JPH07294459A - スパッタ中性粒子質量分析方法 - Google Patents
スパッタ中性粒子質量分析方法Info
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- JPH07294459A JPH07294459A JP6083432A JP8343294A JPH07294459A JP H07294459 A JPH07294459 A JP H07294459A JP 6083432 A JP6083432 A JP 6083432A JP 8343294 A JP8343294 A JP 8343294A JP H07294459 A JPH07294459 A JP H07294459A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、飛行時間型二次イオン質量分析装
置(TOF−SIMS)とレーザを組み合わせたレーザ
ポストイオン化TOF−SNMSで、高い検出効率を保
持したまま全被測定元素を高感度かつ再現性の高い深さ
方向分析方法を提供する。 【構成】 レーザポストイオン化TOF−SNMSによ
る深さ方向分析でパルスイオンビームとパルスレーザに
は被測定元素毎にそれぞれ最適な同期条件が存在する。
被測定元素それぞれの最適な同期条件で測定を行ない、
特定深さにおける積算信号強度を得る。イオンビームを
パルスから連続に切り換え、試料をエッチングし、特定
深さにおける信号強度を検出し、これを繰り返して深さ
方向分析を実現する。
置(TOF−SIMS)とレーザを組み合わせたレーザ
ポストイオン化TOF−SNMSで、高い検出効率を保
持したまま全被測定元素を高感度かつ再現性の高い深さ
方向分析方法を提供する。 【構成】 レーザポストイオン化TOF−SNMSによ
る深さ方向分析でパルスイオンビームとパルスレーザに
は被測定元素毎にそれぞれ最適な同期条件が存在する。
被測定元素それぞれの最適な同期条件で測定を行ない、
特定深さにおける積算信号強度を得る。イオンビームを
パルスから連続に切り換え、試料をエッチングし、特定
深さにおける信号強度を検出し、これを繰り返して深さ
方向分析を実現する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体状物質の表面近傍
の化学組成を測定するスパッタ中性粒子質量分析方法に
関するもので、従来不可能であった極微量元素の深さ方
向定量分析を可能とする方法に係る。
の化学組成を測定するスパッタ中性粒子質量分析方法に
関するもので、従来不可能であった極微量元素の深さ方
向定量分析を可能とする方法に係る。
【0002】
【従来の技術】二次イオン質量分析(Secondary Ion Ma
ss Spectrometry :SIMS)法は、高速の一次イオン
ビームを固体表面に入射し、試料表面から放出されるイ
オン(二次イオン)を検出して表面を構成する元素の情
報を得ることを目的とする表面分析法である。SIMS
法は、その試料表面付近に存在する元素を高感度に検出
できるという特徴から半導体産業をはじめとして広く利
用されてきている。しかし、一般にSIMS法によって
試料表面近傍から定量的な情報を得ることが困難であ
る。なぜなら、当該試料表面からスパッタされた粒子の
イオン化の確率が当該試料表面の組成および化学状態に
鋭敏に左右されるためである(マトリックス効果)。そ
こで、これまで低い検出感度ではあるがオージェ電子分
光(Auger Electron Spectroscopy:AES)法を用いた
マトリックス元素の深さ方向分析により薄膜試料の評価
がなされてきた。
ss Spectrometry :SIMS)法は、高速の一次イオン
ビームを固体表面に入射し、試料表面から放出されるイ
オン(二次イオン)を検出して表面を構成する元素の情
報を得ることを目的とする表面分析法である。SIMS
法は、その試料表面付近に存在する元素を高感度に検出
できるという特徴から半導体産業をはじめとして広く利
用されてきている。しかし、一般にSIMS法によって
試料表面近傍から定量的な情報を得ることが困難であ
る。なぜなら、当該試料表面からスパッタされた粒子の
イオン化の確率が当該試料表面の組成および化学状態に
鋭敏に左右されるためである(マトリックス効果)。そ
こで、これまで低い検出感度ではあるがオージェ電子分
光(Auger Electron Spectroscopy:AES)法を用いた
マトリックス元素の深さ方向分析により薄膜試料の評価
がなされてきた。
【0003】しかし、デバイス開発に必須の多層薄膜中
の極微量元素の挙動評価の必要性が高まるにつれ、スパ
ッタで放出された中性粒子にレーザ、プラズマ、電子線
を照射してポストイオン化することにより質量分析する
スパッタ中性粒子質量分析法(Sputtered Neutral Mass
Spectrometry:SNMS)が開発された。この方法の利
点は、(1)スパッタ中性粒子の放出過程が二次イオン
化過程を含まないため試料表面の組成を反映した情報が
得られること(定量分析可能)、(2)スパッタ粒子数
は二次イオン数の103 〜105 倍程度と多いため、さ
らなる高感度化が期待できることである。その中でもパ
ルス紫外線レーザと検出効率の高い飛行時間型二次イオ
ン質量分析(Time-of-Flight SIMS:TOF−SIM
S)装置を組み合わせたレーザポストイオン化TOF−
SNMS装置がもっとも高感度となることが期待されて
いる(例えば特公昭61−500866号公報参照)。
の極微量元素の挙動評価の必要性が高まるにつれ、スパ
ッタで放出された中性粒子にレーザ、プラズマ、電子線
を照射してポストイオン化することにより質量分析する
スパッタ中性粒子質量分析法(Sputtered Neutral Mass
Spectrometry:SNMS)が開発された。この方法の利
点は、(1)スパッタ中性粒子の放出過程が二次イオン
化過程を含まないため試料表面の組成を反映した情報が
得られること(定量分析可能)、(2)スパッタ粒子数
は二次イオン数の103 〜105 倍程度と多いため、さ
らなる高感度化が期待できることである。その中でもパ
ルス紫外線レーザと検出効率の高い飛行時間型二次イオ
ン質量分析(Time-of-Flight SIMS:TOF−SIM
S)装置を組み合わせたレーザポストイオン化TOF−
SNMS装置がもっとも高感度となることが期待されて
いる(例えば特公昭61−500866号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】イオンスパッタリング
で試料表面から放出される中性粒子の運動エネルギーが
どの元素でも一定だと仮定しても、元素は固有の質量数
を持つため試料から任意の距離離れた位置に到達する時
間はその質量数の平方根に反比例する。これは、パルス
イオンビームにより試料表面から放出された中性粒子が
レーザポストイオン化領域に到達する時間差が被測定元
素の種類毎に異なることを意味している。つまり、質量
数mA の元素Aの一定距離Lに到達する時間tA は次式
で表される。
で試料表面から放出される中性粒子の運動エネルギーが
どの元素でも一定だと仮定しても、元素は固有の質量数
を持つため試料から任意の距離離れた位置に到達する時
間はその質量数の平方根に反比例する。これは、パルス
イオンビームにより試料表面から放出された中性粒子が
レーザポストイオン化領域に到達する時間差が被測定元
素の種類毎に異なることを意味している。つまり、質量
数mA の元素Aの一定距離Lに到達する時間tA は次式
で表される。
【数1】 ここで、vA は元素Aの速度、Eは運動エネルギーであ
る。例えば、スパッタ粒子の運動エネルギーを5eVと仮
定すると、試料−レーザポストイオン化領域間距離1mm
に質量数m=2のものが到達する時間は46nsec、m=
200のものでは10倍の460nsecとなる。つまり、
約0.4μsec の時間のずれが生じる。
る。例えば、スパッタ粒子の運動エネルギーを5eVと仮
定すると、試料−レーザポストイオン化領域間距離1mm
に質量数m=2のものが到達する時間は46nsec、m=
200のものでは10倍の460nsecとなる。つまり、
約0.4μsec の時間のずれが生じる。
【0005】レーザポストイオン化TOF−SNMSに
おいて、検出効率(注目元素の検出量に対するスパッタ
リングによる消費量の比)を向上させるためには、レー
ザのパルス幅と比較的近いパルス幅のイオンビームを利
用すれば試料消費を抑制することが可能となる。しか
し、イオンビームを短パルス化すると、中性粒子の運動
エネルギーの分散がレーザのイオン化領域における運動
エネルギー分布として反映され、イオンビームとレーザ
ビームとの同期条件のわずかな差が検出効率に大きな影
響を与える。そのため、被測定元素が複数の場合、必ず
しも全ての元素を最高感度で検出できる時間差の設定条
件は存在し得ない。
おいて、検出効率(注目元素の検出量に対するスパッタ
リングによる消費量の比)を向上させるためには、レー
ザのパルス幅と比較的近いパルス幅のイオンビームを利
用すれば試料消費を抑制することが可能となる。しか
し、イオンビームを短パルス化すると、中性粒子の運動
エネルギーの分散がレーザのイオン化領域における運動
エネルギー分布として反映され、イオンビームとレーザ
ビームとの同期条件のわずかな差が検出効率に大きな影
響を与える。そのため、被測定元素が複数の場合、必ず
しも全ての元素を最高感度で検出できる時間差の設定条
件は存在し得ない。
【0006】そこで、被測定元素全てに対して高感度検
出を可能とする深さ方向定量分析技術の開発が望まれ
る。
出を可能とする深さ方向定量分析技術の開発が望まれ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料表面から
中性粒子を発生させるためのパルスイオンビームと発生
した中性粒子をイオン化するレーザビームとの被測定元
素毎に信号強度が最大となる同期時間差を設定し、レー
ザポストイオン化によるスパッタ中性粒子数を特定深さ
毎に全被測定元素に対して測定することで全元素の定量
性および再現性の高い深さ方向分析を可能とすることを
特徴とする深さ方向順次分析法を提供するものである。
中性粒子を発生させるためのパルスイオンビームと発生
した中性粒子をイオン化するレーザビームとの被測定元
素毎に信号強度が最大となる同期時間差を設定し、レー
ザポストイオン化によるスパッタ中性粒子数を特定深さ
毎に全被測定元素に対して測定することで全元素の定量
性および再現性の高い深さ方向分析を可能とすることを
特徴とする深さ方向順次分析法を提供するものである。
【0008】即ち、本発明の要旨は、試料表面にパルス
イオンビームを照射し、発生した粒子の中の中性粒子
を、特定の被測定元素に対応した特定のイオンビームと
の時間間隔Δt1 を置いてパルスレーザビームを照射し
てイオン化して質量分析を行ない、上記操作を他の被測
定元素についてΔt2 で行ない、この操作を順次繰り返
して全被測定元素についてその元素に特定の同期時間差
で試料表面の測定を行なった後、連続スパッタで所定の
深さをエッチングし、再び上記手順により、全被測定元
素について質量分析することにより、各測定元素につい
て所定深さ毎の定量分析を行なうことを特徴とするスパ
ッタ中性粒子質量分析方法にある。
イオンビームを照射し、発生した粒子の中の中性粒子
を、特定の被測定元素に対応した特定のイオンビームと
の時間間隔Δt1 を置いてパルスレーザビームを照射し
てイオン化して質量分析を行ない、上記操作を他の被測
定元素についてΔt2 で行ない、この操作を順次繰り返
して全被測定元素についてその元素に特定の同期時間差
で試料表面の測定を行なった後、連続スパッタで所定の
深さをエッチングし、再び上記手順により、全被測定元
素について質量分析することにより、各測定元素につい
て所定深さ毎の定量分析を行なうことを特徴とするスパ
ッタ中性粒子質量分析方法にある。
【0009】
【作用】図1を参照して、本発明の装置の構成を説明す
る。被測定試料1に、パルス化した一次イオンビーム2
を照射し、スパッタ現象により試料表面から中性粒子3
が放出される。中性粒子3は電場に影響されず試料表面
からある速度をもってドリフト(浮遊)し、レーザ4が
通過する地点に到達する。そこでポストイオン化され、
ある電場を受けて、飛行時間質量分析計5内に導入され
る。
る。被測定試料1に、パルス化した一次イオンビーム2
を照射し、スパッタ現象により試料表面から中性粒子3
が放出される。中性粒子3は電場に影響されず試料表面
からある速度をもってドリフト(浮遊)し、レーザ4が
通過する地点に到達する。そこでポストイオン化され、
ある電場を受けて、飛行時間質量分析計5内に導入され
る。
【0010】スパッタリングの理論から推定されるスパ
ッタ中性粒子の運動エネルギー分布は、約5eVにピーク
を持つ。よって、式(1)に従って、予め被測定元素
A,Bの5eVに相当するパルスイオンビームの立ち上が
り時間との時間差(スパッタ粒子が試料から発生し、レ
ーザビーム領域に到達する時間に相当)ΔtA,calc,Δ
tB,calcを求められる。これより、被測定元素種毎に中
性粒子のレーザポストイオン化領域に到達する時間を推
定することができる。中性粒子の運動エネルギー分布は
必ずしもその理論に一致しないから、厳密にスパッタ中
性粒子の運動エネルギー分布のピーク値を利用する場
合、ΔtA,calcの値を前後数100nsecにわたり数10
nsecの間隔で変化させ、被測定元素Aのポストイオン化
信号の最大となる時間差ΔtA,obs を決定して利用する
ことも可能である。
ッタ中性粒子の運動エネルギー分布は、約5eVにピーク
を持つ。よって、式(1)に従って、予め被測定元素
A,Bの5eVに相当するパルスイオンビームの立ち上が
り時間との時間差(スパッタ粒子が試料から発生し、レ
ーザビーム領域に到達する時間に相当)ΔtA,calc,Δ
tB,calcを求められる。これより、被測定元素種毎に中
性粒子のレーザポストイオン化領域に到達する時間を推
定することができる。中性粒子の運動エネルギー分布は
必ずしもその理論に一致しないから、厳密にスパッタ中
性粒子の運動エネルギー分布のピーク値を利用する場
合、ΔtA,calcの値を前後数100nsecにわたり数10
nsecの間隔で変化させ、被測定元素Aのポストイオン化
信号の最大となる時間差ΔtA,obs を決定して利用する
ことも可能である。
【0011】被測定元素のそれぞれについて上記方法で
求めた最適なイオンビームとレーザビームの同期時間差
の条件で、計測した質量スペクトル中の注目元素のピー
ク強度を積算することで特定深さにおけるデータの収集
を行なう。特定深さにおける測定は全測定元素がほぼ等
しい深さにおける信号を検出できるようにパルス積算回
数は1000回程度が好ましい。これは測定に求められ
る深さ方向の分解能の程度による。イオンビームの電流
量や加速電圧またイオンビームのパルス幅等によりスパ
ッタリングの速度は大きく変化する。これを調整するこ
とにより求める深さ方向の定量的情報つまり深さ方向の
分解能や検出感度などを抽出することができる。
求めた最適なイオンビームとレーザビームの同期時間差
の条件で、計測した質量スペクトル中の注目元素のピー
ク強度を積算することで特定深さにおけるデータの収集
を行なう。特定深さにおける測定は全測定元素がほぼ等
しい深さにおける信号を検出できるようにパルス積算回
数は1000回程度が好ましい。これは測定に求められ
る深さ方向の分解能の程度による。イオンビームの電流
量や加速電圧またイオンビームのパルス幅等によりスパ
ッタリングの速度は大きく変化する。これを調整するこ
とにより求める深さ方向の定量的情報つまり深さ方向の
分解能や検出感度などを抽出することができる。
【0012】そのため、次の表1のような深さ方向分析
の測定テーブルを作成して測定を実行する。
の測定テーブルを作成して測定を実行する。
【表1】
【0013】ここで、パルス間隔とはパルスイオンビー
ムが試料に到達した時刻とレーザが試料表面直上を通過
した時刻との時間間隔に相当する。表面においての全元
素の測定が終了したら、次に連続イオンビームによるス
パッタリングが実行され、任意の深さまでエッチングを
行なう。エッチング終了後再びイオンビームを連続から
パルスに変更し、測定を再開する。これを順次繰り返す
ことにより深さ方向情報を得ることができる(図2)。
ムが試料に到達した時刻とレーザが試料表面直上を通過
した時刻との時間間隔に相当する。表面においての全元
素の測定が終了したら、次に連続イオンビームによるス
パッタリングが実行され、任意の深さまでエッチングを
行なう。エッチング終了後再びイオンビームを連続から
パルスに変更し、測定を再開する。これを順次繰り返す
ことにより深さ方向情報を得ることができる(図2)。
【0014】
【実施例】被測定試料としてAu(200nm)/SiO
2 (150nm)/Si基板を用いた。これはAuとSi
が大きな質量数の違いをもつため本発明の有効性を確認
できるものと期待される。この試料のレーザポストイオ
ン化TOF−SNMSによる深さ方向分析結果を図3に
示す。(A)が当該試料の概要、(B)が従来のTOF
−SNMSによって得られる典型的な深さ方向分析結
果、(C)が本発明に基づく深さ方向分析結果である。
(B)では従来SIMSと同じくAuとSiの間に大き
な感度差が生じてしまい、スパッタ中性粒子質量分析法
の長所が消失してしまっている。これに対して、本発明
による各被測定元素毎のパルスイオンビームとパルスレ
ーザビームとの同期条件を使えば(C)に示すAuとS
iの強度がほぼ一致した深さ方向分析結果が得られる。
2 (150nm)/Si基板を用いた。これはAuとSi
が大きな質量数の違いをもつため本発明の有効性を確認
できるものと期待される。この試料のレーザポストイオ
ン化TOF−SNMSによる深さ方向分析結果を図3に
示す。(A)が当該試料の概要、(B)が従来のTOF
−SNMSによって得られる典型的な深さ方向分析結
果、(C)が本発明に基づく深さ方向分析結果である。
(B)では従来SIMSと同じくAuとSiの間に大き
な感度差が生じてしまい、スパッタ中性粒子質量分析法
の長所が消失してしまっている。これに対して、本発明
による各被測定元素毎のパルスイオンビームとパルスレ
ーザビームとの同期条件を使えば(C)に示すAuとS
iの強度がほぼ一致した深さ方向分析結果が得られる。
【0015】以上の結果から、検出効率を向上させるた
めに用いた短パルスイオンビーム(数10〜数100ns
ecレベル)を用いても元素間の感度差がない深さ方向分
析を可能とした。
めに用いた短パルスイオンビーム(数10〜数100ns
ecレベル)を用いても元素間の感度差がない深さ方向分
析を可能とした。
【0016】
【発明の効果】本発明により、高感度高精度の表面分析
装置として期待される飛行時間型質量分析計を用いたレ
ーザポストイオン化TOF−SNMSにおける検出限界
をより低減し、かつ定量性の高い分析法として確立する
ことができた。これは、従来利用されてきたAES法よ
りもはるかに高感度であり、従来SIMS法と比較する
とはるかに高い定量性を有する。また、より長いパルス
イオンビームを用いていたレーザポストイオン化TOF
−SNMSと比較すると、はるかに高い検出効率(表面
感度)を有する。また、同期時間差を一つの条件に規定
した短パルスイオンビームによるレーザポストイオン化
SNMSと比較すると元素間の感度差等の違いがかなり
改善可能となった。
装置として期待される飛行時間型質量分析計を用いたレ
ーザポストイオン化TOF−SNMSにおける検出限界
をより低減し、かつ定量性の高い分析法として確立する
ことができた。これは、従来利用されてきたAES法よ
りもはるかに高感度であり、従来SIMS法と比較する
とはるかに高い定量性を有する。また、より長いパルス
イオンビームを用いていたレーザポストイオン化TOF
−SNMSと比較すると、はるかに高い検出効率(表面
感度)を有する。また、同期時間差を一つの条件に規定
した短パルスイオンビームによるレーザポストイオン化
SNMSと比較すると元素間の感度差等の違いがかなり
改善可能となった。
【図1】本発明を構成するレーザポストイオン化TOF
−SNMS装置の概要図。
−SNMS装置の概要図。
【図2】深さ方向順次分析法のパルスイオンビームとパ
ルスイオンビームとの同期時間条件。
ルスイオンビームとの同期時間条件。
【図3】Au(200nm)/SiO2 (150nm)Si試
料のレーザポストイオン化SNMSによる深さ方向分析
結果である。(A)が当該試料の概要、(B)が従来の
TOF−SNMSによって得られる典型的な深さ方向分
析結果(Siと比較してAu強度が小さい。)、(C)
は本発明に基づく深さ方向分析結果(AuとSi強度が
ほぼ一致。)である。
料のレーザポストイオン化SNMSによる深さ方向分析
結果である。(A)が当該試料の概要、(B)が従来の
TOF−SNMSによって得られる典型的な深さ方向分
析結果(Siと比較してAu強度が小さい。)、(C)
は本発明に基づく深さ方向分析結果(AuとSi強度が
ほぼ一致。)である。
1 試料 2 一次パルスイオンビーム 3 スパッタ中性粒子 4 レーザ 5 飛行時間型質量分析計
Claims (1)
- 【請求項1】 試料表面にパルスイオンビームを照射
し、発生した粒子の中の中性粒子を、特定の被測定元素
に対応した特定のイオンビームとの時間間隔Δt1 を置
いてパルスレーザビームを照射してイオン化して質量分
析を行ない、上記操作を他の被測定元素についてΔt2
で行ない、この操作を順次繰り返して全被測定元素につ
いてその元素に特定の同期時間差で試料表面の測定を行
なった後、連続スパッタで所定の深さをエッチングし、
再び上記手順により、全被測定元素について質量分析す
ることにより、各測定元素について所定深さ毎の定量分
析を行なうことを特徴とするスパッタ中性粒子質量分析
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6083432A JPH07294459A (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | スパッタ中性粒子質量分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6083432A JPH07294459A (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | スパッタ中性粒子質量分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07294459A true JPH07294459A (ja) | 1995-11-10 |
Family
ID=13802283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6083432A Withdrawn JPH07294459A (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | スパッタ中性粒子質量分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07294459A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008032685A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-02-14 | Canon Inc | 表面解析方法および表面解析装置 |
JP2014153100A (ja) * | 2013-02-06 | 2014-08-25 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | ポリマー材料のユニット分子同定方法及びポリマー材料のユニット分子同定装置 |
JP2021527828A (ja) * | 2018-06-18 | 2021-10-14 | フリューダイム カナダ インコーポレイテッド | 高解像度イメージング装置および方法 |
-
1994
- 1994-04-21 JP JP6083432A patent/JPH07294459A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008032685A (ja) * | 2006-06-29 | 2008-02-14 | Canon Inc | 表面解析方法および表面解析装置 |
JP2014153100A (ja) * | 2013-02-06 | 2014-08-25 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | ポリマー材料のユニット分子同定方法及びポリマー材料のユニット分子同定装置 |
JP2021527828A (ja) * | 2018-06-18 | 2021-10-14 | フリューダイム カナダ インコーポレイテッド | 高解像度イメージング装置および方法 |
US11967496B2 (en) | 2018-06-18 | 2024-04-23 | Standard Biotools Canada Inc. | High resolution imaging apparatus and method |
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