JPH11119570A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH11119570A
JPH11119570A JP9276196A JP27619697A JPH11119570A JP H11119570 A JPH11119570 A JP H11119570A JP 9276196 A JP9276196 A JP 9276196A JP 27619697 A JP27619697 A JP 27619697A JP H11119570 A JPH11119570 A JP H11119570A
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image
roller
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JP9276196A
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Hiroko Ogama
裕子 大釜
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録材の厚みにかかわらず、転写時の記録材の
走行を安定させて、中抜け、転写入口ガイドに起因する
画像劣化を防止する。 【解決手段】転写ローラ5をソリッド状の弾性体によっ
て構成する。これにより、転写ニップ部N1 で変形した
場合でもその体積は不変となり、転写ニップ部N1 にお
ける復元力が強く、記録材とのスリップが生じにくい。
さらに、転写ローラと記録材との間の摩耗力を、感光ド
ラム1と記録材との間の摩擦力の3〜20倍とすること
で、転写ローラ5表面の移動速度と感光ドラム1表面の
移動速度との間に移動速度差があった場合においても、
記録材に対して転写ローラ5により十分な搬送力を付与
して、記録材の厚みが変わっても安定して搬送できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写ローラを使用
した複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置(例
えば、複写機、レーザービームプリンタ)において、像
担持体上の形成したトナー像を紙等の記録材に転写する
ための転写手段として、コロナ転写装置、ローラ転写装
置、ベルト転写装置等が知られている。第1のコロナ転
写装置は、コロナ放電を利用するものであり、次のロー
ラ転写装置は、導電性の弾性ローラにトナーと逆極性の
電圧を印加して記録材上に静電的に転写するものであ
り、そして、最後のベルト転写装置は、ベルト状の回転
体に記録材を静電的に吸着するとともに、ベルト状回転
体からの静電気力によりトナー像を記録材に転写するも
のである。
【0003】上述の3種の転写装置のうち、ローラ転写
装置は、オゾンの発生が少ないこと、転写用ローラを記
録材搬送用ローラと兼用することができること、等から
画像形成装置の低コスト化に適しており、近年広く採用
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ローラ
転写装置は、像担持体(例えば、感光ドラム)上のトナ
ー像を転写する際にトナー像に対し圧力が加わるため
に、文字画像の中央部のみが転写されない「中抜け」と
いう現象が発生しやすいことが知られている。
【0005】中抜けを回避するために、転写ローラの圧
接力を弱めたり、転写ローラを感光ドラムに対して速回
(はやまわ)しし、トナーの掻取り力を高たり(例え
ば、特開平03−155584号公報)する方法が知ら
れている。例えば、転写ローラを構成する弾性体とし
て、低硬度の実現が容易な発泡スポンジを用い、軽圧接
力で感光ドラムに接触させ、同時に周速を感光ドラムよ
りも速くすることが行われている。
【0006】しかし、このような構成は、以下の、
に示すような欠点を有している。
【0007】転写ローラを感光ドラムに対し速回しし
て記録材を搬送する場合、記録材は転写ローラからは進
行方向に対する搬送力を、感光ドラムからは進行方向と
は逆方向への力(ブレーキ力)を受けて、転写ローラと
感光ドラムとの双方に対して常にスリップしながら搬送
される。具体的にはその搬送速度は感光ドラムの周速よ
りも速く、また転写ローラの周速よりも遅くなる。この
ように感光ドラムに対しても転写ローラに対しても常に
スリップした状態で搬送されている記録材の搬送速度は
非常に不安定であり、外部からの搬送抵抗により変化し
やすことがわかっている。
【0008】図13に示すように、感光ドラム1と転写
ローラ5との間に形成される転写ニップ部N1 の上流側
には、記録材Pをガイドして転写ニップ部N1 に突入さ
せるためのガイド部材91(転写入口ガイド)がある。
該ガイド部材91は、転写ローラ5に印加された転写バ
イアスの影響で、転写ニップ部N1 の上流側(図13の
斜線部)に発生するプレ転写電界に記録材Pがかかる前
に記録材Pを感光ドラム上に密着させるべく記録材Pを
ガイドする部材で、プレ転写電界に記録材P先端がかか
る前に記録材Pを感光ドラム1上に密着させて搬送させ
ることで、該プレ転写電界中で感光ドラム1上のトナー
が記録材P上に飛翔するために発生する文字画像の飛び
散りやドットのにじみといった画像劣化を防止してい
る。該ガイド部材91の先端位置は、感光ドラム1に近
づけるほど記録材Pを感光ドラム1に対してより確実に
密着させて搬送させることができ、飛び散りの防止やド
ット再現性の向上に効果がある。しかし、画質向上のた
めに該ガイド部材91を感光ドラムに近づけていった場
合、記録材Pが該ガイド部材91に強く摺察されながら
転写ニップ部N1 で搬送されるため、このガイド部材9
1と記録材Pとの摺察が記録材P進行方向とは逆方向へ
働く搬送抵抗となり、結果として転写ローラ5に対する
記録材Pのスリップ量が増して転写ニップ部N1 での記
録材Pの搬送速度が遅くなってしまう。このガイド部材
91による搬送抵抗は特に秤量105g/m2 以上の厚
紙を通紙したときに大きくなり、記録材Pは搬送スピー
ドが遅くなって感光ドラム1と周速差がなくなるために
トナーの掻取り効果が十分に得られず中抜けが悪化する
という問題があった。
【0009】この問題を解決するために、該ガイド部材
91を転写ローラ5の芯金で支持し、該ガイド部材91
が転写ローラ5とともに感光ドラムに対し移動可能な状
態に保持された画像形成装置があるが、これは厚紙を通
紙した場合に転写ローラ5とともに該ガイド部材91を
感光ドラムから離れる方向に移動させることで搬送抵抗
を緩和し、記録材Pの搬送速度の低下を防止して中抜け
の発生を防ぐことができる反面、厚紙の場合は記録材P
を感光ドラム1に密着させることができないために画像
が劣化するという欠点がある。
【0010】転写ローラ5の直前には通常、図14に
示すように給紙から転写までの紙搬送を橋渡しするため
の搬送ローラ(以下「転写前ローラ」という)101が
ある。該転写前ローラ101は搬送ニップ部N2 を形成
するための弾性体層を有する弾性ローラ101aと、該
弾性ローラ101aに圧接されれた搬送コロ101bと
からなり、弾性ローラ101aを駆動手段(不図示)に
よって駆動することで記録材Pを搬送している。該転写
前ローラには給紙によるバックテンションの変化を吸収
するために高い加圧力がかけられており、高い搬送力を
有する反面、通紙によって弾性ローラ101aのゴム部
が摩耗しやすく、耐久によって搬送速度が低下してい
く。該転写前ローラ101での記録材P搬送速度が低下
すると転写ニップ部N1 での記録材P搬送速度との間に
速度差が生じて記録材Pの引っ張り合いが起こり、転写
前ローラ101から記録材Pの搬送方向とは逆に引っ張
りの力がかかるるために、転写ローラ5での記録材Pの
スリップ量が多くなり、記録材Pの搬送速度が遅くなる
という問題がある。転写ニップ部N1 での記録材Pの搬
送速度が著しく低下すると感光ドラム1に対する記録材
Pの搬送速度差を維持できなくなり、掻取り力が得られ
ないために中抜けが発生してしまう。
【0011】この問題を回避するために、従来の画像形
成装置では耐久による転写前ローラ101の搬送速度の
低下をあらかじめ見込み、転写ニップ部N1 での記録材
Pの搬送速度よりも転写前ローラ101での記録材Pの
搬送速度を速く設定してこの問題を防止するものがあ
る。しかし、転写前ローラ101での記録材Pの搬送速
度は、摩耗以外にも外径公差による搬送速度変化や、画
像形成装置の使用されている室内環境(温度や湿度)等
によって弾性ローラが熱膨張したり弾性率が変化したり
することでも変化するため、これらの要因すべてを考慮
して転写前ローラ101でのスピードを設定すると転写
ニップ部N1 での記録材Pの搬送速度に対し+2.5〜
3%といった大きな速度差を付ける必要が生じる。転写
前ローラ101での記録材Pの搬送速度が速すぎる場合
に、逆に転写ニップ部N1 に対する記録材Pの押し込み
が生じ、印字倍率がのびて極端な場合は画像が記録材P
後端からはみ出してしまうという弊害がある。
【0012】そこで、本発明の第1の目的は、転写ロー
ラを使用した画像形成装置において、転写入口ガイドに
よる画像劣化のない良好な画像を得るとともに、記録材
の厚さによらず転写ニップ部での記録材の搬送速度を維
持でき、常に安定した印字精度と中抜けのない良好な画
像が得られる画像形成装置を提供することにある。
【0013】また、本発明の第2の目的は、転写ニップ
部に記録材を供給する転写前ローラを有する画像形成装
置において、環境、耐久枚数によらず安定した印字精度
と中抜けのない良好な画像を得ることができる画像形成
装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、移動可能な表面にトナー像が形成される像担持体
と、該像担持体表面に接触配置されて転写ニップ部を形
成し、該転写ニップ部にて挟持搬送する記録材に対して
前記像担持体上のトナー像を転写する転写手段と、前記
像担持体に対して固定配置され前記転写ニップ部に供給
される記録材をガイドする記録材ガイド部材とを備える
画像形成装置において、該転写手段は、ソリッド状の弾
性体を有するとともに該弾性体を前記像担持体表面に対
して加圧接触された転写ローラを備え、該転写ローラ
は、その表面の移動速度が前記像担持体表面の移動速度
よりも速く設定され、また表面摩擦力が前記像担持体表
面の摩擦力に対して3〜20倍である、ことを特徴とす
る。
【0015】請求項2に係る本発明は、前記転写ローラ
は、前記像担持体表面に対して、200g/cm2 以上、
800g/cm2 以下の圧接力で当接されている、ことを
特徴とする。
【0016】請求項3に係る本発明は、前記転写ローラ
は、その表面の移動速度が前記像担持体表面の移動速度
よりも1〜5%速く設定されている、ことを特徴とす
る。
【0017】請求項4に係る本発明は、前記転写ローラ
は、抵抗値が106 〜1010Ωに設定されている、こと
を特徴とする。
【0018】請求項5に係る本発明は、移動可能な表面
にトナー像が形成される像担持体と、該像担持体表面に
接触配置されて転写ニップ部を形成し、該転写ニップ部
にて挟持搬送する記録材に対して前記像担持体上のトナ
ー像を転写する転写手段と、前記転写ニップ部に記録材
を供給する転写前ローラとを備える画像形成装置におい
て、該転写手段は、ソリッド状の弾性体を有するととも
に該弾性体を前記像担持体表面に対して加圧接触された
転写ローラを備え、該転写ローラは、その表面の移動速
度が前記像担持体表面の移動速度よりも速く設定され、
また表面摩擦力が前記像担持体表面の摩擦力に対して3
〜20倍であり、さらに記録材搬送速度が前記転写前ロ
ーラによる記録材搬送速度よりも遅い、ことを特徴とす
る。
【0019】請求項6に係る本発明は、前記転写ローラ
は、前記像担持体表面に対して、200g/cm2 以上、
800g/cm2 以下の圧接力で当接されている、ことを
特徴とする。
【0020】請求項7に係る本発明は、前記転写ローラ
は、その表面の移動速度が前記像担持体表面の移動速度
よりも1〜5%速く設定されている、ことを特徴とす
る。
【0021】請求項8に係る本発明は、前記転写ローラ
は、抵抗値が106 〜1010Ωに設定されている、こと
を特徴とする。
【0022】〔作用〕以上構成に基づく主な作用(請求
項1に対応した作用)は次のとおりである。
【0023】請求項1の発明によると、転写ローラはソ
リッド状の弾性体によって構成されているため、転写ニ
ップ部で変形した場合でもその体積は不変となり、転写
ニップ部における復元力が強く、記録材とのスリップが
生じにくい。さらに、転写ローラと記録材との間の摩耗
力を、像担持体と記録材との間の摩擦力の3〜20倍と
することで、転写ローラ表面の移動速度と像担持体表面
の移動速度との間に移動速度差があった場合において
も、記録材に対して転写ローラにより十分な搬送力を付
与できる。したがって、例えば、記録材ガイド部材等が
記録材の搬送抵抗となった場合でも、記録材の厚み等に
かかわらずその搬送抵抗に打ち勝って記録材Pを安定し
て搬送することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0025】〈実施の形態1〉図1は、本発明に係る画
像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0026】同図に示す画像形成装置は、像担持体とし
てドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」とい
う)1を備えている。感光ドラム1は、OPC(有機光
半導体)、A−Se(アモルファスセレン)、A−Si
(アモルファスシリコン)等の感光材料をアルミニウム
やニッケルなどのシリンダ状の基板上に形成した構成さ
れている。感光ドラム1は駆動手段(不図示)によって
矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動され
る。
【0027】回転された感光ドラム1は、まずはじめに
その表面が帯電装置としての帯電ローラ2によって一様
に帯電される。次に、露光手段であるレーザービーム3
を画像情報に応じてON/OFF制御し走査露光がなさ
れ、感光ドラム1表面に静電潜像が形成される。
【0028】この静電潜像は、現像装置4でトナーが付
着されてトナー像として現像され、可視化される。現像
方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、F
EED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像
との組み合わせで用いられることが多い。
【0029】記録材Pは手差しトレイ21又はカセット
26から給紙ローラ22、27によって取り出され、プ
レフィードセ23で定着温調立ち上げ完了まで待機した
後に、転写前ローラ24、転写入口ガイド(記録材ガイ
ド部材)28を介して画像形成部に給紙される。記録材
Pはレジストセンサ25によって、感光ドラム1表面に
形成されたトナー像と同期を取り、感光ドラム1と転写
ローラ5(転写手段)とで形成される転写ニップ部N1
に供給される。転写ニップ部N1 において、感光ドラム
1上のトナー像は、矢印R1方向に回転する感光ドラム
1と矢印R5方向の回転する転写ローラ5とによって挟
持搬送される記録材Sに、電源(不図示)による転写バ
イアスの作用で転写される。
【0030】トナー像を保持した記録材Pは定着装置6
へ搬送され、定着装置6の定着ニップ部で、加熱・加圧
されて記録材上に定着され永久画像となる。一方、転写
後に感光ドラム1上に残留する転写残トナーは、クリー
ニング装置7により感光ドラム1表面から除去される。
【0031】上記構成の画像形成装置において、転写入
口ガイド28は、本体フレームに位置が固定されてお
り、その先端位置は文字画像の飛び散りのレベルによっ
て決定されている。転写入口ガイド28の先端(図2中
のP点)の、感光ドラム1表面からの距離をa、感光ド
ラム−転写ローラの中心点を結ぶラインからの角度を
b、感光ドラム外径をDd、転写ローラ外径をDtとす
ると、P点位置は一般に、a=2〜4mm、かつ、Dt/
Dd=1/3以下の場合はb=20〜45°の範囲、D
t/Dd=1/3以上の場合は30〜40°を満たす範
囲にあれば飛び散りのない良好な画像が得られることが
わかっている。
【0032】また、転写ローラ5は、図3に示すよう
に、鉄、SUS等の芯金51上にEPDM、シリコー
ン、NBR、ウレタン等のソリッド状の弾性体52を形
成し、ローラ硬度は40〜70度(ASKER−C 1
kg荷重時)、その抵抗値が106〜1010Ωの範囲のも
のを使用する。転写ローラ5は加圧バネ54により感光
ドラム1に圧接され、駆動ギヤ(不図示)により、感光
ドラム1側に設けたギヤから駆動力が伝達されて回転す
る。このときの転写ローラ5の感光ドラム1に対する周
速比は感光ドラム外径をRd、感光ドラム駆動伝達ギヤ
の歯数をNd、転写ローラ外径をRt、転写ローラ駆動
ギヤの歯数をNtとしたときに、Rt/(Rd×Nt/
Nd)で表される。また表面摩擦力は、図4に示すよう
な、幅50mmの普通紙31(秤量が80〜105g/m
2 )の中間部を転写ローラ5の外周の1/4にかけて一
方の端部に75gの重り32を吊り下げ、他方の端部を
バネ秤33で一定速度で引いた時の力から求める。ま
た、感光ドラム1に対する転写ローラ5の圧接力は、静
止した感光ドラム1上にトナー、インク等を均一に塗布
し、そこに転写ローラ5の両端に荷重を加え、転写ロー
ラ5に付着したトナー又はインクの幅から感光ドラム−
転写ローラ間のニップ幅を求め(長手方向中央部近傍の
ニップ幅で表す)、転写ローラ弾性体層の長手幅を乗ず
ることにより圧接面積を求め、総荷重から圧接力を算出
する。このような測定方法により、転写ローラ5には硬
度40〜70度のソリッド状の弾性体層を形成し、転写
ローラ5と感光ドラム1間で周速差を設け、そのとき感
光ドラム1の表面摩擦力に対し3〜20倍の表面摩擦力
を転写ローラ5が有することで、記録材Pの厚みによら
ず安定した印字精度を維持でき、文字画像の中抜けが生
じない画像形成装置が得られる。特にこのとき転写ロー
ラ5の圧接力が200〜800g/cm2 であること、転
写ローラ5の周速を感光ドラム1に対し1〜5%速くす
ることで上記効果をより顕著なものにすることができ
る。
【0033】以下、実験例を基に本発明の作用効果を説
明する。
【0034】転写ローラ5は直径6mmの鉄からなる芯金
の上にEPDMからなる弾性層を加硫成型し、その後、
研磨することで所望の外径を得る。このとき転写ローラ
5の抵抗値は108 ΩになるようにEPDM配合をコン
トロールする。硬度はゴム配合を調整し30〜80度ま
での転写ローラ5を作製した。感光ドラム1はポリカー
ボ系バインダーを主体としたCT層を有するOPC層を
アルミニウムシリンダ上に形成したものを用い、その外
径は30mmとした。転写ローラ5は感光ドラム1からギ
ヤを介して駆動を受け、転写ローラ5のギヤ歯数は2
4、感光ドラム1のギヤ歯数は43とした。また、比較
例としてEPDMを発泡させ弾性層とした転写ローラも
同様に使用した。
【0035】本実施の形態1では、転写入口ガイド28
の先端位置は、a=3mm、b=30°とした。この条件
にすると、本実施の形態1で示した画像形成装置では文
字画像の飛び散りやドットのにじみは発生せず、良好な
画像が得られる。
【0036】図5は、上記転写入口ガイド位置で、秤量
128g/m2 の厚紙を通紙した場合の、各転写ローラ
での画像倍率と中抜けのレベルを示したものである。な
お、転写ローラの外径は、秤量75g/m2 の記録材P
に印字比率が2%未満のライン画像を印字した場合の印
字倍率(=搬送速度)が100%(=プロセススピー
ド)となるように適宜調整した。感光ドラム1上の画像
倍率(=外周速)はこのときの記録材Pの搬送速度(=
プロセススピード)に対し−1%に設定している。図5
において、厚紙倍率の括弧内に示した数値は、秤量75
g/m2 の記録材Pの印字倍率(=100%)に対する
厚紙の印字倍率の減少量である。
【0037】図5に示すように、スポンジタイプの転写
ローラA、Bの場合は厚紙通紙時の倍率が99.4%以
下となり、99%で駆動される感光ドラムに対する周速
差が小さくなるためにトナーの掻き取り効果が得られず
に中抜けがNG(×)となっているのに対し、ソリッド
タイプの転写ローラB〜Dでは厚紙搬送時も印字倍率の
低下は少なく、99.8%以上の高い倍率を維持できる
ために中抜けがOK(〇)となっている。これは弾性層
がソリッドの場合、転写ニップ部N1 での変形時に体積
が不変なためにその復元力が大きく、記録材Pがスリッ
プしずらいため、搬送抵抗が大きい場合でも搬送速度を
維持できるためである。また、硬度が50度のスポンジ
転写ローラBでも印字倍率の低下は発生していることか
ら、弾性層がスポンジの場合は充分な復元力が得られな
いことがわかる。ただし、ソリッド転写ローラでも硬度
が低すぎる場合(ソリッドA)は、充分な復元力が得ら
れなくなるために、転写ローラと記録材P間のスリップ
も発生しやすくなるために厚紙での搬送速度を維持でき
なくなり、逆に硬度が高すぎる場合(ソリッドE)は安
定した転写ニップ部N1 が得られないために、搬送状態
が不安定となって厚紙での搬送速度が維持できなくなっ
てしまう。
【0038】以上の結果から、ソリッドローラの硬度は
40〜70度(ASKER−C/総荷重1kg)の範囲と
することが望ましいことがわかった。
【0039】次に、EPDM表面の摩擦力をEPDM内
にフッ素樹脂粉体(ダイキン(株)製ルブロン:商品
名)を分散させることで摩擦力を低下させる方向に制御
し、シリコーンゴムを分散させることで摩擦力を高くす
る方向に制御した転写ローラを作製し、厚紙搬送速度の
転写ローラ表面摩擦力依存性を調べた結果を示す。
【0040】以下に上記のように作製した転写ローラと
感光ドラム1の表面摩擦力を図4に示した方法で測定し
た結果を示す。
【0041】転写ローラC:EPDMのみ 摩擦力63
0g 対ドラム比14.7 転写ローラF:EPDMにフッ素樹脂10部分散 摩擦
力375g対ドラム比 8.7 転写ローラG:EPDMにフッ素樹脂30部分散 摩擦
力130g対ドラム比 3.0 転写ローラH:EPDMにシリコーンゴム20部分散
摩擦力850g対ドラム比19.8 転写ローラI:EPDMにシリコーンゴム30部分散
摩擦力1230g対ドラム比28.6 転写ローラB:EPDM発泡スポンジ 摩擦力950g
対ドラム比22.1感光ドラム:摩擦力43g 転写ローラの硬度は、ソリッドタイプ、スポンジタイプ
ともにすべて50度とした。
【0042】図6に、各転写ローラでの厚紙印字時の画
像倍率と中抜けのレベル、転写ローラのクリーニング性
を示す。
【0043】同図からわかるように、厚紙搬送時は画像
倍率が低下し、その変化量はソリッド状の弾性体を用い
た場合、表面の摩擦力に依存していることがわかる。ま
た転写ローラの弾性層がスポンジ層の場合には表面摩擦
力が大きいにもかかわらず。厚紙搬送時の搬送速度が低
下していることがわかる。この結果からも、弾性層がソ
リッドの場合、転写ニップ部N1 での変形時に体積が不
変なためにその復元力が大きく、記録材Pがスリップし
づらく、一方、スポンジの場合は摩擦力こそ大きいが転
写ニップ部N1 での変形時にその体積が減少するために
復元力が弱く、記録材Pがスリップしやすくなっている
と考えられる。印字倍率99.5%以上であれば中抜け
がOKレベルとなることがわかっており、図6より転写
ローラ以外は充分な搬送力があるこことがわかる。一
方、転写ローラ5のクリーニング性は感光ドラム1との
間の摩擦力の関係で決まりその値は小さいものがよく、
図6の結果よりソリッド状の弾性体の場合、発泡スポン
ジに比べその値は小さくなるが、摩擦力が20倍以下な
らば実用上問題のないレベルといえる。なお、クリーニ
ング性は転写ローラ5に直接、感光ドラム1上のトナー
を転写させ、その後、転写ローラ5にトナーと同極性の
電圧(−1〜2kV)を印加し転写ローラ5を2回転さ
せ、転写ローラ付着トナーが充分に感光ドラム1に転移
したかどうかで判断した。具体的な判断方法は上記評価
後、白紙の記録材Pを1枚通紙し、その記録材Pの裏面
がトナーで汚れるかどうか目視で判断した。
【0044】以上より転写ローラ5としてソリッド状の
弾性体を用い、その摩擦力が感光ドラムに対し3〜20
倍の間にあることで搬送抵抗がある場合でも記録材Pの
安定した搬送が実現でき、同時に転写ローラ5のクリー
ニング性も良好に保つことが可能になる。このとき転写
ローラ5の感光ドラム1に対する周速比は+0.5〜+
5%の間にあることが好ましいことが上記図6の結果よ
りわかる。
【0045】また本出願人等の検討によると、転写ロー
ラ5のクリーニング性は、転写ローラ5の感光ドラム1
に対する周速差にも依存していることがわかり、周速差
が0.5%以下では充分なクリーニング性能が得られ
ず、トナーと同極性の電圧を印加するクリーニング方式
においては感光ドラム側に転写ローラ付着トナーを擦り
付ける力を充分与える必要があるために、文字画像中抜
けと同様に感光ドラム−転写ローラ間に周速差を設ける
のが好ましいことがわかる。この結果、転写時以外のタ
イミングで転写ローラ5にトナーと同極性の電圧を印加
するモードを設けることで、常に転写ローラ表面はきれ
いな状態に維持される。また転写ローラ5の感光ドラム
1に対する圧接力も本発明の作用効果を得るための重要
なパラメータであり、圧力が低すぎると充分な記録材P
の搬送力が得られず、特に記録材Pの秤量の違いにより
印字倍率に差が出ることがわかり、秤量60〜200g
/m2 の記録材Pを同等の印字倍率で搬送するためには
充分な圧接力が必要で、さらに転写ローラ弾性層がソリ
ッド状であることが必要であることもわかった。一方、
高すぎると感光ドラム−転写ローラ間に周速差を設けて
も充分な中抜け防止効果が得られない。ソリッド状弾性
体を用いた転写ローラ5の場合、圧接力で200〜80
0g/cm2 と比較的、転写ローラ5への圧接力としては
高い領域で使用することで上記効果が得られることがわ
かった。
【0046】〈実施の形態2〉図7は、本発明の実施の
形態2に適用する転写ローラの断面図である。
【0047】本実施の形態2の転写ローラ50は芯金5
1の上にソリッド状弾性体52を設け、更にその表層に
表面摩擦力を調整するための弾性層又は樹脂層(以下
「表層」という)53が設けられている。このような構
成とすることで、転写ローラ表面摩擦力を弾性層1層で
コントロールするのに比べ、材料選択に自由度が生じ
る。例えばソリッド状弾性体表層の摩擦力を、充分なク
リーニング性能を得るために下げる場合に、フッ素樹脂
等の低摩擦物質を分散させた場合には弾性層の物性値と
して引き裂き、引っ張り強度等が低下する場合があり、
転写ローラ50の強度低下を招き、長期耐久により転写
ローラ弾性層に亀裂が生じたりする。このような現象を
防止するために本実施の形態では弾性体52として、E
PDM、NBR、CR、シリコーン、イソプレン、ウレ
タン等のゴム材を使用し、表層53にEPDM、NB
R、シリコーン、ウレタン、又はそこにフッ素樹脂等の
低摩擦物質を混入分散させたゴム材を用いることができ
る。更に表層53にはナイロン、ウレタン、アクリル等
の樹脂層を設けることによっても同等の作用効果が得ら
れる。
【0048】本構成の好ましい形態としては、弾性体5
2の表層53に設けるゴム層としては厚みが0.3〜1
mmの間にあることが好ましく、薄すぎる場合、表層53
を形成することが難しく、厚すぎる場合には上記記載に
あるように耐久性が劣りやすくなる。転写ローラ50と
して、実施の形態1と同様のローラ硬度は40〜70度
(ASKER−C 1kg荷重時)、その抵抗値が106
〜1010Ωの範囲のものを使用する。また表層53とし
て樹脂層を設けた場合には弾性体52の弾性と、ニップ
部変形時の復元力による記録材Pの保持力を充分得るた
めにその厚みは薄いほど好ましく、厚みは50μm以
下、より好ましくは30μm以下であることが本発明の
作用効果を得るために重要となる。また厚み下限はその
耐久性により決定され、10μm以上であることが好ま
しい。本構成においても転写ローラに要求される特性は
前記実施の形態1と同様である。
【0049】なお、本実施の形態では転写入口ガイド2
8を図8に示すように感光ドラム1に対して一定ギャッ
プを保つように支持している。この支持法によると、転
写入口ガイド位置を常に感光ドラムに対して一定位置に
固定でき、より精度よく記録材Pをガイドできるため、
飛び散り等の画像劣化防止に優れている。
【0050】以下具体的に実施の形態を示す。
【0051】転写ローラ50は直径6mmの鉄芯金51の
上に弾性体52としてNBRを厚み5mmで設け、その表
層53としてEPDM内にフッ素樹脂を20部分散させ
て弾性層を厚み0.5mmで設け、外径は17.0mmとし
た。このとき転写ローラ50のローラ硬度は55度(A
SKER−C 1kg荷重)、抵抗値は3×108 Ωであ
る。本転写ローラ50を用い、実施の形態1と同様の評
価を行った結果、感光ドラム1との摩擦力比は9.0で
あり、記録材Pの印字倍率も画像印字比率によらず感光
ドラム1に対し+1〜+1.2%を維持した。また耐久
性も良好でA4サイズの普通紙を30枚通紙しても、転
写ローラ50表層に異常はみられず、初期と同等の性能
を維持することができた。また、転写ローラ50として
直径6mmの鉄芯金51の上に弾性体52としてNBRを
厚み5mmで設け、その表層53としてフッ素樹脂を分散
させたウレタン樹脂層を厚み30μmで設け、このとき
転写ローラ50のローラ硬度は50度(ASKER−C
1kg荷重)、抵抗値は2×108 Ωとしたところ、実
施の形態1と同様の評価を行った結果、感光ドラム1と
の摩擦力比は8.1であり、記録材Pの厚さによらず感
光ドラム1に対し+0.5〜+1%を維持した。また耐
久性も良好でA4サイズの普通紙を30万枚通紙して
も、転写ローラ50表層に異常はみられず、初期と同等
の性能を維持することができた。
【0052】〈実施の形態3〉本実施の形態3では、転
写ローラ弾性層としてポリエチレン系、ポリエステル
系、ポリウレタン系、シリコーン系、フッ素系等の熱可
塑性のエラストマーを用い、型内に注型することで所望
の外径の転写ローラを得ることができる。このように弾
性層として熱可塑性のエラストマーを用いることで、ゴ
ム材を加硫成型して転写ローラとするよりも、成型性に
優れ、表面の研磨工程を省くことができ、低コストの転
写ローラを得ることができる。
【0053】本実施の形態3においても転写ローラに要
求される特性は前記実施の形態1と同様であり、感光ド
ラム1に対する表面摩擦力、圧接力、周速等の関係は同
様の数値を用いることができる。
【0054】また、転写入口ガイドの支持法は前記実施
の形態2と同様の方法を採っており、常に飛び散りのな
い良好な画像が得られる構成となっている。
【0055】以下具体例として、転写ローラに直径6mm
の鉄芯金の上に、ポリエステル系の熱可塑性エラストマ
ーに摩擦力調整物質としてフッ素樹脂粉体、抵抗値調整
物質としてカーボンブラック、金属酸化物等を混入分散
させたペレットを用い、それを円筒型に注型することで
パーティクルラインのないローラが得られ、同時に成型
時の熱収縮等も安定していることから寸法精度の高い転
写ローラを得ることができる。本出願人等の検討による
と、成型によりその外径精度は±0.3mm以内に収める
ことが可能であり、加工後の研磨工程により外径精度を
得る必要がなく、低コストで転写ローラを量産すること
が可能となった。また耐久性も耐摩耗性が良好なため3
0万枚の耐久でも、初期同等の性能が得られることが確
認された。
【0056】〈実施の形態4〉図9を参照して、実施の
形態4を説明する。
【0057】同図において、1は像担持体としての感光
ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファ
スSi等の感光材料をアルミニウムやニッケルなどのシ
リンダ状の基板上に形成した構成からなる。感光ドラム
1は矢印R1方向に回転駆動され、まずはじめにその表
面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様に帯電
される。次に、露光手段であるレーザービーム3を画像
情報に応じてON/OFF制御し走査露光がなされ、感
光ドラム1上に静電潜像が形成される。この静電潜像
は、現像装置4で現像され、可視化される。現像方法と
しては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED
現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像との組
み合わせで用いられることが多い。記録材Pは手差しト
レイ21又はカセット26から給紙ローラ22、27に
よって取り出され、プレフィードセ23で定着温調立ち
上げ完了まで待機した後に、転写前ローラ24、転写前
ガイド28を介して画像形成部に給紙される。記録材P
はレジストセンサ25によって、感光ドラム1表面に形
成されたトナー像と同期を取り感光ドラム1と転写ロー
ラ5とで形成される転写ニップ部N1 に供給される。転
写ニップ部N1 において、感光ドラム1上のトナー像
は、電源(不図示)による転写バイアスの作用で記録材
Pに転写される。トナー像を保持した記録材Pは定着装
置6へ搬送され、定着装置6の定着ニップ部で、加熱・
加圧されて記録材上に定着され永久画像となる。一方、
転写後に感光ドラム1上に残留する転写残トナーは、ク
リーニング装置7により感光ドラム1表面から除去され
る。
【0058】転写前ローラ24は、図10に示すよう
に、鉄、SUS等の芯金241上に、CR、シリコーン
等のソリッドゴムや、ポリエチレン系、ポリエステル
系、ポリウレタン系、シリコーン系、フッ素系等の熱可
塑性のエラストマー等からなる弾性体242を形成し、
ローラ硬度を60〜80度(ASKER−C 1kg荷重
時)とした回転体であり、POM等の樹脂からなる転写
前コロ243が加圧バネ(不図示)により圧接されてお
り、記録材Pの搬送に必要な搬送ニップ部N2 が形成さ
れる。
【0059】また、転写ローラ5は、図3に示すものと
同じであり、鉄、SUS等の芯金51上にEPDM、シ
リコーン、NBR、ウレタン等のソリッド状の弾性体5
2を形成し、ローラ硬度が40〜70度(ASKER−
C 1kg荷重時)、その抵抗値が106 〜1010Ωの範
囲のものを使用する。転写ローラ5は加圧バネ54によ
り感光ドラム1に圧接され、不図示の駆動ギヤにより、
感光ドラム1側に設けたギヤから駆動力が伝達されて回
転する。感光ドラム1の外周速と転写ローラ5の外周速
とには、周速差を設け、記録材Pを感光ドラム表面の移
動速度に対して速度差を付けて搬送する。
【0060】このような構成の画像形成装置において、
転写ニップ部N1 での記録材搬送速度(=印字倍率)
は、転写ローラ5での記録材搬送速度Vtrと転写前ロ
ーラ24での記録材搬送速度Vtmとの影響をうけて変
化する。
【0061】転写前ローラ24での記録材搬送速度Vt
mが転写ニップ部N1 における記録材搬送速度Vtrよ
りも遅い場合、転写ニップ部N1 で搬送されている記録
材Pに対して記録材搬送方向とは逆方向の力(バックテ
ンション)がかかり、その搬送速度差が大きすぎる場合
には転写ローラ5と記録材Pとの間のスリップが大きく
なり、印字倍率が縮んで中抜けが悪化してしまう。
【0062】逆に、転写前ローラ24での記録材搬送速
度Vtmが、転写ニップ部N1 における記録材搬送速度
Vtrよりも速い場合、転写ローラ5とスリップしなが
ら搬送されている記録材Pに対して、さらに押し込み力
が働き、その速度差が大きすぎて大きな押し込み力が働
いた場合には、転写ニップ部N1 での印字倍率がのびて
記録材後端から画像がはみ出してしまう。転写ローラ5
がスポンジ弾性層からなる場合、この押し込みの影響が
顕著に現われることがわかっている。
【0063】そこで、これらの押し込みや引っ張りを発
生させいないためには、転写ローラ5での記録材搬送速
度と転写前ローラ24での記録材搬送速度とを同一とす
ることが望ましいが、これらの記録材搬送速度はローラ
外径の外径公差内での変化や、耐久による外径変化、画
像形成装置の使用環境(温度、湿度条件)などによって
変化してしまうため事実上困難である。
【0064】次に、転写前ローラ24による記録材搬送
速度を常に転写ローラ5での記録材搬送速度よりも速く
なるように各ローラの設定を決めることが考えられる。
しかし本出願人等の検討によれば、転写ローラ5の記録
材搬送速度変化は、スポンジローラの場合は外径公差が
±0.1mmと大きいこともあって一般に±0.3〜±
0.4%程度であり、それに加えて耐久によって外径が
変化することによる搬送速度低下が−0.2%程度あ
り、その変化量はトータルで1%程度になる一方、転写
前ローラ24での記録材搬送速度変化は外径公差による
速度変化が±0.2〜0.5%、耐久によるスピード変
化が−0.2〜−0.3%、環境によるローラ弾性層の
硬度・弾性率の変化などにより±0.3%程度あって、
トータルで1.2〜2%にも及ぶ。これらの変化をすべ
て考慮して、転写前ローラ24の搬送速度を転写ローラ
5よりも常に速く設定するためには、その搬送速度差を
最大で約3%もたせる必要がある。
【0065】しかし、転写ローラ5がスポンジ弾性層か
らなる場合、転写前ローラ24との速度差が0.5%以
上になると印字倍率にその影響が現れ、転写前ローラ2
4から2%以上の速度差で押し込みがあると画像後端が
記録材外にはみ出す可能性がある。一方、転写ローラ5
としてソリッド状の弾性層からなるローラを用いると、
ソリッドゴムの場合、スポンジよりも外径精度が上げら
れるため外径公差によるスピード変化が約±0.15〜
±0.2%、耐久による外径変化はほとんどなくなるた
め考慮しなくてもよく、転写前ローラ24の記録材搬送
速度が転写ローラ5での搬送速度よりも常に速い状態に
するためには、両ローラでの記録材搬送速度差が最大で
2.4%程度と小さくなる。さらに、ソリッドゴムロー
ラの場合前述の実施の形態でも説明したようにソリッド
ゴムの高い復元力によって転写ローラ5と記録材Pとの
間のスリップが起きにくく、転写前ローラ24からの押
込みの影響も受けにくくなるため、前記転写ローラ−転
写前ローラ間の2.4%程度の搬送速度差では印字倍率
の変化が問題のないレベルに収まる。
【0066】以下実験例を基に本発明の作用効果を説明
する。
【0067】転写ローラ5は直径6mmの鉄からなる芯金
51の上にEPDMからなる弾性層を加硫成型し、その
後研磨することで所望の外径を得る。このとき転写ロー
ラ5の抵抗値は108 ΩになるようにEPDM配合をコ
ントロールする。硬度はゴム配合を調整し50度とし
た。感光ドラム1は、ポリカーボ系バインダを主体とし
たCT層を有するOPC層をアルミニウムシリンダ上に
形成したものを用い、その外径は30mmとした。転写ロ
ーラ5は感光ドラム1からギヤを介して駆動を受け、転
写ローラ5のギヤ歯数は24、感光ドラム1のギヤ歯数
は43とした。また比較例としてEPDMを発泡させ弾
性層とした転写ローラも同様に使用した。
【0068】転写前ローラ24は直径8mmの鉄からなる
芯金241の上に硬度70度(ASKER−C 総荷重
1kg)のシリコーンゴムからなる肉厚約3.5mmの弾性
層242を加硫成型したもので、加硫成型後に研磨する
ことで所望の外径を得る。
【0069】図11に、上記転写ローラ、転写前ローラ
それぞれ単独で90mm/sec のプロセススピードで記録
材Pを搬送した場合の各パラメータ(外径公差、環境、
耐久)に対する記録材搬送速度の変化の測定結果を示
す。なお、記録材搬送速度の測定は、図9に示すよう
に、搬送中の記録材Pの先端がセンサ81、82間を通
過する時間からCPU83によって求め、図11には中
心外径、N/N環境(温度20℃/湿度60%)での耐
久初期のローラを用いた場合の記録材搬送速度に対する
変化率を記載した。
【0070】図11に示すように、ソリッド転写ローラ
の単独での記録材搬送速度は主に外径公差によるもの
で、その変化量はトータルで約0.8%程度、転写前ロ
ーラは耐久変化、環境変化ともに大きくその変化量はト
ータルで約1.15%であった。一方、スポンジ転写ロ
ーラは外径公差によるスピード変化に加えて、耐久によ
って外径が摩耗しやすいためその搬送速度変化量はトー
タルで約1%であった。
【0071】ここで、転写ローラの記録材搬送速度はプ
ロセススピード100%(=印字倍率100%)となる
ように適宜外径を調整し、転写前ローラの記録材搬送速
度はそれに対しソリッド転写ローラの場合は+2%、ス
ポンジ転写ローラの場合は+2.25%に設定して印字
倍率を測定したところ、図12に示す結果となった。
【0072】図12に示すように転写ローラとしてソリ
ッドゴム弾性層を有する転写ローラを用いることで転写
前ローラからの記録材Pの押し込みによっても画像がほ
とんど変化せず、良好な印字倍率の画像が得られる。ソ
リッド転写ローラ硬度を40〜70度とし、感光ドラム
−転写ローラ間で周速差を形成してそのときの転写ロー
ラ表面の摩擦力が感光ドラムの表面摩擦力に対し3〜2
0倍であることで、この効果が得られ、特にこのとき転
写ローラの圧接力が200〜800g/cm2 であるこ
と、転写ローラの周速を感光ドラムに対し1〜5%程度
速くすることで上記効果をより顕著なものにすることが
できることがわかっている。
【0073】上記ソリッド転写ローラの初期(温度20
℃/湿度60%環境下、外径公差中心値)記録材搬送速
度を100%とし、転写前ローラの初期(温度20℃/
湿度60%環境下、外径公差中心値)記録材搬送速度を
100.95%に設定し高温高湿環境(32.5℃/8
0%)、低温低湿環境(15℃/10%)で各々通紙耐
久を行ったところ、通紙30万枚にわたり印字倍率が安
定し、中抜けもない良好な画像が得られた。
【0074】以上説明したように、転写ローラとして硬
度40〜70度のソリッドゴムを弾性層として有するソ
リッドローラを用い、転写ローラと転写前ローラ間の記
録材搬送速度設定を外径公差、耐久変化、環境変化等の
すべてを考慮して転写ローラ搬送速度≦転写前ローラ搬
送速度となるように設定することで、環境、耐久枚数を
問わず印字倍率を安定させ、後端画像はみ出しのない良
好な画像を得ることができる。
【0075】〈実施の形態5〉本実施の形態5では、転
写ローラ弾性層としてポリエチレン系、ポリエステル
系、ポリウレタン系、シリコーン系、フッ素系等の熱可
塑性のエラストマーを用い、型内注型で成型した転写ロ
ーラを用いた例を示す。このように弾性層として熱可塑
性のエラストマーを用いることで、ゴム材を加硫成型し
て転写ローラとするよりも、成型性に優れ、表面の研磨
工程を省くことができ、低コストの転写ローラを得るこ
とができる。
【0076】本実施の形態5においても転写ローラに要
求される特性は前記実施の形態4と同様であり、感光ド
ラムに対する表面摩擦力、圧接力、周速度の関係は同様
の数値を用いることができる。
【0077】以下具体例として、転写ローラに直径6mm
の鉄芯金の上に、ポリエステル系の熱可塑性エラストマ
ーに摩擦力調整物質としてフッ素樹脂粉体、抵抗値調整
物質としてカーボンブラック、金属酸化物等を混入分散
させたペレットを用い、それを円筒型に注型することで
パーティクルラインのないローラが得られ、同時に成型
時の熱収縮等も安定していることから寸法精度の高い転
写ローラを得ることができる。本出願人等の検討による
と、成型によりその外径精度は±0.3mm以内に収める
ことが可能であり、加工後の研磨工程により外径精度を
得る必要がなく、低コストで転写ローラを量産すること
が可能となった。また耐久性も対摩耗性が良好なため3
0万枚の耐久でも、初期と同等の性能が得られることが
確認された。
【0078】このような熱可塑性エラストマーを弾性層
とした転写ローラを用いた場合でも、転写ローラの高い
復元力によって記録材とのスリップがおきにくくなり、
実施の形態4と同様の効果が得られる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明による
と、転写ローラの周速を像担持体(上述では感光ドラ
ム)周速に対して速くし、転写ローラ弾性層としてソリ
ッド状の弾性体を用い、表面摩擦力が像担持体に対し3
〜20倍の間にあることで、記録材の搬送速度を搬送抵
抗の有無にかかわらず安定させ、中抜けを防止するとと
もに、記録材ガイド部材による画質劣化のない良好な画
像を得ることができ、転写ローラ付着トナーのクリーニ
ング性を良好とすることが可能となる。また同時に、転
写ローラの量産性、耐久性向上に大きく寄与することが
できる。
【0080】第2の発明によると、弾性層を有する転写
前ローラを用いた画像形成装置において、転写前ローラ
による記録材搬送速度を転写ローラの搬送速度に対して
転写前ローラの摩耗と環境変動による搬送速度の減少量
を見込んで速く設定し、転写ローラの周速を像担持体周
速に対し速くし、転写ローラ弾性層としてソリッド状の
弾性体を用い、表面摩擦力が像担持体に対し3〜20倍
の間にすることで環境、耐久枚数によらず安定した印字
精度と中抜けのない良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を示す
図。
【図2】実施の形態1において、感光ドラムと、転写ロ
ーラと、転写入口ガイドとの位置関係を示す図。
【図3】実施の形態1における転写ローラの構成を示す
図。
【図4】転写ローラの表面摩擦力を測定方法を示す図。
【図5】実施の形態1の各転写ローラにおける、画像倍
率と、中抜けレベルとの関係を示す図。
【図6】実施の形態1の各転写ローラにおける、厚紙印
字時の画像倍率と、中抜けレベルと、クリーニング性と
の関係を示す図。
【図7】実施の形態2における転写ローラの構成を示す
図。
【図8】実施の形態2における転写入口ガイドの構成を
示す図。
【図9】実施の形態4の画像形成装置の概略構成を示す
図。
【図10】実施の形態4における転写前ローラの構成を
示す図。
【図11】実施の形態4における、転写ローラ、転写前
ローラの、外径公差、環境、耐久に対する記録材搬送速
度の変化を示す図。
【図12】実施の形態4における、ソリッドローラとス
ポンジローラとの、搬送速度差、印字倍率、画像はみ出
しにつての比較を示す図。
【図13】従来の転写入口ガイドの構成、配置を示す
図。
【図14】従来の画像形成装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1 像担持体 5 転写手段(転写ローラ) 24 転写前ローラ 28 記録材ガイド部材(転写入口ガイド) N1 転写ニップ部 N2 搬送ニップ部 S 記録材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動可能な表面にトナー像が形成される
    像担持体と、該像担持体表面に接触配置されて転写ニッ
    プ部を形成し、該転写ニップ部にて挟持搬送する記録材
    に対して前記像担持体上のトナー像を転写する転写手段
    と、前記像担持体に対して固定配置され前記転写ニップ
    部に供給される記録材をガイドする記録材ガイド部材と
    を備える画像形成装置において、 該転写手段は、ソリッド状の弾性体を有するとともに該
    弾性体を前記像担持体表面に対して加圧接触された転写
    ローラを備え、 該転写ローラは、その表面の移動速度が前記像担持体表
    面の移動速度よりも速く設定され、また表面摩擦力が前
    記像担持体表面の摩擦力に対して3〜20倍である、 ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記転写ローラは、前記像担持体表面に
    対して、200g/cm2 以上、800g/cm2 以下の圧
    接力で当接されている、 ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記転写ローラは、その表面の移動速度
    が前記像担持体表面の移動速度よりも1〜5%速く設定
    されている、 ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成
    装置。
  4. 【請求項4】 前記転写ローラは、抵抗値が106 〜1
    10Ωに設定されている、 ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1
    項記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 移動可能な表面にトナー像が形成される
    像担持体と、該像担持体表面に接触配置されて転写ニッ
    プ部を形成し、該転写ニップ部にて挟持搬送する記録材
    に対して前記像担持体上のトナー像を転写する転写手段
    と、前記転写ニップ部に記録材を供給する転写前ローラ
    とを備える画像形成装置において、 該転写手段は、ソリッド状の弾性体を有するとともに該
    弾性体を前記像担持体表面に対して加圧接触された転写
    ローラを備え、 該転写ローラは、その表面の移動速度が前記像担持体表
    面の移動速度よりも速く設定され、また表面摩擦力が前
    記像担持体表面の摩擦力に対して3〜20倍であり、さ
    らに記録材搬送速度が前記転写前ローラによる記録材搬
    送速度よりも遅い、 ことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記転写ローラは、前記像担持体表面に
    対して、200g/cm2 以上、800g/cm2 以下の圧
    接力で当接されている、 ことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記転写ローラは、その表面の移動速度
    が前記像担持体表面の移動速度よりも1〜5%速く設定
    されている、 ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の画像形成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記転写ローラは、抵抗値が106 〜1
    10Ωに設定されている、 ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1
    項記載の画像形成装置。
JP9276196A 1997-10-08 1997-10-08 画像形成装置 Pending JPH11119570A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20110116844A1 (en) * 2009-11-17 2011-05-19 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus or transfer roller used in image forming apparatus
JP2015026036A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置
JP2018060103A (ja) * 2016-10-06 2018-04-12 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

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