JP2012202852A - 鋼材中b化合物種特定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】B化合物を含有する鋼材に対して、不活性な一次イオンビーム2によってスパッタリングされた中性粒子5をレーザー光でイオン化し、引出電極6を介して質量分析計7に取り込まれたイオン種の質量分析をするスパッタ中性粒子質量分析法を利用する。このとき、B原子の第1の遷移(2s22p(2Po 1/2)→2s23s (2S1/2)(249.7 nm))および第2の遷移(2s22p(2Po 3/2)→2s23s(2S1/2)(249.8 nm))に対応する波長を基点として、基点となる波長を中心に±0.02 nm〜±0.05 nm以内の範囲でレーザー光の波長掃引を行い、これにより検出されたB+の最大ピークのカウント数の比からB原子の化合物種を特定する。
【選択図】図3
Description
異なる2種類のBの共鳴準位に対応する波長範囲(λ1−0.02 nm≦λ≦λ1+0.02 nm,λ2−0.02 nm≦λ≦λ2+0.02 nm)でレーザー光の波長掃引(スキャン)を行い、鋼材からスパッタされたB原子を、それぞれの共鳴波長のレーザー光でイオン化(ポストイオン化)して検出する。鋼材を構成する元素により、その元素の電子状態が異なるので、Bの共鳴準位によって、検出されるB+のカウント数が異なる。すなわち、異なる2種類のエネルギー準位の遷移に対応するカウント数の比は、化合物種によって異なる値を示す。これを利用してBの化合物種を特定することが可能となる。
第2の発明は、不活性なイオンビームにより鋼材をその深さ方向にスパッタリングしながら、当該鋼材に含まれるB+イオンもしくはB原子をレーザー光によりイオン化し、当該鋼材の深さ方向の位置におけるB+イオンの数を測定し、当該測定したB+イオンの数に基づいて当該鋼材の表面よりも深い位置に測定面を選定し、当該測定面に析出したB化合物を含有する鋼材に不活性なイオンビームを照射することにより当該鋼材からスパッタリングされた中性粒子にレーザー光を照射して、共鳴多光子過程を経て当該中性粒子をイオン化し、当該イオン化した中性粒子を質量分析することにより、当該鋼材に含まれるB化合物種を特定するに際し、2s22p(2Po 1/2)のエネルギー準位から2s23s(2S1/2)のエネルギー準位へのB原子の遷移であって、当該遷移に要するB原子のエネルギーに対応する波長λ1が249.7 nmである遷移を第1の遷移とし、2s22p(2Po 3/2)のエネルギー準位から2s23s(2S 1/2)のエネルギー準位へのB原子の遷移であって、当該遷移に要するB原子のエネルギーに対応する波長λ2が249.8 nmである遷移を第2の遷移としたときに、共鳴2光子吸収により、前記第1の遷移を経てイオン化する第1の多光子過程である第1のイオン化過程と、共鳴2光子吸収により、前記第2の遷移を経てイオン化する多光子過程である第2のイオン化過程とが少なくとも行われるようにする鋼材中B化合物種特定方法であって、前記第1のイオン化過程において、前記第1の遷移の遷移エネルギーに対応する波長249.7 nmを中心に±0.02 nm〜±0.05 nm以内の範囲で、前記レーザー光の波長掃引を行う第1の波長掃引工程と、前記第2のイオン化過程において、前記第2の遷移の遷移エネルギーに対応する波長249.8 nmを中心に±0.02 nm〜±0.05 nm以内の範囲で、前記レーザー光の波長掃引を行う第2の波長掃引工程と、前記第1の波長掃引工程によりレーザー光の波長掃引が行われて前記第1のイオン化過程により生成されたB+イオンを質量分析することにより検出されたB+イオンの数を計数する第1の計数工程と、前記第2の波長掃引工程によりレーザー光の波長掃引が行われて前記第2のイオン化過程により生成されたB+イオンを質量分析することにより検出されたB+イオンの数を計数する第2の計数工程と、前記第1の計数工程により計数されたB+イオンの数と前記第2の計数工程により計数されたB+イオンの数との比を計算するカウント数比計算工程と、前記カウント数比計算工程により計算されたB+イオンの数の比に基づいて、前記鋼材に含まれるB化合物種を特定するB化合物種特定工程と、を有することを特徴とする鋼材中B化合物種特定方法。
第3の発明は、前記第1の計数工程と、前記第2の計数工程は、それぞれ、前記レーザー光の波長とB+イオンの数との関係において、前記B+イオンの数が最大となるピークを示すときの当該B+イオンの数を計数することを特徴とする第1又は第2の発明に記載の鋼材中B化合物種特定方法。
第4の発明は、B化合物種特定工程は、B+イオンの数の比とB化合物種とが相互に関連付けられてあらかじめ記憶されている記憶媒体から、前記カウント数比計算工程により計算されたB+イオンの数の比に対応するB化合物種を読み出して、前記鋼材に含まれるB化合物種を特定することを特徴とする第1〜第3の発明の何れか1つの発明に記載の鋼材中B化合物種特定方法。
第5の発明は、前記B化合物種は、金属ホウ化物、B酸化物、B窒化物、またはB炭化物であることを特徴とする第1〜第4の発明の何れか1つの発明に記載の鋼材中B化合物種特定方法。
である。
本発明の実施形態で用いるREMPI-SNMS装置の構成の一例を図1に示す。本実施形態のREMPI-SNMS装置は、イオン銃1と、レーザー光源4と、引出電極6と、質量分析計7と、イオン検出器8と、計数記録部9と、制御回路10とを有する。
イオン銃1は、測定試料3に一次イオンビーム2を照射するためのものである。レーザー光源4は、生成する中性粒子5をポストイオン化するためにレーザー光を照射するためのものである。引出電極6は、ポストイオン化された中性粒子5を加速しつつ質量分析計7の方向に向かわせるためのものである。
ここで、図2を参照しながら、本発明者が得た知見を以下に示す。図2は、B原子のエネルギー準位を示す図である。
本発明者は、図3に示すように、第1の遷移および第2の遷移に対するB+の最大ピークのカウント数Count 1、Count 2の比(Count 1/Count 2)は、金属ホウ化物では0.9〜1.2であり、B酸化物およびB窒化物では1.2〜1.8であり(酸化物および窒化物は区別できない)、B炭化物では0.6〜0.9の範囲にそれぞれなることを知見した。
(実施例1)
本実施例では、四重極型質量分析器を有するSIMS装置と、レーザー光照射装置とを組み合わせてREMPI-SNMS装置を構築し、鋼材中のB化合物種の特定を行った。一次イオンビームには3 keV-Ar+ビームを使用した。ラスター領域を300×600μmとし、クレーターエッジ効果を除去するために16%の電気ゲートを使用した。四重極型質量分析器への引き込み電圧を−200 Vとし、ポストイオン化されたB+は、エネルギーアナライザーおよび四重極型質量分析器を経て電子増倍管で検出された。電子増倍管からの信号は、高速前置増幅器で増幅され、PC(Personal Computer)により処理された。
結果(1)では、B化合物の検出にSIMSを使用した。SIMSでは、Bの存在は検出できるものの、化合物種を特定することができなかった。よって、結果(1)の総合判断としては×である。
結果(2)では、B化合物の検出に非共鳴多光子イオン化SNMS(波長266 nm)を使用した。266 nmに対して±0.02 nm以内の範囲で波長掃引を行うと、Bの存在は検出できるが、カウント数の比(Count 1/Count 2)を取ることができない。このため、化合物種を特定することができなかった。よって、結果(2)の総合判断としては×である。
結果(4)では、第1の遷移(遷移1:2s22p(2Po 1/2)→2s23s(2S1/2)(249.7 nm))および第2の遷移(遷移2:2s22p(2Po 3/2)→2s23s(2S1/2)(249.8 nm))をB原子が行うのに要するエネルギーに対応する(一致する)波長を有するレーザー光を用い、基点となる波長λ1=249.7 nm,λ2=249.8 nmを中心に±0.02 nm以内の範囲でレーザー光の波長掃引を行った。その結果、カウント数の比(Count 1/Count 2)は、1.4程度であり、鋼材に含まれる化合物種は、金属や炭化物ではなく、酸化物もしくは窒化物であることが判明した。このことから、鋼材に含まれるB化合物種としてBNを特定できたと判断し、総合判断として◎となった。
結果(6)では、基点となる波長を中心に±0.01 nm以内の範囲でレーザー光の波長掃引を行った。この範囲内では、カウント数の最大値(最大ピーク)が得られず、カウント数の比(Count 1/Count 2)をとると、1.2となり、鋼材に含まれるB化合物種が金属ホウ化物であるのかBNであるのかを区別できなかった。このため、結果(6)の総合判断は×とした。
結果(8)では、結果(4)と同様に、第1の遷移(2s22p(2Po 1/2)→2s23s(2S1/2)(249.7 nm))および第2の遷移(2s22p(2Po 3/2)→2s23s(2S1/2)(249.8 nm))をB原子が行うのに要するエネルギーに対応する(一致する)波長を有するレーザー光を用い、基点となる波長λ1=249.7 nm,λ2=249.8 nmを中心に±0.02 nm以内の範囲でレーザー光の波長掃引を行った。その結果、カウント数の比(Count 1/Count 2)は、1.0程度であり、鋼材に含まれるB化合物種は、金属ホウ化物であることが判明した。よって、結果(8)では、総合判断を◎とした。
結果(10)では、鋼材の深さ方向のスパッタリングにO2 +ビームを用いた。鋼材の表面から50 nmの深さ位置にB化合物を検出した。前述したように深さ位置は、スパッタリングレートと測定時間の見積もりを使用して得られた値から求めた。しかし、カウント数の比(Count 1/Count 2)の比は1.5となり、鋼材に含まれるB化合物種は、酸化物と特定された。実際の化合物種は金属ホウ化物であるため、不活性でないO2 +ビームを用いることにより、鋼材中のBが酸化され、これが鋼材に含まれるB化合物種として特定されたことになる。このため、結果(10)の総合判断を×とした。
一次イオンビームとして3 keV Ne+ビームを使用した以外は、実施例1と同様の実験を行った。結果を表2に示す。本実施例でも実施例1と同様の結果が得られた。一次イオンビームがAr+であるかNe+であるかによって、結果に違いはなかった。
一次イオンビームとして3 keV Xe+ビームを使用した以外は、実施例1、2と同様の実験を行った。結果を表3に示す。本実施例でも、実施例1および実施例2と同様の結果が得られた。一次イオンビームがAr+であるかNe+であるかXe+であるかによって、結果に違いはなかった。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本実施形態では、共鳴2光子吸収により、第1の遷移を経てイオン化する第1の多光子過程(第1のイオン化過程)は、例えば、レーザー光源4を用いて、λ1=249.7 nmを中心に±0.02nm〜±0.05 nm 以内の範囲でレーザー光の波長掃引を行って中性粒子5をポストイオン化することにより実現される。そして、例えば、この第1のイオン化過程において、レーザー光源4を用いて、λ1=249.7 nmを中心に±0.02nm〜±0.05 nm 以内の範囲でレーザー光の波長掃引を行うことにより、第1の波長掃引工程が実現される。
また、本実施形態では、共鳴2光子吸収により、第2の遷移を経てイオン化する第2の多光子過程(第2のイオン化過程)は、例えば、レーザー光源4を用いて、λ2=249.8 nmを中心に±0.02nm〜±0.05 nm 以内の範囲でレーザー光の波長掃引を行うことによって中性粒子5をポストイオン化することにより実現される。そして、例えば、この第2のイオン化過程において、レーザー光源4を用いて、λ2=249.8 nmを中心に±0.02nm〜±0.05 nm 以内の範囲でレーザー光の波長掃引を行うことにより、第2の波長掃引工程が実現される。
また、本実施形態では、例えば、制御回路10が、B+の数のカウントを行うことにより、第1の計数工程および第2の計数工程が実現される。
さらに、本実施形態では、例えば、制御回路10が、検出された2種類の遷移のB+のカウント数の比に関連付けられている化合物種をデータベース11から読み出すことにより、B化合物種特定工程が実現される。
2 一次イオンビーム
3 測定試料
4 レーザー光源
5 中性粒子
6 引出電極
7 質量分析計
8 検出器
9 計数記録部
10 制御回路
11 データベース
Claims (5)
- 表面に析出したB化合物を含有する鋼材に不活性なイオンビームを照射することにより当該鋼材からスパッタリングされた中性粒子にレーザー光を照射して、共鳴多光子過程を経て当該中性粒子をイオン化し、当該イオン化した中性粒子を質量分析することにより、当該鋼材に含まれるB化合物種を特定するに際し、
2s22p(2Po 1/2)のエネルギー準位から2s23s(2S1/2)のエネルギー準位へのB原子の遷移であって、当該遷移に要するB原子のエネルギーに対応する波長λ1が249.7 nmである遷移を第1の遷移とし、2s22p(2Po 3/2)のエネルギー準位から2s23s(2S 1/2)のエネルギー準位へのB原子の遷移であって、当該遷移に要するB原子のエネルギーに対応する波長λ2が249.8 nmである遷移を第2の遷移としたときに、
共鳴2光子吸収により、前記第1の遷移を経てイオン化する第1の多光子過程である第1のイオン化過程と、共鳴2光子吸収により、第2の遷移を経てイオン化する多光子過程である第2のイオン化過程とが少なくとも行われるようにする鋼材中B化合物種特定方法であって、
前記第1のイオン化過程において、前記第1の遷移の遷移エネルギーに対応する波長249.7 nmを中心に±0.02 nm〜±0.05 nm以内の範囲で、前記レーザー光の波長掃引を行う第1の波長掃引工程と、
前記第2のイオン化過程において、前記第2の遷移の遷移エネルギーに対応する波長249.8 nmを中心に±0.02 nm〜±0.05 nm以内の範囲で、前記レーザー光の波長掃引を行う第2の波長掃引工程と、
前記第1の波長掃引工程によりレーザー光の波長掃引が行われて前記第1のイオン化過程により生成されたB+イオンを質量分析することにより検出されたB+イオンの数を計数する第1の計数工程と、
前記第2の波長掃引工程によりレーザー光の波長掃引が行われて前記第2のイオン化過程により生成されたB+イオンを質量分析することにより検出されたB+イオンの数を計数する第2の計数工程と、
前記第1の計数工程により計数されたB+イオンの数と前記第2の計数工程により計数されたB+イオンの数との比を計算するカウント数比計算工程と、
前記カウント数比計算工程により計算されたB+イオンの数の比に基づいて、前記鋼材に含まれるB化合物種を特定するB化合物種特定工程と、を有することを特徴とする鋼材中B化合物種特定方法。 - 不活性なイオンビームにより鋼材をその深さ方向にスパッタリングしながら、当該鋼材に含まれるB+イオンもしくはB原子をレーザー光によりイオン化し、当該鋼材の深さ方向の位置におけるB+イオンの数を測定し、当該測定したB+イオンの数に基づいて当該鋼材の表面よりも深い位置に測定面を選定し、当該測定面に析出したB化合物を含有する鋼材に不活性なイオンビームを照射することにより当該鋼材からスパッタリングされた中性粒子にレーザー光を照射して、共鳴多光子過程を経て当該中性粒子をイオン化し、当該イオン化した中性粒子を質量分析することにより、当該鋼材に含まれるB化合物種を特定するに際し、
2s22p(2Po 1/2)のエネルギー準位から2s23s(2S1/2)のエネルギー準位へのB原子の遷移であって、当該遷移に要するB原子のエネルギーに対応する波長λ1が249.7 nmである遷移を第1の遷移とし、2s22p(2Po 3/2)のエネルギー準位から2s23s(2S 1/2)のエネルギー準位へのB原子の遷移であって、当該遷移に要するB原子のエネルギーに対応する波長λ2が249.8 nmである遷移を第2の遷移としたときに、
共鳴2光子吸収により、前記第1の遷移を経てイオン化する第1の多光子過程である第1のイオン化過程と、共鳴2光子吸収により、前記第2の遷移を経てイオン化する多光子過程である第2のイオン化過程とが少なくとも行われるようにする鋼材中B化合物種特定方法であって、
前記第1のイオン化過程において、前記第1の遷移の遷移エネルギーに対応する波長249.7 nmを中心に±0.02 nm〜±0.05 nm以内の範囲で、前記レーザー光の波長掃引を行う第1の波長掃引工程と、
前記第2のイオン化過程において、前記第2の遷移の遷移エネルギーに対応する波長249.8 nmを中心に±0.02 nm〜±0.05 nm以内の範囲で、前記レーザー光の波長掃引を行う第2の波長掃引工程と、
前記第1の波長掃引工程によりレーザー光の波長掃引が行われて前記第1のイオン化過程により生成されたB+イオンを質量分析することにより検出されたB+イオンの数を計数する第1の計数工程と、
前記第2の波長掃引工程によりレーザー光の波長掃引が行われて前記第2のイオン化過程により生成されたB+イオンを質量分析することにより検出されたB+イオンの数を計数する第2の計数工程と、
前記第1の計数工程により計数されたB+イオンの数と前記第2の計数工程により計数されたB+イオンの数との比を計算するカウント数比計算工程と、
前記カウント数比計算工程により計算されたB+イオンの数の比に基づいて、前記鋼材に含まれるB化合物種を特定するB化合物種特定工程と、を有することを特徴とする鋼材中B化合物種特定方法。 - 前記第1の計数工程と、前記第2の計数工程は、それぞれ、前記レーザー光の波長とB+イオンの数との関係において、前記B+イオンの数が最大となるピークを示すときの当該B+イオンの数を計数することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼材中B化合物種特定方法。
- B化合物種特定工程は、B+イオンの数の比とB化合物種とが相互に関連付けられてあらかじめ記憶されている記憶媒体から、前記カウント数比計算工程により計算されたB+イオンの数の比に対応するB化合物種を読み出して、前記鋼材に含まれるB化合物種を特定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の鋼材中B化合物種特定方法。
- 前記B化合物種は、金属ホウ化物、B酸化物、B窒化物、またはB炭化物であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の鋼材中B化合物種特定方法。
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