JPH11117758A - エンジン電装補機用部材 - Google Patents

エンジン電装補機用部材

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JPH11117758A
JPH11117758A JP27900797A JP27900797A JPH11117758A JP H11117758 A JPH11117758 A JP H11117758A JP 27900797 A JP27900797 A JP 27900797A JP 27900797 A JP27900797 A JP 27900797A JP H11117758 A JPH11117758 A JP H11117758A
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drive shaft
pulley
belt
rotary drive
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JP27900797A
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Yoichi Matsumoto
洋一 松本
Hiromichi Takemura
浩道 武村
Takashi Nagato
孝 永戸
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電気が軸受側に流れるのを妨げ、電気分解
水素による軸受の早期剥離を防止し、それ自体も丈夫で
長寿命であるエンジン電装補機用部材を提供する。 【構成】 回転駆動軸4に取り付けられた転がり軸受6
と、この転がり軸受6の近傍にて前記回転駆動軸4に取
り付けられ、ハウジング3,9及び前記回転駆動軸4の
うちの少なくとも一方と電気的に絶縁されたハブ部5a
と、このハブ部の外周に連結されてハブ部5aと一体化
され、かつ、前記回転駆動軸からの回転駆動力を他部材
に伝達するために外周にベルトが巻き掛けられた金属製
のベルト摺接部5bと、を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
まわりのベルト伝動系・駆動系(例えばオルタネータ
用、電磁クラッチ用、コンプレッサー用、水ポンプ用な
ど)において用いられるエンジン電装補機用部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、転がり軸受の耐久寿命は、潤滑
剤中に僅かでも水分が混入すると大きく低下する。例え
ば、Schatzbergらは、潤滑油中に僅か100ppm の水分
が混入するだけで、鋼の転がり疲れ強さが32〜48%
も低下することを報告している(P.Schatzberg,I.M.Fel
sen : Effects of water and oxygen during rolling c
ontactlubrication,wear,12,pp.331-342,1968)。
【0003】また、一般に、転がり軸受の耐久寿命は、
振動を受け、軸受周りの剛性が弱いと大きく低下する
(村上保夫、武村浩道:電装用軸受のフレーキング現象
の研究、日本トライボロジー学会トライボロジー会議予
稿集(名古屋1993-11)、pp.295-298)。
【0004】自動車エンジンの電装・補機用軸受は、上
記の2つの悪条件を同時に受けるため定格疲れ寿命以下
の時間で剥離を生じやすい。ここで、自動車エンジンの
電装・補機用軸受とは、オルタネータ用軸受、カークー
ラ電磁クラッチ用軸受、アイドラプーリ用軸受、水ポン
プ用軸受等のエンジン外部にあるベルト駆動の補助機械
の軸受で、これらは路面より跳ね上げられる泥水や雨
水、水ポンプ用軸受については、さらにエンジン冷却用
循環水の浸入も受けやすい。これらの軸受の主な水浸入
対策は、NSK Technical Journal, No.660, pp.15-22,19
95(オルタネータ用軸受)やNSK Technical Journal, N
o.652,pp.66-67, 1992(水ポンプ用軸受)に記載のごと
く、内蔵シールの高性能化である。しかし、現実にはシ
ールの摩耗や劣化により水の浸入を完全には防ぐことは
できない。一方、振動対策としては、緩衝材のような働
きをする振動減衰効果に優れたグリースの使用が実施さ
れている(NSK Technical Journa1,No.657,pp.49-51,19
94) 。しかしながら、近年の自動車の高性能化により、
電装・補機用軸受の使用温度が高くなり、結果として、
グリースの軟化によりグリースの振動減衰能が低下する
ので、軸受の早期剥離を防止できない。このように、自
動車エンジンの電装、補機用の軸受は、水浸入と振動の
両方を受けて、短寿命になる。
【0005】このような自動車のエンジン周りにおいて
は、クランクシャフトからの回転力を駆動プーリとベル
トを介して、オルタネータや電磁クラッチ、コンプレッ
サーなどの補機類の先端に取り付けられた受動プーリヘ
伝達している。
【0006】一般に、受動プーリには強度及び加工性の
高い鉄製(S45Cや冷間圧延鋼板、SPCCなど)の
プーリが用いられる。しかし、鉄製プーリをエンジン周
りの補機類に用いると、エンジンのクランクシャフトか
ら伝達される高速回転運動によりプーリのベルト摺接面
に激しい摩擦を生じて、ここに約100〜5000ボル
トの静電気が生成され、この電流がプーリから軸受へ流
れて軸受が損傷を受ける。
【0007】また、近年、軽量化を目的として樹脂製
(ガラス繊維強化フェノ一ル樹脂など)のプーリがエン
ジン周りの補機類に用いられるようになってきている。
例えば、実開平5−22924号公報には、ヘリングボ
ーン状の砂塵排出溝に生じている空気流により、ベルト
摺接面と伝動ベルトとの接触部に侵入した砂塵を速やか
に排出するため、砂塵による研磨作用を低減するととも
に、接触摩擦による昇温を抑制することができる樹脂製
プーリが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、全部が樹脂製
のプーリをエンジン周りの補機類に用いると、樹脂自体
は電気絶縁体であるためにベルトとの摺接によってプー
リが帯電し、ベルト摺接面の接触部に砂塵などの異物が
付着侵入しやすくなり、研磨作用(アブレッシブ作用)
によってベルト摺接面が早期のうちに異常摩耗を引き起
こしたり、過剰な昇温による異常変形を生じたりする。
その結果、ベルト伝動に不具合を生じたり、樹脂製プー
リ自体の寿命が短期間で尽きてしまうという問題があ
る。さらに、実開平5−22924号公報に開示されて
いる全部が樹脂製プーリは、近年のエンジン高出力下の
ベルト張力の増加により、使用環境の温度が上昇してい
ることから、プーリ摺接面が早期に摩滅してしまい、短
寿命である。このため、長寿命の受動プーリの開発が要
望されている。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、振動と水分の浸入を受ける環境下で
使用される軸受を備え、自動車エンジンの電装、補機用
の部材として伝動ベルトとの回転摩擦の際に発生する静
電気が軸受側に流れるのを妨げ、電気分解水素による軸
受の早期剥離を防止し、それ自体も丈夫で長寿命である
エンジン電装補機用部材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述のごとく、水分と振
動は鋼の転がり疲れ強さを低下させる。本発明者らはエ
ンジン電装補機用の転がり軸受の寿命につき鋭意研究努
力を継続した結果、次の知見を得た。すなわち、ベルト
と受動プーリとの相互摩擦により生じた静電気は、軸受
の軌道面と転動面との間に流れ、潤滑剤中の水分を電気
分解し、その際に発生する水素の一部が、軸受中に浸入
し、その結果として、軸受(材料)が水素脆化し、短寿
命になる。振動は水素の拡散をさらに促進させる。グリ
ース中の水分や軸受が受ける振動を皆無にすることは極
めて困難なので、電装、補機用転がり軸受の耐久寿命を
改善するには、軸受の軌道面と転動面との間に静電気が
流れることを防止すればよい。
【0011】本発明に係るエンジン電装補機用部材は、
回転駆動軸に取り付けられた転がり軸受と、この転がり
軸受の近傍にて前記回転駆動軸に取り付けられ、ハウジ
ング及び前記回転駆動軸のうちの少なくとも一方と電気
的に絶縁されたハブ部と、このハブ部の外周に連結され
てハブ部と一体化され、かつ、前記回転駆動軸からの回
転駆動力を他部材に伝達するために外周にベルトが巻き
掛けられた金属製のベルト摺接部と、を具備することを
特徴とする。
【0012】なお、回転駆動軸に接触するハブ部の内周
面は絶縁性の樹脂からなることが望ましい。このような
絶縁性樹脂にはグラスファイバ40%含有ポリフェニレ
ンサルファイト(GF40含有PPS)、ポリブチレン
テレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(PO
M)、ナイロン66等を用いることが好ましい。
【0013】また、転がり軸受はハウジング及び回転駆
動軸のうち少なくとも一方から絶縁されていることが望
ましい。この場合に、ハウジングに60%リニアポリフ
ェニレンサルファイト(LPPS)+20%グラスファ
イバ(GF)+20%SiCウィスカのような複合絶縁
材料を用いたり、回転駆動軸の軸受嵌合部にポリイミド
樹脂のような絶縁性コーティングをすることが好まし
い。
【0014】さらに、転がり軸受そのものに静電気を流
さないように絶縁するか、たとえ軸受に静電気が流れた
としても、シール部材を介して電気がアース側に流れる
ようにシール部材を導電性材料にすることが有効であ
る。このため、さらに上記の転がり軸受は導電性シール
部材を備えていることが好ましい。
【0015】さらに、ベルト摺接部とハブ部とは内外周
面の回り止め用凹凸部で嵌合され、互いに滑りを生じる
ことなく一体物としてともに回転するようになっている
ことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら
本発明の種々の好ましい実施の形態について説明する。
図1は自動車エンジン用のオルタネータを示す概略断面
図である。オルタネータ2のロータ部分はハウジング3
内に収納され、2つの軸受6,8によって回転自在に支
持されたシャフト(回転駆動軸)4がハウジング3のフ
ロント側からリア側に貫通している。フロント側の軸受
6のすぐ近傍で、プーリ5がナット7によりシャフト4
に締結されている。このプーリ5にはベルト(図示せ
ず)が巻き掛けられ、他部材(図示せず)に回転駆動力
が伝達されるようになっている。
【0017】図2に示すように、フロント側の軸受6に
おいては、外輪6aの外周に絶縁被覆9が被せられ、フ
ロント側軸受の外輪6a,内輪6b,転動体6c,保持
器6dなどの各構成部材がオルタネータのハウジング3
などの他部材から絶縁されている。この絶縁被覆9には
60%リニアポリフェニレンサルファイト(LPPS)
に20%グラスファイバ(GF)及び20%SiCウィ
スカを含む複合材料が用いられている。このような絶縁
被覆9によって、ベルトとプーリ5との摺動摩擦により
生じた静電気がフロント側の軸受6に流れないようにな
っている。なお、フロント側の軸受6に導電性シール
(図示せず)を取り付け、導電性シールを介して静電気
をアース回路に積極的に流すようにしてもよい。
【0018】図3は本実施例における試験形態図(絶縁
性プーリならびにオルタネータとの組合せ)を示す概要
断面図である。試験は特開平9−89724号公報に開
示された試験機を用いて行った。オルタネータモデル1
0の静止部材12は固定ベース11の上に固定され、こ
の静止部材12をシャフト4が貫通している。シャフト
4は前後2つの軸受6,8によって回転自在に支持され
ている。フロント側の軸受6にはアルミニウム製のハウ
ジング3Aが取り付けられ、このハウジング3Aの適所
に振動計13が取り付けられている。なお、フロント側
の軸受6には所定のラジアル荷重が負荷されている。
【0019】フロント側の軸受6の近傍ではプーリ5が
ナット7によりシャフト4に締結されている。このプー
リ5は、図5に示すように、外周部(ベルト摺接部)5
bが金属製で、内周部(ハブ部)5aが絶縁性樹脂から
なるハイブリッド型プーリである。プーリ外周のベルト
摺接部5bには例えばJISに規定されたS45Cを用
い、プーリ内周のハブ部5aには例えばPPS、PB
T、POM、ナイロン66樹脂などを用いる。
【0020】プーリ5の金属外周部にはベルト(図示せ
ず)が巻き掛けられ、回転力が伝達されるようになって
いる。なお、図6に示すように、プーリ5Aのハブ部5
aとベルト摺接部5bとをリテーナ5cによって互いに
連結し、両部材5a,5bの間でスリップを生じないよ
うにしてもよい。
【0021】また、図4に示すように、スリップリング
23を筒部材21及び保持部材22を介してプーリ5の
先端側に取り付け、回り止めとしている。この場合に、
スリップリング23に電圧計を接続し、プーリ5と軸受
6との間の電位差を測定するようにしている。
【0022】次に、図5又は図6に示すハイブリッド絶
縁プーリ(外周部;S45C、内周部;PPS、PB
T、POM、ナイロン66樹脂)5,5Aを用いて試験
を行った軸受(実施例)と、金属製プーリ(S45C、
SPCC)を用いて試験を行った軸受(比較例)とで寿
命を比較した試験結果について説明する。 (試験条件)試験機としては、回転数を所定時間毎(例
えば9秒毎)に5000rpmと10000rpmとに
切り換えるベンチ加減速試験である。この実験条件で
は、回転中の伝動ベルト表面の静電気を測定した結果、
100〜500ボルトの静電気が発生していた。
【0023】実施例および比較例ともに、試験軸受けに
はJIS呼び番号6303を用い、荷重条件はP(負荷
荷重)/C(動定格荷重)=0.10とし、封入グリー
スにはEグリースを用いた。ここで、「Eグリース」と
は合成炭化水素油(動粘度が47.3cSt(40
℃),7.9cSt(100℃))に増ちょう剤として
ウレアを配合し、混和ちょう度(25℃,60W)を2
50に、混和安定度(25℃,105 W)を364に、
酸化安定度(99℃,100時間)を0.025MPa
に、離油度(99℃,24時間)を0.3%に、蒸発量
を(99℃,22時間)を0.34%に、滴点を260
℃以上に、水洗耐水度(79℃,1時間)を2%に調整
され、銅板腐食(100℃,24時間)に合格したもの
をいう。さらに、この時の軸受の計算寿命は2200時
間であり、従って、試験打ち切り時間を2000時間と
した。試験は各々10回ずつ行なった。
【0024】図5に示すハイブリッド絶縁プーリ5は、
複数の凹凸のV溝からなる外周部材5bとして金属製部
材(S45C等)を採用し、シャフト4と内接する内周
部材5aを絶縁樹脂(PPS1140等)を採用した。
このハイブリッド絶縁プーリ5では、温度が上昇した場
合に、樹脂と金属との熱膨張係数の違いからすきまが生
じることが考えられるため、約10〜50μmのはめ合
い公差にて組み立てた。また、すきま公差とする場合
は、図6に示すように、プーリ5Aの端面にリテーナプ
レート5cを取り付けることが望ましい。
【0025】表1に、実験結果を示す。この結果、実施
例1,2,3のハイブリッド絶縁プーリを用いた試験で
は、200hrに至っても軸受に剥離はくりを生じなか
った。また、実施例4に関しては、10個中3個はくり
を生じたが、L10寿命が1563時間と、比較例1の
295時間、比較例2の314時間と比較して約5倍と
長寿命となった。
【0026】この結果、実施例1,2,3の絶縁樹脂と
比較して、実施例4のナイロン66は、若干の水分が雰
囲気中にある場合、ナイロン自体が水分を吸着しやすい
ため、わずかな静電気な流れ、3個はくりしたと考えら
れる。
【0027】ここで、プーリ端面前方の端面にスリップ
リング23を取り付け、試験中のプーリ5と試験軸受の
電位差を測定した結果、実施例1,2,3,4ではほと
んど電位差が見られなかった。これに対して比較例1,
2では、いずれの場合も電位差がみられ、軸受内に電流
が流れていたことが確認された。
【0028】なお、上記実施例では、絶縁樹脂として、
PPS、PPT、POM、ナイロン66を用いたが、そ
の他の絶縁製樹脂としては、ガラス繊維強化フェノ一ル
樹脂に金属繊維を配合した樹脂を用いるとか、グラファ
イトを配合した樹脂を用いることも有効である。
【0029】内径φ17mm、外径φ47mm、幅14mmの
接触ゴムシール付き深溝玉軸受(プラスチック保持器付
き)に表1の特性のグリース2.3gを封入し、NSK Te
chnical Journal,No.656,pp.1-14,1993 に記載の台上に
設置されたエンジンのオルタネータのプーリ一側軸受と
して耐久寿命試験を行なった。図1に使用したオルタネ
ータの概略断面図を示す。Vリブドプーリおよびシャフ
トは、鋼製のものを使用した。
【0030】外輪、内輪、鋼球は、全て軸受鋼2種(S
UJ2)を、焼入れ焼戻し処理をして作製した。耐久寿
命試験において、試験軸受に負荷される荷重は、1890N
(試験軸受の基本動定格荷重は 13500N)で、内輪の回
転速度は、2000rpm から14000rpmの間で繰返し変動させ
た。2000rpm から14000rpmへの加速に要する時間および
14000rpmから2000rpm への減速に要す
る時間はそれぞれ30秒である。本試験軸受の定格疲れ
寿命(L10cal)は、 L10cal = (13500/1890)3 ×106 /(8000×60)=759 時間 である。
【0031】耐久寿命試験において、定格疲れ寿命の時
間までに破損しない場合は試験を打ち切った。本試験の
試験数は、5個であり、剥離を発生した時間は、それぞ
れ389時間、254時間、208時間、184時間、
135時間であった。すなわち、5個とも定格疲れ寿命
以下の時間で破損(剥離)した。
【0032】次に、試験軸受の外輪6aの外径面と側面
を厚さ0.5mmの絶縁性の樹脂被膜9で覆い、上記と同
様の耐久寿命試験を行なった。なお、樹脂皮膜9は、射
出成形により付着させた。
【0033】本実施例では、PPSを60重量%、ガラ
ス繊維を20重量%、SiCウイスカを20重量%の割
合で調合し、ブレンダやヘンシェルミキサで混合したあ
と、二軸押し出し機等の押し出し機に供給し、押し出し
機から材料ペレットを得て、次に、外輪6aの外側に絶
縁皮膜の厚さ0.5mmに対応させて形成した金型を設置
し、外輪6aと金型との間の空間に前記ペレットを溶融
した材料を射出し、所定の時間冷却後、外輪6aと絶縁
皮膜9を有する成形品を作製した。なお、本実施例の絶
縁樹脂の比抵抗は1010Ω・cm以上であった。耐久寿
命試験は、5個の軸受について行なったが、すべて定格
疲れ寿命の時間である759時間まで試験しても破損を
生じなかった。
【0034】上記2種類の耐久試験より、電装、補機用
転がり軸受に流れる静電気を遮断することで、その耐久
寿命を改善することができることが確認された。上記実
施例では、外輪とハウジングの間を電気的に絶縁した
が、内輪とシャフトの間を電気的に絶縁しても同じ効果
が得られる。また、プーリを絶縁性の樹脂で作製しても
同じ効果が得られる。さらに、導電性のゴムシールを用
いても、同じ効果が得られる。なお、本願発明のプーリ
は補機用プーリそのものとして単独に用い、高振動、高
張力、高温化に寿命の高いプーリを提供できる。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、エンジ
ンからの高振動・高張力に伴う、伝動ベルトとプーリの
摩擦によって発生する静電気が、プーリの端面と接合す
る転がり軸受に流れ込むのを妨げ、電気分解水素による
軸受構成部材の早期はくりを防ぎ、且つ、プーリ自体の
破損を防ぎ、オルタネータ、電磁クラッチ等のユニット
としての長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オルタネータを示す概略断面図。
【図2】転がり軸受の部分断面図。
【図3】耐久性試験に用いたオルタネータ模擬試験機を
示す概略断面図。
【図4】オルタネータ模擬試験機の一部を示す概略断面
図。
【図5】本発明の実施形態に係るエンジン電装補機用部
材を示す概略断面図。
【図6】本発明の他の実施形態に係るエンジン電装補機
用部材を示す概略断面図。
【符号の説明】
2…オルタネータ、3,3A…ハウジング、4…回転軸
(シャフト)、5,5A…補機用部材(プーリ)、5a
…ハブ部(絶縁樹脂製)、5b…ベルト摺接部(金属
製)、5c…リテーナ、6,8…軸受、7…ナット、9
…絶縁被覆、10…オルタネータモデル(模擬試験
機)、13…振動計、23…スリップリング。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動軸に取り付けられた転がり軸受
    と、この転がり軸受の近傍にて前記回転駆動軸に取り付
    けられ、ハウジング及び前記回転駆動軸のうちの少なく
    とも一方と電気的に絶縁されたハブ部と、このハブ部の
    外周に連結されてハブ部と一体化され、かつ、前記回転
    駆動軸からの回転駆動力を他部材に伝達するために外周
    にベルトが巻き掛けられた金属製のベルト摺接部と、を
    具備することを特徴とするエンジン電装補機用部材。
  2. 【請求項2】 前記回転駆動軸に接触する前記ハブ部の
    内周面は絶縁性の樹脂からなることを特徴とする請求項
    1記載のエンジン電装補機用部材。
  3. 【請求項3】 前記転がり軸受は前記ハウジング及び回
    転駆動軸のうち少なくとも一方から絶縁されていること
    を特徴とする請求項1記載のエンジン電装補機用部材。
JP27900797A 1997-10-13 1997-10-13 エンジン電装補機用部材 Pending JPH11117758A (ja)

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