JPH11118551A - 超音波伝搬時間の測定方法とこれを用いた超音波流量計測装置 - Google Patents

超音波伝搬時間の測定方法とこれを用いた超音波流量計測装置

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JPH11118551A
JPH11118551A JP9281707A JP28170797A JPH11118551A JP H11118551 A JPH11118551 A JP H11118551A JP 9281707 A JP9281707 A JP 9281707A JP 28170797 A JP28170797 A JP 28170797A JP H11118551 A JPH11118551 A JP H11118551A
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JP
Japan
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ultrasonic
propagation time
time
measuring
waveform
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Application number
JP9281707A
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English (en)
Inventor
Kenzo Ochi
謙三 黄地
Akihisa Adachi
明久 足立
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波の伝搬時間の計測精度を高めて超音波
流量計としての精度を向上する。 【解決手段】 一対の超音波送受信器3、4を対向して
配設している。一方の超音波送受信器3を駆動した時刻
を起点とし、他方の超音波送受信器4の表面で前記超音
波を受信した時刻を終点として超音波伝搬時間を計測す
る。この構成により、純粋に超音波が超音波送受信器
3、4間を伝搬している時間のみを計測することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の超音波送受
信器を用いて超音波の伝搬時間を計測する。
【0002】超音波伝搬時間の計測方法及びこれを用い
た超音波流量計測装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来の超音波流量計に用いられている超
音波伝搬時間の測定方法は、一対の超音波送受信器を対
向して配置し、一方の超音波送受信器をバ−スト信号で
駆動し、超音波を送信し、他方の超音波送受信器で受信
し測定していた。図10に、送信側の超音波送受信器の
駆動波形1と、受信側の超音波送受信器で受信した受信
波形2を示す。図10は、横軸に時間を、縦軸に電圧を
示す。図中のT0は駆動信号1の開始時点を、T1は駆動
開始後、第3波終了時点を示す。R0は受信開始時点
を、R1は受信開始後、第3波終了時点を示す。このよ
うに、駆動信号の第m(m=3)波目のゼロクロス点T
1を起点とし、他方の超音波送受信器で受信した電気信
号の第m(m=3)波目を終点R1として、前記起点T1
と前記終点R1との間の時間Tpを超音波伝搬時間として
計測し、この伝搬時間を用いて流体の流速を計測し、流
量を演算していた(特平開9−33308号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の超音波伝搬時間の測定方法では、起点においては送
信側の超音波送受信器の特性で決まる第m波目を、また
終点においては受信側の超音波送受信器の特性で決まる
第m波目を用いていた。従って、T0とT1との間の時間
およびR0とR1との間の時間とが、全く同じであれば、
それぞれが相殺され、誤差とはならないが、一般に、2
つの超音波送受信器を用いた場合、それぞれの特性が全
く同じであるとは考えられないため、あるいは、周囲温
度の変化などによっても、それぞれの特性が全く同じよ
うに変化するとも考えられないため、送信側の超音波駆
動開始後の第m波目までの時間、T0とT1との間の時間
と、受信側の超音波受信後の第m波目までの時間、R0
とR1との間の時間、とは一致しないため、伝搬時間計
測に誤差として含まれる結果となっていた。従って、こ
の伝搬時間を用いて計測する流体の流速、流体の流量な
どに誤差として含まれ、超音波流量計の精度が良くなか
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波伝搬時間
測定方法は上記課題を解決するため、一対の超音波送受
信器を対向して備え、一方の超音波送受信器を駆動した
時刻を起点とし、他方の超音波送受信器の表面で前記超
音波を受信した時刻を終点とし、起点と終点との間の時
間を超音波伝搬時間として測定する。この時間測定方法
により、計測された超音波伝搬時間の中に、超音波が音
響整合層などの送受信器内部を伝搬する時間を含まない
で、純粋に流体中を伝搬する時間として計測されるた
め、超音波の伝搬時間に誤差が入らないので、時間計測
の精度が大幅に向上する。
【0006】また、この時間計測方法を用いて超音波流
量計測装置を構成するので、流体の流速あるいは流体の
流量計測において、精度が大幅に向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に超音波伝播時間の測定方
法は、一対の超音波送受信器を対向して備え、一方の超
音波送受信器を駆動した時刻を起点とし、他方の超音波
送受信器の表面で前記超音波を受信した時刻を終点とし
て、超音波伝搬時間を計測する。
【0008】このようにして超音波伝播時間を計測する
ことにより、計測された超音波伝搬時間には純粋に超音
波が流体中を伝播する時間のみが含まれることになる。
従って、計測された超音波伝播時間の中に、超音波が音
響整合層などの送受信器内部を伝搬する時間などの誤差
を含まないため、超音波伝搬時間の計測精度が向上す
る。
【0009】また、本発明の超音波伝播時間の測定方法
は、一対の超音波送受信器を圧電性材料と音響整合層と
から構成し、受信された電気的受信波形の(3/4)周
期以前を、終点として超音波伝搬時間を計測する。この
ため、計測された超音波伝搬時間の中に、超音波が送受
信器内部を伝搬する時間を含まないので、計測時間の精
度が向上する。
【0010】また、本発明の超音波伝播時間の測定方法
は、受信された電気的受信波形の最初の極大振幅を示し
た時の(1/2)周期を基準として、順次計測された波
形を(1/2)周期づつ前へ、周期を推測し、超音波伝
搬時間の終点を推定する測定方法であるので、多少の雑
音が有っても、確実に終点を推定することができる。
【0011】また、本発明の超音波伝搬時間測定方法
は、受信された電気的受信波形の最初の極大振幅を示し
た時の(1/2)周期から、計測された波形の(1/
2)周期が、順次前に等比級数的に並んでいるとして、
超音波伝搬時間の終点を推定する測定方法であるので、
多少の雑音が有っても、確実に終点を推定することがで
きる。
【0012】また、本発明の超音波伝搬時間測定方法
は、受信された電気的受信波形の最初の極大振幅を示し
た時の(1/2)周期から、計測された波形の(1/
2)周期が、順次前に等差級数的に並んでいるとして、
超音波伝搬時間の終点を推定する測定方法なので、多少
の雑音が有っても、確実に終点を推定することができ
る。
【0013】また、本発明の超音波伝搬時間測定方法
は、受信された電気的受信波形の最初の極大振幅を示し
た時の(1/2)周期から、計測された波形の(1/
2)周期が、順次前に等周期で並んでいるとして、超音
波伝搬時間の終点を推定するので、多少の雑音が有って
も、確実に終点を推定することができる。
【0014】また、本発明の超音波伝搬時間測定方法
は、受信された電気的受信波形の最初の極大振幅から、
順次振幅の包絡線をたどり超音波伝搬時間の終点を推定
する測定方法なので、多少の雑音が有っても、確実に終
点を推定することができる。
【0015】また、本発明の超音波伝搬時間測定方法
は、受信側の超音波送受信器の反共振周波数で、送信側
の送受信器を駆動する超音波伝搬時間の測定方法である
ので、受信波形が等周期的に並び、このため、超音波伝
搬時間の終点を容易に推定することができる。
【0016】また、本発明の超音波伝搬時間測定方法
は、1から数周期の駆動信号で受信側の超音波送受信器
を駆動し、残響振動から残響振動周期を検出し、反共振
周波数とする超音波伝搬時間の測定方法であるので、反
共振周波数を簡単に検出することができ、FFTなどの
複雑な回路構成が不要となる。
【0017】また、また、本発明の超音波流量計測装置
は、流路の上流と下流とに一対の超音波送受信器を対向
して設け、前記一対の超音波送受信器の、上流側から下
流側へ、下流側から上流側への超音波伝搬時間を計測す
るのに前記で説明した本発明による超音波伝搬時間計測
方法を用い、その伝搬時間差から流路を流れる流体の流
速あるいは流量を演算するので、高精度な流量計測装置
が実現できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。
【0019】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
おける超音波伝播時間計測のブロック図を示す。3およ
び4は超音波の送受信に用いる対向して設置された一対
の超音波送受信器を示す。超音波送受信器3、4は、用
いる超音波の約(1/2)波長厚さの圧電セラミック5
と、用いる超音波波長の約(1/4)波長厚さの音響整
合6とから構成した。7は送信部を、8は受信部を、9
は制御部を示す。このような構成において、超音波の伝
搬時間を、送信側超音波送受信器3を駆動した時刻を起
点とし、この駆動信号により送出された超音波が、受信
側超音波送受信器4の音響整合層6の表面に到達した時
刻を終点として計測する。上述のように、超音波伝搬時
間の中に、超音波が送信側の超音波送受信器3の内部を
伝搬し、超音波が音響整合層6の表面から送出されるま
での時間と、送出された超音波が受信側超音波送受信器
4の音響整合層6の表面に到達してから受信部で信号と
して受信されるまでの時間とを含まない構成としている
ので、超音波伝搬時間を正確に評価することができる。
すなわち、送信側、受信側の超音波送受信器が全く同じ
特性でなくても、正確に評価できる。また、温度変化な
どで送信側、受信側の超音波送受信器の特性が変化して
も、正確に評価できる。
【0020】図2に、圧電セラミック5と音響整合6と
から構成される送信側の超音波送受信器3と受信側の超
音波送受信器4の拡大図を示す。10、11は送信側の
圧電セラミック5の表面に形成された電極12、13に
接続されたリ−ド線を、14、15は受信側の圧電セラ
ミック5の表面に形成された電極14、15に接続され
たリ−ド線を示す。図中のdXは、超音波送受信器3、
4間の距離を示す。
【0021】図3(a)に、距離dXを非常に小さくし
た状態で、送信側から受信側に超音波を伝搬させたとき
の波形を示す。同図において、18は送信部7から送信
側の超音波送受信器3に印加したバ−スト駆動信号を、
19は受信部8で受信した受信側の超音波送受信器4か
らの受信波形を示す。図の横軸は時間を、縦軸は電圧を
示し、T0、R0は、それぞれ駆動信号の電気的な開始時
刻、受信信号の電気的な到着時刻を示す。この時刻差、
R0−T0を、図2に示したdXをパラメ−タとして計測
した結果、dX=0(密着状態)での伝搬時間として、
超音波の周期に換算、約(3/4)周期が得られた。こ
の伝搬時間(R0−T0)、約(3/4)周期相当は、駆
動信号が送信側の超音波送受信器3の電極12、13に
印加され、超音波が発生し、この発生した超音波が送信
側の音響整合層を伝搬し、受信側の音響整合層を伝搬し
て、超音波送受信器4の圧電セラミック5に到達する。
この伝搬した超音波が電極16、17に電圧を発生さ
せ、受信波形として観測されるまでの時間を示す。
【0022】従って、この伝搬時間(R0−T0)[(3
/4)周期相当]は純粋に、送信側の超音波送受信器3
で発生した超音波が、超音波送受信器3の表面から送信
されるまでの時間と、受信側の超音波送受信器4の表面
で受信した超音波が、受信波形として観測されるまでの
までの時間と考えることができる。このため、超音波が
受信側の超音波送受信器4で受信された受信波形の(3
/4)周期以前の時刻を終点と考えることができる。
【0023】以上のことを、図3(b)を用いて説明す
る。図3(b)において、図3(a)と異なるところは
超音波送受信器3、4との間がある程度離れてるところ
である。18は送信側の送受信器に加えられた送信用の
バースト駆動信号を、19は受信側の送受信器で受信さ
れた受信信号を示す。T0は駆動信号の開始時刻を、R0
は受信寝具の到着時刻を示し、dTは受信時刻R0の直
前(3/4)周期時間を示す。この例の場合、超音波の
伝搬時間Tpは、Tp=[R0−T0−(3/4)周期]
となる。例えば、超音波の伝搬速度Vを演算する場合に
は、超音波送受信器3、4間の距離をXとすると、V=
X/Tpとなる。
【0024】従って、駆動信号が印加した時刻を起点と
して計測し、受信信号が観測される直前、(3/4)周
期を終点として超音波の伝搬時間を計測すると、計測さ
れた超音波伝搬時間のなかに、超音波が発生してから超
音波送受信器の中を伝搬し、表面まで達する時間、およ
び超音波を表面で受信してから、その超音波が超音波送
受信器の中を伝搬し計測されるまでの時間が含まれない
ことになる。このため、送信側および受信側の超音波送
受信器の特性が異なっていても、あるいは温度変化など
で、それらの特性が変動した場合にでも、正確に超音波
の伝搬時間を計測することができる。
【0025】(実施例2)図4の〜図7を用いて、超音
波伝搬時間の終点を求める方法を以下に説明する。同図
は受信側の超音波送受信器4で受信した受信波形19
(図3参照)の拡大図を示し、横軸に時間を、縦軸に電
圧を示す。図中のR0は観測された受信波形の始点を示
し、またP1、P2、P3、P4、P5、P6は、受信波形の
各ゼロクロス間の(1/2)周期を示す。この受信波形
の場合、P5は最初に観測された振幅が極大値を示した
部分の(1/2)周期を示す。図6、7にこのようにし
て得られた(1/2)周期の計測結果を示す。図6、7
は、横軸に(1/2)周期を単位とする波数番号を示
し、縦軸に(1/2)周期の大きさを示している。P1
にデ−タが無いのは、通常の場合、最初の(1/2)周
期が、受信波形の始点(R0)近傍が雑音の中に埋も
れ、明確に計測できないためである。○印は、各(1/
2)周期がほぼ等間隔に並んだ場合の結果を示し、不明
確なP1を破線20のように、等間隔に並んでいるとし
て受信波形の始まりR0を推定し、さらには、超音波伝
搬時間の終点、受信波形の始点(R0)の(3/4)周
期以前も簡単に推定することができる。このように各
(1/2)周期が破線20のようにほぼ等間隔に並ぶの
は、送信側の超音波送受信器の駆動周波数が、受信側の
超音波送受信器の反共振周波数に、約±2%以内に一致
した場合に観測される。このように、受信側の超音波送
受信器の反共振周波数で、送信側の超音波送受信器を駆
動すると、送信さえる超音波は、前記反共振周波数を持
つことになり、この周波数の超音波を受信側の超音波送
受信器が受信すると、反共振周波数で振動することにな
り、振動数、すなわち周期の揃った振動が発生すること
になる。従って、この場合には前記で説明した周期が揃
い、終点推定の誤差が小さくなり、計測精度が向上す
る。
【0026】また、送信側の超音波送受信器の駆動周波
数が、受信側の超音波送受信器の反共振周波数よりも3
〜7%ほど大きい場合には、△印で示したように観測さ
れ、2点鎖線21で示すように等差級数的に並ぶ。この
場合にも、等差級数的に、受信波形の始まりR0を推定
し、その延長線上にあるR0の前(3/8)周期である
終点を推定することができる。また、送信側の超音波送
受信器の駆動周波数が、受信側の超音波送受信器の反共
振周波数よりも3〜7%ほど小さい場合には、□印で示
したように観測され、1点鎖線22で示すように等差級
数的に並ぶ。この場合にも、等差級数的に、受信波形の
始まりR0を推定し、その延長線上にあるR0の前(3/
4)周期である終点を推定することができる。
【0027】さらにまた、図7の□、実線23に示すよ
うに、送信側の超音波送受信器の駆動周波数が、受信側
の超音波送受信器の反共振周波数よりも8〜12%ほど
ずれている場合には、実線23で示すように等比級数的
に並ぶ。この場合にも、等比級数的に、受信波形の始ま
りR0を推定し、その延長線上にあるR0の前(3/4)
周期である終点を推定することができる。以上説明した
ように、送信側の超音波送受信器の駆動周波数が、受信
側の超音波送受信器の反共振周波数との一致度合いによ
り、観測される受信波形の(1/2)周期が、等周期的
に並んだり、等差級数的に並んだり、あるいは等比級数
的に並んだりする。このため、受信波形の最初に観測さ
れる極大振幅時の(1/2)周期から順次前へ、(1/
2)周期をそれぞれの大きさを計測し、その並び方を推
定することにより、受信波形の始まりR0および伝搬時
間の終点を簡単に推定することができる。このように超
音波伝搬時間の終点を簡単に推定することができるた
め、この方法で超音波伝搬時間を計測すれば、超音波伝
搬時間の中に、超音波が送信側あるいは受信側の超音波
送受信器の中を伝搬する時間を含まないことになり、正
確に超音波伝搬時間を計測することができる。
【0028】(実施例3)図8を用いて、前記とは異な
る超音波伝搬時間の終点を求める方法を以下に説明す
る。同図は送信側の超音波送受信器4で受信した受信波
形19(図3参照)の拡大図を示し、横軸に時間を、縦
軸に電圧を示す。図中のR0は観測された受信波形の始
点を示す。点線24は、受信波形の振幅の極大値を結ん
だ包絡線を示し、基準線25とこの包絡線24との交点
26を電気的受信開始点とする。
【0029】一般に、この交点26と、観測された受信
波形の始点R0とは一致しない。従って、この交点26
の前、(3/4)周期を超音波伝搬時間の終点として推
定する。なお、包絡線は、各振幅の極大値を用い、最小
二乗法や二次曲線近似などで簡単に求めることができ
る。
【0030】(実施例4)図9(a)、(b)を用い
て、受信側の超音波送受信器4の反共振周波数計測方法
について説明する。図9は、横軸に時間を、縦軸に電圧
を示す。27は、受信側の超音波送受信器4を駆動する
単一矩形波からなる駆動波形を示し、超音波送受信に用
いる周波数の2倍以上の周波数とした。28は前記単一
矩形波の駆動信号24により励振された受信側の超音波
送受信器4に発生した自己共振振動の残響振動波形を示
す。通常の場合、この自己共振振動の周波数が反共振周
波数と一致するといわれている。この残響波形28か
ら、前記で説明したように振幅のある程度大きい部分を
用い、各ゼロクロス間の(1/2)周期を計測し、その
平均値を自己共振振動の周波数、すなわち反共振周波数
とした。
【0031】この場合、おおむねインピ−ダンスメ−タ
などの計測器で測定する周波数と、ほぼ±1%程度で一
致した。このように、送信側の超音波送受信器3に駆動
信号を送信する前に、受信側の超音波送受信器4に、用
いる周波数の2倍以上の単一矩形波からなる駆動信号を
印加し、その残響振動から自己共振振動の周波数を予め
求めることにより、受信側の超音波送受信器4の反共振
周波数を簡単に検知できる。この反共振周波数からなる
駆動信号を送信側の超音波送受信器3に印加すると、送
信側の超音波送受信器3は受信側の超音波送受信器4の
反共振周波数で駆動したことになり、前記で説明したよ
うに受信側の超音波送受信器4で受信される波形の各ゼ
ロクロス間の(1/2)周期は、ほぼ等間隔で並ぶの
で、超音波伝搬時間の終点を推定しやすくなり、精度も
向上する。
【0032】なお、反共振周波数を計測するための駆動
波は、前記実施例では単一としたが、数パルス以内であ
れば、精度よく計測することができる。なお、駆動の単
一矩形波を常にモニタし、かつ、発生する残響振動の大
きさをモニタすることにより、例えば、駆動の一定時間
後の残響振動の振幅および周期をモニタすることによ
り、受信側の超音波送受信器の動特性をモニタできるこ
とになり、超音波送受信器の正常、異常を判断すること
も可能となる。
【0033】(実施例5)図10を用いて、前記で説明
した超音波伝搬時間を用いて構成した超音波流量計29
を示す。図10(a)は、超音波流量計の断面図を示
し、図10(b)は側面図を示す。一対の超音波送受信
器30、31が矩形流路32を挟んで、対向して設置さ
れる。流体は矢印33および一点鎖線34の方向になが
れる。超音波送受信器間を伝搬する超音波の伝搬方向は
破線35で示す。図示しているように超音波の伝搬方向
と流体の流れる方向とは角度θで交叉する。なお、図中
のW、Hは矩形流路の幅と高さとを示す。このような構
成の超音波流量計29において、例えば、超音波送受信
器30、31間の距離をL、超音波の伝搬速度をC、流
体の流速をVとすると、上流側の超音波送受信器30を
送信側として超音波を送信し、下流側の超音波送受信器
31を受信側として超音波を受信すると、その伝搬時間
Tu-dは、 Tu-d=L/[C+V×COS(θ)] となり、これより [C+V×COS(θ)]=L/Tu-d (1) となる。
【0034】また、前記とは逆に、下流側の超音波送受
信器31を送信側として超音波を送信し、上流側の超音
波送受信器30を受信側として超音波を受信すると、そ
の伝搬時間Td-uは、 Td-u=L/[C−V×COS(θ)] となり、これより [C−V×COS(θ)]=L/Td-u (2) となる。従って、(1)−(2)を求めると、 2×V×COS(θ)=(L/Tu-d)−(L/Td-u)、 V=[(L/Tu-d)−(L/Td-u)]/[2×COS(θ)] (3) が得られる。
【0035】これより、2つの超音波の伝搬時間Tu-
d、Td-uを計測することにより、流体の流速Vが計測で
きる。この流速Vが得られると、流体の流量Qは、 Q=(W*H)×V として演算できる。
【0036】なお、(W*H)は、矩形流路32の断面
積を示している。この結果より、超音波の流量Qを求め
るのに、超音波伝搬時間Tu-d、Td-u以外は、すなわ
ち、L、W、H、θなどは予め解っている値であり、ほ
とんど変化しない。このため、超音波伝搬時間Tu-d、
Td-uを正確に計測できれば、できるほど矩形流路32
を流れる流体の流量Qを正確に演算することができる。
本発明に基づく超音波伝搬時間計測方法を用いると、正
確に流速を計測することができ、さらに流量をも正確に
演算でき、高精度な超音波流量計を実現できる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
超音波伝搬時間の測定方法及びこれを用いた超音波流量
計測装置によれば次の効果が得られる。
【0038】(1)一方の超音波送受信器の表面から超
音波が送信された時刻を起点とし、他方の超音波送受信
器の表面で前記超音波を受信した時刻を終点として、超
音波伝搬時間を計測するので、計測された超音波伝播時
間には純粋に超音波が流体中を伝播する時間のみが含ま
れることになり、超音波が音響整合層などの送受信器内
部を伝搬する時間などを含まないので、計測時間の精度
が向上する。
【0039】(2)超音波送受信器を圧電性材料と音響
整合層とから構成し、受信された電気的受信波形の(3
/4)周期以前を、終点として超音波伝搬時間を計測す
るので、計測された超音波伝搬時間の中に、超音波が送
受信器内部を伝搬する時間を含まないので、計測時間の
精度が向上する。
【0040】(3)受信された電気的受信波形の最初の
極大振幅を示した時の(1/2)周期を基準として、順
次計測された波形を(1/2)周期づつ前へ、周期を推
測して、超音波伝搬時間の終点を推定するので、受信波
形に多少の雑音が有っても、確実に終点を推定すること
ができる。
【0041】(4)受信された電気的受信波形の最初の
極大振幅を示した時の(1/2)周期から、計測された
波形の(1/2)周期が、順次前に等比級数的に並んで
いるとして、超音波伝搬時間の終点を推定するので、受
信波形に多少の雑音が有っても、確実に終点を推定する
ことができる。
【0042】(5)受信された電気的受信波形の最初の
極大振幅を示した時の(1/2)周期から、計測された
波形の(1/2)周期が、順次前に等差級数的に並んで
いるとして、超音波伝搬時間の終点を推定するので、受
信波形に多少の雑音が有っても、確実に終点を推定する
ことができる。
【0043】(6)受信された電気的受信波形の最初の
極大振幅を示した時の(1/2)周期から、計測された
波形の(1/2)周期が、順次前に等周期で並んでいる
として、超音波伝搬時間の終点を推定するので、受信波
形に多少の雑音が有っても、確実に終点を推定すること
ができる。
【0044】(7)受信された電気的受信波形の最初の
極大振幅から、順次振幅の包絡線をたどり超音波伝搬時
間の終点を推定するので、受信波形に多少の雑音が有っ
ても、確実に終点を推定することができる。
【0045】(8)受信側の超音波送受信器の反共振周
波数で、送信側の送受信器を駆動するので、受信波形の
周期が安定しているので、超音波伝搬時間の終点を容易
に推定することができる。
【0046】(9)単一の矩形波からなる駆動信号で受
信側の超音波送受信器を駆動し、残響振動から残響振動
周期を検出し、反共振周波数とするので、反共振周波数
を簡単に検出するのことができる。
【0047】(10)流路の上流と下流とに一対の超音
波送受信器を対向して設け超音波流量計を構成し、上流
側から下流側へ、下流側から上流側への伝搬時間を、上
述の超音波伝搬時間計測方法を用いて計測するので、高
精度な流量計測装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における超音波伝搬時間の測
定方法のブロック図
【図2】同測定方法における超音波送受信器の拡大図
【図3】(a)同測定方法における超音波送受信の波形
図(密着している場合)(b)同測定方法における超音
波送受信の波形図(離れている場合)
【図4】本発明の実施例2における超音波伝搬時間の測
定方法の受信波形の拡大図
【図5】同測定方法における波数と周期との特性図
【図6】同測定方法における別の波数と周期との特性図
【図7】同測定方法の受信波形の拡大図
【図8】本発明の実施例3における超音波伝搬時間の測
定方法の残響振動波形図
【図9】(a)本発明の実施例4、5における超音波流
量計測装置の正面図 (b)同装置の側面図
【図10】従来の超音波伝搬時間の測定法方を説明する
【符号の説明】
3 送信側の超音波送受信器 4 受信側の超音波送受信器 5 圧電セラミック 6 音響整合層 18 駆動波形 19 受信波形 24 包絡線 25 基準線 26 交点 27 駆動用単一パルス 28 残響振動波形 29 流量計 30 上流側の超音波送受信器 31 下流側の超音波送受信器 32 流路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の超音波送受信器を対向して備え、一
    方の超音波送受信器から超音波を送信した時刻を起点と
    し、他方の超音波送受信器の表面で前記超音波を受信し
    た時刻を終点とする超音波伝搬時間の測定方法。
  2. 【請求項2】一対の超音波送受信器を圧電性材料と音響
    整合層とから構成し、受信された電気的受信波形の(3
    /4)周期以前を、終点とする請求項1記載の超音波伝
    搬時間の測定方法。
  3. 【請求項3】受信された電気的受信波形の最初の極大振
    幅を示した時の(1/2)周期から、順次計測された波
    形を(1/2)周期づつ前へ、周期を推測し前記終点を
    推定する請求項2記載の超音波伝搬時間の測定方法。
  4. 【請求項4】受信された電気的受信波形の最初の極大振
    幅を示した時の(1/2)周期から、計測された波形の
    (1/2)周期が、順次前に等比級数的に並んでいると
    して、前記終点を推定する請求項3記載の超音波伝搬時
    間の測定方法。
  5. 【請求項5】受信された電気的受信波形の最初の極大振
    幅を示した時の(1/2)周期から、計測された波形の
    (1/2)周期が、順次前に等差級数的に並んでいると
    して、前記終点を推定する請求項3記載の超音波伝搬時
    間の測定方法。
  6. 【請求項6】受信された電気的受信波形の最初の極大振
    幅を示した時の(1/2)周期から、計測された波形の
    (1/2)周期が、順次前に等周期で並んでいるとし
    て、前記終点を推定する請求項3記載の超音波伝搬時間
    測定方法。
  7. 【請求項7】受信された電気的受信波形の最初の極大振
    幅から、順次振幅の包絡線をたどり前記終点を推定する
    請求項3記載の超音波伝搬時間の測定方法。
  8. 【請求項8】受信側の超音波送受信器の反共振周波数
    で、送信側の送受信器を駆動する請求項1記載の超音波
    伝搬時間の測定方法。
  9. 【請求項9】1から数周期の駆動信号で受信側の超音波
    送受信器を駆動し、残響振動から残響振動周期を検出
    し、反共振周波数とする請求項8記載の超音波伝搬時間
    の測定方法。
  10. 【請求項10】流路の上流と下流とに一対の超音波送受
    信器を対向して設け、前記一対の超音波送受信器の、上
    流側から下流側へ、下流側から上流側への伝搬時間を請
    求項1記載の方法で計測し、その伝搬時間の差から流路
    を流れる流体の流量を演算する超音波流量計測装置。
JP9281707A 1997-10-15 1997-10-15 超音波伝搬時間の測定方法とこれを用いた超音波流量計測装置 Pending JPH11118551A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6925891B2 (en) 2002-04-30 2005-08-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Ultrasonic flowmeter and method of measuring flow volume
JP2005221513A (ja) * 2005-04-25 2005-08-18 Tokyo Keiso Co Ltd 伝播時間差方式による超音波流量計
JP2020046315A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 富士電機株式会社 超音波流量計

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