱硬化性樹脂
としては100℃以下の温度で融解する樹脂が好ましい
ことから、その温度よりさらに低い温度で重合反応によ
り3次元架橋構造を作って硬化する樹脂が望ましく、例
えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メ
ラミン樹脂、ユリア・メラミン樹脂、アクリル樹脂もし
くはこれらの変性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂
を2種類以上混合して用いても差し支えない。
【0012】また、この硬化性樹脂の重合度としては、
特に限定するものではないが、できるだけ粘度の低いス
ラリーとなる樹脂が望ましいので、粘度の低いスラリー
を得ることのできる樹脂として、オリゴマーより重合度
の低い樹脂とした(請求項2)。この樹脂を使うことに
より、成形性に優れた低粘度のスラリーを調製すること
ができる。
特に限定するものではないが、できるだけ粘度の低いス
ラリーとなる樹脂が望ましいので、粘度の低いスラリー
を得ることのできる樹脂として、オリゴマーより重合度
の低い樹脂とした(請求項2)。この樹脂を使うことに
より、成形性に優れた低粘度のスラリーを調製すること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の成形方法をさらに詳しく
述べると、先ずセラミックス粉末としてアルミナ、ジル
コニア等の酸化物の他、窒化珪素、サイアロン、炭化珪
素等の非酸化物も使用することができ、これら粉末を用
意する。これら粉末に適宜適切な焼結助剤を添加するこ
とは差し支えない。
述べると、先ずセラミックス粉末としてアルミナ、ジル
コニア等の酸化物の他、窒化珪素、サイアロン、炭化珪
素等の非酸化物も使用することができ、これら粉末を用
意する。これら粉末に適宜適切な焼結助剤を添加するこ
とは差し支えない。
【0014】用意した粉末に、水、分散剤を加え、それ
に結合剤として前記した熱硬化性樹脂を所定量加えて混
合し、スラリーを調製する。そのスラリーを真空脱泡し
た後、前記した熱可塑性樹脂から成る成形型に注入す
る。その型を型ごとスラリーが硬化する温度以上に加熱
し、スラリーを硬化させた後、さらに型ごと飽和水蒸気
圧下または熱水中で成形型が融解する温度以上に加熱
し、成形型を融解、除去する。得られた成形体を乾燥、
脱脂し、慣用の方法で所定の雰囲気中で所定の温度、焼
成時間で焼結する。
に結合剤として前記した熱硬化性樹脂を所定量加えて混
合し、スラリーを調製する。そのスラリーを真空脱泡し
た後、前記した熱可塑性樹脂から成る成形型に注入す
る。その型を型ごとスラリーが硬化する温度以上に加熱
し、スラリーを硬化させた後、さらに型ごと飽和水蒸気
圧下または熱水中で成形型が融解する温度以上に加熱
し、成形型を融解、除去する。得られた成形体を乾燥、
脱脂し、慣用の方法で所定の雰囲気中で所定の温度、焼
成時間で焼結する。
【0015】以上述べた方法でセラミックス粉末を成形
すれば、成形型から離型することなしに成形体を形成す
ることができる。
すれば、成形型から離型することなしに成形体を形成す
ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と共に具体的
に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0017】(実施例1〜2) (1)セラミックス粉末の成形 表1に示すセラミックス粉末に、水、結合剤、分散剤を
表1に示す割合で添加して配合し、25℃で16時間ポ
ットミルで混合した後、真空脱泡してスラリーを調製し
た。得られたスラリーを直径50mm、厚さ10mmの
円盤上に長さ15mmの針のついた剣山の成形体が得ら
れる表1に示す熱可塑性樹脂から成る成形型に注入した
後、型ごと80℃で3時間加熱し、スラリーを硬化させ
た。それをさらに、型ごと実施例1では120℃の飽和
水蒸気圧下に、実施例2では100℃の熱水中に5時間
置き、成形型を融解、除去した後、そのまま室温まで冷
却した。得られた成形体を取り出し30℃−90%RH
の雰囲気で乾燥した。
表1に示す割合で添加して配合し、25℃で16時間ポ
ットミルで混合した後、真空脱泡してスラリーを調製し
た。得られたスラリーを直径50mm、厚さ10mmの
円盤上に長さ15mmの針のついた剣山の成形体が得ら
れる表1に示す熱可塑性樹脂から成る成形型に注入した
後、型ごと80℃で3時間加熱し、スラリーを硬化させ
た。それをさらに、型ごと実施例1では120℃の飽和
水蒸気圧下に、実施例2では100℃の熱水中に5時間
置き、成形型を融解、除去した後、そのまま室温まで冷
却した。得られた成形体を取り出し30℃−90%RH
の雰囲気で乾燥した。
【0018】(2)評価 得られた成形体の表面を目視観察し、損傷や亀裂がない
かを調べた。また、得られた成形体を大気雰囲気中で実
施例1では1450℃の温度で、実施例2では1600
℃の温度で3時間焼結し、得られた焼結体の嵩密度をア
ルキメデス法で測定した。それらの結果を表1に示す。
かを調べた。また、得られた成形体を大気雰囲気中で実
施例1では1450℃の温度で、実施例2では1600
℃の温度で3時間焼結し、得られた焼結体の嵩密度をア
ルキメデス法で測定した。それらの結果を表1に示す。
【0019】(比較例1〜3)比較のために、比較例
1、2では、成形型を100℃の大気中で加熱すること
以外は実施例1、2と同様にスラリーを調製し、成形体
を作製し、評価した。また、比較例3では、成形型を加
熱では融解しないシリコーンゴムから成る成形型とし、
その成形型に実施例と同じスラリーを注入し、実施例と
同じくスラリーを硬化させた。その成形体を脱型し、3
0℃−90%RHの雰囲気で乾燥した。得られた成形体
は、実施例1と同様に評価した。それらの結果も表1に
示す。
1、2では、成形型を100℃の大気中で加熱すること
以外は実施例1、2と同様にスラリーを調製し、成形体
を作製し、評価した。また、比較例3では、成形型を加
熱では融解しないシリコーンゴムから成る成形型とし、
その成形型に実施例と同じスラリーを注入し、実施例と
同じくスラリーを硬化させた。その成形体を脱型し、3
0℃−90%RHの雰囲気で乾燥した。得られた成形体
は、実施例1と同様に評価した。それらの結果も表1に
示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、実施例において
は、いずれも表面に損傷や亀裂が認められない成形体が
得られた。その成形体を焼結して得られた焼結体も、そ
の表面には損傷や亀裂は認められず、また、いずれも高
比重であるので、欠陥のない緻密な焼結体であった。こ
のことは、熱崩壊型の熱可塑性樹脂を用いた成形方法で
あっても、表面が乾燥されることなく成形体を形成でき
ることを示している。
は、いずれも表面に損傷や亀裂が認められない成形体が
得られた。その成形体を焼結して得られた焼結体も、そ
の表面には損傷や亀裂は認められず、また、いずれも高
比重であるので、欠陥のない緻密な焼結体であった。こ
のことは、熱崩壊型の熱可塑性樹脂を用いた成形方法で
あっても、表面が乾燥されることなく成形体を形成でき
ることを示している。
【0022】これに対して比較例1、2では、成形型を
大気中で加熱、融解しているので、成形体の露出した部
分が急激に乾燥され、成形体に亀裂が認められた。ま
た、比較例3では、成形体と成形型の密着性がよい上
に、成形体が複雑な形状を有しているため、成形体の針
の部分が成形型に残ってしまい、良好な成形体が得られ
なかった。以上のように比較例は1〜3とも成形体の段
階で欠陥が生じたので、成形体を焼結しなかった。
大気中で加熱、融解しているので、成形体の露出した部
分が急激に乾燥され、成形体に亀裂が認められた。ま
た、比較例3では、成形体と成形型の密着性がよい上
に、成形体が複雑な形状を有しているため、成形体の針
の部分が成形型に残ってしまい、良好な成形体が得られ
なかった。以上のように比較例は1〜3とも成形体の段
階で欠陥が生じたので、成形体を焼結しなかった。
【0023】
【発明の効果】以上の通り、本発明にかかる成形方法に
よれば、熱崩壊型の熱可塑性樹脂を用いた成形方法で
も、表面が乾燥されることなく、成形体を形成すること
ができるようになった。このことにより、どの様な形状
でも破損や乾燥亀裂を生じることなしに成形体を形成す
ることのできるセラミックス粉末の成形方法を提供でき
るようになった。
よれば、熱崩壊型の熱可塑性樹脂を用いた成形方法で
も、表面が乾燥されることなく、成形体を形成すること
ができるようになった。このことにより、どの様な形状
でも破損や乾燥亀裂を生じることなしに成形体を形成す
ることのできるセラミックス粉末の成形方法を提供でき
るようになった。
Claims (2)
- 【請求項1】 セラミックス粉末に水、分散剤それに結
合剤として熱硬化性樹脂を添加し、混合して調製したス
ラリーを、水を吸収しない材質から成る成形型に注入し
た後、そのスラリーを加熱により硬化させるセラミック
ス粉末の成形方法において、該成形型が、スラリーの硬
化する温度より高い温度で融解する熱可塑性樹脂から成
るとし、その成形型をスラリーを硬化させた後、飽和水
蒸気圧下または熱水中で成形型が融解する温度以上に加
熱することを特徴とするセラミックス粉末の成形方法。 - 【請求項2】 結合剤に用いる熱硬化性樹脂が、オリゴ
マーより重合度の低い樹脂であることを特徴とする請求
項1記載のセラミックス粉末の成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9211414A JPH1112044A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | セラミックス粉末の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9211414A JPH1112044A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | セラミックス粉末の成形方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112044A true JPH1112044A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=16605569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9211414A Pending JPH1112044A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | セラミックス粉末の成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1112044A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100092657A1 (en) * | 2007-07-27 | 2010-04-15 | Ngk Insulators, Ltd. | Ceramic compact, ceramic part, method for producing ceramic compact, and method for producing ceramic part |
-
1997
- 1997-06-19 JP JP9211414A patent/JPH1112044A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100092657A1 (en) * | 2007-07-27 | 2010-04-15 | Ngk Insulators, Ltd. | Ceramic compact, ceramic part, method for producing ceramic compact, and method for producing ceramic part |
US8409484B2 (en) * | 2007-07-27 | 2013-04-02 | Ngk Insulators, Ltd. | Method for producing a ceramic compact |
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