JP2004280131A - 画像形成装置 - Google Patents

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勝弘 青木
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Abstract

【課題】 像担持体上での地汚れの抑止と均一なベタ現像特性を確立できる構成を備えた画像形成装置を得る。
【解決手段】 予め均一帯電した潜像担持体1に対して光り書き込みにより静電潜像を形成し、該静電潜像に対して現像剤を担持した現像剤担持体2Bを当接させて上記静電潜像を可視像処理し、転写媒体への転写および転写画像の定着を行って画像を形成する画像形成装置において、上記潜像担持体1の摩擦係数(μ)を、0.1≦μ≦0.4に設定したことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、電子写真プロセスを用いる画像形成装置での潜像担持体と現像剤担持体との間の現像剤付着制御のための構成に関する。
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置においては、感光体ドラムなどの潜像担持体上に形成された静電潜像が現像装置から供給されるトナーなどの現像剤により可視像処理され、その可視像が記録紙などの転写材に静電転写されて複写物が得られる。
ところで、潜像担持体に対して現像装置からの現像剤が供給される際には、現像装置に備えられている現像ローラなどの現像剤供給手段の表面に担持されている現像剤層、いわゆる、トナー層が潜像担持体の表面に接触しており、静電潜像からの静電気力によってトナー層内のトナーが静電吸引されて静電潜像に付着することになる。しかし、実際には、トナー層と潜像担持体との接触状態等によって生起される非静電気力によって潜像担持体表面、特に、潜像の静電引力がトナーに作用しない地肌部にトナーが付着することがある。このため、潜像担持体の地汚れの発生が顕著となることがある。
そこで、従来では、潜像担持体の画像領域外でのトナー濃度を検出して地肌汚れの程度を割り出し、地肌汚れの程度に応じて潜像担持体の表面に対する潤滑剤の塗布量を潤滑剤塗布手段の当接圧調整によって供給制御して画像転写後に実行されるクリーニング効果を向上させる構成(例えば、特許文献1)、あるいは、一成分系現像剤からなるトナー層を担持している現像材供給手段に有する現像ローラを潜像担持体である感光体に当接させて回転させる際の相対的な線速比を1.2〜3.0倍とし、特に1.5〜2.5倍とする構成(例えば、特許文献2)が提案されている。
特開平8−254933号公報 特開平9−73299号公報
しかし、感光体などの潜像担持体に対する潤滑剤塗布手段の当接圧や潜像担持体と現像剤供給手段に有する現像ローラとの間の線速比を変更する場合には、次のような問題があった。
すなわち、潤滑剤塗布手段の当接圧を増加させると当接圧を設定する駆動手段に対する負担を増加させることから、バンディングといわれる回転ムラに起因した異常画像が発生し易くなり、また潜像担持体との相対的な線速比を増加させるとトナー寄りといわれる画像濃度の不均一な状態が発生しやすい。また、線速比に関しては、1.2倍を越えると、画像の後端にトナ−が寄りやすくなり異常画像の発生が顕著になる。
本発明の目的は、上記従来の画像形成装置における問題、特に、像担持体上での地汚れの抑止と均一なベタ現像特性を確立できる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、予め均一帯電した潜像担持体に対して光り書き込みにより静電潜像を形成し、該静電潜像に対して現像剤を担持した現像剤担持体を当接させて上記静電潜像を可視贈処理し、転写媒体への転写および転写画像の定着を行って画像を形成する画像形成装置において、上記潜像担持体の摩擦係数(μ)を、0.1≦μ≦0.4に設定したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記潜像担持体および現像剤担持体のうちの少なくとも一方の硬度(HS)を、10≦(HS)≦60゜(JIS−A)に設定したことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記潜像担持体および現像剤担持体のうちの少なくとも一方の基材硬度(HS)を、10≦(HS)≦60゜(JIS−A)に設定したことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記潜像担持体に対する現像剤担持体の当接圧(P)を、3≦P≦16g・f/mmに設定したことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記潜像担持体と現像剤担持体とのニップ幅を2mm以下に設定したことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記潜像担持体と現像剤担持体とのそれぞれの直径D、dを、(D/d)<6の関係に設定したことを特徴としている。
請求項1記載の発明によれば、潜像担持体の摩擦係数を0.1≦μ≦0.4の範囲に設定することにより、現像剤が静電潜像以外の箇所である潜像担持体の地肌部で擦り込まれて付着するのを確実に防止して地肌汚れをなくすことが可能になる。
請求項2記載の発明によれば、潜像担持体および現像剤担持体のうちの少なくとも一方の硬度(HS)を、10≦(HS)≦60゜(JIS−A)に設定することにより、寸法精度を損ねることなくしかもトナーの汚染を招くことなく、上記両担持体間での当接ムラが少なくされてベタ画像の濃度を均一化することが可能になる。
請求項3記載の発明によれば、潜像担持体および現像剤担持体のうちの少なくとも一方の基材硬度(HS)を、10≦(HS)≦60゜(JIS−A)に設定することにより、基材表層での硬度を不良画像が発生しない硬度にして上記担持体全体での硬度は基材の硬度に依存させるようにして、担持体を一材料によって構成した場合の硬度によって不良画像が発生する当接圧が不均一となるのを防止することができる。これにより、食い込み量が不良画像を発生させない量に設定されて濃度ムラのない画像を形成することが可能になる。
請求項4記載の発明によれば、潜像担持体に対する現像剤担持体の当接圧(P)を、3≦P≦16g・f/mmに設定することにより、各担持体間で不良画像が生じない食い込み量を設定することが可能になる。
請求項5記載の発明によれば、上記潜像担持体と現像剤担持体とのニップ幅を2mm以下に設定することにより、このニップ幅を基準とする像担持体の一方での硬度および当接圧を選択することにより均一で充分な濃度でムラのないベタ画像を得ることが可能になる。
請求項6記載の発明によれば、上記潜像担持体と現像剤担持体とのそれぞれの直径D、dを、D/d<6の関係に設定することにより、ニップ幅が上記した数値を越えないでベタ画像の濃度に均一性を確保できる当接圧の選択幅が広くでき、しかも、潜像担持体に対する濃度ムラなどの画像劣化を発生させないトナーの供給範囲に相当する現像領域を確保することが可能になる。
以下、実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明実施例による画像形成装置における像担持体に相当する感光体ドラム1と現像剤供給手段に相当する現像装置2との関係構成を説明するための模式図であり、同図において感光体ドラム1は、無機および有機感光体が用いられ、表面の摩擦係数(μ)が、0.1≦μ≦0.4に設定されている。
この摩擦係数に関しては、図2に示す実験に基づく。
図2は、オイラーベルト方式による摩擦係数を求める実験構造を示す模式図であり、同図において感光体ドラム1の周面の一部に、測定用紙(リコー製PPC用紙 TYPE6200A4サイズT目)Sを297×30mmのサイズに裁断し、この測定用紙Sの中央を感光体ドラム1の周方向で90度(π/2rad.)の
範囲に巻き回す。測定用紙Sの巻き回し方向端部の一方には、一定重さ(0.98N(100g))の分銅Wを取付け、他方にはデジタルプッシュプルゲージDSを取付け、分銅Wが揺れない状態で測定用紙Sを一定速度の条件で牽引し、感光体ドラム1の表面で測定用紙Sが動き始めた瞬間でのデジタルプッシュプルゲージDSの値を測定する。このときの測定値をF(N)とすると、摩擦係数(μ)は、μ=In(F/0.98)/(π/2)で求められる。
上記実験構造から得られる摩擦係数のうちで、トナー層からの圧力によってトナーが感光体ドラム1の表面に擦り込まれた際、擦り込み圧力による摩擦力によってトナーが付着するのを防止できる摩擦係数(μ)として上記の範囲の値が地肌汚れを防止できる値として得られた。
感光体ドラム1の表面に潤滑剤などを塗布しない、いわゆる未処理の場合の摩擦係数(μ)は、0.4〜0.6という結果であるが、経時により増加する傾向にある。これに対して潤滑剤を塗布した感光体ドラム1の摩擦係数(μ)は、0.1〜0.6という結果が得られた。このような結果から、感光体ドラムの摩擦係数(μ)を0.1〜0.4とすることにより、感光体ドラム1の表面で摺擦される際のトナーの付着、特に静電潜像が形成されている箇所以外の、いわゆる、地肌部へのトナー付着が生じないようにすることができる。
このような表面の摩擦係数は、可視像処理に用いられるトナーの粒径にもよるが、体積平均粒径が4〜10μmである場合、感光体ドラムの摩擦係数を低下させる物質、いわゆる、潤滑剤を塗布することにより維持される。このための潤滑剤の供給は、所定回数の画像形成、つまり複写動作毎に直接供給することや潤滑剤を担持した塗布手段を常時あるいは所定回数の複写動作毎に感光体ドラム1の表面に当接させることで行われる。
感光体ドラム1は、周知の帯電手段により予め規定の表面電位に帯電され、周知の光書き込み手段によって原稿像あるいは書き込み情報に応じた静電潜像が形成される。
現像装置2は、現像槽2A内において感光体ドラム1と対向する現像ローラ2Bと、現像ローラ2Bに対して一成分系現像剤からなるトナーを供給する供給ローラ2Cと、現像ローラ2Bに担持されているトナーの層厚を規制する規制ブレード2Dと、アジテータ2Eとを備えて構成されている。
現像装置2に用いられるトナーは、ポリエステル、ポリオール、スチレンアクリルなどの樹脂に帯電制御剤(CCA)、着色剤を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添して構成されている。トナーの平均粒径は、3〜12μmが選択され、本実施例では、7.5μmが用いられている。この粒径に関しては、高解像度の要求を満足させると共に小粒径化することも十分可能である。
現像ローラ2Bは、硬度(HS)が10〜60゜(JIS−A)に設定されたゴムなどの弾性材料が用いられ、外径寸法が10〜30mm、表面粗さが1〜4(μm)RZに設定されている。現像ローラ2Bでの表面粗さはトナーの粒径に対して13〜80(%)の関係とされ、トナーが現像ローラ2Bの表面に埋没することなく搬送されるようにしてある。なお、現像ローラ2Bに用いられるゴム材料としては、シリコンゴム、ブタジェンゴム、ニトリル−ブタジェンゴム(NBR)ヒドリン、エチレン−プロピレン−ジェンゴム(EPDM)等がある。また現像ローラ2Bの表面には、経時品質を安定化させるためにコート材料により被覆することも可能であり、この場合の材料としては、シリコン系、テフロン(登録商標)系の材料が用いられる。前者の材料はトナーの帯電生が良好であり、後者の材料は離型性に優れている。さらに、導電性を向上させるためにカーボンブラックなどの導電性材料を含有させることも可能であり、コート層の厚さは5〜50μmとされ、この範囲以上で割れ易くなるのが防止されることが好ましい。
現像ローラ2Bは、硬度(HS)が、10≦(HS)≦60゜(JIS−A)に設定されている。
この理由は次の通りである。
上記硬度の下限値を下回ると、成形時に収縮・膨張を受けやすくなり、寸法精度良く成形することが困難になる。また、柔らかくする場合にはローラの基材にオイル成分を含有させることが一般的な処理であるが、このような処理を行った場合、可視像処理のために加圧状態で連続動作されると含有されているオイル成分が滲み出してきてしまい、現像ローラ2Bの表面に担持されているトナーを汚染し、現像能力を著しく低下させる虞がある。
一方、これに対して硬度が上限値よりも高い場合には、硬度が高くなった分だけ成形性が改善され、さらにオイル成分の含有量を少なく抑えることができるので、トナーに対する汚染性が低減される。
現像ローラ2Bは、感光体ドラム1に対してトナー層を介して当接しており、当接させる際には、コイルバネあるいは板バネ等の加圧手段が用いられ、本実施例では現像ローラ2Bの硬度(HS)が30°(JIS−A)である場合に当接圧が3〜16g・f/mmに設定されている。当接のための加圧手段の数が多いほど現像ローラ2Bと感光体ドラム1との対向面間での当接ムラが少なくできるので、このような構成を用いることがベタ画像の濃度均一性を確保するためには好ましい。
上記当接圧は、ベタ画像の均一現像や地肌汚れの防止に影響するので、以下の理由に基づいて設定されている。
本発明者が当接圧に関して実験した処、図3に示す結果を得た。
図3は、硬度と当接圧とによる不良画像の発生状態を示す線図であり、その実験結果から、図3中、右下がりの斜め線で示した上記当接圧の範囲において明らかになっているように、上記当接圧の範囲の下限を下回ると現像能力が低下し、充分な現像量が得られない。また、上限を上回ると現像ローラ2Bのスキャベンジ力が増加することとトナー層が圧縮されて凝縮されることが原因して感光体ドラム1に対して転移したトナーが掻き取られたり凝縮したままで現像ローラ2上に残留してしまい、ベタ画像部での濃度ムラなどの異常画像が発生しやすくなることが判明した。このため、上記現像ローラ2Bの硬度を基準とした場合に上記範囲内での当接圧を設定することにより、高濃度の均一な画像を得ることができる。
現像装置2に有する供給ローラ2Cは、発泡ウレタンなどの可撓性材料を用いて50〜500μmの径のセルでトナーを表面に保持しやすい構造とされている。さらに表面硬度が10〜30゜(JIS−A)と比較的低硬度に設定されて現像ローラ2Bと均一に当接ができるようにされ、現像ローラ2Bに対する食い込み量が0.5〜1.5mmに設定されるとともに、現像ローラ2Bとの間の線速比が0.5〜1.5の範囲内、本実施例では0.9の線速比に設定されて現像ローラ2Bと同方向(対向面が逆方向に移動する方向)に回転するようになっている。
上記食い込み量は、本実施例の場合、現像装置2での現像可能なユニット有効幅がA4判サイズの転写用紙をの縦方向送りの際の幅に相当する240mmを対象とした場合の必要トルクである、1.5〜2.5kg・fcmが得られる値とされている。なお、この食い込み量および前述した線速比は、現像装置2の駆動系に有するモータやギヤヘッドの特性さらにはトナーの帯電特性や供給性に依存する関係上、さらに広い範囲で最適条件を設定することも可能である。
供給ローラ2Cの表面に担持あるいは内部に存在するトナーは、現像ローラ2Bとの接触点で互いに反対方向の力を受けた際の摩擦帯電で誘起される負の帯電電荷により、および現像ローラ2Bの表面粗さによる搬送効果によって現像ローラ2Bの表面に保持されるようになる。供給ローラ2Cから現像ローラ2Bに転移した時点のトナー層は均一な厚さではなく、過剰に付着した状態(1〜3mg/cm)にあり、後述する規制ブレード2Dによって厚さを均一化される。な
お、上記供給ローラ2Cは、現像ローラ2Bと逆方向の回転(対向面が同じ方向に移動する方向)とすることも可能である。
規制ブレード2Dは、現像槽2Aによって支持されている基端から延長された先端が現像ローラ2Bとの対向位置での接線方向に対して10〜45゜の傾きで現像ローラ2Bの回転方向下流側に向けて配置され、先端よりも基端寄りが現像ローラ2Bの周面に接触する腹当て接触状態とされた、板厚が0.1〜0.15(mm)に設定されているSUS304などの金属製ブレードで構成されている。さらに、基端から先端に至る長さは10〜15mmとされ、現像ローラ2Bとの当接圧が5〜250(g・f/cm)に設定されている。本実施例では、現像ローラ2Bの硬度が30゜(JIS−A)のものを対象とした場合、板厚として0.1mmのSUSが用いられ、当接圧が60(g・f/cm)を選択されている。
先端に至るまでの長さの規定により、先端までの長さが長すぎた場合に装置が大型化することや、振動が発生しやすくなることで現像ローラ2B上でのトナー層の厚さを均一化できなくなることによるトナーの付着ムラの発生を防止するようになっている。トナーの付着ムラは現像された画像上でトナーの付着ムラによる濃淡が顕著となる異常画像の発生を招く。また、当接圧の規定により、上限を越えた場合に発生しやすい現像ローラ2B上でのトナーの付着量の低下が原因するトナー帯電量の増加を防止して感光体ドラム1側へのトナーの転移不足による画像濃度の低下を抑止するとともに、下限を下回った際に発生しやすい固化したトナーが通過してしまう現象を防止して異常画像の発生をなくすことができるようになっている。
規制ブレード2Dにより現像ローラ2B上に担持されている過剰なトナーは掻き取られ、単位面積当たり0.4〜0.8mg/cm程度の均一な厚みを持つ
薄層が形成され、トナーの帯電量も−5〜−30μC/gに設定されて感光体ドラム1の静電潜像に供給される。なお、本実施例では、感光体ドラム1の直径が50mm、現像ローラ2Bの直径が16mmの場合に現像領域が5〜10mmとなるように、硬度、当接圧および後述する食い込み量が設定される。
本実施例は以上のような構成であるから、感光体ドラム1に対して光り書き込みにより形成された静電潜像に対して現像装置2からのトナー供給により静電潜像が可視像処理される。
現像装置2では、アジテータ2Eにより攪拌されたトナーが供給ローラ2Cに向け搬送されて供給ローラ2Cにより担持される。
供給ローラ2Cに担持されているトナーは、供給ローラ2Cが現像ローラ2Bと当接しながら回転する際の摩擦帯電により誘起される静電気力および現像ローラ2Bの表面粗さによって現像ローラ2Bの表面に担持されてトナー層となる。 トナー層は、規制ブレード5Eによって層厚を規制されることにより、単位面積当たり0.4〜0.8mg/cm程度の均一な厚みを持つ薄層とされ、トナ
ーの帯電量も−5〜−30μC/gに設定されて感光体ドラム1の静電潜像に供給される。
現像ローラ2Bと当接している感光体ドラム1は、その表面の摩擦係数(μ)が0.1〜0.4に設定されていることにより、現像ローラ2Bに担持されているトナーがその層からの圧力によって擦り込まれて付着するのを防止されるので、静電潜像以外の箇所、いわゆる、地肌部へのトナーの付着が抑止される。
ところで、本発明では、現像ローラ2Bがトナー層を介して感光体ドラム1に当接している場合に均一な画像を得るための要因として、現像ローラ2Bの表面の均一性および均一な当接状態の維持があることに着目している。以下、この点についての実施例を説明する。
上記表面の均一性および均一な当接状態を維持するには、現像ローラ2Bと感光体ドラム1との間の食い込み量、つまり、対向周面間での密着量の管理と対向周面間での当接圧管理が重要となる。食い込み量は、トナーの転移性に相当する供給性能に影響するものであり、現像ローラ2Bの外径公差や回転中心のずれなどに依存する。また、当接圧は現像ローラ2Bに担持されているトナー層の圧力による感光体ドラム1の地肌部へのトナーの付着量および上記食い込み量に影響するものであり、現像ローラ2Bの機構的な要素によって比較的得やすいものの、良好な当接圧を得るためには装置が複雑化する虞がある。
図3は、当接圧と硬度との関係における画像特性、つまり、不良画像の発生状態を実験により得た結果であり、同図において硬度40°(JIS−A)の場合の現像ローラ(仮に現像ローラAとする)と、硬度20°(JIS−A)の現像ローラ(仮に現像ローラBとする)とを用いた場合、不良画像が発生しない手応接圧に関していうと、現像ローラAでは適用当接圧3〜8gf/mmの範囲において、また、現像ローラBでは3〜16gf/mmの範囲において不良画像が発生しない状態が得られることが判る。
一方、図4は、当接圧を変化させた場合の硬度と食い込み量との関係を示す線図であり、同図において当接圧を上記した各現像ローラA、Bの値に設定しようとすると、食い込み量の変動幅に関しては、現像ローラAが0.02mm、現像ローラBが0.105mmとなり、現像ローラAの場合には現像ローラBと比較して寸法精度を5倍にする必要がある。
そこで、本実施例では、現像ローラ2Bの表層に上記実施例で説明したコート層を設け、このコート層を形成する材料の選択に自由度を持たせてある。
コート層は、トナーの帯電特性および搬送時の担持特性、さらにはトナーとの離型性および耐摩耗性が機能として備えられるものであるが、比較的硬度が低い材料の場合には耐摩耗性が劣るものが多いので、図4に示した結果から、比較的高度の高い材料をコート層として用い、現像ローラ2Bの硬度はローラ基材の硬度に依存する柔らかさのものとすることにより、現像ローラ2B全体を低硬度の一材料で構成した場合の上記不具合をなくして上記の当接圧を得るようにしている。これにより、上記した現像ローラ2Bの表層部を比較的高度の高い材料で構成し、現像ローラ2B全体での硬度はローラ基材を比較的低硬度の材料で構成するようにして低硬度の場合に不良画像が発生しにくくなるのと同じ結果が得られる。
本発明では、感光体ドラム1と現像ローラ2Bとの当接位置におけるニップ幅がベタ画像の現像特性に影響する点に着目している。
以下、図5および図6によりこの点についての実施例について説明する。
感光体ドラム1と現像ローラ2Bとの当接位置でのニップ幅が2mmを越えるとベタ画像の現像に関して均一な濃度が得られないことが実験により判明している。これは、現像ローラ2Bによる感光体ドラム1からのトナーの掻き取り性能であるスキャベンジ効果が高まることが原因しており、図5に示すように、現像ローラ2Bの硬度と当接状態(当接圧)に依存する。なお、図5に示したニップ幅は、感光体ドラム1と現像ローラ2Bとの当接位置において両者の中心点を結んだ線を境にして周方向の半分の当接長さを意味する片側ニップ幅を示しており、実際のニップ幅はこの2倍の値に該当している。
図6は、現像ローラ2Bの硬度20゜(JIS−A)の時の食い込み量と片側ニップ幅との関係を示しており、同図においてニップ幅が2mmを越えない範囲で現像ローラ2Bの硬度および当接圧を選択することにより均一で充分な濃度の画像を得ることができることが実験で確認された。
そこで、本実施例では、硬度20゜(JIS−A)とした場合に片側ニップ幅が1mm以下となる食い込み量を0.19mm以下に設定することでニップ幅2mm以下を得ることができることにより上記の不具合を生じないようにすることができる。また、図5に示した結果から、ニップ幅が2mm以下となる当接圧として、硬度20゜(JIS−A)の場合では12gf/mmに、硬度40゜(JIS−A)の場合では20gf/mmにそれぞれ設定する。
このような特性を設定することにより、ベタ画像での濃度ムラを防止して均一濃度のベタ画像を得ることができる。
本発明は、上述したニップ幅に関し、このニップ幅が感光体ローラ1および現像ローラ2Bとの直径比によっても設定できる点に着目している。
以下、図7および図8によりこの点の実施例を説明する。
本実施例では、感光体ドラム1の直径(D)と現像ローラ2Bの直径(d)との比(R)をR=(D/d)<6と規定している。
図7および図8は直径比(R)の値による片側ニップ幅の変化を示しており、図7において、R≧6の関係であるとき、現像ローラ2Bの硬度が20゜(JIS−A)を用いると、当接圧が12gf/mmでは片側ニップ幅が前述した1mmを越えてしまい、これによって、ベタ画像の濃度に均一性が確保できず画像ムラが発生する。しかし、上記比直径比(R)をR<6となるように、感光体ドラム1の直径を24mmとし、現像ローラ2Bの直径を16mmとすることにより、R=1.5とした場合には、図8に示すように、上記と同じ硬度の場合に当接圧が16gf/mmに達するまでニップ幅を増加させることができる。このため、当接圧の選択幅を広くできると共に、感光体ドラム1に対して濃度ムラ等の画像劣化を発生させないトナーの供給範囲に相当する現像領域を確保することができる。
なお、現像ローラ2Bの表層に設けられるコート層としては、上述したシリコン系やテフロン(登録商標)系に代えて、導電性を得るために適宜カーボンブラックなどの導電性材料を含有させることも可能である。
また、規制ブレード2Dの材料としては、上述した金属製に代えて厚みが1〜2mm程度のポリウレタンゴムなどの弾性体ゴム材やシリコン樹脂、トナーの帯電特性と逆極性が得られるフッ素系樹脂(例えば、ETFE(エチレンテトラフルオラエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、(PVDF(ポリフッ化ビニリデン))等の比較的高度の高い材料も使用可能である。さらに、金属以外でも、カーボンブラック等を混合することにより低抵抗化できるので、バイアス電源を接続して現像ローラ2Bとの間に電界を生起させることも可能である。
硬度に関しては、上記実施例に示したように現像ローラを対象として設定するのに代えて感光体ドラムを対象として設定することも可能であり、具体的には、上記実施例で示した関係とは逆の関係とすることも可能である。
本発明の実施例による画像形成装置における要部構成である像担持体と現像剤供給手段との関係を説明するための模式図である。 図1に示した画像形成装置に用いられる潜像担持体の摩擦係数を求める実験構造を説明するための模式図である。 現像剤供給手段に用いられる現像ローラの硬度と潜像担持体に対する現像ローラの当接圧とによる不良画像の発生状態を示す線図である。 図3に示した当接圧を変化させた場合の硬度と食い込み量との関係を示す線図である。 図1に示した現像剤供給手段に用いられる現像ローラの硬度と片側ニップとの関係を現像ローラの当接圧に応じて示した線図である。 図5に示した現像ローラの硬度を所定硬度とした場合の現像ローラと潜像担持体である感光体との間の食い込み量と片側ニップ幅との関係を示す線図である。 潜像担持体と現像剤担持体との直径比(R)の値による片側ニップ幅の変化を示す線図である。 直径比を所定値にした場合の硬度に対するニップ幅の変化を説明するための線図である。
符号の説明
1 潜像担持体である感光体ドラム
2 現像剤供給手段である現像装置
2B 現像ローラ

Claims (6)

  1. 予め均一帯電した潜像担持体に対して光り書き込みにより静電潜像を形成し、該静電潜像に対して現像剤を担持した現像剤担持体を当接させて上記静電潜像を可視贈処理し、転写媒体への転写および転写画像の定着を行って画像を形成する画像形成装置において、
    上記潜像担持体の摩擦係数(μ)を、0.1≦μ≦0.4に設定したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記潜像担持体および現像剤担持体のうちの少なくとも一方の硬度(HS)を、10≦(HS)≦60゜(JIS−A)に設定したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記潜像担持体および現像剤担持体のうちの少なくとも一方の基材硬度(HS)を、10≦(HS)≦60゜(JIS−A)に設定したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記潜像担持体に対する現像剤担持体の当接圧(P)を、3≦P≦16g・f/mmに設定したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記潜像担持体と現像剤担持体とのニップ幅を2mm以下に設定したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記潜像担持体と現像剤担持体とのそれぞれの直径D、dを、(D/d)<6の関係に設定したことを特徴とする画像形成装置。
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JP2013088672A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Oki Data Corp 画像形成ユニット及び画像形成装置

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