JP2014092437A - 複合材料の分析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】全体のラマンスペクトルを得た場合に、信号強度比が0.001以上1000以下となる第一のピーク及び第二のピークが観測され、前記第一のピークが帰属される第一の成分及び前記第二のピークが帰属される第二の成分を含む複合材料について、顕微ラマン分光法でラマンスペクトルを得る工程と、前記顕微ラマン分光法で得られたラマンスペクトルにおける前記第一のピークのラマンシフトに対応するピークの信号強度に対する前記第二のピークのラマンシフトに対応するピークの信号強度の比に基づいて、第二の成分の分布情報を2次元画像として構成する工程と、を有する複合材料の分析方法である。
【選択図】なし
Description
また蛍光発光を利用したイメージング方法では、蛍光発光する無機材料としては、希土類金属、ウラニル塩等のみであるため、その他の材料に適用することは困難であった。
<1> 全体のラマンスペクトルを得た場合に、信号強度比が0.001以上1000以下となる第一のピーク及び第二のピークが存在し、前記第一のピークが帰属される第一の成分及び前記第二のピークが帰属される第二の成分を含む複合材料について、顕微ラマン分光法でラマンスペクトルを得る工程と、前記顕微ラマン分光法で得られたラマンスペクトルにおける前記第一のピークのラマンシフトに対応するピークの信号強度に対する前記第二のピークのラマンシフトに対応するピークの信号強度の比に基づいて、第二の成分の分布情報を2次元画像として構成する工程と、を有する複合材料の分析方法である。
本発明の複合材料の分析方法は、全体のラマンスペクトルを得た場合に、信号強度比が0.001以上1000以下となる第一のピーク及び第二のピークが存在し、前記第一のピークが帰属される第一の成分及び前記第二のピークが帰属される第二の成分を含む複合材料について、顕微ラマン分光法でラマンスペクトルを得る工程と、前記顕微ラマン分光法で得られたラマンスペクトルにおける前記第一のピークのラマンシフトに対応するピークの信号強度に対する前記第二のピークのラマンシフトに対応するピークの信号強度の比に基づいて、第二の成分の分布情報を2次元画像として構成する工程と、を有する。前記分析方法は必要に応じてその他の工程を更に有していてもよい。
(1)有機バインダに帰属されるラマンシフトとして2927cm−1付近のCH2対称伸縮振動と、黒鉛に帰属されるラマンシフトとして2714cm−1付近のG’バンドとを選択する。
(2)有機バインダに帰属されるラマンシフトとして2927cm−1付近のCH2対称伸縮振動と、ピークと、黒鉛に帰属されるラマンシフトとして1580cm−1付近のGバンドに由来するピークとを選択する。
(3)有機バインダに帰属されるラマンシフトとして2236cm−1付近のCN伸縮振動に由来するピークと、黒鉛に帰属されるラマンシフトとして1580cm−1付近のGバンドに由来するピークとを選択する。
(4)有機バインダに帰属されるラマンシフトとして1000cm−1付近の1置換ベンゼン骨格振動に由来するピークと、黒鉛に帰属されるラマンシフトとして2714cm−1付近のG’バンドに由来するピークとを選択する。
(1)黒鉛に帰属されるラマンシフトとして1580cm−1付近のGバンドに由来すると、低結晶性炭素に帰属されるラマンシフトとして1360cm−1付近のDバンドに由来するピークとを選択する。
(2)黒鉛に帰属されるラマンシフトとして2714cm−1付近のG’バンドに由来するピークと、低結晶性炭素に帰属されるラマンシフトとして1360cm−1付近のDバンドに由来するピークとを選択する。
(1)アクリル樹脂に帰属されるラマンシフトとして1729cm−1付近のCO伸縮振動に由来するピークと、エポキシ樹脂に帰属されるラマンシフトとして1100cm−1付近のベンゼンp置換骨格振動に由来するピークとを選択する。
(2)アクリル樹脂に帰属されるラマンシフトとして1729cm−1付近のCO伸縮振動に由来するピークと、エポキシ樹脂に帰属されるラマンシフトとして1600cm−1付近のベンゼンCC振動収縮に由来するピークとを選択する。
負極活物質として、体積平均粒径20μmの天然黒鉛粉末を用いた。天然黒鉛粉末と、有機バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(株式会社クレハ製)を、質量比95:5で混合し、有機溶剤として1−メチル−2−ピロリドンを添加して、十分に混練して負極材スラリーを調製した。得られた負極材スラリーを、ドクターブレード法によって、乾燥後の塗布量が10mg/cm2となるように厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の表面に塗布し、100℃で2時間乾燥して、作製例1の負極を作製した。
負極活物質として、体積平均粒径20μmの天然黒鉛粉末を用いた。天然黒鉛粉末と、有機バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(株式会社クレハ製)を、質量比90:10で混合し、有機溶剤として1−メチル−2−ピロリドンを添加して、十分に混練して負極材スラリーを調製した。得られた負極材スラリーを、ドクターブレード法によって、乾燥後の塗布量が10mg/cm2となるように厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の表面に塗布し、100℃で2時間乾燥して、作製例2の負極を作製した。
負極活物質として、体積平均粒径20μmの天然黒鉛粉末を用いた。天然黒鉛粉末と、有機バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(株式会社クレハ製)を、質量比80:20で混合し、有機溶剤として1−メチル−2−ピロリドンを添加して、十分に混練して負極材スラリーを調製した。得られた負極材スラリーを、ドクターブレード法によって、乾燥後の塗布量が10mg/cm2となるように厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の表面に塗布し、100℃で2時間乾燥して、作製例3の負極を作製した。
作製例1で得られた負極について、第一のピークとして黒鉛に帰属されるラマンシフト2714cm−1のカーボンG’バンドのピークを選択し、第二のピークとして有機バインダに帰属されるラマンシフト2927cm−1のCH2対称伸縮振動のピークを選択した。第二のピークの信号強度の第一のピークの信号強度に対する比は0.07であった。
実施例1において、作製例2で得られた負極を用いたこと以外は、実施例1と同様にして有機バインダの分布情報のイメージングを行った。作製例2で得られた負極において、第二のピークの信号強度の第一のピークの信号強度に対する比は0.16であった。負極表面の観察画像(CCD像)及びイメージングの結果を図3(A)及び図3(B)に示す。
実施例1において、作製例3で得られた負極を用いたこと以外は、実施例1と同様にして有機バインダの分布情報のイメージングを行った。作製例3で得られた負極において、第二のピークの信号強度の第一のピークの信号強度に対する比は0.42であった。負極表面の観察画像(CCD像)及びイメージングの結果を図4(A)及び図4(B)に示す。
図3(A)及び(B)から、分布情報のイメージングを行った囲み線に囲まれた領域においては、黒鉛粒子上に点在する有機バインダに対応する着色領域が観察されることが分かる。また、図3(B)に示す着色領域の画像濃度から有機バインダの存在量にバラツキがあることが分かる。更に作製例1の負極に比べて観察される有機バインダの分布量が多いことが分かる。図3(B)では、第二のピークの信号強度の第一のピークの信号強度に対する比が0.00〜0.28の範囲で2次元画像化されて観察された。一方、図3(A)に示すCCD像では、黒鉛粒子上の有機バインダの存在は確認できないことが分かる。
図4(A)及び(B)から、分布情報のイメージングを行った囲み線に囲まれた領域においては、黒鉛粒子上に点在する有機バインダに対応する着色領域が観察されることが分かる。また、図4(B)に示す着色領域の画像濃度から有機バインダの存在量にバラツキがあることが分かる。更に、作製例1、2の負極に比べて観察される有機バインダの分布量が多いことが分かる。図4(B)では、第二のピークの信号強度の第一のピークの信号強度に対する比が0.00〜0.30の範囲で2次元画像化されて観察された。一方、図4(A)に示すCCD像では、黒鉛粒子上の有機バインダの存在は確認できないことが分かる。
Claims (4)
- 全体のラマンスペクトルを得た場合に、信号強度比が0.001以上1000以下となる第一のピーク及び第二のピークが存在し、前記第一のピークが帰属される第一の成分及び前記第二のピークが帰属される第二の成分を含む複合材料について、顕微ラマン分光法でラマンスペクトルを得る工程と、
前記顕微ラマン分光法で得られたラマンスペクトルにおける前記第一のピークのラマンシフトに対応するピークの信号強度に対する前記第二のピークのラマンシフトに対応するピークの信号強度の比に基づいて、第二の成分の分布情報を2次元画像に構成する工程と、
を有する複合材料の分析方法。 - 前記第一の成分及び第二の成分の一方が無機材料であり、他方が有機材料である請求項1に記載の分析方法。
- 前記無機材料は炭素材料である請求項2記載の分析方法。
- 前記複合材料は電極材料である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の分析方法。
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2012
- 2012-11-02 JP JP2012242757A patent/JP2014092437A/ja active Pending
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