JP3375720B2 - 船舶の慣性航法装置 - Google Patents

船舶の慣性航法装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は船舶の姿勢、方位、速度
および位置の検出に利用する。特に、これらの検出値を
出力するストラップダウン方式の慣性航法装置に関す
る。さらに詳しくは、このような慣性航法装置の初期姿
勢および方位の決定に関する。 【0002】 【従来の技術】図2は従来の船舶用慣性航法装置の一例
を示すブロック構成図である。この慣性航法装置は特願
平5−52450(本願出願時未公開)に示されたもの
であり、IMU部11と、入出力回路12と、加速度計
誤差補正計算部21、ジャイロ誤差補正計算部22、加
速度座標変換計算部23、座標変換行列計算部24、修
正量計算部25、速度位置計算部26、姿勢方位計算部
27、減算回路28、29、カルマンフィルタ部30、
動揺外乱加速度同定計算部33、フィードフォワード補
正計算部34および速度計算部35からなるコンピュー
タ部と、入出力回路41と、入出力データ表示装置42
とを備える。カルマンフィルタ部30は、出力誤差推定
計算部31とIMU誤差推定計算部32とを備える。 【0003】ここで、この従来例の動作を説明する前
に、この装置で用いる座標について図3を参照して説明
する。船舶用の慣性航法装置で用いられる座標には、船
体座標と航法座標(または航法計算座標)とがある。船
体座標は、ロール、ピッチおよびヨーの各軸成分によ
り、 (bx ,by ,bz ) と表される座標であり、船体中心を原点とする。これに
対して航法座標はn座標とも呼ばれ、北、東および高さ
方向の各成分により、 (xN ,yE ,zD ) と表される座標である。航法座標もまた船体中心を原点
とするが、その船上の点の座標は船の移動に伴って移動
する。ロール軸のまわりの回転角をロール角φ、ピッチ
軸まわりの回転角をピッチ角θ、船の向きを方位角ψと
いう。方位角ψは北向きのときψ=0、東向きのときψ
=90°である。 【0004】次に、従来例の各部の動作について表1に
示す記号を用いて説明する。 【表1】【0005】IMU部11は加速度計とジャイロとによ
り構成され、加速度計は船の運動加速度を計測して加速
度ベクトルを出力し、ジャイロは船の運動角速度を計測
して回転角速度ベクトルを出力する。ストラップダウン
方式では、このIMU部11が直接に船体基準軸に取り
つけられる。取り付け位置は可能な限り船体重心の近く
に設定される。 【0006】加速度計の出力する加速度ベクトルは、ロ
ール軸、ピッチ軸およびヨー軸の各方向の加速度Abx
bxおよびAbzを要素とする船体座標で表現され、船の
推進加速度ベクトル、加速度誤差ベクトルおよび動揺加
速度ベクトルのベクトルの和により表される。このうち
動揺加速度ベクトルは、初期アライメント中に外乱加速
度となり、姿勢決定時間および決定精度に大きな影響を
及ぼす。初期アライメントとは、加速度計出力の水平成
分を用いて初期の姿勢および方位角をできるだけ正確に
決定することをいう。この初期アライメントのときに、
ジャイロおよび加速度計のそれぞれの誤差の一部につい
ても補正する。これをキャリブレーションという。 【0007】ジャイロの出力する回転角速度ベクトルも
また船体座標で表現され、船体軸ロール角速度Wbx、船
体軸ピッチ角速度Wby、船体軸ヨー角速度Wbzを要素と
する。回転角速度ベクトルは旋回角速度ベクトル、ジャ
イロ誤差ベクトルおよび動揺角速度ベクトルの和として
表される。 【0008】加速度計およびジャイロの出力は、入出力
回路12を介して、それぞれ加速度計誤差補正計算部2
1およびジャイロ誤差補正計算部22に入力される。加
速度計誤差補正計算部21は、カルマンフィルタ部30
内のIMU誤差推定計算部32からの加速度計誤差推定
出力により加速度ベクトルを補正し、補正出力を加速度
座標変換計算部23に出力する。ジャイロ誤差補正計算
部22も同様に、IMU誤差推定計算部32からのジャ
イロ誤差推定出力により回転角速度ベクトルを補正す
る。 【0009】加速度計誤差補正計算部21の出力は加速
度座標変換計算部23に入力される。加速度座標変換計
算部23は、加速度計誤差補正計算部21の出力を船体
座標から航法座標であるn座標に変換する。この変換の
ための座標変換行列は、座標変換行列計算部24におい
て、ジャイロ誤差補正計算部22の出力したジャイロ誤
差補正出力と、速度位置計算部26により求められた船
の速度と、修正量計算部25で求めた姿勢角誤差および
方位角誤差の修正量とにより求められる。 【0010】よく知られているように、ジャイロは船の
運動角速度(旋回角速度+動揺角速度)のみならず、絶
対静止座標に対するすべての角速度を計測する。具体的
には、地球の自転角速度、船が丸い地球の周辺を移動す
る移動角速度すなわち緯度および経度の変化率、などに
ついても計測する。しかし、航法計算や船の姿勢および
方位は地球に対する運動と姿勢角および方位角とから表
現されるので、ジャイロ出力から地球の自転角速度と移
動角速度とを差し引いて補正する必要がある。このよう
な補正量を修正量計算部25で求める。修正量計算部2
5はまた、水平方向速度および高度方向の誤差の修正量
についても求める。 【0011】速度位置計算部26は、航法座標における
加速度を積分してその船の速度および位置(緯度および
経度)を求める。船の場合には速度および位置に高度方
向の情報は直接には不要であるが、水平方向への影響が
あるため、修正量計算部25により求めた高度方向誤差
修正量に基づいて、高さおよび高度方向の速度を求めて
おく。速度位置計算部26の求めた速度ベクトルおよび
位置ベクトルは、入出力回路41を介して入出力データ
表示装置42に出力される。 【0012】一方、姿勢方位計算部27は、座標変換行
列計算部24の出力した座標変換行列から姿勢角(φ,
θ)と方位角ψとを計算し、入出力回路41を介して入
出力データ表示装置42に出力する。 【0013】速度位置計算部26により得られた速度ベ
クトルおよび位置ベクトルは、コンピュータ部から出力
されるだけでなく、コンピュータ部内の減算回路28、
29に入力される。減算回路28、29にはさらに、入
出力回路41を介してそれぞれ外部基準速度および外部
基準位置が入力される。減算回路28、29は、これら
を比較し、その差を出力誤差推定計算部31およびIM
U誤差推定計算部32の双方に入力する。 【0014】出力誤差推定計算部31は、速度誤差、位
置誤差、姿勢角誤差および方位角誤差を推定し、推定値
を修正量計算部25に出力する。IMU誤差推定計算部
32はジャイロ誤差および加速度誤差を推定し、それぞ
れ加速度計誤差補正計算部21、ジャイロ誤差補正計算
部22に出力する。 【0015】初期アライメント時には、外部基準速度お
よび外部基準位置が零の状態で、ジャイロ誤差および加
速度計誤差による姿勢誤差および方位誤差を推定し、こ
れらの誤差の修正量を計算して座標変換行列計算部24
に入力する。姿勢誤差および方位誤差を推定するために
は、当然、その原因となるジャイロ誤差および加速度計
誤差についても推定することになる。観測データとして
姿勢誤差および方位誤差が直接測定できるならこの推定
は簡単であるが、実際には速度データが観測データとな
り、ジャイロ誤差および加速度計誤差による速度誤差Δ
N 、ΔVE を正しく測定できるわけではなく、動揺外
乱としての動揺速度VdN、VdEが余計に測定されてしま
う。これらは速度誤差ΔVN 、ΔVE の信号に対してノ
イズ外乱となり、速度誤差ΔVN 、ΔVE 、姿勢角誤
差、方位角誤差、加速度計誤差およびジャイロ誤差のそ
れぞれの推定精度を低下させる要因とする。また、推定
完了までに要する時間(これを「整定時間」という)を
長くする要因ともなる。 【0016】この整定時間を短縮するため、図2に示し
た従来例では、動揺外乱加速度同定計算部33、フィー
ドフォワード補正計算部34および速度計算部35を備
える。動揺外乱加速度同定計算部33は、初期アライメ
ント時に、加速度座標変換計算部23からの時系列の出
力に基づいてその出力に含まれる動揺外乱加速度を推定
する。フィードフォワード補正計算部34は、動揺外乱
加速度の推定値により加速度座標変換計算部23の出力
を補正する。速度計算部35は、フィードフォワード補
正計算部34の出力を積分し、それを初期アライメント
時の速度誤差として出力誤差推定計算部31およびIM
U誤差推定計算部32に出力する。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】上述した先の出願で
は、動揺外乱加速度を推定してフィードフォワード補正
を行うことで、動揺外乱の影響を短時間に除去すること
が可能となり、初期アライメントおよびキャリブレーシ
ョンの時間を短縮し、高精度に姿勢および方位を決定で
きるようになった。具体的には、それ以前に4時間要し
ていた初期アライメントおよびキャリブレーション時間
が、30分以下と大幅に短縮された。 【0018】しかし、(1)動揺外乱加速度同定計算部
の処理が複雑であり、計算時間をより短縮しようとする
と、処理性能の高い計算機が必要となって装置の価格が
高くなる、(2)正確な外乱フィードフォワードを設定
する必要があり、不正確だとフィードフォワード補正に
おいて満足な性能が得られない、(3)動揺外乱加速度
の同定精度が不十分であり、フィードフォワード補正す
ると信号波形が歪んでしまうことがあるという課題があ
った。 【0019】本発明は、このような課題を解決し、高精
度で短時間に初期姿勢および初期方位角を決定すること
のできる慣性航法装置を提供することを目的とする。 【0020】 【課題を解決するための手段】本発明の慣性航法装置
は、測定される速度データを 【数5】でモデル化し、評価関数 【数6】 を最小にするΘの推定値を 【数7】 により求め、 【数8】 により初期設定時の速度誤差を推定することを特徴とす
る。 【0021】 【作用】初期アライメント中の加速度データの南北方向
成分および東西方向成分の積分値である速度データをバ
ッチシーケンシャル形の改良最小二乗法を用いてプリフ
ィルタ処理し、処理後の速度データをカルマンフィルタ
入力とする。これにより、簡単かつ精度よく速度誤差の
推定値を得ることができ、短時間で高精度に初期姿勢お
よび方位を決定できる。 【0022】 【実施例】図1は本発明実施例の船舶用慣性航法装置を
示すブロック構成図である。この実施例装置は、上述し
た従来例と同様に、IMU部11と、入出力回路12
と、加速度計誤差補正計算部21、ジャイロ誤差補正計
算部22、加速度座標変換計算部23、座標変換行列計
算部24、修正量計算部25、速度位置計算部26、姿
勢方位計算部27、減算回路28、29、カルマンフィ
ルタ部30、動揺外乱加速度同定計算部33、フィード
フォワード補正計算部34および速度計算部35からな
るコンピュータ部と、入出力回路41と、入出力データ
表示装置42とを備える。カルマンフィルタ部30は、
出力誤差推定計算部31とIMU誤差推定計算部32と
を備える。さらに本実施例では、コンピュータ部内に、
動揺外乱除去計算部43を備える。 【0023】図4ないし図7はこの実施例の動作フロー
を示す。この実施例において、動揺外乱除去計算部43
以外の各部の動作は上述した従来例と同等である。これ
らの動作について簡単に説明した後に、動揺外乱除去計
算部43の動作について詳しく説明する。 【0024】IMU部11は船体基準軸に取り付けられ
た加速度計およびジャイロにより構成される。加速度計
の出力は入出力回路12および加速度計誤差補正計算部
21を介して加速度座標変換計算部23に入力され、ジ
ャイロの出力は入出力回路12およびジャイロ誤差補正
計算部22を介して座標変換行列計算部24に入力され
る。加速度座標変換計算部23は、加速度計が出力した
船体座標における加速度を航法座標における加速度に変
換する。速度位置計算部26はこの航法座標における加
速度を積分してその船の速度および位置を求める。座標
変換行列計算部24はジャイロが出力した船の回転角速
度から船体座標と航法座標との間の変換規則を求める。
姿勢方位計算部27は座標変換行列計算部24の出力に
よりその船の姿勢および方位を求める。求められた速
度、位置、姿勢および方位は入出力回路41を介して入
出力データ表示装置42に出力される。 【0025】入出力回路41には外部から速度比較値お
よび位置比較値が入力され、速度比較値を減算回路28
に、位置比較値を減算回路29に供給する。減算回路2
8、29は、それぞれ速度位置計算部26により求めら
れた速度および位置と入出力回路41からの速度比較値
および位置比較値との差を求め、カルマンフィルタ部3
0に供給する。カルマンフィルタ部30内の出力誤差推
定計算部31は減算回路28、29の出力に基づいて出
力誤差を推定して修正量計算部25に出力し、修正量計
算部25は速度位置計算部26および座標変換行列計算
部24のそれぞれの演算の修正量を求める。カルマンフ
ィルタ部30内のIMU誤差推定計算部32は減算回路
28、29の出力に基づいてIMU誤差を推定して加速
度計誤差補正計算部21およびジャイロ補正誤差補正計
算部22に出力し、加速度計誤差補正計算部21および
ジャイロ補正誤差補正計算部22は加速度計およびジャ
イロのそれぞれの出力誤差を補正する。 【0026】動揺外乱除去計算部43は、速度比較値が
零である初期アライメント中の速度誤差を推定してカル
マンフィルタ部30内の出力誤差推定計算部31および
IMU誤差推定計算部32にそれぞれ供給する。初期ア
ライメント中には、速度ベクトルの北方向成分VN およ
び東方向成分VE が、 【数9】 となる。この式において、VdN、VdEが各方向の動揺外
乱速度であり、ΔVN (t) 、ΔVE (t) はジャイロ誤
差、加速度計誤差、姿勢および方位誤差その他により発
生する速度誤差である。 【0027】初期アライメントの目的は、何らかの方法
でVdN、VdEを小さくし(理想的には零)、ΔVN (t)
、ΔVE (t) を抽出してカルマンフィルタ部30の入
力とすることにより、ジャイロ誤差、加速度計誤差、姿
勢および方位誤差、速度誤差などの誤差を推定するもの
である。この初期アライメントで求めた推定値により誤
差を修正することにより、正確な姿勢および方位を求め
ることができる。各誤差の推定値の精度は、動揺外乱速
度VdN、VdEをどの程度除去できたかに大きく左右され
る。 【0028】次に、改良形最小二乗法を用いて短い時間
で動揺外乱速度VdN、VdEを除去してΔV
(t) 、ΔV(t) を抽出することについ
て説明する。速度位置計算部26により求められる北方
向および東方向の速度についての測定データy
(t) 、y(t) は、 【数10】 と表される。ここで、δVNr、δVErは正規白色性
の観測ノイズである。これらの測定データy(t)
、y(t) において、除去すべき動揺外乱速度
dN、VdEは周期約数10程度の周期波形であ
り、信号ΔV(t) 、ΔV(t) は例えば
周期84分(シューラー周期)の正弦波である。測定デ
ータy(t) 、y(t) をまとめて次のよ
うにベクトル表現する。 【数11】 【0029】また、測定データとは別に、北方向および
東方向の速度を次の自己回帰モデルでモデル化する。 【数12】 このモデルのパラメータΘを実際の測定データを用いて
推定することで、信号ΔVN (t) 、ΔVE (t) を近似す
ることができる。 【0030】パラメータΘを最適推定するための評価関
数は、次のバッチ形データで表される。 【数13】 【0031】この評価関数を最小にする推定値は、 【数14】 となる。この推定値を用いて、信号ΔVN (t) 、ΔVE
(t) の推定値が、 【数15】 により求められる。この推定値をカルマンフィルタ部3
0への入力とする。 【0032】図8はパラメータΘの推定動作を説明する
図である。現在の時刻がti のとき、ti-(N-1) からt
i までのそれぞれの時点における測定データからパラメ
ータΘの推定値を求める。 【0033】以上の説明では速度位置計算部26により
求めた速度データをプリフィルタ処理してカルマンフィ
ルタ部30に入力する構成を示したが、加速度座標変換
計算部23の出力する加速度データをプリフィルタ処理
してから積分し、これをカルマンフィルタ部30の入力
とすることもできる。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の船舶の慣
性航法装置は、初期アライメント中の速度データをバッ
チシーケンシャル形の改良最小二乗法を用いてプリフィ
ルタ処理し、処理後の速度データをカルマンフィルタ入
力とすることにより、簡単かつ精度よく速度誤差の推定
値を得ることができる。したがって、約15分程度の短
時間で高精度に初期姿勢および方位を決定できる効果が
ある。 【0035】また、同定が終了するまでの時間を節約す
ることができ、整定時間をより短縮することができるの
で、消費電力を節約できる効果がある。 【0036】さらに、初期姿勢および初期方位をより高
精度かつ短時間に決定することができ、短時間での出航
が可能となり、船舶の運用コストを削減できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明実施例の慣性航法装置を示すブロック構
成図。 【図2】従来例の慣性航法装置を示すブロック構成図。 【図3】慣性航法装置で用いられる座標を示す図。 【図4】実施例装置の動作フローの一部を示す図。 【図5】実施例装置の動作フローの一部を示す図。 【図6】実施例装置の動作フローの一部を示す図。 【図7】実施例装置の動作フローの一部を示す図。 【図8】パラメータΘの推定動作を説明する図。 【符号の説明】 11 IMU部 12、41 入出力回路 21 加速度計誤差補正計算部 22 ジャイロ誤差補正計算部 23 加速度座標変換計算部 24 座標変換行列計算部 25 修正量計算部 26 速度位置計算部 27 姿勢方位計算部 28、29 減算回路 30 カルマンフィルタ部 31 出力誤差推定計算部 32 IMU誤差推定計算部 33 動揺外乱加速度同定計算部 34 フィードフォワード補正計算部 35 速度計算部 42 入出力データ表示装置 43 動揺外乱除去計算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−340763(JP,A) 特開 昭61−31920(JP,A) 特開 平5−141981(JP,A) 特開 平6−265367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 3/00 G01C 21/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 船体基準軸に取り付けられた加速度計お
    よびジャイロからなるIMU部(11)と、 上記加速度計が出力した船体座標における加速度を航法
    座標における加速度に変換する第一の演算手段(23)
    と、 この航法座標における加速度を積分してその船の速度お
    よび位置を求める第二の演算手段(26)と、 上記ジャイロが出力した船の回転角速度から船体座標と
    航法座標との間の変換規則を求める第三の演算手段(2
    4)と、 この第三の演算手段の出力によりその船の姿勢および方
    位を求める第四の演算手段(27)と、 上記第二の演算手段により求められた速度および位置と
    外部から入力された速度比較値および位置比較値との差
    に基づいて上記第二および上記第三の演算手段のそれぞ
    れの演算の修正量を求める第一の補正手段(31、2
    5)と、 上記第二の演算手段により求められた速度および位置と
    外部から入力された速度比較値および位置比較値との差
    に基づいて上記加速度計および上記ジャイロのそれぞれ
    の出力誤差を補正する第二の補正手段(32、21、2
    2)と、 速度比較値が零である初期設定時の速度誤差を推定して
    上記第一および上記第二の補正手段にそれぞれ供給する
    初期設定手段とを備えた船舶の慣性航法装置において、 この初期設定手段は、航法座標における加速度を積分し
    た速度データを 【数1】でモデル化し、評価関数 【数2】 を最小にするΘの推定値を 【数3】 により求め、 【数4】 により初期設定時の速度誤差を推定する手段を含むこと
    を特徴とする船舶の慣性航法装置。
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