JPH11118507A - 船舶の慣性航法装置 - Google Patents

船舶の慣性航法装置

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JPH11118507A
JPH11118507A JP27759097A JP27759097A JPH11118507A JP H11118507 A JPH11118507 A JP H11118507A JP 27759097 A JP27759097 A JP 27759097A JP 27759097 A JP27759097 A JP 27759097A JP H11118507 A JPH11118507 A JP H11118507A
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accelerometer
gyro
acceleration
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JP27759097A
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Inventor
Takashi Morimoto
隆 森本
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Yokogawa Denshikiki Co Ltd
Original Assignee
Yokogawa Denshikiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慣性航法装置の加速度計およびジャイロの誤
差補正では、船体の運動パターンによっては誤差補正を
行なうことにより誤差を増長させる場合がある。 【解決手段】 船体の運動パターンを判定し、それに応
じて加速度計およびジャイロの誤差補正を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は船舶の姿勢、方位、
速度および位置の検出に利用する。特に、これらの検出
値を出力するストラップダウン方式の慣性航法装置に関
する。さらに詳しくは、このような慣性航法装置の加速
度計およびジャイロの誤差補正技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の慣性航法装置を図6を参照して説
明する。図6は従来の慣性航法装置の一例を示すブロッ
ク構成図である。この慣性航法装置は、IMU部11
と、入出力回路12、加速度計誤差補正計算部21、ジ
ャイロ誤差補正計算部22、加速度座標変換計算部2
3、座標変換行列計算部24、修正量計算部25、速度
位置計算部26、姿勢方位計算部27、減算回路28、
29およびカルマンフィルタ部30からなるコンピュー
タ部と、入出力回路41と、入出力データ表示装置42
とを備える。カルマンフィルタ部30は、出力誤差推定
計算部31とIMU誤差推定計算部32とを備える。
【0003】ここで、この従来例の動作を説明する前
に、この装置で用いる座標について図7を参照して説明
する。図7は慣性航法装置で用いられる座標を示す図で
ある。慣性航法装置で用いられる座標には、船体座標と
航法座標(または航法計算座標)とがある。船体座標
は、ロール、ピッチおよびヨーの各軸成分により、 (bx ,by ,bz ) と表される座標であり、船体中心を原点とする。これに
対して航法座標はn座標とも呼ばれ、北、東および高さ
方向の各成分により、 (xN ,yE ,zD ) と表される座標である。航法座標もまた船体中心を原点
とするが、その船上の点の座標は船の移動に伴って移動
する。ロール軸のまわりの回転角をロール角φ、ピッチ
軸まわりの回転角をピッチ角θ、船の向きを方位角ψと
いう。方位角ψは北向きのときψ=0、東向きのときψ
=90°である。
【0004】次に、従来例の各部の動作について、表
1、表2に示す記号を用いて説明する。
【0005】
【表1】
【0006】
【表2】 IMU部11は加速度計とジャイロとにより構成され、
加速度計は船の運動加速度を計測して加速度ベクトルを
出力し、ジャイロは船の運動角速度を計測して回転角速
度ベクトルを出力する。ストラップダウン方式では、こ
のIMU部11が直接に船体基準軸に取りつけられる。
取り付け位置は可能な限り船体重心の近くに設定され
る。
【0007】加速度計の出力する加速度ベクトルは、ロ
ール軸、ピッチ軸およびヨー軸の各方向の加速度Abx
bxおよびAbzを要素とする船体座標で表現され、船の
推進加速度ベクトル、加速度誤差ベクトルおよび動揺加
速度ベクトルに対して次の関係がある。
【0008】
【数1】 右辺第3項の動揺加速度ベクトルは初期アライメント中
に外乱加速度となり、姿勢決定時間および決定精度に大
きな影響を及ぼす。初期アライメントとは、加速度計出
力の水平成分を用いて初期の姿勢および方位角をできる
だけ正確に決定することをいう。この初期アライメント
のときに、ジャイロおよび加速度計のそれぞれの誤差の
一部についても補正する。これをキャリブレーションと
いう。
【0009】ジャイロの出力する回転角速度ベクトルも
また船体座標で表現され、船体軸ロール角速度Wbx、船
体軸ピッチ角速度Wby、船体軸ヨー角速度Wbzを要素と
する。回転角速度ベクトルは旋回角速度ベクトル、ジャ
イロ誤差ベクトルおよび動揺角速度ベクトルに対して次
の関係がある。
【0010】
【数2】 加速度計およびジャイロの出力は、入出力回路12を介
して、それぞれ加速度計誤差補正計算部21およびジャ
イロ誤差補正計算部22に入力される。これらの計算部
21、22は、各誤差の一部を次の補正式により補正す
る。
【0011】
【数3】 この二つの数式において、右辺第1項は船の推進加速度
ベクトルおよび旋回角度ベクトルであり、次の式で表さ
れる。
【0012】
【数4】 また、右辺第2項は船の動揺加速度ベクトルおよび角速
度ベクトルであり、次の式で表される。
【0013】
【数5】 そして、右辺第3項は加速度計誤差ベクトルおよびジャ
イロ誤差ベクトルであり、次の式で表される。
【0014】
【数6】 右辺最終項はIMU誤差推定計算部32から出力された
加速度計誤差推定出力およびジャイロ誤差推定出力であ
り、次の式で表されるベクトルである。
【0015】
【数7】 加速度座標変換計算部23は、加速度計誤差補正計算部
21の出力を船体座標から航法座標であるn座標へ次式
により変換する。
【0016】
【数8】 座標変換行列計算部24は、加速度座標変換計算部23
での座標変換に使用する座標変換行列を次式により計算
する。
【0017】
【数9】 座標変換行列は次のように表される。
【0018】
【数10】 また、数9の式において、d/dtは微分を表し、右辺
のオーバーラインで示した記号は船体座標のn座標に対
する相対回転角速度ベクトルの歪対称行列表現である。
相対回転角速度ベクトルは次の式により求められる。
【0019】
【数11】 したがって、その歪対称行列表現は次のようになる。
【0020】
【数12】 数11の第1式において、右辺の最初の4つの記号で表
される項はジャイロの出力である。よく知られているよ
うに、ジャイロは船の運動角速度(旋回角速度+動揺角
速度)のみならず、絶対静止座標に対するすべての角速
度を計測する。具体的には、地球の自転角速度、船が丸
い地球の周辺を移動する移動角速度すなわち緯度および
経度の変化率、などについても計測する。しかし、航法
計算や船の姿勢および方位は地球に対する運動と姿勢角
および方位角とから表現されるので、ジャイロ出力から
地球の自転角速度と移動角速度とを差し引いて補正する
必要がある。この補正が行われたものが数11の第1式
である。この式において、最終項はジャイロ誤差や加速
度計誤差による姿勢角度誤差および方位角誤差の修正量
であり、次の式で表される。
【0021】
【数13】 右辺は修正量計算部25により計算される。また、減算
項は地球の自転角速度と船の移動角速度とに関する量で
あり、速度位置計算部26により、次のように計算され
る。
【0022】
【数14】 速度位置計算部26はまた、数14に示した式における
速度および緯度経度について、加速度座標変換計算部2
3の出力に基づいて以下の計算により求める。
【0023】
【数15】 船の場合には高度方向は関係ないが、水平方向と相関が
あるため、計算だけは次のように実行する。
【0024】
【数16】 数16の二つの式におけるそれぞれ最終項は高度方向の
誤差の水平方向への影響をできるだけ小さくするための
高度方向誤差修正量であり、修正量計算部25により次
のように計算される。
【0025】
【数17】 修正量計算部25はまた、水平方向速度誤差の修正量、
すなわち数15の第1式における最終項についても計算
する。
【0026】このような計算により、速度位置計算部2
6の出力には、数15の第2式で表される速度ベクトル
と、同じく第3式および第4式で表される位置ベクトル
とが得られる。位置ベクトルは次のように表される。
【0027】
【数18】 得られた速度ベクトルおよび位置ベクトルは、入出力回
路41を介して入出力データ表示装置42に出力され
る。
【0028】なお、数15では、次の式で表される重力
加速度ベクトルのn座標表現を用いた。
【0029】
【数19】 また、数14で用いた緯度方向および経度方向の地球半
径は、赤道面での地球半径aを用いて次のように表され
る。
【0030】
【数20】 さらに、数15では次の式で行列表現される値を用い
た。
【0031】
【数21】 一方、姿勢方位計算部27は、座標変換行列計算部24
の出力した座標変換行列から姿勢角(φ,θ)と方位角
ψとを計算し、入出力回路41を介して入出力データ表
示装置42に出力する。姿勢角および方位角は、座標変
換行列の要素を用いて、次のように計算される。
【0032】
【数22】 速度位置計算部26により得られた速度ベクトルおよび
位置ベクトルは、コンピュータ部から出力されるだけで
なく、コンピュータ部内の減算回路28、29に入力さ
れる。減算回路28、29にはさらに、入出力回路41
を介してそれぞれ外部基準速度および外部基準位置が入
力される。減算回路28、29は、これらを比較し、そ
の差を出力誤差推定計算部31およびIMU誤差推定計
算部32の双方に入力する。
【0033】初期アライメント中は、次式で表される外
部基準速度および外部基準位置が入力される。
【0034】
【数23】 また、初期アライメント中は、数15の第1式が次式と
なる。
【0035】
【数24】 数24における水平方向速度誤差の修正量は、修正量計
算部25において、次の式により計算される。
【0036】
【数25】 すなわち、数25の第2式の右辺により修正量ベクトル
の二つの要素を求め、数17により求めたもう一つの要
素を組み合わせて水平方向速度誤差の修正量を得る。
【0037】数14のUの式および数25の第2式にお
いて、
【0038】
【数26】 であり、
【0039】
【数27】 である。
【0040】また、数25第2式の係数は2行14列の
行列で表される最適制御ゲインであり、次の評価関数を
最小にするように決められる。
【0041】
【数28】 このJを最小にするということは、区間〔0≦t≦T〕
で使われる修正量と、そのときの誤差の累積とを最小に
することを意味する。すなわち、エネルギ最小化制御で
ある。
【0042】数27に示した二つの行列は、速度誤差、
姿勢角誤差、方位角誤差およびそれらの累積値の推定値
であり、出力誤差推定計算部31から修正量計算部25
に供給される。これらの二つの行列には次の関係があ
る。
【0043】
【数29】 修正量計算部25はまた、次式により姿勢角誤差および
方位角誤差の修正量を求める。
【0044】
【数30】 右辺3番目の記号は数26に示したものと同一であり、
2番目の記号は数28の評価関数を最小にするように決
められた最適制御ゲインを表す。この場合の最適制御ゲ
インは3行14列の行列で表される。
【0045】カルマンフィルタ部30は、出力誤差推定
計算部31により速度誤差、位置誤差、姿勢角誤差、方
位角誤差を推定し、IMU誤差推定計算部32によりジ
ャイロ誤差、加速度誤差を推定する。この推定のための
モデルは次式で与えられる。
【0046】
【数31】 カルマンフィルタ部30はさらに、外部基準速度誤差お
よび潮流の速度について次のようにモデル化して推定す
る。
【0047】
【数32】 カルマンフィルタ部30の動作は次式で与えられる。
【0048】
【数33】 カルマンフィルタ部30に入力される観測データは、初
期アライメントと航行中のアライメント時とで異なる。
また、航行中のアライメント時でも、外部基準速度観測
時、外部基準位置観測時、あるいは外部基準速度観測と
外部基準位置観測との併用時で異なってくる。
【0049】外部基準速度観測時の入力観測データは次
のようなる。
【0050】
【数34】 したがって、次式となる。
【0051】
【数35】 外部基準位置観測時には次のようになる。
【0052】
【数36】 したがって、次式となる。
【0053】
【数37】 初期アライメント時には観測データが速度データのみと
なるので、外部基準位置観測は行わない。
【0054】外部基準速度観測と外部基準位置観測との
併用時の入力観測データは次のようになる。
【0055】
【数38】 初期アライメント時には、この併用観測は行わない。す
なわち、初期アライメント時は速度観測のみとなる。
【0056】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の慣性
航法装置では、カルマンフィルタ部30のIMU誤差推
定計算部32は、常時、IMU部11のジャイロおよび
加速度計の改善動作を行っている。しかし、船体の揺れ
が少なく、ジャイロおよび加速度計の改善動作を必要と
しない場合にも無条件に改善動作が行われることから、
本来の目的に反して逆にジャイロおよび加速度計の誤差
を増長させることがある。
【0057】図8は従来の慣性航法装置におけるIMU
誤差の改善効果を示す図である。図8に示すように、第
1回目の改善後に行われた第2回目の改善では、改善を
行わないときの加速度計の誤差を上回る誤差が生じてい
る。さらに、第3回目の改善後に行われた第4回目の改
善では、加速度計の誤差が第3回目の改善後の誤差より
も増長されていることがわかる。
【0058】この主な原因としては測定ノイズが挙げら
れる。例えば船体が直進中であれば加速度計およびジャ
イロの誤差は改善を行う必要はないレベルである。仮
に、この測定ノイズによる誤差は真値に対してプラス方
向およびマイナス方向に周期的に変動しているとする。
このときに、IMU誤差推定計算部32がこの誤差の改
善を行おうとすれば、例えばプラス方向に偏った誤差な
らばその誤差をマイナス方向に戻すように改善が行われ
る。しかし、改善が行われた時点で誤差がすでにマイナ
ス方向に変動していればマイナス方向の誤差は2倍に増
長される。
【0059】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、船体の運行パターンによらず加速度計および
ジャイロの誤差を低減させることができる船舶の慣性航
法装置を提供することを目的とする。
【0060】
【課題を解決するための手段】本発明は、船体の運行パ
ターンによっては、加速度計およびジャイロの誤差推定
を禁止することを最も主要な特徴とする。これにより、
不必要な誤差の改善が行われず、測定ノイズなどによる
誤差の増長を回避することができる。
【0061】すなわち、本発明は、船体基準軸に取り付
けられた加速度計およびジャイロからなるIMU部(1
1)と、この加速度計が出力した船体座標における加速
度を航法座標における加速度に変換する第一の演算手段
(23)と、この航法座標における加速度を積分してそ
の船の速度および位置を求める第二の演算手段(26)
とを備えた船舶の慣性航法装置である。本発明の特徴と
するところは、前記第一の演算手段から出力される加速
度と前記第二の演算手段から出力される速度および位置
とにしたがってその船の運動パターンを推定する手段
と、この運動パターンの前記加速度計および前記ジャイ
ロの誤差に及ぼす影響度を演算する手段とを備えるとこ
ろにある。
【0062】さらに詳細には、本発明は、船体基準軸に
取り付けられた加速度計およびジャイロからなるIMU
部(11)と、この加速度計が出力した船体座標におけ
る加速度を航法座標における加速度に変換する第一の演
算手段(23)と、この航法座標における加速度を積分
してその船の速度および位置を求める第二の演算手段
(26)と、前記ジャイロが出力した船の回転角速度か
ら船体座標と航法座標との間の変換規則を求める第三の
演算手段(24)と、この第三の演算手段の出力により
その船の姿勢および方位を求める第四の演算手段(2
7)と、前記第二の演算手段により求められた速度およ
び位置と外部から入力された速度比較値および位置比較
値との差に基づいて前記第二および前記第三の演算手段
のそれぞれの演算の修正量を求める第一の補正手段(3
1、25)と、前記第二の演算手段により求められた速
度および位置と外部から入力された速度比較値および位
置比較値との差に基づいて前記加速度計および前記ジャ
イロのそれぞれの出力誤差を補正する第二の補正手段
(32、21、22)とを備えた船舶の慣性航法装置で
ある。
【0063】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記第一の演算手段から出力される加速度と前記第二の演
算手段から出力される速度および位置とにしたがってそ
の船の運動パターンを推定する手段と、この運動パター
ンの前記加速度計および前記ジャイロの誤差に及ぼす影
響度を演算する手段とを備えるところにある。
【0064】このとき、前記影響度が所定値未満のとき
には、前記第二の補正手段の補正を禁止する手段を備え
ることが望ましい。
【0065】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図1を参照し
て説明する。図1は本発明実施例の慣性航法装置のブロ
ック構成図である。
【0066】本発明は、船体基準軸に取り付けられた加
速度計およびジャイロからなるIMU部11と、この加
速度計が出力した船体座標における加速度を航法座標に
おける加速度に変換する第一の演算手段である加速度座
標変換計算部23と、この航法座標における加速度を積
分してその船の速度および位置を求める第二の演算手段
である速度位置計算部26と、前記ジャイロが出力した
船の回転角速度から船体座標と航法座標との間の変換規
則を求める第三の演算手段である座標変換行列計算部2
4と、この座標変換行列計算部24の出力によりその船
の姿勢および方位を求める第四の演算手段である姿勢方
位計算部27と、速度位置計算部26により求められた
速度および位置と外部から入力された速度比較値および
位置比較値との差に基づいて速度位置計算部26および
座標変換行列計算部24のそれぞれの演算の修正量を求
める第一の補正手段である出力誤差推定計算部31およ
び修正量計算部25と、速度位置計算部26により求め
られた速度および位置と外部から入力された速度比較値
および位置比較値との差に基づいて前記加速度計および
前記ジャイロのそれぞれの出力誤差を補正する第二の補
正手段であるIMU誤差推定計算部32、加速度計誤差
補正計算部21、ジャイロ誤差補正計算部22とを備え
た船舶の慣性航法装置である。
【0067】ここで、本発明の特徴とするところは、加
速度座標変換計算部23から出力される加速度と速度位
置計算部26から出力される速度および位置とにしたが
ってその船の運動パターンを推定し、この運動パターン
の前記加速度計および前記ジャイロの誤差に及ぼす影響
度を演算し、この影響度が所定値未満のときには、IM
U誤差推定計算部32の補正を禁止する手段であるIM
U性能改善判定部43とを備えたところにある。
【0068】
【実施例】本発明実施例を説明する。加速度計誤差ベク
トルΔAb 、ジャイロ誤差ベクトルΔWb の出力への影
響は船体の運行パターンによって大きくなる。したがっ
て、運行パターンを判定することができればIMU部1
1の誤差改善が不必要な場合にはこれを禁止することが
できる。
【0069】図2は船体の運動例を示す図である。図3
は船体運動および船種に依存する改善効果を示す図であ
る。図2に示すように船体が運動したときに、図3に示
すように、IMU部11のジャイロ誤差および加速度計
誤差に対する影響が生じる。図2に示すパターンAは直
進状態であり、図3に示すように良好レベルの範囲内で
の影響が生じる。図2に示すパターンBは半旋回状態で
あり、図3に示すように、良好レベルを超える影響が生
じる。図2に示すパターンCは1回旋回状態であり、図
3に示すように、良好レベルを大きく超える影響が生じ
る。図2に示すパターンDは相互逆1回旋回であり、図
3に示すように、良好レベルをきわめて大きく超える影
響が生じる。
【0070】すなわち、図3に示すように、各パターン
A〜DにおけるIMU誤差推定計算部32による改善効
果は、パターンDが最も大きく、続いて、パターンC、
B、Aの順に小さくなる。特に、パターンAについては
改善を必要としない。
【0071】したがって、IMU性能改善判定部43
は、図3に示した影響度を計算し、この影響度が良好レ
ベルを超えているときにはIMU誤差推定計算部32に
よるジャイロ誤差および加速度計誤差の改善を行うこと
により、効果のある改善を行うことができる。逆に、こ
の良好度が良好レベルを超えていないときにはIMU誤
差推定計算部32によるジャイロ誤差および加速度計誤
差の改善を禁止することにより、測定ノイズなどによる
改善後の誤差拡大を回避することができる。
【0072】本発明実施例の動作を図4を参照して説明
する。図4は本発明実施例の動作を示すフローチャート
である。IMU誤差推定計算部32では、カルマンフィ
ルタにより各種誤差が推定される。このカルマンフィル
タは、
【0073】
【数39】 の状態方程式により表される。本発明ではこの状態方程
式のF行列に着目し、運行パターンを判定する。
【0074】F行列は、加速度ベクトルAb 、回転角速
度ベクトル〔外1〕、運動速度Vn、位置Pn により定
まる。ここで、F行列とC行列(座標変換行列)よりM
(t)を常時計算する(S2、S3、S4)。初期値と
してはM=0を入力する(S1)。
【0075】
【数40】 このM(t)が判定値Me以上のときだけIMU誤差推
定計算部32の推定計算を行う(S5)。すなわち、 M(t)≧Me のときにフラグIを I=1 とする(S6、S7)。ここで、 I=0 であれば(S8)、IMU誤差推定計算を禁止し、 I=1 であれば(S8)、IMU誤差推定計算を実行する(S
9、S10)。このIMU誤差推定計算結果はそれぞれ
加速度計誤差補正計算部21およびジャイロ誤差補正計
算部22に与えられる(S11)。
【0076】本発明実施例の効果を図5を参照して説明
する。図5は本発明実施例の効果を示す図である。これ
により、パターンBよりC、CよりDという順で推定精
度は向上し、ジャイロ、加速度計の性能改善度も向上す
る。図5に示すように、改善効果は M(t)≧Me 時の推定と補正を繰り返す毎に向上する。すなわち、前
回実行時のMを記憶しておき、それよりも大きいMのと
きだけ推定を行う。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
船体の運行パターンによらず加速度計およびジャイロの
誤差を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の慣性航法装置のブロック構成
図。
【図2】船体の運動例を示す図。
【図3】船体運動および船種に依存する改善効果を示す
図。
【図4】本発明実施例の動作を示すフローチャート。
【図5】本発明実施例の効果を示す図。
【図6】従来の慣性航法装置の一例を示すブロック構成
図。
【図7】慣性航法装置で用いられる座標を示す図。
【図8】従来の慣性航法装置におけるIMU誤差の改善
効果を示す図。
【符号の説明】
11 IMU部 12、41 入出力回路 21 加速度計誤差補正計算部 22 ジャイロ誤差補正計算部 23 加速度座標変換計算部 24 座標変換行列計算部 25 修正量計算部 26 速度位置計算部 27 姿勢方位計算部 28、29 減算回路 30 カルマンフィルタ部 31 出力誤差推定計算部 32 IMU誤差推定計算部 33 動揺外乱加速度同定計算部 34 フィードフォワード補正計算部 35 速度計算部 42 入出力データ表示装置 43 IMU性能改善判定部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体基準軸に取り付けられた加速度計お
    よびジャイロからなるIMU部(11)と、 この加速度計が出力した船体座標における加速度を航法
    座標における加速度に変換する第一の演算手段(23)
    と、 この航法座標における加速度を積分してその船の速度お
    よび位置を求める第二の演算手段(26)とを備えた船
    舶の慣性航法装置において、 前記第一の演算手段から出力される加速度と前記第二の
    演算手段から出力される速度および位置とにしたがって
    その船の運動パターンを推定する手段と、 この運動パターンの前記加速度計および前記ジャイロの
    誤差に及ぼす影響度を演算する手段とを備えたことを特
    徴とする船舶の慣性航法装置。
  2. 【請求項2】 船体基準軸に取り付けられた加速度計お
    よびジャイロからなるIMU部(11)と、 この加速度計が出力した船体座標における加速度を航法
    座標における加速度に変換する第一の演算手段(23)
    と、 この航法座標における加速度を積分してその船の速度お
    よび位置を求める第二の演算手段(26)と、 前記ジャイロが出力した船の回転角速度から船体座標と
    航法座標との間の変換規則を求める第三の演算手段(2
    4)と、 この第三の演算手段の出力によりその船の姿勢および方
    位を求める第四の演算手段(27)と、 前記第二の演算手段により求められた速度および位置と
    外部から入力された速度比較値および位置比較値との差
    に基づいて前記第二および前記第三の演算手段のそれぞ
    れの演算の修正量を求める第一の補正手段(31、2
    5)と、 前記第二の演算手段により求められた速度および位置と
    外部から入力された速度比較値および位置比較値との差
    に基づいて前記加速度計および前記ジャイロのそれぞれ
    の出力誤差を補正する第二の補正手段(32、21、2
    2)とを備えた船舶の慣性航法装置において、 前記第一の演算手段から出力される加速度と前記第二の
    演算手段から出力される速度および位置とにしたがって
    その船の運動パターンを推定する手段と、 この運動パターンの前記加速度計および前記ジャイロの
    誤差に及ぼす影響度を演算する手段とを備えたことを特
    徴とする船舶の慣性航法装置。
  3. 【請求項3】 前記影響度が所定値未満のときには、前
    記第二の補正手段の補正を禁止する手段を備えた請求項
    2記載の船舶の慣性航法装置。
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