JP2000162164A - 共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置および分析方法 - Google Patents

共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置および分析方法

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JP2000162164A
JP2000162164A JP10336092A JP33609298A JP2000162164A JP 2000162164 A JP2000162164 A JP 2000162164A JP 10336092 A JP10336092 A JP 10336092A JP 33609298 A JP33609298 A JP 33609298A JP 2000162164 A JP2000162164 A JP 2000162164A
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pulse
laser beam
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irradiating
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Hiroyasu Shichi
広康 志知
Satoshi Osabe
敏 長部
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2種類以上の被検元素を高感度で分析する共
鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置を提供する。 【解決手段】 一次イオン源1,パルス電圧電源3、静
電偏向板4、アパーチャ5からなるイオンビームパルス
化機構6,走査電源7、静電偏向板8からなるイオンビ
ーム走査機構9,イオンビームレンズ10,試料台1
1,試料12,レーザ装置14,質量分析計17,コン
ピュータ18等で構成し、試料12から発生した中性粒
子13にレーザ装置14からレーザビーム15,15’
を照射し、対象成分の光励起イオン16,16’を生成
し質量分析するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共鳴レーザイオン
化中性粒子質量分析装置および分析方法に係り、パルス
荷電粒子線もしくはパルス光を試料に照射して、試料か
ら放出される中性粒子に特定の被検元素の励起準位に同
調させた波長のパルスレーザビームを照射して発生した
光励起イオンを検出して、試料内の被検元素の濃度もし
くは分布などを測定し、特に、少なくとも2種類以上の
被検元素を同時に高感度で分析するのに好適な共鳴レー
ザイオン化中性粒子質量分析装置および分析方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来イオンビームを試料に照射して試料
から放出される二次イオンを検出する二次イオン質量分
析法は、固体の表面分析において、最も高感度な分析法
として広く用いられてきた。しかしながら、分析対象の
半導体デバイスの高密度化や高性能化により、分析対象
物の表面の微量不純物の分析や特定元素の深さ方向の濃
度分布等の分野について高感度な分析法が要請されてい
る。この要請に答えることができる有力な方法として、
イオンビーム照射によって試料から放出される中性粒子
に、レーザビームを照射して光励起イオンを発生させ
て、これを検出するレーザイオン化中性粒子質量分析法
が期待されている。
【0003】レーザイオン化中性粒子質量分析法が、従
来の二次イオン質量分析法に比較して高感度な分析が期
待できるのは、次の理由による。すなわち、イオンビー
ムにより、二次イオンの発生割合が多くとも1%程度で
あるのに対して、中性粒子が99%以上であり、これを
効率良くイオン化できれば大幅な感度向上が期待できる
のである。
【0004】また、特定の被検元素の励起準位に同調さ
せた波長のレーザビームを照射する手法を共鳴法と言
い、イオン化率をほぼ100%にするためのレーザ強度
が小さくてよいため、非共鳴法に比べて特に高感度な分
析が期待できる。
【0005】従来のレーザイオン化中性粒子質量分析装
置の例としては、特開平6−119905号公報記載の
レーザイオン化中性粒子質量分析装置がある。この従来
のレーザイオン化中性粒子質量分析装置の原理につい
て、図5を用いて説明する。図5は、従来における共鳴
レーザイオン化中性粒子質量分析装置の構成図である。
図5において、1は、一次イオン源、2は、イオンビー
ム、6は、パルス電源3と、該パルス電源に接続される
静電偏向板4と、アパーチャ5とからなるイオンビーム
2をパルス化するイオンビームパルス化機構、10は、
イオンビームを集束するイオンビームレンズ、9は、走
査電源7と該走査電源7に接続されている静電偏向板8
とからなるイオンビーム走査機構、11は試料を設置す
る試料台、12は分析目的の試料、13はイオンビーム
2の照射により試料11から生成する中性粒子、14は
レーザ装置を制御するレーザ装置システム、15は、レ
ーザビーム、16は、レーザビームの中性粒子への照射
により発生した光励起イオン、17は、質量分析計であ
る。
【0006】次に、上記構成のレーザイオン化中性粒子
質量分析装置の動作を説明する。まず、一次イオン源1
からイオンビーム2が発生し、該イオンビーム2が、パ
ルス電源3に接続された一組の静電偏向板4とアパーチ
ャ5で、パルス化される。イオンビーム2は、イオンビ
ームレンズ10で集束させる。該集束させたイオンビー
ム2を走査電源7から走査信号電圧が供給されている相
互に直交する二組の静電偏向板8で偏向させながらシフ
トさせて試料12を走査させながら照射する。
【0007】該イオンビーム2の照射が試料12を衝撃
し、該試料12から中性粒子13が放出される。該中性
粒子13にシステムレーザ装置14で制御されているパ
ルスレーザビーム15が照射されることによってイオン
化した光励起イオン16を発生させる。
【0008】上記構成において、イオンビーム2が被分
析領域を一回走査するのに要する時間をパルスレーザビ
ーム15の発光間隔と等しくし、且つパルスレーザビー
ム15が被分析領域の中央部分からスパッタされた中性
粒子に照射されるようにした手段を有するようにしたも
のであり、試料の被分析領域の周囲の影響を除き、中央
部分からスパッタされた中性粒子をイオン化し、この光
励起イオン16を質量分析計17に導き検出することに
より、被検元素を分析する。これにより、中央部分から
のみの中性粒子をイオン化して検出するので、深さ方向
の分解能を良好にすると共に、パルスレーザビーム15
によって発生した励起イオンを全て利用できるため、感
度も良好にすることができるものである。
【0009】ここで、該試料12は、表面元素の二次元
分布を得る場合には、走査電源7から走査信号電圧を二
組の静電偏向板8に印加することによってイオンビーム
2を試料12上を走査させる。そして、イオンビーム2
の試料12上の走査点に対応して、特定の被検元素の励
起準位に同調した波長のパルスレーザビーム15を照射
し、生じた光励起イオン16の強度を測定すれば、試料
12の表面元素の二次元分布を高感度で得ることができ
る。なお、ここで、共鳴分析法を説明する。共鳴とは、
パルスレーザビーム15を特定の被検元素の励起準位に
同調させた波長にすることをいい、共鳴分析法とは、特
定の被検元素の励起準位に同調させた波長のパルスレー
ザビーム15を該中性粒子13に照射してイオン化した
被検元素の光励起イオンを検出する方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の共
鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置では、照射する
特定の被検元素の励起準位に同調した波長のパルスレー
ザビームは、一種類の単波長であり、さらに該技術の目
的も被分析領域の周囲の影響を除き、中央部分からスパ
ッタされた中性粒子のイオン化した被検元素の光励起イ
オン測定を考慮したものであり、試料の少なくとも2種
類以上の被検元素を、ほぼ同時に高分解能、且つ高感度
で分析することについては全く考慮されていなかった。
【0011】すなわち、従来の共鳴レーザイオン化中性
粒子質量分析装置では、パルス荷電粒子線もしくはパル
ス光の試料照射により、該試料照射により放出される中
性粒子に対し1種類の元素の励起準位に同調したレーザ
ビームが照射されていた。したがって、該被検元素以外
の元素については、中性粒子のまま、放置されており、
これらの放置されていた元素が検出されることはないと
いう問題点があった。
【0012】該分析方法は、いわゆる破壊分析であり、
一旦、イオンビームの照射によってスパッタされた領域
の情報については、二度と得られる機会がなかつた。こ
のため、従来、2種類以上の元素の情報を得るために
は、該試料の二ケ所以上を該レーザビームの波長を各々
の被検元素に同調させて共鳴をとり、分析すればよい
が、該分析結果が信頼できるのは、前記二ケ所で試料が
全く同じ状態であるとの保証がある場合に限られるとい
う問題点があつた。
【0013】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するためになされたもので、その目的は、従来の装置で
は不可能であった、1回のパルス荷電粒子線もしくはパ
ルス光の試料照射で該試料より発生する中性粒子中の少
なくとも、二種類以上の被検元素を同時に、さらに、高
感度で分析することができる共鳴レーザイオン化中性粒
子質量分析装置を提供することを第一の目的とし、同分
析方法を提供することを第二の目的することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記第一の目的および第
二の目的を達成するための一例を説明する。第一の発明
に係る共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置の構成
は、パルス荷電粒子線もしくはパルス光を、固体試料表
面の被分析領域に照射により、該試料から二次イオンと
複数種類の中性粒子とを飛散させるパルスビーム照射手
段と、該複数種類の中性粒子中の少なくとも2種類以上
の被検元素の励起準位に同調させた複数の波長のパルス
レーザビームを照射する複数のレーザ源を有するレーザ
ビーム照射手段と、該複数のレーザ源からそれぞれ異な
った所定波長のパルスレーザビームの照射時を少なくと
も2種類以上の被検元素の中性粒子の飛散距離に応ずる
時間差を設け、該少なくとも2種類以上の被検元素の中
性粒子の飛散領域に照射し、該中性粒子が光励起イオン
となるように制御する制御手段と、該二次イオンと、該
少なくとも2種類以上の被検元素の光励起イオンを各々
高感度で分析できる分析手段と、を具備したことを特徴
とするものである。
【0015】第二の発明に係る共鳴レーザイオン化中性
粒子質量分析方法の構成は、パルスビーム照射手段から
パルス荷電粒子線もしくはパルス光を固体試料表面の被
分析領域を照射し、該パルスビームの照射により該試料
から二次イオンと複数種類の中性粒子を飛散させ、制御
手段で、レーザビーム照射手段からの少なくとも2種類
以上の被検元素の励起準位に同調させた波長の複数のレ
ーザビームに、少なくとも2種類以上の被検元素の中性
粒子の飛散距離に応じた時間差を設け、且つ該飛散させ
た少なくとも2種類以上の被検元素の中性粒子の近傍領
域を照射させ、該レーザビームの照射で該中性粒子を光
励起イオンとし、該二次イオンと、該少なくとも2種類
以上の被検元素の光励起イオンを各々高感度で質量分析
することを特徴とする方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る共鳴レーザイ
オン化中性粒子質量分析装置の各実施形態のを図1ない
し図4を参照して説明する。図1は、本発明に係る共鳴
レーザイオン化中性粒子質量分析装置の一実施形態の説
明図、図2は、図1の共鳴レーザイオン化中性粒子質量
分析装置に用いられているレーザ装置システムの説明
図、図3は、図1の共鳴レーザイオン化中性粒子質量分
析装置に用いられている他のレーザ装置システムの説明
図、図4は、本発明に係る共鳴レーザイオン化中性粒子
質量分析装置の他の一実施形態の説明図である。
【0017】〔実施の形態 1〕本発明に係る共鳴レー
ザイオン化中性粒子質量分析装置の実施形態の一例を図
1を参照して説明する。まず、共鳴レーザイオン化中性
粒子質量分析装置の構成を説明する。一次イオン源1
は、イオンビーム2を発生させる。イオンビームパルス
化機構6は、該発生させたイオンビーム2を一組の静電
偏向板4およびアパーチャ5でパルス化する。さらに、
イオンビーム2をイオンビームレンズ10で集束し、さ
らに、走査電源7と、該走査電源7に接続されている相
互に直交する二組の静電偏向板8で構成されるイオンビ
ーム走査機構9で、該集束したイオンビーム2を試料台
11上の試料12上を走査し、照射する。
【0018】一方、波長の異なるパルスレーザビーム1
5,15’を照射するレーザ装置システム14(詳細は
後述する)は、該パルスレーザビーム15,15’が前
記試料12の上方の領域を照射するように配設されてい
る。また、該イオンビーム2の試料12への照射により
放出される該中性粒子13に、該中性粒子13の内の被
検元素の励起凖位に同調させたパルスレーザビーム1
5,15’を照射することによりイオン化し、光励起イ
オン16,16’を発生させる。そして、該光励起イオ
ン16,16’を質量分析計17が検出する位置に配設
されている。また、コンピュータ18により、前記パル
ス電圧電源3および走査電源7ならびにレーザ装置シス
テム14の上記動作が制御されるようになっている。
【0019】上記構成の本装置の動作を説明する。ま
ず、一次イオン源1から引き出されたイオンビーム2
は、パルス電圧電源3、一組の静電偏向板4およびアパ
ーチャ5で構成されるイオンビームパルス化機構6で、
該イオンビーム2の位置、場所、大きさ、傾きを調整す
る。前記の如く、位置、場所、大きさ、傾きが調整され
た該イオンビーム2は、イオンビームレンズ10で集束
される。
【0020】該集束された該イオンビーム2は、走査電
源7と、該走査電源7に接続され、該イオンビーム2の
軸方向に平行な面を有し且つ相互に直交する二組の静電
偏向板8で構成されるイオンビーム走査機構9で、試料
台11上の試料12に走査する。該イオンビーム2の照
射により、試料12から中性粒子13が上方に放出され
る。
【0021】ここで、前記レーザ装置システム14から
の該パルスレーザビーム15の波長を、該試料12から
放出される中性粒子13の内、相対的に質量数の小さい
第一の被検元素の励起準位に同調させる。該パルスレー
ザビーム15の波長を所定、例えば被検元素の励起準位
に同調させた場合には、該励起準位と被検元素イオン化
準位までエネルギ−差が、基底準位−励起準位間のエネ
ルギ−より小なる場合は、単に同調させたパルスレーザ
光を照射するだけでよいが基底準位−励起準位間のエネ
ルギ−よりも大なる場合は、上位の励起準位に別の波長
のパルスレーザ光を照射したりする場合もある。
【0022】該同調させた波長のパルスレーザビーム1
5を前記中性粒子13に照射するために、該パルスレー
ザビーム15を該中性粒子13の放出方向である試料1
2の上方の領域を通過させる。該パルスレーザビーム1
5の前記該中性粒子13への照射により、該中性粒子1
3が光イオン化され光励起イオン16を発生させる。該
発生させた第一の被検元素の光励起イオン16は、質量
分析計17に導かれ、検出され測定される。
【0023】次に、前記レーザ装置システム14から、
前記放出された中性粒子13が、該試料12の上方にま
だ存在している間に、続けて該中性粒子13の内、相対
的に質量数の大きい第二の被検元素の励起準位に、同調
させたパルスレーザビーム15’を前記中性粒子13に
照射するために、前記レーザビーム15が通過したほぼ
同じ領域を通過させる。このとき、該照射による中性粒
子13を光励起化した第二の被検元素の光励起イオン1
6’を質量分析計17に導いて検出する。
【0024】すなわち、上記第一のパルスレーザビーム
15の照射と第二のパルスレーザビーム15’の照射
は、両者共に1回のパルスイオンビーム2の試料12へ
の照射によって該試料12から放出された中性粒子13
に対して行うものである。そして、順次、2回目以降の
パルスイオンビーム2の照射に対しても、同様にレーザ
ビーム15,15’の照射を行うものである。そして、
イオンビーム2の試料12上の走査点に対応して、第一
の被検元素の光励起イオン16の強度および第二の被検
元素の光励起イオン16’の強度を測定すれば、試料1
2の表面の2種類の被検元素の二次元分布を高感度で得
ることができる。
【0025】次ぎに、上記のような、第一の被検元素,
第二の被検元素の2種類の被検元素について、高感度で
分析できる具体的な方法について説明する。まず、第一
のパルスレーザビーム15の照射と、第二のパルスレー
ザビーム15’の照射は、両者共に、1回のパルスイオ
ンビーム2の照射によって試料12から放出された中性
粒子13に対して行うものである。
【0026】本実施形態では、上記の如く、第一、第二
のパルスレーザビーム15、15’を、1回のパルスイ
オンビームの照射で生ずる試料から生ずる複数種類の中
性粒子に対して時間差を設け遅延させて行われるため、
各々の元素に対して高感度で、且つ試料消費の無駄がな
く分析できることになる。また、各々の元素を2回の測
定に別けて行なうことに比較して、分析時間が1/2で
すむことになる。
【0027】なお、図1では、説明を簡単、且つ理解を
容易にするため、第一、第二のパルスレーザビーム1
5、15’の位置をずらせて表示しているが、時間差を
設け遅延させて、同一領域に対して照射させているが、
第一、第二のパルスレーザビーム15、15’は、図示
上重なり合い一致することになる。
【0028】次に、質量数の小さな元素の中性粒子は、
質量数の大きな元素の中性粒子に比べ、該試料12から
放出されて空間を飛行する速度が一般に大きい。該中性
粒子13が、所定の試料上方距離に到達する時間は、該
中性粒子13の質量数の平方根に比例する。例えば、質
量数が11のボロンが6eVのエネルギで、該試料12
から放出された場合に、該試料12の上方1mmに到達
する時間は、約100nsecである。また、質量数が
31のリンが同じ6eVのエネルギで該試料12から放
出された場合に、該試料12の上方1mmに到達する時
間は約166nsccで、両者の到達する時間には、約
66nsecの時間差が生じる。
【0029】したがって、パルスレーザビーム15,1
5’を該試料の上方1mmの領域を通過するように照射
して、第一の被検元素としてボロンを分析して、次い
で、第二の被検元素としてリンを分析する場合には、ま
ず相対的に質量数の小さなボロンの励起準位に同調させ
たパルスレーザビーム15をボロン中性粒子が該試料1
2の上方1mm付近に最も多く存在するタイミングに照
射する。
【0030】そののち、約66nsec後に、相対的に
質量数の大きなリンの励起準位に同調させたパルスレー
ザビーム15’を照射すれば、リンの中性粒子が試料上
方1mm付近に最も多く存在する時間にパルスレーザビ
ーム15’が該リンの中性粒子に照射されることにな
り、ボロンおよびリンの2種類の高感度分析が達成でき
ることになる。
【0031】次に、図2および図3を参照して、上記説
明した時間遅れのあるパルスレーザビームの照射方法を
実現するシステム装置について説明する。図2には、図
1の共鳴レーザイオン中性粒子質量分析装置に用いられ
るレーザ装置システム14および光路距離調整機構23
の平面図が示されている。
【0032】該レーザ装置システム14は、イットリゥ
ム アルミニゥム ガネット(以下、YAGという)レ
ーザ20と、該YAGレーザ20の出射レーザ光を透過
レーザ光および反射透過レーザ光に分離する半透過光学
ミラ19と、該分離された半透過光学ミラ19の透過レ
ーザ光を受ける色素レーザ21と、該色素レーザ21か
ら出射レーザ光を反射し、レーザ光15を発射する二個
の反射ミラ19a,19bとから一方のレーザ光路が構
成され、前記半透過光学ミラ19の反射レーザ光を受け
る反射ミラ22と、色素レーザ21’と、反射ミラ22
aとから他の一方のレーザ光路が構成される。そして、
該反射ミラ22aから出射したレーザ光は、光路距離調
整機構23への入力レーザ光となる。
【0033】光路距離調整機構23は、反射ミラ22a
の反射レーザ光を受ける反射ミラ22bと、該反射ミラ
22bの反射レーザ光を反射ミラ22cで反射させ、反
射ミラ22dで反射させた反射レーザ光を再び反射ミラ
22cで反射させ、該反射させた反射レーザ光が入射さ
せる反射ミラ22fとからなつている。該二枚のミラ2
2cと22dの間を、該両ミラ22c,22dの角度と
距離に応じて、レーザビームは何度かを往復し、該レー
ザビームの光路距離の調整がなされる。さらに、該反射
ミラ22fの反射レーザ光はレーザ装置システム14内
に入射する。
【0034】該レーザ装置システム14内には、該反射
ミラ22fの反射レーザ光を入射させる反射ミラ22g
が配設されている。該反射ミラ22gからはレーザ光1
5’が発射される。該レーザ光15,レーザ光15’
は、試料12の同一領域を通過するようになつている。
【0035】ここで、上記構成のパルスレーザビームの
照射システムを説明する。前記の如く、該YAGレーザ
20は、2台の色素レーザ21、21’を同時に励起す
る。該YAGレーザ20から放出されるパルスレーザビ
ームをまず半透過光学ミラー19によって透過光と反射
光に分割されて2台の色素レーザ21、21’に導かれ
る。第一の色素レーザ21は、第一の被検元素であるボ
ロンの励起準位に同調したパルスレーザビーム15を発
生させる。第二の色素レーザ21’は、第二の被検元素
であるリンの励起準位に同調したパルスレーザビーム1
5’を発生させる。これらの複数のパルスレーザビーム
15,15’は、前述の如く、試料12の上方を通過す
るように導かれる。
【0036】ここで、図示しないイオンビームパルス化
機構6(図1参照)とレーザ装置システム14は互いに
同期を取って動作するように、コンピュータ18によっ
て制御される。すなわち、イオンビーム2がパルス状に
照射される毎に、まず、YAGレーザ20のレーザビー
ムが放出されるように制御する。
【0037】そして、前記の如く、第二の色素レーザ2
1’から放出されるパルスレーザビーム15’が試料1
2の上方に導かれる光路距離は、第一の色素レーザ21
から放出されるパルスレーザビーム15が試料12の上
方に導かれる光路距離に比べ、例えば約20m長くし、
66nsの時間遅れを生じさせるため、光路距離調整機
構23の2枚のミラー22c,22dの距離とその角度
によって調整されている。
【0038】該ミラー間の距離と角度を任意に設定する
ことによって、レーザビームの光路距離は調整される。
上記の如く、光路距離20m長く調整されている光路距
離調整機構23を用いると、第二の色素レーザ21’の
パルスレーザビーム15’が試料12の上方を通過する
タイミングは、第一の色素レーザのパルスレーザビーム
15が試料12の上方を通過してから約66nsec後
となる。予めボロンの励起準位に同調させた第二のパル
スレーザビーム15を、ボロン中性粒子が試料12の上
方1mm付近に最も多く存在するタイミングに照射する
ように調整しておけば該ボロンと、前記第一の色素レー
ザ21から放出されるパルスレーザビーム15によりリ
ンの高感度分析とが同時に実現することになる。
【0039】次ぎに、レーザ装置システムには上記の他
に多くの構成例がある。その内、他の一実施形態を図3
を参照して説明する。図3は、本発明に係るレーザ装置
システムの他の実施形態の平面図である。本レーザ装置
システムは、第一のエキシマレーザ24およびエキシマ
レーザ励起の第一の色素レーザ21の組合せを第一のレ
ーザ装置として、同じく第二のエキシマレーザ24’お
よび第二の色素レーザ21’を第二のレーザ装置とする
2組のレーザ装置から構成されている。そして、前記如
く、図2で説明したレーザ装置システム14の構成と同
じように、第一の色素レーザ21は、第一の被検元素で
あるボロンの励起準位に同調したパルスレーザビーム1
5を発生させ、第二の色素レーザ21は、第二の被検元
素であるリンの励起準位に同調したパルスレーザビーム
15’を発生させる。
【0040】該複数のパルスイオンビーム15,15’
は、光学ミラー22a,22bによって試料12の上方
に導かれる。ここで、図示しないイオンビームパルス化
機構6とレーザ装置システム14は、互いに同期を取っ
て動作するように、制御装置18によって制御する。す
なわち、イオンビーム2がパルス的に照射される毎に、
まず、第一のレーザ装置14から波長をボロンの励起準
位に同調したパルスレーザビーム15が照射され、次に
第二のレーザ装置のパルスレーザビーム15’が試料1
2の上方を通過するタイミングが、第一のレーザ装置の
パルスレーザビーム15が試料12の上方を通過してか
ら約66nsec後となるように各々のエキシマレーザ
24,24’のレーザビーム放出時間を制御すれば、上
述したボロンとリンの高感度分析が同時に実現すること
になる。
【0041】〔実施形態 2〕次ぎに、本発明に係る共
鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置の他の実施形態
を説明する。上記〔実施形態 1〕においては、該レー
ザビーム照射手段からの該複数の波長のパルスレーザビ
ームの照射をそれぞれ被検元素の質量数に応じて時間差
が生じるように構成したが、空間的位置差を生じさせる
制御手段を具備させても差し支えない。
【0042】以下、図4を参照して、共鳴レーザイオン
化中性粒子質量分析装置の他の実施形態を説明する。図
4において、図1と同一符号は、同一機能、同一構成の
相当部材であるので、再度の説明は煩瑣となるので省略
し、特徴部分を説明する。図4に示す如く、該空間的差
を生じさせる制御手段は、該複数の波長のパルスレーザ
ビームの照射を該パルスビーム照射手段のイオンビーム
2の1回の照射で該試料から放出された該中性粒子13
の近傍のほぼ同一領域を照射させることについては〔実
施形態 1〕と同様である。該中性粒子13の内、相対
的に質量数の小さい該被検元素に同調させた波長のパル
スレーザビーム15を、該被検元素の中性子が多数存在
している該試料に対して遠距離域を照射させる。
【0043】次ぎに、相対的に質量数の大きい被検元素
に同調させた波長のパルスレーザビーム15’を、ま
た、該被検元素の中性粒子が多数存在する該試料に対し
て近距離域を照射させるように制御するようしたもので
ある。以下、被検元素の質量数に応じて照射域を制御す
るものである。このようにして、〔実施形態 1〕と同
様の作用、効果を得ることができる。
【0044】なお、図4においては、光励起イオン1
6,16’は、質量分析計17で質量分析される。本
〔実施形態 2〕は〔実施形態 1〕に比べてレーザビ
ーム15,15’の照射領域を制御するのみであるの
で、構成が簡単且つ安価である。該照射領域の制御は、
レーザビーム15,15’の照射角を、例えば予め位置
決めセンサを用いて所定値に設定することができる。
【0045】なお、上記〔実施の形態 1〕では、波長
可変レーザ装置として、色素レーザを取り上げたが、被
検元素の励起準位に同調できる機能を有するレーザ装置
であればよい。また、上記実施の形態例では、2種類の
元素を分析する場合について説明したが、3種類以上の
元素を分析する場合でも同様に高感度分析を同時に実現
できることは言うまでもない。また上記実施の形態例で
はイオンビームを試料に照射したが、試料から中性粒子
を放出せしめる荷電粒子や光で照射してもよい。
【0046】上記〔実施の形態 1〕,〔実施の形態
2〕においては、中性粒子からの光励起イオンの測定に
ついて主として説明したが、試料から発生する二次イオ
ンについては質量分析装置で測定することができる。ま
た、レーザビームを遮断すれば、二次イオンのみを測定
することができる。光励起イオンのみを測定したい場合
は、光励起イオンと二次イオンの分析装置への到着時間
の差を利用すれば容易である。また、上記〔実施の形態
1〕においては、YAGレーザ、エキシマレーザ、等
を用いることに付いて説明したが、これに限定されるも
のでなく、他のレーザを用いても差し支えないことはい
うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明の構
成によれば、簡単の構造で、一回のパルス荷電粒子線も
しくはパルス光の試料への照射で該試料から発生する二
次イオンと中性子の光励起イオンを測定することによ
り、試料の同一領域について、すくなくとも2種類以上
の被検元素を高感度で分析するのに、好適な共鳴レーザ
イオン化中性粒子質量分析装置およびその分析方法が提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共鳴レーザイオン化中性粒子質量
分析装置の一実施形態の構成図である。
【図2】本発明に係る共鳴レーザイオン化中性粒子質量
分析装置に用いられるレーザ装置システムの実施形態の
平面図である。
【図3】本発明に係る共鳴レーザイオン化中性粒子質量
分析装置に用いられるレーザ装置システムの他の実施形
態の平面図である。
【図4】本発明に係る共鳴レーザイオン化中性粒子質量
分析装置の他の一実施形態の構成図である。
【図5】従来における共鳴レーザイオン化中性粒子質量
分析装置の一実施形態の構成図である。
【符号の説明】
1…一次イオン源、2…イオンビーム、3…パルス電圧
電源、4…一組の静電偏向板、5…アパーチャ、6…イ
オンビームパルス化機構、7…走査電源、8…互いに直
交する二組の静電偏向板、9…イオンビーム走査機構、
10…イオンビームレンズ、11…試料台、12…試
料、13…中性粒子、14…レーザ装置システム、1
5、15’…レーザビーム、16、16’…光励起イオ
ン、17…質量分析計、18…コンピュータ、19…半
透過光学ミラー、20…YAGレーザ、21、21’…
色素レーザ、22…光学ミラー、23…光路距離調整機
構、24、24’…エキシマレーザ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA05 AA09 AA10 AA13 AA20 BA06 CA05 EA04 GA06 GA13 KA01 NA07 NA15 SA29 5C038 GG02 GG07 GH02 GH09 GH10 GH15 HH02 HH26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス荷電粒子線もしくはパルス光を、
    固体試料表面の被分析領域に照射し、該試料から二次イ
    オンと複数種類の中性粒子とを飛散させるパルスビーム
    照射手段と、該複数種類の中性粒子を励起させる複数の
    波長のパルスレーザビームを照射するレーザビーム照射
    手段と、該二次イオンと、該被検元素の光励起イオンを
    各々高感度で分析できる分析手段と、を具備したことを
    特徴とする共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置。
  2. 【請求項2】 パルス荷電粒子線もしくはパルス光を、
    固体試料表面の被分析領域に照射し、該試料から二次イ
    オンと複数種類の中性粒子とを飛散させるパルスビーム
    照射手段と、該複数種類の中性粒子を励起させる複数の
    波長のパルスレーザビームを照射するレーザビーム照射
    手段と、異なった所定波長のパルスレーザビームの照射
    時に時間差を設ける制御手段と、該二次イオンと、該被
    検元素の光励起イオンを各々高感度で分析できる分析手
    段と、を具備したことを特徴とする共鳴レーザイオン化
    中性粒子質量分析装置。
  3. 【請求項3】 パルス荷電粒子線もしくはパルス光を、
    固体試料表面の被分析領域に照射により、該試料のほぼ
    同一場所から二次イオンと複数種類の中性粒子とを飛散
    させるパルスビーム照射手段と、該複数種類の中性粒子
    中の少なくとも2種類以上の被検元素の励起準位に同調
    させた複数の波長のパルスレーザビームを照射する複数
    のレーザ源を有するレーザビーム照射手段と、該複数の
    レーザ源からそれぞれ異なった所定波長のパルスレーザ
    ビームの照射時を少なくとも2種類以上の被検元素の中
    性粒子の飛散距離に応ずる時間差を設け、該少なくとも
    2種類以上の被検元素の中性粒子の飛散領域に照射し、
    該中性粒子が光励起イオンとなるように制御する制御手
    段と、該二次イオンと、該少なくとも2種類以上の被検
    元素の光励起イオンを各々高感度で分析できる分析手段
    と、を具備したことを特徴とする共鳴レーザイオン化中
    性粒子質量分析装置。
  4. 【請求項4】 パルス荷電粒子線もしくはパルス光を、
    固体試料表面の被分析領域に照射により、該試料のほぼ
    同一場所から二次イオンと複数種類の中性粒子とを飛散
    させるパルスビーム照射手段と、該複数種類の中性粒子
    を励起させる複数の波長のパルスレーザビームを照射す
    るレーザビーム照射手段と、異なった所定波長のパルス
    レーザビームの照射角度が異なるように設定する制御手
    段と、該二次イオンと、該光励起イオンを各々高感度で
    分析できる分析手段とを、具備したことを特徴とする共
    鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の共鳴レーザイオン化中性
    粒子質量分析装置において、 パルスレーザビームを照射する波長可変レーザ装置と、
    当該波長可変レーザ装置を励起するためのレーザ装置と
    を1組とするレーザ装置組を複数備えたレーザ源と、該
    レーザ装置から該可変レーザ装置への励起信号をそれぞ
    れ制御することにより、当該複数の可変レーザ装置から
    のそれぞれのレーザビームの照射時に所定時間差を生ず
    るように制御する制御手段と、を具備することを特徴と
    する共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の共鳴レーザイオン化中性
    粒子質量分析装置において、 パルスレーザビームを照射する波長可変レーザ装置と、
    当該波長可変レーザ装置を励起するためのレーザ装置と
    を1組とするレーザ装置組を複数を備えたレーザ源と、
    該複数の可変レーザ装置からのそれぞれのレーザビーム
    の所定の照射角度差が生ずるように設定する制御手段
    と、を具備することを特徴とする共鳴レーザイオン化中
    性粒子質量分析装置。
  7. 【請求項7】 パルス荷電粒子線もしくはパルス光を、
    固体試料表面の被分析試料に照射により、該試料より二
    次イオンと複数種類の中性粒子を飛散させるパルスビー
    ム照射手段と、パルスレーザビームを照射する単一のレ
    ーザ源を有するレーザビーム照射手段と、該単一のレー
    ザ源から該複数種類の中性粒子中の被検元素の励起準位
    に同調させた複数波長のパルスレーザビームを該中性粒
    子の飛散領域に照射し、該中性粒子が光励起イオンとな
    るように制御する制御手段と、該二次イオンと、該被検
    元素の光励起イオンを各々高感度で分析できる分析手段
    と、を具備したことを特徴とする共鳴レーザイオン化中
    性粒子質量分析装置。
  8. 【請求項8】 パルス荷電粒子線もしくはパルス光を、
    固体試料表面の被分析試料に照射により、該試料のほぼ
    同一場所から二次イオンと複数種類の中性粒子を飛散さ
    せるパルスビーム照射手段と、パルスレーザビームを照
    射する単一のレーザ源を有するレーザビーム照射手段
    と、該単一のレーザ源から複数種類の中性粒子中の少な
    くとも2種類の被検元素の励起準位に同調させた複数波
    長のパルスレーザビームの照射時に少なくとも2種類以
    上の被検元素の中性粒子の飛散距離に応ずる時間差を設
    け、この少なくとも2種類以上の被検元素の中性粒子の
    飛散領域に照射し、該中性粒子が光励起イオンとなるよ
    うに制御する制御手段と、該二次イオンと、該少なくと
    も2種類以上の被検元素の光励起イオンを各々高感度で
    分析できる分析手段と、を具備したことを特徴とする共
    鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置。
  9. 【請求項9】 請求項3または5記載のいずれかの共鳴
    レーザイオン化中性粒子質量分析装置において、 パルスレーザビームを照射する波長可変レーザ装置と、
    当該波長可変レーザ装置を励起するためのレーザ装置を
    1組とするレーザ装置組を備えたレーザ源と、該レーザ
    装置から波長可変レーザ装置への励起信号に該少なくと
    も2種類以上の被検元素の中性粒子の飛散距離に応ずる
    時間差を生じさせるように制御する制御手段と、を具備
    することを特徴とする共鳴レーザイオン化中性粒子質量
    分析装置。
  10. 【請求項10】 請求項3または5記載の共鳴レーザイ
    オン化中性粒子質量分析装置において、該レーザ源から
    のレーザビームを分割する光学系と、該分割した第一の
    レーザビームの光路と、該分割した第二のレーザビーム
    の光路と、該第一の光路距離および/もしくは第二の光
    路距離の光路差が該レーザビームの照射時に少なくとも
    2種類以上の被検元素の中性粒子の飛散距離に応ずる時
    間差を生ずるように制御する制御手段と、を具備するこ
    とを特徴とする共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項3もしくは5または7ないし1
    0記載のいずれかの共鳴レーザイオン化中性粒子質量分
    析装置において、該レーザビームの制御手段は、第一の
    波長のパルスレーザビームの照射後、所定時間後、第二
    の波長のパルスレーザビームを照射し、さらに、必要が
    あれば、所定時間後、第三の波長のパルスレーザビー
    ム、第四の波長のパルスレーザビームを順次照射するよ
    うに制御し、該第一の波長のパルスレーザビームを、該
    特定の被検元素の中で、相対的に質量数の小さい元素に
    同調させた波長のパルスレーザビームとし、第二の波長
    のパルスレーザビームを、相対的に質量数の大きい元素
    に同調させた波長のパルスレーザビームとし、順次、相
    対的に質量数の大きい元素に同調させた波長のパルスレ
    ーザビームとすること特徴とする共鳴レーザイオン化中
    性粒子質量分析装置。
  12. 【請求項12】 請求項4もしくは6記載のいずれかの
    共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装置において、レ
    ーザビームの制御手段は、該複数の波長のパルスレーザ
    ビームの内、相対的に質量数の大きい該被検元素に同調
    させた波長のパルスレーザビームを該試料に対して該近
    傍領域の近距離域を照射させ、該小なる被検元素の質量
    数に同調させた波長のパルスレーザビームを該試料に対
    して該近傍領域の遠距離域を照射させるようにしたこと
    を特徴とする共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析装
    置。
  13. 【請求項13】 パルスビーム照射手段からパルス荷電
    粒子線もしくはパルス光を固体試料表面の被分析領域を
    照射し、該パルスビームの照射により該試料から二次イ
    オンと複数種類の中性粒子を飛散させ、制御手段で、レ
    ーザビーム照射手段からレーザビームで複数種類の中性
    粒子を励起させ、異なった所定波長のパルスレーザビー
    ムの照射時に時間差を設け、該二次イオンと、該光励起
    イオンを各々高感度で質量分析することを特徴とする共
    鳴レーザイオン化中性粒子質量分析方法。
  14. 【請求項14】 パルスビーム照射手段からパルス荷電
    粒子線もしくはパルス光を固体試料表面の被分析領域を
    照射し、該パルスビームの照射により該試料から二次イ
    オンと複数種類の中性粒子を飛散させ、制御手段で、レ
    ーザビーム照射手段からのレーザビームでを複数種類の
    中性粒子を励起させ、異なった所定波長パルスレーザビ
    ームの照射角度を設けるようにし、該二次イオンと該光
    励起イオンを各々高感度で質量分析することを特徴とす
    る共鳴レーザイオン化中性粒子質量分析方法。
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