JPH11118717A - 顕微ラマン分光装置の実効分析領域測定用冶具及びその方法 - Google Patents
顕微ラマン分光装置の実効分析領域測定用冶具及びその方法Info
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- JPH11118717A JPH11118717A JP9283573A JP28357397A JPH11118717A JP H11118717 A JPH11118717 A JP H11118717A JP 9283573 A JP9283573 A JP 9283573A JP 28357397 A JP28357397 A JP 28357397A JP H11118717 A JPH11118717 A JP H11118717A
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Abstract
ットの実効径を測定する冶具及びその測定方法を提供す
る。 【解決手段】冶具はラマン活性の強い物質からなる基板
1と、該基板1の表面にコートされた異なった径の穴3が
設けられている薄膜2とから構成され、同一径のレーザ
集光スポット4を用いて、小さな径の穴3から順次ラマン
散乱光強度を測定する。最初は、径の大きさに比例して
散乱強度が増加するが、径が集光レーザースポットの実
効的な大きさと一致した後は、径の大きさが増加しても
実効的な分析領域の大きさは変化しないため散乱強度は
増加しない。よって、ラマン散乱光の強度が最大になり
始めたときの穴3の径が、実効的な顕微ラマン分光装置
のレーザースポット4の径であると判断する。
Description
学、薬学等の様々な分野で、組成や構造の解析に広く利
用されている顕微ラマン分光法に係わり、特に顕微ラマ
ン分光装置の実効分析領域を測定する方法およびそのた
めの冶具に関するものである。
試料に照射し、光束の当たった所から発生するラマン散
乱光のスペクトルが、存在する化学種や分子によって異
なることを利用して、試料表面の二次元的な分布解析を
行う方法である。近年になって、分光素子や検出器等の
光学系の効率が上がったため、顕微鏡の対物レンズでレ
ーザを絞り、より細かい分解能で2次元的なラマン分光
法が可能になった。
示す。アルゴンイオンレーザー31から出射されたレーザ
光38は、プリズム32、ハーフミラー33等を介し顕微鏡対
物レンズ34によって集光され、試料35に照射される。試
料35からのラマン散乱光は顕微鏡対物レンズ34に取り込
まれ、ピンホール36を通って分光器37に導かれる。分光
器37内でラマン散乱光のスペクトルを取り、試料35を構
成する物質の同定や結晶構造の変化等を分析する。な
お、試料35はX-Yステージ38上に配置され、X-Yステージ
38を走査することによって、試料35の2次元分析も可能
となる。
顕微ラマン装置では、集光されたレーザースポットの径
は可視光用の顕微鏡で確認していたが、実際の実効径
(実効的な分析領域)を測定する手段はなかった。
置の照射レーザースポットの実効径を測定する冶具及び
その測定方法を提供することにある。
るレーザースポットの実効径を測定することができる顕
微ラマン分光装置を提供することにある。
は電磁波によるビームを分析対象となる試料の表面に照
射し、該ビームが照射された領域を含む分析領域から放
出された粒子および電磁波のうち少なくとも一方を分析
することで、該試料表面の分析を行う表面分析装置にお
いて、実効的な分析領域を測定する冶具及びその測定方
法を提供することにある。
に本発明は、ラマン分光法により分析可能な物質の表面
に設けられ、前記物質とは異なるラマン散乱特性を示す
他の物質を有する領域測定用冶具であって、前記領域測
定用冶具には、当該ラマン分光法で用いるレーザ光の断
面形状に応じて、略同一の形状で異なる既知の面積を有
する複数の穴が形成されている。
活性の強い物質からなる基板表面に、前記物質とは異な
るラマン特性を示す物質を薄膜状にコートし、その薄膜
に少なくとも2つ以上の既知の径を備える穴を設けたも
のである。
よる測定方法では、上記本発明による領域測定用冶具に
設けられている径の異なる穴のそれぞれに集光レーザを
順次照射し、各径でのラマン散乱強度を測定すること
で、顕微ラマン分光装置における照射レーザースポット
(実効分析領域)の大きさを測定する。
った穴に順次集光レーザを照射し、各穴を通って放出さ
れたラマン散乱光の強度を測定していくと、実効径より
も小さい穴ではラマン散乱光強度が小さいが、実効径よ
りも大きくなるとラマン散乱光強度が飽和することが観
測される。すなわち、測定されたラマン散乱光強度と穴
の径との関係をグラフに示した場合、測定されたラマン
散乱光の強度が穴の大きさに比例して増加している第1
の領域と、該測定強度が穴の大きさに依らず一定となる
第2の領域とが存在する。本発明では、この第1の領域
から第2の領域へ移行した時点での穴の径あるいは該移
行時点に対応すると推測される径が、顕微ラマン分光装
置における集光レーザ光の実効径であると判断する。
は、分析対象となる試料表面に照射すべきレーザ光を発
生するレーザ光源と、該レーザ光が照射された試料表面
の分析領域から放出されたラマン散乱光を分光する分光
器とを備えるラマン分光装置において、前記レーザ光が
照射された試料表面の分析領域の実効的な大きさを測定
する実効分析領域測定手段を備え、前記実効分析領域測
定手段は、ラマン分光法により分析可能な物質の表面に
設けられ、前記物質とは異なるラマン散乱特性を示す他
の物質を有し、更に、前記レーザ光の断面形状に応じ
て、略同一の形状で異なる既知の面積を有する複数の穴
が形成されている。
は、粒子線あるいは電磁波によるビームを分析対象とな
る試料の表面に照射し、該ビームが照射された領域を含
む分析領域から放出された粒子および電磁波のうち少な
くとも一方を分析することで、当該試料表面の分析を行
う表面分析装置について、実効的な分析領域を測定する
冶具において、当該表面分析装置により実行される分析
方法により分析可能な物質の表面に設けられ、当該分析
方法によれば前記物質とは異なる分析結果を示す他の物
質を有し、更に、前記ビームの形状に応じて、略同一の
形状で異なる既知の面積を有する複数の穴が形成されて
いる。
実施形態を示す。
質であるSiにより構成した基板1と、該基板1の表面に数
10nmの厚さでコートされた、該基板1の構成物質とは異
なるラマン特性を備える物質であるAuの金属薄膜2とか
ら構成される。さらに、基板1にコートされた金属薄膜2
には、φ0.5μmからφ5μmまで0.5μm刻みで、また
φ6μmからφ10μmまでは1μm刻みで、計15個の異な
った径の穴3が設けられている。
る集光ビームのビームスポット径がその範囲内に含まれ
るように設定されるものであればよく、上述した穴3の
個数や径の値に限定されるものではない。また、穴3の
形状は使用されるビームスポットの形状に対応して設定
するものとし、必ずしも円形とする必要はない。
の測定方法の一例について、図2、図3を用いて説明す
る。
うなラマン分光装置において、試料35が通常配置される
位置に置かれ使用されるものである。以下では、試料35
の代わりに冶具35’が配置されているものとして説明す
る。
置は、レーザ光38を発生するアルゴンイオンレーザー31
と、レーザ光38を集光して冶具35’の表面へ照射する顕
微鏡対物レンズ34と、アルゴンイオンレーザー31で発生
されたレーザ光38を顕微鏡対物レンズ34まで導くプリズ
ム32およびハーフミラー33等で構成される光学系と、顕
微鏡対物レンズ34により取り込まれた冶具35’からのラ
マン散乱光を通すピンホール36と、ピンホール36を通っ
てきたラマン散乱光のスペクトル分析をする分光器37
と、冶具35’を2次元平面移動させるX-Yステージ38とを
有する。
変とし、その時点でレーザ光が照射されている冶具35’
に設けられた穴3の大きさに対応して、ピンホール36の
開口部の大きさの変化させたり、レンズ系を調整して焦
点位置をずらす等して、穴3からのラマン散乱光のうち
所定以上の角度をもって出射されてくるラマン散乱光を
不要な迷光として阻止する構成としてもよい。
においてSi基板1上にコートしてある金属薄膜2に設けら
れた3つの異なる径の穴3を示す。また、本図におい
て、4は冶具に照射される集光レーザースポットを、100
は冶具からのラマン散乱光を示している。
の穴3の部分をラマン分光法により観察すると、図2(a)
では金属薄膜2によってSi基板1まで達しないレーザがあ
るので、Siに関するラマン散乱光100の強度は図2(b)、
図2(c)に比べて小さくなる。図2(b)の径でちょうどレー
ザ集光スポット4と金属薄膜2の穴3の径とが一致してい
るとすると、ラマン散乱光100の強度は最大となる。穴3
の径がさらに大きくなり、図2(c)のようにレーザ集光ス
ポット4よりも大きくなったとしても、ラマン散乱光100
が発生する実効的領域の大きさは変わらないため、図2
(b)と同程度のラマン散乱光強度が観測される。
散乱光強度を測定していくと、最初は、穴3の径の大き
さに比例してラマン散乱強度が増加するが、穴3の径が
集光レーザースポットの実効的な大きさと一致した後
は、穴3の径が増加してもラマン散乱強度は増加しな
い。したがって、ラマン散乱光の強度が最大になり始め
たとき、すなわち最大値に到達した時点で使用されてい
た穴3の径が、顕微ラマン分光装置のレーザ照射スポッ
ト4の実効的な径であると判断できる。
の径と一致する径の穴3がある場合について説明した
が、一致する径の穴3がない場合でも、同じ原理によっ
て実効径を推定することができる。例えば、測定された
ラマン散乱光強度と穴の径との関係をグラフにした場
合、全ての測定点を結ぶように補間された曲線には、測
定されたラマン散乱光の強度が穴の大きさに比例して増
加している第1の領域と、該測定強度が穴の大きさに依
らず一定となる第2の領域とが存在する。この曲線にお
いて第1の領域から第2の領域へ移行した時点に対応す
る径が、顕微ラマン分光装置における集光レーザ光の実
効径であると判断できる。
材料としてSiを用いたが、本発明において基板の構成材
料はこれに限定されるものではなく、他のラマン活性の
強い物質、例えばSiC、MoO3を用いてもよい。また、基
板1と金属薄膜2の構成材料の組み合わせは上記実施形態
の例に限定されるものではなく、両者の構成材料が異な
るラマン特性を示すものであれば他の組み合わせでも構
わない。また、薄膜2の構成材料として、金属以外の物
質を使用してもよい。
膜2を設けた冶具を例としたが、本発明による冶具の形
態はこれに限定されるものではなく、冶具を、例えば、
複数の異なる大きさの穴が設けられている膜状あるいは
板状の構造とし、この膜状あるいは板状の冶具を、分析
対象となる試料の表面に配置する構成としてもよい。こ
のような構成によれば、実際に測定すべき試料上でのレ
ーザースポット径あるいは実効分析領域を測定すること
が可能となる。ただし、この場合には、冶具を構成する
材料が、測定対象となる試料とは異なるラマン特性を示
すものとする。
測定方法は、顕微ラマン分光装置に限定されるものでは
なく、粒子線あるいは電磁波によるビームを分析対象と
なる試料の表面に照射し、該ビームが照射された領域を
含む分析領域から放出された粒子および電磁波のうち少
なくとも一方を分析することで、当該試料表面の分析を
行う表面分析装置においても同様に適用することができ
る。すなわち、実効分析領域測定用冶具として、当該表
面分析装置により実行される分析方法で分析可能な物質
の表面に配置され、当該分析方法によれば前記物質とは
異なる分析結果を示す物質で構成された、例えば膜状あ
るいは板状の部材に、前記ビームの形状に応じて、略同
一の形状で異なる既知の面積を有する複数の穴が形成さ
れている冶具を利用することで、表面分析装置における
実効分析領域を測定することができる。
径よりも、正確にさらに簡便に顕微ラマン分光装置の実
効レーザ照射スポット径を測定する冶具およびその測定
方法ならびにその測定を行う顕微ラマン分光装置を提供
することが可能になる。
光装置と同様に、粒子線あるいは電磁波によるビームを
分析対象となる試料の表面に照射し、該ビームが照射さ
れた領域を含む分析領域から放出された粒子および電磁
波のうち少なくとも一方を分析することで、該試料表面
の分析を行う表面分析装置においても、実効的な分析領
域を測定する冶具及びその測定方法を提供することがで
きる。
平面図。
の冶具の拡大断面図。図2(c):図1の冶具の拡大断面
図。
Claims (8)
- 【請求項1】ラマン分光法により分析可能な物質の表面
に設けられ、前記物質とは異なるラマン散乱特性を示す
他の物質を有する領域測定用冶具であって、 前記領域測定用冶具には、当該ラマン分光法で用いるレ
ーザ光の断面形状に応じて、略同一の形状で異なる既知
の面積を有する複数の穴が形成されていることを特徴と
する顕微ラマン分光法の実効分析領域測定用冶具。 - 【請求項2】前記物質が基板であることを特徴とする請
求項1に記載の顕微ラマン分光法の実効分析領域測定用
冶具。 - 【請求項3】前記物質はラマン活性の強い物質であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の顕微ラマン分光法の実
効分析領域測定用冶具。 - 【請求項4】前記ラマン活性の強い物質として、Si、Si
C、および、MoO3のいずれかを用いたことを特徴とする
請求項3に記載の顕微ラマン分光法の実効分析領域測定
用冶具。 - 【請求項5】前記他の物質が薄膜であることを特徴とす
る請求項1に記載の顕微ラマン分光法の実効分析領域測
定用冶具。 - 【請求項6】顕微ラマン分光法の実効分析領域を測定す
る方法であって、 ラマン分光法により分析可能な物質の表面に設けられ、
前記物質とは異なる他の物質を有する実効分析領域測定
用冶具を、分析対象となる試料の代わりに、該試料の保
持位置に配置し、 前記実効分析領域測定用冶具に設けられた、略同一の形
状で異なる既知の面積を有する複数の穴の各々にレーザ
光を照射して、各穴でのラマン散乱強度を順次測定し、 前記測定したラマン散乱強度の変化において、前記穴の
面積の変化に伴い変化する領域と前記穴の面積に依らず
一定である領域との境界に対応している前記穴の面積
を、顕微ラマン分光法の実効分析領域の面積とすること
を特徴とする顕微ラマン分光法の実効分析領域測定方
法。 - 【請求項7】分析対象となる試料表面に照射すべきレー
ザ光を発生するレーザ光源と、該レーザ光が照射された
試料表面の分析領域から放出されたラマン散乱光を分光
する分光器とを備えるラマン分光装置において、 前記レーザ光が照射された試料表面の分析領域の実効的
な大きさを測定する実効分析領域測定手段を備え、 前記実効分析領域測定手段は、 ラマン分光法により分析可能な物質の表面に設けられ、
前記物質とは異なるラマン散乱特性を示す他の物質を有
し、 更に、前記レーザ光の断面形状に応じて、略同一の形状
で異なる既知の面積を有する複数の穴が形成されている
ことを特徴とするラマン分光装置。 - 【請求項8】粒子線あるいは電磁波によるビームを分析
対象となる試料の表面に照射し、該ビームが照射された
領域を含む分析領域から放出された粒子および電磁波の
うち少なくとも一方を分析することで、当該試料表面の
分析を行う表面分析装置について、実効的な分析領域を
測定する冶具であって、 当該表面分析装置により実行される分析方法により分析
可能な物質の表面に設けられ、当該分析方法によれば前
記物質とは異なる分析結果を示す他の物質を有し、 更に、前記ビームの形状に応じて、略同一の形状で異な
る既知の面積を有する複数の穴が形成されていることを
特徴とする表面分析装置の実効分析領域測定用冶具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9283573A JPH11118717A (ja) | 1997-10-16 | 1997-10-16 | 顕微ラマン分光装置の実効分析領域測定用冶具及びその方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9283573A JPH11118717A (ja) | 1997-10-16 | 1997-10-16 | 顕微ラマン分光装置の実効分析領域測定用冶具及びその方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11118717A true JPH11118717A (ja) | 1999-04-30 |
Family
ID=17667283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9283573A Pending JPH11118717A (ja) | 1997-10-16 | 1997-10-16 | 顕微ラマン分光装置の実効分析領域測定用冶具及びその方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11118717A (ja) |
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1997
- 1997-10-16 JP JP9283573A patent/JPH11118717A/ja active Pending
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