JPH1111935A - ホウ化スカンジウム及びその製造方法 - Google Patents

ホウ化スカンジウム及びその製造方法

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JPH1111935A
JPH1111935A JP9176420A JP17642097A JPH1111935A JP H1111935 A JPH1111935 A JP H1111935A JP 9176420 A JP9176420 A JP 9176420A JP 17642097 A JP17642097 A JP 17642097A JP H1111935 A JPH1111935 A JP H1111935A
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boron
compd
scandium
boride
pellets
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Takao Tanaka
高穂 田中
Shigeru Okada
繁 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規な希土類元素としてスカンジウムを用いた
希土類多ホウ化物およびその製造方法を提供する。 【構成】一般式ScB18+x(−3<X<3)で示される
ホウ化スカンジウム化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ホウ化スカンジウム
化合物及びその製造方法に関する。より詳細には熱電素
子材料や分光素子材料等として有用な新規なホウ化スカ
ンジウム化合物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から高機能材料の一つとして希土類多
ホウ化物が関心を持たれており、例えばYB66は、軟X
線分光素子材料として近年開発されている。また、YB
25及びYB50とその希土類置換体、ホウケイ化イットリ
ウムとその希土類置換体が見出され、それらの持つ機能
が検討され、有用材料として開発されることが期待され
ている。さらに、多彩な多ホウ化物が発見、供給される
ことで、新しい機能が発現されることへの期待も大き
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のもと
に本発明者は新規な希土類多ホウ化物について種々検討
した結果、新規なホウ化スカンジウムを見出し、本発明
を完成したもので、本発明の目的は、機能性材料として
実用的にも利用可能な新しいホウ化スカンジウムを提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は一般式S
cB18+x(−3<X<3)で示されるホウ化スカンジウ
ム化合物であり、また、Sc23に下記の反応式(1)
に基づく割合のホウ素を混合して得た混合物をペレット
状に成形し、該ペレット状物を真空中で1500〜18
50℃の温度範囲で0.5〜2時間保持して反応させる
ことを特徴とする一般式ScB18+x(−3<X<3)で
示されるホウ化スカンジウム化合物の製造方法である。 Sc23+41B−→2ScB19+3BO (1)
【0005】即ち、本発明の新規なホウ化スカンジウム
化合物は、既に知られているSc−B系化合物の中のS
cB2、ScB12、Scドープβボロンなどの一連の化
合物に加えて、その存在が確立されたものである。この
ホウ化スカンジウム化合物の安定存在領域は、一般式で
示すと、ScB18+x(−3<X<3)であり、その結晶
構造は正方晶で、格子定数a=b=1.0288nm、
c=1.4241nmである。その代表組成の化合物
は、x=0であるScB18である。なお、係数xが上記
の範囲を超えると、所定のホウ化スカンジウム化合物は
得られず、X≦−3ではScB12が含まれるようにな
り、3≦XではScドープβボロンが含まれるようにな
る。
【0006】このホウ化スカンジウム化合物は、およそ
1850℃まで安定に存在するが、それを越えるとSc
12とScドープβボロンの混合物に固相のまま分解す
る。
【0007】この発明の化合物の製造方法としては、S
23とホウ素を混合した後ペレット状に成形し、これ
を真空中(1×10-2Pa)で約1500〜1850℃
の温度範囲で0.5〜1850時間保持して反応させる
のであって、Sc23とホウ素との割合は次の反応式を
満足させるような量比である。 Sc23+41B−→2ScB19+3BO
【0008】
【実施例】
実施例1 反応後の形式的な組成がScB19となるように、原料と
してSc23およびBを、Sc23+41B−→2Sc
19+3BOに基づき、混合した。混合物を、静水圧加
圧により、ペレット状に成形した後、真空中1700℃
で1時間反応させた。生成したペレットを乳鉢で粉砕し
た後、再度静水圧加圧によりペレットとし、前記と同一
条件で二回目の反応をさせた。生成物を粉末X線回折法
により分析し、図1のスペクトラムが得られた。これか
ら、生成物は、格子定数、a=b=1.0288nm、
c=1.4241nmの正方晶の結晶形をとる単一相か
らなる新規化合物であることが確認された。また、生成
物の化学分析の結果、生成物の組成はScB18.3であっ
た。
【0009】なお、生成物の化学組成を知るための化学
分析は以下の方法で行った。まず、生成物をステンレス
の乳鉢で粉砕し、平均粒径80μm程度の粉末とした。
この際、不純物としてステンレスが混入するが、これを
塩酸溶液で溶解し、洗浄して除去した。得られた粉末を
硝酸、塩酸と共に、150℃、16時間加圧分解した。
得られた溶液を用い、ScはEDTAを指示薬とした滴
定法により、またBはICP発光分光分析装置で定量分
析した。
【0010】実施例2 実施例1と同様に、反応後の形式的な組成がScB19.5
となるように、原料としてSc23およびBを混合し、
同一条件で反応を行った。生成物の粉末X線回折法によ
り分析したところ、実施例1と同様の結晶系の単一化合
物であることが確認された。また生成物の化学組成はS
cB18.8であった。
【0011】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によっていま
までその存在を知ることのなかった、新規なホウ化スカ
ンジウムを提供することが可能となり、新規材料として
熱電素子材料や分光素子材料などの新しい機能材料とし
ての利用を可能とすることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるScB18.3の粉末X線回折パ
タ−ンである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式ScB18+x(−3<X<3)で示さ
    れるホウ化スカンジウム化合物。
  2. 【請求項2】ホウ化スカンジウム化合物の結晶系が正方
    晶系である請求項1記載のホウ化スカンジウム化合物。
  3. 【請求項3】Sc23に下記の反応式(1)に基づく割
    合のホウ素を混合して得た混合物をペレット状に成形
    し、該ペレット状物を真空中で1500〜1850℃の
    温度範囲で0.5〜2時間保持して反応させることを特
    徴とする一般式ScB18+x(−3<X<3)で示される
    ホウ化スカンジウム化合物の製造方法。 Sc23+41B−→2ScB19+3BO (1)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005519843A (ja) * 2002-03-28 2005-07-07 カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ ニホウ化ジルコニウム粉末の製造方法
JP2007134541A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 National Institute For Materials Science 金属低ホウ化物がドープされた希土類多ホウ化物系熱電変換材料とその製造方法
US11142809B2 (en) 2015-02-10 2021-10-12 Scandium International Mining Corp. Systems and processes for recovering scandium values from laterite ores

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